安価で後輩 (82)

僕の名前は「安価 太郎」。名前のせいでよく皆にからかわれてます。

そして僕の目の前にいる女の子。歳下で一年生の──


後輩の
名前
容姿
性格などなど↓3くらいまで

常盤 緑。鼻先ほどまである前髪で片目が隠れている女の子。

緑「な、何ですか……?」

少し見つめるだけでキョロキョロしている。照れ屋なのだ。あと胸でかいおっぱい。

「土曜日くらい休んでもいいんだよ」

部員数たった二人の写真部員。もちろん部員というのは僕らだが、活動などする訳でもなく空き教室でダラダラと時間を潰していた。

暇だなぁ。唯一の部員は顔を伏せて本を読み始めた。


何かしてみるか?↓2

「次の写真、何撮りたい?」

視線を上げ、口元に本を持ってきて考える仕草をする。

緑「前回が花とてんとう虫……次はぁ……」

少し考え込み始めた。そう、前回……この部始まって以来の記念すべき初写真は「花とてんとう虫」だった。

「そろそろ梅雨だしカタツムリとか?」

僕の提案に彼女は目を輝かせた。

緑「すごいです。……本当に写真部みたい」

本当に写真部なんだよな、それが。
すぐに結論が出た。次の題目は「小雨の中のカタツムリ」。撮りに行くのは梅雨になってからだ。
今すぐではないので、結局は暇なのだが。

緑「……」

やはり本に集中しているようだ。家でも出来そうなものだが。

何かしてみるか↓2

優しく頭に手を置き撫でてみた。

緑「え……?!」

一瞬驚いたようだが、自分の状況を理解して読書を続けていた。

「えらいえらい」

緑「先輩……そんな……」

顔はよく見えなかったが耳が真っ赤になっているのを確認して、少し笑いそうになる。
彼女が本に顔をうずめた。

緑「なんか、恥ずかしいです……!」

顔を完全に隠しきったのはささやかな反抗だろうか。手を離し椅子に座った。

「そんなに照れることないよ。ちゃんと部活出てもらって感謝してる訳だし」

緑「うぅ……もっと、違う感じでお願いしますっ」

やりすぎたのだろうか。目すら合わせてもらえない。

何かするか?↓2

おもむろに立ち上がり緑の後ろへ行く。既に読書を再開した彼女は隙だらけで、あとは実行に移すのみだった。後ろから見てもおっぱいでけぇな。

ページをめくるその瞬間、今だ。

緑「ひゃぁぁあっ?!」

ガタンと音を立て立ち上がり、こちらと距離をおく。

「あ、あのー」

緑「むぅぅ。……せくはらですっ!」

髪の間から見えた片目はかなり潤み、雫をすぐにでも落としそうだった。しかし、視線は定まらず僕の目や顔を直視するには至らなかった。

細い腕で頼りないファイティングポーズもどきをとるが、本気で抵抗していない。逆に胸が強調されているのは言わない方がいいんだろうなー。

「ごめん。むしゃくしゃしてやった。反省している」

緑「……再犯率」

「0パーセント」

緑「せ、先輩でも許しませんよ……?もうダメですっ」

「今度パンケーキでもおごるよ」

緑「……!!」

目の色が変わった。正直チョロいな。

その性格上、歯止めをかけないと彼女の心に深い傷ができるかもしれないな。

何かするか↓2

「そういうチョロいとこ好きだぞ」

緑「……?」

首を傾げている。チョロいという言葉を知らなかったのだろうか?
本日の部活動は昼で終わりだ。そして残り時間は少ない。僕は身支度を整え始めた。

緑「あ、もうそんな時間ですか……」

それに気がつき緑も本をパタリと閉じた。
明日も部活動をするか否か考えながらカバンを取る。

最後に何かするか?↓2

「午後から暇? 常盤さん」

僕は彼女を常盤さんと呼んでいる。これには少し訳がある。それはまあ、そのうちわかるだろうか。

緑「……? 予定はないですけど」

「どこか行かない?」

緑「え……? ええっ?! ど、どこかって二人でですか?!」

この程度でオドオドするから面白い。

どこに誘う、もしくは何する?↓2

「カラオケとか?」

僕の提案を聞いた彼女は露骨に嫌そうな顔をした。

緑「うぅ……」

「嫌だった?」

緑「いえ……お誘いは嬉しいのですが……」

何を渋っているのだろうか。

「とにかく行こう」

少し強引に手を握り引っ張った。

緑「……!」

力なくついて来てはいるが、その顔は何とも言えない表情をしていた。

男女二人きりの密室。部室のそれとは違う雰囲気……といってもカラオケなのだが。
緑のぎゅっとした口元は恥ずかしさを堪えているものだろうか。

「常盤さん何歌う?」

緑「せ、先輩から……」

密着とはいかずとも普段より近い。さっき頭とか胸触ったとかは置いといて、だが。

緑「……」

「ほら、始まるよ」

緑「……いじわるっ」

無理やりだが、最近はやりの恋愛ソングを歌わせてみた。
思った以上に上手く、控えめな声量でチラチラとこちらを気にしながら歌っていた。

カラオケは少し早めに切り上げた。まだ昼過ぎだが、日は高く気温が上がっていた。

「暑いなー」

緑「先輩、あそこに日陰があります」

「涼もう。常盤さん、歌上手いんだね」

緑「急に何ですか……!! もうっ」

髪を揺らしてそっぽを向いた。

何かするか? このまま解散するのもいい。どうせ明日また部室で会えるのだから……。

↓2

すぐ近くにあるゲームセンターに来た。

緑「……本当に勝ったらパンケーキですよね?」

「もちろん」

道中、そういう約束をした。ゲームで僕に勝てばパンケーキをおごる。大好物にはめっぽう弱いので釣り餌には最適だ。

どのゲームで勝負する?↓2

「これやってみよう」

緑「……先輩、やったことありますか?」

「いいや、ないね」

硬貨を投入する。お互いにプレイするのは初めてらしく、戸惑いながらもなんとか楽しめた。

惨敗したけど揺れる胸を割と見れたからとかじゃなくて。

……どうやら飽きるまでパンケーキをご馳走することになりそうだ。

緑「……えへへ」

楽しそうにリザルト画面を見る彼女は、なんだかいじめたくなるような守りたくなるような。

どっちだよ。

緑「どうしたんですか、先輩? 悔しかったです?」

「いいや、はしゃいでる常盤さんが可愛いなあって」

緑「うぅぅ、せっかく喜んでたのにっ! いじわる!」

口調も表情も怒りのそれとはかけ離れていて、普段のおとなしい感じとも違って、それはもう。

僕らはしばらく遊んだ後、帰宅した。
家まで送ったのだが別れ際の「楽しかったです」は着信音にしたいくらいだ。


そして翌日。

緑「……」

俯いて本を読むのは昨日と変わらなかった。

「日曜日なのに部活かぁ」

緑「……ふふっ」

「ん?」

緑「自由参加なのに」

「まあね」


何かするか?↓2

視界が揺らいできた。目の前で胴長の猫が踊っている。いや、これは夢じゃない……?



緑「……先輩?」

どれくらい寝ていただろうか。重いまぶたを上げるとカメラを持った緑がこちらを見ていた。

緑「おはようございます、先輩」

「まさか……」

緑「はいっ。貴重な寝顔です」

カメラを構えて写真を撮るふりをした。こんな風にイタズラをすることもあるのは意外だった。

「いつか常盤さんの寝顔も撮ってやる……!」

緑「えぇ?! そ、それは困ります……! ううん、でも……」

などと言っているうちに部室に誰かが入ってきた。ガラガラとドアが開く。


来た人↓3くらいまでから1人

これまでの学校生活で無縁だと思った人物だった。
ショートヘアーでクールな、いかにも優等生の彼女は僕より一つ上の先輩だった。

何度か見かけたことがある。そう、生徒会長だ。


名前とか詳細↓2

紫「失礼します」

突然の来客に戸惑う。

緑「え……?」

「何ですか?」

紫「私、生徒会長の坂本 紫です」

僕らも一応名乗ってはみたものの、なぜ彼女がこの部屋に来たのかはわからない。
緑は気にしている様子を見せつつも読書をしている。

紫「……はぁ」

「あの」

紫「何?」

いやそれこっちのセリフ。用がないならなぜ来たんだよ。

何かするか?↓2

「常盤さんに用ですか?」

紫「……?」

違うらしい。何言ってんだコイツって目で見てくるんだが。

「あの、用がないなら……」

紫「むっ……」

なぜか怒った。文字通りだが、むっとしている。

何かするか?↓2

「何か失礼なことを言ったなら謝ります」

なぜか悲しそうな顔をされた。普段の凛とした様子とは違い、頼りない感じだ。もじもじしながら俯いてしまったので再びこちらからきり出すことにした。

「何かしらの理由があってこの部屋に来たのはわかります。でも、何の説明もなしにいられても……」

ぎゅっと拳を握りしめて彼女は言った。

紫「とも……」

「え?」

紫「ともだちに……なって」

why? 何故そんなことになるんだ。緑の方を一瞥すると、少し悩む表情を見せた後に、こくりと頷いた。

「わかりました。でもなぜ僕らなんですか?」

紫「それは……」

聞くところによると、普段の生活は生徒会長として模範たる生徒として過ごしている。それはあくまで外部からの見てくれを良くするためで本質的な付き合いではなく──


要するに面倒だったのだ。昨日僕らが教室を駆け出すのを偶然目撃し、噂に聞く幽霊部員の巣窟に足を踏み入れたらしい。

緑「……」

逃げるように本へ視線を落とす。後で仕返ししてやる。

紫「……」

友達になるならもっと何か……まあいい。まずはこちらから。↓2をする。

「とりあえず座ります?」

紫「うん、ありがと」

すぐそこの椅子に座り、こちらを見つめてくる。

「とりあえず僕達は友人です。ここにいる間は外の人間関係とか忘れてください」

緑「……!」

こくこくと頷く。何か喋ってくれ。

紫「よろしく……お願いします」

照れ臭そうに微笑む。でもやっぱりぎこちない。

何かするか↓2

部室にあるお菓子をあげてみる。普段からいくつか常備しているもので、ほとんど僕の自腹だ。

紫「ありがとう……」

少し表情がほぐれた気がするが、餌付けかな、これ。

緑「……先輩」

「ん?」

緑「友達ならもっとこう……」

もっと仲良くしろと言いたいのだろうが、そうもいかない。もしここでとってつけたような態度で接すると生徒会長殿は悲しい思いをするからだ。

というわけで次。↓2

「ババ抜きしましょう」

紫「う、うん」

緑「トランプなんて持ってたんですね」

割と乗り気な反応だと思う。

「ルールは知ってると思うので、罰ゲームつけます!」

緑「わ、わー!」

そんな小さい声じゃ盛り上がらないぞ。

紫「罰ゲームって何するの?」

うん、そこまで考えてなかった。罰ゲームは↓2

「負けた人は他の2人の選んだ服を着る。あとアレも」

緑「あれっていうのはあの袋ですか?」

「中はまあ、うん。負けた時にでも見ればいいか」

紫「……」

なぜか再び恥ずかしそうな顔をして視線を泳がせる。

「どうかしましたか?」

紫「2人のことどう呼べばいいのかわからなくて……」

そういうことか。それなら……↓2

「苗字でも名前でも呼びやすい方でいいですよ」

紫「太郎と緑……!」

少し照れながら名前を呼び、その後も少し嬉しそうに復唱している。

「紫さん」

緑「紫先輩、ですね」

目を見開き放心している。名前で呼ばれることなどこれまでにいくらでもあったはずなのに。

「では早速ババ抜きを始めます」

手際よくカードを配る。3人とはいえ終わるのは早かった。

「上がりです」

すでに佳境を迎え、2手もあれば決着がつく。

緑「どうぞ……!」

紫「むっ……!」


負けたのは↓2

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