・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
-----事務所-----
ガチャ
智絵里「……おはようございますっ」
杏「ふわぁ……ねむ」
かな子「おはようございます!」
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杏「……今日も杏達が一番乗りか」
智絵里「みたいだね」
かな子「今日のお仕事は握手会かぁ。頑張ろうねっ」
智絵里「はいっ。直接ファンの人とおしゃべりする機会って、貴重だから……緊張するけど、たくさんの人に笑顔を届けられるように、頑張りますっ」
杏「……ねぇ。杏、今思い付いたことがあるんだけどさ」
かな子「どうしたの?」
杏「握手会って、要はファンと握手するイベントじゃん?」
智絵里「それは……握手会なんだから、そうだよね」
杏「つまり、杏は椅子に座って寝てるから、ご自由に手を握ってってくださーい、っていうシステムでも成立するよね?」
かな子「成立……してるかなぁ?」
智絵里「握手だけじゃなくて、杏ちゃんとおしゃべりしたいっていうファンの人も、きっといると思うよ?」
杏「えー? そこはほら……寝言で、どうにか」
かな子「ね、寝言で会話するのは、さすがに難しいんじゃないかなぁ……?」
智絵里「あ、あの……私、寝言を言っている人に返事をすると、脳が休めなくて、良くないって聞いたことがあるんだけど……」
かな子「そうなんだ……気を付けなくちゃ」
杏「んー……いつか、寝言で歌えるようになれば、ラクしてライブ出来るなぁって思ってたけど……」
杏「それ気にすると、コール&レスポンスが出来なくなっちゃうのかー」
智絵里「そもそも寝言で歌うのも、大変だと思うよ……?」
杏「練習を重ねればどうにか」
かな子「それって、どうやって練習するの?」
杏「……ひたすら、寝る?」
智絵里「ですよね……」
杏「いわゆる睡眠学習ってやつだよ」
智絵里「違うと思うなぁ……あ、なんでやねん!」ビシィ
杏「あぅ。まさかの時間差ツッコミ……」
智絵里「うぅ……ごめんなさい。タイミングが遅れちゃった……」シュン
かな子「大丈夫だよ智絵里ちゃんっ。私なんて、ツッコミすることすら忘れてたもん」
智絵里「これも、練習あるのみ……だよね」グッ
杏「どうして最近の智絵里ちゃんは思考がこうもお笑い寄りなのさ」
智絵里「これが私の新しい世界、だから……」
かな子「私も負けないように頑張らなきゃ……新しいツッコミとか、覚えたほうがいいのかな?」
杏「かな子ちゃんまで」
智絵里「かな子ちゃんなら……えと、スイーツツッコミ、とか……?」
かな子「す、スイーツツッコミ!?」
杏「……智絵里ちゃん智絵里ちゃん。それ、ボケの役目」
智絵里「あ、あれ……?」
かな子「甘いツッコミ、っていうことかな……? 『なんでやねん!』だと、言葉が強すぎるから……もっと優しく……?」
杏「杏はもう、はたく代わりに顔面目掛けてパイをぶん投げながら『なんでやねん!』する絵面しか浮かばないよ」
かな子「か、過激すぎるよぉ!」
智絵里「ぜんぜん、甘くないですね……」
かな子「ツッコミというか、ただの罰ゲームだね……」
杏「でもかな子ちゃんの手作りパイなら、ある意味ご褒美になる可能性も」
かな子「そんなぁ! 手作りスイーツでそんな酷いことしないってば~!」
杏「わかってるって。じょーだん、じょーだん」
智絵里「……あっ」
かな子「智絵里ちゃん?」
智絵里「あの……スイーツツッコミがダメなら、スイーツボケは、どうでしょう?」
杏「おぉう。そうきたか……」
かな子「スイーツボケ……? スイーツで、ボケるの? どんな感じなのかな……?」
智絵里「うーん……」
智絵里「……そうだっ。『ケーキを食べて、今日も景気がいい!』……みたいなの、とか」
かな子「……おぉ~!」パチパチ
智絵里「えへへ……なんか、照れちゃいますね……///」
杏「でも、ダジャレだとうちの事務所には先駆者がいるしなぁ」
かな子「あ……そっか。楓さんかぁ」
杏「『ダジャレを言うのは誰じゃー♪』とか言って、クレームつけてくるかも」
智絵里「あはは……ちょっと言いそう……」
かな子「……」
智絵里「……かな子ちゃん?」
かな子「『クレーム』と『クレープ』って、似てるよね!」ドヤァ
杏「結局ダジャレじゃないか!」
智絵里「かな子ちゃん。『クリーム』の方が似てないかな?」
かな子「あぁ~! なるほどー、そっちかぁ!」
杏「どっちでもいいよ……うぅ、収拾つかなくなってきた気がする……」
杏「もういいや。あとは二人に任せて、杏は惰眠を貪るよ」ゴロン
智絵里・かな子「なんでやねんっ!」ビシィ
杏「あぅ」
智絵里「あっ……ごめんなさい」
かな子「『あとは二人に任せて』って聞いたら、つい……」
杏「もう、パブロフの犬じゃないんだから……」
智絵里「パブロフの犬って、何でしたっけ……?」
杏「あぁ、条件反射の実験だよ。ワンコに対して、ベルを鳴らしてから餌をあげるのを繰り返してると、そのうちベルを鳴らすだけでよだれを出すようになるってやつ」
かな子「ワンちゃんといえば、この間凛ちゃんのお家に寄らせてもらって、ハナコちゃんに会ってきたよっ」
杏「ハナコって、凛ちゃんが飼ってるっていう、あの?」
かな子「うん! 写真、見る?」スマホトリダシ
杏「どれどれ……」ヨイショ
智絵里「うわぁ、可愛い……! ふかふかしてそうですっ」
かな子「してたしてた! もう、ずっと抱きしめていたい感じだったよ~!」
杏「ま、杏のうさぎには敵わないだろうけどねっ」ドヤァ
かな子「杏ちゃんのは、ペットじゃなくてぬいぐるみじゃない」
杏「ま、自分自身の世話もままならないのに、杏がペットの世話なんて出来るはずが無いよねぇ」
智絵里「あ、杏ちゃん……もうちょっと、頑張ろう?」
かな子「ペットかぁ……智絵里ちゃんは、飼うとしたらどんな動物がいい?」
智絵里「えっ? うーん……やっぱり、うさぎさんとか、かな」
智絵里「前に撮影のお仕事で一緒だったうさぎさんたちが、本っ当に可愛くって……!」ウットリ
杏「かな子ちゃんは?」
かな子「私? 迷うなぁ……。おっきな犬なんかは、ちょっと憧れるかも。一緒に寝ると気持ちよさそうで」
杏「あー、わかるわかる」
杏「杏もさ。家に来たきらりと一緒に寝てると、なんか落ち着くもん」
智絵里「き、きらりちゃんは大型犬じゃないよ……?」
杏「でもどっちかっていうと、ワンコタイプだと思わない?」
かな子「言われてみると……」
杏「今度イヌミミでも着けてもらおうか」
智絵里「……確かに、すごく似合いそう……」
かな子「みくちゃんが困っちゃうかも。ライバルが増えちゃう! って」
杏「名付けて、『ゴールデン・きらりーバー』……なんつって」
智絵里「ふふっ……響きは、なんだかぴったりだねっ」
かな子「名前の響きなら、『ゴールデン・ちえりーバー』もいけそうじゃない?」
智絵里「わ、私も……?」
杏「ふむ、なるほど……よし、試してみよう」
杏「智絵里ちゃん、お手」
智絵里「試すって、そういうことですか……? えと、はいっ」ポフ
杏「おかわり」
智絵里「はいっ」ポフ
杏「からのー、ご主人様を甘やかす!」
智絵里「え、えぇっ……!? ど、どうすれば……?」オロオロ
かな子「うーん、杏ちゃんを撫でる、とかかなぁ?」
智絵里「そ、それだとワンちゃんと飼い主が逆になるような」
杏「杏的にはそれでもいいよ」
智絵里「じゃあ……こう?」ナデナデ
ガチャ
卯月「おはようございますっ!」
智絵里「……こんな感じでどうですか? ご主人様っ」
杏「うむ。くるしゅうない」
卯月「って、ええぇっ……!? ち、智絵里ちゃんと杏ちゃんって、その……そういう関係だったんですかっ!?」
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
世間は総選挙で盛り上がっていますが、毒薬シリーズは平常運転です。
前作
北条加蓮「しりとり」
キャンディアイランドと毒薬
これらもよろしければどうぞ。
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