【シュタゲ】救済のリトリート (20)

これは逃げ道などではない。

でも、そう思いたいと願ったところで結局それは敗北への下り道でしかなかった。

あの閉じた世界の中から、救いを求めて転げ落ちただけに過ぎない。

それでも、手を伸ばさずにはいられなかったのだ。

緩やかに水底へ沈んでいく苦しみから、もがく以外の対処法を教えられたのだから。

縋っても仕方ないだろう。

溺れた経験のない奴が、どうしてその恐怖を語ることができる。

流れてきた藁に、無我夢中でしがみつく愚かさをどうして笑うことができる。

あの手は、あの言葉は、あの温もりは。

例え藁だったとしても、確かに俺の救いだったのだ。



阿万音鈴羽の救済を。

岡部倫太郎の拠り所にする。



それこそが、運命石の扉よりも最適な選択なのだと。

あの時は、本気でそう思っていた。



あの『閉じた二日間』から抜け出すために、彼女の差し出された手を取った、その時までは。



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・鈴羽end「不可逆のリブート」の後日談
・色々想像で書いてるトコあるから突っ込みどころあっても許して
・ゆっくりやっていきます

1975年8月--日


「……ぐっ……」


遠いところからじんわりと表面化してきた痛み。

それに促されるようにして、徐に体を起こす。


「く……なんだ一体」


覚えのない痛みに悪態をつきながら、グラグラと揺れる視界を止めようと頭を押さえる。

気持ちが悪い。まるでさんざっぱら回したグローブジャングルから降りた直後のようだ。

全身を打ち付けたような痛みが、刺すような偏頭痛に上書きされる。

唐突に訪れた吐き気から背中を丸め、地面に手をつけながらえづいた。

せせりあがる胃液が喉の奥を焼くように暴れ、それを飲み込む。

しばらくそれを繰り返していた。いっそ吐いた方が早く楽になったかもしれない。

ようやく落ち着いてきたのか、鳩尾あたりにしこりのようなものを感じながらも、今の自分に対する状況がみえてきた。

外だ。しかも雨が降っている。まだ薄暗いが、直に明るくなるだろう。

周りを見渡してみる。少し霧がかっていた。真新しいビルや、メッシュシートで覆われている建築途中のものがあちこちに立ち並んでいる。

「ここは……?」


頭痛が酷い。なにか、耳元で警鐘を鳴らされているかのような。

考えがまとまらないまま、情報を得ようとさらに視野を広げてみる。

見当たる物は、整然と並ぶビルと閉じたシャッター。そして、


「なん、だ。これ……!」


瓦礫と共に鎮座する、大きな鉄の塊。

まるでシェルターのようなそれは、明らかに異物であり、そして何故かここに存在してはならないと訴えかけるような奇妙な違和感があった。

いや、それよりも。


人。

人が倒れていた。


「お、おい!」


気分の悪さすら吹っ飛び、うつ伏せに倒れているその人の元へ駆けつける。


「大丈夫か!?意識は!?」


なかった。これはマズイかもしれない。

雨も強くなってきている。このままでは水溜りで溺死しかねない。

慌てて体をひっくり返す。ぱちゃりとお下げ髪が音を立てた。

女の子だ。苦悶の表情を浮かべながら、彼女は浅く呼吸していた。



『………倫…郎……』


「………っ!」


彼女の顔をみた瞬間、既視感のようなものが胸を焦がす。

まるでほんの一瞬、懐かしいビデオテープを流されたような。

これは思い出なのだろうか。

しかし。


「わからない……」


顔も、名前も。

正確に言えば、知らない。

この女の子とは、初対面の筈なのだ。


いや、それどころか。


「俺、は………誰だ……?」


自分の名前や顔すら。

思い浮かべる事ができなかった。


1975年11月--日


「倫太郎」


手提げ袋を片手に歩いているところを、快活な声が呼び止める。

徐に振り返ると、手を振りながら駆けてくる同居人の姿があった。

少しだけ待って、追いついてきたところでそのまま並んで歩く。


「何買ったの?」

「菜物と豚。バラを安くしてもらったのでな、これで何か作ってくれ」

「オーキードーキー。あ、でも醤油切らしてたから買いに行こ」

「なら……こっちの道だな」


近場に酒屋があった筈だ。売り切れてなければ置いてあるだろう。

大通りからルートを外れて別の道へと足を向ける。雑踏による喧騒からやや離れたことで、少し落ち着いた。


「重いでしょ。持つよ?」

「あぁ……いや、いい」

「そう?」

「大した量じゃないからな」


隣を歩くこの子は自分よりも遥かに身体能力に優れ、持ち上げられなかったものでもひょいひょいと担いでしまう事は既に知っている。

別に押し付けてしまっても良いのだが、こういうのくらいは自分で持ってもいいだろう。

それに、それよりもまず今日の本題に入りたかった。

「鈴。アレの買い手は見つかったのか?」

「うーん、駄目だった」

「そうか……」


アレとは、自分たちが転がっていたところにあった鉄の塊。

事情を説明して所有権を主張したところ、胡散臭いと感じたのか面倒事だと思われたのかわからないが特に問題なくその申請は通った。

ただし、撤去に関する一切の経費は自費だったし、他にも諸々金をかけてしまった。

しかも、収容するための倉庫を間借りするのにもお金がかかる。

つまりは金食い虫。これからの事を考えると、売るのが一番の解決策だと二人で話し合った。

幸い、鈴の所持していた資金でどうにかやりくりできたが、このままでは年を越せない可能性もある。

どこかの好事家にでも高く売れれば良いのだが……


「でも、海外でそういうのを買い漁っている人を紹介してくれたよ。もしかしたら物凄い金額で買ってくれるかもって」

「ほ、本当か!?」


その話が本当なら、今の衣住関係も改善出来るだろう。


「これであの狭い部屋ともおさらばか……!」

「えー?借りたばっかじゃん」

「馬鹿を言え。四畳半を二人で使う時点で無理がある」


それに、アレの一部の部品も一緒に置いてあるせいで居住スペースは無いに等しい。

おかげで夜は鈴の寝相による睡眠妨害の被害が深刻化している。


「でもそんな期待しない方がいいと思う。まだ売れると決まった訳じゃないしさ?」

「まぁ……それもそうだな」


少しトーンが低い声で鈴は言った。その声色になにか含みがあるように思えて、思わず問いかける。


「なぁ……本当に売ってしまってもいいのか?」

「へ?」

「確かに重要そうなのや調べたい部品は取り除いたが……それでもアレは俺たちの記憶に関する唯一の手がかりだろう」

「何言ってるの。散々話し合ったじゃない。それに、売ろうって言い出したのは倫太郎だよ?」

「それは、そうだが」


当然、そういった話を鈴と綿密に話し合った。一度結論が出た議題だ。

しかし、それは理屈の上での話であり、感情とはまた別。

売ることに対して、自分は既に折り合いをつけてある。だからこそ狭い思いをしてでも部品を所持する事を選んだし、思い入れを感じているわけでもない。

けれど、鈴は別だ。

鈴の理屈としての回答は聞いた。でも、感情としての回答はまだ聞き出せていない。

それに、隠しているつもりかもしれないが、鈴はアレに対して何か特別な思いを持っているようだった。


「資金が尽きかけているのは確かだが、仕事を見つけられればどうとでもなる。嫌なら無理に売ることはないんだぞ?」

「前も言ったじゃないか。本当に嫌ならあたしは首を縦に振らない。それに、アレはもう用済みだって」

「だから、その用ってのはなんなのだ?」

「わかんない」

「それがわかるまでは、と思わないのか」

「思わない。だから、後はここで生きていくために必要な事をする。それがあたしの答えだよ」

「……そうか」


鈴は真っ直ぐに目を向けていた。そこに嘘偽りはないだろう。

きっと、この子は振り返る事なく生きていくつもりなのだろう。決断の思い切りがいいのはその表れに違いない。

だからこそ、後悔をしない選択をして欲しいのだが……しかしまぁ、この様子ならもしそうなっても立ち直れるだろう。

ならば、少しでも売って良かったと思えるようにする方がいい。


「それでは、なんとしてでも高く買って貰わねばな。なにかそれっぽい付加価値をつけてみるか……」

「その人、UFOとか人工衛星とか、そんなのに興味があるみたいだよ」

「ふむ……ならばその方向で考えてみるか。よし、腹拵えをしたら早速取り掛かるぞ」

「はいはい。寒くなってきたからお鍋にしようか」

「台所に干してある雑草は入れるなよ」

「あれ美味しいんだけどなぁ……」


そんなたわいもない話をしながら、暗くなってきた街を行く。

あちこちで良い匂いがする住宅街を、二人で歩いていく。


1976年5月--日


「はぁ……」

「なーにため息なんか吐いてるの」

「いや……どうもこれだけは苦手でな」


頭に手をやりながら、隣に座る鈴の呆れた目をやり過ごす。

小綺麗な廊下。黒い長椅子。強い消毒液の臭い。

今日は、健康診断を受けるために都内の病院に来ている。


「戸籍の発行に診断書が必要なのはわかるが、以前受けた検査で良いだろうが。そもそも何故再検査させられねばならん。お役所仕事はこれだから……」

「なにグチグチ言ってんのさ倫太郎。昨日はあんなに張り切っていたじゃないか、これで契約できるって」

「それとこれとは話が別だということだ」

「いいから呼ばれたら観念するんだよ?このままだと時間に間に合わなくなるよ」

「わかっている……」


再び重い溜息を吐く。

とある事情により、住民票を発行する必要があったのだが、その為には戸籍を提示しなければならなかった。


八月の時点で、戸籍の代わりとなる書類を発行してもらってはいたのだが、簡単な身分証明ならまだしも住民票となるとそう簡単な話ではないらしい。

帰化するわけではないので居住年数は関係しないが、ある程度の検査をした上でワンランク上の仮戸籍を取得する必要性があったのだ。

しかし、定期的に役所へ赴き必要な手続きは済ませておいた筈なのだが、いざ発行しようとした際には健康診断書を持って来いと門前払い。

仕方なく病院へ向かえば、予約を取ってまた改めてご来くださいと塩対応。

それが一週間前の出来事。ようやくかと喜びはしたが、多少憤っても仕方ないと思う。


「しかしな……本当に大丈夫なのかここは?さっき外で堂々とタバコ吸ってた医者がいたんだが……」

「君って嫌煙家だったっけ?タバコ吸ってるぐらいで毛嫌いするほどでもないだろう」

「いや、普通病院は敷地内全面禁煙だろう!いい加減な連中に診られたくはないぞ!?」

「たかが採血による健康チェックでしょ。誰がやっても変わらないって」

「いや変わる!特に注射するのは絶対変わる!」

「ああもう子供じゃないんだから喚くのは止めなって」

「落ち着いて話せる話題じゃーーー」



『橋田さーん。橋田倫太郎さーん」



「ほら、呼ばれたよ倫太郎」

「ま、待て。まだ心の準備が……」

「グタグタ言ってないで、さっさと行ってくる!」

「わわわわかった、わかったから押すなせめて自分のタイミングで入らせろ!!」


ぐいぐいと押してくる鈴の手を外そうともがきながら、結局は部屋の中まで押し出されてしまった。

なんだか、これからの事を考えると少しだけ頭が痛い。


「全く、ヤブにも程があるぞあの医者!」

「はいはい、何回目かなその話」

「見ろこの腕!『血管が小さいですねー』とか言いながら何度も刺されたせいで酷い有り様だ!小さい訳ないだろバンドで締め付けないから血管が逃げるのだ!そもそも親指を力一杯握るってなんだよどうなってんだ現代医学!」

「わかったわかった。でもちゃんと検査出来て良かったじゃん。異常なかったし、契約もできたし」

「くっ………まぁ終わりよければ全て良しとも言う。ここは良くしてくれた契約主に免じて忘れるとしよう」


既に日が暮れて暗くなった街道を歩いていく。

無事健康診断を終え、長い待ち時間を過ごしながら診断書を発行してもらった後、役所へ駆け込み仮戸籍を発行させたのだが、そのときには既に日が落ちかけていた。

住民票の登録を済ませて急いで待ち合わせ場所まで向かうと、そこには朗らかに笑うおばあさんの姿が。

どうやらこのおばあさんが目当ての人だったようで、遅れた事を謝罪するとほっほと笑って許してくれた。

その後、諸々の手続きを滞りなく終えて解散。

ある物を手渡され、一連の騒動は終息した。

そのある物とは。


「これで俺たちも一軒家持ちか」

「いいところ見つけられて良かったね」


ポケットにしまってある金属片をポンと叩くと、再び荷物を持って、教えられた住所まで足を進める。

鍵。

そう、住民票が必要だったのも、その為健康診断や仮戸籍の発行に東奔西走したのも、全ては家を買う為。

中古物件ではあったが、条件の良い商談だったので思わず飛びついてしまったのだ。

狭くて不便だった仮屋に限界を感じ始め、新しい部屋を探していた際に降って湧いた話だ。天啓とも言えた。

資金の問題はなかった。何故ならば。


「いやぁ、まさかアレがあんなに高く売れるとはねー」

「法螺吹き過ぎて逆に怪しまれるか危惧していたが……いらん心配だったようだな」


鈴の連れてきた外国人は中々にユニークな人で、自分の拙い英語にもノリ良く笑ってくれる大らかなアメリカ人だった。

どうやら大のSF好きなようで、仕事であちこち海を渡っては訳の分からないものを買い占めたりしているらしい。

最初こそ訝しげにアレを眺めていたが、中に入れるとわかると頻りに興奮していた。


「まるで子供みたいな人だったな。いきなり乗り込んでキーボードを叩き始めた姿には少し引いてしまったが」

「動かないって説明したのにね。お金持ちはよくわかんないや」


きっと道楽以上の興味はなく、ただ自分のお眼鏡に叶えば実情などどうでも良かったのだろう。興味を引いてもらうために設定した人工衛星としてのエピソードなど殆ど聞き流されたくらいだ。面白ければなんでも良いのかもしれない。

それに例えパチモンだったとしても、あれほど大きく精巧な作りをしたオモチャはない。

一頻り楽しんだのか、彼は満足した顔で是非買い取らせてくれと言ってきたのには少しばかりホッとした。

ただ、その後の衝撃が大きかった。

値段交渉に入った際に言い値で買うと言われたので、半分巫山戯ながら値段を提示すると、なんと二つ返事で契約書にサインしてしまったのだ。

一転して大金持ちになってしまった自分たちは、とりあえず口座を作ったりお祝いしたりとてんやわんやだったが、根が小市民だったせいか豪遊などとは程遠い生活を送っていた。


「あんなにお金持ってても、人って変わらないものだね」

「俺たちが特殊なんだろう。しばらく遊んで暮らせる筈なのに雑草入りのスープを飲むくらいだ」

「倫太郎は散々文句言ってたじゃないか。金はあるのになんで野菜を買わんのだーって」

「いやそれは当然の主張だろ」


何が悲しくて道端の雑草を食べなければならないというのか。しかし舌に馴染み始めている自分にもっと悲しくなる。

けれど、ようやくらしい金の使い方をすることができた。


「着いたら一番広い部屋に布団を敷こう。ボロだが前家主が置いていった物があるみたいだぞ」

「今まで適当に布被ってただけだもんね。あたしとしては、布団の上で寝る方が落ち着かないけど」

「なんだその貧乏症は。そういえばお前たまに座ったまま寝る時があるが、そんなのでは疲れが取れないぞ」

「うーん、なんかその方が落ち着く時があるというか……」

「全く……これからはそこら辺も矯正してかねばならんな。次見かけたら叩き起こしてでも布団で寝かせるから覚悟するように」

「うん。……へへ、ありがと。倫太郎」

「べ、別に感謝されるような事ではない!これは俺の同居人が品のない佇まいをされると困るからであってお前の為ではーーー」

「倫太郎って変な時に優しいよねー」

「だからそういう訳ではないとーーー!」


引っ叩きたい衝動に駆られるが、荷物で両手がふさがっているせいで口だけしか出せない。

陽気に笑う彼女を恨みがましく睨む。なんだか顔が熱いが照れている訳ではない。

「今日はいい日だなぁ」

「いい度胸だ。ならば今夜は花札で再起不可能になるまで叩きのめしてやろう」

「や、そういう意味じゃなくてさ」


不意に空を見上げた鈴の顔を横目に見ながら、つられて見上げてみる。

この街は明るい。けれど、なんだかいつもより星がたくさん見えている気がした。


「あたしさ。たまに寝ぼけて部屋の中なのに外だって勘違いする時があるんだ。ほら、いつもと違うところで寝ると、知らない天井を見つめて『ここどこだっけ?』ってなる感じの」


思わずまた彼女の横顔に視線を戻してしまう。

空を眺める彼女の瞳はキラキラしていて、まるで憧れているものを眩しく見つめるような目だった。


「きっと、記憶を失う前のあたしは外で寝ることの方が多かったんだと思う。どこか拠点となる場所はあったかもしれないけど、多分帰るべき場所はなかったんだ。あたしの家って、そう言える場所がなかったんだ、きっと」


それは紛れもなく彼女の本心で、初めて聞く彼女の心の声だった。


「おそらく、だけど。夢だったんじゃないかって。あたしが安心して帰れる場所があって。あたしが安心して過ごせる場所があって。あたしが安心して寝れる場所があるって事が。そんな平和で穏やかな日々を過ごせる居場所があるってことを、何よりも望んでいたんじゃないかって」


それは、なんてささやかな夢なのだろう。

でも、確かにそれは幸せな事に違いない。


「だから、今日はいい日なんだ。夢が叶った、特別な日」

「……そうか」


それだけ言うと、家に着くまでどちらも口を開くことはなかった。

ただ、空の星がいつもより少し多くて、少し綺麗に見えた。

それだけの事なのに、なんだかそれがとても素晴らしい事のように思えた。

「……と、ここか。着いたぞ鈴、ここが今日から俺たちのマイホームだ」

「マイホーム……。なんか、不思議な響きだね」


確かに口にするとなんだかくすぐったいような気分になる。

でも、これもきっとすぐに馴染んでくるのだろう。

ここが、我が家なのだから。


「あ、そうだ。倫太郎、ちょっとここで待ってて」


鍵を開けようと取り出すと、鈴は鍵を奪い取り一人中へ入ろうとする。


「いきなりどうした。何かあったか?」

「ちょっとね。すぐ済むから」

「まぁ、良いが」


その場でしばらく待つと、ドタドタと室内を駆け回る音が聞こえてくる。

何をしているのだろうと疑問に思うが、答えはすぐにわかった。

ぱっ、と。

玄関先に電気が灯る。

突然の事に面食らっていると、明るくなった玄関から勢いよく扉が開いた。

そこには、玄関よりも明るい顔をした鈴の笑顔。





「おかえり!倫太郎!」





それは、今まで見た中で一番眩しいものだった。



「ああ。ただいま、鈴」



そして、おかえり。

俺たちの我が家へ。

一旦ここまで。
書き続けるコツはここでエタってもいいと思えるところまで書くこと。

書き溜めるからしばらくお休み。

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