栗原ネネ「ちょっと蹴られてくれませんか?」モバP「はい?」 (12)

~舞台裏~


P「……はい?」


ネネ「えっと、蹴らせてもらっても」


P「あーうん聞こえてるけどさ……なにゆえ?」


ネネ「今日の舞台でやらせていただくお芝居、クライマックスのシーンで私が犯人を蹴り倒して確保するんですよ」


P「あぁ、確かそういうシナリオだったな」


ネネ「それで私、そのシーンのアクションがちょっと不安なんですけど、犯人役の役者さんの到着がギリギリになってしまうみたいで……」


P「……代わりに俺に蹴られる役をやってほしい、と」


ネネ「はいっ!!」


P「うわぁ、これほどの屈託のない笑顔と真っ直ぐな瞳が恐怖でしかないの初めて」

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P「あのね?本番でネネに吹っ飛ばされる役者さんはスタントマンを兼ねてるから成立するのであって、俺を蹴り飛ばしても痛いだけ


ネネ「では早速いきますよ!」ザッ!


P「聞いちゃいねぇし構えが完璧なの怖すぎる」


ネネ「とおぉぉー!」ブンッ!


P「(仕方ない、覚悟を決めろP!鍛えてるとはいえ年頃の女の子の蹴り一つ受からなくてどうする!?……いやこれはお年頃関係なくな)」


ゴッ


P「う〝ら〝ら〝っ」


~しばらくおまちください~


P「えー、栗原さん。いま貴女が蹴った箇所、俗に何と呼ぶかご存知ですか?」


ネネ「……弁慶の泣きどころ、です」正座


P「では、その泣きどころを弁慶より耐久力の低いプロデューサーが打ちつけられたら、どうなると思いますか?」


ネネ「……」


P「すごく、いたい」


ネネ「ごめんなさい……」

P「……というか、今の蹴り相当低かったけど本番大丈夫か?」


ネネ「えっとその……今のは、恥ずかしくて、つい……」


P「恥ずかしい?」


ネネ「はい……本当は大きく足を上げて胸部の中央を貫くようにやろうと思っていたんですけど……」


P「どの道殺意高いよね」


ネネ「その……いまの服装を忘れていて……スパッツを履いてるとはいえ、足を上げると、スカートが……」


P「……あー、そういうこと。じゃあお説教はいらなかったな、ごめん」


ネネ「……え?」


P「本番ならともかくまだ練習だし、ネネなりに考えた故の結果ならこれを後に活かせばいいだけだから。おわり。次は気をつけような」


ネネ「……ありがとうございます。本番はミスしないように臨みますね」

P「うん、その意気やよし……じゃあもう一回やろうか」


ネネ「へ?」


P「練習はまだ成功してないんだ、このままだと本番うまくいかないかもしれない」


ネネ「は、はい」


P「じゃあ舞台上で失敗しないようにもう一回やらないと。俺に向かって。思いっきり。足を上げて。それはもう。ぐわっと」


ネネ「え、でも、もしかしたらプロデューサーさんが怪我を」


P「大丈夫。プロデューサーさんそれなりに鍛えてるつもりだし、そのくらいの対価を払う価値はある。ネネの成長のためならね」


ネネ「Pさん……!」


P「そう、決して彼女の脚に興味があるわけではないのだ」ボソッ


ネネ「?」

P「あーうんなんでもないよさぁやろうすぐやろう俺は胸のあたりで腕構えとくからそこを狙うんだ恥ずかしがらずにねバッチコイ」


ネネ「は、はい!……いきます!」ザッ


ブンッ!


バシッッ!!


ゴッッッ


P「う〝さ〝ぎ〝っ」


~しばらくまっててね☆待て☆~


P「……たしかに腕を狙えといいました。これは自分の伝え方の問題です。失礼しました」


ネネ「……はい」正座


P「でもね、肘を下から打ち抜くとね、プロデューサーの腕が上に押しあげられてね、同時に拳が顔面にこうボゴーンってなるんだ」


ネネ「ボゴーン……」


P「栗原」


ネネ「はい」


P「……よし、じゃあもう一回な」


ネネ「はい?」

P「成功するまでやらなきゃ練習って言えないだろ?それに、万が一でも役者さんに怪我を負わせたりなんかさせられない」


ネネ「で、でも……!」


P「君たちの大成を応援するのが俺の仕事だ!だから遠慮はいらない!やってくれ!!」


ネネ「!!……はい……!」


P「(とはいえ、既に脛と顔が滅びかけてる……もし次に鳩尾にでも撃たれたら……天国のおじいちゃんに土下座しなきゃならねぇかも知らん)」


~以下想像~


祖父『なんだってこんなに早く来た?』


P『担当の生脚が気になって』


祖父『地獄に堕ちろ』


~おわり~


P「(それだけは避けたい……!集中しろ俺!ガードと!!脚に!!!)」

P「さぁ、恥じる必要は何処にもない、全力で撃ってこい!!!」


ネネ「はい!!と、りゃぁぁぁぁぁぁ!!!」


ぐるんっ


ゴッッッッ!!!


ネネ「……どう、ですかっ!?」


P「……いい蹴りだった……掛け値なしに……」


ビリビリッ……


P「(肉体持ってかれるかと思った……腕の痺れが取れねえ……!今の蹴りにはまさに、彼女の魂が宿っていたということか……!!)」


ネネ「……ってことは!」


P「あぁ、これで本番もバッチリだ!よく頑張った!」


ネネ「ありがとうございます!プロデューサーさんのお陰です!」

つかさ「うん?何やってんだ、もう本番始まんぞ?」ヒョコッ


ネネ「あっ、つかささん!実はかくかく」


つかさ「しかじかね」


P「説明と理解がはやい」


つかさ「まるうままで喋るのは要領の悪い奴のすることだろ……それよりアンタ」


P「ん?」


つかさ「もしかして、ネネの生脚見たさで練習台引き受けたとかだったりする?」ニヤリ


P「」ギクリ


ネネ「ちょっと、つかささん!プロデューサーさんはそんなえっちな人じゃありません!」


つかさ「どうかねぇ、コイツこう見えて脚フェチのムッツリだからなぁ~?」ニヤニヤ


ネネ「そっ……そんなことないです!ね、プロデューサーさん!?」


P「……いや~?別に?ネネさんの生……脚?いやプロデューサーですし?別に性癖ぶっ刺さりとかあわよくば触りたいとかそんなんじゃないっすよ?ほんとっすよ?」


つかさ「嘘ド下手かよ」

ネネ「…………」


P「あの、ネネ、さん……?」


ネネ「プロデューサーさんの……」


ぐるんっ


P「待っ


ネネ「えっちぃぃぃ!!!」


ドゴッッッッッ!!!


P「さ〝ぐ〝ら〝っっっっ」


ドサッ……


つかさ「おー、ふくらはぎが顔面にクリーンヒット。5mはすっとんだなぁこれ」ケラケラ


ネネ「もう知りません!つかささん、もう始まるんでしょう?行きますよっ!!」


つかさ「うーい、なーんか2人のやり取りでいい感じに気ぃ抜けたかもしんない、サンキュな」ケラケラ


ネネ「……もうっ!」



P「…………逆に、ごほうびですわ……がくっ」


モバのイベントにてネネさんの御御足にてぶっ飛ばされたアシスタントさんが羨ましかったってお話です。お付き合いありがとうございました。

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