凛「で、夕美はモバPさんとどこまでやったの?」 (123)

モバマスSSになるよ

相葉夕美
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フラワーガール

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夕美「ん゛っ!?」

凛「あれ、大丈夫?」

夕美「ごほっ、ごふっ、ん゛ん゛っ」

凛「気管に入った?」

夕美「ん、だ、大丈夫……ありがとう」

凛「で、どこまで?」

夕美「り、凛ちゃん?その、ええっと」

凛「……?」

夕美「きゅ、急にどうしたの?」

凛「?単純にどこまでやったのか知っておきたいなと思って」

夕美「その……どこまでって言われても、なんというか」

凛「あれ?あんまり進まなかったとか?」

夕美「えっと、そうでもないんだけど」

凛「プロデューサーも忙しいからね」

夕美「う、うん……」

凛「やっぱプロデューサーじゃ辛いんじゃないかな」

夕美「えっ?そんなことは……」

凛「そう?でもさ、プロデューサーじゃなくてもいいんじゃない?」

夕美「……そんなことないもん」

凛「そうかな?プロデューサー、かわいそうじゃない?」

夕美「なんで?」

凛「だって忙しいじゃん」

夕美「そうだけど……でも私は……」


凛「補足とはいってもレッスンの一部なんだし。トレーナーさんがやるのが普通じゃない?」

夕美「…………えっ」

凛「夕美の気持ちもわかるけど。プロデューサー、確かにすっごく的確なコメントとかくれるし」

凛「でも最近は特に負担が大分勝っちゃってると思う」

夕美「え、あ、うん」

凛「こういうのって誰に相談すればいいんだろうね。ちひろさんかな?」

夕美「そ、そうだね!ちひろさんに相談した方がいいかもねっ、うん、うん」

凛「だよね。……どうしたの?顔赤いよ?」

夕美「なんでもない、なんでもないよ。ちょっと勘違いしちゃっただけ、あはは……」

凛「……?何を……」

夕美「あ、ううん、なんでもない、ほんっとになんでもないからっ」

凛「…………」

凛「あ」

夕美「」ビクッ

凛「え」

凛「……夕美?」

夕美「あっ、レッスンはね、姿勢のおさらいだけだったよ」

凛「そうなんだ」

夕美「でもPさんも忙しいし、やっぱりトレーナーさんに…」

凛「夕美、今日はこの後ヒマ?」

夕美「…え、あ、今日は……そうそう、プランター見に行こうと思ってて、」

凛「じゃあちょうどいいね。うちに来なよ。聞きたいこともあるし」

夕美「あっ……えっと、あ、それとブーツとかも買いたいから、今日は地元で…」

凛「そんなにいっぱい持ちきれないでしょ?」

夕美「じゃ、じゃあプランターは今度でいいかな」

凛「いいけど、うちのポイントカード今日までだから」

夕美「えっ!?そうなの!?」

凛「夕美のだけ」

夕美「えっ」

凛「今日うちに来て更新しないと、ハナコがポイント消しちゃう」

夕美「え!?な、なんでっ!?」

凛「結構ポイント溜まってるでしょ?来たほうがいいと思うよ?」

夕美「凛ちゃぁん…」

凛「あ、さっきの夕美の反応ちょっと面白かったし、プロデューサーにも同じこと聞いてみようかな」

夕美「ええっ!?ダメっ、それは絶対ダメ!!」

凛「なんならちひろさんとかでもいいかも」

夕美「うぅ…」

凛「でも夕美がうちに来るならそんなことしてる時間ないし。どうしよう?」

・ ・ ・

[凛の家]

凛「で」

夕美「……」

凛「どこまで?」

夕美「今日の凛ちゃんすっごいいじわる……」

凛「人には言わないから。絶対」

夕美「うぅ……」

凛「なんか進展あったんでしょ?」

夕美「……うん」

凛「あ、ついに花絡みで何かあったとか?」

夕美「……ありました」

凛「へぇ。じゃ、それから教えて?」

夕美「それから、と言うか」

凛「?」

夕美「それしか、ないんだけど……」

・ ・ ・

[数日前 車の中]

夕美「あ、凛ちゃんからメール」

『渋滞、大丈夫?今日中に東京戻れそう?』

夕美「Pさん、凛ちゃんが今日中に東京戻れそう?って」

P「わからんなあ……普通に動いてればあと2時間くらいの距離なんだけど」

夕美「全然動かないね……」

P「だな……はぁ、どうしたもんか」

『とりあえず、水はあげといたよ。3つだよね?あとプロデューサーに伝言、ちひろさんが電話しろって』

夕美「ちひろさんが連絡欲しがってるみたい」

P「げ、マジ?」

夕美「うん。ほら、伝言」

P「うわぁ……とりあえずかけるか……イヤーピース、イヤーピース…」

P「もしもし、お疲れ様です……はい、全然動かなくて…………」

P「ですね。こんな時間に渋滞するとは流石に…………え?あ、はい」

P「まだだいぶ遠いですね。何時になるかはちょっと……」

P「あー…………泊まった場合は経費で落ちますよね?」

P「……は?え!?自腹!?」

P「いやなんで落ちな…………いや、普通落ちるでしょ!!」

P「………………え、えぇ……」

P「はぁ……ならなんとかして帰ります。毛布とかはありますし、夕美はしっかり休ませますから」

P「はい…………はい、お疲れ様です、はい、はい」ピッ

夕美「えーっと……なんて?」

P「頑張って帰ってこいってさ」

夕美「泊まる~、とかって話してたのは?」

P「『明日の午前中に戻れるなら、どこかに泊まってもいいと思いますよ。まあお金はPさんのお財布からですけど』だとさ」

夕美「わ、わぁ」

P「血も涙もなかった」

夕美「流石だね、ちひろさん……」

P「というわけで、夕美さえよければなんとか帰ろうと思う」

夕美「ん、いいよっ。Pさんは大丈夫?運転、大変じゃない?」

P「これだけ動かないと眠気は危ないな…」

夕美「それじゃ眠くならないように、いろいろ話そ?ふふ♪」

P「夕美もギブアップしたくなったら言ってくれよ?仕事あがりだし疲れてるだろ」

P「このペースだと間違いなく日は跨ぐし。自腹とは言ってもビジネスホテル二部屋くらいならどうとでも…」

夕美「疲れてるのはPさんも同じでしょ?それにその時は自分の分くらい出すよ」

夕美「あと……ほら、このあたりって変なホテルしか無いし」

P「……あー」

夕美「それにこうやってPさんと二人で車って久しぶりだもん。私は楽しいよ♪」

P「確かに久しぶりだなあ」

夕美「昔は毎日みたいに二人であちこち回ってたのにね」

P「あの頃は人手なかったからなー。それが今や大所帯の事務所だ」

P「夕美には何かと苦労させちゃったよな。いい仕事がなかなか捕まえられなくて」

夕美「よくホームセンターの園芸コーナーでお仕事してたよね!」

夕美「ガーデニング講座シリーズとか……ふふ、懐かしいね」

P「あったあった。お客さんも近所のお年寄りばっかりだったなあ」

夕美「あ、でもあの時のお客さんで今もファンレター送ってくれてるおばあちゃんいるんだよ」

夕美「ライブには来れないけど、あの時の押し花と一緒に応援してます、って!」

P「いい話だ……孫娘みたいな感覚なのかもな」 

夕美「あはっ、かもね。でも、そういう風に愛情注いでくれる人がいるから、私は頑張れるんだ♪」

夕美「もちろんPさんもその一人だからねっ!」

P「はいはい、まーたそういうこと言…」

夕美「ふふ♪」

P「……」ポリポリ

夕美「あ、眠気覚ましにお茶飲む?温かいよ」

P「いや、コーヒーあるし大丈……あれ、空だ」

夕美「飲む?」

P「頂きます」

夕美「ん、ちょっと待ってね……じゃーん」

P「お、魔法瓶?なんか懐かしいなあ」

夕美「でしょっ♪雑貨屋さんで見つけてつい買っちゃったの」

P「やっぱり花柄なんだな」

夕美「うん、そこもポイント!あ、この花はわかる?」

P「流石にチューリップくらいは」

夕美「じゃあ花言葉は?」

P「わからないです……」

夕美「ふふ、じゃあ今度調べてみて?あ、色も重要だからね?」

コポコポ

夕美「はいっ、どうぞ♪」

P「ありがとう……変わった香りだな」

夕美「ハーブティーだよ。レモングラス」

P「へぇ……お、いけるなあ。ん、ごちそうさま」

夕美「スッとするでしょ?気分転換できるし、最近お気に入りなの」

P「忙しいとそういうのも大切だからな」

夕美「だよねっ♪ん、私も飲もっと」

コポコポ

夕美「んっ……………ふぅ」

P「……夕美ってそういうの気にしないよなあ」

夕美「?」

P「いや、そのコップ、口つけちゃったんだけど」

夕美「あ……ふふ、気にするよ?」

夕美「でもPさんなら別にいいかなって」

P「あ、そ、そうか……はは」

夕美「~♪」

夕美「あ、花言葉と言えば……Pさん、フリージアはわかった?」

P「…………えーっと」

夕美「バレンタインの」

P「いや、うん、それはわかるんだけど」

P「…………やー、忙しくてな?」

夕美「もー……」

夕美(いつもこう。……ちょっと慣れちゃったかも)

夕美(ゴデチア、イキシア、コスモス、紅葉葵)

夕美(事あるたびに花に気持ちを添えて贈っても、受け取ってくれるのは花だけ)

夕美(その花もいつもデスクに飾ってくれるけど、気がついたらなくなっちゃってて)

夕美(結局、伝えたいことは伝わってない)

夕美(ちょっと調べたら、すぐにわかるのに)

夕美(……回りくどすぎて、ダメなのかなぁ)

夕美(今回もやっぱりこうなっちゃったし)

夕美(……でも)

夕美(気持ちが届いたら)

夕美(花に込めた想いが届いたら)

夕美(もし、届いちゃったら)

夕美(…………どうしよう?)

・ ・ ・

凛「考えてないの?」

夕美「うーん……半分半分?」

凛「半分?どういうこと?」

夕美「……だって相手、Pさんなんだもん」

夕美「いつも花言葉とか、調べてくれた試しもないし」

夕美「そもそも立場があるから、ながーい片想いになるかな、って……」

凛「あ、なるほど」

夕美「わかるでしょ?だって、ね?」

凛「プロデューサーも気付かないフリとかするし」

夕美「そうっ!いつもスキンシップとか取っても、なんかはぐらかされちゃうし」

夕美「だからほら、あんまり想像つかないっていうか……」

凛「夕美は乙女だね」

夕美「えっ!?な、なんでそうなるのっ!?」

凛「だって好きで好きでたまらなくて、アピールもアプローチも頑張ってて」

凛「片想い上等、諦める気全く無しなのに、ゴールのことはわからないし」

凛「しかも気持ちを伝える手段はあくまで花贈り」

凛「……うん、恋する乙女以外に言いようがなくない?」

夕美「……ダメかな」

凛「夕美らしくていいと思うよ?」

夕美「気持ちばっかり先走っちゃってるって、私もわかってるんだけど」

凛「ふふっ」

夕美「な、何?」

凛「ううん、応援しがいがあるな、って」

夕美「……あ、ありがと」

夕美(……凛ちゃんってこういう優しいとこあるからずるい)

・ ・ ・

ピロン
『ちひろさんから話聞いたよ。頑張ってね。プロデューサーにもよろしく』

夕美「凛ちゃんが頑張ってね、だって」

P「頑張るのは渋滞の方だけどなぁ……」

P「夕美ってやっぱ凛と仲いいのか?」

夕美「うんっ!家に遊びに行ったりもしてるよ」

夕美「凛ちゃんがお店の番してて暇なときとかは、お仕事終わった後に会いに行ったり」

P「結構お店の方も常連さんだったりるすのか」

夕美「そうそう、いつもついつい目移りしちゃって…」

夕美「あ、最近はハナコちゃんも私のこと覚えてくれたから、店先まできたら走ってきたりするんだよ。ふふっ」

P「あー、わかる。ハナコかわいいよなぁ」

夕美「でも、いつもお店の中走り回ってるから…」

P「足汚いんだよな」

夕美「うん。あれ?よく知ってるね」

P「前にシャツに肉球マークつけられたことがあってさ」

夕美「Pさんも凛ちゃんとこ、行ったりするの?」

P「凛のこと送るついでとかに、だけど。たまに寄ってるよ」

夕美「……ふーん」

P「最近は誰かさんのおかげで花も結構覚えてきたし」

夕美「へぇー……」

・ ・ ・

凛「気になる?」

夕美「え?」

凛「プロデューサーがお店に来た時、何してるか」

夕美「……気になる」

凛「全部話してくれたら教えてあげる」

夕美「意地悪……」

凛「絶対にちゃんと教えるから。で、続きは?」

夕美「えっと……そのあとは、ステージの話とか、他の昔の話とか…」

凛「うん、それはもういいよ。イチャイチャはお腹いっぱい。肝心なとこ」

夕美「か、肝心なところって」

凛「進展があったんでしょ?」

夕美「……凛ちゃん、本当はわかってるでしょ?」

凛「え?何が?」

夕美「だ、だって助手席の物入れのこと教えてくれたの凛ちゃんじゃん!」

凛「?ああ、うん、アレね」

・ ・ ・

ピロン
『そういえば助手席の膝のとこ、面白いもの入ってるよ。休憩した隙とか、こっそり見るといいかも。Pさんにバレないようにね』

夕美(……?面白いモノ?)

夕美(何だろ?気になるけど、Pさんにバレないように、って)

夕美(休憩した隙に、かぁ)

夕美(……そういえば、もう結構休憩してないよね)

P「どした?なんか難しい顔してるけど」

夕美「え?あ、ううん、なんでもない」

夕美(……長くなるかもしれないんだし。うん)

夕美「ね、Pさん」

P「んー?」

夕美「この辺で休憩しない?」

P「え……あ、おう」

夕美「?」

P「そうだな、トランクの毛布も出したいし。次のPAでちょっと休むか」

P「ちなみに、夕美、来年から大学生だよな」

夕美「うん?そうだけど」

P「うん、くれぐれも男と二人きりのときに休憩取りたいと思ったら、言葉選ばないと、ほら、アレだからな」

夕美「……え?」

P「特に今とか…なんだ、周りにいっぱいあるだろ?連れ込まれたりするから…」

夕美「え?……え、あ、や、違う、違うよっ!?」

P「いや、うん、わかってるけど、アドバイスアドバイス」

夕美「もうっ!Pさんのバカっ!」

P「…や、ホントに悪気一切無しのアドバイスというかだな」

夕美「わかるけど、セクハラだよっ」

P「ご、ごめん……そ、そしたらとりあえず次で一旦止まるぞー」


P「それじゃ、俺はちょっと売店行ってくるけど…どうする?」

夕美「私は……うーん、行きたいけどやめとく!ささっと車戻って待ってるよ」

P「それじゃなんか食べるモノ買ってくるよ。あと鍵預けとくな」

夕美「うん。ありがとう」

夕美「あ、ついでにトランクから毛布も出しちゃってくれると助かる。なんだったら後の席で寝ててもいいからな」

夕美「はーい」

夕美(……よしっ、ぱぱっと戻って見てみよっと)

ガサゴソ

夕美(えっと、物入れの中……面白いものって……)

夕美(紙の束と……スケッチブック?)

夕美(急がないとPさん戻ってきちゃうし……見るなら……)

夕美(うん……スケッチブックにしよ!ふふ、花柄だし♪)

夕美(何かな~♪)

・ ・ ・

凛「……スケッチブック?」

夕美「?」

凛「私が見た時はそんなのなかったよ」

夕美「え?」

凛「紙の束の方だけポンって置いてあったんだけど」

夕美「……ち、ちなみにその紙の束って?」

凛「菜々さんと川島さんのサイン練習帳」

夕美「…………」

凛「勢いだけな感じがあって、面白かったんだけど」

夕美「……」

凛「で?」

夕美「え、あ、あぅ……」

凛「スケッチブックの中身はなんだったの?」

夕美「えっと、やっぱり無しに…」

凛「ダメ」

夕美「…………」

夕美「……その、ね?」

凛「うん」

夕美「衣装のデザイン案だったの」

夕美「……花をモチーフにした、すっごく素敵な衣装ばっかり」

凛「花ってことは……夕美用の衣装案?」

夕美「かも。……それでね、モチーフになってる花……」

夕美「……全部、私がPさんに贈ったことのある花で」

凛「……へぇ」

夕美「見た瞬間は、『あ、私が贈った花ってこういう風に受け取られてるのかな』って思ったんだけど」

凛「デザインのネタに、ってこと?」

夕美「うん。でも……一緒に押し花が挟んであって」

凛「押し花……栞とか?」

夕美「ううん。すごく丁寧に、綺麗に押してある花が、衣装のページの前に1つずつ」

夕美「……それもね、全部贈ったことのある花」

夕美「贈った花そのものはわからないけど……」

夕美「こっそり見ちゃった以上、Pさんには聞けないし」

凛「ただの花なら押さないと思うけど」

夕美「でも……わからなくて」

夕美「……どうなんだろ?」

凛「色合いとかは?」

夕美「……同じ、だけど」

凛「正直に言うと」

夕美「うん」

凛「……言っちゃっていいのかな」

夕美「い、いいってば!」

夕美「あ、やっぱり待って、待って…………うん、大丈夫」

凛「うん。よく考えてみよ?」

凛「夕美の衣装案。モチーフは全部夕美の贈った花」

凛「で、その花の押し花が挟んである」

凛「間違いなく夕美の贈った花、そのまま押してるでしょ」

夕美「で、でも、似たような色合いの花なんて」

凛「うん。じゃ、プロデューサーが花言葉、全部知ってたとしたら?」

夕美「え?」

凛「『変わらぬ熱愛』とか、『乙女の真心』とか。贈られた後に全部調べてたら」

凛「……なんというか、ラブレターを取っておくのと同じで。手元に置いておきたくなるでしょ」

夕美「あ……」

凛「なんでもない花を押したりしないと思うよ。夕美が贈った花だから、押してるんだと思う」

凛「夕美はその押し花見た時、どう思ったの?」

夕美「……すごく満たされた気持ちになったよ」

凛「うん」

夕美「確証なんてなかったけど。なんとなく、私が贈った花なのかなって思って」

凛「気持ち込めて贈った花、ずっと手元に置いててくれたんだって思ったでしょ?」

夕美「……うん。なんて言うか、その……Pさんに、すごく……」

凛「ふふっ」

夕美「……何?」

凛「愛されてるな、って?」

夕美「あ、愛され……えっと」

凛「違う?」

夕美「……ううん。それ、かも」

夕美「……変だよね、何か言われたわけでもないのに」

凛「そんなことないと思うけど」

夕美「……?」

凛「だって、プロデューサーは応えられないじゃん」

夕美「……あ」

凛「でも、夕美の想いは大切にしてくれてる」

凛「その事自体が、どんな言葉よりもいい返事だったんじゃないの?」」

凛「ふふ、ホント乙女だよね、夕美って」

凛「行動力すごいのに、直接伝えようとしないし、直接伝えられないと不安って」

夕美「だって…」

凛「でも、今回のことに自信持っていいと思うよ。私が保証してあげる」

夕美「……うん。ありがとう、凛ちゃん」

夕美「ふふ、やっぱり凛ちゃんに話してよかったよ♪」

凛「うん。で?」

夕美「え?」

凛「ふふ、ホント乙女だよね、夕美って」

凛「行動力すごいのに、直接伝えようとしないし、直接伝えられないと不安って」

夕美「だって…」

凛「でも、今回のことに自信持っていいと思うよ。私が保証してあげる」

夕美「……うん。ありがとう、凛ちゃん」

夕美「ふふ、やっぱり凛ちゃんに話してよかったよ♪」

凛「うん。で?」

夕美「え?」

凛「話の続き。今の話の感じだと、見た後相当あたふただったんでしょ?」

夕美「え、あ、う、うん」

凛「昼間聞いたとき、プロデューサーに聞くのはダメって言ったよね?」

凛「つまり、何かあったんでしょ?」

夕美「え、えっと……」

凛「で、どこまで?」

夕美「その、スケッチブックのこと、どう受け取っていいかわからなかったから…」

凛「嬉しかったんでしょ?夕美なら何かするでしょ」

夕美「え、あ、あう……」

夕美「…………その、ね?」

凛「うん。ふふ、キスくらいしちゃってたり?」

夕美「えっと……」


夕美「ひ、一通りは……」


凛「え?」

夕美「……」

凛「え、ちょ、一通りって……え!?」

凛「それって、その、最後までってこと!?」

夕美「……うん」コクン

凛「え、ごめん、全然ついていけない」

凛「なんで?飛びすぎじゃない?」

夕美「だ、だって!!こんなことになるなんて考えてなかったんだもん!」

凛「うん、それはわかったけど……考えてないとそうなるものなの?」

凛「というか、確信なかったんでしょ?」

夕美「うん……でも…」

・ ・ ・
ブロロロロ

夕美(ど、どうしよ、どうしよう、あれって、やっぱり)

夕美(ううん、きっと私の思い過ごし、うん、うん、だって…)

夕美(だって、そんな都合のいい話…)

夕美(そうだったら、すごく嬉しいけど……でも、でもでもでも)

P「あ、そうそう、次の衣装のことなんだけど」

夕美「は、はいっ!?」

P「うおっ!?……大丈夫か?なんか赤いぞ?」

夕美「え、あ、大丈夫だよ、うん、大丈夫大丈夫っ」

P「えっと、衣装の話な。また花をモチーフにして次の衣装デザインさせてもらおうと思ってるんだけど」

夕美「う、うん」

P「季節感出すためにも、何の花がいいかちょっと相談を…」

P「って本当に顔赤いけど大丈夫か?」

夕美「……うん」

P「体調悪いなら言ってくれよ?」

夕美「大丈夫だってば、ただちょっと……その」

P「……うーん」

P「…今日は諦めるか。次で止まって、二部屋取れるホテル探そう」

夕美「えっ!?ほ、本当に大丈夫だってば!」

P「いや、よく考えたら俺も相当疲れたし、運転続けるのも辛いからさ」

夕美(うう……私がしゃんとしないから……)

P「とりあえずちひろさん、ちひろさん……あ、お疲れ様です。」

夕美(……でもちょっとパニック気味だし、丁度いいのかも)

P「はい。動かないですし、運転続けるのもつらいのでビジネスホテルに泊まろうかと」

夕美(…ううん、パニックだけじゃなくて……変に浮かれちゃってる)

夕美(ちょっと夢心地かも。……本当はどうかもわからないけど)

夕美(……折角こんな気持ちで、Pさんと二人っきりなのに)

夕美(………凛ちゃんならこんなとき、ズバっと気持ち伝えられたりするのかなぁ)

P「……は?いや、別の部屋に決まってるでしょ」

夕美()ビクッ

P「あー、はいはい。自分の分は自腹ね、はいはい」

夕美(あ……え、ううん、違う、ダメ、違うよね、そんなの)

P「もー、わかってますってば。本当に大丈夫ですから」

夕美(でも、今日なら……ううん、今日じゃなきゃ、今じゃなきゃ……!)

P「……よし。近くにあるみたいだから、早速電話して二部屋…」

夕美「……ね……Pさん?」

P「うん?」

夕美「あの、えっと……わ、私……」

夕美「その、私は、一部屋でも……じゃなくて、えっと」

夕美「一部屋が…」

・ ・ ・

凛「え!?夕美から誘ったの!?」

夕美「私もよく覚えてない……頭真っ白だったんだもん」

凛「いや、真っ白じゃなくてお花畑でしょそれ…」

夕美「だ、だって二人っきりだし、泊まってもいいとか言われてたし!」

凛「そういう泊まっていいじゃないと思うんだけど」

夕美「気持ち伝えるためにも何かしなきゃいけない気がして…」

夕美「だから、その……ちょっと思い切っちゃった」

凛「行動力ありすぎ…」

凛「で?どうだったの?」

夕美「……あんまり思い出したくない」

凛「?」

夕美「最初はいい雰囲気だったはずなんだけど……」

凛「けど?」

夕美「いざとなったら、すっごく痛くて……いっぱい泣いちゃって、Pさん困らせちゃった」

凛「……はじめてだったんだよね?」

夕美「…うん」

凛「なら仕方ないんじゃないの?」

夕美「……はじめてなりに気持ち、伝えられてればよかったんだけど…」

夕美「本当に泣いてばっかりで、何も伝えられなくて」

凛「……まぁ、伝えられてたらスケッチブックの件も悩まないよね」


凛「で、夕美はこれからどうしたいの?」

夕美「……ちゃんと確認したい。だって、結局何も伝えられなかったんだもん」

凛(はじめてあげたらある程度伝わってると思うけど)

夕美「それにPさんもどう思ってるのか、知りたいし……」

夕美「……でもあれ以来ちょっと気まずくて、上手く話できなくて」

凛「……はぁ。いいよ、手伝ってあげる」

夕美「ホント!?」

凛「ここまで聞いたんだから、流石に、ね」

凛「じゃ、次は何の花にする?」

夕美「え、また花でいいの……?」

凛「いいの。あとは私がどうにかするから」

夕美「ホント?」

凛「本当。任せて」

夕美「えっと、それじゃ……この時期だと……」

夕美「あ、ゼラニウムとか?」

凛「ゼラニウム……花言葉なんだっけ」

夕美「『愛情』っ!」

夕美「ありがとう!……でも、どうするの?」

凛「そこも任せてくれていいから。大丈夫、絶対上手くいかせるから」

凛「夕美はプロデューサーとどうなりたいか、よく考えておいて」

夕美「……うん。ありがとう、凛ちゃん」

凛「とりあえずプランター買って行ってね」

夕美「えっ!?」

凛「だって買う予定なんでしょ?」

凛「はい、毎度。ポイントおまけしといたから」

夕美「ありがと……うう、でもプランター持って電車は辛いよ……」

凛「……プロデューサーはね」

夕美「うん?」

凛「うちの店に来たら、まずメモ帳とデジカメ取り出すんだ」

凛「それで花の写真撮ったりしながら、なんかメモ帳に絵書いたりしてるよ」

凛「うちのお母さんに話聞いたりもするかな。どんな花なのかとか、育て方とか」

凛「……よく考えてみたら、押し花について聞いてたこともあったかも」

凛「全くいい年した男の人が、何のためにそんなことしてるんだろうね?」

夕美「……ありがとう」

凛「明日、頑張ってね。ゼラニウムなさそうだったら、連絡するから」

夕美「……うんっ!」

・ ・ ・

[次の日]

P「お、凛、おはよう」

凛「おはよう」

P「お?珍しいな、凛が花持ってくるなんて。いつもは夕美が…」

凛「今日も夕美からだよ。うちのお店から持ってきただけ」

P「あ、そうなのか。これは……あ、ゼラニウムだな」

凛「正解。机の上、置いてもいい?」

P「あー、鉢ならできれば応接室の方とか……」

凛「小さいし大丈夫でしょ。置くよ」

P「お、おう……何かあったのか?」

凛「ゼラニウムの花言葉、わかる?」

P「……えっと」

凛「『愛情』」

P「あ、うん」

凛「それに『決意』と『君ありて幸』。夕美からだからね」

P「え、あ、おう」

凛「あとオマケ。これも夕美から」

P「あ、うん」

凛「ピンクのチューリップは『真実の愛』」

P「……」

凛「プロデューサー、夕美とは仲良くやってる?」

P「え、ええっと……」

凛「仲良くしないとちひろさんに相談するから」

P「えっ、ちひろさんは関係ない…」

凛「相談するから」

P「あ、はい……」

凛「さて、それじゃ……」

ガチャッ
夕美「お、おはよう、ございます…」

凛「あ、来たね」

夕美「……あれ?凛ちゃん?」

凛「おはよう。ごめん、先着いちゃったしとりあえず渡してあるよ」

夕美「えっ?あ、うん」

凛「で、プロデューサー、11時まで暇なんだっけ?」

P「えっと、ちひろさんいないから電話対応とか…」

凛「じゃ、私がやっとくね。急ぎじゃなければ午後に折り返すって伝えておくから」

凛「夕美とプロデューサーは『衣装の話』でもしとけばいいんじゃない?」

凛「夕美もプロデューサーも、大丈夫だよね?」

夕美「あ……う、うん」

凛「100%大丈夫だから」

夕美「えっ?」

凛「絶対」

夕美「……うんっ!」

夕美「あ、あのね、Pさん、私……!」



    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
                        _ ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
                         / ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'

                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ

寝る おやすみ

他にも書いたのあるならタイトル教えちくり?

おつおつ
夕美ちゃんはやっぱ正統派可愛い、割とグイグイ攻めてくるしホント可愛い

で、美波ちゃんSSの書くって話はどうなったんですかね

>>94
SS速報だと
五十嵐響子「料理番組ですか!?」
みく「ねこぱんち!」

VIPでは
速水奏「失敗だらけのリップスティック」
などなどです よろしくね

>>96
美波ちゃんは路線が迷子になったまま帰ってこなくなりました
次か次の次くらいにはきっと…

夕方にHTML要望出しときます

響子ちゃんがエロ方向に行かなかった事を無念に思った記憶が・・・
まぁえろ専門って訳じゃないから言いがかりに等しいが

>>101
既成事実を貪欲に作ろうとする響子ちゃんのSSとか欲しいね
書こうねせやね

HTML要望出してくる

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