騎士「俺は勇者にはなれない......から逃げてきたったwwwwwwww」 (173)

騎士「俺は勇者にはなれない」

騎士「勇者と俺は幼馴染みだ。思えば、小さい頃から違いはあった。勇者はイケメンで心優しくて、女の子によくモテた」

騎士「対する俺は、影が薄くてちょっと運動神経がいいだけの男だった」

騎士「そんな運動神経でさえも、勇者の前には霞んでいたがな」

騎士「ある日、俺は恋をした。村で五番目くらいに可愛い女の子だった」

騎士「俺は彼女に告白をした。彼女は勇者のファンでな。俺はてっきり、彼女が知り合いだと思い込んでしまったんだ」

騎士「彼女は言ったさ。「誰? キモいんですけど」と、な」

騎士「勇者は怒ったさ。騎士に謝れと言ったさ。あのときほど自分が情けなかったことはない。惚れた女が惚れてる男にかばってもらう。下手な喜劇よりよっぽど笑える。...当事者でなければな」

騎士「少しでも勇者と差を付けようと思って、俺はわざわざ遠くの騎士団に入った。これで、勇者は関係なくなる。...そう思った」

騎士「ところが!」ガン!

騎士「勇者は俺を追ってきた! 何て言ったと思う? 「ライバルがいなけりゃ張り合いがない」だとさ!! ふざけるな!! なんだその俺いいこと言ったさ感! あっというまに俺の業績を抜いて!! 羨望の眼差しを集めて!!」

騎士「その数週間後、勇者は自分が伝説の勇者であることを知った!!」

騎士「これで俺はホッとした! もう、流石の勇者も俺と行動を共に出来ないと!!! 思ったんだ!!!!」

騎士「しかし!」バァンッ!

騎士「アイツはこともあろうに俺を勇者の旅に指名しやがったっ!!!!」

騎士「勇者様の命令!! 逆らうことの出来ない絶対的不利な状況!! 俺は、反抗のすべを持たない!! 断った瞬間俺は反逆罪で死刑だ!!!」

騎士「もう、我慢ならない!!! たくさんだこんな生活!! 勇者の陰でコンプレックスにまみれた生活を送るなんて!!」

騎士「というわけで」ドンッ

騎士「逃げてきたったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423993491

騎士「うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww俺wwwwwwwwwwwwよくやったwwwwwwwwwwwwファッwwwwwwwwwwww」


騎士「ヤバいwwwwwwwwwwwwヤバいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww俺ヤバいwwwwwwwwwwww」


騎士「反逆wwwwwwwwwwww乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww俺死ぬwwwwwwwwwwwwヤバいwwwwwwwwwwww」


騎士「......ふぅ」


騎士「大分落ち着いたな......」


騎士「さて、これからどうしよう...? 逃げてきたのはいいが、バッチリ反逆罪だからな......うーん......」


モンスター「キッ!(人間だ!攻撃だ!)」


騎士「うざい」バシュッ


モンスター「キィイ!?」バタンキュー


騎士「最近は魔物が増えたな。よっと」ソザイハギハギ


騎士「まぁ、とりあえずここから離れるか」




??「今の動き、早い.......!! もしかしたら!!」


期待
………騎士さん、心中お察しします っチーズ&骨付き肉

騎士「このへんでいっか」バサッ


騎士「今日は野宿だなぁ......さっきの魔物の肉でも食うか」



??「ダメ!」



騎士「!?」


??「毒がある! 食べちゃダメ!!」


騎士「お、おう......ありがとう」


??「......貸して。ナイフも」


騎士「う、うん」


??「こうやって、肝をとって......」ザクザク


騎士「おおー」


??「これ、焼いたら食べれる」スパーン


騎士「ありがとう!! ところで君は? 女の子がこんな森に一人でいたら危ないぞ? 迷ったわけではなさそうだが......」


??「......だいじょうぶ」


騎士「ならいいが......うまいな」モグモグ


??「ッ! 火を通してない!」


騎士「あ、生焼けでいいよ。腹減ってるんだ」モグモグ


??「......もう」


騎士「あ、そういえば、名前は?」モグモグ


??「......少女でいい」


騎士「なら少女、ほら」パサッモグモグ


少女「ひゃっ」


騎士「寒いだろ、その格好。夜の森は冷えるぞ? どんな理由があるかは知らないが、そんな薄着で出歩くな。この辺りには山賊も出るらしいからな」モグモグ


少女「......あ、ありがとう......でも」


騎士「いーって。飯の礼だ」モグモグ


少女「そうじゃなくって」

>>3
人いたのか、ありがとう!

俺もいるぞ

超一流の勇者がいたから気付かなかっただけで本人も一流で、鈍感だっただけで複数の女性にも好意を寄せられていた系かな?

(>>4は1です)


騎士「ん?」モグモグ


少女「......あら」


騎士「ん、なんか気配が増えたな」モグモグ


少女「うん。なんか、殺気がする」


騎士「ふー......面倒だなぁ」モグモグ


少女「多分、山賊だと思う」


騎士「だろうな。話し声が聞こえる」モグモグ


少女「......」チャキッ


騎士「おい、そんなもん仕舞え。俺がやるから、お前は後ろで飯食っとけ」スタッモグモグ


少女「っ!?」


騎士「いいからいいから」モグモグ


山賊1「おいこら! いつまで飯食ってんだ!」

山賊2「金目のもん出せ!」

山賊3「女はこっちに渡せ! なかなか可愛い顔してんじゃねーか」

山賊4「たまってんだよな、最近......ヒヒヒ」


騎士「......下衆が」


>>6
ありがとう

>>7
一流かもしれんがモテてはいない

騎士「飯の邪魔だ。消えな」モグモグチャキッ


山賊1「また飯食いやがって......クソッ!」バサッ!


騎士「ぬるいな」モグモグスッ


少女「あぶない、後ろ!」


騎士「それも含めて、ぬるい!!」モグモグバサッ!シャキン!


山賊1、2「ぐはぁ!!」バタバタ


騎士「ふん、雑魚か」モグモグカチャッ


山賊3「はあっ!」バン!


騎士「......ッ、魔法か!」モグモグ


少女「食うな!!」


山賊3「えい、やっ!」バン!バン!

山賊4「とう、てあ!」シャキン!


騎士「くそ、連携か!」モグモグスッ


少女「」


騎士「うぐっ」モグモグバチン!


騎士「しまった、攻撃が......」モグモグ


??「危ない!」


騎士「!? なっ!?」


??「はぁっ!」バサバサバサ


山賊3、4「ぐはぁっ! なんて強さだ......!」バタバタ


??「危ないところだったな! 騎士!」サワヤカスマイルキラーン


騎士「な......なっ......」


勇者「明日から魔王退治の旅だ。特訓もいいが、ほどほどにな? さっ、薬草もあるから使え」


騎士「......に」


少女「に?」


騎士「逃げるぞ少女!!!!」ダダダダダ


少女「はっ、や! なんで私が!」グイッダダダダ


勇者「?」

飯食ってくる、ありがと

ただいま
続き書く


騎士「はぁ......はぁ......撒いたか?」


少女「」ヒューヒュー


騎士「って、おい! 少女!?」


少女「げほっ......すごい、体力......」ヒューヒュー


騎士「大丈夫か? ちょっと飛ばしすぎたな......」サスサス


少女「......ね、さっきの」


キシードコダー?
ハシリコミナラマケナイゾー?


騎士「っうわ! まだか!!」ヒョイ


少女「息切れ1つしてないなんて......化け物? へ、ぅあっ」ヒメダッコ


騎士「すまん、揺れるぞ!」ダダダダダ


少女「ひぁ、まっ......」グラグラ


騎士「うおおおお!!!!」ダダダダダダダダ......




勇者「騎士? 騎士......」


勇者「おかしいな、さっき声がしたんだけどな」キョロキョロ

騎士「ぜはー、ぜはー......今度は大丈夫だろ?」ニコッ


少女「う、うん......だいじょうぶ?」


騎士「いや、キツいかな......はは......」フラッ


少女「もうさすがに追ってこない......休もう?」


騎士「......あ、ああ......」フラフラ


少女「......さっきの人、勇者?」


騎士「え、あ、ああ。知ってるのか?」


少女「魔王退治、っていってたから」


騎士「なるほど......そうだ。勇者だよ」


少女「仲、悪い?」キラキラ


騎士「なんで嬉しそうなんだ? ...そうだな。俺は野郎が苦手だしなるべく近づきたくないが、多分相手は俺を親友だと思ってるな」


少女「......嫌い?」キラキラ


騎士「いや、良いところもあるから、アイツ。ちょっと思い込みが激しいけどな」


少女「......」シュン


騎士「?」


少女「あなたなら、きっと話に乗ってくれる、と......」


騎士「は? 話ってなんだ?」


キシーー?
ソロソロヨアケダゾー?


勇者「あ、騎士!!いた!!」サワヤカスマイルキラーン


騎士「ひいぃぃいぃっ!? なんで!?」

少女「」パァッ


少女「逃げたい!?」キラキラ


騎士「え!?」


少女「逃げたい!? 彼から!?」



騎士「......ああ!! 逃げたいさ!! そのためなら、なんでもしてみせる!!」



少女「言ったのね。他言はないよ」キラーン


騎士「ああ!! なんでもする!」


少女「......開け、魔界への扉!!」シュパッ


騎士「!?」


少女「さあ、行くよ!!」グイッ


騎士「う、うわあああああああああ!!!!!」シュルルルル


勇者「騎士が......消えた?」

勇者「騎士......?」

ヒューーーーン ドサッ スタッ


少女「魔王さま! 魔王さまー!」トトトトト


騎士「いてて......うわっ、どこだここ! 無駄に豪華な部屋だな!!」


少女「魔王さまー!」キョロキョロ


騎士「え!? 魔王!?」アセアセ


??「呼んだか、少女......?」キラキラリーン


少女「あっ、魔王さま! 今日も麗しいです!」


魔王「むふふ、勿論だ。見ろこの髪の輝き。トリートメント変えてみたんだ」サラサラ

キャーマオウサマーステキー
ダイテーキャーキャー
ウツクシイワキャーキャー

騎士「うっわー......(無駄にキラキラしたの来たなぁ...)」


魔王「ふはは、もっと誉めろ! 称えろ! ......んで誰だこの地味顔」


騎士「あんたに比べたら皆地味だよ!!」

騎士「誰お前!! 誰お前!!?」


少女「......魔王さま」ニコッ


騎士「か、可愛......じゃなくて!! 魔王!? なんで!?」


魔王「うるさいぞ地味」キラキラ


騎士「あ、すまない......って俺の名前は地味じゃない!!騎士だっ!! お前、本当に魔王か!?」


魔王「ああ、正真正銘魔王だ。証拠はこの美しさだ」キラキラ


騎士「」


少女「騎士......本当だから......」


騎士「え、俺こんな魔王見たことない......」


魔王「当たり前だ。私は今までにないほどの美魔王だからな」キラキラリーン


騎士「美魔ナントカって女にだけ使うんだろ!?! お前男だろうがよ!!」


魔王「私は特別だ!! 何故なら私は女よりも美しい!!」キラキラ


少女「魔王さま、素敵」


騎士「えっ」

~勇者サイド~

勇者「騎士......どこだ?」

女僧侶「ゆうしゃさま、あたしと夜のとっくんしましょ?」

女盗賊「勇者。ボク、足の間がムズムズするんだ...さわって確かめて?」

女魔法使い「勇者さん! 私、別にあなたのこと好きでもなんでも...はぅ! 私は何を!」

勇者「騎士...騎士...」


~騎士サイド~


少女「魔王さま。彼ならきっと、勇者に対抗する力を持っています」


魔王「そうは見えんがなぁ」


騎士「な、なんの話だ?」


少女「全力疾走、からの私を背負って全力疾走。並大抵の体力では出来ないこと」

少女「あの魔物を倒したときの素早さ。山賊退治のときのみのこなし。勇者には劣りますが、ものすごい才能です」

少女「彼ならきっと、私たちの危機を救ってくれるわ」


騎士「???」チンプンカンプン


魔王「...少女がそこまで言うなら...まぁ...」

騎士「待て。説明しろ」


騎士「勇者に対抗する、とはなんだ?」


騎士「私たちの危機? どういうことだ」


騎士「魔王は姫様をさらった! そして人を襲った! 魔王は人間を憎むのではないのか!?」


魔王「あ、それはないわ」キッパリ


騎士「」


魔王「いや、姫様見たことないけど私のが絶対美しい」キラキラリーン


騎士「」


魔王「つか人間に私より美しい奴いないから。つか魔族にもいないから。つまり私がナンバーワン」キラキラキラキラ


少女「魔王さま......」キュンッ


騎士「」


少女「......ごほん。騎士。よく考えてみて?」

少女「魔王が人間を憎むのなら、姫をさらうはずがない」


騎士「?」


少女「さらわないで、頃す...できるだけたくさん」


騎士「! それは、確かに」


少女「騎士。あのね、魔族は人間を憎んでない」


騎士「......は?」


魔王「ああ、確かに憎んではいない。嫌ってもいない。何故なら私は人間より美しいが、人間より弱いからだ」


騎士「んなわけ......ないだろう......?」


魔王「本当だ。特に私は体力に自信がないからな。お前でも倒せる。まぁ、お前にこの美貌に傷をつける勇気があればな」


騎士「ま、魔王はすごく強くて俺たちを迫害するんじゃ...村を襲うんじゃ...」


魔王「迫害なんてできん。そんな力はない。村を襲う? ああ、魔族のならず者だろうな。それはあくまでも一部だ。魔族全体の見解ではない」


少女「騎士......まず、ここまでを信じて。そうしないと、先に進めない」


騎士「」ボーッ

少女「......続ける」


魔王「うっわ耳から煙出てるぞこの地味。本当に人間か?」


少女「......騎士。あのね」


少女「姫様がさらわれたのはきっと、魔族を徹底的に排除したいグループのせい」


少女「魔族は人間には比較的友好的なのが多いけど、人間は違う」


魔王「オークを始めとする醜い魔族たち。それを蔑視する人間のなんと多いことか。全ての人類魔族は私に比べたらミジンコレベルなのに。目くそ鼻くそを笑うとはこのことだな」キラキラ


少女「今魔族は、攻めてくる人間たちから身を守るだけで精一杯。人間とみたら攻撃する輩も少なくない。騎士のお腹の中の肉もそれ」


魔王「嘆かわしいことだな」


少女「今勇者たちにこられたら、私たちはやっていけない。皆死んでしまう。まだ人間を見たことがない幼い魔物でさえ、殺される」


魔王「......王として頼む。お前がその力を持っているのなら、この国を救ってほしい」


魔王「私の国だ。私が守るべきかもしれないが、私にはその力がない。情けないことだ。だから」


魔王「お願いだ。救ってください」ペコリ


少女「......魔王さま」


騎士「......俺は......」


騎士「......少女に、助けてもらった。魔族が悪者ではないことはわかった」


騎士「......俺は!」


少女「」キュッ


騎士「人間を攻撃はしないが、守れるだけ守るさ! 正義の騎士としてな!」

~三時間後~

騎士「俺が魔王に呼ばれたのは一時間前のことです」


魔王「だな」


騎士「さて問題です、今なぜ俺はタオル一枚で部屋にいるでしょう?」


魔王「侍女に剥かせたからだな」


騎士「ちげぇよ!! そうじゃねぇよ!! 理由だよ理由!! ほぼ真っ裸に剥かれた理由を聞いてんだよ!!」


魔王「サービスだ」ニッコリキラキラ


騎士「誰へむけての!!」


魔王「お前だよ」ヒョイッ


騎士「」ビュンッ

シュルルルル

魔王「さて、私はバラ風呂に入るとするか。全面鏡作りの新しいの作ったしな」ウキウキキラキラ


ヒューーーーン バシャン!


騎士「ぶわっち!! お湯!? 何故!? つか広いな......あ? 人影?」モワモワ


??「......」


少女「......え?」マッパダカー


騎士「っ!? え、えと、あ、あっれ」


少女「......ふぁっ!?」バッシャーン


騎士「あつっ、いやごめ、あの、これは!!」バシャバシャ


少女「来ないで!!」バッシャーン


騎士「湯が! 湯が跳ねる動きで! からだ見えてるから!!」


少女「」


少女「いやぁぁぁあーーーっ!!!」ジャブン!


騎士「おお俺もそろそろあがるし! じゃあな!!(下半身下半身下半身)」


少女「あぅうぅ!! 早く!」


騎士「はひぃっ!!!」

騎士「......ひどい目に遭った」


騎士「でも少女、意外に胸ないな.....もしや上げ底?」


騎士「......つかベッドふかふかだな」ポスポス


騎士「あー......」フンワリ


騎士(汚すの嫌だし、床で抜くか)ティッシュゴソゴソ


魔王「騎士、部屋の使い方はわかるか」バーーーン


騎士「ふぉおぉおっっっ!!?」バサバサ


魔王「どうした。風呂上がりの私が美しすぎるのか?......ま、いいだろう。今日からしばらく、ここがお前の部屋だ」


騎士「」アワアワ


魔王「あ、あとお前に専属のメイドをつけよう」


メイド「よろしくお願いしますね!騎士さま!」ニコニコ


騎士「あ、はい(胸がでかい)」


??「はっ。そんなに強そうには見えんな」


魔王「こら。あ、こっちは私の護衛だ。大抵私のそばにいるから、まあ邪険にしないでやってくれ」


護衛「ふん」

騎士(魔王のもとへ来てから三日がたった)


騎士(俺は今、子供の魔物の安全を見守ったり、怪我した魔族のために薬草をとってきたりして過ごしている)


騎士(はっきりいって、人間よりも魔族のほうが付き合いやすい。皆優しいのだ。まぁ、何人か例外はいるが)チラッ


魔王「いやー私は今日も美しすぎてヤバイわ」

護衛「」ギロッ


騎士(......ま、あんなのもいるさ)


騎士(だとしても、いよいよ勇者が魔王を倒す理由がわからない。勇者はウザいがさとい奴だ。魔族が悪者でないなんて、すぐ気づくはず。俺が幼い頃何度も憧れた、勇者なら)


騎士(......ああ、でも)


少女「騎士。メイドが呼んでる」ニコ


騎士(今更俺は、勇者になんてなれないな)


~勇者サイド~

勇者「騎士の行方がわかった!?」

大臣「ええ」ニヤニヤ

女僧侶「やん。めがえっちぃよ」

女盗賊「ボク、なんか怪しい気がする」

女魔法使い「勇者なんて知りませんわ、もう」

大臣「ここだけの話、魔族がさらったらしいのです」

勇者「なんだって!?」ガッターン

大臣「うぉ!! ...そうです魔族です! 今頃あなたの大切なお友だちは、あなたの居場所を吐けと酷い拷問を受けているでしょう!!!」


勇者「拷問......ごう......鞭、荒縄、ロウソク!?」バンッ!

勇者「今すぐ助けなければ、騎士の身が持たない! 騎士、今いくよ!!」ハナヂボタボタ


女盗賊「......やけちゃうなぁ、あんなに必死になるなんて。どんな子かな、騎士、って」

女僧侶「おとこだよ?」

女魔法使い「立派な男性ですわ」


女盗賊「......えっ?」

今日はここまで
また明日か明後日に

女盗賊「ねぇ......確かにボク、女僧侶たちと違って勇者のこと知らないし、付き合いも浅いよ?」

女僧侶「そだね」

女魔法使い「気にやまなくてもよろしくてよ?」


勇者「騎士...今お前はどこにいるんだ! お前のことを考えると夜も眠れない! 騎士!! 騎士!!」ジタバタ


女盗賊「でもこれは、明らかにおかしいと思うんだ!?」

女僧侶「ゆわないでよ! あたしたちもみないふり、なのにさ!」

女魔法使い「ううっ。ま、前は勇者さん、あんなに騎士騎士言ってませんでしたのにね。ここ数日酷いですわ」ブルブル

~回想~


勇者「はは、君が女盗賊かな? 思ったより、ずっと可憐だ」

勇者「女の子が危ないことをしちゃダメだ。顔に傷がついたら大変だしね」

勇者「きれいな花だね、君のように儚く、それでいて強い」


~回想終わり~

女盗賊「前はさ! 爽やかだったのにさ! 今じゃもう騎士...くんのことしか言わないじゃん!?」

女魔法使い「お、落ち着きなさい! 勇者さんは、昔からの友人を失いそうで不安なだけですわ! そうに決まってます!」

女僧侶「うーん。でもあたししってるよ?」

女魔法使い「?」


女僧侶「ゆうしゃさま、ベッドの下にきしさんの写真かくしてるんだよ? ......それはそれはおびただしい量の、ね」


女魔法使い「」

女盗賊「」

勇者「」キシードコニイルンダ



騎士「あ、メイドさん。俺になにか用事があるって聞いたが」

メイド「あ、はい。...もう、こっちには慣れましたか?」タユンタユン

騎士「......は、はい///(おっぱい!)」

メイド「うふふ。良かったぁ。騎士さんの毎日の食事も私が作らせて頂いてるんですけど。お口に合いました?」ポヨンポヨン

騎士「すごく旨いです。はい」チラチラ

メイド「?」ニコニコ

騎士「あ、いえ。...あの、俺、こんなにもてなして貰っていいのかな? 一応、人間なんですが」

メイド「...ふふっ、魔王さまもきっと喜んでると思いますよ」

騎士「え? あのナルシストが...って、すみません」アワアワ

メイド「いえ。いいんです。確かに魔王さまは美しいですしね」


またあとで更新する

メイドの容姿詳細はよ
一旦乙

メイド「魔王さまは、魔族と人間の関係を修復したいのです」

メイド「先王が...つまり、魔王さまの父上さまが、人間を随分敵視していらしたせいで、魔族にとっても人間は恐ろしいイメージが強いですから」

メイド「先王は、愚王ではありませんでした。しかし賢王でもありませんでした。魔王さまはそれを繰り返したくないのです、きっと」

メイド「あの人が夢見るのは、人間と魔族が敵対しない世界...いえ、共存する世界」

騎士「......」

メイド「あ、すみません。よくわかりませんよね、こんな話」アセアセ

騎士「いや...てっきり、あの王は自分の見た目にしか興味がないのかと」

メイド「あ、それもあるでしょうね」キッパリ

騎士「」

メイド「うふふ。......私、騎士さんと少しお話ししてみたかったんです。いつも事務的な会話しかしないんですもの」タユンタユン

騎士「う、そ、それは乳が」

メイド「? お父様?」

騎士「あ、いや、あの」アワアワ

>>52
巨乳
垂れ目
金髪碧眼
見た目17くらい

メイド「あ、そうそう、魔王さまにこれを渡していただきたいんです」

騎士「? ......指輪!? きゅうりょうさんかげつぶん!!?」

メイド「あっ、へ、変な意味ではないんですっ!!」アワアワ

メイド「恐らく魔王さまが落としていかれたんです! だから! あの!!」アワアワ

騎士「へー(趣味悪いな)」ジロジロ

メイド「...それに、そういうのを渡すときはちゃんと自分で渡します...」ボソッ

騎士「え? なんて?」キョトン

メイド「な、なんでもないですっ!! はやく行ってください、もう!!」ギューギュー

騎士「わっ、はい(胸胸胸胸おっぱいおっぱいおっぱい)」

少女「むー...」ジー

騎士「あれ? 少女?」

少女「...ふん」プイッ

メイド「あらまぁ」クスクス

>>55
あくまでも見た目だから(震え


騎士「少女は機嫌悪くなるし、メイドさんはニヤニヤしてるし、なんなんだよもー」

騎士「えーと、今魔王はどこにいんのかなっと」

使用人1「魔王さまならエステのお時間ですよ」

使用人2「確か2階にいらっしゃいます」

騎士「あ、サンキュー」スタスタ


使用人1「......騎士さん、大丈夫かなぁ」

使用人2「護衛に串刺しにされなきゃいいけど」クスクス


騎士「えーと、魔王がいる部屋はっと...あ、護衛だ。この扉の向こうだな?」スタスタ

護衛「っ」チャキン

騎士「...危ないから仕舞え。俺は指輪を私に来ただけだ」チラミセ

護衛「...指輪、だと......貴様、魔王陛下に婚約を申し込む気か!!」

騎士「はぁ!? 違ぇよ!!」アワアワ

護衛「立ち去れ! 不埒な輩をこの先に通すわけにはいかないっ!!」ビュンッ

騎士「不埒って...おい、落ち着け! まず男同士だろうが!! 婚約もクソもな...ぎゃん!」ガスッ

護衛「消えろ! この変態が! わざわざエステ中を狙うなど、不躾にもほどがあるわ!!」ビュンビュン

騎士「うわあっ!?」アワアワ

騎士「や、やめろ!」チャキン

護衛「ほう、剣を抜くか。いいだろう。相手になる!」ニヤリ

魔王「いやうるせぇよ。お前らなんの話だよ。私に用があんなら護衛なんか無視して直接来いよ」ガチャッ

騎士「あっ、魔王...って、なんでバスローブ姿なんだよ...男のバスローブとか誰得だよ」

魔王「まだエステ中だっつの。おいこら護衛、騎士に失礼なことすんなっつったろ?」

護衛「い、いや、その、其奴が指輪...指輪をっ、その、あと///」アワアワ

魔王「? 指輪?」

騎士「ほら、メイドが拾ったってさ」ヒョイ

魔王「あ、昨日なくした指輪だ。礼を言おう」

騎士「じゃ、俺は戻る...魔王「待て」え?」

魔王「お前、いくらなんでも地味すぎるわ。肌もガサガサだし筋肉は綺麗に付いてるけどまともに体あらってねーし、そもそも無駄毛処理してなかったもんな、私知ってるぞ」ガシッ

騎士「え? え?」グググ

魔王「指輪の礼だ、ちょっとエステに付き合え」ググググググ

騎士「うわ、おま、はなせ...!!」


キィ......ガチャン


護衛「あ、あ、ま、魔王陛下!? 毛の事情まで、なんで知ってらっしゃるんですか!? 魔王陛下ーーー!?」ジタバタジタバタ

騎士「うっはぁ」スベスベ

魔王「あー、かなりマシになったな」マンゾクゲー

騎士「ああああ...身体中からハーブの香りがああ」バタバタ

魔王「......うーん、こうしてみると別に顔は悪くないんだがなー、やっぱ地味だわ」ジロジロ

騎士「言うな...」

魔王「ま、私の横なら誰もが霞むからな。多少地味でも問題はない」キラキラ

騎士「ナルシストうざい...やめろ...」

魔王「何を言う、真実だぞ」キリッ

騎士「いや、確かに美形だけどさぁ、俺はお前よりしょうじょ...い、いや、別の女のほうが魅力的に見えるなぁ」

魔王「ほぅ、ああいうのが好きか」ニヤニヤ

騎士「な、なんだよ」

魔王「ま、いいだろう。ところで、お前、護衛に誤解されただろう?」

騎士「まぁな。ったく、なんで男の俺が男の魔王に婚約申し込むんだよ...」ブツブツ

魔王「おや、お前は魔物について詳しくないのか?」

騎士「え?」

魔王「あー、それならわかんないだろうな...魔族のほとんどは、雄でも妊娠するし、雌でも種を作れるんだ。いわゆる両性ってやつだな」

騎士「...えっ」

魔王「性別なんか関係ないってことだ。人間とは違って便利なんだよ、私たちは」

騎士「......」プシュー

魔王「おいこら、また耳から煙出てんぞ」バシバシ

騎士「それは...なんとも...」ポーッ

魔王「まぁ、そうなるよな。私も人間の生まれかた知った時ビビったもん。え、子供って体の下から出るのって」

騎士「は? そ、それは普通じゃ...」

魔王「いや、魔族には頭から産むのも...」カキカキ

騎士「絵はいい! いいから!」

魔王「...」シマイシマイ

騎士「衝撃の事実を知ってしまった...」

魔王「あ、因みに薬でどうにかなるぞ? 子を身ごもりたいなら、この薬を飲むことで妊娠が可能な体になる」サッ

騎士「仕舞え!」バン!

魔王「はーい」シマイシマイ

騎士「はぁ...だから護衛も、誤解したのか」

魔王「ま、私から話しといてやるから。お前は気にしなくていい」

魔王「これから勇者と戦ってもらうんだから、しっかりもてなさないとな!」ニッコリ

騎士(忘れてた)

今日はここまで
期待とか色々ありがとう! なんかホモくさいけど付き合ってくれて嬉しい

>>70
え、話の感じだとメイド高見盛似じゃなくね?
そして今の所分かるのが……

勇者→騎士が大好きすぎるホモ
女盗賊、女魔法使い、女僧侶→勇者を慕うとりまき
少女→外見は女性。>>57を読むと一応騎士を慕ってはいる?
メイド→外見は>>55で女性。少女と同じく一応騎士を慕ってはいる?
魔王→外見は男性でナルシスト。人間男性でも妊娠を可能にする薬を持っていてナルシスト
護衛→まだ外見による性別は不明。騎士を目の敵にしている
※魔族は人間達と比べ弱い生き物で、雄でも妊娠、雌でも種を作る事が出来る

……ぐらいか。謎がまだ多いし何このカオス(遠い目)

騎士「はぁあ...疲れたー」ベッドドサッ

騎士「護衛には親のかたきみたいな目で睨まれるし、おまけに魔族は雄でも妊娠できるらしいし、もうやだ」ショボン

少女「騎士?」

騎士「あ...少女。なんか用か?」

少女「や...騎士、元気ないから...」

騎士「あー、うん、それはその」チラチラ

少女「? ...私、下半身になにかついてる?」

騎士「いやぁ、あの、アレ、ついてるのかなぁ、と...」ゴニョゴニョ

少女「アレ?」

騎士「...いやさ、女でも種を作れるらしいからさ」ゴニョゴニョ

少女「たね?」キョトン

騎士「そ、その、実はぁ」カクカクシカジカ...

~説明終了~

少女「......」

騎士「あ、いや別にいやらしいことは考えてないからなっ」

騎士「ただちょっと気になっただけで...」

少女「...」

騎士(け、軽蔑されたか...?)オドオド

少女「ほら」スッ

騎士「え...、っ!? なっ!!!」

少女「さわって...た、たしかめ.......うぅ///」モジモジ

騎士「(つ、ついてな...いや、そのまえにこの状況はヤバ...主にムスコがヤバイ!!!)そそそそうだな!! あ、あはは!!」サワサワ

少女「んぅっ!///」ビクッ

騎士「ふぁっ!?」

少女「あ......あぅう......」ウルウル

少女「も、もういい...?」プルプル

騎士「あ、ひゃ、ひぁい!? ああああうん!!!」

少女「っ///!!」パタパタ

騎士「......」ワキワキ

騎士「」

騎士「...ティッシュ、どこ置いたっけ」ガサゴソ

>>72
まとめありがとう。見返すと、我ながらカオスだな...

騎士「あースッキリしたー」

騎士「久々にしたわー。...さて、寝るか」ガサガサ

バーーーーーン!!

魔王「見たぞ騎士!」ニヤニヤ

メイド「み、見てしまいました、騎士さん///!」

騎士「......へっ?」

魔王「」ニヤニヤ

メイド「」カオマッカ

騎士「」

騎士「......ままままま魔王はともかくメイドさんまでええええっ!?」カーッ

魔王「まぁいいだろ、メイドは口が固いぞ...多分」

メイド「いたいけな少女ちゃんには黙ってますからぁ...」カーッ

魔王「とはいえ、少女は誘ってたみたいだけどな...むしろ自制心働いたお前を誉めたい」

メイド「え、偉いです...騎士さん」

騎士「」ズーン

魔王「あ、そうだ、私たちがここに来たのはからかうためではなくてな」

メイド「そうでした。確か、部屋に入っていく少女ちゃんが見えてしばらく覗いてたんですよ」

騎士「覗くなよ!!!」

魔王「あ、どうでもいいけどティッシュの処理はキチンとしろよ? イカの匂いなんて優雅じゃないからなー」

騎士「うわああん」バタッ

魔王「ついでに言っておくと、勇者集団は恐らくあと三ヶ月ほどしたらここに来るぞ?」

騎士「うわああ...え?」

魔王「いやー私もビックリ。普段は軽く五年くらいかかるらしいのにな、こいつら5ヶ月たらずだからな」

魔王「いやー愛の力って怖いな」

メイド「ですねぇ」シミジミ

騎士「は? 愛?」

魔王「さて次の話に行くぞ」スッ

騎士「は!?」

メイド「とりあえずスケジュールの確認を。明日は人間についてゴブリン小学校で公演、人間親交会の皆様とお食事、一週間後、護衛さんと対決でよろしいですね?」

騎士「待て!! よろしくねぇ!! 一週間後がおかしい!! 」ガタン

魔王「いやー悪いな、どうやら説得ミスっちゃったらしくてさぁ」

騎士「なんだと!?」

メイド「名目は騎士の実力を試すため、実際は魔王さまをかけたバトルなんです。熱いですよね!」ポヨポヨ

騎士「ふぇっ!?」ガタタタン!

メイド「いえ、実はさっき私も護衛さんとすれ違ったんですけどね、なんだか色々誤解されてて」ニコリ

騎士「訂正! 訂正したか!?」

メイド「いえ、黙ってた方が面白そうでしたし♪」

騎士「」ガン!ガン!

魔王「おいやめろ壁が割れる! スイートルームになるぞ!!」

メイド「実はさっき、護衛さんが「魔王陛下が騎士の部屋を訪れるなんてぇえ」と、歯噛みしてらしてー、ついうっかり「魔王さまは騎士さんの事が気に入ったらしいと伝えたら泡吹いてもがいてましたよ?」エヘッ

魔王「楽しそうだなお前」

メイド「うふ。魔王さまは楽しくないのですか?」

魔王「いや、楽しいな。...ま、護衛に求婚されたところでなぁ...」チラ

メイド「?」

魔王「......いや、いい」フゥ

騎士「」ガン!ガン!

魔王「あー待て待て。今度は椅子が壊れる」パタパタ

メイド「うふふ...」

魔王「...」ニコ


??「おい...姫は?」

??「牢屋でグッスリさ。さっきまで泣きわめいていたが、魔王の手下を名乗るとすぐ大人しくなった。なにをされるかわからないからな...キヒ」

??「ったく。丁重に扱えよ、お姫様なんだから」

??「キヒヒ、違いねぇ!」キヒヒ!

??「...あとは、魔王にすべての罪を被せタヒんでもらえれば、万事休すだよな...」

??「勇者がうまく頃してくれるさ。まぁ、頃さなくとも魔族には顔がいいのも多い。売り飛ばせば金になるさ。キヒ」

??「オークたちは?」

??「はっ! あんな醜い獣、タヒんで当然さ! 見目麗しいのだけ選んで、あとは頃しちまえ!」

??「だよなぁ!! はっはっはっ!」

姫(丸聞こえ、ね)

姫(てっきり魔族かと思いきや、人間とはね)

姫(...ふん、怖がって損したわ...)

姫(...)

姫(...誰か、はやく助けに来て...!!)

一旦おち

~勇者サイド~

女僧侶「...」

女盗賊「...」

女魔法使い「...」

勇者「」バスッバスッバスッ

女僧侶「ねー、女魔法使いちゃん」

女魔法使い「なにかしら、女僧侶さん」

女僧侶「ゆうしゃさまがたおしてるのって、このきんぺんのボスキャラだよね?」

女魔法使い「そうですわね」

女僧侶「どーしてあたしたち、やることないのかなー?」

女魔法使い「何故かしらね」

女僧侶「あきらかにあっとうしてるよぉ!? 最強のきしだんがたおせなかった魔物をいちげきでやっちゃったよぉ!?」

女魔法使い「すごいですわね。流石勇者さん」

女僧侶「ほぼ八つ当たりで魔物に攻撃してるよぉ...目が怖いよぉ...」

女盗賊「...ボク、思うんだよね」

女僧侶「...うん? どったのー? 盗賊ちゃん」

女盗賊「...勇者って...ホモ...なのかなって...」

女僧侶「」

女魔法使い「」

女盗賊「」

勇者「」ガスガスガス

~騎士サイド~

騎士「せぃっ! やぁっ! とぅっ! てぁっ!」ビュン!

少女「見事な切り口。その調子」

騎士「てぃ! はっ! ふぅっ!」ビュン!

少女「...やはり、凄い」

騎士「......はぁっ!」ビュン!

少女「騎士。休憩」

騎士「ああ...ありがとな、少女(あんな一件があったのに、なんの変化もないんだよなぁ...)」

少女「...//」ポーッ

騎士(でも、ないかな)

騎士「よし。...今のところ、護衛がどのくらいのレベルかわからないからな。とにかく鍛練をしないと」キリッ

少女「...」

騎士「?」

少女「...勝ちたいの? 魔王さま争奪戦なのに?」ムスッ

騎士「はは、違うよ」

騎士「俺に必要なのは、うまく負けるスキルだ。わざとらしくない絶妙のラインを、できればそれでいて皆を圧倒する強さで」

少女「...ふふ、無理だよ」ニコ

騎士「あはは...だよな」

少女「でも、魔王さまが貰えたら、私に頂戴?」キラキラ

騎士「......あ、あはは......」

~魔王サイド~


魔王「...」

護衛「...」ビュン!ビュン!

魔王(一応、護衛は私の側近だからな...声でもかけたいが)

護衛「」ビュン!ビュン!ビュン!

魔王(無言で剣振るのこわい。故に声かけられない)

魔王(どうしてこうなったんだよ...全ては私が美しいからか知ってる)

魔王(あーヤバイ自分綺麗すぎるわー、できれば自分以外の誰かになりたい、そして延々と自分の顔眺めていたい)

魔王(とまぁ現実逃避なわけだが、まぁ私の顔は現実とは思えないほど美しいが)

魔王(...美しいって罪だわ、マジで)

魔王「...護衛?」

護衛「!!」バッ

護衛「魔王陛下! 今日も麗しゅうございます!」

魔王「あ、知ってる知ってる...」ハハハ

護衛「して、なにようですか」キリッ

魔王「い、いや。頑張れよっていいに来ただけ」

護衛「...っ///! あ、ありがたい御言葉...」

魔王「あ、それに騎士もお前のこと勘違いしてるみたいだからさ...」

護衛「心配ご無用。魔王陛下の純粋なるお体は何者にも暴かせないので!!」

魔王「」

護衛「では、訓練に戻ります!」

魔王「あ、ああ」

魔王(...あいつ、なんであんなのに育ったんだろうな...)

魔王(昔は可愛かったのに、いつのまにやら男みたいな口調で男みたいな格好しやがって、んで女からモテモテになり、男だと思われる始末)

魔王(...少しは女らしくしろよ...)ハァ

メイド「...あら、なにかしらこれ」

メイド「騎士さんの...ペンダント? いえ、ロケットね」カチャ

メイド「あら、これ、小さい頃の騎士さんかしら。可愛い」

メイド「こっちは...えっと、男の子、よね。随分整った顔立ち...勇者さまかしらね? 面影があるわ」ニコニコ

メイド「...でも、すごく気弱そうだわ...? それに、その隣の女の子は...?」

メイド「あ、いけないいけない。お掃除しないとね」サッサッ





姫(どうすれば出られる? どうしたら?)

姫(...内部に協力者が必要よ)

姫(誰か、いないかしら。誰か...)

??「...」

姫(...女の人? いえ、服は男物だわ...)

姫(美人ね...)

??「...ね、生きてる?」

姫「きゃっ!?」

??「...あの、ごめん。ちょっと静かにしてね」カチャカチャ

姫「? 手錠が緩いわよ?」

??「うん。だって、キツいでしょ?」エヘ

姫「...呆れたお姉さんね」

??「...俺、男だもん...」

姫「え?」


今日はここまで
また明日

姫「...」グーッ

??「...あれ? ...お腹減ったの?」

姫「...だから何?」

??「いや、御飯はちゃんと出されてたよね? 食べてないの? もしかして人参きらい?」クスッ

姫「何が入ってるかわからないのに、食べれるわけないじゃない...」

??「あっ、いや、ごめんね...」シュン

姫「なんで謝るの? 私は当然のことを言ったまでだわ」

??「...うん。そうだね...ごめん...」

姫「......」グーッ

??「」パクッ

姫「!? あ、あなた、なにをして...」

??「うん、味はそんなに良くないけど、まぁまぁ及第点かな」モグモグ

姫「そ、それは私に出された食事よ! そんな黄色くて訳のわからないもの、何が入ってるかわからないのよ!?」

??「あは。姫様ってオムライスも知らないの?」パクパク

姫「あ、あぁあ...」

??「はい、あーん」ヒョイ

姫「」パク

姫「ーーーーっ!!!」

??「俺が半分食べてるんだ、毒なんか入ってないよ? 少しは食べないとね」

姫「......」ゴクン

??「...あ、あの、怒った?」

姫「う」プルプル

??「あ、あの、あのぉ?」アワアワ

姫「......うぇ」ブルブル

??「あ、やっぱり美味しくなかった!? それとも俺の間接キスがいやだった!? 毎日朝晩歯磨きしてるから!! そんなに臭くないよ!?」アワアワ


姫「うぇぇぇぇぇぇぇーーーん!!!」ボロボロ


??「!!」ビックリ


姫「あーーん、おかあさまあああ!! おとうさまああ...! ひっく、帰りたい...帰りたいよぉお!! おうちで...おうちで御飯食べたいよお....うわあーーん!!!」グスングスン


??「...う、う」ポロポロ

姫「ひぐっ、うぇっ」ボロボロ

??「ごめんね...ごめんね...姫様、ごめん...!!」グスン

姫「」ヒックヒック

??「...ごめんね...本当にごめん」ポロポロ

??「俺はなにやってるんだろうね...誘拐して、おまけにその女の子泣かせて、本当にバカだよ」ポロポロ

??「こんなのだから、女の子に間違われるんだ...」グスン

姫「...ねぇ 」チーン

??「?」

姫「あなた、なんで泣くの? 私を誘拐したんじゃないの?」グズ

??「...うん。俺には泣く資格さえないんだよ」グスン

姫「違うわ。そうじゃない...あなた、私を誘拐したくなかったの?」

??「...そりゃ、姫様みたいな小さな女の子にそんなことしたくない」

姫「小さくないわ。もう13だもの。お母様は12の時にお嫁に行ったのよ」

??「ううん、まだ小さい子供だ。...俺はこんな子供に...」ズーン

姫「質問に答えて。私に申し訳なく思ってるならね」

??「...実は俺、勇者さまに対する不敬罪をはたらいちゃって...死刑になりたくなかったら、協力しろって脅されて」

姫「待って...それ、おかしいわ、えっと」

??「賢者。賢者だよ」

姫「わかったわ、賢者。不敬罪なんて言っても、そう簡単に死刑になるはずないわ。そうね、不敬罪をはたらいたのが王族以外なら、せいぜい禁固刑...かしら」

賢者「わぁ、姫様、そんなの覚えてるんだ」

姫「大したことじゃないわ。...ところで、なにをやらかしたの? その行為がどれくらい失礼なことなのか、確かめてあげるわ」

賢者「...去年の話だよ。俺、昔ちょっとだけ勇者さまの故郷の村にいたことがあるんだ。二週間くらいね。で、五年前に故郷の村に舞い戻ってきたわけ。勇者さまとはその二週間でかなり仲良しになったから、相手も俺を覚えてるんじゃないかなと思ったんだ」

賢者「でも、違った。勇者さまは女の子にかこまれてて、とても近づけなかった」

姫「...」

賢者「そのころ...うん、15歳くらいのころだね。その時には勇者さまが特別だって、皆なんとなく思ってた」

賢者「おいそれと近づけないよ。ただでさえ、通ってた学校も違ったんだ。はなしかけられるはずないよね」

賢者「チャンスが来たのは三年後だった。もう俺は勇者さまと仲良くなることなんて諦めてた」

賢者「でも、偶然勇者さまがうちの学校にやって来て。。あ、実は勇者さまが通ってる学校から一人転校生が来るはずだったんだ。結局数か月もしたらもとの学校に戻ったけど...名前は、えっと、き...なんて言ったかなぁ」

姫「いいわ、続けて」

賢者「うん。...俺は話しかけにいった。大多数の女子と一緒にね」

賢者「それから一ヶ月くらい、まともに勇者と話せないまま過ごした。そして、事件が起こった」



賢者「......男に告白されたんだ......」



姫「」

賢者「わかるよその気持ち。ありえないよね。俺もありえなかった。すごく地味な顔で、一度も話したことない男子生徒に告白されて、キモくて、だから俺は言った。「誰? キモいんですけど」ってね」

賢者「...それを見ていた勇者さまは、ぶちギレた」

賢者「一瞬、気迫だけで意識がとんだよ。でも、それを許さないくらいに鋭い目が俺を見つめてたんだ」

賢者「そしてこう言ったんだ。「絶対に忘れない、絶対に許さない」ってね」

賢者「どう? 姫様、これ、死刑かな...」オドオド

姫「...そんなはず、ありません。罪が軽い上に不敬ですらありません。あなたが不敬を働いたのはその地味な男の方にであって、勇者さまではありません」

賢者「......えっ?」

姫「...ていよく騙されましたね」フゥ

賢者「......ふっ、う」ボロボロ

姫「!?」

賢者「......じゃぁ...俺は、勘違いで君の誘拐に加担...ひっ、そんな、えぐっ...お、俺はなんてことを...」グスン

姫「な、泣くのはやめなさい! 男でしょう!」

賢者「っ! そうだね、姫様が泣いてないのに、俺が泣いてちゃダメだ...」キリッ

姫「......」

姫(そうしていたら、存外男前だわ...)

勇者(...間もなく、魔界へと赴く...)

勇者(記しておこう。帰ってこれなかったときのために、俺が生きていた証拠を)カキカキ

勇者(...騎士)

勇者(俺とお前がであったのは、五才の頃...正確には12月12日水曜日午後1時34分17秒...だったな)


勇者(...忘れないさ、騎士)カキカキ



幼勇者「や、やめてよぉ...ぐすんっ」

幼賢者「勇者いじめちゃだめだよ!! うぁ!」ドシン

子供「お前、ちょっと顔と頭と性格と運動神経がいいからって調子乗んなよ!!」ドン!

取り巻き1「そうだそうだ! 悔しかったら殴り返せよ! そうなったら、子供さんのお父さんがお前たちの親をこの村から追い出してやる!」

子供「おいおい、賢者はともかく勇者は可哀想だろwwww病弱な妹いるんだぞwwww」

取り巻き2「そうっすねwwww勇者、優しい子供さんに感謝しな!」バシバシ

子供「おら!!」バシバシ

幼賢者「うっ、うぅ」

幼勇者(やりかえしたら...いもうとが...!)

幼勇者「うっ!」ゲボッ

子供「こいつ吐いたぞ! きたねぇwwww」

取り巻き1、2「やーいやーいげろ人間wwww」

幼勇者(誰か...だれ、か...)クラッ



??「大丈夫か?」ガシッ



幼勇者「...え?」



??「おいお前ら、弱いもんいじめすんなよ!」バン

子供「いてっ...ひぃぃ」

??「ふん、俺は家族なんていないしパパに頼んでも無駄だからな、覚えとけ!!」

子供「ちっ! 覚えてろよ!」バタバタ
取り巻きズ「あっ、待ってください子供さん!!」バタバタ

??「大丈夫か? お前、たしか勇者だろ?」

幼勇者「」コクリ

??「あー、服にゲロついてる。着替えてこいよ、んで、賢者と三人で遊ぼう」

幼勇者「...いいの?」

??「なにが?...あ、そうそう、俺、まだ名前いってなかったな」


幼騎士「俺は、騎士! よろしくな、勇者!」


今日はここまで。 見てくれたひとありがとう。

触れる機会がなさそうなのでここで書いておくと、

賢者と勇者と騎士が出会った二日後くらいに、賢者は村を追い出されます。
ちなみに年齢は皆5、6歳程度です。
覚えてる勇者の方がおかしい。ついでに騎士は地味。


メイド「...というわけで、護衛対騎士さんの決闘、間もなく開戦!!」

ドンドンパフパフ!キャー!カッコイイ,ゴエイサーン!
マオウサマ,コッチムイテー!キャー!

少女「騎士。応援してる」

魔王「どうでもいいけど誰か鏡持ってきてくんね? 風が強くて髪が乱れてるような...」キラキラ

騎士「」

護衛「」ギロッ!

騎士「...あの、リタイアしていい?」

護衛「なるほど、自信がないんだな?」ニヤニヤ

騎士「...いや、別に」ムッ

メイド「険悪な雰囲気ですねぇ」

魔王「だなぁ」キラキラ

少女「...騎士」ハァ

魔王「まぁ、どっちが勝っても俺は構わないんだけどね? 魔王さまは皆のものだから」

騎士「うっぜ! 黙ってろ!」

護衛「皆のものということは俺のものでも...?///」

騎士「」

護衛「」キッ

護衛「魔王陛下!!!」

魔王「?」

護衛「もしも私が勝利した暁には、...私の...そのぉ///」

メイド(は、ハジメテをもらってください、とか...?)ドキドキ

少女「...大胆」



護衛「私の子供を生んでくださいっ!!///」



魔王「」

メイド「」

少女「」

騎士「」

観衆「」イイゾー!ニィチャンオトコマエー!


護衛「私は兄ちゃんではない、女だ!」ビシリ


騎士「......え、女? ホモじゃないの?」

護衛「っ...お前がホモだからって!」

魔王「ちょ、護衛! 言うな! あと、騎士はホモじゃない」ヒソヒソ

護衛「あっ...ま、魔王陛下のお声が耳元で...アッ///」

魔王(...子供とか...うわあ)ドンビキ

魔王(教育間違えたかなぁ...)

メイド「わぁ!すごいですね! プロポーズですよ?」ニコニコ

魔王「...メイド、私は」フゥ



魔王「プロポーズを受ける気はない」



メイド「えっ...」

メイド「...他に好きな方がいらっしゃるのですか?」

魔王「...いるさ。でも、それが理由じゃない。」

魔王「...他の魔族よりちょっと魔翌力総量が多いだけ。美しいが、貧弱だ。仕方ないさ、魔王は親から子に引き継がれるものだからな。私は自分なりに努力した」


キャー!マオウサマ!キャーキャー!!


魔王「皆に好かれる魔王を目指した。善政を目指したさ。」

魔王「...だが、まだ足りない」




魔王「私のこの身は、全て国民のために使う。この恵まれた容姿、国のために利用せずにどうする?」ニヤリ




メイド「ッ!?」

魔王「私の幸せ? そんなもの必要ない。王を名乗るのなら、自分の気持ちを圧し[ピーーー]くらいの覚悟が必要だ」

魔王「望まぬ結婚も、不細工な女の相手も、それこそ男相手でも、国のためになるのならば甘んじて受ける。それが、私の考える王だ」


騎士「...女...」

護衛「なんか文句あるか!? 俺は女だからな!」

騎士「...いやぁ、その」



騎士「胸はどこかな、って」



護衛「ほぅ」シュン

騎士「ぐはっ!?」

少女「騎士...今のは騎士が悪い」

護衛「お前、死にたいらしいな」ゴゴゴゴゴ

カキン!

騎士「おわっ!?」チャキン


短いですか今日はおしまい
また明日

カキン!カキン!バシッ!カキン!ヒュッヒュッ!ズバッ!

魔王「...」

メイド「...」

カキン!カキン!バシッ!カキン!ヒュッヒュッ!ズバッ!

魔王「」グー

メイド「」グー

カキン!カキン!バシッ!カキン!ヒュッヒュッ!ズバッ!


少女「」ムニャムニャ


カキン!カキン!バシッ!カキン!ヒュッヒュッ!ズバッ!



魔王「...ふゎあ...終わったか...?」

メイド「んんむ...」ムニャムニャ

少女「...」スースー

メイド「あら、少女ちゃんも寝ちゃってますね」

少女「...ううん...」スースー

メイド「風邪引いちゃうから、毛布かけてあげましょうか」

魔王「そうだな。......その、あー、メイドは寒くないのか?」

メイド「え? ...そういえば、ちょっと肌寒いですね」ブルッ

魔王「...ほら」パサァ

メイド「え...」フワッ

魔王「気にするな。マントの一枚や二枚、脱いだところで大して寒くはないし私が美しいのにも変わりはない。それどころかわずかに肌が露出することでチラリズム効果により驚異的な色気を醸し出すのだ」キラキラリーン

メイド「で、でも、私は一介のメイドで...」アセアセ

魔王「そうか。でも、お前はメイドである前に私の国の国民だ。国民を気遣いたいという、私のわがままを聞いてはくれないか?(決まった...!)」ニコ

メイド「う...///」



騎士(ラブコメうっぜえぇぇ!! もうこれ以上にないくらいうっぜぇえええ!!!!)

カキン!カキン!バシッ!カキン!ヒュッヒュッ!ズバッ!

騎士(こちとら命がけの勝負なんだよこのやろおおお)

騎士(こうなったら、必殺猫だまし...)

パン!

護衛「っ!」シュパッ

騎士「っ、くっそ!!」

カキン!カキン!

護衛「まだまだぁ!!」

騎士(駄目だ、コイツ目が怖い!)

騎士「なぁ、護衛! 魔王はメイドといちゃこらしてるぞ!!」

護衛「はん、だからなんだと言うのだ。俺の目には始めから魔王さま以外は映ってないからな!! お前もいますごくボヤけているぞ!!」

騎士「キモッ! こいつキモッ!」



騎士「つかお前っ、明らかに体力限界だろう! もうリタイアしろ!」

護衛「ま、魔王陛下のためだっ、はぁ!」

騎士(くっそ、タイムオーバーを狙ってたのに、このままじゃらちが明かねぇ)

騎士(護衛も明らかにオーバーヒートだ。そろそろ止めないと、体が使い物にならなくなる)

騎士(...攻撃はあんまりしたくないんだけどなぁ)

シュン

護衛「っ...」

護衛(はや...い...?)

護衛(目が...追い付かない!)


騎士「ほらよっ!」トン

護衛「ぅあっ!?」バタン

護衛(体が...動かない...)

騎士「...大丈夫か?」カツン

護衛「......殺せ......」

騎士「なんでだよ。俺が勝ったんだから、もう良いだろ?」

護衛「......戦場での敗北、即ち死だ...俺にもう、価値はない」

騎士「...いや、価値あるだろ。少なくとも、魔王にとっては昔から自分を守ってくれた大事な部下だろ」

護衛「......部下以上には見られていないという皮肉か......?」フッ

騎士「あ、いや、そうじゃなくて」アセアセ

護衛「いい。わかっている。...八つ当たりだ」フフ

騎士「......」

騎士(コイツは、多分たくさんのものをこの戦いに賭けていた。魔王相手のプロポーズもそうだし、恐らく男にも負けない力を持っているというプライドも)

騎士(女でありながら男のように振る舞うこと。不安もたくさんあっただろう。苦しいこともあっただろう。だから、俺も)

騎士(精一杯の誠意で、それに答える)

騎士「...握手だ、護衛」

護衛「......物好きなやつ、だな」スクッ

騎士「お、おい、フラフラだぞ?」

護衛「ふん。大したことな...」グラッ

騎士「あっ、危ない!!!」



ムニュッ



騎士「」

護衛「」

魔王「」

メイド「」

少女「」




護衛「......う」




護衛「うあああああああ!!!!!!!」ドンッ

騎士「」

護衛「あ.....ああ...」チラッ

魔王「」ポカーン

護衛「あっ...う......う、ぇ、騎士...お前、俺を辱しめようとぉ...」

騎士「あ、いや、うん普通に胸あったね、小さいけど俺はそれもありだと思うよ、その」

少女「サイッテー...」

騎士「あ、少女!? ちがっ!」アセアセ

護衛「騎士...許さん......絶対にゆるさあああああん!!!」ピューッ

騎士「あ、ちが、待てっ、二人ともおお!!」

騎士の部屋


騎士「えーとティッシュティッシュ....どこかなぁっと」

魔王「入るぞ」

騎士「うっひゃああ!!」ビクッ

魔王「あー、流石に今日はシコらないよなぁ...最中だったらどうしようかと思ってたんだけどな」

騎士「あああ当たり前だろ!! 護衛のささやかすぎる胸の感触をオカズになんてしねーから!!」

魔王「だよなぁ。...ところで、今日は内密な話がある。メイドも少女もいない。勿論護衛もだ」

騎士「...あんたが真面目な顔するってことは、よっぽどのことだな」

魔王「ふふ、真面目な私も美しいだろ? ...まぁ、それはいい」



魔王「...お前、勇者を倒したあともここに残る気はないか?」

騎士「...ほぅ」

魔王「お前の戦闘能力はすこぶる高い。そして、同時に冷静だ」

騎士「ありがとな」

魔王「......我らが魔族には、少し短絡的な考えのやつが多くてな...お前のような人材が必要だ」

騎士「そりゃ、なんか照れるぜ」

魔王「どうだ? 望むものは出来る限り与えよう。世界の半分...とは、勇者を誘うための文句だったかな」

騎士「すごい条件だな。だけどさ、」


騎士「俺には無理だ」


魔王「何故だ?」

騎士「俺は逃げるぞ」

魔王「......ほう」



騎士「俺は逃げる。自分に出来そうにないことは、放棄するぞ」

騎士「大きな仕事が来たら逃げるぞ。出来そうになかったらゆくえを眩ます。何も告げずに、だ。官僚には向いていないと思うがね。......そんな性格が幸いして、俺は今このベッドに座っているわけだが」

魔王「あぁ、そうだな」ニヤニヤ

騎士「...それに魔王、お前、俺が了解するなんて思ってないだろ」

魔王「どうしてだ? 私はいつでも本気だぞ?」



騎士「......お前が国民のことが心底大事なのは、もう嫌ってほど知ってるんだよ」



騎士「国民のために怪しい男にも頭を下げる。国民のために自分の願いを圧し殺す。少なくとも、俺の知ってる国王はそんなことしない」

騎士「それだけじゃないよな? お前、ふざけてるように見えて、エステ中もちゃんと仕事してたよな? 書類にわざわざコーティング加工するとか、バカなのか仕事熱心なのか」


騎士「そんなお前が、世界を半分も他人に渡すはずがない」


魔王「...」

騎士「それに、きっとお前は俺がお前の考えを見破ることまで想定にいれてる。どうだ?」

魔王「......ははっ」

魔王「お前、ヤバイな」

騎士「まぁな」

魔王「結構真剣に欲しくなってきたわ」

騎士「はは、男に言われても嬉しくねーよ」

魔王「......可哀想に......」

騎士「え? なんかいった?」

魔王「ナンデモナイヨー」

魔王「んで、まぁ私がどうしてこんなことを言うかというと」

魔王「少女に引き留めてほしいと頼まれたからです!」

騎士「へ?」

魔王「少女ってば照れ屋さんだよな。自分ではずっとここにいてほしいって言えないから私に頼んだらしい。可愛いよな」ニヤニヤ

魔王「まぁ私としては、お前がグダグダここにいるのはよくないと思うわけよ」

魔王「私と少女は魔族、騎士は人間だ」



魔王「......後悔するぞ? ん?」



騎士「......」

魔王「まぁ俺にはお前の行動を制限する力はないわけで、つまり」

魔王「手前の行動は手前で決めてください。以上」

騎士「......まだ、あと3月はあるからな。その間に考えておく」

魔王「話はまとまったな。......さぁて」


魔王「......騎士、お前、私が用意してやった洗顔用石鹸とタオルはどこだ?」ゴゴゴゴゴ


騎士「あっ」ヤベ

魔王「あと、なんでゴミ箱にこんな大量にティッシュのごみが入ってんだよ!! メイドがなんかいか臭いってぼやいてたぞ!! お前メイドになんてことさせてんだ畜生!」

騎士「いやその」

魔王「......ったく、しかたねーなぁ」

魔王「この私が直々に、美についてレクチャーしてやんよ!」

騎士「」ゲソッ



今日はおしまい ありがとうございました

騎士「」ゲッソリ

騎士(昨日は一晩中寝れなかった...)

少女「......騎士」

騎士「あん? 少女...?」

少女「!」プイッ

騎士「あっ、ちょ、まっ」

スタスタ

騎士「あれー? 俺、なんかしたっけ」

護衛「......昨日の俺に対する仕打ちを覚えているんだろうさ」

騎士「あ、ご、護衛...昨日はその」ボソボソ

護衛「...いい。魔王陛下以外にはけして許さないと誓っていたこの体.......むしろ、吹っ切れたさ」

騎士「え?」

護衛「昨日の夕方、魔王陛下がわざわざ部屋を訪れてくださってな。俺の体力が万全ならそのまま襲えたんだが、生憎俺は疲れはてていた」

護衛「......で、見事にふられたよ」フッ

護衛「まぁ当然といえば当然、か。始めから叶うはずがなかったんだ、こんな恋。ただ、これからもこの職業で魔王陛下の心身をお守りする許可は頂けた。それだけで充分だ...」

騎士「......護衛......なんか、悪かったな」シュン

護衛「まぁ、「私」としてはむしろ都合がいい」

騎士「でも......ん? 私?」

護衛「私は昨日魔王陛下にこう言われたのだ。「今のお前を恋愛対象には見れない」と!」

護衛「つまりこれからならば! 希望があるというわけだ!!」ドヤァ

護衛「これからは女らしくして、陛下のハートをロックオンしてやるのた!! というわけで、今日は有給でぶ...ぶらじゃー? と、ぱんてぃ? を買ってこようと思う!!!」

騎士「突っ込みどころ多すぎてなにも言えない! つかそのサイズでブラは要らないと思う!......でも、意外と元気なんだな。良かった」ニッコリ

護衛「......」

騎士「...あれ。もしかして俺空気読めてない?」アセアセ

護衛「......いや、騎士。よく考えたら色々迷惑をかけてしまったな。勝手な勘違いもしてしまったし」

護衛「これからは、友人で......いてくれるか?」

騎士「!」

騎士「......ああ、勿論さ」フフ

姫「......」

賢者「ひ、姫様? 大丈夫? 昨日からずっとご飯食べてないよね?」コソコソ

姫「......平気よ。今日は食べるから。それより貴方はここにいてもいいの?」

賢者「本当は駄目なんだけど、皆俺なんて見てないからさ」アハハ

姫「......そう」カチャカチャモグモグ

賢者「......安心してね、魔王が死んだらすぐにでもここから出れるから」

姫「......そうして、私の訴えは、「錯乱」として処理されるのね」

賢者「......」

姫「貴方をせめているのではないわ。ただ、私は、生きている限り永遠に貴方達を許さないでしょうね」

賢者「」ウルッ

姫「......ただ、私の手伝いをしてくれるのなら話は別よ?」カチャ

賢者「......え?」



姫「逃げ出すのよ、ここから」



賢者「ひめ、さま......?」

勇者(......おっと、騎士との出会いを記すのにノート七冊も費やしてしまったな......)

勇者「......あと、多く見積もっても三ヶ月か。早いものだな」

女盗賊「だよね、ボクもそう思う」

勇者「......いたのか」



女盗賊「う,∞ン。&%そウだョ...!?」



勇者「!!」シュバン

女盗賊?「ははっ! もうバレたとはネっ! 驚きダよ勇者くん!」

勇者「......誰だ貴様は!! 女盗賊はどこにいる!」

??「ああ、ワタシかい!? ワタシは魔族のひとリサっ! 女盗賊ちゃんや女僧侶ちゃん、女魔法使いちゃんはワタシのご主人の城に招待したヨっ!」

勇者「貴様ァッ! 魔王の手の者かっ!」

??「サァ、どうかナァ!!」ケラケラ


??「ワタシたちは、勝手に人間どもを[ピーーー]のサ!! まずは勇者ご一行、君たちからダよ!!」ケラケラ


??「皆はあの、山の向こうの御城にいるヨおっ! 魔界に連れていかなかったのは、せめてもの優しさサァッ!」


??「アハハハハハ、さぁ、早くおいでねぇっ!!」



アハハハハハハ,アハハハハハハ......



勇者「そ......んな、皆...?」

勇者「俺が、騎士のことで頭が一杯だったせい、で......?」


勇者「......!!」ポロ


勇者「俺は......俺は何をやっている!!!」バン!

勇者「待っていろ、皆! 必ず俺が、救いだす!!」


騎士「ふゎーあ、今日もいい朝だなぁ」ノビノビ

魔王「だなー」

メイド「ですねー」

少女「」コクリ

護衛「魔王陛下、窓際ではお体が冷えます」

騎士「......あれ? 護衛、髪形ちがくね?」

護衛「お、よく気づいたな、すとろべりーのへあぴんを着けてみた」ドヤァ

メイド「可愛らしいですねぇ」

少女「......似合ってる」

魔王「いやー、護衛も女らしくなったなぁ」

騎士「だなぁ。ここ最近めだった事件もないし......あとは勇者達を乗りきるだけだし」

魔王「平和だなぁ」

魔王「そうだな」


側近「魔王陛下!! お伝えしなければならないことがっ!」


魔王「......側近?」

側近「はいっ! 仕事場に戻られてくださいっ! 実は......!」

魔王「......なんだと!?」

騎士「どうかしたのか?」

魔王「......騎士、護衛、今すぐ謁見室に。 メイドと少女は仕事にもどれ」

騎士「っ、おい、聞いて――」

魔王「護衛、ローブと杖を」

護衛「はっ」タタッ

メイド「...失礼しますねぇ」ペコリ

少女「...邪魔した」

騎士「お、おい、魔王!?」

側近「無礼な! 様をつけぬか!」ガッ

魔王「よい。賓客だ。......騎士」

騎士「......なんだ?」


魔王「勇者達が反人間派の魔族集団に襲撃を受けた。これより魔族の幹部を集め、会議を開く」


騎士「......え?」



魔王「......」スッ

護衛「魔王陛下、こちらをお召しに」

魔王「心得ている」

騎士(なんだ......これ)ゾクリ


騎士(漆黒のローブと漆黒の杖? ...伝承の中の魔王そのものじゃないか。確かにこの魔王だって魔王だ、だけど)


騎士(自分のことが大好きで、仕事には真面目で、ふざけたところもあって、メイドに弱くて......そして、人間と魔物が共存する世界を作りたい、って......それが魔王じゃないのか!?)


騎士(......それに、勇者達が襲われた、なんて)


騎士(......畜生)


魔王「......騎士と護衛はしばし謁見室で待て。会議が終わり次第すぐ向かう。......内乱が起こるかもしれない、護衛は城の者に注意を促しておけ」バッ


騎士「まお......」


バタン


騎士「......」

護衛「いくぞ、騎士」

騎士「......」

護衛「......気持ちはわかるが、早く」

騎士「あ、ああ」

今日はここまで。ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom