夕美「大人っぽくなりたいよ!」ババ-ン! (27)

(ある日)

P「…」ペラペラ

カチャ

夕美「おはよう。プロデューサーさん。今日は外暑いよ~」

P「おはよう夕美。冷蔵庫に麦茶入ってるよ」

夕美「わーい♪」テチテチテチ

P「…」ペラペラ

カチャ...
トクトクトク...

夕美「…何を読んでいるの?」グビグビ

P「モデルの雑誌」

夕美「アイドルのじゃないんだ」プハ-

P「うん。今度『10代の大人っぽい女の子』のコンセプトで写真集を出そうかって企画があがってるんだよ。で、そのイメージを何となく考えてるわけ」

夕美「ふうん。誰が写真集に出るのかな」

P「美波と奏は決定。あと1、2人は未定。もしかしたらあの2人だけになるかも」

夕美「え?」

P「ん?」

夕美「待ってよ。プロデューサーさん」

P「何だい」

夕美「私はどうかな!」カッ!

P「うん?」

夕美「私はっ! どうっ! かなっ!」ピョ-ン! ピョ-ン!

P「うん」

夕美「うん、じゃなくて! この清楚大学生こと! 相葉夕美ちゃんはいかがでしょうか!」ババ-ン!

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P「そろそろ夏だな。今度一緒にアイス買いに行こうか」

夕美「行くー♪」ニコ-

P「あずきバーが食べたいなぁ」

夕美「いいね~♪ …って、誤魔化すのは無しだよ!」バ-ン!

P「小うるさいな」

夕美「こ、ここここ小うるさいィ!? 小うるさいって言ったの!? 今!」

P「小うるさいんだもの」

夕美「ひーん! 扱いが雑だよ~! もう拗ねてやる! 断固拗ねてやる~!」シクシクシク

P「…」

P「夕美さんや」

夕美「ふーん! 何さ! もうプロデューサーさんなんて知らないよ! この女たらし!」プイ-

P「大人はね。そんな風に拗ねないんだよ」

夕美「」グサッ

(後日)

夕美「大人って何かな。文香さん…」シュ-ン

文香「よしよし…夕美さんは十分に人間として魅力的ですから…落ち込まずともよいのですよ…」ナデナデ

夕美「文香さんは私のこと大人っぽいと思う?」

文香「…人間として魅力的です」

夕美「大人っぽいかな?」

文香「…人間として魅力的です」

夕美「それ遠回しに否定してるよね!?」ガ-ン!

文香「返す言葉もございません…」

夕美「返して! 返してよ! 落ち着いてるとか! 大人っぽいとか! 言ってよ~!」ヒ-ン!

文香「夕美さん…」

夕美「何かな」グスッ

文香「すぐにヘソを曲げるところは可愛らしいですよ…」

夕美「可愛いんじゃなくて大人っぽくなりたい…」

文香「『大人』とは…時代や文化圏によって変化するものですから…夕美さんは夕美さんらしく在るのがよいと私は思います…」

夕美「私らしくって何さ!」クワッ!

文香「どんな時もわーたしらしく…」

夕美「スマイリン大人っぽい~んだ♪」

文香「歌詞を変えるんじゃありません…」メッ

夕美「大人っぽくなりたいなぁ」ポリポリ

文香「ポッキーのチョコを綺麗に舐めとってから棒を食べるような女子大生にはどだい無理でしょうね…」

夕美「ふ、普段はやらないよ」グビグビ

文香「それから…ポッキーとイチゴ牛乳というだだ甘い組み合わせは大人のおやつとしてどうなのでしょうか…」

夕美「い、いいじゃない! 好きなんだから! 美味しいんだから!」カッ!

文香「私も世俗的な事柄には疎い人間ではありますが…大人とはもう少し小洒落たものを嗜んでいる気もします…」

夕美「小洒落たものとは」

文香「例えば…GODIVA…!」クワ-

夕美「ご、ごでぃば…!」

文香「洒落ているでしょう…」フフフ

夕美「コーヒーを飲みながらGODIVAのチョコを食べれば大人になれるの?」

文香「…そう問われると言葉に詰まりますね。違うのでしょうか」

夕美「大人かー」ム-ン

文香「やはり大人っぽい人に聞くのが1番なのでは…?」

夕美「大人っぽい人って?」

文香「我々の最も身近にいる方…例えば…美波さんに聞くのはどうでしょう…? 大人っぽいといえば美波さんです…ちょっぴり荒ぶることもありますが頼りになるのが美波さんです…」

夕美「やだ!」カッ!

文香「やだ…?」

夕美「今回の美波ちゃんは敵だよ! 私たちに抜け駆けして『大人』枠に入っているなんて許さないもん!」カッ!

文香「清々しいくらい人間性がみみっちいですね…」

夕美「ふん! 何さ! スタイルも歳もほとんど同じなのに美波ちゃんと私で何が違うっていうのさ!」プンスカ

文香「たれ目…」

夕美「テープで目尻を下げてみようかな」ピッ

文香「髪の長さ…」

夕美「エクステ装着してみよっか」スチャッ

文香「人間性…」

夕美「変えようのないところを指摘しないでよ!」カッ!

文香「面倒臭いですね…この脳みそパッションは…」

文香「とにかく…我々だけの狭い視野で物事を判断すると過ちを生み出してしまいかねません…真に大人っぽくなりたいのであれば…誰かに相談するのが1番かと…」

夕美「相談、かぁ」

(しばらくして)

柚「…」

夕美「というわけで! 相談に来たよー!」ババ-ン!

文香「来ました…」キラ-ン

柚「自分で言うのもなんだけどね。人選はよく考えた方がいいんじゃないカナ。柚は大人っぽくないよ。むしろちんちくりんだよ」

文香「その点については重々承知しております…」

柚「それはそれで酷い」

夕美「でもね。柚ちゃんに会いに来たのには大きな理由があるんだ」

柚「大きな理由?」

夕美「一緒に遊びたかったんだよ!」バ-ン!

柚「すごくどうでもいい理由だァ!」

文香「なんだかんだと柚ちゃんとは長い付き合いですからね…柚ちゃんは『けいおん』でいうあずにゃんポジションなのですよ…」

柚「いじられ役だね」

夕美「柚にゃーん♪」ガシ-

柚「フゥンッ!」ジタバタジタバタ

夕美「あはは。ごめんごめん。よかったら相談に乗ってくれないかな。柚ちゃんの視点から『大人』ってどういうものなのか教えてほしいんだ♪」パッ

柚「大人かー」

柚「…」

柚「セクシーな人?」

文香「せくしー」

夕美「せくしーとは何でせう」

柚「それを柚に聞きますか」

文香「セクシー…すなわち色気のある人間のことですね…」

柚「そうそう。中身はともかく楓さんとか川島さんなんかセクシーじゃないかな」

夕美「あはーん♪」クネクネ

柚「何してるの?」

夕美「セクシー!」バ-ン!

柚「ただの愉快なお姉さんだよ!」

夕美「なんですって!」ガ-ン!

文香「…うっふん」クネクネ

柚「場末のスナックに住み着いてるエロババアみたいな雰囲気がするよ」

文香「なんと…!」ガ-ン!

柚「2人とも。あんまり大人っぽい路線は向いてないね」

文香「ふむ…私は自覚しているので構いませんが…」

柚「?」

夕美「ヤダヤダ! ヤダー! 私は大人っぽくてセクシーだもん!」ジタバタジダバタ

柚「そういうところだよ。夕美サン」

文香「ですね…」

夕美「早く大人になりたーい!」ヒ-ン!

(しばらくして)

柚「とりあえずね。事務所で暇してる大人っぽい人に声をかけてみたよ」

文香「さすが柚ちゃん…フットワークが軽いですね…」ヨシヨシ

柚「へへへ♪」

夕美「私だって軽いよ!」カッ!

文香「いちいち張り合おうとするんじゃありません…」メッ

夕美「はーい」シュン

柚「(お母さんと娘だ…)」

文香「して…どなたに声をかけたのですか…?」

柚「そろそろ来ると思うけど…あ、来た♪」

あい「やあ。お招きいただきありがとう。光栄だよ」ニコリ

柚「おはよう。あいさん。今日はよろしくね♪」

あい「ああ、私の意見が参考になるかはわからないがね。忌憚なく意見を言ってくれたまえ。批判も歓迎さ」フフフ

夕美「頼もしいー!」キャッキャ♪

柚「かっこいいー♪」キャッキャ♪

文香「さすがです…事務所きっての絶倫おと…女性だけのことはありますね…」

あい「聞こえているぞ。隠せていないぞ。誰が絶倫男だ。後で3人ともホテルに行ってじっくり話し合おうじゃないか」ハハハ

3人「「「お断りします!!」」」カッ!

あい「残念だ。女子大生と女子中学生をまとめて抱けるチャンスだと思っていたのに」

柚「この人は真顔で何を言っているんだろうね」

文香「声をかけてもらっておいてなんですが…呼んではいけない人だったのでは…?」

柚「あいさんは危ない人だけど、性癖を除けば大人っぽいから」

文香「それはそうですが…」

あい「随分と褒めてくれるな。興奮してしまうよ♪」ジュルリ

柚「文香サン。この人怖いよー」ガシ-

あい「こほん…さて冗談はさておき。『大人とは何か』という話だったね。建設的なディスカッションにしようじゃないか」

夕美「待ってました!」パチパチパチ!

文香「是非…」パチパチパチ

柚「わー」パチパチパチ

あい「温かい拍手ありがとう。私が思うに…大人とは!」キラ-ン

3人「「「大人とは?」」」

あい「どんな性的嗜好も受け入れてくれる人間だよ。さあ。大人になりたいならこっちにおいで」ジュルリ

柚「柚。大人にならなくていいや」サササ

文香「同感です…」サササ

夕美「大人は男も女もいける…大人はどっちもOK…」ブツブツブツ

柚「夕美サァン! 駄目だよ! 騙されてるよォ!」ガシ-

文香「そちら側に行ってはいけません…」ガシ-

夕美「はっ!」

あい「大人しく抱かれればいいものの」チッ

夕美「あいさん! 私は真剣なんだよ! 真面目な話をしてほしいよ!」カッ!

あい「真面目な話をしてほしいのか!?」ガ-ン!

柚「そこは驚くところじゃないと思うよ」

文香「安心してください柚ちゃん…なんだかんだ…あいさんは、真面目な話を用意してきてくれているはずですから…」

あい「その通り。私は根が真面目だからね」キリッ

文香「自分で言うのも何だと思いますが…ともかく、あいさんにとって…大人とは何でしょう…」

あい「私にとっての大人は立ち直りの早い人だよ」

夕美「立ち直りの早い?」

あい「その通り。例えば、夕美。キミは仕事中にセリフを全部忘れてしまうという失敗をしてしまったらどうするかな?」

夕美「プロデューサーさんに抱きついて慰めてもらいます!」カッ!

あい「今後、その役割は私が変わろう。一晩中、ベッドの上で話を聞こうじゃないか。次は柚」

柚「落ち込みます! 家に帰ってお布団にダイブして! がっつり落ち込みます!」カッ!

あい「うんうん。そうなったら私が抱いてあげよう。最後は文香」

文香「所詮…私は古本屋で埃を被っているのがお似合いの女だったのだと…凹みます…」

あい「そうなったら抱い」

文香「ノーサンキューです…」クワ-

あい「ははは。威嚇をするんじゃない。むしろ興奮してしまうよ」ジュルリ

文香「この人は…見境なしですね…」

柚「あいサンは失敗しても落ち込まないの?」

あい「そんなことはない。私だって落ち込むさ」

柚「あいサンでもそうなんだ」

あい「もちろんだよ。人間ならば誰でも落ち込む。それは同じさ。だが、落ち込んだあとは別だ」

夕美「落ち込んだあと?」

あい「そう。失敗してすぐに立ち直る人間と、落ち込んだままでいたり、立ち上がるのが遅い人間がいる。私が尊敬するのはすぐに立ち直る人間だ」

あい「孔子はかつてこう言った。『最大の名誉は決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることである』と」

あい「テキサス大のアメリカンフットボール部名監督のダレス・ロイヤルも手紙にこう残している。『挫折を恥じる必要は無い。挫折によって立ち上がれないことが恥じるべきなのだから』と」

あい「我々は完璧な人間にはなれない。だから失敗をする。失敗をすれば恥ずかしいだろうし、自信をなくすだろうし、打ちのめされることもあるだろう。だが、それでも努力をして立ち直ろうとする人間は」

柚「人間は?」

あい「カッコいいじゃないか。それが私の理想の大人だよ」

あい「もちろん。これは『私にとっての大人像』だがね。キミたちの理想とは違うかもしれないな」

文香「ほほう…伊達にイケメンやってませんね…」パチパチパチ

柚「カッコいいナー」パチパチパチ

夕美「…!」フルフルフル

あい「惚れたかい?」ジュルリ

柚「いえ」サササ

文香「近寄らないでください…」サササ

あい「ははは。こんなにも拒否をされてしまうと心が折れてしまうよ。だが私はへこたれない。何度でもアタックを繰り返そう!」

柚「わかった。この人の言葉に重みがあるのは実体験があるからだ。たくさんの女の子に振られてきたからだ。その度に這い上がってきたからだ」

あい「勘違いしないでほしいが、私は男もいけるんだよ」キリッ

柚「どうでもいいよ」

文香「これは1つの考え方として良い話が聞けましたね…って夕美さん…?」

夕美「私はめげないよ!」カッ!

柚「さっそく影響を受けてるよ!?」

文香「…」

夕美「へこたれずに頑張るぞ!」グッ!

柚「どうしよう。全然大人っぽくないや」

文香「…やはりパッションですね」

夕美「感動しました! 私はあいさんの理想の大人になるよ!」

あい「ははは。可愛らしいじゃないか。私が持ち帰ってじっくりと話を聞こう」ガシ-

夕美「あれ? 待って? 私どこに連れて行かれるの?」

あい「なあに。大人の階段を登るだけだよ」ズリズリ

夕美「ちょ」

柚「あーあ」

文香「夕美さん…お達者で…」

夕美「待って!? 助けてェェェッ!」

イヤァァァァァァァァァ!!

(次の日)

夕美「酷い目にあった…」フラフラ

柚「お疲れ様」

文香「行為に及んでしまったのですか…?」

夕美「シャワーを浴びている間に縄を解いて全力で逃げてきたよ」

柚「縄で縛られてたんだ…」

夕美「ベッドの脇に置いてあったたくさんの道具…何に使うつもりだったんだろう」ガクガクガク

文香「もう思い出さなくともいいです…ここは安全ですよ…」

夕美「ひーん! 怖かったよー!」ガシ-

文香「よすよす…」サスサス

夕美「…ところで2人とも私のことを見捨てたよね?」ジトッ

柚「さて。続きを始めようか」

文香「そうですね…」

夕美「おのれ裏切り者ども! 無視は寂しいからやめてよ!」カッ!

柚「どうどう。柚たちも遊んで待ってたわけじゃないんだよ。夕美サンがあいサンとお城のようなホテルに籠っている間、アタシたちで作戦会議をしたんだ~♪」

文香「これで大人の極意を知ることができますよ…ばっちしです…」キラ-ン

夕美「おお~、一体どんな作戦なのかな♪」

柚「名付けて! 出会った人に手当り次第に声をかけて『大人とは何か』を聞いていっちゃおう大作戦です!」

夕美「雑だね! 思ったより雑な作戦だね! ネーミングもまんまだよ!」カッ!

文香「しかし…あいさんが言っていたように…『自分にとっての大人』とは人によって異なります…まずは多くの意見を聞き…皆さんの考えの中に共通する要素を洗い出して…『大人』について考えを深めるのは大切なことかと…」

夕美「もー。2人ともやる気満々なんだから♪」ウキウキ

柚「実は結構楽しいからね」

文香「ですね…」

夕美「仲間が増えて嬉しいよ! レッツゴーだね!」カッ!

【Question:『あなたにとって大人とはどのような人のことですか?』】


幸子「ボクをカワイイと褒めてくれる人です!」フフ-ン!


李衣菜「ロックな人!」


比奈「あたしみたいな干物女じゃない人ってのは確かっスね~」ハハハ


乃々「いぢめない人です…」


泉「うん。責任感のある人は頼りになるわね」


留美「責任を取る人のことよ」ハイライトオフ


響子「責任感のある人でしょうか♪」


美優「責任を取る人のことです…」ハイライトオフ


舞「お仕事を途中で投げ出さない人に憧れますね♪」


瞳子「途中で投げ出さずに添い遂げてくれる人よ」ハイライトオフ


蘭子「漆黒の礼装を纏いし賢者…(スーツを着てて仕事ができる人って大人っぽいですよね♪)」


飛鳥「子供と大人。年齢や属している組織によってはっきりと定められていないものだが…それぞれは確かに在るものだよ。だがボーダーラインの形は虚ろだ。2つを分かつ境界線は光線のように形がーーー」ペラペラ


薫「せんせぇー!」


志希「キョーミにゃ~い♪」


フレデリカ「イギリス!」


ナターリア「スシおごってくれる人ダ!」


ちひろ「懐が深い人ですね」


楓「お隣さんは大人っぽいですよ…♪」ヒック


梨沙「パパ!」


早苗「私!」


晴「サッカーに付き合ってくれる奴」


メアリー「ナイスバディでヒップがバーンなセクシーな人ヨ!」


ありす「プロデュ…頼りになって優しくて頭が良くて私のことを一人前として扱ってくれるプロデュ…方です!」


まゆ「プロデューサーさんです♪」ニコリ


愛海「登山を快く受け入れてくれる人」ワキワキ


3人「「「(ろくな答えがない)」」」

(しばらくして)

瑞樹「やる時はやる。力を抜く時は抜く。そういうメリハリのある人は素敵だと思うわ」

柚「ここにきてやっとちゃんとした意見が出たよ」ホッ

文香「さすが私たちの川島さん…頼りになります…」ガシ-

夕美「カッコいいです!」ガシ-

川島「あらあら。ピチピチの学生たちがどうしたのよ。…ていうか2人で抱きつくのはやめてちょうだい。腰痛めちゃうから」

文香・夕美「「川島さ~ん」」ガシ-

瑞樹「どうしたの。この子達」

柚「かくかくじかじかの事情がありまして」

瑞樹「大人、ねぇ」

柚「夕美サンは川島サンみたいに大人っぽくなれるカナ」

瑞樹「あはは。無理無理。そんなの無理に決まってるじゃない」ブンブン

夕美「!」ガガ-ン!

文香「無慈悲な…」

瑞樹「当たり前じゃない。生まれも育ちも違うんだから。私みたいになるなんて無理な話よ。自分らしく自然体でいられるのが1番ね」

柚「自然体かぁ」

夕美「真似は出来ます!」カッ!

瑞樹「私は自分らしく生きている人も大人っぽいと思うんだけどなー」

夕美「!」

瑞樹「もし、夕美ちゃんが私の真似をしたいのなら…自分らしく振る舞うのが近道だと思うわ♪」ニタリ

夕美「じ、自分らしく…!」

文香「(口が上手い…)」

柚「(さすが川島さん…)」

夕美「真似をするなら私らしく…でも私らしくだと川島さんみたいになれなくて…」グルグル

文香「混乱してますね…」

瑞樹「ごちゃごちゃ言っちゃ駄目だったみたいね」

文香「いえ…お手数おかけします…」

瑞樹「夕美ちゃん! 大人っぽさの極意を今から教えるわ!」カッ!

夕美「ご、極意ですか…!」

瑞樹「そうよ! 大人っぽさとは!」

夕美「大人っぽさとは!」

瑞樹「休みの日には花を植えて、髪の毛はショートで、いつも笑顔で、明るくて、元気で、植物に詳しい子よ!」

夕美「…」

夕美「私、大人だ!」ピキ-ン!

瑞樹「そうよ。つまり夕美ちゃんは自分らしくいると大人っぽいのよ」

夕美「なーんだ、簡単だったんだね。あはは♪」

瑞樹「ふふふ♪」

柚「(どうしよう文香サン。ちょろすぎるよ)」

文香「(本人が嬉しそうですから…そっとしておきましょう…)」

夕美「大人だー!」ババ-ン!

(後日)

夕美「というわけだよ! 私は大人でした!」バ-ン!

P「ほう」

夕美「大人だよね!」

P「もちろん」

夕美「えへへ~♪」ニコニコ

P「よかったな。それじゃあ俺は仕事にーーー」

夕美「待ってよ!」ガシッ!

P「離せや」

夕美「私。大人枠に入れるよね?」

P「うん。大人、大人」

夕美「なら写真集に!」

P「もう撮っちゃったよ」

夕美「!」ガガガ-ン!!

P「写真集だから内面より容姿の雰囲気が大事なんだよ。夕美はどうしても大人っぽいっていうよりは天真爛漫な…」

夕美「もう…プロデューサーさんなんて嫌い…」プイ-

P「拗ねるなよ」

夕美「嫌い…」クスン

P「…」

夕美「私…頑張ったのに…」スンスン

P「写真集に出たい?」

夕美「もういい…知らない…」スンスン

P「今度『笑顔の似合う子』の写真集を作るんだけどなぁ。夕美に頼もうかと思ったけど出たくないなら別の子にーーー」

夕美「出るー!!!」ガシッ!

P「腰にタックルを!」

夕美「出る! 出る! 出るー!」ズイッ

P「近い近い。顔が近い」

夕美「出る!」カッ!

P「はい」

夕美「えへへへへへ~♪」ニマニマニマ

P「ちょろいなぁ。このパッションは」

夕美「嬉しい~♪」ガシ-

P「引っ付くんじゃない」

夕美「プロデューサーさん大好き~♪」ギュ-

P「決して小さくはない胸が当たっている」

夕美「♪」スリスリ


美波「…ちょっと目を離した隙に何をしているのかしら。あの花は」ハイライトオフ

文香「あれは…ギルティですね…」ハイライトオフ

柚「(何か恨みを買っちゃったみたいだけど…一件落着、カナ)」

(後日)

夕美「ほら! 見て見て! 私の写真集~♪」テテ-ン!

柚「柚も出てるから何度も見たよ」

夕美「もっと見て! 特にプロデューサーさん!」グイ-

P「顔に押し付けないで。肝心の写真が近すぎて見えないから」ペシ-

文香「素敵ですよ…」

美波「そうね。可愛らしいわ♪」

夕美「えへへ~♪」

美波「そういえば文香さんも今度、写真撮影するって言ってたわね」

P「あ、シッ!」

夕美「…そうなの?」

文香「え、ええ…外での読書が似合う女性ということで撮影が決まりました…」

夕美「…」

夕美「私も出たい!」カッ!

文香「…はい?」

美波「え?」

柚「ん?」

夕美「私も読書が似合う女だよー!」ババ-ン!

P「ちょっとまて花ァ」

終わり

以上です。
お読みいただきありがとうございました。

夕美の清楚力がとどまるところを知らない。

さすがは瑞樹のアネゴ

あい「ふぅ……よかったよ、薫くん」

薫「あ…あいお姉ちゃん、ようやく終わったの…?」

あい「あぁ、どうだ痛くないか?」

薫「う、うん…薫は大丈夫……ちょっとおまたがジンジンするけど……」

あい「それはなによりだ」

薫「……」グスッ

あい「ど、どうしたのかね?」

薫「…よかった…いつものあいお姉ちゃんだ」

あい「……いつもの?」

薫「…さっきまでのあいお姉ちゃん…何だかこわかったから…」

あい「私が……?」

薫「すごいこわい顔で『薫のろりまんこだー』とか『しょちょー前の小学生になかだしだー』とかって……」

あい「……」

薫「だから……いつもの優しいあいお姉ちゃんに戻ったのが嬉しいの…」

あい「……そうか。すまなかったな。心配かけて」ナデナデ

薫「…えへへ。やっぱり、いつものあいお姉ちゃんの方が大好きだよ…」

あい「あぁ……」

薫「これからも、薫の隣にずっといてね。お願いしまー!」

あい「あ……すまない。今の君を見てたら急に……また」

薫「……え?薫を見ていたらまたしたくなった?」

あい「ちょっとだけ……先っちょだけだから」

薫「もー!!」

……このあいさんは、こんなんだな

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