男「事故って異世界転生?」 (8)
男「…はぁ」
男(また月曜日がきてしまった…学校いきたくない)
男(クラスでは底辺カースト。友達もいない。昼飯時にはDQNたちに席取られるから便所飯)
男(勉強も運動も特に得意という訳でもないし部活もしてない)
男(家に帰ってネットとアニメで時間が過ぎる。そんな毎日だ)
男「…はぁ」
男「いっそのこと、全然違う世界に行けたりしたらいいのになぁ…」フラフラ
通行人「お、おい君!信号赤だぞ!?」
男「…え?」
ブロロロロロ………
トラック運転手{フンフンフフンフーン♪…って、危ねぇ!?」
男「……あっ」
トラック運転手「おい!退け兄ちゃん!」
通行人「駄目だ!間に合わない!!」
キキーーーーッ!!
男(大型トラックが俺目掛けて迫ってくる)
男(本当にこういう時ってスローモーションで見えるもんなんだなあ…)
男(ああ……)
男(こんなあっさりと簡単に終わるのか、俺の人生って…)
男(もし生まれ変われるんだったら、マンガやアニメみたいな世界に生まれ変わりたいな…)
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騎士「ハァ、ハァ……も、もうここも持ちこたえられません!今のうちにお逃げください!」
姫「なりません!貴方たちを置いてどうして私だけがおめおめと逃げられますか!」
騎士「姫さえ生きておられればいつか再起の時は必ず訪れます!さぁ、どうか早く…!」
姫「ですが…!」
魔神官「フェッフェッフェッ…そうですぞ。王族たるもの最後まで国と共にあるべきですぞ?」
騎士「…っ!」
魔神官「鬼ごっこはもう終わりですな姫様。王も王妃も既に始末しました。あとは、貴女だけですぞ。フェッフェッフェッ」
姫「そ、そんな…!お父様、お母様…!」
騎士「貴様…!」
オーガ「勇ましいなぁニンゲン。だが1人で何ができる?」
騎士「1人、だと…?…っ!貴様ら!私の部下たちをどうした!」
魔剣士「吠えるな、向こうの部屋に全員いる。尤も…首と胴は繋がってはいないがな」
騎士「……貴様ら…っ!!」
姫「魔族よ…あなた方の目的は何なのです。一体我が国が何をしたというのですか!!」
魔神官「フェッフェッフェッ…この国の存在そのものが邪魔なのですよ、我々には」
オーガ「オレたちが知らぬとでも思っているのか?貴様らが魔王様に対するために異界から勇者を呼ぶ儀を秘かに進めていたことを」
姫「ど、どうしてそれを…!」
騎士「……大臣か」
魔剣士「察しがいいな。だが気に病むことは無い。アレにもう用は無いのでな」
オーガ「今頃いい肥やしになってることだろうよ。ガハハハハハ!」
魔神官「という訳です姫様。さぁ、貴女を始末して王家の血筋が途絶えれば、魔王様を脅かす勇者を呼ぶ事は未来永劫不可能になる」
オーガ「勇者のいないニンゲン達など、我ら魔族の敵ではないわ!」
騎士「くそっ…!お逃げください姫!私が食い止めている間に、出来るだけ遠くへ!」
魔剣士「食い止める?」ヒュンッ
騎士「ぐあっ!」
姫「騎士っ!?」
魔剣士「その意気や良し。だが実力が伴っていないな」
オーガ「ガハハハ!軽く撫でただけで壊れるのか、オモチャにもならんなニンゲン!」
騎士「ぐっ…!く、そ……!」
魔神官「さぁ姫様。お命頂きましょうか」
姫「ち、近づくな魔族め!」
姫(召喚の儀は……駄目、まだ完了していない…!)
魔神官「ほう…?その宝玉が勇者召喚の依り代のようですなぁ」
姫「あぅっ!は、放しなさい!」
騎士「ひ、姫様に汚らわしい手で触れるな…!」
オーガ「オマエは黙ってくたばっていろ、ニンゲン」ドスッ
騎士「ぐわぁ!」
魔神官「フェッフェッフェッ…危ない危ない。どうやらもうじき召喚の儀も完了してしまうところだったようですなぁ」
魔神官「惜しかったですなあ姫様。フェッフェッ、惜しい。実に惜しい」
姫「ううう…」
魔剣士「趣味が悪いぞ。さっさと楽にしてやれ」
魔神官「それもそうですなぁ。さてどうしてあげましょう。ドラゴンのエサにしましょうか。それともスライムに食わせてじわじわと溶かしてみましょうか」
オーガ「手足を千切っていって何本目でくたばるか賭けようぜ。ガハハハハ!」
魔剣士「だから悪趣味だと」
騎士「ひ、め……さま……」
魔神官「フェッフェッフェッ…そうだ、折角連れてきたんです。ここはやはりドラゴンのエサにしてあげましょう」
オーガ「こんなちっぽけなエサでは食い足りんとは思うがな」
騎士「や、め……ろ…!」
魔剣士「この国の終わりの瞬間だ。しっかり見ておけ」
魔神官「さぁドラゴン!来なさい!今日のオヤツは生きのいい王族ですよ!」
ドラゴン「グォォォォオオオオオ!」
姫「あ、あああああ……」
姫(お父様、お母様…!)
姫(どうか、どうかお助けください…!神よ!女神よ……!)
魔神官「フェッフェッ…この期に及んで何を祈るというのです?安心なさい。運が良ければ楽に死ねますよ」
騎士「やめろぉ……!」
オーガ「ガハハハハハ!」
魔剣士「…」
ドラゴン「ガオオオオオオッ!」
-その時、姫の手の宝玉が一際強い光を放ち…-
-「彼」が、その地に呼ばれた-
魔神官「な、なんだこの光は…!」
オーガ「目、目がっ!目がぁ!」
魔剣士「くっ…!」
騎士「まさか、この光は…」
姫「ああ、ああ……!」
魔神官「ど、ドラゴン!早くその小娘を食ってしまいなさい!」
ドラゴン「ガオオオオッ!!」
騎士「ひ、姫様ぁ!!」
ブロロロロロ………
トラック運転手「フンフンフフンフーン♪…って、危ねぇ!?」
キキーーーッ!ドンッ!
ドラゴン「キャインッ!?」
魔神官「なっ!」
オーガ「な、なんだあの鉄の箱は…!」
トラック運転手「な、なんだァここは!!うおお走りにくいっ!!」
魔剣士「まさか…この鉄の鎧が勇者か…!?」
トラック運転手「なんだこの道路!全然舗装されてねぇじゃねぇかぁ!」
トラック運転手「は、ハンドルが効かねぇ!おい退け!危ねぇぞ!!」
魔神官「えっ」
オーガ「えっ」
魔剣士「えっ」
ドンッ!グシャッ! ブチッ!
トラック運転手「や、やべ…逃げろぉ!!」
ブロロロロロロロロ……
姫「…」
騎士「…」
姫「……」
姫「………」
姫「なんだこれ」
こうしてこの国は滅亡の危機から救われた。
国の復興に励む姫の元に魔王の訃報が届いたのは翌日の事だった。交通事故だったらしい。
完
おわれ
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