結衣「ア、シマ……」
雪乃「由比ヶ浜さん、今なんて言ったかしら?」
結衣「ん……何が?」
雪乃「……」
結衣「……」
雪乃「脇ノ下脇乃」
結衣「ブフッ!」
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結衣「雪のん、いきなり言うのは卑怯じゃないかな……」
雪乃「由比ヶ浜さん。あなたが私のことをどう思っているのかよく分かったわ」
八幡「おいーす……て何この空気」
雪乃「別に何でもないわ」
結衣「じ、じつはわきのんが
八幡「ブフッ!」
雪乃「……」
八幡「こ、こら由比ヶ浜……」プルプル
結衣「アマタ……やば、なんか笑えてきちゃった……ww」
八幡「おいおい、いくらなんでも雪ノ下がかわいそうだぞ……ww」
雪乃「腋ノ下の腋の下」ボソッ
八幡「ブフォッ!」
結衣「ひ~!もうダメ、あははははは!」
雪乃「ふたりとも酷いわ!そうやって私のことを影で笑いものにしてたのね!」
結衣「べ、別にそういうつもりじゃ…・・・・」
雪乃「言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃない!」
八幡「そうか。じゃあ言ってもいいんだな」
雪乃「……どうぞ」
八幡「雪ノ下、はっきり言うぞ。お前はめちゃくちゃ脇が臭い」
雪乃「私の脇が臭い……?だから脇ノ下なのかしら。下らないわね」
八幡「いや、裏でそう呼んでたのは謝る。でも、それとは別にマジで臭いんだよ」
雪乃「そうかしら?」クンクン
八幡「……」
雪乃「私は何も感じないのだけど」
結衣「雪のん……」
雪乃「え、ちょっと待ってなにこの空気」
雪乃「もしかして、私だけが気づいてなかったの……?」
結衣「それどころか、学校中で有名だよ。雪のんの脇の臭い。」
八幡「俺ですらあーしさんに心配されたからな。一緒の教室で過ごして大丈夫なのかって」
雪乃「じゃあ、私が廊下を歩くと皆が私のことを見てくるのは……」
八幡「強烈な匂いの発散限だからな」
雪乃「私が深窓の令嬢的な扱いを受けているのは……」
結衣「皆雪のんを傷つけないように気を使ってるんだよ。ていうか雪のん、そういう自覚あったんだね……」
陽乃「やっはろ~……て、どしたの雪乃ちゃん?酷い顔してるよ?」
八幡「実は……」
陽乃「あ~なるほど。雪乃ちゃんに言っちゃんたんだ~」
雪乃「っ……姉さんも、私のことを影で笑っていたの?」
陽乃「影で?」
雪乃「あ、イヤ……」
陽乃「……脇ノ下脇乃?」
八幡、結衣「ブフッ!」
陽乃「まぁ、こういうあだ名付くよね。名前的に」
雪乃「……」
陽乃「ていうか、気づいてないのは雪乃ちゃんくらいだよ。昔から、雪乃ちゃんの周りの人はみ~んな、雪乃ちゃんの
臭いに悩まされてきたんだから」
雪乃「そ、そうだったの……?」
陽乃「雪乃ちゃんがいじめられそうになるたびに、私が手を回して雪乃ちゃんを守ってあげたんだけどなあ。
でも途中から限界来ちゃってさ」
雪乃「限界……?」
陽乃「雪乃ちゃんの脇が臭すぎて、さすがの私でも擁護しきれなくなったわけ。雪乃ちゃん、全然脇の処理しようとしないだもん」
雪乃「」
陽乃「雪乃ちゃんの一人暮らしを母さんが許したのも、あまりの臭いに私たちが我慢できなくなったからだよ」
雪乃「」
陽乃「最近暑くなってきたからいよいよ臭いも……」
八幡「陽乃さん、これくらいにしないと雪ノ下が……」
陽乃「それもそっか。雪乃ちゃん、これ使ってみて」
雪乃「これは……?」
陽乃「除毛クリームだよ。まずわき毛の処理から始めよう。あとこれも」
雪乃「これは?」
陽乃「消臭スプレー。登校前に必ず付けること」
雪乃「……分かったわ」
陽乃「それから……」
雪乃「まだあるの?」
陽乃「脇用濡れティッシュ。汗をかいたらこれで脇を拭くこと」
雪乃「いいわ……やってやるわ」
1週間後
雪乃「由比ヶ浜さん、紅茶でいいかしら?」
結衣「ありがとう、雪のん」
雪乃「あの、私の脇の臭いのことなんだけど……」
結衣「あ、うん。全然臭わなくなったよ。ね、ヒッキー?」
八幡「そうだな。教室が魔界から人間界に変わったぞ」
雪乃「酷い言い方ね……でも、それなら良かったわ」
結衣「あはは……」
雪乃「どうぞ、紅茶よ」
結衣「あ、ありがとうあしのん」
八幡「ブフッ!」
雪乃「待って」
完
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