このスレは
【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」
【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」2
の続きです
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泰葉「凛ちゃん、空を見上げて何を?」
凛「何でもない。それ!」ポイッ
コロコロコロ
凛「お願いサイコロ! 私に勝ちへのレールを敷いて!」
晶葉『出たぞ! サイコロの出目は……』
【進行状況】
長崎 熊本 大分 宮崎
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○×○
熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:4マス進む-2
【進行状況】
長崎 熊本 大分 宮崎
凛 ○○● ○○○ ○○○ ○×○
熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●
凛「2、か」
泰葉「……」
晶葉『……』
凛「ごめん、声かけづらいよね」
凛「でも大丈夫だから。何だかんだネガティブ領域は乗り越えてるから」
晶葉『ひたすら頑張れとしか言えない!』
泰葉「望みは薄くても、応援してますよ」
凛「うん、その言葉が力になるよ。じゃあね」ニコッ
ビュンッ
―――
ビュンッ
凛「結局まゆが止まったマスに止まった」
凛「とりあえず柑奈を探して……」キョロキョロ
~♪ ~♪
凛「ギターの音だ。手がかりだね、どこだろう」スタスタ
柑奈「んー、なかなか難しいなー」
凛「柑奈、何してるの?」
柑奈「凛ちゃん! ちょっと新曲を考えてたんだ」
凛「ハッピーソング?」
柑奈「そうそう。ずっと追及の日々だよ」
柑奈「まあ作曲はここまでにして、ここに止まったということは勝負だね!」
凛「負けないよ! 何するの?」
柑奈「まず、これ食べてみて」スッ
凛「!!」
凛「も、もしかして角煮まん?」
柑奈「そうだよ。私のオリジナルなんだ」
凛「作ったの!? すごいね……。いただきます」パクッ
凛「モグモグ……うわぁ、お肉が柔らかくて美味しい……噛むごとに味が染み出てくるこの感じが……」
凛「ピリっと辛くて、どんどん食べちゃうよ。本当に作ったの?」
柑奈「ここにいる間ずっと研究してたんだ。作ってみることできないかなって」
柑奈「そして完成したのがそれだよ。喜んでくれて嬉しいな♪」
――――
凛「ごちそうさまでした」
柑奈「お粗末さまでした! それで、勝負の内容なんだけど」
凛「あ、そうだったね。どんな勝負?」
柑奈「名付けて、『角煮まんどちらが多く食べてもらえるか対決』!」
凛「どういうこと?」
柑奈「この角煮まん、あと100個あるんだけどね。私と凛ちゃんで50個ずつ売るの」
柑奈「で、今日の夕方までにどれだけ売れたかを競うんだ。ちなみに売り方は自由だよ」
凛「こんな美味しいものならすぐに売れそうだね」
柑奈「んー、どうだろうね。食べてみないと美味しさは分からないし、まず1個売るのが大変かも」
柑奈「長崎には美味しい角煮まんのお店が他にもあるし」
凛「なるほど。色々考えなきゃいけないのか」
柑奈「お互い頑張ろうね! 夕方になったら、またこの広場に来よう!」
柑奈「自分で食べて誤魔化すっていうのは無しだよ?」
凛「そ、そんなことしないよ」
柑奈「ふふ、冗談だよ♪」
――――
凛「どうやって売ろう……箱に詰めて歩き売りしようかな」
凛「その方が色んな人に見てもらえるし。一か所に固まるよりは多く売れるような気がする」
凛「そうと決まれば、早速行動だね」
――――
柑奈「短期間の販売、なおかつ知名度が全くないなら、やっぱり歩いて宣伝した方がいいかな」
柑奈「凛ちゃんもそうするみたいだし……なるべく違う場所で売らないとね」
柑奈「あとはどうやって興味を惹かせるかだけど……うーん……」
↓1 柑奈
↓2 凛
コンマ二桁 2回やって合計数字の大きい方が勝利
今日はここまでにします
明日は18頃に再開します、お付き合いありがとうございました
――――
~♪ ~♪
柑奈「おいしい角煮まん~♪ とっても~おいしいよ~♪」
柑奈「食べたらハッピ~♪ Oh、角煮まん~♪」
ナンダナンダ ザワザワ
柑奈(よし、みんなこっちに注目してる)
柑奈(このまま角煮まんソングを歌って、どんどん売っちゃうよ)
柑奈「おいしくて~幸せ~♪ 角煮まん~♪」
柑奈「お値段は1個300円~♪ おひとつどうですか~♪」
「角煮まんか……」
「いい匂いー」
「一つください」
柑奈「ありがとうございます!」ニコッ
――――
凛「角煮まん売ってます! おひとついかがですか?」
凛「ピリっと辛いタレにつけて、たっぷり煮込んだ角煮は柔らかくてジューシー! 絶品ですよ!」
「一つもらおうかな」
凛「ありがとうございます! 300円です!」
凛(売れ行きは、数分に1人買ってくれるくらい。まあまあかな)
凛(この調子なら全部売れるかも)フフ
凛(そういえば、お互いに全部売れたらどうなるんだろう。先に売り切った方の勝ちかな?)
「一つください!」
凛「ありがとうございます!」
凛(まあ、まずは完売を目指さないとね)
――――
凛「角煮まんでーす! 50個限定300円、残りあと35個!」
凛「美味しいですよー!」
柑奈「あ、凛ちゃん」
凛「柑奈! 偶然だね、ここら辺まで来てたんだ」
柑奈「そうなんだ。歩いてるうちに、広場から遠い場所まで来ちゃった」
柑奈「凛ちゃんもだね」フフ
凛「うん、ついね」フフ
凛「ところで、売上は……良さそうだね」
柑奈「買ってくれる人が想像以上に多くてビックリ♪ 凛ちゃんは?」
凛「まあまあだよ。このままいけば完売できるかもしれない」
凛「だけど、柑奈は私以上に売れてるね……。もし2人とも完売したらどうするの?」
柑奈「もしそうなら嬉しいね! その場合は、先に売り切った人が勝ちだよ」
柑奈「じゃ、また頑張ろっか」
凛「お互いね。負けないからね」
柑奈「私だって!」
↓1 柑奈
↓2 凛
コンマ二桁 1回目の数字と合計して高かった方の勝利
――――
柑奈(あと20個だ。お昼時だからちょっとお客さんが減ったけど)
柑奈(今のところ順調に来てるし、夕方までには売れそうかな?)
「おばーちゃんこれ食べたーい!」
「あら美味しそうね。2つもらえる?」
柑奈「あ、はい! ありがとうございます!」
柑奈「ありがとね、可愛いお客さん♪」
「こっちも2つお願いします!」
柑奈「はい、ありがとうございます♪」
――――
凛「特性ピリ辛角煮まんでーす! 50個限定300円、残り25個!」
凛「今すぐご飯が食べたい方、お昼食べたいけど時間がない方、どうですかー! 美味しいですよー!」
「うまそうなの売ってるぞ! 買おう!」
「すいません、3つください」
凛「ありがとうございます!」
「モグモグ……これうめー!」
「もう一つ買おうかな」
凛「まだありますから、よかったらどうぞ」ニコッ
「ねえ、あれ美味しそうじゃない?」
「2つください!」
凛「ありがとうございます!」
――――
柑奈「お買い上げありがとうございます! 角煮まん~いかかですか~♪」
「ください!」
凛「50個限定販売の角煮まん、残りたったの17個! どうですかー!」
「一つ買います」
柑奈「とってもおいしい~♪ ピリ辛角煮まん~♪」
「美味しいです!」
凛「小腹が空いた方、ピッタリなグルメがありますよー!」
――――
凛「ありがとうございます! 残り12個でーす、いかがですかー!」
凛「え? 4つもですか? 嬉しいです、ありがとうございます!」
柑奈「角煮、角煮、角煮まん~♪ 角煮まんは世界を救う~♪」
柑奈「みんなで食べよう~♪ 笑顔になろう~♪」
「すみません、一つください」
柑奈・凛「ありがとうございます!」
――――
(夕方まであと2時間)
凛「やった! 完売だー!」
凛「夕方までまだこんなに時間ある。あっという間だったな」
凛「柑奈に電話しよう」タプタプ
プルルル プルルル
凛「あ、もしもし柑奈? たった今角煮まんが売れたんだけど……」
凛「え? 柑奈も売れたの? えっと、とりあえず広場に集まろっか」
――――
柑奈「まず、販売お疲れ様でした! びわジュースどうぞ」スッ
凛「ありがとう」チュー
凛「うん、美味しい!」
柑奈「飲みながら話そう♪ 凛ちゃんの角煮まんが売り切れたのって、いつ頃か分かるかな?」
凛「あー……ごめん、確認してなかったから」
凛「でも完売してすぐに電話をしたんだ」
柑奈「そうなんだ! じゃあ凛ちゃんの方が早いかなぁ。角煮まんが売れた瞬間に電話がかかってきたから」
柑奈「私が最後の一つを売ってる時には、もう電話をかけてたってことだよね?」
凛「そういうこと、なのかな……ギリギリだったんだね」
柑奈「ねー。おめでとう!」
凛「ありがとう! ところでさ、売上金はどうするの?」
柑奈「募金するつもり!」
凛「柑奈らしいね」フフ
グー
凛「あ……」
柑奈「そういえば、私たちはまだご飯食べてなかったね」クスッ
柑奈「お店に行こう! 食べたいものある?」
凛「角煮まん」
柑奈「即答だね」
凛「もう1回食べたいなって思って。作れるかな?」
柑奈「作れるには作れるけど、私のじゃなくてお店で食べない?」
柑奈「岩崎本舗っていう、角煮まんが有名なお店があるんだ。すごく美味しいよ」
凛「いいよ。長崎グルメも堪能したかったし、柑奈がそう言うなら」
凛「晶葉」
晶葉『なんだ!』
凛「モニター、出しといてくれるかな」
晶葉『……分かった!』
凛「ありがとう」
――――
里美「麗奈ちゃん、手を動かしてください~」
麗奈「アタシ、スキーやりたいんだけど……」
里美「まずはかまくらですよぉ~♪」
ちひろ「里美ちゃんといると、のほほんとしますね」フフ
まゆ「……」
ちひろ「行きましょうか。次の勝負の地へ」
まゆ「はい」
ちひろ「麗奈ちゃん、里美ちゃん! 私たちそろそろ行きますねー!」
里美「は~い」ヒラヒラ
麗奈「え? ちょっ、せっかく色んなイタズラトラップを仕掛けたのに!」
ちひろ「綺麗に元に戻しておいてくださいね」ニコッ
麗奈「は、はい……」
ちひろ「では、よいしょっと」
ブンッ
ちひろ「ゴール地点に戻って、からのルーレット!」
ちひろ「さ、矢を投げてください」シャッ
クルクルクル
まゆ(これがまゆのラストターン。たぶん)
まゆ(どこに当たっても、最後の最後まで全力で戦います!)
まゆ「はっ!」ヒュンッ
タンッ
ちひろ「どこに当たったかなー♪」スッ
↓1 的中した都道府県 どの都道府県でもOK
ちひろ「富山県ですね!」
まゆ「富山……どんな勝負なんでしょうか」
ちひろ「まずはその地に降り立ちましょう! それ!」
ブワァ
まゆ「!」
まゆ「ここって、遊園地?」
ちひろ「観覧車で分かっちゃいますよね。富山県魚津市にあるミラージュランドという遊園地です」
ちひろ「1982年にオープン。2006年から、個人や団体の園内夜間貸切なんかも行ってるんですよ」
まゆ「貸切……夢がありますねぇ」
まゆ「そんな遊園地で、どんな事をするんですか?」
ちひろ「アトラクションの勝負! と言いたいところですが、使うのは向こうの方に設置された、あるものです」
ちひろ「行きましょう!」スタスタ
――――
まゆ「テニスコート」
ちひろ「はい。もう何をするか分かりましたよね? テニス対決です」
ちひろ「2対2のダブルスでタイブレークをやり、相手を負かしてください」
まゆ「タイブレークって?」
ちひろ「んーと……簡単に説明すると、先に7ポイントを取った方が勝ちです」
ちひろ「もし接戦で6-6のスコアになったら、相手に2点差をつければ勝ちになります」
まゆ「なるほど……」
ちひろ「まあとにかく、相手にボールを返させなければいいだけの話ですよ」
ちひろ「詳しい説明はペアの人に聞いてください」
まゆ「富山県出身のアイドルですね」
ちひろ「ご察しの通りですよ。登場していただきましょう! 裕美ちゃんと千枝ちゃんです!」バンッ
スタスタ
裕美「紹介が大げさ……」
千枝「よ、よろしくお願いします」
まゆ「わあ、テニスウェア! 可愛いですね」
ちひろ「私たちも着替えましょう。そこに更衣室があるので」
―――――
まゆ「サイズがピッタリ。どうですか?」クルクル
千枝「とても似合ってます!」
ちひろ「ラケットもそこにある中から好きなのを選んでくださいね」
ちひろ「その前に、チーム分けをしましょうか」
まゆ「ジャンケンですか?」
ちひろ「ええ、雪合戦の時と同じです。いきますよ?」
ちひろ「最初はグー」
裕美「ジャンケン」
ポン
ちひろ「勝ちました!」
裕美「私もです」
まゆ「ということは、まゆと千枝ちゃんがペアですね」
千枝「よろしくお願いします」ペコリ
まゆ「こちらこそ!」
ちひろ「では、30分後くらいに始めましょうか。それまで練習したり、絆を深めたりしてください」
まゆ(短時間で結べるのかな。そもそも、千枝ちゃんとは同じアイドルだから、結構仲良しですけど)
――――
まゆ「千枝ちゃんは、テニスの経験ありますか?」
千枝「学校のお友達やLMBGのみんなと、たまにやるだけです。上手じゃないですよ」
まゆ「いいんですよ、まゆも同じですし」フフ
まゆ「今からどれだけ上達できるか分かりませんけど、ギリギリまで練習しましょうか」
千枝「はいっ」
――――
裕美「ちひろさん、テニス経験者ですよね」
ちひろ「あら、どうしてそう思ったんですか?」
裕美「何となくテニスやってそうなので」
ちひろ「ふふっ、そう見えますか? まあ決して上手いとは言いませんけど、休日にコートを借りて、体を動かしてるんですよ」
ちひろ「たまーにですけどね」
裕美「1人で?」
ちひろ「いえ、お友達と一緒に。大人アイドルの方とも行きますね」
裕美「へー」
ちひろ「あ、まゆちゃんたちが練習を始めましたね。私たちもやりましょうか」
裕美「そうですね……ボールやラケットの扱いに慣れておきたいです」
――――
(30分後)
ちひろ「ふー、そろそろ試合を始めましょうか!」
まゆ「了解です!」
ちひろ「さっき言いましたけど、タイブレークで先に7ポイント取った方が勝利です」
ちひろ「サーブは私が指示するので、その順番通りに打ってくださいね」
千枝「分かりました」
裕美「1番最初にサーブを打つのは?」
ちひろ「サーブ権はコイントスで決めましょう。えいっ」ポイッ
ちひろ「表か裏か、どっちでしょう」キャッチ
まゆ「裏!」
ちひろ「結果は……裏ですね! まゆちゃんからサーブです!」
まゆ「よーし」フンス
千枝「頑張ってくださいまゆさん!」
まゆ「任せてください。千枝ちゃんも、前衛頼みましたよ!」
まゆ「ジャンプサーブ、決めます!」
ヒュンッ
まゆ「あれ?」ポンッ
裕美(空振ってボールが頭に)
ちひろ「失敗しちゃいましたね。この場合もう1回サーブを打てますけど、それを外したら相手にポイントが与えられます」
まゆ「!?」
まゆ「し、慎重にやりましょう。下から打ちます」ポーンッ
千枝「入りました!」
ちひろ「打ち頃のサーブです、ねっ!」パコーンッ
まゆ(速い!)
まゆ「でも、返すことは……できます!」パコーンッ
ちひろ「やるじゃないです、かっ!」パコーンッ
まゆ「ちひろさん、もっ!」パコーンッ
裕美・千枝(入れない……)
↓1 ちひろ
↓2 まゆ
コンマ二桁 2回やって合計の高い方が勝利
ちひろ「しぶといです、ねっ!」パコーンッ
まゆ「レッスンで、鍛えてるのでっ!」パコーンッ
裕美「今だ!」スッ
ポンッ
まゆ(ボレー!? しまった!)
ちひろ「ナイスです裕美ちゃん!」
タタタタッ
千枝「えいっ!」パコッ
まゆ「ち、千枝ちゃん……!」
ちひろ「返しましたか。またラリーが続きますねっ」パコーンッ
まゆ「いえ!」スタタタッ
裕美(突っ込んできた!)
まゆ「ここで決めます! まゆボレー!」パコッ
ちひろ(うっ、私たちがちょうど届かないところに……!)
千枝「まゆさん、すごいです! まず1ポイントですね!」
まゆ「千枝ちゃんがボールを拾ってくれたおかげですよ♪」
裕美「ごめんなさいちひろさん、上手く動けなくて……」
ちひろ「いいえ、ナイスボレーでした。この調子で攻めていきましょう!」
――――
ちひろ「はあっ!」パコーンッ
千枝「ボレー!」ポコッ
裕美「なんの!」ポーンッ
ちひろ「今です千枝ちゃん! 千枝スマッシュです!」
千枝「そ、そんな名前つけてないですよぉ……!」パコッ
ちひろ(しめた! スマッシュが弱い!)スタタタッ
ちひろ「裕美ちゃん! 前後交代です!」パコーンッ
裕美「分かりまし…」
千枝「ボレー!」ポコッ
ちひろ・裕美「!?」
千枝「や、やった……決まった……!」
まゆ「すごいですよ千枝ちゃん! よくあれを当てましたね!」
千枝「予想してたんです」エヘヘ
裕美「むぅ、これで4対1」
ちひろ「なかなかやりますね……。でもこっちだって負けてないですよ」
ちひろ「交代しましょう裕美ちゃん。私が前衛になります」
裕美「はい!」
――――
まゆ「ほっ」パコーンッ
裕美「えい!」パコーンッ
千枝「ボレーです!」ポコッ
ちひろ「甘い!」パコォッ
千枝「わわっ!」
ちひろ「決まった! 4-3!」
裕美「あと1ポイントで追いつきますね!」
まゆ「やっぱり、そう簡単には勝たせてくれませんか」
千枝「だけど向こうはかなり走り回ってますよ。このままいけば……」
まゆ「体力が尽きますね。そうすればこっちのものです」
まゆ「このまましぶとくプレーしましょう」
――――
裕美「はっ!」パコーンッ
まゆ「今度は、こっち側ですよっ」パコーンッ
裕美「くうっ……!」タタタタッ パコーンッ
ちひろ(マズい、裕美ちゃんが疲れ始めてる)
ちひろ「交代しましょう!」
裕美「は、はい!」タタタタッ
千枝「それっ」ポンッ
コロコロコロ
ちひろ「なっ……勢いを殺したボレー……!?」
裕美「ひ、拾えません……」
まゆ「うふふ♪ これで6対3です。あと1ポイントですよ!」
千枝「ふんばりどころですね!」
ちひろ(うう、ちょっと侮ってましたね。こんなにやられるなんて)
裕美「はぁ……はぁ……!」
ちひろ「裕美ちゃん、前後交代しましょうか」
裕美「ごめんなさい……」
ちひろ「いえ、前衛にいたのに決めることができなかった私がダメでした」
ちひろ「裕美ちゃんは狙いすました一ボレーをお願いします」
――――
ちひろ「うりゃ!」パコーンッ
まゆ「負けません!」パコーンッ
裕美「ボレー!」ポンッ
千枝「ボレー返しボレー!」ポンッ
裕美「まだまだ!」ポンッ
千枝「んっ!」ポンッ
まゆ(前衛対前衛のボレー勝負!)
ちひろ(落ち着いて返してくださいね、裕美ちゃん!)
↓1 ちひろ
↓2 まゆ
コンマ二桁 1回目と合計して数字の高い方が勝利
裕美「このっ!」ポンッ
千枝「まだです!」ポンッ
裕美「隙あり!」ポンッ
千枝「あっ」
裕美「や、やっと決まった……」
ちひろ「上手いです裕美ちゃん!」
千枝「あと少しだったのに……」
まゆ「ドンマイですよ! まだ私たちが有利なんですし、気にせずいきましょう!」
ちひろ(あ、楽観視し始めましたね。その油断が命取りになりますよ)フフ
――――
千枝「はぁ……はぁ……っ」
まゆ「はぁ……ふぅ……!」
ちひろ「ふふふ、形勢逆転とはこの事を言うんですね」
裕美「6対6に持ち込み、たった今私たちが1ポイント取った」
裕美「ということは、もう1ポイント取れば……」
ちひろ「私たちの勝ちです!」
まゆ「こ、こんな……バカなことが……」
まゆ(いえ、思い返せばまゆはすっかり油断していました)
まゆ(相手もスタミナ切れが近く、順調にいけば勝てると思ってた。でもそれが大間違い)
まゆ(勝負というのは、最後まで気を抜いてはいけないんです。分かってたはずなのに)
ちひろ「さあ、いきますよ!」パコーンッ
まゆ「それっ!」パコンッ
裕美「ボレー!」ポコッ
千枝「甘いです!」ポコッ
ちひろ「甘いのはそっちです!」パコッ
千枝「!?」
裕美「お見事です!」
まゆ(ちひろさんが前衛に! 裕美ちゃんも!? ダブル前衛だなんて……!)
まゆ(届け!)
ポーンッ
ちひろ「驚きました。決まったと思ったのに、よく拾いましたね」
ちひろ「でもこれで終わりですよ!」
まゆ「千枝ちゃん! スマッシュがきます、備えて!」
千枝「後ろに下がります!」
ちひろ「……なんちゃって」ポンッ
コロコロコロ
千枝「そ、そんな」
まゆ「フェイント……」
裕美「ナイスプレーですちひろさん!」スッ
ちひろ「いえい!」パンッ
まゆ「試合終了……まゆたちの負けですね……」
千枝「ごめんなさいまゆさん。千枝がもっといっぱい動けていれば……」
まゆ「千枝ちゃんは精一杯プレーしてましたよ。問題はまゆです」ナデナデ
まゆ「気を抜いちゃったから、ボールに追いつけなかったりして……ごめんね?」
千枝「まゆさんもたくさん頑張ってましたよ!」
まゆ「ありがとう」フフ
ちひろ「楽しかったですね!」
まゆ「ちひろさん! 強かったです、追い上げが凄まじくて」
ちひろ「まゆちゃんたちも息がピッタリで、あのままやられちゃうかと思いました」
ちひろ「裕美ちゃんが要所要所でボレーを決めてくれたおかげです」
裕美「そんな……」テレテレ
まゆ「確かに裕美ちゃんは凄かったです。でも、うちの千枝ちゃんもなかなかですよ!」
ちひろ「ええ、何度も隙を突かれましたよ……ファインプレーでした」
千枝「えへへ。ありがとうございます」
千枝「でもまゆさんも凄かったですよ! あんなにラリーを続けて」
裕美「ちひろさんも、全体的にレベルが高かったです」
まゆ「嬉しい♪」
ちひろ「結局みんなすごいってことですね」
裕美「ふふっ、そうですね」クスクス
千枝「またやりたいなぁ」
まゆ「いいですね! 休憩したらもう1回……というわけにもいきませんね」
まゆ「ちひろさん」
ちひろ「分かってますよ。今回まゆちゃんが獲得したポイントは……」
ちひろ「……83です」
まゆ「!!」
まゆ「と、いうことは……」
ちひろ「はい、おめでとうございます。ゴールですよ」ニコッ
まゆ「……」
まゆ「……やっ……やった……!」
まゆ「やりましたあーーーー!!」ピョンピョン
裕美「おめでとうございます」
まゆ「ありがとうございます裕美ちゃん! 千枝ちゃんも!」ギュッ
千枝「く、苦しいですよぉ」
裕美「離れてくださいっ」
ちひろ「ふふ」ニコニコ
――――
柑奈「……」
柑奈「き、決まったみたいだね……」
柑奈「……えっと……」
晶葉『いいんだ柑奈!』
柑奈「え?」
晶葉『あとは私に任せてくれ!』
晶葉『凛!』
凛「……」
晶葉『まゆは試練を乗り越えてゴールした! すごろく1位だ!』
晶葉『お前との勝負にも勝ったことになる!』
凛「……」
晶葉『受け入れろ、と言いたいところが、今だけその言葉を伏せておこう!』
柑奈(見せちゃってるよ)
晶葉『お前には非常に辛い現実だ! しかし、生きていれば良いことは山ほどあるさ!』
凛「……」
柑奈「あの、晶葉ちゃん。慰めになってないよ」
晶葉『む、そうか?』
凛「いいんだよ」
晶葉・柑奈「!!」
凛「変に気を使われても困るって」フフ
柑奈「だけど……」
凛「大丈夫。私さ……今、とっても清々しい気分なんだ」
凛「まゆと本当に長い間戦ってきて、そろそろ決着をつけようってなって」
凛「全力で勝負して……ビックリするくらいの接戦になっちゃって」
凛「これだけやった上で負けるなら別にいいかなって、途中で思い始めたんだ」
柑奈「……」
凛「これからどうすればいいのかな? すぐ現実に戻るの?」
晶葉『いや、ゴール地点にワープさせる! そういう設定にしたんだ!』
凛「設定次第では、ゴールするまで終わらないんだね」
晶葉『よくあるボードゲームと同じさ! 4人対戦なら、1位から4位が決まるまでやるだろう!』
凛「なるほどね」
凛「じゃ、まゆに一言言いに行こうかな」
凛「ありがとね柑奈」
柑奈「う、うん」
凛「長崎名物の角煮まんとびわゼリー、美味しかったよ」
柑奈「……うん」ニコッ
凛「晶葉、お願いしていいかな」
晶葉『了解だ! ワープするぞ!』
ビュンッ
――――
まゆ「へー、一度ゴール地点に戻るんですね」
ちひろ「そういう設定にしたので」
まゆ「それじゃ、裕美ちゃん、千枝ちゃん。テニスはまた今度ですね」ニコッ
裕美「楽しかったです」フフ
千枝「千枝も」ニコッ
まゆ「もちろんまゆもですよ♪」
ちひろ「飛びますよー」
まゆ「さよなら!」ヒラヒラ
ブンッ
――――
ビュンッ
まゆ「到着しました」
まゆ「……!!」
凛「……」
まゆ「凛ちゃん……すごく久しぶりに見たような気がします」
凛「実際久しぶりに会うじゃん」
まゆ「そうですね。ゲームの中の時間は、かなり経ってますから」
まゆ「……ゴールしましたよ」
凛「うん」
まゆ「これで3対4。正妻の座をかけた勝負に勝ちました」
凛「うん」
まゆ「まさかとは思いますけど、文句なんて言いませんよね?」
まゆ「こんなに時間をかけた大掛かりな勝負だったんですからねぇ」
凛「……」
まゆ「も、もしかして、あるんですか文句? 今更そんな…」
凛「おめでとう」スッ
まゆ「!!」
凛「プロデューサーの正妻の座をかけた勝負って、私から言い出したんだもん」
凛「文句なんて言うはずないよ」ニコッ
まゆ「……凛ちゃん……」
まゆ「ありがとうございます」ギュッ
まゆ「……一度しか言いませんよ?」
凛「え?」
まゆ「まゆは今回の正妻決定戦で、凛ちゃんのことを色々知ることができました」
まゆ「アイドルとしても、1人の女の子としても魅力的だって。そう思いました」
まゆ「だから仮に負けても、凛ちゃんにならプロデューサーさんを任せられるかもって」
凛「……」
まゆ「すごろく勝負をしようってなった時から、密かにそう思ってたんです」
まゆ「結果はまゆが勝ちましたけどね」
凛「……」
まゆ「ごめんなさい。このタイミングでこんなこと言ったって、何にもなりませんよね」
まゆ「まゆたちが欲していたのはプロデューサーさんなんですから」
凛「私も思ったよ」
まゆ「!」
凛「まゆになら、プロデューサーを任せられるってね」
凛「プロデューサーのこと、よろしくね。何かあったら相談に乗るから」
まゆ「凛ちゃん……ありがとうございます」
ちひろ「お話は済みましたか?」
晶葉『そろそろ現実へ戻そうと思っているんだが』
凛「うん、もういいよ」
まゆ「晶葉ちゃん、ちひろさん、長い間お世話になりました」ペコリ
凛「また遊びに来ると思う。今度は他のアイドルも連れてね」
晶葉『ぜひ来てくれ! バージョンアップを重ねてもっと楽しめるようにしておくからな!』
まゆ(これよりも上があるんですか!?)
ちひろ「改良の余地がありますからね。それでは」ニコッ
晶葉『データを外に出すぞ!』
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「わっ……と! 元の場所に戻りましたね」スタッ
まゆ「時間は……1時間も経ってませんよ! すごい!」
まゆ「念のため日付の確認も……変わってないですね」
まゆ「はぁ、夢みたいですね。あんな濃厚な体験がたった1時間の出来事だったなんて」
まゆ「……凛ちゃん?」
凛「……」
まゆ「さっきからずっと黙ってますけど、どうしたんですか?」
まゆ(! ま、まさか脳のデータがゲームの中に取り残されたとか……!)ガタガタ
まゆ(もしそうなら大変ですよ!)スタスタ
まゆ「凛ちゃん、なんで後ろ向いてるんですか!? こっちを見て…」グイッ
凛「……っ」ポロポロ
まゆ「!!」
まゆ「あ……え……」
凛「ご……ごめん、家に帰るね……」グスッ
凛「プロデューサー、今ちょうど仕事の時間じゃない? 行ってあげなよ」スタスタ
まゆ「り、凛ちゃ…」
パタンッ
まゆ「……」
まゆ「…………」
まゆ(当たり前です。プロデューサーさんのこと大好きだったんですし)
まゆ(泣いちゃうに決まってます)
まゆ(……もし逆の立場なら、慰めなんて酷い行為ですよね……)
まゆ(……プロデューサーさんの様子を見てきましょう……)
スタスタ
――――
P「……ふぅ……できたぞ……!」
P「ちひろさんちひろさん、これ見てください!」
ちひろ「何ですか?」
P「1円玉と5円玉でタワーを作ったんですよ! すごくないですか?」
ちひろ「クラッシュ!!」ガシャーンッ
P「ぎゃあぁぁぁぁ!!」
ちひろ「そんなことやってないで仕事してください! 全くもう!」
P「うう、ひでぇ……100パー俺が悪いんだけど……」
P「まあ写真撮ったしいいか……」
まゆ「……」コソコソ
まゆ「プロデューサーさんっ!」ギュッ
P「うわ!? ま、まゆか? 何だ急に!」
まゆ「えへへぇ、プロデューサーさんの匂い……実物……♡」
まゆ「膝の上に座っても?」
P「なんだ、テンション高いな。何かあったのか?」
まゆ「はい、色々あったんですよ♪」チョコン
P「いつの間に座った?」
まゆ「プロデューサーさん、明日の予定空いてますか?」
P「え? 休みだし、一応」
まゆ「じゃあまゆとデートしませんか? しましょう! どこがいいですか?」
P「待て待て、デートなんてしたらパパラッチとか…」
まゆ「志希ちゃんに作ってもらった、飲んだ人を周囲が一般人と認識してしまう薬があるので」
まゆ「これを使えば人目を気にせずデートできますよぉ」
P「なんて都合のいい薬なんだ」
まゆ「決めました。上野動物園で動物デートしましょう」
まゆ「朝8時にプロデューサーさんのお布団まで迎えに行きますね♡」
P「だから勝手に決めるな……って布団!? どういうこと!?」
まゆ「では、まゆはお仕事の邪魔になるので帰ります! お弁当も用意しておきますからね♪」スッ
P「待てまゆ!! 布団に入り込むのか!? 鍵持ってるの!? 怖い!!」
まゆ(長い勝負でプロデューサーさんと会う機会がなかったからでしょうか)
まゆ(その日から数えて3日間くらい、まゆはプロデューサーさんに甘えました)
まゆ(プロデューサーさんは困っていましたけど、自分の気持ちをどうしても抑えられなかったんです)
まゆ(一方、凛ちゃんは……)
――――
ガチャ
まゆ「あの……」
卯月「まゆちゃん! どうしたんですか?」
まゆ「凛ちゃんは……?」
未央「今日も来てないよ。っていうかプロデューサーいわく、1週間くらい休むんだってさ」
未央「ちょっと今落ち込んでて、自然な笑顔が作れないらしくて」
まゆ「……」
卯月「相談に乗るよって話しても、大丈夫だよって返ってくるんです」
未央「すごく心配でさ。私たちも今ちょうど、どうしようかって話してたところなんだ」
卯月「まゆちゃん、何か知りませんか?」
まゆ「え」
未央「しぶりんがあんなに落ち込むって、プロデューサー絡みじゃないかなって思ってるんだ」
まゆ「……じ、実は……」
まゆ(言ってどうするの? どうにもできないのに)
まゆ「実は、まゆもよく分からないんです」
未央「んー、そっか」
卯月「困りましたね……」
まゆ「……」
まゆ(欲望と罪悪感のせめぎ合い……ううん、罪悪感なんて感じることない)
まゆ(凛ちゃんも認めてくれたし、まゆは素直にプロデューサーさんの……)
まゆ(プロデューサーさんの正妻を目指してアタックし続ければいい)
まゆ(他のことは考えず、大好きなプロデューサーさんのことだけを考えればいい)
まゆ(そう割り切ろうとしました。明日からまた猛アタックしようと)
まゆ(固く心に決めて、いつものようにプロデューサーさん抱き枕を抱きしめ……まゆは眠りにつきました)
まゆ(その翌日。とんでもない展開が待っているとは知らずに)
――――
まゆ「おはようございます♪」
まゆ「プロデューサーさん、お弁当を作ってきましたよぉ…」
???「お願いします」
P「いや、今日はちょっと……」
まゆ「?」
まゆ(あれは、楓さん)
楓「えー、じゃあ今日お仕事行きません」プイッ
P「ええ!?」
楓「くすっ、冗談ですよ♪ でも日頃頑張ってるご褒美として、ちょっとしたお願いくらい聞いてくれてもいいじゃないですか」
P「ちょっとした、ねぇ……」
楓「大人アイドルたちとお酒を飲むだけですよ?」
P「それ、俺の中ではかなり危険なんですよ。この前酔った勢いで誰かが襲いかかってきましたし」
まゆ「!?」
P「誰だったかなーあれ。忘れた、っていうか覚えてないんですけどね」
楓「夢じゃないですか?」
P「あれはリアルですよ間違いなく」
楓「気のせいですよ」ニコニコ
P「……そうなのかな……」
まゆ(た、大変! プロデューサーさんが大人アイドルの毒牙に!)
まゆ(救出しないと!)スタタタッ
???「おっと、ここは通さないわ」ササッ
まゆ「!?」
まゆ「早苗さん、そこをどいてください」
早苗「そうはいかない。今大事なお話中なの♪」
まゆ「危険な香りしかしないので、意地でも止めますよ……!」
???「やってみれば?」
まゆ「!?!?」
まゆ「留美さん、それに美優さん」
留美「今は大人のターン。子供が出る幕じゃないの」
美優「ごめんなさい……ここは引いて欲しいの……」
まゆ「そ、そんな横暴な……というか何でみんなして手を組んでるんですか!?」
早苗「これも人生よ」
まゆ「訳が分かりません!」
美優「まゆちゃん、そろそろレッスンの時間でしたよね?」
留美「早く行かないと」
まゆ「く、くぅ……!」
まゆ(う……迂闊だった……)
まゆ(プロデューサーさんを狙っているのは、凛ちゃんとまゆだけじゃないのに……何で安心してたんだろう……!)
???「ダメー! せんせぇは薫たちと遊ぶんだもん!」
まゆ「!?」
楓「え?」
P「か、薫……それに桃華、ありす……!」
桃華「プロデューサーちゃま。今日の夕方、子供アイドルたちとお茶会を開くのですけど」
ありす「一緒にどうですか?」
P「へ?」
早苗「ごめんねー! プロデューサー君は、大人アイドルたちとお酒を飲む約束をしてるの!」
P「早苗さんどこから!? ってかまだ決めてないですけど!」
留美「おかしいわね、確かに『行く』と聞いたわよ」
楓『ええ、もちろん行きますよ』
P「言ってないですよ。楓さん背中に張り付いて腹話術しないで」
薫「う……そんなぁ……」ウルッ
大人組「!!」
桃華「せっかく楽しみに準備を進めていましたのに……」ウルウル
ありす「参加……できないんですか……?」
早苗「ううっ」
美優「なんて純粋な瞳……」
P「わ、分かったよ。お茶会に参加する」
大人組「!?」
桃華「嬉しいですわ!」
薫「やったー!」
ありす「……」
ありす(計画通り)ニヤリ
留美「!」
留美「い、今! 今の見た?」
P「何がですか?」
留美「悪い笑顔を浮かべてたわ! この子たち、計算してるのよ!」
桃華「何を言ってるんですの?」
薫「かおる、よく分かんないよ……」
ありす「難癖をつけて……大人げないと思わないんですか?」
留美「うっ……!」
ありす「じゃあプロデューサーさん、あっちで計画をお話するので来てください」グイッ
P「分かったから押すなって。すみません楓さんたち、飲み会はまたの機会に……」ペコリ
楓「いいんですよ」ニコッ
美優「楽しんでください」ヒラヒラ
早苗「仕方ないわよねー。あはははー……」
早苗「どうする? あの子たちも手を組んでるっぽいわよ」
留美「子供だからと侮るなかれ。むしろ子供の方が手強いかも」
美優「今度集まって対策を練る必要がありますね」
楓「お酒、飲みたかった……」
早苗「はいはい、飲みながら作戦会議しましょう。プロデューサー君はいないけど」
まゆ「……すっ」
まゆ「すごいものを見てしまいました……まさか、大人だけでなく子供まで……?」
まゆ「確かにプロデューサーさんへの好意は、あらゆるアイドルから感じ取ってましたけど……」
まゆ「というか、どのグループも手を組んでるのはどういうことですか……?」
夕美「まゆちゃん」ガシッ
まゆ「!」
響子「ちょっとこっちに来てください」クイクイ
まゆ「なな、何ですか!? 一体何を……」
夕美「いいからいいから」
――――
まゆ「……」
唯「あ、まゆちゃんだー!」
みく「待ってたにゃ!」
まゆ「ええっと……みなさん、何で一部屋に集まってるんですか?」
夕美「ここのアイドルたちに共通すること、分かるかな?」
まゆ「え? ええっと……」
まゆ「あっ。年齢が15歳から18歳のアイドル、ですか?」
あやめ「大正解です!」
みく「あともう一つあるにゃ」
まゆ「へ? うーんと……」
まゆ「……ごめんなさい。分かりません」
夕美「そっか、まゆちゃんに気づかれてない人もいるんだね」
まゆ「?」
夕美「実はね、ここにいるアイドルみんな……プロデューサーさんのことが好きなの」
まゆ「……」
まゆ「ええっ!?」ガーン
響子「分かります。私も最初驚きました」
まゆ「き、響子ちゃん……は分かってましたけど」
まゆ「志希さんや、茜ちゃんも……?」
志希「私はなんか面白そうだから参加してるだけー♪」
まゆ「なるほど、らしいですね。ということは茜ちゃんも……」
茜「……」ポッ
まゆ「え? 好きなんですか?」
茜「は、走ってきますっ!!」バンッ
スタタタ…
夕美「驚いたよね」
まゆ「はい、そんな様子微塵も見せてなかったので」
まゆ「えっと、とにかく……ここにいるアイドルはプロデューサーさんのことが好き、と」
まゆ「だから何なんですか?」
夕美「説明すると長くなっちゃうけど、聞いてね」
夕美「実は今……アイドルの中で戦争が始まろうとしているの」
まゆ「は?」
唯「ほら、ゆいたちってプロデューサーちゃんのこと好きでしょ?」
唯「でも、こんなに大勢いたら争うの大変じゃない?」
みく「揃いも揃って魅力的な女の子ばっかだからね」
まゆ「そ、そうですね……」
響子「そこで、誰が発端かは分からないけど……まずはライバルを減らそうってなって」
志希「歳が近いアイドル同士が手を組んで、他の年齢層を退けちゃおうってお話になったらしいよ」
まゆ「!」
まゆ「なるほど、だからさっき楓さんたちとありすちゃんたちが……」
志希「そういうこと。で、志希ちゃん興味本位で、どの歳のアイドルたちが手を組んでるか調べてみたんだけど」
志希「面白いことに、大きく3つに分かれたんだー。まず第一勢力が9歳から14歳までのアイドル。子供が中心だね」
まゆ「結構幅広いですねぇ」
志希「そして次が、19歳から31歳までのアイドル」
みく「いわゆる大人組にゃ」
まゆ「……残ったのが、まゆたちですか」
志希「そ、15歳から18歳のアイドルだね。まあアイドル全員がプロデューサーを好いてるわけじゃないし、規模としてはそんなに大きくないよ」
まゆ「へー……3つの勢力って、三国志みたいですね」
唯「あはははっ、それウケる~☆」
まゆ(そんなに?)
夕美「簡単に説明するとそういうことなの。分かってくれた?」
まゆ「は、はい」
まゆ(凛ちゃんと争ってる間にそんなことが……水面下で動いてたんですね)
夕美「そこで!」
まゆ「!」ビクッ
夕美「そこで、なの。ここからが本題」
夕美「まゆちゃんにも、私たちと戦って欲しいのよ」
まゆ「え」
唯「人数は多い方がいいしね☆」
みく「お願いにゃ!」
まゆ「い、いや……戦争って何をするか分かってないですし……」
夕美「目的はハッキリしてる。その歳の女の子いいな~ってプロデューサーに思わせればいいのよ!」
まゆ「言い換えれば性癖を歪めろってことですか」
志希「うん」
まゆ「もしそうなら、子供アイドルとかマズくないですか? プロデューサーさんがロリコンに……」
響子「だからこそ、ですよ。プロデューサーさんをロリコンにしないために頑張るんです」
まゆ「なるほど」
夕美「まゆちゃんが手伝ってくれれば、すごく助かるの」
夕美「私たちが知らないプロデューサーさんの秘密を元に、策を講じることができるし」
まゆ「……」
まゆ(そこは引っかかりませんよ。そんなことしたら、他の勢力を退けた後が大変です)
まゆ(でも、恋のライバルがそこら中にいることは確かですし……)
まゆ「……」
まゆ「分かりました」
夕美「!」
まゆ「みなさんに協力します。けど、一時的にですよ?」
みく「分かってるにゃ!」
響子「心強いです!」
志希「ますます楽しみになってきたにゃー♪」
まゆ「……」
まゆ「あの」
夕美「?」
まゆ「もう1人、勧誘したいアイドルがいるんです」
――凛の家――
凛父「凛、ここの花を……」
凛「うん、分かった」グッ
凛「……」
凛(何してるんだろ、私)
凛(いつまでも引きずってちゃダメだよ。アイドルの仕事も休んで、すごく迷惑をかけてるし)
凛(……明日、復帰しよう。プロデューサーやちひろさん、アイドル仲間、色んな人に謝って……)
まゆ「凛ちゃん」
凛「!!」
凛「ま……まゆ……!」
まゆ「……」
凛「……ごめんね。みんなに迷惑かけてるよね」
まゆ「!」
凛「気を使って、呼びに来てくれたんでしょ? ありがとう」
凛「明日、顔を出すから…」
まゆ「お話があるんです!」
凛「え?」
――――
凛「……」
まゆ「ということです」
まゆ「ぜひ、凛ちゃんにも力を貸して欲しいと思って」
凛「……でも私、まゆとの勝負に負けちゃったし……」
まゆ「そんなこと言ってる場合じゃないんです。プロデューサーさんが、他のアイドルに取られてしまうかもしれないんですよ」
凛「私の力だけ貸して欲しいってこと? プロデューサーと恋仲になれないのに」
まゆ「あ、ごめんなさい! そういうことを言ってるんじゃ……!」アセアセ
まゆ「まゆはここに来て、こうして凛ちゃんにお願いするために。それなりの覚悟をしてきたんです」
凛「覚悟?」
まゆ「……もし」
まゆ「もしこのアイドルたちの戦いが終わったら……もう一度正妻勝負をしましょう」
凛「!!」
まゆ「いえ、戦いだけじゃありません。プロデューサーさんを狙っているアイドル全てが、プロデューサーさんを諦めた時」
まゆ「凛ちゃんとまゆの2人だけになった時。もう1回勝負をしましょう」
まゆ「そして、それまでまゆと手を組みませんか」
凛「……」
まゆ「プロデューサーさんが、まゆたちのどちらかで迷う状況になったらです」
まゆ「どうですか?」
凛「……」
凛「……」
まゆ「……何を言ってるんだ、って顔ですね」
まゆ「ごめんなさい……あんなに真剣な勝負をした後で、こんなお願いを……」
まゆ「謝ります。今の忘れてください……」スッ
凛「待って」
まゆ「!」
凛「この顔は違うよ。私の心に、ちょっとだけ希望が差したんだ」
凛「まだプロデューサーのことを好きでいていいんだって」
まゆ「……」
凛「分かった。その話、受ける」
まゆ「ほ、本当ですか? いいんですか?」
凛「まゆこそいいの? せっかくプロデューサーの正妻になれる権利を得たのに」
まゆ「よくよく考えてみたら、それって私たちが勝手に考えたことですよね」
まゆ「他のアイドルにとっては何でもないですから」
凛「言われてみれば」
まゆ「凛ちゃん、本当にありがとうございます」
まゆ「引き受けてくれてよかったです。それじゃ、まゆはこれで」ペコリ
凛「待って」
まゆ「はい」
凛「勝つよ」
まゆ「……!」
凛「今度こそ、絶対に。何があっても」
凛「私はプロデューサーを振り向かせてみせるから」
凛「この協定を結んだこと、後悔するよ」
まゆ「……ふふ」
まゆ「まゆも、ずっと勝つ気でいますよ」
まゆ「また凛ちゃんと戦う時までは」
凛「私も、またまゆと戦う時までは」
凛「絶対に負けない!」
まゆ「絶対に負けません♪」
おわり
約4ヶ月?の間お付き合いしてくださった方、本当にありがとうございました。おかげ様でなんとかモチベが保てました
500レス程度で終わらせる予定がこんなに長くなるとは…
それと、誤字脱字が多くて本当にすみません
また、終わり方に不満がある方もいらっしゃると思うのですが、上手い選択ができずに申し訳ありません
依頼を出してきます
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