「ラブライブ×イナイレ~11人の女神の奇跡~」前半 (576)



タイトルの通りイナズマイレブンとラブライブのクロス作品です


ラブライブss イナイレパロ 技募集
ラブライブss イナイレパロ 技募集 - SSまとめ速報
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質問は上で受け付けます

はじめてのss作品で未熟ですがよろしくお願いします



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[1、始まり]






穂乃果「ここが……音の木坂高校かぁ~!!」バッ


海未「穂乃果、入学早々問題を起こさないでくださいね」


穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!!」


ことり「流石にまだ起こさないと思うけど……」


穂乃果「うん……今はことりちゃんの正直なところが胸に刺さるよ……」


海未「ほらほら、早くいきますよ2人とも」


ことり「うん!」


穂乃果「いくよ!!」


「「「サッカー部へ!!」」」









先生「ないよ」ズバッ


穂乃果「え………」





「えええええええええええ!!!!????」


先生「去年まであったんだけどねぇ」


先生「なにせ女子校だから」


ことり「そんなぁ……」

海未「仕方ありませんね…」


穂乃果「そ、それじゃあ!」


穂乃果「また作ります!!」


先生「とはいえ部室は物置みたいになってるよ?」








先生「ここよ」ガラッ


穂乃果「………ここ本当に去年まで使ってたの?」


海未「中は広そうですね」


ことり「ヒィ!!蜘蛛の巣が……」


穂乃果「ここを片付けたらまた部室として使っていいんですよね?」


先生「ええいいわよ」


穂乃果「よし、やるよ!海未ちゃん!ことりちゃん!」


海未「ええ!やりましょう!」


ことり「ふぇぇ……」









穂乃果「うぎぎぎ………重いぃ……」グググ


ことり「ヒィィ!!ンミチャァン……」


海未「あ、蜘蛛の巣ですね。こうやって……」スッ


ことり「はぁ~……」


穂乃果「うぐぐぐ…….」グググ


海未「蜘蛛の巣というのは一つ張るのにかなりの日数が必要なんです」

海未「無闇に壊すということはしてはいけないんです」


ことり「へぇー、そーなんだ」


穂乃果「も、もうダメェ!!」ブワッ


ことり「あ」


ドガッシャァァァン!!!!!!!


海未「あああああああああ!!!!!」


穂乃果「大丈夫海未ちゃん!?」


海未「蜘蛛さんごめんなさい……うちの穂乃果がぁぁ……」


ことり「なにこの海未ちゃん可愛い」


先生「お前ら楽しそうだなぁ」









海未「うぅ……蜘蛛さん…」ショボン


ことり「落ち込みながらもテキパキとした動きをする海未ちゃんのおかげで無事掃除が終わり、なんとか小綺麗な部室になりました」


穂乃果「わーすごく説明口調」


先生「あとは部室にあるもの使って練習しててもいいよ」


先生「グラウンドはこの人数じゃ使用許可は出せないけど」


先生「顧問は適当に探しときなよ」


穂乃果「先生がしてくれるんじゃないんですか!?」


先生「私はもう他の顧問もしてるからな。」


先生「学校外の人でも信用できる人なら大丈夫だからまぁ頑張りな」


穂乃果「はい!ありがとうございました!」


海未ことり「「ありがとうございました!」」













穂乃果「まずどうする?」


海未「そうですね、まず……」


ことり「ケーキ作ってきたからお茶入れよっか!」


穂乃果「やった!ことりちゃんのケーキ大好き!!」


ことり「今回は自信作なの!」


穂乃果「明日はうちの和菓子も持ってくるからね!」


ことり「楽しみ~!!」


穂乃果ことり「えへへへへ」




バンッ!




穂乃果ことり「ヒゥ!!」ビクゥ


海未「たるみ過ぎです!!」


穂乃果「う、海未ちゃん?」ガタガタ


ことり「カオガコワイヨー?」ガタガタ


海未「お茶だのケーキだの和菓子だのどこぞの軽音部じゃないのですから……」


ことり(メタい……)


海未「明日までに練習メニューを作っておくので明日からはそれをしましょう」


穂乃果「よし!じゃあ今日はケーキ食べて解散ということでクレープでも食べて帰ろう!」


ことり「行こー!」


海未「あなたって人は……」


穂乃果「……嫌なの?」ウルウル


ことり「ンミチャァン……」ウルウル


海未「い、行きますからその目で見ないでさいぃぃ!!!」









穂乃果(こうして始まった私たちのサッカー部)


穂乃果(ことりちゃんにイラストを描いてもらい部員勧誘)


穂乃果(いっぱい集まってくれるといいなぁ)


穂乃果(そして、次の日から本当に地獄の日々が始まりました)


穂乃果(学校ではボールを使った練習と体力トレーニング)


穂乃果(ここまではいいんだよ、普通のサッカー部らしくてね)


ことり(問題は休日、トレーニングと称して登った山は数知れず)


ことり(家には登山のリュックに登山靴、ピッケル?っていうのまで置いてあるから)


穂乃果(お母さんには登山部に入ったの?と言われる始末)


ことり(荒れた舗装されてない山道をなんともないように登れるようになっちゃったよね)


穂乃果(それでも毎日毎日少しでも場所を見つけてはパスの練習をしたりリフティング)


ことり(おやつを食べてる時もボールを足から離さないようにしてたよね)


海未(部室でおやつ食べてること自体問題なんですけどね)


穂乃果(それは置いといて……なんと!)


穂乃果(助っ人でヒデコとフミコとミカが試合の時だけならきてくれることになったよ!)


ことり(有難い話だねぇ~)


穂乃果(これで六人!)


穂乃果(目指せ、フットボールフロンティア優勝!)


ことり海未(おーー!!)


海未(色々あった一年間でしたが私たちも無事、二年生になりました)


穂乃果ことり(色々あったのは主に海未ちゃんの登山だよね……)


海未「何か言いました?」


穂乃果ことり「いえ別に」








凛「かよちん!こっちこっち!!」タッタッ


花陽「凛ちゃんまってぇ~!」ゼェゼェ








真姫「………はぁ」テクテクテク








HR



先生「今日も昨日に引き続き部活体験があります、各自好きな部活へ行ってくださいね」


先生「それではさようなら~」


「「「さよーなら!」」」





真姫「……」ガタッ スタスタスタ

ガラッ ピシャ






凛「かよちん!どこの部活に行くの?」


花陽「えと……その……凛ちゃんはどこ行くの?」


凛「凛はー、今日も陸上部かなぁー」


凛「かよちんは?」


花陽「わ、私は……帰宅部かな…」


花陽「やりたい部活ないし……」モジモジ


凛 ニコッ



凛「凛知ってるよー?かよちんは昔っからサッカー大好きだってこと」

凛「入学する前もサッカー部あるって喜んでたでしょ?」

花陽「だ、だけど……」

凛「タイミング逃したらもっと行きにくくなっちゃうよ?」

凛「だから早く行こ!」グイグイ

花陽「まって、待って!」グッ

凛「……?」

花陽「あ、のね?わがまま言っても…いい?」

凛「しょうがないな~、なに?」

花陽「一緒に…サッカーやりたいなって…」

凛「凛も?」

凛「無理無理無理無理!!!」

凛「走るのは得意だけど、サッカーなんてしたことないし……」

花陽「そ、だよね……」

凛「……もー!わかった!体験ならついて行ってあげるから一緒に行こ!」グイッ

花陽「え?え?だ、ダレカタスケテー!!」グィィ!












真姫「………」ピラッ


【サッカー部部員募集中!】


真姫「……」パサッ



スタスタスタ









凛「すいませーん!!体験入部でーす!」ガラッ


花陽「凛ちゃん!ノック……」







穂乃果「海未ちゃんあーん」


ことり「海未ちゃんアーン」


海未「や、やめてください2人とも!」


ことり「よいではないか、よいではないか」


海未「い、いやぁーーー!!!!」






「あのー……」


穂乃果「は、はい!ごめんなさい!練習します!」


凛「そ、そうじゃなくて……えっと」


海未「体験入部の方ですか?」


花陽「そ、そうです!」(大丈夫かな?)


穂乃果「よかったぁ~!昨日来なかったから今年は0人かと思ったよ……」


ことり「2人とも?」


凛「はい!でも凛は付き添いなんですけど…」


穂乃果「見てるだけっていうのもアレだしやってかない?」


ことり「それいい!」


凛「いや、凛は……」


花陽「やろうよ凛ちゃん!」


凛「うう……わかったに……よ」


海未「?…決まりですね」


海未「では名前を教えてください」


花陽「こ、小泉花陽です」
凛「星空凛です!」


穂乃果「一応部長の高坂穂乃果だよ!穂乃果って呼んでね!」


ことり「南ことりです!ことりでいいよ♪」

海未「園田海未です。好きに呼んでもらって構いませんよ」

花陽凛「よろしくお願いします!!」


ことり「よーしじゃあ着替えちゃおー!」


花陽「は、はい!」ヌギヌギ


ことり「おお~……花陽ちゃんおっぱい大きいね~」サワサワ


花陽「ピャァ!!」ビクゥッ

花陽「り、凛ちゃん助けてぇ~!!」


凛「フフ……持つものには持たざる者の気持ちはわからないんだよ……フフ」

花陽「凛ちゃ~ん!!!」


凛「こういう時いつも感じる胸囲の格差……」


海未「バカなことやってないで早く着替えてください」


穂乃果「海未ちゃん元気出して」


海未「何がですか!!」クワッ











花陽「うぅ…」


ことり「えへ」ツヤツヤ


海未「じゃあまずはボールを使って少し遊びましょう」


凛「あの、凛本当に初心者で……」


海未「大丈夫ですよ、まずは鳥かごをしてみましょう」


穂乃果「うへー…あれ苦手……」


凛「……なにそれ?」ヒソッ


花陽「鳥かごっていうのはね、三人が1人を囲んでボールを回すの」


花陽「ボールをもらった人はキープしてから他の2人に回す、中の人はパスカットするかキープしてるボールを奪うとその人と交代するの」


花陽「わかった?」


凛「んー……多分大丈夫!」


海未「わからなくなったらまた聞いてくださいね」


海未「私は抜けていますからジャンケンで決めてください」


穂乃果「いくよー!ジャンケン…」


「「「「ポン!」」」」


凛「あちゃー…凛が最初かぁ……」


穂乃果「じゃあいくよー!」


穂乃果「それ!」ドッ


花陽「わっと」トッ


海未(柔らかくそつのないいなし方……相当ボールに触っていないと身につかないこなれ感)


凛「たぁー!」タッタッタッ


花陽「わわわっ!」ザザザッ ボールキープ


凛「ふっ、んむむ」ザザッ


花陽「ことり先輩!」ドッ


ことり「うん!」トンッ


海未(凛の足を開けるタイミングを見計らっての股抜きパス……加えて足元への正確なパス、かなりやってますね)


凛「うぅ…」


花陽「凛ちゃんは凛ちゃんの得意なもので勝負しなきゃ」


凛「でも凛初心者だし……」


花陽「中の人はボールを持つんじゃなくてカットすれば勝ちだよ?」


凛「………そっか……!」ダッ


花陽「……」ニコッ





ことり「ふっふっふ」


凛「たぁー!」ダッ


ことり「穂乃果ちゃん!」ドッ


凛(いまだ!!)ジャリッ


凛(中の人はテクニックも何もいらない、止めれば……)


凛「勝ち!」トッ ズシャァァァ!!











穂乃果「だ、大丈夫!?」タッタッ


花陽「凛ちゃん!」ダッ





コロコロ……


凛「え、えへへへ、取ったよかよちん」





海未「怪我はなさそうですね」


ことり「すっごく速かったよ凛ちゃん!!」


穂乃果「うん!あそこから追いつくなんて!」


花陽「もぉ~……無茶しすぎだよぉ……」グイッ


凛「えへへ、ごめんね」グッ




海未「さて、それでは次はドリブルの練習をしていきましょう」


海未「コーンをよける練習です」










海未「………所に注意して行ってください」




凛「よっ…わわわ!!」トッ コロコロ


海未「凛!早く行こうとするのではなく、一つ一つ確実に通過してください」


海未「慣れれば自然と早くなります」


海未「ボールは一度に大きくけるのではなく細かく繋いでいきましょう!」


凛「は、はいぃ!!」ゼェゼェ


海未「花陽!その調子です!」


花陽「はい!」ハァッハァッ









海未「次は………」



ハイ!ワカリマシタ!

イクヨハナヨチャン!

ダ、ダレカタスケテー!












海未「それでは今日はこれで終わります」


海未「2人は先に帰っていてください、私たちはもう少しやることがあるので」


花陽凛「ありがとうございました!」


海未「はい、ありがとうございました」


穂乃果「ありがとうございました!」


ことり「ありがとうございました♪」




タノシカッタネー ネー









ことり「かわいい子達だったね~!」


海未「花陽は経験者ですし凛も練習次第でかなり上達するでしょう」


穂乃果「よーし!それじゃあもう少し練習を……」


コロコロコロ………


穂乃果「ボール?」


「ちょっといいかしら」


「ごめんな~」


海未「……生徒会長と……副生徒会長……」


絵里「理事長の娘さんは……」


ことり「私ですけど……」


絵里「あなた……理事長からこの学校が廃校になるって聞いてる?」


海未「………なっ……!」


穂乃果「廃校!?」


ことり「………」


海未「ことり……」


絵里「その様子だと知ってたみたいね」


穂乃果「へ、は、廃校ってどういうことですか!?どうして先輩方は知ってるんですか!?」


絵里「さっき職員室の前を通りかかったら聞いちゃったのよ」


希「秘密にしといてって言われたんやけどなぁ」


穂乃果「そ、そんなぁ……」


海未「もう、決定なのですか?」


絵里「正確には来年の入学希望者数によるらしいわ」


希「まあこのまま行ったらほぼ決定らしいけどね」


穂乃果「廃校…編入……試験……中途退学……」ブツブツ


穂乃果「はは…穂乃果はここまでみたいだよ」ガクッ


海未「諦めが早すぎです!!」


絵里「編入の件は大丈夫よ、編入試験はなく、今の一年生が卒業するまで私たちは残るらしいわ」


穂乃果「そ、そうだったんですか!?やっ……」


海未「たーじゃありませんよ、凛と花陽に後輩のいない高校生活を送らせる気ですか?」


穂乃果「た、確かに……なにかしないと!」


希「といっても時間はあまりないんよ」


ことり「その……ごめんなさい…」


ことり「私がもっと早くに言ってたら……」


絵里「ああ……違うの、責めてるわけじゃないのよ、ごめんなさい……」


海未「短期間で爆発的に知名度を上げる方法……」


穂乃果「………!」ピーン!


穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!」


海未「……なんですか?」ジトッ


ことり「う、海未ちゃん目つき目つき!」


海未「こういう時ロクなことを言い出さないじゃないですか」


穂乃果「名案中の名案だよ!」


穂乃果「穂乃果たちで廃校を阻止しよう!」


海未「あなた……簡単にいいますがどうやってですか…?」


ことり「そうだよぉ~、今からできることなんて……」


穂乃果「今までとすることは何も変わらない」


穂乃果「私たちが大会で優勝すればいいんだよ!」


絵里希「!」


穂乃果「そしたら入部希望者だってきっと増えるよ!」


みんな「………」


海未「た、たしかに知名度はこれまでになく上がるでしょう……」


ことり「これまで私たちがやってたことが廃校阻止に繋がるなんて……!」

ことり「よーし!じゃあ早速練習しよう!」


穂乃果「しよー!」


タッタッタッ









絵里希「………」


海未「……というわけですみません、私たちは練習に戻りますので……!?」


ガシッ!


海未「な、ななななんですか!?」


希「ウチたちも……」


絵里「チームに入れて!」


海未「ああなるほど、チームに………」


海未「ん?」


絵里「だめかしら……」


タッタッタッ


穂乃果「どうしたの?」


海未「えっと……先輩方がチームに入れて欲しいと…」


穂乃果「………うそ」


海未「……穂乃果?」


穂乃果「………や……」


ことり「や~~~~………」









「「やったぁ!!!!」」バンザーイ


絵里「ハラショー!ありがとう!」


海未「大歓迎です」ニコッ


穂乃果「これで八人!」


ことり「凛ちゃんと花陽ちゃんも合わせると十人!あと1人だね!」


海未「ちなみにサッカーの経験は……」


絵里「高校でやめてたけど一応小中はやってたわ」


希「えりちな、氷の女王って言われとったんよ。」


絵里「ちょ、ちょっと……!」


希「ロシアの学校でな」


穂乃果「氷の女王?」


ことり「ロシア……」キラキラ


絵里「恥ずかしいからやめなさい!」


希「それはまた今度のお楽しみやね」


絵里「お楽しまなくていいから!!」


希「ちなみにうちは普通くらい」


絵里「希はなんでも人並み以上にできるのよ」


ことり「す、すごい……」


希「にしし、それは置いといてちょっといいかな?」


穂乃果「何ですか?」


希「あと1人、塞ぎ込んでる怖がりさんを引き入れたいんよ」


海未「怖がり……ですか?」


希「ちょっと訳ありでこれ以上言えんかなぁ」


海未「その方の名前は……」













希「矢澤にこ」












穂乃果「あの話って本当なのかなー」ドッ


海未「矢澤先輩ですか?」ドッ


穂乃果「うん…」


ことり「まさか私たちの練習ずっと見てたなんてね~」ドッ


にこ「………」コソコソ


にこ「……」ジー


穂乃果「あ、いた!」ボソボソ


海未「意識してみると丸見えですね」


海未「隠れる気あるんでしょうか」


ことり「1年生みたいに可愛いね」


にこ「……」ザッザッザッ


穂乃果「え、こっちに来るんだけど」


海未「練習に参加したかったんじゃないですか?」


にこ「あんたたち……」


ことり「はーい!」


にこ「お遊びでやるならさっさとやめなさい!」



海未「な…!?」


穂乃果「遊びでなんかしてません!!」


にこ「へー、そうは見えなかったけど?」


ことり「ことりたちは真剣です!」ちゅんちゅん


海未「そういうとこですよことり」


にこ「いい?サッカーを侮辱しないで!」


スタスタスタスタ


穂乃果「………」


穂乃果「あれが……」


(((塞ぎ込んでる怖がりさん……?)))


ことり「イメージと全然違った……」


海未「どこが恐がりなのですか……」


穂乃果「塞ぎ込んでるようには見えなかったけど……」


(((ひねくれてるなぁとは思ったけど))いましたけど)








河川敷



にこ「ふん…….なによあいつら…」テクテク


にこ(あいつらの練習メニューなら一年間毎日見てたけど……)


にこ(文句を言いながら……でも少しもサボらなかった……)


にこ(……遊びでできる練習量じゃなかった……!!)ギリッ


にこ(試合に出れるわけもない人数でなんでそんなに……)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なんで部活でそんなにまじめにやってるの?」


「楽しく試合できたらいいじゃん」


にこ「で、でも!やっぱり出るからには……!!」


「正直、ついていけない」


「1人だけまじになって馬鹿みたい」


「一人でやってなよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


にこ「………」


にこ「一人になっても続けるなんて……無理よ」


にこ「どこで……間違ったのかな……」ボソッ








イケー!シュートー!


ウワー!ヤラレター!


イイゾー!





にこ「あんな風に無邪気に遊んでた頃があったわね……」


にこ(あの頃は本当に楽しかった……)







イテ!?


スイマセン!


オイオイコレオレチャッテンジャネ?


アーコレハオレテルワ


ゴ、ゴメンナサイ…


イヤーマジデイテー






にこ「っち……今時あんな馬鹿みたいな連中いるのね」


にこ(なんか古いし…)







ザザザザッ




「ちょっとあんたたち!」




不良A「ん?誰だお前」


にこ「あんたら小さい子に寄ってたかって恥ずかしくないの?」


不良B「兄貴の腕が折られたんだよ、なんか文句あるか」


にこ「小学生のパスが当たったくらいで折れる腕なんて、腕に問題があると思うけど」


にこ「カルシウムとって出直してきたら?」


不良A「っ!!こいつ」ガシッ


にこ「あっれ~?女子高生に手上げちゃうの?にここわーい」


にこ(なにも考えずに出てきたからなんの対策もしてないわ……どうしよ)スルッ


にこ(あ、リボン落ちちゃった……)


不良B「おいおいおい」


不良B「兄貴怒らせると怖えーぞぶらぁっ!??」ドサッ






不良A「ど、どうした!?」パッ


にこ「ゴホッゴホッ……!」ヨロッ





テンテンテン コロコロ








にこ(あれは……サッカーボール)


にこ(どこから?)


「………」



???「……………」クルクルクル


にこ(あの子が蹴ったの??)


にこ「フードで顔が見えない………」


不良A「お、お前の仲間か!?」


不良A「舐めた真似しやがって!!」グワッ


にこ「…………」


にこ「ボール借りるわよ」トトッ










フッ









ドキュッ!!!










不良A「へぶぁ!!」ドサッ


にこ「……ふぅ」


不良B「お、覚えてろよ!!」タッタッタッ


にこ「古……」




オネーチャンスゴーイ!


メッチャカッコヨカッタ!




にこ「……あなたたちは絶対こんな使い方しちゃダメよ」


にこ「サッカーは純粋に楽しいものだから」


にこ「それと、周りに気をつけること!!」




ハーイ!








???「………大丈夫?」


にこ「……助かったわ、一応礼を言っとく」


???「別に……足が滑っただけ……」スッ


???「はいこれ、ちゃんとボールは仕舞っておきなさいよ」





ハーイ!フードのおねーちゃんもありがとー!





???「それじゃあね」


にこ「まちなさい」


にこ「名前ぐらい名乗りなさいよ」


???「人に聞くにはまず自分からって習わなかった?」


にこ「っぐ……矢澤にこ、音の木坂よ」キュッ


???「!……そのリボンの色……三年生だったのね」


にこ「わかるの?あんたも音の木坂?」


真姫「音の木坂一年、西木野真姫よ」


にこ「あなた……サッカー部にはいなかったわね」


真姫「……サッカーは…….できないの」


にこ「なんで?そんなに上手なのに」


真姫「…….家の事情よ」


にこ「…ふーん?」


真姫「それじゃあ」ペコッ


にこ「ええ…」











翌日の放課後





にこ「……で、なに?」


穂乃果「サッカー上手なんですよね!」


海未「希先輩から聞きました」


にこ(あいつ……)イラァ


ことり「ことりたちと一緒にやりましょう!」


にこ「………私は遊びでやる気なんてない」


穂乃果「私たち、遊びじゃないです!」


にこ「はーん、どうだか」


にこ「じゃあ目標を言ってみなさい」







「「「フットボールフロンティア優勝!!」」」


にこ「!!」ビクッ


にこ(即答…)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

にこ「さあ!目標決めるわよ!」


「えー?どうするー?一回戦突破?」


「謙虚すぎwwwやっぱ優勝でしょ!」


にこ「よし!じゃあ優勝で………」


「いやー無理でしょ優勝なんて」


「だよねー、二回戦突破ぐらい?」


「あー、妥当だね」


「あっははははは!!」


にこ「……」ギュッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



にこ「………今日って体験入部あったわよね?」


海未「はい、ありますが」


にこ「部室でちょっと待つわよ」


ことり穂乃果「?」









花陽「お、お邪魔しまーす……」


穂乃果「お、来たね花陽ちゃん!」


海未「今日は凛はいないのですね」


花陽「は、はい!陸上部の方に行くみたいです」


ことり「え~…サッカー部来てくれないのかなぁ……」


海未「流石に強要はできませんよ」


にこ「ちょっといい?」


花陽「は、はいぃ!?」ビクゥッ


穂乃果「ちょっと矢澤先輩!うちの部員を怖がらせないでくださいよ!」


海未「まだ部員じゃないですけどね」


にこ「あんた……目標は?」


花陽「え?」


にこ「この部活に入ってからの目標よ」


花陽「そ、それはもちろんフットボールフロンティア優……」


にこ「優勝なんて言わないわよね?」


一同「!?」


穂乃果「ちょっと矢……」


海未「穂乃果!!」


ことり「穂乃果ちゃん!!」


穂乃果「え……なんで……?」


海未ことり(そういうこと……)


にこ「で、どうなの?」


にこ「一回戦突破、二回戦、ドリブルが上手くなる、ハットトリックを決めたい、なんでもいいわよ」


花陽「は…花陽は……」


穂乃果海未ことり「………」


花陽「ゆ………」











花陽「優勝以外考えてませんでした……」


花陽「ごめんなさい……」シュン


にこ「………ふ」


にこ「あっははははは!!!!」


花陽「え……え?」


にこ「あんたたち面白い子捕まえたわね」


穂乃果「うんうん、さすが花陽ちゃんだね」


海未「全く、ヒヤヒヤしました」


ことり「花陽ちゃん言っちゃったね♪」


花陽「え?え?いったいなにがなにやら……」


にこ(こんなに気弱そうなのにね……)


にこ「いいわ、入ってあげる」


穂乃果「ほ、本当ですか!?」


海未「人騒がせな人ですね」


にこ「そのかわり、にこが部長よ!」


花陽「えええええ!?」


穂乃果「はい、いいですよ!」


海未ことり花陽「えええええ!!!???」


にこ「リーダーはあんただけどね」


穂乃果「頑張ります!」


にこ「事務的なことは私の方が慣れてるからね、あんたらはチームをまとめてなさい」


海未「全く穂乃果らしいと言いますか……」


ことり「あ、はは……」





ガラッ


希「はーい、体験入部にきました~!」


絵里「お邪魔するわね」


ことり「あー!先輩方いらっしゃ~い!」


希「お、にこっちやっとかぁ」


にこ「あ……あんたねぇ……」プルプル


希「この子らが一年生の時からずっと見ててやっと今入るなんてどれだけツンデレ……」


にこ「希ぃぃー!!!!!!」ドタバタ


希「いやーんにこっち大胆~!」ドタバタ


海未「ちょっと暴れないでください!」


絵里「やめなさい2人とも!」


にこ「ま、まちなさい!」ゼェゼェ


希「にこっち体力落ちたなぁ」タッタッ


花陽「あ!」


ことり「そっちは!!」






希「いやぁ!!!!」


にこ「蜘蛛の巣からまったぁー!!!!」


海未「蜘蛛さぁーーーーん!!!!!!!」


花陽(って、よく考えたら先輩しかいない……!!)


花陽「ダレカタスケテー!!」


穂乃果「賑やかになってきたね」ニコニコ










理事長室




穂乃果「何かあったんですか?」


理事長「あなたを呼んだのは他でもありません」


理事長「試合をしてもらいます」


穂乃果「え!?練習試合取ってきてくれたんですか?」


理事長「それが、向こうから言ってきたんです」


穂乃果「ちなみに相手は……」


理事長「………………UTX高校です」


穂乃果「ゆ……UTX高校………!!!」


穂乃果「ってどこですか?」


理事長「………」アキレ


理事長「前回のフットボールフロンティア優勝校ですよ」


理事長「前々回も優勝してますよ」


穂乃果「あーなんだ優勝校………って」






「ええええええええ!!!???」









部室


花陽「ひ、ひぃぃぃ……」ガタガタ


海未「それで…………」


ことり「……受けてきちゃったの?」


希「それにこの日にち……」


にこ「仮入部期間終わってないじゃない!!」


穂乃果「そ、そうなんですよねぇ…」


絵里「まあ決まってしまったものは仕方ないわ」


絵里「人数は何人いるの?」


海未「二年生三人、三年生三人、花陽も入れて助っ人の三人も入れると……」


ことり「十人……だね」


にこ「どうするの?あと1人」


穂乃果「凛ちゃんがわからないからね……」


花陽「あ、あの!!」


海未「どうしました?花陽」


花陽「多分……凛ちゃんきてくれると思います」


花陽「ひとまず助っ人なら……」


穂乃果「てことは…」


希「うん!11人揃ったね」


にこ「よーし!それじゃあ早速特訓行くわよ!」


「「「「おー!!!!!!」」」」


穂乃果「あ、グラウンドが使えるようになったんだ!」


海未「穂乃果?どこに向かって話しているのですか?」


穂乃果「なんでも!いこ!」ダッ


海未「ま、待ってください!」タッタッタッ









海未「………穂乃果、その手どうしたんですか?」


ことり「わぁ、絆創膏だらけ……」


穂乃果「あ、これ?料理失敗しちゃってさー……、難しいねほんと」


海未「気をつけてくださいよ、ただでさえ不器用なんですから」


穂乃果「わかってるよーだ!」タッタッタッ


海未「………ことり」


ことり「うん」


海未「どうすれば手のひらまで怪我するんでしょうね」


ことり「本当に穂乃果ちゃん嘘下手だよね」








穂乃果「たっだいま~!」


雪穂「おねーちゃん靴ちゃんと揃えて!」


穂乃果「いってきまーす!」


雪穂「コラ~!!!」








鉄塔


穂乃果「さあ!今日もこのタイヤで特訓だよ!」ザッ


穂乃果「でもこんなの本当に意味あるのかなぁ……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果「ん~…どうすればキーパーの実践的な練習ができるんだろう…」テクテク


???「鉄塔広場のタイヤを使ってみて」ボソッ


穂乃果「へ!?」クルッ


穂乃果「……だれもいない……」







鉄塔

穂乃果「ハァ……ハァ……とー……ちゃく!」ザッ


穂乃果「ここに来るだけで疲れるよ……」


穂乃果「えーっと……あの声によれば……タイヤタイヤ……」キョロキョロ


穂乃果「あ!あのぶら下がってるやつかな!」タッタッタッ


穂乃果「……これでどうやって特訓するんだろう」


穂乃果「………」ブランブラン


穂乃果「……もしかして……!」グッ







穂乃果「あはは!ブランコみたい!」ブゥンブゥン!







穂乃果「違う、こんなことしてる場合じゃない」


穂乃果「………」ウーン


穂乃果「……!わかった」ぐ グッ


グンッ!


穂乃果「これで返ってきたやつを……」


フワッ


ヒュゥゥウウウ……!


穂乃果「とめる!!」


ドゴォ!!


穂乃果「うわぁ!?」ゴロンゴロンゴロン


ゴチン!


穂乃果「い………たい…」ガクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「最初は散々だったなぁ……」シミジミ…


穂乃果「……よし、今日もいくよ!」グッ


グンッ!


……ヒュゥゥウウウ!!


穂乃果「…はぁ!!」バッ


ドガァ!!


穂乃果「ッグ……!!」ズズズズ……


穂乃果「………もう一回!」グッ


グンッ!









穂乃果「そういえば希先輩って……その、関西にいたんですか?」


希「……ああ、この喋り方?」


にこ「しかもちょっと……いや、かなりエセなのよね」


花陽「何か訳があったり…?」


希「これには浅くない訳があるんよ?」


ピクッ


希「聞きたい?」


花陽「い、いえ!大丈夫です!」


希「まあ話すつもりはないけどね!」


にこ「そんなことだろうと思ったわ…」ハァ


絵理「あら?でも一年生の自己紹介の時は標準語だったような………」


希「あ、あーーーーー!!!!も、もうこんなに時間が経ってるー!?」


希「練習いこ!練習!」


海未「急にどうしたのですか?」


希「どうもせんよ!?突然時間が惜しくなっただけ!!」


海未「いやでも……」


希「あー練習楽しみーー!!!!」


(((怪しすぎる………)))


花陽「ちょ、ちょっといいですか?」


花陽「あの、凛ちゃんのことなんですけど」


穂乃果「凛ちゃんがどうかしたの?」


花陽「実は……凛ちゃん」


花陽「ちょっと口調を変えようとしてて……」


穂乃果「口調?」


花陽「いつも、えーっと……今とは少し違う喋り方で……猫、みたいな」


ことり「絶対可愛い」キッ


海未「ことり」


花陽「小さい時、猫と話そうとしてずっと言ってたら定着したみたいで…」


にこ「でもそんなの聞いたことないわよ?」


花陽「高校生になる前に聞かれたんです」


花陽「凛『………凛のこの話し方おかしいと思う?』って」


花陽「その時私はそのままがいいって言ったんですけど……」


海未「あぁ…….あれはそういう…….」


絵里「まあ誰にでもそう言う時期はあるものね」


希「あんまり触れてあげんほうがええんやない?」


にこ「つまり希もあまり触れて欲しくないと…」


希「なんか言った?」


にこ「いえべつに…」


花陽「そ、そうですよね。ごめんなさい……」


海未「………花陽はどうしたいのですか?」


花陽「わ、私は………」


花陽「…………」


花陽「前の凛ちゃんに戻って欲しいです」


花陽「今の凛ちゃん……無理してるのがみていて辛くて」


海未「なら、その道を信じて背中を押してあげてください」


海未「幼馴染とはそう言うものです」


ことり「やーん、海未ちゃんかっこいー!!」


穂乃果「うーみちゃーん!!」ダキッ


ことり「ことりもー!」もぎゅ


海未「は、離れてください2人とも!!」


にこ「ほんっと騒がしい……」


希「ええやんええやん、こんな楽しい部活他にないよ?」


絵里「本当にね」


花陽「えへへへ」


穂乃果「でも口調を変えるか~……」


ことり「なんだかイメージつかないね」


「そう?私は結構つくけどね」


「!?」」


海未「こんな感じですよ」


穂乃果「い、一瞬誰が喋ったのかわからなかったよ……!」


ことり「ことりはやっぱりいつもの海未ちゃんがいいな!」


海未「ええ、変えるつもりもありませんよ」


穂乃果「えへへへ!」


穂乃果「も一回ギュー!」


ことり「ギュー!」


海未「………」


海未「………はぁ」ギュッ










穂乃果(こうして、あっという間に試合の日となった)


海未(初めての試合、怖くないといえば嘘になりますが)


ことり(みんな今日までしっかりと集中して練習できた)


絵里(そのことに自信を持っていればきっと大丈夫)


花陽(が、頑張ります!)


希(今日は思いっきり楽しみたいな)


にこ(にっこにっこにー!あなたの………)
角間「さーてやってまいりました音の木坂!!今日はなんとここでUTX高校と練習試合だーー!!!」


にこ「あんた誰よ!!」


角間「私角間と言います!!音の木坂の試合は全て私が実況させていただきまぁす!!!」



(((((キャラ濃!!))))))


ちなみに女子です


「「「「「「嘘ぉ!?」」」」」











フミコ「穂乃果ちゃーん!」


ヒデコ「来てやったよー!」


ミカ「数合わせだけど一生懸命やるからね!」


穂乃果「ありがとう三人とも!!」


花陽「凛ちゃん!今日は頑張ろうね!!」


凛「うん!楽しみだに……ね!!」


海未「それで、対戦相手はどこに……?」


ことり「お母さんによればもうすぐ来るらしいけど……….」


希「なぁ、あのおっきなリムジン……」


絵里「まさか……高校生よ?」


にこ「あんたら知らないの?UTX高校は移動全部リムジンなのよ?」


にこ「どうしよ……サインもらおうかしら」


花陽「ああ……!!この目でこの瞬間が観れるだけでもう悔いはありません!」


にこ「あ、あんた……この光景のありがたみがわかるのね!!」


花陽「矢澤先輩もですか!?」


にこ「にこでいいわ!花陽!」


花陽「はい!にこ先輩!」


花陽「さあ、この瞬間を」


「「目に焼き付けましょう!!」」












???「……」スタスタスタ




にこ「あれがA-RISEのうちの1人」


穂乃果「A-RISE?」


花陽「チームの中で特に強い3人のことです!」


花陽「そのパスは機械のごとく1センチのズレも許さないほどの技術の持ち主」


「「精密機械の統堂エレナ」」


穂乃果「あの2人どうしたの?」


希「やらせたって、まさに水を得た魚状態やから」


凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ」




???「…….」スタスタスタ



にこ「あれがA-RISE2人目」


花陽「大人の魅力でファンクラブも存在するという」


「「セクシー担当優木あんじゅ」」


絵里「なんか雑じゃない?」


ことり「え、絵里先輩……」








バサァ




穂乃果「マント!?」


穂乃果凛希「かっこいいーーーー!!!」




???「………」スタスタスタ


にこ「そしてA-RISEリーダーでありキャプテン」


花陽「一時期はイカラマとまで言われたボール支配力」



「「支配者綺羅ツバサ」」



にこ「………」ハァハァ


花陽「………」ハァハァ


にこ花陽「」ガシッ


穂乃果「いい友情だね」ウンウン


海未「バカなんです」








凛「やっぱり優木さんだけ雑なような」


穂乃果「たしかに1人だけ見た目だもんね」


絵里「でもあのツバサって人、なんかオーラあるわね」


海未「同じリーダーでも穂乃果とは大違いですね」


穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!」


花陽「穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん!」


ことり「向こうの人が挨拶に来たみたいだよ?」











ツバサ「どうも、音の木坂の皆さん」


ツバサ「リーダーの綺羅ツバサよ」


穂乃果「はじめまして、リーダーの高坂穂乃果です!今日はよろしくお願いします!」


ツバサ「ええ、よろしく」ニコッ


ツバサ「そっちは全員揃ってる?」


穂乃果「はい!これで全員です!」


ツバサ「……そう」


ツバサ「それでは、いいゲームにしましょうね」スタスタスタ





凛「なんだか感じのいい人だね」


花陽「うん!」


ことり「でもなんだか凄みがあるね…」


穂乃果「大丈夫だよ!日頃の練習の成果を出しきればきっと!」


海未「ええ、そうですね」


穂乃果「行くぞー!」


「「「「「おー!!!」」」」」










ツバサ「はい、まだ現れていないようです」


ツバサ「そもそもサッカー部にもいないようですし……」


ツバサ「はい…はい」


ツバサ「……!?」


ツバサ「…………」ギリッ


ツバサ「……わかりました」ピッ


ツバサ「あんじゅ、エレナ」


あんじゅ「ええ」


エレナ「だいたいの話はわかった」


ツバサ「……やるわよ」


あんじゅ「……わかってるわ」


エレナ「ああ…」










真姫「…………」ザッ





角間「さー!始まりました音の木坂vsUTX高校!!」


角間「いったいどんな試合になるのか私今からドキドキが止まりません!」





FW
絵里、にこ


MF
希、ことり、海未、花陽


DF
ヒデコ、ミカ、凛、フミコ


GK
穂乃果








海未「とりあえずフォーメーションはこれでいきます」


花陽「わ、私がMF!?」


凛「かよちん遠いにゃ~……」


にこ「にこはFW向きじゃないんだけど……」


海未「それはまた修正していきましょう」








穂乃果「みんなー!!しまってこー!」


ピーーーーーーー


角間「さあ試合開始のホイッスル!音の木坂ボールで試合がスタートします!」


絵里「ん?」タッタッタッ


海未「これは……」


角間「おーっとこれはどうしたことだぁ!?UTX陣営全く動かないーー!!!」


穂乃果「?どういうこと?」


にこ「そのまま決めなさい!絵里!」


絵里「え、ええ!!」


絵里「いくわよ!」






ツバサ「止めなさい」


DF1 タタッ



シュバッ!


絵里「あ…!」


花陽「なにあれ……」


ことり「速すぎるよぉ……」


DF1 ドッ


ツバサ トッ






ドキュゥッ!!!!!!!




穂乃果「………へ?」






ズシャァァァ!!!!!!!





海未「穂乃果!!」ダッ


ことり「穂乃果ちゃん!」ダッ


凛花陽「穂乃果先輩!!」







角間「ゴーーーール!!!」


角間「なんという事だぁ!!!綺羅が蹴ったボールはそのままキーパー高坂ごとゴールへ突き刺さったぁ!!!!」


ツバサ「……」







穂乃果「うぅ…….」ヨロッ


にこ「大丈夫?穂乃果」


希「あんなにシュートが速いなんて……」


絵里「それにDFも……なによあれ」


穂乃果「ご、ごめんねみんな!!


穂乃果「次は絶対止めるからみんなは点を取ることに集中して!」


海未「……」


絵里「穂乃果……」


にこ「ほら、さっさといくわよ!」







ピーーーーーーー



にこ「絵里!」ドッ


ツバサ「あんじゅ」


あんじゅ「命令しないで」ダッ


角間「音の木坂ボールでスタート………あーっと!!いきなりボールを奪ったA-RISE優木!!」


あんじゅ「ほっ」ドキュゥッ!!







ギュウゥゥゥン!!!!!





凛「!?」






ドガァ!!






凛「うわぁあ!!!」ドサッ


花陽「凛ちゃん!」


角間「これはパスミスかぁ!?敵チームの星空にボールが当たり再び優木の元へ戻っていったぁ!!」


花陽「どうして…こんな…」


にこ「………」ギリッ


海未「観客もほとんどいないから何をしてもって事ですかね」


花陽「普通に戦っても強いはずなのに……」


あんじゅ「………」


希「好きにはさせへんよ!!」ダッ







あんじゅ「……」


ツバサ「………!」


あんじゅ「……ボールが欲しいの?」トン


希「え?……わっとっと」ポン


角間「優木何故か相手の胸元に優しくパスゥ!?それを東條柔らかくトラップ………」


あんじゅ「落とさないでよ?」クルッ


希(これ、やばっ……逃げ…………)


絵里「希!!」





あんじゅ【ジャッジスルー!】


ドゴァ!!!! ポヨン


希「うわあぁぁ!!!!」ドサッ


ことり「希先輩!」ザッ


あんじゅ「……」


希「えっへへ………」ムクリ


角間「これは東條無傷だーー!!!」


にこ「その憎ったらしい脂肪の塊のおかげで助かったんでしょ」


凛「あー……」


希「えっへん」


希「……ゲホッ」ズキズキ


絵里「希……」


あんじゅ「ねぇもういい?」ドッ


ツバサ「ええ」トッ


角間「いつのまにか綺羅がゴール前に上がっていたぁーー!!!これは完全にフリーだぁ!!」




ツバサ「あんじゅ!エレナ!」ダッ


あんじゅ「任せなさい」ダッ


エレナ「ああ」ダッ


角間「ボールを受け取った綺羅と優木と統堂が並んでゴールへ向かっていくー!!いったいどうするつもりだーー!?」


ツバサ「デスゾーン、開始」


海未「穂乃果!!」


ことり「気をつけて!」







ツバサ グルグル


あんじゅ グルグル


エレナ グルグル


ギュォォォォ!!




ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン!!】






ゴォォォォオォォ!!!!!!!


角間「これはすごい必殺シュートだー!!3人の回転で蓄積させたパワーが一直線に音の木坂ゴールへ向かっていくー!!」


穂乃果「止める……!!!」





穂乃果「はぁぁぁ!!!!」バッ





ドシュウウウゥゥゥゥ!!!!!!!





角間「決まったー!!A-RISE早くも2点を先制ぃーー!!!!」


穂乃果「あ……ぅぁ……」ドサッ



海未「穂乃果ぁ!!」


ことり「穂乃果ちゃん!」


花陽「そ、そんな……」


凛「コレが……サッカー?」


凛「こんなの……サッカーじゃない…!」ギュッ


希「えりち……」


絵里「ええ……」


絵里「…….」スゥ


絵里「みんな聞い………」


にこ「あんたたちなに塞ぎ込んでんのよ!!」


絵里「にこ……」


にこ「穂乃果、海未、ことり、あんたたちが集めたメンバーよ」


にこ「自信を持ちなさい」


穂乃果「にこ……先輩」ヨロッ


穂乃果「……うん、そうだよね」


穂乃果「みんな!まだまだ試合は始まったばかりだよ!」


穂乃果「諦めなければきっと勝機はある!」


凛「先輩……!」


凛(先輩が一番ボロボロなのに……)


海未「穂乃果……」


海未「……」


海未「絵里先輩」


絵里「なにかしら?」


海未「お願いが……」






ピーーーーーーー



角間「試合開始わずか数分で2点を失った音の木坂、ここから逆転なるかー!?」


絵里「行きなさい!」ドッ


海未「ありがとうございます」トッ


角間「コレはどうしたことだー!!!ディフェンダーの園田が前線に上がってきたぁ!!この作戦が吉と出るか凶と出るか!!」



海未「穂乃果のカタキ!!」タッタッタッ




にこ「穂乃果死んだみたいね」


穂乃果「死にかけだけども……」






ツバサ「そんなに必死になって面白い人ね」


海未「どいてください!」


ザッザッ ガッ ザッ ザザッ


角間「コレは激しい攻防!!両者一歩も譲らない!!」


希「すごい……」


凛「海未先輩ってちゃんと上手だったんだ」


花陽「り、凛ちゃん!?」






ツバサ「………」



海未「………ここ!!」バッ




角間「抜いたーー!!園田、綺羅を抜き敵陣へ切り込んで行くーー!!!」


ことり「やったー海未ちゃん!!」


絵里「………そんな」


海未「あ……あれ?」ザッ


ツバサ「あら」


ツバサ「落し物よ?」トッ


角間「こ、これぞ超絶美技!!!選手すらも欺く圧倒的テクニック!!取られていたことに一瞬気がつきませんでしたぁ!!」


ツバサ「ボールが欲しいんでしょ?」


海未「っく……!」


ドゴォ!!!


海未「ウグゥ……!!!」ドサッ


絵里「海未!!」


ツバサ「あなたもよ」ドッ!!


バシィ!!


絵里「あぁ……!!!!」ドサッ

ツバサ「………」ドッ


ツバサ「……まだかしら」キョロキョロ


あんじゅ「こないんじゃない?」トッ


チラッ


花陽「ひぃ……」


ドォッ!!!


にこ「花陽!!」バッ


バシィッ!!!


にこ「あああ……!!!」ドサッ


花陽「にこ先輩!!」


あんじゅ「………」ザッ


ドッ!!ドゴォ!!ドシュウウ!!ドォッ!!


ヒフミ「ウワァァ!!!」ドサッ


凛「あぁぁ!!!」ドサッ


花陽「きゃああ!!」ドサッ


ことり「ふぐぅ……!!」ドサッ


希「み、みんな……」ズキィン


希「うぐ……」ドサッ


角間「こ、これは!!!音の木坂陣営に立ってる選手は高坂のみ!!」


穂乃果「………!」



あんじゅ「大丈夫よ彼女も同じにしてあげるか……ら!!!」ドシュッ!!


穂乃果「止める……!!!」


フミコ「ああああ!!!」バチィ


穂乃果「フミコ!!」


あんじゅ「…!!」


ドサッ


ピピーーーー


角間「おおーっとここでけが人です!!しかしここで控えの選手がいない音の木坂!!!このまま十人での続行となるのか!?」


フミコ「リ、リーダーが倒れちゃダメでしょ」


穂乃果「フミコ……」












真姫「…………」グッ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

父「真姫、我が家でサッカーはしてはいけないんだ」


父「このボールは処分しておこう」


まき「いや!やめてパパ!!」


母「ごめんね真姫ちゃん……」


母「新しいピアノ買ってあげるから」


まき「ピアノは今のやつでいいから捨てないで!お願い!」


父「それ以上わがまま言うならピアノも捨てるぞ」


まき「!?」


母「あなた、それは流石に……」


まき「ごめんなさい……いい子にするから……ピアノは捨てないでぇ……」グスグス


父「……すまない真姫、大人になってくれ」


まき「ご、こえんなさい……」グスグス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


真姫「パパ……ママ……」


真姫「ごめんなさい」
















真姫「この状況を見過ごすぐらいなら、私はまだ子供でいい」ザッ









角間「換えの選手のいない音の木坂は十人で…………おお!?いったい誰でしょうか!!グラウンドにだれか入ってきました!」


ツバサ「……」ニッ


あんじゅ「はー、よかった」


エレナ「もういいんだろ?」


ツバサ「ええ」


あんじゅ「というかエレナ何もしてないじゃない!」


エレナ「……」


あんじゅ「無視……!?」








絵里「だ、だれ?」ヨロッ


にこ「あんた……!!」


真姫「怪我で抜けた人のとこに入らせてください」


海未「……この有様を見てそう言えるんですね」


希「なんやおもしろそうやん」


凛「あー!!西木野真姫ちゃんだに……だ!」


花陽「同じクラスの……」


真姫「生徒会長、ロシアでの噂は聞いてます」


絵理「それは嬉しいわね」


真姫「作戦があるんですけど…」


絵里「わかったわ、教えて」


にこ「……私とポジション交代よ」


海未「にこがそういうなら……」









ピーーーーーーー



角間「十一人目に西木野真姫が入り試合続行!!UTX高校ボールからスタートです!」


あんじゅ「お手並み拝見ね」


ツバサ「行くわよ、あんじゅ、エレナ」ダッ


エレナ「ああ」ダッ


あんじゅ「任せて!」ダッ





グルグルグル

ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン!】ドキュッ!!

ゴォォォォオォォ!!!!!!!!




タッタッタッ タッタッタッ


ツバサ「なっ!?」


エレナ「どういうことだ?」


角間「おおーっと!?西木野と絢瀬がボールを無視して敵陣に突っ込んでいくー!!勝負を捨てたのかー!?」


穂乃果「……」グッ


エレナ「私たちのシュートを彼女が止めると思っての行動か」


ツバサ「…」


あんじゅ「……」クルクル


エレナ「無視か……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「シュートへの流れですが……絶対の前提条件は敵のシュートを止めることです」


穂乃果「!」


凛「あんなシュートを……?」


ことり「いくらなんでもそれは……」


穂乃果「無理?」


ことり「い、いや!そういうことじゃ……」


海未「できますか?」


穂乃果「……確証はないよ、でも……」グッ


穂乃果「止めなきゃ気が済まない!」


絵理「ふふ、さすがリーダーね」


真姫「止めた後は……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海未「穂乃果……」ギュッ


ゴォォォォォオ!!!










花陽「…………」


花陽「ねえ凛ちゃん」


凛「なぁに?」


花陽「凛ちゃんはどうして無理して変わろうとしてるの?」


凛「へ!?べ、別に凛は……」


凛(き、気づかれてる……さすがかよちんだね)


花陽「わかるよ……幼馴染だから……」


凛「だ、だって子供っぽいし……変だよ」


花陽「実は私ね、みんなに言っちゃったの」


花陽「凛ちゃんが口調を変えようとしてるって」


凛「なっ………!?」


花陽「みんなどんな反応したと思う?」


凛「絶対変な目で……」


花陽「それがどうしたの?って顔してたよ」


凛「そ、そんなはずない……!!」


花陽「凛ちゃんがどう思ってるかはわからないけど、私たちは待ってるよ」


花陽「凛ちゃんが勇気を出してくれること」


凛「……」


花陽「無理して変わらなくなんていいんだよ」


凛「……!」










ゴォォォォォオ!!!




穂乃果「………」


絵里海未にこ「穂乃果!」


ことり希「穂乃果ちゃん!」


花陽凛「穂乃果先輩!」


ヒフミ「………!」ギュッ


穂乃果「……?」グッ


穂乃果(何だろうこの感じ……)


穂乃果(力が湧いてくるっていうか……)


穂乃果(みんなが信じてくれてるからかな)ググググッ……


真姫「あの人…まさか本当に」


ツバサ「……あれは」









穂乃果「はぁぁぁぁ!!!!!!」


ゴォォォォオォォ!!!





バッ










ドゴォォォォオォォ!!!!







ドシュルルルルル………!











穂乃果「…………」


穂乃果「止めた……?」







ことり「や………」



「「「「「やったぁぁぁぁぁ!!!!」」」」



角間「なんと高坂、UTX高校の必殺シュートを止めたぁ!!!」





ツバサ「なに今の……マジン?」





海未「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」ダー!


ことり「穂乃果ちゃぁぁぁん!!」ダー!


花陽「次は……凛ちゃんの番だね」グッ


トン


凛「ぁ………!」ザッ








穂乃果「海未ちゃん!」ドッ!!










あんじゅ「……シュート止められて終わりなんて……」


あんじゅ「させない!!」ダッ


エレナ「あいつ……目的忘れてないか?」


ツバサ「全く…」


海未「っく!」ザッ


海未(取られる……!)


凛(……無理して変わらなくていい、そんな一言で……)








シュバッ!









凛「いただきだにゃー!!!」トンッ


凛(こんなに心が軽くなるなんて!)









あんじゅ「なっ!?」

花陽「………」ニッ








希「凛ちゃん……!」


にこ「あいつあんなに速かったの!?」


海未「自分を変えようと無理していたことがストッパーになっていたようですね」






凛「や、やった……!!」ズザザザッ







MF2「っち……!」タッタッタッ


ツバサ「あの子まで……」ハァ






凛(…きた……!!)









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「大きく蹴らずに……細かく…」ザザッ


凛「慣れると速くなるから丁寧に…」ザッザッ








凛「ふーっ……疲れたー!」ドサッ


凛「なんで凛………サッカーの練習なんてしてるんだろ………」


凛(陸上部に入るつもりなのに…….)






凛「というかドリブル難しすぎるよ………」


凛「バク転とかは普通にできるのになぁ……」タッタッタッ


クルクルッ、バッバッバッ!スタンッ


凛「………」フーム……


凛「というかこれでドリブルすればいいんじゃ……!」


凛「……」ザッ


凛「早速………」タッタッタッ


クルクルッ、バッバッバッ!スタンッ


凛「!できた!」


凛「………ボール置いてきちゃったけど……」


凛「んー…….ここまで激しい動きは無理なのかな……」


凛「じゃあもうちょっと抑えつつアクロバットな動きを入れながら……」ザッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛(あれから一回もできなかったけど……)


凛「今ならできる気がする!」タッタッタッ


MF2「はぁ!」タタタッ








花陽「凛ちゃん!!」





凛 ニッ



凛「いっくにゃぁぁ!!!」ザッ






グゥン!ダッ!グルッ、スタッ


MF2「なっ!?」


角間「こ、これは素晴らしいドリブル!!オリンピック金メダル級だぁ!!」


真姫「あれほどアクロバティックな動きをしつつあのキープ力……」


海未「アクロバット……ドリブル……」ブツブツ


希「……アクロバットキープ……といったところかな?」


海未「……!!」ガーン







穂乃果「凛ちゃん!!」


海未「やりましたね」


ことり「にゃーっていうの可愛すぎない?」


にこ「そこ!?」


花陽「えへ……えへへへ」グッ









真姫「生徒会長へ!!」


凛「う、うん!」


凛「先輩!」ドッ


絵里「任せなさい!」トッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「敵のディフェンダーはみんな一流です、普通にシュートを打っても途中でブロックされる可能性が高いです」


真姫「そこで……」






絵里「………」


絵里「なるほど、じゃあそれはあなたに任せるわね」


真姫「……いいんですか?」


絵里「ええ、頼んだわよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





GK「………」グッ








絵里「吹き荒れろ……」

パキパキパキパキ






穂乃果凛ことり「か、カッコいい……」




ぶるる


にこ「なんだか……寒くない?」


希「これが……エリチが氷の女王と言われる所以」







絵里【エターナル・ブリザード!!】ドッ!

ドゴォォォォオォォ!!!!!!!







エレナ「こんなやつ……データにないぞ…!」


あんじゅ「目的ってあの赤髪の子だけじゃなかったの!?」





GK「………」





DF1「させない!」バッ


エレナ「目的忘れてるやつが多すぎだ……」


あんじゅ「うぐ……!」グサッ


ツバサ「自覚はあったのね」


ツバサ(………さぁ、どうするの?西木野さん)







角間「おおーっとぉ!!絢瀬の必殺シュートの前にDFが立ちふさがる!!直接止める気だぉ!!」


絵里「残念ながらあなたはお呼びじゃないの」





ギュゥゥゥゥン!!





角間「絢瀬が放った必殺シュートは明後日の方向へーー!!!!これはミスショットかぁ!?」




タッタッタッ


真姫「流石ね、完璧よ」フッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「そこで………」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





角間「ボールの先には西木野ーー!!!!これは………」








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「シュートチェインをしようと思います」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



角間「シュートチェインだぁぁ!!」


真姫「………」グッ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テクテク


まき「う……うぅー……グスッ」グスグス


お爺さん「お、真姫ちゃん、どうしたんだ?」


まき「パパが、サッカーしちゃ、ダメって……」グスグス


まき「どうしてしちゃダメなのかなぁ……」


お爺さん「……さあな」


まき「私、もうサッカーできないの?」ポロポロ


お爺さん「ならウチでこっそりやればいい」


まき「……いいの?」グスッ


お爺さん「ああ、思う存分やりな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ダンッ!


グルグルグルグル




真姫「」キッ


真姫【ファイア・トルネード!】ドキュッ!!


ゴォォォォオォォアアァァ!!!!!


ツバサ「……へぇ」







GK「……!」バッ


ドシュウウウゥゥゥゥ………!!!!!!











角間「決まったーー!!絢瀬と助っ人西木野による連携シュートで一点をもぎ取りました!!これで試合はどう動くのでしょうか!!」




「「「「「やったぁぁぁぁぁ!!!」」」」」




穂乃果「すごかったよ凛ちゃん絵里先輩!西木野さん!!」


ことり「うん!凛ちゃんかわいい!」


海未「よくぞ取ってくれました……!!」


希「氷の女王復活やね」


絵里「ちょっ……やめなさいよ!」


花陽「凛ちゃん……」


凛「なんだかスッキリしたにゃ」エヘヘ


真姫「……」


にこ「何辛気臭い顔してんのよ」


真姫「!?べ、別にしてないけど!!」


にこ「………やるじゃない」バシッ


真姫「……」クルクル







プルルルルル



ツバサ「…はい、はい、……承知しました」パタン


ツバサ「音の木坂の皆さん」


ツバサ「今日は帰ります、それでは」ペコッ


ザッザッザッ








海未「ちょ、ちょっと!!」


穂乃果「なんだか嵐のような試合だったね」


ことり「これって結局どうなるの?」


角間「こ、これはぁ!!!A-RISEが棄権したことにより……音の木坂の勝利となります!!!」


凛「やったぁ!凛たちの勝ちー!」ピョンピョン


花陽「勝ったって言えるのかなぁこれ……」


真姫「……じゃあ、私は帰ります」スタスタ


にこ「あ……ま、真姫!!」


真姫「……」ピタッ


にこ「えと……その……」


にこ「明日も来なさいよ!」


真姫「……!」


真姫「……」ペコッ スタスタスタ


絵里「ふーっ……なんとか終わったわね」


絵里「ね、のぞ……」


ドサッ


絵里「の、希?」



絵里「……ねえ、どうしたの希!!」


海未「そういえば希は1人だけ技を受けていましたし……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あんじゅ【ジャッジスルー!】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ことり「そのダメージが今…….」


凛「そ……そんな……!!」


凛「おっぱいは……….」ガクッ


にこ「……万能ではない……」ガクッ


花陽「2人ともふざけてる場合じゃないよぉ!!」


希「や……く……たぃ……」


絵里「なに!?なんて言ってるの!?」


希「焼肉……食べたい……」


「「「「……………」」」」


「……….ぷっ…………」


「「「「あははははははは!!!!!」」」」


絵里「いいわ、着替えた後皆でいきましょう!」


凛「いっくにゃー!」


ことり「かんわいぃ~~!!!」ギュゥゥ!


凛「ぐ、ぐるじぃ……」バタバタ


花陽「凛ちゃん!!凛ちゃぁん!」



ゾロゾロゾロ








にこ「なんでこいつら試合の後にこんなテンションでいられるの?」


海未「皆大きな怪我もなくてよかったです」


海未「……そして何より……」


にこ穂乃果「サッカーを嫌いにならなくてよかった」


穂乃果「だよね」


にこ「でしょ?」


海未「ふふふ、2人にはお見通しでしたか」


にこ「あったりまえでしょ!……ていうか……」


にこ「ちょっとあんたら!こいつ運ぶの手伝いなさいよ!!」


にこ「ただでさえこいつ人より重いもんぶら下げてんだから協力ぐらい……」ワシッ


穂乃果「ワシ?」


にこ「あ…………….」ガタガタガタ


希「そんなこと言うにこっちには……」


「ワシワシMAX~~~!!!」ワシワシワシ!


にこ「いやぁーー!!!!」


海未「ほんと元気ですね」









ヒデコ「……うん、いい感じだね」

フミコ「じゃあ送るね」

ミカ「素直じゃないよね」








凛「焼肉美味しかったにゃー!!」


希「うちも満足満足!」ぽんぽん


にこ「何人前食べたのよってぐらい食べてたからね……」


海未「明日の練習は無しにするので皆さんしっかり休んでくださいね」


「「「「「「はーい!!!」」」」」


にこ(真姫に連絡しておかないとね)




バイバーイ!
サヨーナラ~


ゾロゾロゾロ


希「いやー美味しかったなぁ」テクテク


絵里「満足してくれてよかったわ」テクテク


にこ「太っても知らないわよ?」


希「うち太りにくい体質なんよ」


絵里「まあ栄養の行き先は一目瞭然だからね……」


にこ「うぐぐぐ…….」


希「じゃあうちはこっちやから」ガシッ


希「え、なに?」


絵里「あなたは」


にこ「こっちよ」










希「なになになに怖いって!うちを路地裏に連れ込んでなにする気なん!」


希「同人誌みたいに……同人誌みたいにするつもりなんやろ……!!」


にこ「静かにしなさい!警察来ちゃうでしょうが!!」


絵里「あなたの行き先は薬局よ」


希「……あ」


にこ「気づかないと思ったの?」


絵里「ほかのみんなも気づいてたわよ」


にこ「みんなが使ってってほら」


ジャラジャラ


にこ「どれだけ買う気なのって感じよね」


希「みんな……」







グゥゥゥゥ







「「…………は?」」





希「えへへ……実は痛みであんまりお肉食べれんかったんよね」


希「気抜けたらお腹すいて来ちゃった」


絵里「怖い………初めて食欲で人が怖いと思った……」ブルブルブル


にこ「この世の真理を超えてるわあんた」


希「ついでに夜食も買ってこっかなー」


にこ「はぁ、もういいわ……」


絵里「夜のお店ってドキドキするわね!」


にこ(こいつ、学校で生徒会長してる時と違って……)


希 ソ~


トントン


絵里「なに?」クルッ


絵里「え、誰もいない……!?」ビクッ


絵里「あああああ……!!!希ぃぃ!!」ガタガタ


にこ(……ポンコツ?)








希宅前階段

希「ほんとに皆優しいなぁ……」トントン


希「……」ウルッ


希「あかんあかん!一人になったらすぐ感傷的になる!」ブンブン!


希「えーっと……鍵は…」ガサゴソ


希「あった!」


ガチャン!


希「ん?なにこれ?」ガサッ


希「ドアノブに袋が……」ガサガサ


希「湿布に……塗り薬?」


希「いったい誰が……」カサッ


希「……!紙が入ってる」


[ごめんなさい]


希「………」


希「….まさかね」










にこ「全く……あいつの食欲には呆れさせられるわ……」ガチャッ


にこ「ただいまー……?」


にこ(………何か忘れてる気が……)










翌日


部室前



真姫「……行け…行くのよ西木野真姫……!」ウロウロ


真姫「……!」ピタッ


真姫「……」スゥ ハァ


コンコン


シーン…


真姫「……?」


コンコン!


真姫「……」


ドンドンドン!


真姫「…なるほど」








真姫「誰も居ないじゃない!!」ポツーン










[2.オカルトサッカー]











理事長「突然ですが、再び練習試合を行います」


穂乃果「ほんとですか!?」


理事長「UTX高校に勝ったことでかなり注目されているようですよ」


にこ「正直ありがたいわね」


穂乃果「今度はどこの学校ですか?」


理事長「尾刈斗高校よ」


にこ「お、尾刈斗ぉ!?」


穂乃果「にこ先輩知ってるんですか?」


にこ「あそこはね……」










凛「すぴりちゅあるぱわー?」


希「そうそう」


花陽「そ、それって……」


希「噂では呪いにかかって金縛りにあうとか……….」


絵里ことり花陽「きゃーーー!!!」ガクブル


ことり「……って」


花陽「生徒会長も怖いの苦手なんですね…」


絵里「そ、そんなはずないじゃない!冗談よ、冗談!」


にこ「呪いなんて嘘に決まってんでしょ」


海未「そそそそうですよ!オカルトなんて馬鹿馬鹿しい」ガタガタ


穂乃果「海未ちゃんうるさい」


希「それがあながち嘘でも……」


コンコン


絵里「?誰かしら」











穂乃果「どうぞー!」


???「失礼します……」ガラララ



希「お」


花陽「西木野さん!」


ことり「いらっしゃぁい!」


にこ「………….」ソローリ


真姫「…………矢澤先輩」ギロッ


にこ「ヒィ!!」ビクッ


絵里「……にこ何したの?」


海未「またですか…」ハァ


穂乃果「やっちゃいましたねにこ先輩」


にこ「何よあんたたち!!」クワッ!


真姫「……明日来なさいって言った……」


にこ「……ええそうね……」ダラダラ


真姫「行ったら…誰も居なかった」ポロポロ


にこ「ちょ、ちょっと!?」アタフタ


希「うわーにこっちサイテー」


ことり「罪だね~」


穂乃果「やっちゃいましたねにこ先輩」


にこ「ほんとに何よあんたたち!!」




にこ「た、だいたい、休みって海未が決めたんじゃない!」


にこ「にこは悪くないわ」


海未「あ、ことり新しい髪留め買ったんですね」


ことり「さっすが海未ちゃん、よく気づいたね!」


にこ「海未ぃぃぃ!!!!」









真姫「まだ部員は募集してますか?」


穂乃果「もちろんだよ!」


ことり「入ってくれるの!?」


花陽「西木野さん!」


真姫「う…あ……と….」ビクッ


真姫「しょ、しょうがないから入ってあげるのよ!!勘違いしないで!!」クルクル


希「お手本のようなツンデレ……」


にこ「でもあんた……」


真姫「大丈夫よ………」


真姫「もう解決したわ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試合後



真姫「ただいま」ガチャ


真姫「………~♪」


真姫父「……真姫、こっちにきなさい」


真姫「なに?私やることが……」


真姫父「サッカー……楽しかったか?」


真姫「……え……」ドサッ


真姫父「学校の知り合いに撮ってもらっていた」


真姫「な…は?」


真姫父「…………」


真姫父「続けるのか?」


真姫「………」


真姫「そのつもりよ」


真姫父「……そうか」


真姫「…………」


真姫父「頑張れよ」


真姫「!?」


真姫父「……」ペラッ


真姫「な…反対してたんじゃ…ないの?」


真姫父「……まあ座れ」


ストン



真姫父「どこから話すか……そうだな」


真姫父「私の父……真姫にとってはお爺ちゃんになるか」


真姫パパ「父はサッカーが嫌いだった」


真姫「……!」


真姫父「私の将来の夢はサッカー選手だったが……まあそういうことだ」


真姫「じゃあ……私も?」


真姫父「ああ……父は自分の孫がサッカーをしているのが我慢ならなかったんだろうな」


真姫父「私が弱かったばかりに……真姫にまで迷惑をかけてしまった……」スッ


真姫「パ、パパ!?」


真姫父「すまなかった」


真姫「……」


真姫「あの頃は本当に悲しかったし訳がわからなかった……」


真姫「でも、ある人のおかげでサッカーはできた」


真姫父「……お爺さんか?」


真姫「……!知ってたの?」


真姫「……まさか……パパが?」


真姫父「ああ、私の時も世話になった」


真姫父「真姫の時も電話をしたら、二つ返事でOKしてくれたよ」


真姫「そっか…….そんな昔から」


真姫父「父が死んでも、お前にサッカーやっていいなんて……言えなかった」


真姫父「虫が良すぎると思ってな……」


真姫父「そして……おじいさんも亡くなった時、真姫は遂にサッカーをする場所がなくなった」


真姫「……….」


真姫父「だからまた……サッカーを始めてくれて本当に嬉しい……」グッ


真姫「………!」



真姫父「お前が今日打ったシュートな」


真姫「!……うん!」


真姫父「私よりすごいシュートだったぞ」ポンッ


真姫「……!」パァァ!


真姫父「その調子で頑張れ、真姫」ナデナデ


真姫「うん!パパ!」


真姫ママ コソッ


真姫ママ(よかったわね、真姫ちゃん!!)ダー!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










にこ「……訳は聞かないでいてあげる」


真姫「そうしてくれると助かるわ」


真姫「はいこれ、入部届です」


穂乃果「うん!確かに受け取ったよ!」


ことり「わぁ……!!」


希「これで正部員は八人かぁ」


絵里「だんだんらしくなって来たわね」


真姫「そういえばさっきそこで……えーと」


真姫「この前試合に出てた……ショートカットの……」


花陽「凛ちゃん!!」


真姫「多分その子が入部届持ってグラウンドの周りでウロウロしてたわよ」


花陽「どうしたんだろ……やることがあるから先に行っててって言ったのに……」


ことり「凛ちゃん………サッカー部入らないのかな…….」


希「グラウンドってことは……陸上部?」


穂乃果「……ちょっと穂乃果行ってくる!」ガラッ


海未「あ、穂乃果!!」


絵里「無理やりはダメよー!!」










穂乃果「えーっと……このへんにいるはず……」キョロキョロ

凛「………」ウロウロ

穂乃果「あ、いた!」

穂乃果「おーい!凛ちゃーーん!!」ブンブン

凛「ほ、穂乃果先輩!?」ダッ

穂乃果「ちょ、ちょっと!!なんで逃げるのさ!」ダッ

凛「少し一人にしてください!!」タッタッタッ

穂乃果「入部届けだしてくれたらいいよ!」タッタッタッ

凛「そのことで一人にしてくださいって言ってるんです!」タッタッタッ

穂乃果「なんで!!」タッタッタッ

凛「なんでもです!」タッタッタッ

穂乃果「答えになってないよ!」ダッ

凛「!!」ダッ











河川敷


カァー カァー カァー


凛「……ゴホッ、ゲホォッ!」ゼェゼェ


穂乃果「し…….死ぬ……」ガクガク


凛「まさか……ゴホッ、こんなとこまで来ちゃうなんて……」ドサッ


穂乃果「びっくり……ハァ、だねぇ……」ドサッ


凛「自業……自得ですよ…」フゥ


穂乃果「凛ちゃんは……なんで迷ってるの?」フゥ


凛「!」


凛「……なんでわかったんですか?」


穂乃果「迷ってなかったらあんなとこでウロウロしてないよ」アハハ!


凛「……正直に言うと……」


凛「サッカー……楽しかったんです」


穂乃果「でも自信が持てない?」


凛「…試合で相手を抜いた時……」


凛「サッカーっていう競技への見え方全てが変わりました……」


凛「苦手意識はなくなって、もっとやりたいと思いました」


凛「でも……」


穂乃果「でも?」



凛「今更サッカー始めても……きっとみんなの足を引っ張っちゃう……」


凛「それだけは嫌なんです」グッ


凛「みんな……いい人たちだから」


穂乃果「大丈夫だよ、希ちゃんも初心者だし!」


凛「と、東條先輩は上級生だから……」


穂乃果「……」


凛「………」ムクッ


凛「………」


凛「中学の頃は、高校でも陸上部に入るつもりだったんです」


凛「だから、みんなに迷惑かけるぐらいなら……陸上やろうかなって」


凛「でも…サッカーも諦め切れなくて…」


凛「結果あんなところでぐるぐる回ってた……ってことです」あはは……


穂乃果「………」


凛「……ハァーー」ドサッ


凛「………」


凛「かよちんの付き添いでサッカー部へ行って………少し強引に体験入部して………勝手に自主練して……試合で……」


凛「なんでこうなっちゃったのかな~……」


穂乃果「………」


凛「…….先輩」


穂乃果「………」


穂乃果「なぁに?」


凛「……凛は……」


凛「どうすればいいですか?」


穂乃果「………」




穂乃果「ひとつだけはっきり言わせてもらうね」ムクッ


凛「は、はい……」


穂乃果「凛ちゃんはまだ初心者だし、初めのうちは練習や試合で周りに迷惑かけちゃうかもしれない」


凛「じゃあ……やっぱり陸上部に」


穂乃果「でもそれでいいと思う」


凛「そ、それじゃあダメで……」


穂乃果「……」スクッ


凛「先輩?」


穂乃果「はじめのうちはミスなんて怖がらなくていい、一度も失敗しなくて成功した人なんていないんだから」


凛「でも…」


穂乃果「凛ちゃんがどう思っていようと……」


穂乃果「私たちは凛ちゃんとサッカーがしたいよ」


凛「っ……!」


穂乃果「だから!」むいー


凛「ふぇ、ふぇんふぁい!?」むいー


穂乃果「ここまで言ったんだから」パッ


凛「うぅ……」ヒリヒリ


穂乃果「凛ちゃんの口からも聞きたいな」


穂乃果「凛ちゃん……」スッ


穂乃果「私たちと一緒に、サッカーしませんか?」ニコッ


凛「……」










凛「……やりたい」

穂乃果「……」












凛「不器用だし、サッカー始めたのもついこの間で、走るのだけが取り柄だけど……」

凛「この……」

凛「サッカーを好きだって気持ちは本物だにゃ!」ガバッ!

凛「これからかける迷惑は自分で取り戻すから……」














凛「メンバーの一人にしてください…!!」バッ







穂乃果「……」ニコッ

穂乃果「喜んで!」ガシッ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「体験入部に来ましたー!!」ガラッ


花陽「凛ちゃんノック……」





穂乃果「いらっしゃーい!」


ことり「お菓子あるよ~!」


海未「餌付けしない」


希「にこっちと凛ちゃんどっちが……」


にこ「どこの話ししてるのよ!」


絵理「大丈夫、凛にはまだ成長期が残ってる」


にこ「だからどこ見て言ってんのよ!!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



凛(……なんだかすごく恥ずかしいことしてる気分……)









子供「ままーあれー」


母親「これぞ青春ね!」ポロポロ


子供「うわぁ……」










次の日 休日練習日



穂乃果「というわけで!」


凛「新入部員の星空凛です!!」


花陽「凛ちゃあぁぁ!!!!」ダキッ


凛「うぐっ……!」


真姫「吹っ切れたみたいね」


凛「えへへ、西木野さんも入ったんだね」


真姫「まあね」


絵里「凛……」ホッ


希「いやー、凛ちゃんが入らんかったらどうしよってにこっちがうるさくてうるさくて」


にこ「なにでっち上げてんのよ!」


凛「え……入らない方が……良かったですか……?」シュン


にこ「ち、ちが……!………もー!」


にこ「………入らないんじゃないかって心配だったのよ………入ってくれて嬉しいわ」


希「ヒューヒューにこっち男らしー」


ことり「にこ先輩も大概ツンデレだよね」


海未「全くです」


にこ「あんたらそういうこと言うのやめなさいよ!」


にこ「特に希ぃ!!」ダッ


ヤメテー! マテー! チョットシズカニシテクダサイ!








凛「えへへ……!」

凛(やっぱりこの部活でよかったにゃ!)









真姫「そういえばこの間部室のドアノブにこんなものがかかったんですけど」ガサッ


希「!!」


希(家にかかってたのと同じ袋…!)


絵里「薬局の袋ね…」


にこ「中身はなんなの?」


海未「これは…!」


ことり「消毒液に湿布、塗り薬に絆創膏」


花陽「それも全部一回り高いやつですね……」


穂乃果「いったい誰がこんなもの……」


希「あ…あんな…」


海未「まあ誰かはわかりませんがくれると言うのならありがたく頂戴しましょう」


ことり「うん!この前の試合でいっぱい怪我しちゃったから…」


にこ「次戦うときはめっためたにしてやるんだから!」


花陽「い、いいのかな……」


凛「いいんじゃないかにゃ?」


希「……皆ちょっといい?」




海未「どうしたのですか?」


希「これ…」ガサッ


花陽「これ…!」


ことり「同じ薬局の袋だね…」


にこ「なーんだ、あんたが買ったやつだったの?」


絵里「それならそうと言ってくれればよかったのに」


希「違うんよ、これ家のドアノブにかかってて……」ガサガサ


希「これ見て」スッ


穂乃果「どれどれ?」


凛「ごめんなさい?」


にこ「…どういうこと?」


ことり「これが希先輩の家にあったってことは……」


絵里「希に対する謝罪ってこと?」


海未「そして部にも置いてあるということは……思い当たるのは一つだけですね」


花陽「A-RISE……」


にこ「……な訳ないじゃない」


にこ「あいつらは私たちを潰しにかかったのよ?」


にこ「希なんて技まで食らったんだから」


凛「!だから東條先輩へは家にまで…」


「「「「…………」」」」」


穂乃果「穂乃果は信じるよ」


にこ「はぁ!?」


穂乃果「あの人のシュート受けたからわかるんだ!」


穂乃果「芯が通ってて、まっすぐで綺麗なボールだった」


穂乃果「きっと何か事情があったんだよ」


にこ「あんた……」




希「うちも信じるよ!」


ことり「希先輩……」


花陽「わ、わたしも!」


花陽「私は……ずっとファンだったから」


花陽「信じたい!……です」


凛「凛も凛も!」


海未「この文字に嘘があるとは思えません」


海未「わたしも信じましょう」


ことり「ことりも!」


絵里「まったく……いいわ、わたしも信じる」


にこ「……何よ、これじゃあにこが悪者みたいじゃない」


希「にこっちはいつだってヒールがお似合いやけどね」


にこ「なんですって!!」


にこ「……はぁ、いいわ、にこも信じる」


にこ「……ファンだしね」チラッ


花陽「……!はい!」コクコク


穂乃果「次会ったとき本当のことを聞いてみよう!」


海未「そうですね」


凛「少し怖いにゃ…」


花陽「うん……」


希「大丈夫、いざという時は助けに入るよ」


絵里「ええ!」


希「にこっちが」


にこ「なんでよ!!」


希「え、助けへんの?」


にこ「ああもうめんどくさい!!」










絵里「あ、そうだ」


「「「「?」」」」


絵里「……ね、希」


希「ん?………ああ~」


穂乃果「どうしたの?」


絵里「えぇーっと……….その…」


絵里「……にこ!」


にこ「はぁ…….」


にこ「話変わるけど、練習で私たちに気使ってるやついるでしょ」


ことり花陽穂乃果 ギクッ


にこ「あんたは違うわよ穂乃果ぁ!!」


穂乃果「えへ」


絵里「これが試合だったら重大なミスになりかねない」


希「そこで!」バンッ


「「「三年生先輩禁止令を出します!!」」」


海未「先輩禁止令……ですか?」


にこ「ええそうよ、私たちに敬語もいらないし呼び捨てでいいわ」


にこ「さあ花陽、呼んでみなさい」


花陽「え?え?」


にこ「せーの!」


花陽「に、にこちゃん!」


にこ「ワンモアセイ!」


花陽「にこちゃぁん!!」


にこ「よろしい」


凛「めちゃめちゃ強引だにゃー」


穂乃果「それならにこちゃん!」




にこ「なによ」


穂乃果「」コク


ことり海未「」コクリ


穂乃果「ここに!」バン!


ことり「二年生も!」ババン!


海未「先輩禁止令を立てます!!」バババン!


絵里「じゃあもうみんな先輩なしってことね」


希「ゆっくりでええからね」


穂乃果「ぅ……ぅ絵理ちゃん!」


絵里「な、なに?穂乃果」ビクゥッ


穂乃果「えへへ、呼んでみただけ!」ニヘラァ


絵里「ねえ希、この子持って帰っていいかしら」


希「落ち着いて」


絵理「大丈夫、ちゃんと育てる」


希「サイコパスやん」




花陽「こ、ことりちゃん!」


ことり「はい♪」


凛「海未ちゃん!」


海未「はい!」


真姫「…………」


にこ「あっれ~?真姫は恥ずかしいのかな~?」


希「さあさあ呼んでみ?」


絵里「うわぁ……」


ことり「親戚のおじさんで似た人いたなぁ」


凛「お酒飲むとあんな感じになるよね」


真姫「えと……その……」


真姫「希………にこ、ちゃん……」


にこ「ちょっとぉ!!なんでにこだけちゃん付けなの!?」


希「まあ見てみ、真姫ちゃんの耳」


にこ「耳?」


真姫「……」真っ赤っか


にこ「はっは~ん!」


にこ「真姫ってば恥ずかしかったんだ~」


にこ「ごめんね~?」


にこ「にこってば全然気づかブヘェ!!」ドサッ


にこ「みぞおち……」ガクッ


希「これはにこっちが悪い」












穂乃果「そういえばこの前の試合前のにこちゃん、あれなんだったの?」


にこ「あれ?」


穂乃果「にっこにっこにー!」


穂乃果「ってやつ」


花陽「私も気になりました!」


海未「あれ、なんの意味があるんですか?」


にこ「あーあれは……」


希「にこっちの夢はアイドルなんよ」


絵里「アイドル!?」


凛「確かに一部の層に受けそうだにゃ」


ことり「凛ちゃ~ん!お口チャック♪」


真姫「で、考えついたのが……」


穂乃果「穂乃果もう一回見たい!!」


にこ「…しょうがないわね~!」


にこ「いくわよ?」スゥ









にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこ~!」


にこ「にこにーって覚えてラブニコ!!」


穂乃果「おお……」


海未「……これは……」


ことり「すごい……」


希「にこっちメンタル強いなぁ」


絵里「……ハラショー……」


花陽「フムフム」カキカキ サッカーニハコウイウコトモヒツヨウ


凛「ちょっと寒くないかにゃ?」


真姫「気持ち悪い」ズバッ


にこ「ちょっと後半二人!!」


穂乃果「それって誰が考えたの?」


にこ「ちっちゃい時からパ…お父さんに教えられてきたのよ」


にこ「『笑顔の魔法だ!』ってね」


海未「素敵なお父様ですね」


にこ「ええ……いいお父さんだったわ」


希「!」




ことり「あ……あー!ことりクッキー焼いてきたんだけど食べる?」


穂乃果「食べる食べる!」


凛「やったにゃー!」


にこ「……!」


ことり パチッ


にこ(ありがと…)スッ


海未「……」


海未「って穂乃果!みんなの分も食べてはいけません!」


穂乃果「ふぇ?」モゴモゴ


にこ「あー!私も食べようと思ってたのにぃ!!」


希(ふふ……)


希「うちも入れてー!」


希「ってもうない!!」ガーン







真姫ちゃんの素朴な疑問



真姫「……………おかしい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「真姫ちゃん!ピアノ聴きに来たよー!」


ことり「真姫ちゃんおかし持って来たよぉ~♪」


海未「真姫、新しい練習メニューの件ですが…」


希「真姫ちゃんは可愛いな~」なでなで


絵里「真姫、イクラってロシア語なのよ」


にこ「真姫~、喉乾いた~」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


真姫「…………」







お昼休み



凛「かよちんほっぺにご飯粒ついてる」


花陽「あ、ほんとだ。ありがと凛ちゃん!」


真姫「………」モキュモキュ


花陽「西木野さん、そのお米食べていい?」


凛「西木野さん!トマトあげる!」


真姫「…………….」ゴックン









真姫「なんでよ!?」


花陽「ごめんなさい!!」


凛「トマトの気分じゃなかった?」


真姫「いや、トマトはもらうわ…」


凛「えへへ、あーん」


真姫「あー……」パクっ


真姫「………!」モキュッモキュッ


真姫「………」ゴックン


真姫「……….美味しい」


凛「それ田舎のおばあちゃんから送られて来たんだ!」


真姫「ああ、どうりで………」


花陽「凛ちゃん家の野菜とっても美味しいんだよ!」


真姫「へー」


真姫「………」


真姫「じゃなくて!!」


真姫「その………」




真姫「……わたしは名前で呼んでくれないの?」


花陽「えっと……私たちも思ってたんだけどね」


凛「タイミング逃しちゃったなーって………」


真姫「じゃあ今から……!」


凛「えー、でも凛たち~……恥ずかしいなー」チラッ


花陽「!わ、わたしもー……!」


真姫「し、白々しい!!」


凛「ああ…!!恥ずかしい!」バッ


花陽「は、恥ずかしいー」バッ


真姫「~~~!!わかったわよ!」


真姫「……………」スゥ ハァ


真姫「…………」


真姫「り、凛……花、陽?//////」カァァァ


「「……」」


真姫「ちょ、ちょっと!なにか……」


凛「真姫ちゃんかんわいいにゃ~!!」ダキッ


花陽「ごめんねぇぇ!!可愛いよぉ真姫ちゃん!」ダキッ


真姫「ヴェェェェ!!!!抱きつかないで!」


凛「そんなこと言いつつ顔はニッコニコだにゃ」


花陽「ピュアだね」


真姫「もう勘弁してぇ!」




ついに下された廃校宣言







花陽「た、たいへんですぅ~!!」ガラッ


にこ「廃校になるかもしれないわ!!」


凛「後輩がいないなんてやだにゃー!!」


真姫「静かでいいじゃない」クルクル


凛「真姫ちゃんは黙ってるにゃー!」わしゃわしゃ


真姫「うぇぇぇぇ……!?」ボサァ


にこ「ちょっとみんな聞いてる……の」










穂乃果「美味しい~!」ハグハグ


ことり「今回のマカロンは自信作なんだぁ~!」


海未「穂乃果、そんなに食べるまたお腹が痛くなりますよ」


海未「練習前なのですからほどほどにしてください」


希「まあまあ海未ちゃん、美味しいものは食べたい時に食べるのが一番よ?」パクッ


絵里「そのとうりよ」サクッ


絵里「ハラショー!美味しいわ!」


ことり「えへへ、ありがとう!」


にこ「待て待て待てー!!!」バンッ!


フワッ


ことり「マ、マカロンが……!!」





シュバッ サササッ


トットットットットッ


凛「…っふー、危なかったにゃー」


ことり「ありがとぉ凛ちゃん!」ギュッ


凛「お…落ちる…!マカロン落ちる……!」プルプル


穂乃果「もーにこちゃん!せっかくのマカロンが台無しになるところだったよ!」


希「そーだそーだ!」


にこ「ご、ごめんなさい……」


にこ「………」


にこ「いやいやおかしいにこは悪くない!」


絵里「今日のにこは怒りっぽいわね……」


絵里「カルシウムとったほうがいいわよ、イチゴミルクいる?」スッ


にこ「あ、ありがと」ジュー……


にこ「じゃなくて!!」ベシッ


絵里「私のイチゴミルク!!」




にこ「あんたらどうしてそんなに……」


海未「に……」


にこ「入ってくんじゃないわよ!!話を進めたいの!!」


海未「ご、ごめんなさい……」ビクッ


海未「わ……私は、説明を……しようと」ウルウル


にこ「あ……ご、ごめん海未、ついカッとなっちゃって」


海未「は、はい……」グスッ


希「なーかしたーなーかしたー!」


凛「せーんせーにー言ったーろー」


にこ「……」イラァ


ドゴォ!!


希凛「おぶち…!!」











にこ「つまりみんな知ってたのね」


花陽「これが生徒会長の権力……!」


絵里「た、たまたま聞いちゃっただけよ!!」


凛「これを手中に収めたのは大きいにゃ」


希「せめていないとこで言おうね凛ちゃん」


穂乃果「凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃんのためにも、廃校を阻止するぞー!!」


一同「おーー!!」











角間「さぁーーて!やってまいりました練習試合!今日の相手は尾刈斗高校だぁ!!!」



角間「この試合の実況も、角間、角間がお送りいたしまぁぁぁぁす!!!!」



角間「両者整列完了しました!!」






ヒデコ「フミコ変わろっか?」


フミコ「まだちょっとしんどいかな……絶対勝って来てよ!」


ミカ「フミコの分も頑張るよ!」


ヒデコ「うん!」


花陽「こわいよぉ…….」ブルブル


海未「花陽、相手がなにをしてきても同じ高校生です」


海未「心配することはありません」


穂乃果「物陰から出てきてくれたらもっと説得力あるんだけどね海未ちゃん」


花陽「海未ちゃん整列だよぉ!!」


凛「希ちゃんのスピリチュアルパワーで倒せないの?」


希「うちのパワーはそこまで万能じゃないからなぁ」


にこ「にこにーパワーでイチコロにこ!」


凛「ちょっと寒くないかにゃー?」


にこ「ぬわぁんですってぇ!?」


ことり「三人とも、サッカーの話だよね!?」


絵里「あら?真姫、緊張してるの?」


真姫「まさか……いや、少ししてるわね」


絵里「フフフ、この試合も期待してるわよ」スッ


真姫「そっちもね」スッ


パチン!









幽谷「あれが西木野と絢瀬か」


地木流「あの二人以外は雑魚ですよ」






穂乃果「今日はよろしくお願いします!」


地木流「………ああ~、西木野さんと絢瀬さんによろしくとお伝えください」


花陽「ムゥ……」


海未「……ちょっと聞き捨てなりませんね」


凛「凛たちもいるにゃー!」


地木流「他のザコはせいぜい二人の邪魔をしないようにしてくださいね」


真姫「………ッチ」


絵里「感じ悪いわね」


ことり「おやつにしてやる…….」


穂乃果「ちゅんちゅん!」


海未「悪ノリしない」


にこ「ちょっとみんな~?顔が怖いにこ~」


にこ「…………」










にこ「ぶっ潰すわよ!!!!!」


「「「「「おーーーー!!!」」」」」


希(アイドルがしてはいけない顔をしているので自主規制)ピーーーーーーー





FW
絵里、真姫


MF
希、海未、ことり、にこ


DF
ヒデコ、ミカ、凛、花陽


GK
穂乃果





ピーーーーーーーーーーーーーーー

角間「さぁ!試合開始のホイッスル!!」




幽谷「いくぞ!」ドッ


黒上「おう!」トッ


黒上「どけどけー!」タッタッタッ


角間「黒上ドリブルで上がっていくー!!!」


海未「させません!」バッ


黒上「木乃伊!」ドッ


木乃伊「……」トッ


角間「尾刈斗木乃伊に綺麗なパスが通った!!顔に包帯でぐるぐるですが怪我ではないとのことですのでご安心を!!」


穂乃果「花陽ちゃん!凛ちゃん!マークついて!」


凛「まかせるにゃ!」タッタッタッ


花陽「…………」


角間「おおーっとこれはどうした!?小泉が全く動かなぁぁい!!!」


ことり「花陽ちゃんどうしたの!?」


花陽「………です」


穂乃果「え?」


木乃伊「甘い」バッ


凛「にゃ!?」


幽谷「素人に止められるかよ!」


角間「木乃伊抜けたーー!!音の木坂ピーーンチ!!」


花陽「…………」カタカタ


花陽「あの人………怖……いんです」カタカタ


凛「かよちん……」


にこ「……まあ……」


希「包帯でグルグル巻きの人間が走って来たらなぁ……」







木乃伊「………」ドッ


黒上「いくぜ!!」トッ


ヒデコミカ「気をつけて!!」






黒上「いっけぇぇぇぇ!!!」


黒上【ファントムシュート!】


ドキュゥゥゥ!!









穂乃果「負けないよ!」


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドゴォォォォオォォ!!!!!








シュルルルル………!


穂乃果「……よし!」


黒上「な、なに!?」


海未「……?」


ことり「やったぁ穂乃果ちゃん!」


花陽「あれ【マジン・ザ・ハンド】って名前になったんだ」


凛「かっこいいにゃ~!」


ヒデコ「穂乃果!矢澤先輩フリーだよ!」


にこ「よこしなさい!」


穂乃果「………」


ドッ!!


花陽「……へ!?」パシッ


にこ「…なっ」


ミカ「ちょ、穂乃果!なんで先輩に渡さないのさ!」


穂乃果「花陽ちゃん!」


花陽「は、はい!」


穂乃果「大丈夫、怖くないよ!」


花陽「え、え?でも……」


凛「かよちんかよちん……」コソッ


花陽「………ん?」


凛「海未ちゃんより怖いものってある?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未「花陽!こんなところで弱音を吐いていたら日が暮れてしまいますよ!」


花陽「で、でもぉ………」


海未「まだまだ先は長いんですから、急ぎますよ!」


花陽「流石に………」


花陽「………」スゥッ


花陽「流石に富士山なんて無理だよぉ~!!!!」ダレカタスケテー!


海未「今日中に登り切ります!」


海未「山頂アタックです!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽「……あ、あぁぁぁ………!!」ガクガク


絵里「?どうしたのかしら」


真姫「さあ」









幽谷「DFにパスするなんてな、奪っちまえ!」


木乃伊「…………」ダッ


ことり「花陽ちゃん!来てるよ!」


花陽「う…うぅ海未ちゃん……より…怖いものなんて………」


花陽「ない!!!」ザッ ザザザッ ダッ


木乃伊「……!」ガクッ


角間「小泉が木乃伊を華麗なドリブルで抜いたぁぁぁ!!!!」


海未「いいですよ花陽!」


花陽「海未ちゃんのおかげだよ!」ドッ


海未「?それは…….どういたしまして…….?」


希「ほっ」トッ


角間「ボールは東條へと移った!!攻撃の起点になるのかぁ!?」


希(誰にパスしよかな…)チラッ


真姫「………」タッタッタッ


鉈「!西木野をマークしろ!」


希「……ふふ」タッタッタッ


希「エリチのマーク甘すぎやん?」ドッ


鉈「…….なに…!」








絵里「吹き荒れろ……」

パキパキパキパキ











絵里【エターナルブリザード!】


ドキュゥゥゥ!!!!!!






鉈「っく!!」バッ



ドシュゥゥゥゥ……!!!!!



角間「ゴーーーール!!!先取点は音の木坂です!尾刈斗鉈は反応しきれなかったぁ!!!」



絵里「……ふぅ」


真姫「やるじゃない」スッ


絵里「どういたしまして」パチン


凛「見かけほど大したことないないにゃー!」


海未「油断は禁物ですよ」









尾刈斗0-1音の木坂


ピーーーーーーー


ドッ


角間「さあ尾刈斗ボール!ここからどう攻めていくか!」



にこ「はぁ!!」ガッ!


円谷「しまった!」


角田「これは矢澤!すぐさまスライディングでボールを奪い取ったぁ!!」


にこ「絵里!」ドッ


絵里「ええ!」トッ


幽谷「ディフェンス!!」










絵里「吹き荒れろ……」

パキパキパキパキ



不乱「……!」バッ




絵里「………」ニッ


絵理「真姫!」ドォッ!






真姫「ナイスパス!」トッ



角間「ま、まさかー!?絢瀬のシュートを囮に使ったぁ!!!!!敵を引きつけ手薄になった西木野にパスがとおったぁ!!!」


凛「いけー!真姫ちゃーん!」


にこ「二点目いただきよ!」






鉈「次は入れさせん」ユラユラユラ



真姫「……?」


希「!!真姫ちゃんあかん!」


真姫「…………!」





真姫「ふっ!」ダンッ!


グルグルグルグル





真姫「……うっ………?」




真姫「………」キッ


真姫【ファイアトルネード!】


ドキュゥゥゥ!





鉈【歪む空間】ユラユラユラ


シュルルルルルル ポスッ


角間「と、止めたぁ!!!!尾刈斗鉈今度はしっかりボールをキャッチィ!!」




真姫「なっ!?」スタッ


絵里「そんな…」


花陽「真姫ちゃんのファイアトルネードが…」


希「………やっぱり」


ことり「希ちゃん何か知ってるの?」


希「いや、何か嫌な予感がしただけ」


希「でもあれどこかで……」


にこ「もったいぶらずに教えなさいよ!」


希「いやいやほんまに思い出せんねんって!」


凛「だいじょーぶ!多分まぐれだにゃ!」


にこ「そう、たまたまよ、たまたま」


希「…………」


にこ「……」ハァ


にこ「気ぃ引き締めていくわよ!!」


「「「「おー!」」」」」







絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!






鉈【歪む空間】ユラユラ


ヒュルルルル…… ポスッ


絵里「どうして……!」


凛「さっきは決まってたのに……」


にこ「ここからが本番ってわけね……!!」









地木流「まったく………」バサッ


地木流「調子に乗ってんじゃねえぞザコども!!」







ことり「ヒッ!!」


花陽「きゅ、急に怒鳴らないでくださいぃ……」






地木流「マーレーマーレーマレトマレ、マーレーマーレーマレトマレ…….!」




凛「な、なにあれ?」


真姫「もしかすると………呪いかもね」


絵里「いやぁぁ!!」


希「……?」






穂乃果「みんな来てるよ!」


角間「これは尾刈斗高校、五人で並んで敵陣へ突っ込んでいく!!ボールを持っているのはセンターの幽谷だぁ!!」


にこ「センター……」ピクッ


ことり「行かせない!」


にこ「止めるわよ!」




ぐにゃぁぁん………





ことり「あ、あれ?」ゴシゴシ


にこ「…!?」ゴシゴシ


角間「これは尾刈斗高校!巧みなフォーメーションチェンジで敵を惑わしていくー!!」



ぐにゃぁぁん……



にこ「いや……これフォーメーションチェンジってレベルじゃ……」


ことり「顔がぐにゃ~んってなって……誰が誰だか……」



穂乃果「にこちゃんは包帯の子、ことりちゃんは向こうのキャプテンをマークして!!」


にこ「え、ええ!」バッ


ことり「任せて!」バッ






ヒデコ「な……にこ先輩!?」


ミカ「ことりちゃん違う!!」








にこ「ちょ……!!」ザッ


凛「にゃ!?」ザッ


にこ「なんで……」






ことり「あれ?」ザッ


花陽「ヒィ!!」ザッ


ことり「どういうこと……?」


角間「どうした音の木坂!!仲間同士でマークしあってしまったぁぁ!!」


角間「この隙に尾刈斗高校どんどん上がっていく!!!」







希「……」タッタッタッ


幽谷「これで終わりじゃないぜ」


地木流「マーレーマーレーマレトマレ……見せてやれ!お前たちの力を!!」





幽谷【ゴーストロック!】








ブワァァァァァァ!!!







凛「……ん!?」グッグッ


絵理「ひぃぃ!!!動かないぃぃ!!!」グッ


海未「そんなバカな……」グッグッ


にこ「ちょっと!離しなさいよ!!」グッグッ


ことり「誰も掴んでないよぉ~……」


花陽「す、すぴりちゅある……」






穂乃果「ま、まずいよ……」グッグッ


幽谷「あははっ!」ドキュ!!






穂乃果「っく……」


ドシュゥゥゥ!





角間「決まったぁぁ!!音の木坂動かない!!いや、動けない!!!」



角間「これが尾刈斗高校の必殺タクティクス!!」


角間「ゴーストロックだぁ!!」


花陽「必殺タクティクス……!」


にこ「こんなもので私たちが……」






幽谷【ゴーストロック!】






ドシュゥゥゥ!!


ピーーーーーーー



角間「ここで前半終了のホイッスルゥゥゥゥ!!!!音の木坂まったく動けず二点を失いました!後半は逆転なるかぁ!?」










部室


ガンッ!!




にこ「なによあれ!イカサマじゃない!!」


真姫「そんなに怒ってもしょうがないじゃない」


にこ「は!?あんたは悔しくないの!?」


真姫「問題はどういうタネなのか…でしょ?」


花陽「まさか、本当に呪いとか…….」


海未「そ、そんなの非常識です!!」


穂乃果「そうだよ!絶対タネがあるよ!」


絵里「そ、そうよ!呪いなんてバカバカし……」


凛「あ!絵理ちゃんの後ろに何かいる!」


絵里「いやぁぁ!!!希ぃぃ!!」ガシッ


希「オブゥ……!!」ポキッ


穂乃果「希ちゃぁぁん!!」


凛「嘘!嘘だから!!落ち着いて!」アワアワ


にこ「凛ンンンン!!」グワッ


凛「ごめんなさいぃ!!」


絵里「だ、大丈夫……?」パッ


希「……………」


絵里「希?」


希「……あ!ごめん、考え事してた………」


絵理「?」










尾刈斗2-1音の木坂


ピーーーーーーー


角間「さーて、後半開始しました!!音の木坂はこの現状を打開できるのかぁ!?」



地木流「後半も同じだぁ!!」


地木流「マーレーマーレーマレトマレ……」


絵里「もう嫌ぁ!!」パッ


にこ「ちょ、ちょっと絵里!」


角間「これは絢瀬!!耳を塞いでしまったぁぁ!!こんなことで試合はできるのかぁ!?」


幽谷「そんな状態のやつなんかに取られるほどトロくねぇよ!!」ダッ


絵里「あぁ…!」ガクッ



幽谷「いくぞ!」





幽谷【ゴーストロック!】





ブワァァァァァァ!!!










にこ「う、ごけない……」グッグッ


希「なんで……!!」グッ


花陽「うごいて、動いてぇ……!!」グイグイ


凛「本当にタネなんてあるのかにゃ…?」グッ


ことり「ふぇぇ……今日いいとこなしだよぉ~……」グッグッ


海未「くっ……!!まだ日頃の鍛錬が足りないと言うのですか……!!」グッグッ


穂乃果「穂乃果が止まっちゃったら本当にまずいよ!!」グイグイ











絵里「隙あり!」ダッ


幽谷「なに!?」










「……………」


「「「「「「え?」」」」」」」








角間「こ、これはぁ!!絢瀬がゴーストロックの呪縛から逃れていたぁ!!いったいどうしたのでしょうか!!」


真姫「あ、動ける」


ことり「どうして絵里ちゃんだけ無事だったんだろ……」


海未「一番怖がっていたはずでしたけど……」


にこ「そうよ!さっきだって耳塞いで縮こまってたくせに……」チェッ


凛「にこちゃんいいとこ持っていかれて拗ねてるにゃ~」


花陽「り、凛ちゃん!」アワワ


にこ「拗ねてないわよ!」


希「…………」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地木流「マーレーマーレーマレトマレ……」





角間「これは巧みなフォーメーションチェンジでかわしていく!!」





絵理「もういやあ!!」ガバッ


角間「おーっと!耳を塞いで縮こまってしまったぁ!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




!!!









希「………そうか!!」タッタッタッ


にこ「何かわかったの?」タッタッタッ


希「とりあえず走りながら……」








にこ「……なるほど…」


希「……頼める?」


にこ「あったりまえじゃない、にこを誰だと思ってるの?」











角間「ああーーっと!絢瀬自分で上がっていったがボールを奪われてしまったぁぁ!!」


絵里「だって誰も来てくれないんだもの!!」


幽谷「まぐれは2度は続かない!」


幽谷【ゴーストロック!】






ブワァァァァァァ!!!







花陽「ぬぐぐぐ………」


ことり「え、絵里ちゃんなら……!」チラッ











絵理「エリチカお家帰るぅぅ………」グスッ


ことり花陽「かかってるんかい!!」ビシッ!





角間「今度は全員がかかってしまったぁ!!このままリードを広げられてしまうのかぁ!?」






幽谷「だからまぐれと言ったろ」スタスタ


穂乃果「ふん!ふん!」グイグイ







幽谷「くらえ!」


幽谷【ファントム………






希「にこっち今や!!」


にこ「………」スゥ










にこ「にっこにっこぬぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」






ビリビリビリ









幽谷【…………シュート!】


ドキュゥゥゥ!!!



穂乃果「う、動ける!」パッ




穂乃果「とりゃ!」バシィ!










穂乃果「よし!」





角間「と、とぉめたぁぁぁぁ!!!!!なんと高坂、寸前でゴーストロックを破りシュートを受け止めたぁ!!」



花陽「やったね穂乃果ちゃん!」


凛「にこちゃん、いくら目立ちたいからってあれは………」


にこ「な、なによ!にこが破ったんだから!!」


にこ「もっと感謝しなさい!!」


ことり「にこちゃんが破った?」


海未「さっき叫んでいたのがそれですか?」


にこ「そうよ!」


にこ「詳しいことは………希に聞いてちょうだい」


希「にこっち…………」ハァ


希「要するにな、あれは催眠術やったんよ」


真姫「催眠術?」


希「相手の監督がブツブツ言ってるのと敵の巧みなフォーメーションチェンジ」


希「これらが合わさって目と耳がごちゃごちゃになったってわけ」


海未「なるほど」


絵里「だから耳塞いでた時効かなかったのね」


凛「凛は今ので頭ぐちゃぐちゃだにゃ~……」


花陽「凛ちゃん……」


穂乃果「さすがだね!希ちゃん!」


希「えっへん!」


にこ「ちょっと!破ったのはにこなんだからぁ!!」


穂乃果「うんうんすごいすごい」


にこ「感情を込めなさいよ!!」


希「次も期待してるよ、にこっち」


ことり「タネがわかったからもう怖くないね!」


希「そうやね!」


希「…………でもちょっとおいたが過ぎるかな………」


ことり「え?」


希「なんでもないよ!」







穂乃果「さあ!反撃開始だよ!」ブン!




ヒデコ「ほっ」トッ


ヒデコ「おねがい!」ドッ





ことり「よっと……」トッ


ことり「絵里ちゃん!」ドッ




絵里「ナイスパスよ」トッ


角間「これは鮮やかなパス回し!尾刈斗高校ボールに触れない!」



絵里「……真姫の分まで……決めてやる!」ダッ


真姫「……絵理!!」タッタッタッ


絵里「なに!!」タッタッタッ


真姫「相手の手を見ちゃダメ!」


絵里「手!?」


真姫「あれも催眠術よ!」


絵里「手の動きが催眠術………」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


希「…思い出した!!」


にこ「なにが?」


希「あの手の動き!この前本で見た!」


希「たしか……平衡感覚をなくすとかなんとか……」


ことり「それでシュートの威力を半減させて……」


海未「つまりキャッチ自体は普通ということですね」


にこ「というか普段どんな本読んでんのよ……」


希「今すぐエリチに伝えて!」


真姫「わかった!」ダッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







絵里「手を見ない…手を見ない……」



絵里「吹き荒れろ………」


パキパキパキパキ







鉈「無駄だ」ユラユラユラ


絵里【エターナルブリザード!】


ドキュゥゥゥ!!!!






鉈【歪む空間】ユラユラユラ



鉈「ぐはぁ!!」


ドシュウウウゥゥ………!!!!!




角間「きまったぁぁ!!!鉈の必殺技を破りついに同点へこぎつけたぁ!!!」



尾刈斗2-2音の木坂

ピーーーーーーー





真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!




鉈【歪む空……


鉈「ぐわぁぁぁ!!!」


ドシュウウウゥゥ!!!!!





角間「先ほど止められた西木野もゴールを決めついに逆転しました!!」







地木流「そんな………バカな……」





尾刈斗2-3音の木坂


ピーーーーーーー


地木流「マレトマレ!!!」






幽谷「俺たちが…こんな弱小に……」


幽谷「負けられるか!」ダッ





幽谷【ゴーストロック!】







ブワァァァァァァ!!!



穂乃果「いくよみんな!」


穂乃果「せーの!!」












「「「「「にっこにっこにーー!!!」」」」







パァァァァ!!!!






幽谷「くっ……!!」


幽谷「まだ試合は終わってない!!」ダッ


希「もう終わるよ」


幽谷「チッ……邪魔するな!」ザッ











幽谷【呪い!】




ズズズズ


幽谷「はははは!これでお前は……って……!」


幽谷「なんで俺にかかってるんだ!?」


ズズズズ


幽谷「やめ……やめろ……!!来るんじゃねぇ!!!!」ガタガタ


ズズズズ


幽谷「ひぃぃぃ!!」ドサッ


希「あーあー……」


希「人を呪わば穴二つ」


希「簡単に呪いなんていうもんやないんよ」


希「相手が悪かったね」


幽谷「あ………あぁ……」ガタガタガタ


希「スピリチュアルやん?」





ピッ ピッ ピーーーーーーー!!


角間「ここで試合終了のホイッスル!!!なんと勝利したのは怒涛の追い上げを見せた音の木坂イレブン!!」



角間「実況は角間でお送りしましたぁ!!!!!」








ありがとうございましたぁぁ!!




地木流「そ、それでは失礼して……」そそくさ


凛「べーーーーーだっ!」


真姫「凛ダメ」


にこ「」シュッ


花陽「にこちゃんその手はまずいよぉ!!」










ことり「そういえば希ちゃん」


希「ん?」


ことり「結局最後ってどうなったの?」


凛「そうそう!なんかよくわかんなかったにゃ!」


希「向こうの人がミスしてくれたんよ、ラッキーってやつやね」











絵理「……なんか見てはいけないものを見てしまった気分だわ」


にこ「一番怒らせちゃいけないのはやっぱりあいつだわ……」


花陽「真姫ちゃんよかったね」


穂乃果「よーし!じゃあ今日の試合の打ち上げいこう!」


希「いいねー」


ヒデコ「あ、私たち今日もちょっとやることあるから……」


ミカ「楽しんできてね~!」


穂乃果「今日もかぁー……」


海未「用があるのなら仕方ありません」


ヒデコ「それじゃあバイバイ!」タッタッ


フミコミカ「バイバーイ!」タッタッ


ことり「バイバーイ!」フリフリ


にこ「で、どこにする?」


凛「じゃあいいとこ知ってるにゃ!!」


にこ「へー、なんてとこ?」







凛「雷雷軒!!」










雷雷軒



凛「おっちゃーん!きたよー!」ガラガラ


店長「おお、いらっしゃい」


海未「このお店ですか」


ことり「中思ったより広いね~」


穂乃果「初めてきたよ!」


真姫「そうなの?てっきり何度も来てるかと思ったけど」


穂乃果「これでも穂乃果女子高生だからね!」


穂乃果「学校帰りはクレープなんだ!」


絵里「そんな決まりはないと思うけど……」


にこ「え~?にこー、こんなおじさんっぽいところ入れなーい」


希「穂乃果ちゃーん!にこっち帰るってさ!」


にこ「ちょっと!!冗談に決まってるでしょ!?」


凛「おっちゃん八人いける?」


にこ「冗談っつってんのよ!!」









花陽「は……白米が….!!白米がぁぁ!!!」


花陽「食・べ・放・題!!!」


花陽「幸せです~~!!!!」ハグハグ


ことり「ブ、ブラックホール……」モニュモニュ


希「おっちゃん替え玉もう一丁!」ズルズル


凛「凛もー!」ズズズズ


海未「二人とも食べ過ぎ注意ですよ!」


希「凛二等兵!食べるのもトレーニングだ!」


希「決して手を抜くんじゃないぞ!」ズゾゾゾ!


凛「はっ!!希隊長!」ズルズル!


海未「二人とも!!」


真姫「見てるだけで胸焼けしてくるわ…」パクッ


絵里「そういえば正式な試合に出るには監督がいるのよね?」ズルズル


穂乃果「そうなんだよねぇ…」ハム


穂乃果「新しい必殺技も練習しなきゃなのに……」モキュモキュ


絵里「【マジン・ザ・ハンド】だけじゃダメなの?」フーフー


穂乃果「そんなに世の中甘くないんだよ絵理ちゃん……」ゴックン






店長「…………」



店長「……一人で止めるには限界がある」


絵里穂乃果「え……?」バッ


店長「……」ジュー


絵里「……一人で止めるには…」


穂乃果「限界……」


にこ「……ねえ穂乃果……」


穂乃果「なに?」


にこ「……」ゴニョゴニョ


穂乃果「それちょっと穂乃果も思った」


絵里「なにが?」


穂乃果「店長さん!」ガタッ


店長「……」


穂乃果「私たちの監督になってください!」


真姫「……!?」ブフッ


「「「「はぁぁぁぁぁぁ!!!??」」」」


店長「いいぞ」


「「「「ええええええ!!!!???」」」」


店長「ただし」


穂乃果「………」



店長「俺とのPKで勝ったらだ」


絵里「PKって……」


凛「おっちゃんサッカーできるの!?」


店長「見くびってくれるなよ、凛」


店長「これでも元キーパーだ」


凛「そのお腹ブゥゥ!!」ムググ


花陽「それ以上はいけない」グググ


店長「PKとはいったが俺は蹴るだけだ」


店長「この中でキーパーは誰だ?」


穂乃果「はいはいはい!!!」


店長「やっぱりか」


にこ「ちょっと穂乃果、本当に勝てるの?」


海未「というか、監督はこの方で大丈夫なのですか?」


絵里「多分大丈夫よ」


ことり「何か訳があるの?」


絵里「………勘?」










ズコーーーー!!!!




真姫「こ、これだけことをおおごとにしておいて……勘って……」


にこ(まあ、あの一瞬でアドバイス出せるぐらいだからかなりの経験者だと思うけど)


店長「で、やるのか?やらないのか?」


穂乃果「やります!」


海未「穂乃果…!」


花陽「ほ、本当にいいの?!」


凛「もしおっちゃんが監督になったら練習終わりにタダでラーメン……」ブツブツ


希「凛ちゃんストップストップ!!」


店長「食い終わったらそこのキーパーだけ残ってくれ、詳しい日時を話す」


穂乃果「はい!」


店長「一対一の真剣勝負だ、観客はいらない」


海未「本当に大丈夫なのでしょうか……」


凛「ラーメン……無料……替え玉一丁……」ブツブツ


花陽「お願い凛ちゃん戻ってきてぇ!!」









自宅




穂乃果「今日は勝負の日だからね、いつもと違う服で行こう」


雪穂「ん~アイス美味し♪」テクテク


雪穂「……ん?」チラッ


穂乃果「……うーん?」コレカナ、コレカナ


雪穂「なになに?おねーちゃんデート?」ニヤニヤ


穂乃果「デートよりも大事なことだよ!」


雪穂「……え」ポロっ


ドタドタ!!


オカーサーン!オネーチャンガーー!!!


穂乃果「よし、これで行こう!」


ケッコンスルカモシレナイ!!


アンタナニイッテルノ?










河川敷コート



店長「…やっときたか」


穂乃果「バッチリ勝負服できました!」


店長「他の奴らには言ってないな?」


穂乃果「はい!みんなは今日普通の練習の日です!」


店長「よし、じゃあまず準備運動だ」


店長「それからPK3本勝負だ」


穂乃果「てことは……」


店長「ああ、二本止めればお前の勝ちだ」


穂乃果「………よーし!負けません!」パンッ


店長(キーパーを見ればチームが見える)


店長(見せてみろ、お前たちの力を)












海未「穂乃果はまだ家から出ていません」


ことり「ねえ海未ちゃん……これって」


凛「普通に犯罪だにゃー……」


海未「勝負とあればいつもの練習着で行くはず、発信機を取り付けておいて正解でした」


希「海未ちゃん……エグい…」


絵里「愛がなせる技ね」


にこ「病的すぎるわよ!」










店長「いくぞ」ザッ


穂乃果「はい!」グッ





トッ タッタッタッ


ドキュッ!!


ゴォォォォ!!!











穂乃果「はぁ……!!」バッ


バシィィィ!!!!!


ズズズズ……







穂乃果「す、すごい……」


店長「どうした、もう限界か?」


穂乃果「ま…まだまだ!!」ポイッ







コロコロコロ トッ


店長「………」タッタッタッ








ドキュゥゥゥ!!!!


ゴォォォォオォォ!!!!!







穂乃果「…これ……!!」


穂乃果(さっきより強い……!)


穂乃果「はぁぁ!!」バッ


バシィィィ!!!


穂乃果「……っぐ……!!」グググ……






ギュルルルルル!!! バチィ!


穂乃果「きゃぁ!!」ドサッ








ドシュルルルルル……!


穂乃果(入っちゃった……)


コロコロ……


穂乃果「………」ドッ


店長「なんだ、もう限界か」トッ


穂乃果「まだ……勝負は終わってない!」


店長「……これで一対一だ」


店長「止めてみろ!!」ダッ







ドキュゥゥウウウウ!!!!!







ゴォォォォオォォ!!!!!



穂乃果「今までよりはるかに強い……!」


穂乃果「……でも!」


穂乃果「まだ手はある!」バッ


穂乃果「はぁぁぁ!!!」グッ


穂乃果「………?」


店長(……?)


穂乃果(え、マジンが出ない……)











穂乃果「は、はぁぁぁ!!」


ゴォォォォォオ!!!!









店長「あれは……」


穂乃果(よかったぁぁぁ!!!)






穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドォォォォォォ………!!!









店長「……それが例の……【マジン・ザ・ハンド】か」


穂乃果「えっへへ!止めたよ二本!」


店長「ああ、約束どうりお前たちの監督になろう」


穂乃果「や………やったぁーー!!」












カァー、カァー、カァー





海未「………穂乃果出てきませんね」


海未「みんなも帰ってしまいました……」








ママーヘンナヒトイルー


シッ!ミチャイケマセン!


海未「……穂乃果ぁ………」ポツン










[3、新監督就任!]




店長「今日から監督になった」


監督「よろしく頼む」


「「「「「「お願いしまーす!」」」」」


にこ「よくやったわね穂乃果」


穂乃果「頑張ったよ!」


海未「…いったい……いつのまに…」ブツブツ


ことり「海未ちゃんあれからずっといたんだって………」


花陽「はらしょー……」


凛「海未ちゃんも大概やばいにゃー」


監督「早速だが一回戦目の相手が決まった」


監督「野生高校だ」


にこ「野生高校……」


真姫「知ってるの?」


にこ「一年のとき当たったことがあるわ」


絵理「確か……」


にこ「ええ……もちろん惨敗よ」


ことり「そんなに強いんだ……」


凛「で、でも!こっちには【ファイアトルネード】も【エターナルブリザード】もあるんだよ?」


にこ「まあ最後まで聞きなさい」


にこ「その試合はこっちもそんなに良くなかったのよ」


にこ「チームがあんなんだったからね……」


希「にこっち……」


にこ「でもそれ以上に……」


花陽「恐るべきはあの身体能力です」


絵理「身体能力?」


にこ「さすが花陽ね」


花陽「えへへ」


にこ「奴らは大会屈指の身体能力を持ってる」


花陽「特にすごいのが……」


にこ花陽「「空中戦」」


穂乃果「空中戦………」


にこ「あれをどうにかしないと真姫の【ファイアトルネード】も絵理の【エターナルブリザード】も止められてしまう可能性がある」


ことり「そ、そんな………」


真姫「異論はないわ」


絵理「私も」


凛「じゃ、じゃあどうするの!?」


穂乃果「ならやることは一つ!!」


にこ「新必殺技ね」


穂乃果「そのとうり!」


穂乃果「試合は3日後!」


「がんばるぞーー!!!」


「「「「「「おー!」」」」」」」












凛「にこちゃん今回珍しく真面目だったね」


にこ「はっ倒すわよあんた」











練習後




穂乃果「ん~……どうしよっか」


海未「結局それらしい案は出てきませんでしたね……」


ことり「高ーく飛ぶにも限界があるからね……」


穂乃果「あーあ、ゲームみたいに二段ジャンプができたらなぁ……」


ことり「飛んでる亀さんを踏み台にしたりしてね♪」


海未「何馬鹿なこと言って………」


海未ことり「!!」


穂乃果「あ~!あったねそんなのも!」


穂乃果「……?どうしたの?」


海未「ことり……気づきましたか?」


ことり「……うん」


穂乃果「き、気付いたって何が?」


穂乃果「………もしかして海未ちゃんの分のおやつ食べちゃったこと?」


海未「いえそれではなく……って」


海未「犯人はあなただったんですね!?」


穂乃果「気づいたんじゃないの!?」


穂乃果「騙すなんて最低だよ海未ちゃん!」


海未「なぜ私が怒られなければならないのですか!!」


海未「私が楽しみにしていたほむまんを……」


穂乃果「も、元々は穂乃果の家のお饅頭なんだから!」


海未「いつもあんこは飽きたと言っていたではありませんか!」


穂乃果「お腹すいてたんだからしょうがないじゃん!」



海未「だいたいあなたは………」


ことり「海未ちゃんストップストップ!」


海未「……はっ!そうでした」


穂乃果「もー!結局なんだったのさー!」


海未「………なんでしたっけ?」


ことり「海未ちゃぁ~ん……」








次の日



絵里「二段ジャンプ?」


海未「そうです」


凛「海未ちゃん遂におかしくなっちゃったかにゃー……?」


海未「それでは説明します」ギリギリギリ


凛「にゃぁぁぁぁああ!!」グイィィ!


ことり「図に書いてみるね」キュポッ


海未「お願いします」パッ


凛「い、痛い………」ヒリヒリ


真姫「自業自得ね」


花陽「今回ばかりは……」


凛「かよちんが冷たい…!!」ガーン


希「はーいしっかり聞くんよ」


ことり「ふふ、じゃあ説明するね」


ことり「まず二人で同時に飛びます」キュッ


海未「次に片方がもう一人を踏み台にしてもう一度ジャンプするんです」キュキュッ


にこ「でも踏まれる方痛くない?」


海未「はい、ですから」キュッキュッ


希「なるほど!」


海未「はい、下の人は足を上にして押し上げる形をとります」


ことり「上の人はその足と自分の足を合わせて飛ぶの!」


絵里花陽「………」


穂乃果「つまりね……」


穂乃果「二人の力が合わさってもっと高く飛べるってことだよ!」フンス



絵里「いや、それはわかるんだけど……」


花陽「できるのかなぁ……」


にこ「もしできるとすれば………」


真姫「軽い人が適任なんじゃない?」


にこ「にこは無理よそんなの」


凛「じゃ、じゃあ……!」


海未「上は絵理が適任かと」


凛「………!」


絵里「私?」


海未「はい、絵理のフィジカルならばいけると思います」


穂乃果「絵理ちゃんバランス感覚いいもんね!」


花陽「体も柔らかいし……何かやってたの?」


絵里「バレエをちょっとね……」


穂乃果「……おお…!!なんかカッコいい!!」


凛「その時の動画とかってあったりする?」キラキラ


絵里「……残念ながら消しちゃったの」


真姫「………」


凛「見たかった……」ガクリ


穂乃果「きっと可愛かったんだろうなぁ~!」


海未「話は最後まで聞いてください」


海未「……で、踏み台になるのは……」


希「エリチが上なら下になるのはうちかな?」


海未「さすがですね、お願いします」


穂乃果「二人とも、頑張ってね!」


絵理「ええ、任せて」


希「プレッシャーやなぁ……」


花陽「………?」


花陽「……どうしたの?凛ちゃん」


凛「なにが……?」


花陽「……いや、なんでもない……」


凛「変なかよちんだにゃ~」


穂乃果「早速練習だよ!」








グラウンド


海未「準備はできましたか?」


絵里「ええ」


希「ばっちり!」


海未「ほかのみなさんはトレーニングしていてください」


穂乃果「えー!穂乃果たちも見てたいよぉ~!!」


海未「だだこねない!」


ことり「穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん」コソッ


穂乃果「なに?ことりちゃん」ソッ


ことり「部室にお菓子置いてあるからトレーニングの後で食べよう♪」


穂乃果「おー!さすがことりちゃん!」


ことり「だからトレーニング頑張ろ?」


穂乃果「……もういっそのこと今から部室行っちゃう?」


ことり「それもいいね~!」


穂乃果「よーし!それじゃあ……」


にこ「海未~!!穂乃果がサボろうとしてる~!!」


穂乃果「ちょ、にこちゃん!?」


花陽「そんなこと言ったら……」


真姫「私しーらない」


海未「全部聞こえてるので大丈夫でーす!!」


穂乃果「ことりちゃんが誘惑するからぁーー!!!!」


ことり「えへ」


凛「確信犯だね」







海未「いきますよー!」


絵里「ええ!」


希「よっしゃ!」


海未「それ!」ドッ


希「行くよ!」タッタッタッ


絵里「ええ!」タッタッタッ


希「はぁ!」ダッ


絵里「フッ」ダッ


海未「そこで足を合わせて!!」


スカッ


絵里「あら……?」


希「へ?」


ドシャァ!!


絵里「………い……たた」


絵里「希、大丈……」モニュ…


絵里「ぶ…?」


絵理(落ち着くのよ絢瀬絵理、こんなベタな展開あるわけないじゃない、そう、そうよ、この柔らかいものは希のアレじゃなくてきっと……何か……何か別の……あ、マシュマロみたい………)モニュモニュ


絵里「……」チラッ


希「いやん♪えりちのエッチ」


海未「大丈夫ですか!?」タッタッタッ


絵里「ご、ごごごごごめんなさい!!」パッ


海未「絵里?」


絵里「なによ!!」パッ


海未「か、顔が赤いですよ?」


絵里「わ、私水飲んでくるから!」ダッ


海未「?」


希「エリチおもしろいなぁ」クスクス









花陽「ハァ……ハァ」テクテク


ことり「疲れた~……」テクテク


凛「あれ?真姫ちゃん髪縛ったの?」テクテク


真姫「ええ、走るのに邪魔だから」


凛「似合ってるにゃ~!」


真姫「左右を軽く止めただけだけど」


ことり「かわいいよ真姫ちゃん♪」


花陽「うん!すっごくかわいい!」


真姫「……もう!わかったから!」カァァ!


穂乃果「あ、いたいた」ザッ


穂乃果「そろそろ終わりだよー!」


海未「おや、もうそんな時間でしたか」


絵里「私たちはもう少しやっていくわ」


希「本番まで時間もないしね」


穂乃果「そっか!じゃあ先帰ってるね!」


真姫「ほどほどにしておきなさいよ」


海未「あ、あのー……」


ことり「どうしたの?海未ちゃん」


海未「実は今日この後予定がありまして……」


希「あー……」


絵里「どうしましょう」


花陽「休むことも大事ですよ!」


凛「……」


凛「あ、あの!」


凛「り、凛がお手伝いするにゃ!」


花陽「凛ちゃん!?」


希「ほんまにいいの?」


凛「うん!」


絵里「……じゃあお願いしようかしら!」


真姫「遊んで迷惑かけないようにしなさいよ」


凛「しないよ!!」


ことり「凛ちゃんなに企んでるのかな~?」


絵里「え、そうなの?凛」


希「うちらを利用する気やったんやね……」


凛「なんでそうなるにゃぁ!!」


凛「凛は純粋にお手伝いしようと思ってたのに………」グスッ


絵里「……冗談よ、ありがとう」なでなで


希「ちょっと意地悪しちゃったかな」なでなで


凛「……えへへ」


花陽「凛ちゃん………」


凛「かよちんごめんね、先に帰ってて」


花陽「う、うん…」










凛(もう何回目かもわからないほど失敗してるけど二人は全く諦めようとしなかった)


凛「いっくにゃぁー!」ドッ


絵里「今度こそ!!」タッタッタッ


希「うん!」タッタッタッ


凛「…………」ジーー


希「はぁ!」バッ


絵里「ほっ!」グッ


凛「おお……!!」


グラァ


絵里「……っく!」バッ


希「あわぁ!」ドシャ!


希「いつつ……」


凛「大丈夫?希ちゃん」


絵里「ごめんなさい……!」


希「もー!そんな顔せんといて!」


希「ウチがちゃんと着地できんかっただけやん?」


希「ほら、もう一回やろ!


絵里「……いえ、今日は終わりましょう」


希「せっかく良い感じになってきたのに~…」


絵里「もう暗くてボールもよく見えないし……なにより!」ビシッ


希「……!」ビクッ


絵里「あなたが怪我したらどうするのよ!」


凛「そうにゃそうにゃ!」


希「ウチが怪我するわけないやん?」


凛「どこからくるにゃ、その自信……」


絵里「いいから、今日は終わりましょ」


希「……そやね、じゃあお言葉に甘えて」


凛「凛が片付けてるから着替えてて良いよ~!」


絵里「何言ってるのよ、みんなで片付けるのよ」


凛「後片付けは後輩の役目だにゃ!」


希「凛二等兵!先輩禁止令第2条!!」


凛「は、は!!」


凛「部員はいつ如何なる状況下において平等であり、年齢による格差はないものとする!」イエッサー!


絵里「というわけで早くやるわよ」


希「練習に付き合ってくれただけでも嬉しいのに片付けまで押し付けるわけないやん」


凛「絵里ちゃん………希ちゃん……」









帰り道

凛「ばいばーい!」ブンブン


希「フフ」


絵里「どうしたの?希」


希「いや、なんか妹みたいやなって」


絵里「……そうね」


絵里「それもとびっきり可愛い」


絵里「ま、亜里沙には敵わないけどね!」


希「相変わらずやなぁ……」


絵里「でも最近連絡繋がらないのよね…」


希「忙しいんちゃう?」


絵里「だといいんだけど……」















凛「……ここなら下も柔らかいし……」

ダッ ザザッ ドサッ ザッザッ

凛「……違う」ハァハァ












次の日練習後



絵里「…….なんでできないのよ…」ハァハァ


希「なんかバランスが崩れるなぁ…」ハァハァ


花陽「何がダメなんだろう?」


海未「……明日はもう試合ですから今日はしっかり休んでください」


絵里「でも……!!まだ完成してないわ!」


ことり「ごめんね絵里ちゃん……」


絵里「ことり…….」


にこ「あんたらが怪我でいなくなったらにこたち試合に出られないんだから」


真姫「素直に心配って言えばいいのに…」クルクル


にこ「あんたに素直にって言われるとは思ってなかったわ」


希「……えりち、明日がんばろ…?」


絵里「……」










角間「さあーやってまいりました、フットボールフロンティア予選第一回戦!!今日の相手は野生高校だぁぁ!!!」


絵里「……大丈夫かしら………」


希「大丈夫やって!案外普通に勝てるかも知れへんよ?」


絵里「だといいけど……」


海未「……絵里はまだ落ち込んでいるようですね」コソッ


ことり「私たち……間違ってたのかな」


花陽「そ、そんなことないよ!」


花陽「きっと……!絵里ちゃんたちなら完成してくれる!」


真姫「花陽の言うとうりよ」


真姫「じゃないとこの二日間が無駄になるじゃない」


ことり「……うんそうだよね!」


海未「すみません、少し弱気になっていたみたいです」


凛「………」ボー…


にこ「……ちょっと!」バシッ


凛「……っは!」ビクッ


にこ「しっかりしなさいよ、試合始まるのよ?」


凛「ちょっと考え事してて……」アセアセ


にこ「凛が考えることなんてラーメンぐらいでしょ」


凛「たまにはラーメン以外も考えるにゃ!!」


にこ「……たまになのね」


監督「…………」












ピーーーーーーー


ドッ


角間「はじまりましたぁ!!身体能力で勝る野生高校相手に一体どのような試合を繰り広げるのでしょうかぁ!!」


絵里「………ことり!」タッタッ ドッ


ことり「ほっ!」トッ


にこ「ことり!よこしなさい!」


ことり「……!にこちゃん!」ドッ


にこ「…よし!」トッ


角間「音の木坂、慎重にパスをつないでいく!!ここからどう展開する気だ!?」


にこ「いきなさい!真姫!」ドッ


角間「僅かに会いたスペースを矢澤、見逃しませんでしたぁ!!」


真姫「…ふっ!」ダンッ





グルグルグル



真姫【ファイア………】


鶏井「コケー!」バッ


真姫「っく!」スタッ


鶏井「コケー!」スタッ


角間「これは野生鶏井素晴らしいジャンプ力!!西木野の必殺シュートを完全に封じ込めましたぁ!!」


にこ「……ッチ、やっぱりね」


鶏井「コケー!」ドッ


水前寺「へっ!」トッ


希「止めるよ!ことりちゃん!」バッ


ことり「うん!」バッ


水前寺「遅すぎるぜ!」ダッ


希ことり「そんな……!」


角間「水前寺一瞬で二人を抜き去ったぁ!!はやぁい!!まるで草原を駆け抜けるチーターのようだぁ!!!!」


水前寺「五利!」ドッ


五利「うほー!!」トッ


凛「しまった……!」


花陽「穂乃果ちゃん!」







五利【ターザンキック!】


ドゴォ!


穂乃果「はぁぁぁ!!」バッ


ゴォォォォォオ!!!







穂乃果【マジン・ザ・ハンド!!】


ドシュルルルルル………!




角間「止めたぁぁ!!!音の木坂高坂、強力な必殺技で見事止めましたぁ!」


穂乃果「凛ちゃん!」ドッ


凛「よっ…!」トッ


にこ「凛!いけるとこまで持ち込みなさい!」


凛「わかったにゃ!」タッタッ


猿田「ウキー!」バッ





凛【アクロバットキープ!】


バッ!クルッ!ザッザッ


花陽「……うそ…」


海未「そんな……」






猿田「ウッキー!!!」

バッ!グルッ!ザッザッ



角間「これは猿田!!!星空と寸分違わずついていくー!!とても人間業とは思えません!!」


凛「う、海未ちゃん!」ドッ


海未「ナイスパスです!」トッ


海未「絵里!」ドッ


絵里「……決める!」トッ





絵里「吹き荒れろ………」

パキパキパキパキ




絵里【エターナルブリザード!!】

ドゴォォォォオォォ!!





ウホウホウホ!!




【ディープジャングル!】


ドォッ!


ドシュゥゥゥ…………!!






真姫「…….やっかいね」


絵里「ええ……」







ドッ!


水前寺「ほっ」トッ


海未「いかせません!」


水前寺「遅い遅い!」ダッ


海未「っく…!速い…!!」


水前寺「大鷲!」ドッ


大鷲「っと」トッ






穂乃果「……くる!」グッ


大鷲【コンドルダイブ!】


ドキュゥゥゥ!!!!









穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドシュルルルルル…………


角間「またもや高坂ガッチリとキャッチ!!これは頼もしい!」


花陽「ナイスセーブ!」


穂乃果「えへへ!ありがと!」








海未「とはいえ、このままだとまずいですね…」


希「…あれしかないか」


真姫「やっぱりやるのね」


絵里「大丈夫、必ず成功させるわ」


海未「試合前と違って随分頼もしいですね」フフ


絵里「だってもうやるしかないじゃない!」


希「頼りにしてるよ!」


希「むっつりスケべなエリチ」ボソッ


絵里「だ……!?だからあれは!!」アセアセ


希「ほらほら!ボールくるで!」


絵里「~~~!!」トッ


角間「前線の絢瀬へボールが渡ったぁ!!エターナルブリザードか!?」


絵里「海未、お願いね」ドッ


海未「任せてください」トッ







絵里「希!」ダッ

希「うん!」ダッ








海未「はぁ!」ドキュッ!


角間「園田、上空へとボールを蹴り上げたぁ!一体何が起こるのでしょうかぁ!!」


絵里「ふっ!」ジャンプ


希「ほっ!」ジャンプ






角間「二人で同時に飛んだぁ!!これは新必殺技かぁ!?」


鶏井「コケー!」バッ


角間「しかし空中戦にはこの鶏井が立ちはだかります!」





希「このまま……」グッ


絵里「いける……!」グッ


グラァ


希絵里「……!」バッ


絵里「……」スタッ


希「……」スタッ


鶏井「コケー!」バッ


角間「おおーー!?どうやら空中でバランスを崩したようだぁ!!ボールを奪われてしまったぁ!!」


ワーワー!



ことり「よし!」トッ


角間「南ボールを奪ったぁ!!」


ことり「絵里ちゃん!」ドッ





絵里「ふっ!」ダッ


希「やぁ!」ダッ


鶏井「コケー!」


グラァ


絵里「っく!」スタッ


希「う~…」スタッ


鶏井「コケー!」バッ



角間「またも失敗ー!!音の木坂リズムがつかめません!」





蛇丸【スネークショット!】


穂乃果「はぁ!」バシッ!!







大鷲【コンドルダイブ!】


穂乃果「うぐっ……!!」バシィ!







五利【ターザンキック!】


バシィ!


穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ


テンテンテン………







ピッピッピピーーーーーーー


角間「ここで前半終了です!!完全に流れが来ている野生高校が押し切るのか!それとも音の木坂が必殺技を炸裂させるのか!!後半も楽しみです!」











絵里「どうして……!どうしてできないのよ!!」


希「えりち落ち着い……」


絵里「これでどうやって落ち着けっていうの!!」


絵理「だいたい……!」

希「えりち!!」


花陽「……!」ビクッ


凛「……!」ビクッ






しーん…………


絵里「……希……」


希「落ち着こ、ね?」


絵里「わ、たし……ごめんなさい…」


ことり「穂乃果ちゃんその手……!」


花陽「これ……!」


海未「こんな手でよくゴールを守りましたね」


穂乃果「えへへ……穂乃果はキーパーだからね」


穂乃果「みんなのために、がんばるよ!」グッ


ヒデコ「救急箱持ってきた!」


真姫「ありがとうございます」ガサゴソ


真姫「…氷はないからスプレーね」シューー


穂乃果「冷た!」ビクッ


真姫「我慢しなさい」シューー


にこ「……ね、あんたが取り乱してる暇なんてないのよ」


絵里「……ええ、そうよね!」パン!パン!


にこ「…!びっくりした……」


にこ「って……あんた……」プルプル


希「あっははは!!えりち顔真っ赤!」


にこ「力強すぎでしょ!」あははは!


絵里「き、気合い入れるにはこれぐらいがいいのよ!」


にこ「あははは………ええ、そうね…」プルプル


希「ふっ……そのとうりやね…ふっ」プルプル


絵里「もう!」


海未「ほらほら後半始まりますよ!」


花陽「もうゴールは打たせないようにしよう!」


凛「うん!一本も通さないにゃ!」


ヒデコ「穂乃果一人に任せらんないからね!」


フミコ「頑張ってね、二人とも」


ミカ「うん!」


凛「……ね、ねえ海未ちゃん」


海未「どうしました?」


凛「えっと……その……」


凛「こ、後半頑張ろうね!」


海未「もちろんですよ」ナデナデ


凛「えへへへ……へへ」










ピーーーーーーー


角間「後半開始しました!一体勝利の女神はどちらへ微笑むのか!」


水前寺「もっと速えぇやつはいねーのか!!」ダッ


ことり「ああ…….!」


海未「……っく!」


にこ「ああもう……!」


凛「行かせないニャァ!!」ズシャァァァ!


水前寺「っち」


角間「これは星空!!水前寺のスピードに負けてないぞぉ!!見事なスライディングだぁ!!」


テンテンテン……


花陽「海未ちゃん!」ドッ


海未「……いきますよ」トッ


絵里「…ええ!」


希「うん!」


海未「はぁ!」ドキュ!!


絵里「はっ!」ジャンプ


希「んっ!」ジャンプ


角間「音の木坂前半一本も合わなかったシュート、後半は決めてくるかぁ!?」


鶏井「コケー!」


グラァ


絵里「…っまた……!」バッ


希「くっ…!」バッ


スタッ スタッ


鶏井「コケー!」バッ


角間「またも失敗!!野生高校にボールが移りました!!」


蛇丸「シャー!」トッ


ことり「行っちゃダメです!」バッ


ガッ ガガッ ザッザッ


ドッ


猿田「ウキー!」トッ


にこ「こっちは抜かせないにこ!」バッ


角間「前半とは違い守備が硬くなっているぞ!!これは攻めにくい!」


猿田【モンキーターン!】


にこ「そんなのあり!?」ガクッ


ヒデコ「はぁ!」ガッ!


角間「音の木坂ディフェスかろうじて防いだぁ!!!」



花陽(とはいえこちらも攻め手がない状況、点を決められないまでも、決めることができない膠着状態が続き、いよいよ試合終盤が近づいてきました)


花陽(それまでに絵理ちゃんと希ちゃんは何度も挑戦し、失敗しました。もうダメなのか、そんな考えが頭をよぎりかけたそんな時でした)






角間「さあ依然ボールは野生高校!いったい勝負はどうなってしまうのでしょうかぁ!!」


にこ「っく……どうすれば……」


海未「もう必殺技は諦めてしまうのも一つの手ですが……」


絵理「……海未」


にこ「いやよそんなの…!」


にこ「にこは認めない」


希「にこっち…….」


ことり「でも……どうすれば」


花陽「………」


真姫「………」


凛「………」






穂乃果「みんな!!まだ試合は終わってないよ!!最後まで諦めちゃダメ!」


絵里「穂乃果……,」


穂乃果(ほかに……なんて声をかければ……)ギュッ


監督「………」ハァ













監督「凛!!」


凛「は、はい!?」ビクッ


監督「今グラウンドの中で全力で戦っていないのはお前だけだ!!」


監督「やる気がないならグラウンドから出ろ!!」


凛「おっちゃん………」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「おーっちゃん!ラーメン全部のせ大盛り!」


店長「お、今日は気前がいいな。何かあったのか?」


凛「凛ね~、サッカー部に入ったの!!」


店長「……ほー、サッカーか」


凛「まだ初心者なんだけど、絶対上手くなってみんなを助けるにゃ!」


店長「……ならもっと食わないとな」ジュー…


店長「へいおまち!」トン トン


凛「へ?凛餃子なんて頼んでないよ?」


店長「上手くなるんだろ?なら飯を食え」


店長「俺のおごりだ」


凛「おっちゃ~ん!!」ジーン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

監督「やりたいことがあるならやってみろ」


凛「………」


花陽「ど、どうしたんだろ……」


希「一体何を……?」


水前寺「なんだかわからねえが抜かせてもらうぜ!」タッタッタッ


花陽「しまった…!」ガクッ


凛「……!」ギリッ













凛「にゃああああああ!!!!!」バッ



角間「ゴール手前で星空強引に奪い取ったぁ!!時間的にもこれが最後の攻撃!一体どうなる!?」


花陽「凛ちゃん……!」


猿田「ウキー!!」


凛【アクロバットキープ!】
ザッ、クルッ、スタッ!





猿田「ウキッキー!!」
ザッ、クルッ!


角間「またもや猿田完璧についていく!!」


凛「…….んにゃぁ!!」グンッ!


猿田「キ……キキ!?」ガクッ


角間「星空振り切ったぁぁぁぁ!!!」












にこ「あいつ……」


凛「希ちゃぁん!!」


希「なに!」


凛「凛と一緒に飛んで!」


希「ど、どういう……」


凛「いいから!」ドッ


海未「り、凛!?」トッ


絵里「………!」


凛「いくよ!」ダッ


希「…あ~~!!もう!」ダッ


海未「はぁ!」ドキュ!!


凛「はっ!」ジャンプ


希「ほっ!」ジャンプ


角間「こ、これはーー!?先ほどまで絢瀬と飛んでいた東條が今度は星空と飛んだぁ!!」


希「そんな浮気みたいに……」


鶏井「コケー!」ジャンプ


凛「希ちゃん!」グッ


希「……うん!」グッ


ダン!!


鶏井「コケ!?」


角間「こ……超えたぁぁぁぁ!!!!ついに鶏井の高さを超えました!」









凛「にぁぁぁぁ!!!!!」ドキュッ!!


ゴォォォォォオ!!!!!!!






猪口「ガ……ガァァ……!!」




ドシュゥゥゥ……!!


角間「決まったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!試合終了間際で必殺シュート炸裂ぅぅ!!」


真姫「まるで竜巻が落ちていくようなシュート………」


海未「たつまきおとし……」


ピッピッピーーーーーーーーー


角間「ここで試合終了のホイッスル!!」


角間「初戦を突破したのは音の木坂高校!」


角間「実況は角間、角間でお送りしました!」






ありがとうございましたぁ!!!










花陽「………」


花陽「凛ちゃんやったね!!」


凛「うん!できたよかよちん!」


絵里「……」


凛「あ……絵理ちゃん……あの、ね…」


凛「ごめんなさい!」ペコッ


絵里「り、凛!?」


凛「凛にこちゃんの次に軽いのに選ばれなかったのが悔しくて……」


凛「一人で練習したり……練習手伝うふりしてタイミングを覚えたり………してました」


希「あの練習の時……」


にこ「なるほどねぇ~」


凛「あの……本当に、ごめんな…んグゥ!」ンムム


絵里「凛、それ以上謝らないで」パッ


凛「絵里ちゃん……?」プハッ


絵里「私はあなたに感謝してるわ」


凛「ど、どうして!?だって凛…絵里ちゃんの技……」


絵里「実を言うとね、少し感じてたのよ」


絵里「私に向いてないなって」


絵里「もっと軽い人がいいんじゃないかってね」


希「下から蹴り上げる場合、力を込めれば込めるほどバランスが崩れやすくなる」


希「つまり、軽い人が上の方がいいってこと!」


絵里「やっぱり希も気づいてたのね」


希「気づいたのはついさっきやけどなぁ」


ことり「ついさっき?」


希「凛ちゃん乗っけた時、エリチの時よりスムーズにできたんよ」


希「なんかやりやすいなぁって」


花陽「なるほど……軽い方が」


穂乃果「じゃあにこちゃんがいちばん適任だったってことか!」


にこ「にこは無理よあんな動き」


希「にこっち体おばあちゃんやもんなぁ」


にこ「誰がおばあちゃんよ!!」


凛「………怒って…ないの?」


絵里「怒るわけないじゃない……むしろ」


クシャクシャクシャ


凛「わ!…わわわわ!!?」


絵里「ナイスシュート!」うりゃうりゃ!


穂乃果「うん!ナイスシュートだったよ!」


絵理「……それから」ボソッ


にこ「なに?」


絵理「技を諦めたく無いって言ってくれてありがとう」


にこ「……!!べ、別ににこはそんな深い意味で言ったんじゃ…!」アセアセ


絵里「ふふ、それでもいいのよ」ナデナデ


にこ「撫でるなぁ!!」


ワイワイガヤガヤ!







穂乃果「よーし!雷雷軒で打ち上げだー!」

「「「「「おー!」」」」」

監督「金は払ってけよ」

「「「「「「えー……」」」」」


ヒデコ「穂乃果!」
フミコ「私たち今日も……」
ミカ「ちょっと用があるから!」


穂乃果「わかったー!」

ヒフミ 「バイバーイ!」

穂乃果「バイバーイ!!」ブンブン


海未「さて、帰りましょうか」


にこ「もうクッタクタよ……」


希「だ、大丈夫?ほら、手持っててあげるからそこの石に腰掛けて…….」


にこ「い~つもすまないねぇ~……って」


にこ「誰がおばあちゃんよ!!」


希「そこまで乗っといてそれはないわにこっち」


にこ「あんたがやらせたんでしょうが!」


凛「………」


絵里「もう、どーしたの?まだ落ち込んでるの?」


凛「……うん」


絵里「あの一点がなきゃ私たち負けてたかもしれないのよ?」


絵里「もっと胸を張りなさい!」バシッ


凛「いた!?」


絵里「今日はラーメンおごってあげるから!」


凛「ほ、本当!?」


絵里「ええ!」


凛「な、何頼もう……片っ端から頼んじゃおうかな……」


絵里「い、一杯だけだからね!?」


凛「もういっそトッピングも全部のせで……」


絵里「りぃーーんーーー!」











穂乃果(私、リーダーなのに……全然チームを励ませなかった……)


穂乃果(私がリーダーでいいのかな……)


監督「……リーダーはお前じゃないといけない」


穂乃果「へ!?」バッ


監督「お前以外にリーダーをさせる気は無い」


穂乃果「監督……」








穂乃果「……何企んでるんですか?」ジトー…


監督「お前な……」ハァ










ヒデコ「……よし、録画転送完了!」


フミコ「毎度のことながらめんどくさいねえ」


ミカ「なんで親つながりでお願いされないといけないの……」


ヒフミ 「西木野パパめ!!」









ビデオ「真姫【ファイアトルネード!】」


真姫父「真姫が、サッカーしてる……!!」ダーー!











[4、サッカーサイボーグ]




次の試合まであと1週間

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海未パパ「海未、ちょっといいかい?」


海未「…….?」


海未パパ「最近サッカーばかりのようだが剣道の練習はちゃんとしているのか?」


海未「もちろんです」


海未パパ「…….見せてみなさい」


海未「では道場へ…」テクテク








道場


海未「ハッ!ハッ!ハッ!」ザッ ザザッ


海未パパ「………」


海未「………」ハァハァ


海未「どう……でしたか」ハァハァ


海未パパ「………」フム


海未パパ「これなら次の段階に進んでも大丈夫そうだな」


海未「次の段階……ですか?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











「………ちゃん!」


「……みちゃん!」


「海未ちゃん!!」バッ


海未「はいぃぃいい!?」ビクッ


穂乃果「もー!何ぼーっとしてるの!」


穂乃果「練習行くよ!」


ことり「海未ちゃんがぼーっとするなんて珍しいね」


海未「……少し疲れているだけですよ」


ことり「無理しないで休むときは休んでね」


穂乃果「そうだよ!無理して怪我でもしたら大変だよ!」


海未「……そんなこと言って………私がいない間にサボるつもりですね」ジロッ


穂乃果「へ……!?そ、そそそそんなはずないよ……?」


ことり「穂乃果ちゃん……」


海未「ほら、早く行きますよ!」テクテク


穂乃果「ちょっとまってよ海未ちゃ~ん!」タッタッタッ


ことり「……フフフ」タッタッタッ








海未「…………」テクテク











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海未「次の段階というのは?」


海未パパ「………真剣を扱ってもらう」


海未「し、真剣はもう少し後だと………」


海未パパ「今のお前ならできるだろう」


海未「しかし……それだとサッカーの時間を削らなければ……」


海未パパ「何か問題があるか?」


海未「……!!」


海未パパ「別にやるなとは言ってない、削るだけだ」


海未「……で、でも!」


海未パパ「話は終わりだ、頑張れよ」


海未「……はい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









部室前


穂乃果「とーちゃーく!」ガラッ


海未「皆さん準備……」








にこ「やめっ……離しなさいよ!」


希「にこっちがいたずらするからやん?」ワシワシ!


にこ「ごめん!ごめんって!!」


希「謝るなら最初からせんことやね!」ワシワシ


にこ「いやーーー!!」


絵理「これ……止めた方がいいの?」


花陽「にこちゃん………」


真姫「まあ自業自得ね」


凛「希ちゃんも容赦ないにゃぁ」


にこ「だ、大体!あんなの引っかかる方が悪いのよ!」


希「!!」


ことり「何かあったの?」


花陽「……えっと……その」


海未「大方、にこがまた何かしたのでしょう」


凛「あれは……つい10分前のことだったにゃ…」


真姫「何か始まったわね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ヒュー


にこ「あーん」パクッ


希「マシュマロキャッチ上手やね」


絵理「にこ、はしたないわよ」


凛「凛も凛も!」


にこ「いいわよ、ほら!」ポーイ


凛「あーん!」パクッ


花陽「り、凛ちゃん……」


凛「おいしいにゃ~」ムグムグ


真姫「……くだらない」パクッ


にこ「とかいいつつつまみ食いしてんじゃないわよ!」


希「にこっちー!うちもちょーだい」あー


にこ「………いいわよ」


絵理「全く希まで…」


にこ「ほらっ!」ポーイ


希「あー……ん!?」パクッ


希「………」プルプル


絵理「ど、どうしたの?」


花陽「プルプルしてる……」


凛「にこちゃん何したにゃー!」


希「これ…….キャラメル味……」プルプル


にこ「はーっはっはっは!!この前ワシワシした罰よ!」


絵理「いつの間に……」


にこ「投げる直前にすり替えたの」


花陽「希ちゃん、キャラメルダメなの?」


絵理「ええ、飲み物もダメみたいよ」


希「……」ゴクン


にこ「へ?」


花陽「マシュマロを……噛まずに飲み込んだ……」


希「うちの……ペットボトルを…」プルプル


真姫「……これ?」スッ


希「あ、ありがと……」パシッ


希「……」ごくごくごく ぷはぁ


にこ「……の、希?」


希「……….にこっち」ユラァ


にこ「や、やだなぁ~怖い顔して!ちょっとした冗談でしょ?ほら、笑顔笑顔!にこ!」


希「………」ボソッ


にこ「え……なに?」スッ


希「………」


希「ワシワシMAX!!!」バッ


にこ「いやぁーーー!!!」











凛「へぇ~、希ちゃんキャラメル苦手なんだ」


花陽「凛ちゃん悪い顔してるよぉ!!」


真姫「……やめときなさいよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







海未「やっぱりにこが何かしたんじゃないですか」


絵理「はいはいみんな聞いて!」


にこ「次の対戦相手が決まったわよ」ハァハァ


穂乃果「どこどこ?強いところかなぁ!」


花陽「なんで嬉しそうなのぉ……」


穂乃果「どうせやるなら強い方がいいよ!」


海未「それもそうですね」


穂乃果「だよね!」


ことり「ついていけないその感覚……」


凛「いったいどこの戦闘種族かにゃ?」


穂乃果「カカロットォォォ!!」


凛「ベジータァァ!!」


パシッパシッ!!


にこ「話聞きなさいっつってんのよ!」


穂乃果凛「ご、ごめんなさい……」


絵理「相手は御影専修農業高校よ」


穂乃果「御影……せん?」


希「御影専修農業高校、略して御影専農って言われてる」


花陽「データによるサッカーを武器としている高校です」


穂乃果「なんだか堅そうな学校だね……」


海未「ですが情報を武器にするということはこちらの動きが読まれるということです、侮れませんよ」


真姫「私たちの技も全部知られていると考えてもいいかもね」


ことり「そんな……」


穂乃果「まあそんな堅い話は置いておいて、練習がんばるぞー!」


海未「穂乃果!そんなに楽観的では……」


穂乃果「どのみちデータを上回るには練習しかないよ!」


穂乃果「努力をした人にだけ勝利の女神は微笑むんだから!」


希「穂乃果ちゃんのいう通りやね」


凛「話が難しくなりそうだったから切ったんじゃ……」


穂乃果「聞こえているぞカカロットォォォ!!!」


凛「ベジータァァ!!!」


にこ「バカなことやってないでいくわよ」


凛「おお~!クリリンやる気だなぁ!!」


にこ「なんでにこがクリリンなのよ!!」


にこ「あれがいいわ、あの~……変身するやつ」


穂乃果「ウーロン!」


にこ「ギャルのパンティおくれ~!……って何やらせんのよ!!」


にこ「プーアルに決まってんでしょ!」


凛「どっちも一緒にゃ」


にこ「全然違うわよ!」


絵理「ふふ、にこ楽しそうね」


希「何だかんだ嬉しいんやろなぁ」


海未「まったく……」


真姫「……」クルクル


花陽「真姫ちゃんも入りたいの?」


真姫「そ、そんなわけないでしょ!?」


真姫「穂乃果!!早く練習いくわよ!」


穂乃果「はーい!」


花陽「フフフ!」










御影専農グラウンド



海未「……」ザザザッ


下鶴「よっ」ザッ


下鶴「はぁぁぁぁ!!」




ドゴォォォ!!


穂乃果「……」バッ


ドシュゥゥゥゥ!!


御影5-0音の木坂


真姫「………」タッタッタッ


真姫「…」ダッ


グルグルグル





真姫【ファイアトルネード】

ドキュゥゥゥ!!!




杉森【シュートポケット!】


フワン……!


パシッ!





ピーーーーーーー




シミュレート完了、試合のデータを転送いたします


杉森「………音の木坂が勝利する確率はほぼ0%だ」


下鶴「ああ」











河川敷グラウンド



海未「凛!攻め急ぎすぎです!」


凛「は、はいにゃ!」キキッ!


凛「花陽!もっと圧力をかけてください!」


花陽「わかりました!」ザッ


にこ「……クッ!」ザザッ


希「にこっちいただき!!」バッ


にこ「あぁ……!!」


海未「にこ!むやみに突っ込んでいかない!」


にこ「わかってるわよぉ!」







真姫「はぁぁぁぁ!!」ドオッ!


穂乃果「っく!!」バシィィィ!


穂乃果「もう一本!」


絵理「っふ!!」ドキュ!!


穂乃果「たぁー!」バシィ!!










海未「10分間休憩です」


凛「はい、かよちん、真姫ちゃん!お水!」


花陽「ありがと!」


真姫「悪いわね」


絵理「大丈夫?穂乃果」


穂乃果「大丈夫!絵理ちゃんも真姫ちゃんもいい感じだね!」ハァー……


真姫「………試合は5日後」


穂乃果「今の二人ならどんな敵でも大丈夫だよ!」





ザッザッザッ


にこ「ん?誰よあいつら」


花陽「あ、あれは!次の対戦相手、御影専農のキーパー、杉森さんとストライカー下鶴さんです!」


にこ「んん?……あー、たしかに」


海未「私たちに何のご用ですか」


杉森「なぜこんなに必死になって練習する」


にこ「は?そんなの勝つために決まってんでしょ、頭おかしいんじゃないの?」


絵理「一体なにが言いたいの?」


下鶴「どれだけ頑張ろうとムダだよ」


杉森「私たちはすでにお前たちに勝っている」


凛「……ムッ」


真姫「聞き捨てならないわね」ザッ


穂乃果「……そこまで言うなら勝負だよ!!」


ことり「穂乃果ちゃん!」


海未「いけません穂乃果、試合前に敵チームと戦うなど……」


下鶴「いいだろう」


杉森「こちらは一本で十分だ」


花陽「ムゥ……馬鹿にして…….!」


穂乃果「こっちだって一本で十分だよ!!」


凛「穂乃果ちゃーん!そんな人たちに負けちゃダメだよ!」


希「これで相手の実力が少しはわかるかな」


絵理「いったいどんなシュートを打つのかしらね」












下鶴「フンッ……」


穂乃果「……こい!」バッ


絵理「さあ、始まるわよ………って、え!?」


真姫「!!」


穂乃果「あれは……!!」







グルグルグル


下鶴【ファイアトルネード!】



ドゴォォォ!!!!






穂乃果「はぁぁぁぁ!!」バッ


バシィィィィ!!!!!






穂乃果「……っく……ググググ…」

ギュルルルルル!!!!








穂乃果「うわぁぁ!!!」ドサッ

ドシュゥゥゥゥ……!!!!






下鶴「口ほどにもないな」










花陽「そんな……!」


絵理「威力まで真姫と同じってことね……」


真姫「次は私よ!」ザッ


杉森「ムダなことを」


凛「いっけー真姫ちゃん!」


花陽「偽物は本物にかなわないんだよ!!」


真姫「フッ!」ダンッ







グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォ!!!!!


杉森【シュートポケット!】


ブワン………!


パシッ!


杉森「想定内だ」


真姫「……なっ!?」スタッ





ことり「そ、そんな……」


海未「コピーされただけでなく……まさか止められるとは」


花陽「真姫ちゃん……」


下鶴「これでわかっただろ、無駄なんだよ」


にこ「このっ……!!」バッ


穂乃果「……….にこちゃん!」ガシッ


にこ「なによ!今こいつに……」


にこ「……!」


穂乃果「…………」


にこ「……なんでもない」スッ


希「どうしたんにこっち、珍しく大人しく引き下がったやん」


にこ「……別に」


絵理「……へぇ」


穂乃果「御影専農の皆さんにお伝えください」


穂乃果「………5日後、よろしくお願いしますと」


花陽凛「!」


下鶴「諦めの悪いヤツめ」


杉森「いくぞアラタ」ザッ


下鶴「ああ」ザッ













穂乃果「……ッフー」


凛「べーだっ!」


にこ「べー!!」


海未「二人とも……いえ、今回は許します」


絵理「とはいえこのままじゃまずいわね」


希「こうなったら必殺技より根本的に鍛えないとあかんかもなぁ」


真姫「でもそんな場所がどこにあるの?ジムにでも通う?」


花陽「ジ、ジム!?」


凛「それはちょっと……」


穂乃果「じゃあいい方法があるよ!」


ことり「いい方法?」


穂乃果「明日から連休でしょ?」


穂乃果「だから……」







ゴクリ









絵里「合宿よぉーー!!!」ババン!


穂乃果「穂乃果が言いたかったのにぃ!!」


花陽「で、でもどこでやるの?」


凛「真姫ちゃんのお家別荘とか持ってそうだよね!」


ことり「流石にそれは……」


真姫「あるにはあるけど……」




(((((あるんだ……)))))




真姫「………」ピッピッピ


真姫「無理よ、全部埋まってるわ」


希「今から宿は取れんやろうしなぁ………」


にこ「そもそもお金どうすんのよ、結構かかるわよ?」


絵里「個人での合宿だからね」


海未「それではウチに聞いて見ましょうか?」


絵里「ウチ?」


凛「海未ちゃん家って確か……」


海未「はい、道場をしているので広さは十分ですよ」


海未「連休の間は閉めることになってるので……」ピピピッ


プルルルル



海未「……海未です、はい……はい、連休の間道場で合宿しても……はい、はいそうです」


凛「海未ちゃんってお家の人も話すときも敬語なんだね…」


花陽「うん、厳しい家庭なのかな…….」


ことり「海未ちゃんちっちゃい時からあの喋り方なんだよ」


凛花陽「はえ~……」





海未「はい、ありがとうございます!それでは……」ピッ


真姫「いけたみたいね」


海未「はい!」


穂乃果「じゃあ荷物をまとめて海未ちゃん家しゅーごー!」


「「「「「おー!」」」」」


希「バナナはおやつに入るかなぁ」


絵里「合宿に行くんだから……」


凛「花火するにゃー!」


花陽「枕投げも!」


にこ「合宿だっつってんでしょ!」











「「「「「「うわ~!!!」」」」」


凛「ひろいにゃ~!!」


花陽「ザ、日本の家って感じだね」


穂乃果「海未ちゃん家は日舞の家系だからね」


ガラッ


海未「お待ちしてました、どうぞ中へ」


絵里「お、おじゃまします………」


希「気後れするなぁ……」


にこ「に、ににににこはこんなのぜ~んぜん………」ギギギ……


凛「にこちゃんロボットみたいになってるにゃ……」


真姫「緊張しすぎでしょ」


穂乃果「お邪魔しまーす!」ドタドタ


ことり「おじゃましま~す!」テクテク


ウミチャンママ!コンニチワ!
アラオオキクナリマシタネ
エ、ヨコニデスカ……
イエイエソウデハナク
モウ、ホノカチャ~ン!


「「「「「さすが幼馴染……」」」」」









絵里「で、なにする?」


海未「そうですね……入ってください」


希「?」


スーーッ


海未パパ「……いらっしゃい」


「「「「「お、お邪魔してます!」」」」」


海未パパ「合宿と聞いたんだが……」


海未「はい、なのでどのようにトレーニングしようかと考えていたところです」


絵里「なにかいいトレーニング法はありますか?」


海未パパ「それなら丁度良かった」


凛「……?」













ガサガサ!


絵里「あったわ!太くて長くていい感じじゃない!?」


希「ほらにこっちも頑張って!暗くなる前に帰らないとやからね」


にこ「なんで………」プルプル


にこ「なんでにこたち、薪拾いしてんのよ!!」










海未パパ「みんなで薪拾いでもしてもらおうかな」


絵里「薪拾い…….ですか」


凛「えっと……凛たちサッカーの練習を……」


海未パパ「いいからいいから!靴は新しいの買ってるから使っていいよ」


海未パパ「終わったら山で鬼ごっこでもしといで」


海未パパ「じゃあ海未、任せたよ」


海未「は、はい…!」


スーーッ タンッ


にこ「………海未?」


絵理「練習メニューのアドバイスを聞きたかったんだけど……」


花陽「今のって雑用じゃ……」


真姫「しかも鬼ごっこって……」


凛「というか薪拾いなんて昔話でしか聞いたことないにゃ」


海未「うちではお風呂も料理も薪なんです」


花陽「と……ということは、ご飯は……」


海未「はい、釜で炊きます」


花陽「みなさん!頑張りましょう!美味しいご飯のために!!」


にこ「ご飯のこととなると目の色変わるわね……」


凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」


海未「……父は人の思いを裏切るような人ではありません」


海未「きっと……何か意味があるんだと思います!」


「「「………」」」ウーン


穂乃果「よし、やろう!」


ことり「うん!海未ちゃんのパパの言うことなら大丈夫だよ!」


絵里「……そうね、とりあえずやってみましょ、どこにいけばいいの?」


海未「すぐ近くに山がありますからそこへ行きます」


穂乃果「じゃあ三班に別れよう!丁度一学年3人だから3人ずつだね」


にこ「え~……ほんとにいくの?」


凛「そんなこと言ってにこちゃん山が怖いんだにゃ~」


にこ「な訳ないでしょ!?」


にこ「いいわ、早く行きましょ!」


花陽「……チョロい」


海未「そういえば父から伝言を授かっていました」


希「伝言?」


海未「落ちてる薪以外拾わず、歩かないこと、だそうです」


海未「それと、穂乃果だけ別メニューです」


穂乃果「穂乃果だけ?」


凛「座禅とか組まされたりして……」


穂乃果「うへー……それだけは勘弁だよぉ……」


にこ「穂乃果雑念多そうだもんね~」


凛「人のこと言えないにゃ~」ボソッ


にこ「何ですってぇ!?」グイィィ!


凛「いはいはい!ほほをひっはらはいへ!!」ムニィーー!


絵里「じゃあ準備して、各班スタートしましょ!」













グッ、グッ、グッ


凛「ここ地面悪くてめちゃめちゃ疲れるにゃー……」


花陽「あ、薪発見!」ダッ


真姫「この辺の木折っちゃだめかしら」


花陽「だめだよぉ!」










ことり「海未ちゃん、これって……」


海未「はい、おそらくファルトレクというトレーニングなんだと思います」


ことり「へ~、そんな名前がついてるんだ」











にこ「トレーニング?」


希「にこっち落ちてる薪拾う時どんな体勢になる?」


にこ「どんなって……前かがみに…!」


にこ「そう言うことね」


絵里「走って拾うというのも持久力と足腰を飛躍的に鍛えるため」


にこ「この山道で走れるようになれば平地では楽勝ね」


希「まあぶっちゃけトレーニング4、お手伝い6ってところやろうけど」











穂乃果「なんで穂乃果だけ薪割りなのぉ!?」


海未パパ「いいからやってみな」


穂乃果「うぅ……こうやって」スッ


穂乃果「こう!」ダン!


グシュッ!


海未パパ「ダメダメそんなんじゃ、もっとヘソの下に力を入れて!」


穂乃果「ヘソの下……」


穂乃果「はぁ!」ブンッ


パッカーン!


海未パパ「そうだ!ただ闇雲に力一杯振るんじゃなく、力の出し方を考えながらやってごらん」


穂乃果「ヘソの下……!」


穂乃果(これ……もしかして……!)


海未パパ「……」ニコッ


穂乃果「よーし!頑張るぞー!」


海未パパ「じゃあ後これだけよろしく!」


ドドーーン


穂乃果「こ、こんなに~!?」









穂乃果「はぁ……はぁ……」


穂乃果「終わったぁぁ……」


穂乃果「みんなどこ行ったんだろ…」キョロキョロ


ゾロゾロ


凛「終わったにゃー!」


花陽「もうクタクタだよぉ~…」


真姫「わ……たし、は…別に……平気だけ、どね…はぁ……」ゼーゼー


海未「真姫は体力ですね」


ことり「海未ちゃんどうしてそんなに元気なのぉ~……」


にこ「体力、おばけなんでしょ……こいつら……みたい、に」ゼーゼー


絵里「そんなことないわよ」


希「にこっちが体力不足なだけやん?」


にこ「にこは普通よ!」


穂乃果「よし!じゃあ鬼ごっこしよう!」


凛「やるにゃー!」


真姫「え……」


にこ「あ、明日にしない?」


花陽「た、たしかに…」


絵里「死にそうなメンバーが何人かいるわね」


海未「そんなの気持ちでなんとかなります!さあ行きますよ!行きましょう!山で鬼ごっこ!」


海未「あはははは!」


ガシッ


希「まあまあ海未ちゃん」ググググ


希「疲れてるときは怪我もしやすい、まだ初日やしまた明日にしよ?」ググググ


海未「う……それも…そうですね」ググググ


希「うん、わかってくれて……って……」ググググ


希「ちょっと力緩めてくれん!?未練溢れ出してるから!!」


海未「す、すみません……!」スゥ…ハァ…


ことり「あの海未ちゃんを……!」


穂乃果「希ちゃんは猛獣ハンター……」


凛「いや……」


穂乃果凛「珍獣ハンターだったんだ!!」ババン!


ドゴォ!


海未「目は覚めましたか?」


穂乃果「しゅ、手刀はダメだよ……」ガクガク


凛「意識飛んだにゃ……」ピクピク


希「それじゃあ戻ろっか!」











「「「「「「終わりましたぁ!!」」」」」


海未ママ「あら、皆さん泥だらけですね」


海未ママ「お風呂沸かしてあるので入ってきてはいかがですか?」


絵里「えっと……誰から入る?」


海未「うちのお風呂は父の弟子の方も入るのでみんなで入れますよ」


穂乃果「よーし!それじゃあ全員で入っちゃおう!」


凛「全員で……か」


にこ「はぁ……」


花陽「?」












カッポーン




「「「「はー………」」」」


穂乃果「いやー疲れたね~……」


絵里「穂乃果はなにをしたの?」


穂乃果「薪割り!」


花陽「薪割り!?」


穂乃果「力の入れ方とか教わったの!」


穂乃果「多分トレーニング……な気がする」


海未「気がするんですか……」


にこ「にこも薪拾いがトレーニングって気づいたけどね!」


絵里「希に言われてやっとね」


にこ「うぐっ……!ほ、ほんとは気づいてたの!」


希「はいはい」


にこ「きーー!!」


凛「あれってトレーニングだったんだ…….」


真姫「ま、私も気づいてたけどね」


花陽「気づかなかった……」


ことり「普段の練習より運動量少ないはずなのに疲れるね」


絵里「パワーアップしてる証拠よ、あと4日、頑張りましょう!」


海未「いえ、試合の前日は疲れを取る意味でも軽い練習にしましょう」


絵里「それもそうね、なら……あと3日!頑張るわよ!」


「「「「「おーー!!」」」」」ザパァ!


凛(やっぱり……)


にこ(間違いない!)


花陽 バイーン!


ことり ボイーン!


絵里 ドーン!


希 デデデデーン!


にこ凛「……」ハァ


海未「どうしたのですか二人とも?」


海未「元気がないようですが……」

凛にこ「……」チラッ


海未 ササヤカナフクラミ


凛「海未ちゃんみてたら元気出たにゃ」


にこ「ええ、あなたのおかげよ海未」


海未「……そうですか……って」


海未「どこみて言ってるんですかぁぁぁ!!」バシャァ!


凛にこ「ごめんなさいぃぃ!!」ザバァ!










ご飯


凛「おいしーにゃー!」パクパク


花陽「ほんのり香ばしい……おこげの味が……食欲を掻き立てる……」ハグハグハグハグ!


ことり「ブラックホールの再来……」ハムッ


海未ママ「お代わりあるのでたくさん食べてくださいね」ニコニコ










花火


にこ「くらいなさい!ネズミ花火10連発!」バッ


シューーー!!!!パンパンパンパン!!


花陽「ピャァァァ!!!」


真姫「ヴェェェ!?」


にこ「イヤァァァ!!!」


希「あほやん」


海未「にこーーー!!!」










海未パパ「海未、少しきてくれ」


海未「なんですか?」


海未パパ「今からこの部屋で真剣の稽古をする」


海未「!!本当にするのですね」


海未パパ「ああ、やり方は知ってるな」


海未「はい」


海未パパ「ならばこれを……」パカッ


海未「こ、この刀は……!」


海未パパ「園田家に代々伝わる刀だ、元を辿れば沖田総司が使っていたものだとか」


海未「こ、これを私に?」


海未パパ「これをしっかりと扱えるようになった時、お前に譲ろうと思う」


海未パパ「さあはじめるぞ!」


海未「は、はい!」














就寝前


海未「……」パチッ


海未「……おや?みなさんどうして倒れてるんですか?」


絵里「……もう…海未が寝てる横で……」


にこ「枕投げはしない……」ガクッ


「「「「………」」」」コクリ











3日後



凛「みっけ!」ダッ!


凛「この地面にも慣れてきたにゃ!」


真姫「凛も随分薪拾い上達したわね」


花陽「サッカーも上手になってるといいんだけど……」











にこ「ほっ!よっと…」ザッ ダッ


希「初日より疲れにくくなってきたなぁ」


絵里「たった4日だったけど案外変わるものね」












ことり「穂乃果ちゃんどうしてるかなぁ」


海未「サボってなければ良いのですが……」








穂乃果「ほい!ほい!ほい!ほい!」パコーンパコーンパコーンパコーン


海未パパ「初日に比べると見違えたなぁ」


穂乃果「えへへ!コツがつかめてきました!」











鬼ごっこ



希「この木の陰ならバレへんはず……!」


にこ「あいつ……どこに……!」


にこ「ッチ……見つけたぁぁ!!」ダッ


希「いやぁぁなんでぇ!?」ダッ


にこ「その肉の塊が木からはみ出してんのよ!!」


にこ「あんたわざとでしょ!」


希「えへ」


にこ「まてぇ!!」












その夜


海未パパ「やってみろ」


海未「……」フゥ…


海未「……はぁ!」ザン!


ズズズズ………ゴトン


海未パパ「……いい切り口だ」


海未「ありがとうございます」


海未(……今の瞬間の鋭さ………なにか…….)


海未パパ「まあまだまだ未熟だがな」


海未「これからも精進いたします」


海未(きっと気のせいですね)












次の日朝



穂乃果「ありがとうございました!」


「「「「「ありがとうございました!」」」」」


海未ママ「またいらしてくださいね」ニコニコ


花陽「ご飯とても美味しかったです!!」


海未ママ「ふふ、ありがとう。試合応援してますからね」


花陽「はい!頑張ります!」


穂乃果「よし、いこう!」ザッ










河川敷グラウンド



海未「今日は軽くボールを使った練習をして明日に備えましょう!」


「「「「「はい!」」」」」






花陽「ほっ!」トッ


にこ「いかせない!」バッ


海未「!対応が素早い……!!」










凛 タッタッタッ


希「待てー!凛ちゃん!」ダッ


凛「ボールは取らせないにゃー!」グンッ


希「ちょっ……まだ速くなるの!?」









真姫「はぁ!!」ドキュ!!


穂乃果「ふん!」バシッ


絵理「たぁ!」ドキュ!!


穂乃果 「…………」 クルッ


絵里「?」


穂乃果【ど根性キャッチ!】ドシュルル………


絵理真姫「……」


穂乃果「どう!?穂乃果の新必殺……」


絵理真姫「2度とやらないで」ズバァ


穂乃果「………あい」ショボン






海未(穂乃果……)ハァ


海未(まぁ、みなさんパワーアップできたようですね)


海未(私も……)




ズバァ!




海未(……あの鋭い感覚はなんだったんでしょうか…)


海未(なにかに活かせるかと思ったんですが…….)








絵里「海未ー!もう練習終わるわよ!」


海未「は、はい!今行きます!」ダッ













角間「始まりましたフットボールフロンティア予選第2回戦!御影専農グラウンドで行われます!」


角間「前評判ではUTX高校にも匹敵すると言われているその実力、楽しみです!!」


凛「なにここ……アンテナみたいのがいっぱいだにゃ~」


花陽「ここ……学校だよね?」


にこ「なんかやばいことやってんじゃない?」


希「また縁起でもないことを…」











角間「両者整列完了しました!」


下鶴「無駄だと言ったのに」


穂乃果「勝負はやってみなきゃわからないよ!」


杉森「データでは何度も勝っている」


海未「勝利の女神は最後まで諦めずに戦ったチームに微笑みます」


真姫「別にデータで何度勝ってくれても構わないけど?今日勝つのは私たちだけどね」


杉森「……」











角間「両者配置につきました!一体どのような試合を見せてくれるのでしょうかぁ!!」





FW
絵里、真姫


MF
ことり、海未、にこ、希


DF
ヒデコ、ミカ、凛、花陽


GK
穂乃果






ピーーーーーーー


ドッ



角間「音の木坂ボールでスタートしました!絢瀬ドリブルで上がっていく!」


下鶴「………」


角間「おーっと!御影専農動かない!!」


絵里「?なんなの?」


真姫「……そのまま持ち込んで!」


絵里「ええ!」タッタッタッ


角間「音の木坂上がって行くー!早速チャンス到来だぁ!!」


杉森「……」


杉森「ディフェンスフォーメーション!γスリー!!」


ササササッ!



絵里「!」


デデーン!






角間「絢瀬のいく先にディフェンスが集まっている!」


角間「これでは攻めれない!!まるで絢瀬の動きを読んでいたかのようなディフェンスだぁ!!」


真姫「こっち!」


絵里「ええ!」ドッ


真姫 トッ


ササササッ


真姫「っく!」


角間「早い早い!またもやシュートコースを塞いだぁ!」


真姫「邪魔なの……よ!」ドォッ!!


角間「西木野強引にうったぁ!!」


バシバシバシバシ!


杉森 パシッ


真姫「ッチ……」


角間「ディフェンスに当たって威力が削がれたぁ!!杉森ナイスセーブだぁ!!」


杉森 ドッ!!


藤丸 トッ








ことり「たぁー!」ザッ


藤丸「ふっ!」フワッ


ことり「あぁ……!」


希「てりゃあ!」ザザザッ !


藤丸「っく!」ドサッ


データに誤差あり、修正します


テンテンテン……


凛「よし!」トッ


にこ「いいわよ!」


凛「絵理ちゃん!」ドッ


絵理「ええ!」トッ


下鶴「いかせねぇよ!」バッ


絵里「海未!」ドッ


海未「はい!」トッ


海未「はぁ!」ダッ


三郷「くっ!」


花岡「くそっ」


角間「園田鋭いドリブル!二人をあっという間に抜き去った!!」


データに誤差あり、修正します


下鶴(こいつら……この間までと動きが違う)


にこ「あいつ……!」


希「すごぉ~」


室伏 バッ!


海未「しまった!」


角間「御影専農室伏、素早いディフェンスでピンチをしのいだぁ!!園田、攻め急ぎ過ぎたかー!?」


室伏「下鶴!」ドッ


下鶴「ああ」トッ


にこ「まちなさいよ!」ザッ


下鶴「はっ!」ザザザッ


にこ「くっ!」ガクッ


角間「ぬいたぁー!鮮やかなドリブルだぁ!!」


絵里「【ファイアトルネード】来るわよ!」


花陽「行かせません!」


凛「とめるにゃぁ!!」









下鶴「はぁぁぁぁ!」ドキュッ!


ヒュゥゥゥゥ………


穂乃果「?蹴り損ねたのかな……」


花陽「穂乃果ちゃん、気をつけて!」


穂乃果「へ?」










ボシュゥゥゥ!!!


下鶴【パトリオットシュート!】


ゴォォォォオォォ!!!!!






穂乃果【マ、マジン・ザ……】


海未「間に合いません!」


穂乃果「うっ……」バッ


バシィィィ!!!!


穂乃果「うぐぐぐ…………!!!」ズズズッ










穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」


ドシュルルルルル!!!!


角間「入ったぁぁ!!!入ってしまいました、先取点!!!高坂は必殺技を出す間もありませんでした!!」


穂乃果「あんなシュートがあったなんて……!」ダンッ!


花陽「しょ、しょうがないよ今のは!」


海未「油断するからですよ全く……」


にこ「別に大丈夫よ一点ぐらい、でしょ?」


絵里「ええ、まかせて!」


真姫「あの時の借り、まだ返してないからね」


穂乃果「おお……!みんな頼もしいね!」


海未「なのであなたはゴールをしっかり守っていてください」


海未「油断せずに」ギロッ


穂乃果「……は~い…….」シュン


ことり「海未ちゃ~ん………ほどほどにね」












ピーーーーーーー


御影専農1-0音の木坂


角間「さあ失点直後の音の木坂、どう展開していくつもりだぁ!?」


ドッ


絵里「いくわよ!」トッ


真姫「ちょうだい!」


絵里「真……!」バッ


下鶴 ザッ


絵里「チッ…」ピタッ


ことり「こっち!」


ドッ!


ことり「真姫ちゃん!!」ドッ


真姫「任せなさい!」トッ


角間「音の木坂南、ダイレクトで前線へパスをつないだぁ!!」


杉森「…」


真姫「前とは違うってこと見せてあげる!」









真姫「フッ!」ダンッ!


グルグルグル




真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォ!!!!!!






杉森【シュートポケット!】


ブワン……!


ボォォオ!


ドシュゥゥ!!!


杉森「…!」バッ


ドシュルルル……!!!






杉森「………」


角間「キーパー杉森とめたぁ!!素晴らしいキャッチだ!」









真姫「……まだまだ!」スタッ


凛「次行けるよー!」




杉森(…パワーが上がっている…)


データに誤差あり、修正します


杉森「藤丸!」ドッ


藤丸 トッ


海未「はぁ!」ダッ


藤丸「…」ドッ


花岡 トッ


ポーン

トッ

ドッ

トッ


角間「おーっとぉ、これは!?ディフェンスにボールを戻して攻めない!!どうした御影専農!!」


海未「どうして攻めないのですか!」


山岸「どうして攻めなせればならない?」


海未「!!」








希「くっ……!」バッ


藤丸 ドッ


花岡 トッ


希「ああもう!」







凛「全然攻めてこないにゃ~…」


花陽「どうしたんだろ……」


角間「御影専農、自陣でボールを回しなかなか攻め上がらない!!これは時間稼ぎかぁ!?」


響木「……………サッカーサイボーグ、か」




ピーーーーーーー


角間「ここで前半終了ぉーー!!!後半はどの様なプレイを見せてくれるのでしょうかぁ!!」










控え室前


杉森「………」テクテク


ゾロゾロ








希「ちょ、ちょっと落ち着いてって……!」


穂乃果「杉森さん!!」


杉森「……」ピタッ


穂乃果「どうして攻めてこないんですか!」


希「こういうのは戦略としてあるんよ穂乃果ちゃん」


穂乃果「……!でも……!」


杉森「1点でも100点でも勝利は勝利だ」


下鶴「データより少しはパワーアップしたようだが無駄だったな」


穂乃果「本当のサッカーは、もっと……こう、心の底から楽しいものなんです!」


穂乃果「杉森さんたちはどうしてシュートを決めても笑顔にならないんですか!!」


杉森「笑顔……?」


下鶴「そんなものサッカーに必要ないだろ」


杉森「……ああ、後半も同じだ」


スタスタ ガチャ











ことり「……穂乃果ちゃん…」


穂乃果「………」


穂乃果「データが全てじゃないって……思い知らせる!」


凛「めっためたにしてやるにゃ!」


花陽「うん!」


にこ「練習の成果出てるじゃない」


海未「まだまだ足りませんよ」


絵理「あれがまさか全力なんて言わないわよね?真姫」


真姫「この私がそんなわけないじゃない」


真姫「それよりそっちもちゃんとパワーアップしてるんでしょうね」


絵里「当たり前じゃない、かしこいかわいいエリーチカだからね♪」


真姫「かしこいかわいい……何って?」


絵里「な、なな何でもないわ!忘れて!」


真姫「?」










ピーーーーーーー


御影専農1-0音の木坂




角間「さぁ後半が始まりました!音の木坂逆転なるかぁ!?」


下鶴 ドッ


花岡 トッ


角間「またディフェンスにボールを戻したぁ!やはり攻めない!」


穂乃果「……攻めてこないならここにいてもしょうがないよ!」ダッ


ガシッ


穂乃果「ウグッ!?」ドサッ


穂乃果「な、何するのさ!?」


ヒデコ「あんたはキーパーなんだからみんなを頼って守ってなって」


穂乃果「で、でも……!」


ミカ「みんなで特訓……したんでしょ?」


角間「おーっと矢澤!強引に奪い取ったぁ!!」


穂乃果「!」


ミカ「ほらね」


にこ「希!」ドッ


希「任せて!」トッ


山岸【スーパースキャン!】


希「どれが本物のボールかな?」




クルッ スタッ


希【イリュージョンボール】






山岸「なっ!?」


未確認の必殺技確認、記憶します


にこ花陽(あの技……!)


希「お先~!」タッタッタッ


凛「すごいにゃ~希ちゃん!」


絵里「いつのまにあんな技……!」


希「真姫ちゃん!」ドッ


真姫「今度こそ……!」トッ








グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォ!!!!!





角間「再びゴールを狙う西木野ぉ!!同点ゴールなるかぁ!?」


杉村【シュートポケット!】


ブワン……!


ボファァァア!!


ドシュゥゥゥゥ!!


杉森「っく!」バッ


ドシュルルルルル!!


杉村「!!」バチィ!






テンテンテン……


下鶴「ば、バカな!」


データに再度誤差あり、修正します


角間「は、弾いたぁ!!ルーズボールを拾うのは誰だぁ!?」


絵里「はぁぁ!!」トッ


角間「絢瀬が拾ったぁ!!そのままシュートかぁ!?」


にこ「いきなさい!絵里!」








絵里「吹き荒れろ……」


パキパキパキパキ








絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォ!!!!





杉森【シュートポケット!】


ブワン……!


パキパキパキ


ドシュゥゥゥゥ!!


杉森「っく!」バッ


ドシュルルルルル!!


バチィ!!


テンテンテン……


データに誤差あり、修正します


角間「またもや弾いたぁ!」


絵里「ッチ……」


穂乃果「惜しいよ二人とも!」


真姫「絵里!」ドッ


絵里「ええ!」トッ


角間「ボールは再び音の木坂!シュートの嵐だぁ!!」






絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォ!!!


真姫 タッタッタッ


角間「西木野が走り込んでいる!?こ、これは……」











グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォォォ!!!!!!!


角間「シュートチェインだぁ!!これは決まるかぁ!?」






杉森「……」






杉森【ロケットこぶし!】


ドォォォ!!!







角間「ふ、防いだぁぁ!!!完璧なブロックだぁ!!」


真姫「……ハァ」


絵里「そんな……」


海未「まだ技を隠し持っていたのですか……!」


杉森「……不可解だ」


杉森(シュートポケットで対処できると思ったが……)


杉森「……プログラムの故障か?」






ヒュゥゥゥゥ


角間「ブロックしたボールはぁ!?」


藤丸 バッ


花陽「取らせません!」バッ


ガツンッ!!


花陽「きゃぁ!!」ドサッ


藤丸「うぐっ」ドサッ


角間「これは激しいぶつかりあい!!大丈夫かぁ!?」


テンテンテン……


凛「ことりちゃん!」ドッ


凛「かよちん大丈夫?」グイッ


花陽「みんな……強くなってる…!だから私も!」グッ


希「ナイスガッツ!花陽ちゃん!」


にこ「怪我すんじゃないわよ」




ことり「ハァ、ハァ」タッタッタッ


花岡 ザッ


ことり「はぁ!」クルッ ザザ!


花岡「っく!」


データに誤差あり、修正します


角間「南ドリブル突破!!滑らかなスピンだぁ!!」


ことり「海未ちゃん!」ドッ


海未「はい!」トッ


穂乃果「いけー!海未ちゃーん!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ズバァ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

海未(あの鋭さを……シュートに……!!)


ドキュ!!










杉森【シュートポケット】


ブワン…………!


パシッ


海未「まだ……もっとです!」


真姫「……海未?」


杉森「弘山!」ドッ


弘山「……」ドッ


トッ

ドッ


角間「再び自陣でボールを回していく!!」


にこ「こいつら……!!」


希「さっきより徹底してる…」


下鶴「そのまま試合終了まで指くわえて見てな」


にこ「くっ!」


???「……」タッタッタッ


花岡 トッ












穂乃果「てやぁぁぁ!!!!」ズザザ!


花岡「!?」バッ


ことり「ほ、穂乃果ちゃん!?」


角間「おおっとぉ!?キーパー高坂上がってきていたぁ!!しかぁし!ということは……」


ヒデコ「あー!目を離したすきに!!」


ミカ「早く戻ってきて!」


角間「ゴールはガラ空きだぁ!」


花岡「くっ!」ザザッ


杉森「なんだこいつ……なぜキーパーが…」


穂乃果「ここ!」ドキュッ!


ポーン!


角間「ボールを蹴り出したぁ!均衡を破ったぞ!!」


下鶴「チィ……!!」


海未「ナイスプレーですが早く戻りなさい!おバカ!」トッ


穂乃果「えっへへへ!試合で初めてブロックしちゃった!」タッタッタッ


凛「それでこそ穂乃果ちゃんだにゃ!」


花陽「早く!早く戻ってぇ~!」


絵里「す、すごいわね……」


真姫「さすがというかなんというか…」


角間「ブロックしたボールは園田へ!一体どうする!?」


海未「………」ザッ


絵里「海未!こっちへ…….」


真姫「そのまま打って!」


絵里「真姫?」


真姫「……多分……」


真姫「何かやろうとしてる……」


絵里「何か……?」


杉森「お前のシュートでは決められん」


海未(……できる!)










海未「………」 フッ


トン……











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
試合前日の夜


海未パパ「というわけで、真剣の修行は今日で終わりだ」


海未「お、終わりですか?」


海未パパ「ああ」


海未「まだ…1週間もたっていませんが」


海未パパ「いいんだ」


海未「……?わ、かりました」


海未パパ「どうだ」


海未「はい?」


海未パパ「サッカーに生かせそうなことはあったか?」


海未「……!」


海未「そのために……?」


海未パパ「さあな」


海未「…….正直わかりません」


海未「…………」


海未「そういえば、この刀の名前はなんというのですか?」


海未パパ「?言ってなかったか?」


海未「はい」


海未パパ「その刀の名前は………」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー













ズバァ!!


海未【菊一文字!】


ドゴォォォォォォ!!!!!







真姫「海未の新技……」


ことり「すごい……」


杉森「こ、こいつの必殺技は……データにない……!!」


杉森「データにないぞぉぉぉ!!!」バッ









杉森【シュートポケット!】


ブワン……!


ズバァ!!


ドシュゥゥゥ!!


杉森「っぐ…!」バッ


ギュルルルルル!!!!


杉森「ぐぐぐ……!」











海未「決まってください!」


穂乃果「決まれぇぇぇ!!!」







杉森「ぐ……ぐぁぁぁ!!!」バッ


ドシュルルルルル…………!!!!







角間「き、決まったぁぁぁ!!!同点ゴールは園田です!新必殺技で決めてきましたぁぁ!!」


穂乃果「すごいよ海未ちゃん!!」


ことり「いつのまに覚えたの!?」


海未「父にヒントを教えられまして」


海未「成功して良かったです」


花陽「すごい威力だったよ!」


海未「っ……」


凛「さっすが海未ちゃんだにゃ~!」


希「……」


希「ちょっとごめんな」グッ


海未「いっ……!」


海未「な、何するんですか希!!」


希「さっきのシュートで痛めたやろ?」


海未「!……気づいていたのですね」


ヒデコ「…交代する?」


海未「いえ、少しテーピングを巻いてきます」


フミコ「救急箱持ってきたよ!」パカッ


海未「ありがとうございます」シュル


フミコ「私たちが巻くからじっとしててね」


海未「いえ、そこまでは……」


ミカ「いいから、任されてなよ!」


海未「……すみません、では」


ココガイタイ?


ハイ、コノスジノトコロガ


オッケー!


シュルルルル マキマキ


凛「そ、それじゃああのシュートは打てないの?」


希「これからのことを考えるとやめておいたほうがいいかもね」


凛「そっか…」


にこ「凛、私たちも油断はできないわ」


にこ「敵はまた点を取ってくる」


凛「にこちゃん油断しちゃダメだよ」


にこ「あんたに言ったのよ!今!!」


海未「穂乃果、頼みましたよ」


穂乃果「うん、もう一点もとらせないよ」


絵里「私たちも………ね、真姫」


真姫「ええ、」


真姫「借りを返さないと気が済まないわ」


希「フフ、頼もしいね」


穂乃果「さあ!あと一点!絶対にとるよ!」


「「「「「おーー!!」」」」」











下鶴「…………」


杉森「どうした?」


下鶴「いや……」


杉森「?」











角間「さあ同点になりました!時間消費を目指していた御影専農は一体どのような攻めを見せるのか!」


御影専農1-1音の木坂


ピーーーーーーー




ドッ


下鶴「はぁ!」ダッ


にこ「きゃあ!」ドサッ


角間「御影専農下鶴!強引にドリブル突破だあ!!」


にこ「あいつ……!」


花陽「私が……!」ザッ


ミカ「行かせないよ!」ザッ


下鶴「ハッ」ドッ


山岸 ドッ


下鶴「よっと!」トッ


花陽ミカ「そんな……!」


角間「これは下鶴鮮やかなワンツー!計算されたチームワークです!」


下鶴「もうデータの修正は済んだ」


穂乃果「こい!」パン!









グルグルグル


下鶴【ファイアトルネード!】



ドゴォォォォ!!!!!








穂乃果「おへその下……おへその下ぁ!!!」バッ


ゴォォォォォオ!!!


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドシュゥゥゥゥ……………








下鶴「な、なに!?」スタッ


角間「止めたぁぁ!!!高坂、圧巻のキーパー力だぁ!!」








杉森「バカな……シミュレートでは決まっていたはず……」


下鶴「この短期間でどれだけパワーアップをしているというんだ……!」












穂乃果「凛ちゃん!」ドッ


凛 トッ


角間「星空へボールが渡ったぁ!!」


下鶴「素直に行かせるかよ!」ザッ!


角間「が、しかぁし!!すぐさま下鶴が立ちはだかる!!」


凛「遅いよ!」ダッ!


下鶴「……!くそっ……!」


データに誤差あり、修正します


凛「ことりちゃん!」ドッ


ことり「うん!」トッ


花岡「止める」ザッザ


杉森(もうあいつのデータの修正は済んでる)


ことり「はぁ!!」ザザザッ ダッ!


花岡「そんな….!」ガクッ


データに再度誤差あり、修正します


角間「抜いたぁ!!先ほどよりキレが増しているぞ!」


杉森「こいつら……試合の中で強くなっているというのか……!」


弘山 シュバッ!


ことり「あぅ…!」


角間「御影専農弘山、素早いブロックでボールを奪ったぁ!!」


ドッ!


藤丸 トッ


にこ「てやぁ!!」ザザザッ !


ポーン!


データに再度誤差あり、修正します


角間「矢澤思い切ったスライディング!飛んでいったボールは東條へ!」


希「ほっ!」トッ


山岸「先ほどの技はもう記憶した」


希「なら止めてみ?」ニッ







クルッ スタッ!


希【イリュージョンボール!】


山岸【スーパースキャン】




ザザッ! タッタッタッ


山岸「その程度か」タッタッタッ


角間「山岸!東條のイリュージョンボールを破ったぁぁ………?」


希「………」


希「えーと………」


希「君はなにを取ったつもりでいるん?」トッ


山岸「なっ……!ボ、ボールは!?」キョロキョロ


角間「なぁんと!!ボールは東條が持っていたぁぁ!!これぞまさにイリュージョンだぁ!!」


希「君が取ったのは幻やったってことかな」


希「エリチ!」ドッ


絵里「ナイスよ希!」


真姫「絵里!」グッ


ダンッ!










絵里「吹き荒れろ……」


パキパキパキパキ








絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォ!!



グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォォォ!!!!!!










ビーーーー ビーーーー ビーーーー


危険度、レッドゾーンです



杉森「バ、バカな……!」


杉森「こんなことが……あってたまるかぁ!」バッ


杉森【ロケットこぶし!】


ドォォォ!!!


杉森「ぐっ……!」ググググッ


絵里真姫「いけぇぇ!!」


杉森「何故だ………何故!」ググググ











ドシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!


杉森「ぐわぁ!!」バッ


角間「決まったぁぁぁ!!!決勝点を入れたのは絢瀬と西木野のダブルエースだぁ!」


「「「「「いやったぁ!!!!」」」」」


花陽「信じてたよぉ二人とも!!!!」


穂乃果「ついにやったね!!」


凛「流石だにゃ!!」


にこ「あんたちょっと疑ってたじゃない」


にこ「海未ちゃんがシュート打てないの?やばいにゃ~って」


凛「なんのことかにゃ?」


にこ「こ…….こいつ…!!」


希「やったね、エリチ、真姫ちゃん!」


絵里「ええ!」スッ


真姫「別に……」クルクル スッ

パンッ!














杉森「なぜだ……完璧なデータを持っているはずなのに……」


下鶴「完璧な……データ……」







御影専農1-2音の木坂


ピーーーーーーー


角間「さあ一点ビハインドの御影専農!どう攻めていく!?」


ドッ


下鶴「データは絶対だ!」ダッ


にこ「さっき突き飛ばしたお返しよ!」


下鶴「もうお前のデータの修正は……」


トッ!


にこ「はっ!案外大したことないわね!」ダッ


角間「音の木坂矢澤、小柄な体型を生かしたディフェンスで下鶴からボールをうばったぁ!!」


下鶴「な、ぜだ……!」ガクッ


データに再度誤差あり、修正します


下鶴「………何回修正するんだ……」


下鶴「………!」ギリィ!


下鶴「……こんなもの!!」ブチィ


ポトッ


杉森「…アラタ!」


下鶴「うぉぉぉ!!!」ダダダダッ!


にこ「きゃぁ……!!」ドサッ


角間「下鶴再度ボールを奪い取ったぁぁ!!恐ろしい執念だ!!」


下鶴「…….」ザザザッ


下鶴「みんな!!いいのかこのまま終わっても!」


御影専農「!」


下鶴「データばかり追いかけてもこいつらには勝てない!」


下鶴「ならするしかないだろ!自分たちのサッカーを……!!」


下鶴「俺たちのサッカーはデータの中にあるんじゃない……」


下鶴「フィールドの中にあるんだ!!」


御影専農「……!」コクリ


ブチィ ブチッ ブチィ ブチィ ブチィブチッ


杉森「………」


杉森「俺は……キャプテン失格だな」


ブチッ


下鶴「藤丸!」ドッ


藤丸 トッ


海未「通しません!」ザッ


ズキィ!


海未「ぐっ……!」ヨロッ


藤丸「はぁ!」ダッ


海未「しまった!」


角間「藤丸園田を抜いたぁ!!」


藤丸 ドッ


下鶴「よし!」トッ















山岸「はぁ!」ドシュ!


穂乃果「たぁ!」パシッ


真姫【ファイアトルネード!】


杉森【シュートポケット!】


真姫「ッチ……」


杉森「フッ……」


藤丸「くっ……!」ザザッ


にこ「やるじゃない…!」ザッ


下鶴【パトリオットシュート!】


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


下鶴「次は決める!」


穂乃果「受けて立つよ!」


希【イリュージョンボール!】


山岸【スーパースキャン!】


希「そんな…!?」


山岸「よし……!」








角間「こ、これは壮絶な試合展開……!!一体勝利の女神はどちらへ微笑むのでしょうか!!」







下鶴「……このままじゃ……!」


杉森「アラタァァ!!!」ダダダダ!


下鶴「キャプテン!!」


杉森「あがるぞ!」


角間「な、なな何ということでしょうか!キーパー杉森が下鶴と共に上がっていく!?」


絵理「面白くなってきたじゃない」


にこ「全然面白くないわよ!」


希「ディフェンス!」


凛「任せるにゃあ!!」バッ!


杉森「アラタ!」


下鶴「ああ!」ドッ!


杉森 ドッ


下鶴 トッ


凛「そんな……!」


角間「またまたワンツーだぁ!だが先ほどより隙がなくなっている!!」


花陽「と、止めます!」バッ


下鶴 チラッ


花陽「!させません!」ダッ


下鶴「甘いんだよ!」ダッ!


花陽「あ……!!」


角間「ワンツーと見せかけてそのままぬいたぁ!!前半より攻撃にキレが出ているぞぉ!!」


杉森「いけるか?」


下鶴「………多分」


杉森「ハハ!多分なんて言ったのいつぶりだろうな」


下鶴「これから何度だって言うようになるさ」


杉森「行くぞ!」バッ


下鶴「ああ!」バッ














グッ グッ


ダンッ! ダンッ!












グルグルグル


絵里「あれは……【ファイアトルネード】!」










グルグルグル


花陽「す、杉森さんも!?」


希「【ファイアトルネード】!?」


真姫「いや、回転が逆よ!」


杉森下鶴「はぁぁぁ!!」バッ













杉森下鶴【ダブルトルネード!!】


ドキュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!


角間「こ、これは!?もう何がなんだかわかりません!」


穂乃果「杉森さんと下鶴さんの熱い思いが、痛いほど伝わってくる……!」ブルッ


穂乃果「でも、穂乃果たちも負けるわけにはい!」バッ


ゴォォォォォオ!!!










穂乃果【マジン・ザ・ハンドォ!!】



ドシュルルルルル!!!


下鶴杉森「いけぇぇ!!」


海未「止まれ!!」











ギュルルルルルル!!!!!!












ドシュゥゥゥゥ………!











穂乃果 ニッ












角間「と、止めたぁ!!御影専農の捨て身のシュートを最後に受け止めましたぉ!!」


ピッピッピーーーーーーー


角間「ここで試合終了のホイッスル!!」


角間「勝ったのは音の木坂だぁぁ!!」


角間「実況は角間、角間でお送りいたしましたぁ!!」


ありがとうございました!!








穂乃果「杉森さん!」


杉森「ああ、データばかりに囚われていたのが馬鹿みたいだ」


海未「気持ちをぶつけ合い、精一杯戦う、それが私たちのサッカーですから」


下鶴「今頃その大切さに気づけた、ありがとう」


下鶴「足を怪我していたようだが大丈夫か?」


海未「はい、軽く痛めただけですから」


杉森「いいシュートだった」


海未「!ありがとうございます!」


杉森「……….」


杉森「音の木坂の皆…」


「「「「「「?」」」」」」」


杉森「数々の非礼、本当にすまなかった、どうか」ペコリ


下鶴 ペコリ


御影専農一同 ペコリ


海未「そ、そんな……顔をあげてください!」


ことり「そ、そうだよぉ~…」


にこ「いーや、あれは許されることじゃ無いわね」


凛「そうにゃそうにゃ!」


絵里「にこ……!」


花陽「り、凛ちゃん……!」


杉森「なんでも言ってくれ」


にこ「じゃあ……」チラッ


凛「うん!」チラッ


音の木坂一同「………」ゴクリ


にこ「また私たちとサッカーしなさい」


凛「前半みたいなのじゃなくて最後みたいに!」


杉森「ああ……!!もちろんだ!」


下鶴「次会うときはまたよろしく頼む」


穂乃果「うん!またサッカーしようね!」


監督「全てを出し切ってぶつけ合った後にこそ真の友情が芽生えるんだ」












凛「おっちゃん!雷雷軒いこ!」


「「「「「いえー!!」」」」」」


響木「金は払えよ」


「「「「あー……」」」」


海未「当たり前です!」


ヒデコ「今日は私たちも行くね!」


フミコ「今日は休みでいいよね」


ミカ「いいでしょ!」


穂乃果「よーし!じゃあ早速…….レッツゴー!」


「「「「「「おー!」」」」」」」














真姫パパ「まだ……送られてこない……」


看護師「西木野さん!オペ中にぼーっとしないでください!」


真姫パパ「あ、ああ……」ズブッ


真姫パパ「あ、間違えた」


看護師「西木野さぁぁん!!!」









[5、個性豊かな方々]




カランカラン



「「「「おかえりなさいませ!ご主人様!」」」」」


にこ「………おかしくない?」


にこ「なんで私たちメイド喫茶でバイトしてるのよ!?」


花陽「そ、それは……」










穂乃果「よーし!次の試合まであと3日!」


穂乃果「今日も練習がんばるぞー!」


「「「「「おー!」」」」」


凛「そういえば海未ちゃん、あれって本当なの?」


海未「あれ、とは?」


凛「ほら、次の対戦相手はメイド喫茶に入り浸ってるっていう」


絵里「にわかに信じ難いわね」


にこ「そんなチームが準決勝まで上がってきてるとは思えないけど…」


ことり「あ、あの~….」


海未「どうしました?ことり」


ことり「ことり今日ちょっと用事が…」


にこ「今日も休むの?」


ことり「う、うん…」


絵理「用事があるならしょうがないわ」


絵里「明日は来れるでしょう?」


ことり「うん…ごめんね?」


タッタッタッ


花陽「用事ってなんなんだろう…?」


希「練習を休み人目につかないところで密会……相手との関係性やいかに!」


凛「真相はCMの後で!」


穂乃果「CM入りまーす」


バシバシバシッ!


にこ「ふざけてる場合じゃないでしょ!」


希凛穂乃果「すみません…」シュン


花陽「そうですよ!チームの危機!一大事ですよ!」


真姫「そんなに心配ならついていけばいいじゃない」












ササササッ


真姫「なんで私もなのよ!!」


穂乃果「真姫ちゃんしー!気づかれちゃうよ!」


真姫「誰によ……ことりはもうどこいったかもわからないじゃない」


絵里「もし近くにいたらバレちゃうじゃない」


真姫「どうして絵理までそんなにノリノリなの……?」


凛「海未ちゃん!今ことりちゃんはどこにいるの?」


ピッピッ


希「もうナチュラルに発信機を使うのすごいね」


絵里「もしかして私たちにも……!」


にこ「ヒッ……!」


海未「それはないので大丈夫です」


希「そこまでバッサリいかれるとそれはそれでショックやなぁ…」


海未「………おや?ここは…」


希「どこなん?」


海未「それが……」


海未「メ、メイド……喫茶、というところです」


「「「「「メイド喫茶!?」」」」」


花陽「ことりちゃん……メイド喫茶にハマってるのかな……」


にこ「だからって練習をサボるのはいただけないわね」


穂乃果「……よし!みんなで突撃だ!!」


にこ「ひっ捕らえて引きずり出すわよ」


花陽「お、お手柔らかにね……」












カランカラン


穂乃果「たのもー!」バンッ!


海未「穂乃果……道場ではないのですからもう少し静かに…」


「おかえりなさいませ!ご主人……さ、ま?」


ことり「……….うそ」


花陽「ことりちゃん……!?」


メイド「ミナリンスキーちゃんどうしたの?」


絵里「ミ、ミナリンスキー……?」


にこ「あ、あんた……」


絵里「そ………」


「「「「「そっち(メイド)!?」」」」」


ことり「あぅ~~……」













穂乃果「いつ頃から始めたの?」


ことり「3人で高校でサッカー部作ったあたり……かな」


にこ「結構前ね」


絵里「というかミナリンスキーってなによ!?」


花陽「ミナリンスキーといえば……」


花陽「出てきて数ヶ月でカリスマとまで呼ばれるようになった伝説の!?」


ことり「なんか……いつのまにかそうなっちゃってて……」


凛「きっかけはなんだったの??」


ことり「うん、駅前で呼び止められて……」


ことり「最初は嫌々だったんだけど、だんだん面白くなってきて……」


海未「なぜ…メイド喫茶を?」


ことり「私は……何もないから」


穂乃果「何もない?」


ことり「穂乃果ちゃんや海未ちゃんたちと違って……何も…」


ことり「………」


「「「「………」」」」」ウーン


穂乃果「そうだ!」


海未「何か考え付いたのですか?」


凛「嫌な予感しかしないにゃー…」


絵里「いや、万が一もあるかも」


希「エリチ…….」


穂乃果「私たちもメイドをやろう!」


「「「「「はぁぁぁ!?」」」」」」


にこ「なんでそんなぶっ飛んだ発想になるのよ!」


海未「そ、そそそそうですよ!」


海未「メイドなんて……破廉恥です!」


希「別に破廉恥では無いような……」


真姫「私は反対」


花陽「メイドはちょっと……」


穂乃果「だって次の相手はメイド喫茶大好きなんでしょ?」


絵里「…!わかったわ、情報収集ね!」


穂乃果「その通り!さすが絵里ちゃん!」


海未「くっ…!情報収集のためとあらば……!!」


花陽「そ、そんなぁ~……」


真姫「じゃ、あとは頑張ってね」トコトコ


ガシッ


真姫「?ぇぇえ!?」


海未「逃がしませんよ……!」ギリギリ


真姫「わ、わかったから痛い痛い!!」


にこ「にこは嫌よ!誰がメイドなんか……」


凛「にこちゃんもうフリにしか聞こえないにゃ……」


ことり「店長~!大丈夫ですか?」


店長「……」グッ シャクシャク


凛「……スイカ食べてる…」










カランカラン


にこ「おかえりなさいませ!ご主人様ぁ~?」


にこ「お二人ですかぁ?にこがご案内いたしまぁ~す!」


にこ「こちらへどうぞ!にこ!」


凛「やっぱり…」


花陽「昔のバイト先のような安定感……」


絵里「流石にこね!」


希「にこっちやるときはやるからなぁ」


カランカラン


凛「いらっしゃいませ!」


ことり「凛ちゃん、いらっしゃいませじゃなくておかえりなさいませって言わなきゃ!」


ことり「ご主人様だからね」


凛「……ことりちゃんもアニメではいらっしゃいませって……へブチ!」チョップ


凛「痛いよぉ~!」バッ


真姫「言ってはいけないことを言う気がしてたからつい……」


花陽「あ…ははは」


カランカラン


穂乃果「へいらっしゃい!」


ことり「ほ、穂乃果ちゃん!?」


海未「居酒屋ですか……」


花陽「穂乃果ちゃんらしいね」


穂乃果「そんなこと言うのはこの口か!」プニプニ


花陽「うぅぅ……!ほっぺプニプニしないでぇ!」プニプニ




「こっち注文お願いしたいんだなぁ~!」


真姫「…はぁ、はいはいただいま」スタスタ


相戸留「今日は新しい子が多いんだな!みんなアイドルみたいに可愛いんだな~!」


真姫「……そんなことより注文を……」


仮沢装 ササッ


真姫「なっ…!なにを…!!」


穂乃果「あ!真姫ちゃん猫耳つけてる!」


凛「ノリノリだにゃ!」


仮沢装 スッ


凛「え?凛たちも?」


穂乃果「わぁ!穂乃果は犬耳だ!」


真姫「こんなのいらな……!」


穂乃果「どう?凛ちゃん!」ワンワン!


凛「似合うにゃー!凛は凛は?」ニャーニャー!


穂乃果「似合ってるよぉ~!」わしゃわしゃ


凛「にゃ~!!」


仮沢装「グー!」グー!


相戸留「目線、こっちにお願いなんだな!」パシャパシャ


真姫「ちょっ…!やめなさいよ!」


穂乃果凛「いえーい!」


真姫「二人も!」


穂乃果「ほらほら真姫ちゃんも!」グイッ


凛「せっかくだから!ね?」グイッ


真姫「なんで私まで……」


相戸留「じゃあ最後に一枚!」


穂乃果凛「いぇい!」ニャー ワン


真姫「い…いぇーい…」ハァ


パシャッ!












希「お客さん居なくなったから来てみたらなんか面白いことになってるやん」


絵里「真姫随分ノリノリね」


真姫「ちがっ……!これは!!」


穂乃果「希ちゃん!」


凛「この人アイドル好きなんだって!」


にこ「なんですって!?」


ダッ


にこ「誰!!アイドル好きは!」


相戸留「俺なんだな~!」


にこ「……ごほん」


にこ「にっこにっこにー!あなたのハートにラブニコ!みんなのアイドル矢澤にこです!今日はにこのことだけでも覚えて帰ってください!にこ!」


音の木坂一同「………」











凛「寒い……寒いにゃ……」ガクブル


真姫「絵理のエターナルブリザードより寒いわ……」ガタガタ


絵里「真姫………」


にこ「あんたら……覚えてなさいよ……!」


相戸留「可愛いんだな~!!」パシャパシャ


仮沢装 スッ


にこ「やーん!ありがとうございますぅ!!」スチャッ


希「にこっちの一発芸が受けてる……!」


にこ「一発芸じゃないわよ!!」


花陽「それは……うさぎ?」


仮沢装「グー!」


真姫「頭痛くなって来たわ……」


ことり「あの~、皆さんにお聞きしたいんですけど…」


ノベル「なんだい?」


漫画家「僕らが答えられることなら答えるよ」


相戸留「ミナリンスキーの頼みとあればお任せなんだな!」


仮沢装「グー!」


ことり「えっと、メイド喫茶によくお越しになるサッカーチームって知りませんか?」


ノベル「んー、聞いたことないなぁ……」


漫画家「君たちサッカーやってるのかい?」


穂乃果「はい!今大会中なんです!」


凛「次は準決勝だにゃ!」


漫画家「奇遇だなぁ、僕らも今ちょっと大きな大会に出てるんだよ」


穂乃果「サッカーやってるんですか!?」


凛「びっくりだにゃ~…」


ノベル「僕らも次準決勝なんだ」


真姫「まさか……」


漫画家「なんて大会だっけ……」


相戸留「えーっと……忘れたんだな」


ノベル「フットボールフロンティアだよ」


花陽「…え?」


漫画家「あぁ~!確かそんなだった気がするよ!」


真姫「うそ……」


絵里「フ……….」


「「「「フットボールフロンティアァ~!?」」」」


ことり「じゃ、じゃああなたたちが!?」


希「秋葉名戸学園!?」


漫画家「うん、そうだよ」


海未「メイド喫茶に入り浸るサッカーチーム……」


海未「まさかこの方々だったとは……!!」


穂乃果「とりあえず海未ちゃんは裏方から出てこよっか」


凛「声が遠いにゃ~」


絵里「今日は練習休みなんですね」


漫画家「?僕らは練習なんてしないよ?」


海未「それは……一体どういう……」


ノベル「あ、もうこんな時間だ」


ノベル「そろそろ帰ろうか」


相戸留「だな~」


海未「ちょ、ちょっと待ってください!」


ノベル「3日後、よろしくたのむよ」


漫画家「僕らは……勝たなくちゃいけないんだ」


相戸留「だな~!」


カランカラン


穂乃果「………行っちゃった……」


ことり「どんな試合になるんだろ……」


カランカラン


「「「!」」」


ことり「おかえりなさいませ……!」


相戸留「さ、さいごに!」ハァハァ


仮沢装 サササッ


スチャッ スチャッスチャッスチャッスチャッ


凛「こ、これは…!」


希「たぬきさん……」


絵里「きつね……」


花陽「シカさん……」


海未「黒うさぎ……」


ことり「………トサカ」


凛「ブフゥ…!!」


ことり「な、なに!?凛ちゃん!」


凛「だ……だって……!!ト、トサカって……ふふっ……!」プルプル


ことり「わかってるから言わないで!」


ことり「ふん!」プクーッ


凛「ことりちゃんごめんにゃ~!!」ダキッ


ことり「……ふん!」


凛「なんでもいうこと聞くからぁ!」


希「あ」


真姫「言っちゃった……」


ことり「……なんでも?」


凛「い、いや……なんでもっていうのは言葉の綾っていうか……ね?」


ことり「なんでもかぁ~!」


ことり「…….うん!許してあげるね!」


凛「そんなぁ~……」


海未「自業自得ですよ」


穂乃果「そうだよ!ことりちゃんのトサカが二つになったぐらいで!」


「ブフゥ……!!」


ことり「………」


凛「………」












ことり「うわーーーん!!!」ダキッ


穂乃果「よしよーし、大丈夫だよ~」


凛「待って今の絶対穂乃果ちゃんのせいだよね」


相戸留「じゃ、最後に一枚お願いしたいんだな!」


絵理「ハーイみんな並んで~」


穂乃果「ほらほら凛ちゃん!並んで並んで!」


凛「う~…!腑に落ちない!」


にこ「ちょっと、センターは私よ!」


相戸留「はい、チーズなんだなぁ!」


パシャ!










カランカラン


にこ「ふー、今度こそ帰ったわね」


真姫「まったく……誰がこんなもの……!」


凛「ねえことりちゃん、肩もんで欲しくない?」


ことり「え、いいの?ありがとう凛ちゃん!」


ことり「お願いは使わないけど」


凛「うぅぅ……」モミモミ


海未「ことり、恐ろしい子……!」


穂乃果「キャラ崩壊しかけてるよ」


海未「まったくです」


穂乃果「海未ちゃんがね」


海未「え」


にこ「花陽、次の相手……どう見る?」


花陽「はい、前評判では参加校最弱とまで言われてたけど……」


花陽「どうなんだろ……」


にこ「まあ準決勝まで来てるわけだけど…」


にこ「……油断しなければ今までの相手よりマシでしょ」


花陽「そうだね」


にこ「だから油断はダメよ」


花陽「はい!」


絵里「さ、片付け始めるわよ」


ことり「細かいのはことりがやるからみんなは拭き掃除お願い!」


「「「「「はーい!」」」」」













シャクシャクシャク


凛「え、あの人凛たちが来てからずっとスイカ食べてる………」


真姫「あれがラストの一つね」


花陽「はらしょー……」













河川敷




にこ「ほら!もっと気合い入れなさい!」ダッ ゼーゼー


凛「はぁい!!」ダッ


花陽「はぁぁ~……もうだめ……」バタッ


凛「か、かよちん!?」ザッ


にこ「何よ……ハァ、もう、限界なの?」ハァハァ


花陽「凛……ちゃん…」ガクッ


凛「かよちん……?かよちん!!」ユサユサ


にこ「………休憩にするわよ」


花陽「やった!」ガバッ


凛「かよちん!!」パァァ!


にこ「なにこの茶番…」


花陽「えへへ」










絵里「……」


絵里「ねぇ希、なんだかいつもより練習厳しすぎない?」


希「今回の相手は多分そんなに強敵じゃないから決勝に向けて厳しめにしようって海未ちゃんが」


ことり「にこちゃんいいって?」


希「そういうことやろなぁ」


希「あの様子やと」


絵里「へぇ、あのにこが目の前の試合より先の試合を重視するなんてね」


海未「しかし、今のままではあのUTXに勝つのは厳しいというのも事実…」


海未「悪い選択ではないかと」


ことり「もちろん前日は軽くだよね?」


穂乃果「休んでなんかいられないよ!!前日も練習だぁー!」


ことり「うぅ~…」


絵里「大丈夫よ、ちゃんと軽くするから」


海未「当たり前です!」


海未「まったく穂乃果は……」


穂乃果「えへへへ、ごめんなさい!」


穂乃果「……ところで真姫ちゃんは?」


海未「先ほどお手洗いに行くと言っていました」


穂乃果「そっか!」


希「よーし!ウチ達も練習練習!」


「「「「「おー!」」」」」


海未(それにしても……個性の強い方々でしたね)







相戸留ノベル漫画家仮沢装「ハックシュン!」


相戸留「ああ……!!フルコン逃したんだなぁぁ!!!!」











凛「じゃあねー!」


花陽「うん!また明日!」


真姫「……ええ」










凛「ふんふんふーふふんふんふんふんりんりんりんがべー♪」


「凛!!」


凛「にゃ!?」クルッ


真姫「私と……ハァ……やってほしいことがあるの!」


凛「やってほしい……こと?」


真姫(御影専農戦で見たダブルトルネード、あれを応用すれば……)


真姫「今から時間ある?」


凛「あるけど……」


真姫「公園にいくわよ!」グイッ


凛「え…ええ!?」グイッ


タッタッタッ











凛「ええ~~!?」


真姫「しっ!声が大きい!」ヒソッ


凛「ほ、本当にそんなことできるの?」


真姫「できるかどうかじゃない」


真姫「やるかやらないかよ」


真姫「やらないの?」


凛「やるにゃ!」


真姫「……厳しいわよ」スッ


凛「望むところだにゃ!」パチンッ!


真姫「………」


凛「?どうしたの?」


真姫「いや……握手のために手、出したんだけど……」


凛「ご、ごめんね真姫ちゃん!!」ガシッ ブンブン!


真姫「………痛い」ブンブン











秋葉名戸学園


穂乃果「ここ……すごいね……!」


絵理「ええ、アニメのポスターがたくさん貼ってあるわ」


希「音の木坂やったら規制対象やなぁ」


海未「ハ、破廉恥です!!あんな……スカートの短い女の子が……!!」


ことり「なんだか秋葉原って感じだね」


花陽「ここは個性的な生徒が集まる学校らしいからそのせいかも」


にこ「……本当に強いのかしら」


凛「にこちゃん、かよちん、真姫ちゃん」


にこ真姫花陽「なに?」


凛「あれ」










「………」シャクシャクシャク ポロポロポロ


凛「あそこにメイド喫茶の店長がいる……」


にこ「あの人向こうの監督だったの!?」


花陽「なんで泣いてるんだろう……」


「実は……」


真姫「ヴェェ!?誰よあんたたち!」


マネージャー「私たち、秋葉名戸のマネージャーなんですけど…」


にこ「……なんでメイド服着てるの?」


マネージャー「我がチームと試合するチームのマネージャーにはこの服を着てもらう決まりなんですが…」


真姫「も、もう嫌よ、その服!」


花陽「待って真姫ちゃん!」


花陽「マネージャーってことは……」


マネージャー「はい、そちらにマネージャーがいらっしゃらないので……」


マネージャー「監督落ち込んでるんです」


にこ「何事かと思ったら……」


にこ「すっごくくだらないことじゃない!!」


凛「あ、もうフタ2玉目食べ始めたにゃ」


花陽「お腹チャプチャプにならないのかなぁ」


真姫「スイカは殆どが水だからね」


にこ「あそこにあるの全部食べ切る気かしら……」


絵理「ハラショー……」


希「スピリチュアル……」


にこ「あんたら無理やり入ってくんじゃないわよ!」


絵理「そ、そんなつもりは……!」


希「な、ないよ?」


にこ「目泳ぎまくってんのよ!」


穂乃果「よし!みんな行くよ!」


「「「「おーー!!」」」」







凛「……真姫ちゃん」


真姫「ダメよ」


凛「だよね…」









ザッ ザザザッ


角間「さぁ……前半も終わりが近づいてきておりますが」


角間「以前得点は動きません…」


角間「ずっと自陣でボールを回す秋葉名戸……!」








海未「………なんだか変な感じですね……」


絵理「御影専農とはまた違う感じがするのよね……」


にこ「勝負する気あるの?」










希「てやぁー!」ダッ


ロボ「はぁー!」ザッ


ロボ「ガシィーンガシィーン!ハイパーボール!!」


ロボ「発射!」ドッ


希「あっ……」









真姫「いい加減にしなさい!」


ヒーロー「来たな、悪の軍団め!」トッ


ヒーロー「この町の平和は、俺が守る!!」


真姫「はぁ!?」


ピーーーーーーー


角間「ここで前半終了ぉーー!!一体どうした秋葉名戸!!」









控え室


にこ「なんなのよ!?」


海未「何か意図があるとしか思えませんが……」


ことり「後半は流石に攻めてくるよね……?」


凛「そうじゃなきゃ試合にならないにゃ~」


花陽「毎回こんな戦い方してるのかな?」


穂乃果「後半攻めてくるならやることは一つ!」


絵理「カウンターよ!」


穂乃果「また穂乃果のセリフとったぁ!!」


希「よーし!後半、油断しないように頑張ろー!」


「「「「おー!」」」」」


海未「特に穂乃果ぁーー!!」


「「「おーー!!」」」


穂乃果「すっごく複雑……」










ピーーーーーーー


秋葉名戸0-0音の木坂


角間「音の木坂ボールで後半スタートいたしました!」


ザザザッ !


角間「……おおっとぉ!?前半とは違い全員で敵陣へ切り込んで行く秋葉名戸!!」


絵理「前半とは動きが違う!」


にこ「面白いじゃない……!」


ノベル(我々の体力では1試合戦い抜くことは不可能!)


漫画家(後半勝負!)


にこ「むっ……!」タッタッタッ


ヒーロー「フッ……!」





ヒーロー【フェイクボール!】


ヒーロー タッタッタッ



にこ「は?何がフェイクボールよ……」


にこ「全然止めれて………!?」ガッ


にこ「なっ……はぁ!?」


凛「あ、あれは!!」


花陽「スイカァ!?」


角間「おーっとこれは不運!!フィールド外から乱入したスイカと入れ替わってしまったぁぁ!!」


監督 シャクシャク


希「ずいぶん汚い手使うやん?」ダッ


ヒーロー「とう!」ドッ


ノベル トッ


希「あ……」








ノベル「いくよ!」


穂乃果「こい!」グッ



ドシュ!!


フミコ「なっ!?」


穂乃果「どういうこと!?」


角間「こ、これはぁ!?ゴールの目の前にいるにもかかわらずゴールとは正反対の方向へシュートを繰り出したぁ!!」


海未「一体何を……」


海未「!!」






シャキーーン!


ゲーマー【ど根性バット!】



ゲーマー「どぉぅらぁぁ!!!!」ブゥン!


カキィン!







穂乃果「そんなっ!!」ダッ


ドシュルルルルル!!


角間「き、きまったぁ!!先制点は秋葉名戸だぁ!!」











穂乃果「……………」正座


海未「………….」


花陽「う、海未ちゃん……」


海未「………………はぁ」


海未「今回はしかたありません、あれは流石に予想外です」


絵理「それより、やっと攻撃できるわね」


にこ「あのスイカさえなければにこが上がっていけたのに!!」


凛「あのスイカなんだかずるいにゃ~」


ことり「………」


真姫「こうやって今まで勝ち進んでたのかしらね」


希「やられっぱなしは嫌やしな~」


穂乃果「よーしみんな!せめて攻めて攻めまくるよ!!」


「「「「「おー!」」」」」」


海未「次は……頼みましたよ…?」ジロッ


穂乃果「……ひゃぃ………!」ガクガク












秋葉名戸1-0音の木坂


ピーーーーーーー


角間「1点ビハインドの音の木坂!どう攻め上がるのか!?」


クルッ タッタッタッ クルッ タッタッタッ


にこ「!……こいつら…」


絵理「全員で守るつもり!?」


海未「絵理!突っ切ってください!」


絵理「ええ!」ダッ


ノベル ザッ


クルッ ダッ ザザザッ


絵理「ことり!」ドッ


ことり トッ


タッタッタッ


漫画家「はぁ!」


ことり「希ちゃん!」ドッ


希「ほっ!」トッ


ヒーロー「行かせないぞ!悪の手先め!」





ヒーロー【フェイクボール!】


希【イリュージョンボール】





タッタッタッ



ヒーロー「な、なにぃ!?」ガッ


ヒーロー「ヘブチッ……!!」ドサッ


希「すり替えられんかったみたいやね!」


凛「さっすが希ちゃん!」


希「真姫ちゃん!」ドッ


真姫「ええ……!」トッ






ゲーマー「いくぞ!」


「五!」「里!」「霧!」「中!」


ズババババババババ!!!!!



ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!




真姫「っぐ……!この砂嵐の中じゃ跳べない……!」


絵里「真姫、いただくわよ!」


真姫「絵里!」






「吹き荒れろ……」


パキパキパキパキ




絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォ!!!!


ドシュウウウゥゥ………!






…………………………






絵里「決まったかしら…」


真姫「砂嵐が激しすぎて見えないわ……」









コロコロコロ……


相戸留「はぁ……はぁ…」


角間「なぁんと!!絢瀬の放ったシュートは惜しくもゴールを外していたぁ!!」


絵里「そんな……!たしかに真ん中を狙ったのに……」


海未「どういうことでしょう……」









海未【菊一文字!】


ドシュウウウゥゥ!!







真姫「ちょっと離れれば……」ダンッ!


グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドシュウウウゥゥ!!








コロコロコロ………


相戸留「はぁ……はぁ……」


角間「どうしたどうしたぁ!?音の木坂ことごとくゴールを外していくぞぉ!!」









真姫「どういうこと?」


海未「……わかりません……」


希「ゴールの真ん中を狙っても外れる……」


角田「残り時間も刻一刻と過ぎていきます!」




アーケード「えー、まもなくー、秋葉名戸学園のぉー、勝利ー、勝利ー」




ことり「あの砂嵐の中で何が……」


ことり「!」


ことり「凛ちゃん!」


凛「にゃ?」


ことり コショコショコショ


凛「……うん!やってみるにゃ!」


凛「希ちゃん!真姫ちゃん!」


真姫「何か思いついたみたいね」


希「面白そうやん!」










ピーーーーーーー

角間「おーっと星空があがってきたぁ!!」


にこ「凛!」ドッ


凛「いくにゃぁ!」トッ



タッタッタッ ザザザッ クルンッ ダッ!



角間「これは素晴らしいドリブルだぁ!!グングンあがっていくぞぉ!!」


凛「真姫ちゃん!」ドッ


真姫「ええ!」トッ


ドキュッ!





角間「高く蹴り上げたぁ!!またまた【ファイアトルネード】かぁ!?」





漫画家「させないよ!」


「五!」「里!」「霧!」「中!」


ズババババババババ!





ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!!




真姫「っぐ……!」


真姫「甘いのよ!…………凛!」






凛「希ちゃん!」ダッ


希「うん!」ダッ


グッ ダンッ!!


凛【たつまきおとし!!】ドキュッ!!








ノベル「どんな技でも無駄だよ!」


真姫「どんな技でも……ね」ニヤッ








ドシュルルルル!!!!



ノベル「あ、あれは!!」


角間「こ、これはぁ!?星空のシュートはゴールへは向かわず砂嵐の足元へ打ち込まれたぁ!!」




ドシュルルルルル!!!!


ブワァァァァァァ!!!!





花陽「砂嵐がなくなっていく………って」


海未「な、なんですかあれは!?」


凛「現行犯だにゃ……」






相戸留「バ……バレたんだな……」


角間「こ、これは秋葉名戸!!ゴールを動かしていたぁ!これではシュートが入らない!!」


ノベル「なぜわかったんだい」


ことり「あれは目くらましとはまた……別の役割があるんじゃないかなって思ったんです」


希「大当たりやったってことやね」


ノベル「さすがだね、でもまだ試合は終わってないよ!」


ことり「こんなことして勝って……!一体何になるんですか!」


ノベル「勝てばいいのだよ!勝てば!!」


漫画家「僕らは……どんな手を使っても勝たなくちゃいけないんだ」


ことり「…………!」ギュッ



相戸留 パシッ


角間「ワンバウンドした星空のシュートはキーパー相戸留ががっちりキャッチ!」


相戸留「だなー!」ドッ


漫画家 トッ


ことり「たぁー!」ズザザザッ


漫画家「うわぁ!」ドサッ


角間「これは激しいスライディング!見事ボールを奪ったぞ!」


ことり タッタッタッ


にこ「ちょっ……ことり!?」


花陽「そっちはゴールじゃないよぉ~…」


凛「あっちだにゃー!」


ことり ピタッ


クルッ


ダッ!


角間「センターラインまで戻った南!一気に敵陣へ駆け抜けていく!」


ことり「凛ちゃん来てて!」


凛「へ!?う、うん!」ダッ





ヒーロー「いかせん!悪の軍……」


ことり「悪はどっちですか!卑怯な手ばかり使って……」


ことり「今あなたのしていることは、子供に胸を張って言えることですか!!」


ヒーロー「う……」ガクッ









ノベル「止めてみせる!」


漫画家 タッタッタッ


ことり「…………」タッタッタッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

メイド喫茶


ノベル「この本は僕と彼の共同で作った本なんだ」


漫画家「高校の間に出せるようにって頑張った甲斐があったなぁ……」


ことり「わぁ……!おめでとうございます!」


ノベル漫画家「ありがとう…!」


ことり「ちょっと待っててくださいね!」タッタッタッ


タッタッタッ


ことり「お待たせしました!」


コトッ


漫画家「?これは?」


ことり「……私からのお祝いです!」


ことり「お店には内緒ですよ?」シー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ことり「あの時は本当にすごいと思いました…!でも、実はこんな卑怯な人たちだったなんて………」


ことり「読者さまに謝ってください!」


ノベル「はっ……!」ガクッ


漫画家「くっ……!」ガクッ










にこ「ねえ、ついていけないんだけど」


真姫「ことりも溜まってるものがあるんでしょ」


絵里「ハラショー…」









ゲーマー「まずいっ…!」


「五!」「里!」「霧!」「中!」


ズババババババババ!



ボフゥゥゥゥゥゥゥ!!!





ことり「うぐっ……!」


ことり「まだこんなことを続けるんですか!」


ゲーマー「うるさい!これが俺たちのやり方だ!」


ことり「……!」


ことり「もう怒りました……!」


ことり「激おこちゅんちゅん丸です!」ドッ


海未「なんですかその気の抜けるような怒り方は……」


ことり「凛ちゃん!希ちゃん!」








凛希「はぁぁぁ!!!!」グンッ!


凛希【たつまきおとし!】






ドシュルルルルル!!!!


ブワァァァァァァ!!!






ゲーマー「くっ……砂嵐が晴れて……」






ポーン



角間「地面にワンバウンドしたボールは高く上がっていく!」



ことり「これがことりの気持ちです!」


ドキュッ!!!





相戸留「なぁぁ!!」バッ


ドシュルルルルル!!!







ことり スタッ




ことり「月に変わって、お仕置きです!」




「「「「「「グフゥ………!」」」」」」



ドサドサドサドサ












海未「ことりぃぃぃぃ!!!」ダッ


にこ「何が何だかわからないけどとにかくすごいわあんた」


花陽「セーラームーン……懐かしい」


穂乃果「月に変わって、お仕置きよ?」キッ


ことり「ほ、穂乃果ちゃん……!」アワワ


凛「決まってたにゃー!…恥ずかしいぐらいに」


ことり「違うの!ついやっちゃったっていうか……」


絵里「大丈夫よ、私たちの友情はそんなことで崩れたりはしないわ」


真姫「ええ、ナイスシュートだったわ」


ことり「違うのにぃ!」ショボン


絵里「凛と希もお疲れ様!」


花陽「うん!すごかった!」


凛希「えへへ~」テレテレ










ノベル「………ぼくたち、何してたんだろうね」


漫画家「目先の欲に囚われて、本当に大事なことを忘れてたよ」


ヒーロー「子供に胸を張れる……か」



ノベル「みんな!正々堂々勝ってやろうじゃないか!」


「「「「「「「おー!」」」」」」」」








ゲーマー【グレネードショット!】


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ことり「うぐっ……!」ザッザッ


ヒーロー「誇れるヒーローに……なってみせる!」バッ


ことり「あぁ……!」ガクッ


ノベル「はっ!」ドッ


漫画家「ほっ!」ドッ


ノベル「よっと!」トッ


にこ「こいつら……!なんて息のあった連携」








角間「さあ両者一歩も譲らず時間だけが過ぎていきます!」



絵里「さっきより手強いけど楽しいわね」


海未「ええ、彼らの強い気持ちが伝わってきます」


にこ「感心してる場合……!?」




角間「残り時間もわずかとなりました!追加点を入れるのはどっちだぁ!?」




花陽「真姫ちゃん!」ドッ





真姫「これで終わりよ!」ダンッ!





グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】



ドゴォォォ!!!!





相戸留「な、ななななんだなーー!!」バッ

ドシュゥゥゥゥ!!!!




角間「ゴーーーール!追加点を入れたのは音の木坂です!」




「「「「「「やったぁ!!」」」」」」




ピッピッピーーーーーーー



角間「ここで試合終了のホイッスルー!」


角間「勝ったのは音の木坂高校ーー!!」


角間「実況は角間、角間でお送りしましたぁ!!」








ありがとうございましたぁ!



ザッザッ


ノベル「君は……どうしてそうまでして……」


ことり「ことりは……頑張ってる人が好きなんです」


ことり「秋葉名戸さんはみんな何か一つ、胸を張れるほど頑張っているものを持ってる」


ことり「だからことりは秋葉名戸さんの方たちも好きだったんです」


ことり「そんな人たちに卑怯な手を使って欲しくなかった………それだけです」


ノベル「そうか……色々勉強になったよ、ありがとう」


ことり「いえいえ♪」


ことり「そういえば、どうしてもそうまでして勝とうと思ってたんですか?」


漫画家「フットボールフロンティアで優勝すれば、アメリカ行きって特権が付いてくるんだ」


漫画家「そこにしかない限定フィギュアを買うつもりだったのさ」


ことり「はぁ~……なんだかすごいですね」


ノベル「もう今となっては無駄だけどね、君たちの勝利を祈ってるよ」


ことり「はい!頑張ります!」タッタッタッ







穂乃果「よーし!それじゃあ雷雷軒に……」


絵里「ちょっと待って」


海未「どうしたのですか?」


絵里「次はいよいよUTXよ、だからいつもは休みだけど……」


絵里「練習は今からにしましょう」


凛「えぇ~!?いつも試合の後は休みなのにぃ……」


花陽「花陽は今日ほとんど動いてないから……」


真姫「それもそうね、悪くないわ」


にこ「みんな今日はいつもより動いてないから大丈夫でしょ」


凛「ラーメン……」


監督「予選突破したら腹一杯食わせてやる、タダでな」


凛「よーし!決勝に向けて頑張るにゃー!」


にこ「切り替え早!」


花陽「花陽はこっちの凛ちゃんも好きだよ」


希「………二人はいいコンビやね」


花陽「へ?どういうこと?」


真姫「凛と花陽は仲良しねってことよ」


凛「えへへ!でも…」グイッ


花陽「うん!」グイッ


真姫「ちょ、ちょっと!」グラッ


花陽「今は真姫ちゃんもだよね!」ギューッ


凛「にゃー!」ギュー!


真姫「ちょ、はな……離しなさいよ!」ジタバタ


ことり「こんな真姫ちゃんの顔初めて見た…」


海未「顔真っ赤っかですね」


穂乃果「レアショットゲット」パシャパシャ


真姫「撮らないで!」











ヒデコ「よし、送信完了」


フミコ「もう真姫ちゃんのとこ抜粋しないで送ったけど別にいいよね?」


ミカ「いいんじゃない?」










西木野パパ「どこだ……!どこにいる真姫!」ジーッ


看護師「西木野さん!オペ中です!」





[6、ついに]



穂乃果「絵里ちゃん、入学希望者はどうなってるの?」


絵里「…….かなり増えてきてはいるけど……」


希「まだ廃校取り消しとはいかんかなぁ」


凛「もー!一体どれだけ勝てば良いにゃぁ!」


海未「少なくとも予選突破するぐらいでなくては人は集まらないでしょう」


花陽「うぅ…やっぱり簡単じゃないんだね」


にこ「あんたら……」












にこ「私たちの目標は!!!」


一同「フットボールフロンティア優勝!!」


にこ「わかってるんだったら今更バタバタしない!」


にこ「つ、次はいよいよ決勝なんだから!」ガタガタ


凛「生まれたての子鹿みたいになってるにゃ……」


希「今から緊張しすぎやん」


真姫「決勝はどこなの?」


海未「決勝へは順当にUTX高校が勝ち上がって来ているようです」


希「……A-RISE」


監督「そういえば………助っ人は見つかってるのか?」


穂乃果「助っ人?」


海未「大会要項を読んでいないのですか?」


絵里「大会予選決勝からは最大二人まで中学生以下から助っ人を呼ぶことができるのよ」


花陽「でも……そんな子いるの?」


希「中学生以下っていうと……亜里沙ちゃん?」


真姫「誰?その子」


絵里「私の妹よ、アイススケートが得意なの」


絵里「もちろんサッカーもね」


絵里「でも今連絡つかないのよ」


凛「それじゃあダメだにゃ~」


絵里「日本の親戚の家にいるはずなんだけど……」


絵里「今度行ってみるわ」


海未「穂乃果、雪穂はどうですか?」


ことり「そっか!確か雪穂ちゃんサッカーやってたよね!」


穂乃果「でも高校ではしないって言ってたよ?」


にこ「なら連れて来なさいよ」


穂乃果「だからしないって……」


にこ「高校では、でしよ?」


希「中学生助っ人としてなら来てくれるんやない?」


穂乃果「にこちゃんものすごい屁理屈……」


にこ「賢いって言ってくれる?」


絵里「そうね、頼んでみてくれる?」


にこ「でも私たちについてこれるの?」


真姫「確かにそれは問題ね」


監督「……一度練習に来て貰えばいい」








穂むら

雪穂「試合?いいよ?」パクッ


穂乃果「そうだよね、ダメだよね……」


穂乃果「ってぇえ!?いいの!?」


雪穂「……なんでお姉ちゃんがびっくりしてるの…」ムグムグ


穂乃果「だ、だって、ダメだと思ってたから」


雪穂「まあ落ち着いて、チョコいる?」


穂乃果「ありがと」パクッ


雪穂「あんこ入りだけど」ニヤッ


穂乃果「後出し!!」ムグッ!?


穂乃果「あんこあきたぁー!!」バタバタ


雪穂「白あんもあるよー」


穂乃果「もっと飽きたぁ!!」ジタバタ


穂乃果ママ「表まで聞こえてんのよぉ!!」バンッ!


穂乃果「ご、ごめんなさい……」ビクッ


ピシャン!


穂乃果 ジロリ


雪穂 ピュ~♪


雪穂「で、私はどうすればいいの?」


穂乃果「あ、そうだ、一度練習に来てよ!」


雪穂「う、うん………それはいいんだけど」


穂乃果「?何かあるの?」


雪穂「次の試合って………4日後だよね?」


穂乃果「そうだけど……」


雪穂「1日……いや、2日だけ待って!」ドタバタ


穂乃果「………どうしたんだろう?」


雪穂(受験勉強でついたお肉少しでも落とさないと……!!)











絵里「え!?亜里沙はウチに来てる!?」


「ええ……お姉ちゃんのとこで暮らすからって………1ヶ月ぐらい前から」


絵里「1ヶ月……」


「そっちに行ってないの?」


絵里「い、いえ!すみません!勘違いだったみたいです、アハハハハ……」











絵里「亜里沙……どこ行ったの?」トボトボ


絵里「まさか…事件に巻き込まれたんじゃ……!!」


ピロリン


絵里「希かしら?」トトッ


絵理「………!!」


絵里「亜里沙ぁ!?」


絵里「一体なんて……」トトトッ


ピッ


絵里「……どういうこと?」





[もうすぐだね]





???「………」コソッ









真姫「うぐっ……!」ドサッ


凛「いにゃ!?」ドサッ


真姫「もう一回よ!」スクッ


凛「うん!」スクッ










試合まであと1日



雪穂「姉がいつもお世話になってます!」


雪穂「助っ人に入らせていただく、妹の高坂雪穂です!」


雪穂「よろしくお願いします!」


雪穂「音の木坂中学です!」


絵理「!」


ことり「雪穂ちゃんいらっしゃい!」


海未「大きくなりましたね」


雪穂「久しぶり!」


花陽「海未ちゃんたちは幼馴染なんだね」


凛「穂乃果ちゃんとはあんまり似てないにゃ~」


にこ「礼儀正しいとことかね」


穂乃果「ひどいよにこちゃん!」


にこ「ま、うちの子たちも負けないぐらい礼儀正しいけどね!」


凛「なぁんだ、にこちゃんのところも似てないんだね」


にこ「どういうことよ……!!」ギリギリ


凛「いはいいはい!!」ギリギリ


希「でもなんで2日空いたん?」


雪穂「そ、それは……!心の準備とか……いろいろです!」アセアセ


雪穂(少しでも体重落とすためなんて言えるわけないじゃん……!!)


絵里「………」


監督「それじゃあテストを始めるぞ」


雪穂「はい!」


監督「と言ってもかしこまることはない、今日一日練習を見て決める」


穂乃果「いくよ、雪穂!」タッタッタッ


雪穂「わかってるよ!」タッタッタッ


ことり「ふふ、張り切ってるね穂乃果ちゃん」


海未「全く……いつもああならいいのですが」


にこ「どんな子なのかしらね」


花陽「私たちの後輩だよ!凛ちゃん!」


凛「楽しみだにゃー!」











雪穂「はぁ、はぁ、はぁ」タッタッタッ


にこ「……はぁ………はぁ」ゼーゼー


にこ「体力は……はぁ、大丈夫そうね」


希「むしろにこっちの方が限界やん?」


にこ「ま、まだまだぁ!」











雪穂「ふっ……!」ノペー


ことり「ほぉっ……!」ノペー


絵里「んっ……」ノペー


にこ「あいつらなんなの?」ググググッ


凛「いだだだだだ!!!!」


にこ「あ、よそ見してたわ」


凛「ひどいにゃ!!」


希「柔軟性は大丈夫みたいやね」ググググッ


花陽「は……はい!」ウググ


穂乃果「も、もうダメ……!」バタッ


海未「穂乃果!あなたまた家での柔軟サボりましたね!?」


穂乃果「お助け~!!」ヒィィ!









凛「ほっ!ほっ!」ザザザッ


雪穂「はっ!はっ!」ザザザッ


絵里「凛の動きに負けてないわね……」


花陽「普通に凄いよね」


真姫「ポジションはどこかしら…」


海未「雪穂!次は私です!」


雪穂「うん!」ダッ


ガッ! ザザザッ! ガガッ!


穂乃果「いけー!雪穂ー!」


穂乃果「海未ちゃんをやっつけろー!」


雪穂「なんか……ごめんね」


海未「いえ、あとでお仕置きしておきますか……ら!」ダッ


雪穂「ぬわー!抜かれたぁ!」


海未「まだまだ負けませんよ!」タッタッタッ


ガッ


雪穂「危ない!」


海未「おっと!」トッ


テンテンテン コロコロ……


雪穂 ホッ





絵里 トン


海未「すみません絵里、取っていただけますか?」


絵里「え……あ!うん!」ドッ


海未「………?ありがとうございます」トッ


監督「よーし、集まってくれ!」









監督「テストの結果だが………」


雪穂「ゴクリ」


穂乃果ことり海未「ゴクリ」


監督「………合格だ、試合の日、頼んだぞ」


雪穂「はい!」


真姫「ポジションはどこなの?」クルクル


雪穂「DFです!」


花陽「わぁ…!私もだよ!」


花陽「一緒に頑張ろうね!」


凛「凛も!凛もだよ!」


雪穂「はい!よろしくお願いします!」


にこ「このにこにーが明日までに色々叩き込んであげるわ!」


希「どっちかっていうと教えてもらうことの方が多そうやけど……」


凛「……反面教師……」ボソリ


にこ「聞こえてんのよ!!」グリグリ


凛「ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


絵里「あの……雪穂ちゃん?」


雪穂「はい?……あ!亜里沙のお姉さん!」


絵里「!やっぱり亜里沙を知ってるのね!」


雪穂「はい!よく話は聞いてますよ!」


絵里「それで……最近亜里沙におかしなことなかった?」


雪穂「おかしなこと……?」


雪穂「あ~……そういえば」


絵里「な、なに!!」バッ


雪穂「帰りよくクレープとか一緒に食べてたんですけど、なくなったな~って」


雪穂「基本まっすぐ帰るようになりましたね」


雪穂「ダイエットでもしてるのかな?」


絵里「それは………いつごろから?」


雪穂「えーっと……」


雪穂「あんまりはっきり覚えてないですけど……一、二ヶ月ぐらい前……ですかね」


雪穂「普段はなにも変わったとこはないですけど…」


絵里「一ヶ月前……」


絵里「そう……ありがとう」


雪穂「い、いえ……何かあったんですか?」


絵里「大丈夫よ」ニコッ











真姫「凛、今日もやるでしょ?」ヒソッ


凛「当たり前だにゃ!」


希「な~にを企んでるんかなぁ?」


真姫凛「な、なにも!!」












穂乃果「じゃあバイバーイ!海未ちゃんことりちゃん!」


海未「はい、明日頑張りましょうね」


ことり「絶対勝つよー!」


雪穂「うん!今日はありがと~!」











穂乃果「じゃあ帰ろっか!」


雪穂「……ごめんお姉ちゃん」


雪穂「用があるから先に帰っててくれる?」


穂乃果「もう暗いし穂乃果もいくよ?」


雪穂「大丈夫だよ!すぐ終わるし」


穂乃果「そう?気をつけるんだよ!知らない人には……」


雪穂「もうそんな子供じゃないよぉ!!」










穂乃果「まだ~、ゴォルじゃなぁ~い♪」テクテク


穂乃果「今日の晩ご飯はなーにかな?」テクテク


穂乃果「?」


穂乃果(家の前に誰かいる……)


???「久しぶりね」


穂乃果「……誰」


???「あら、忘れちゃったの?」テクテク


穂乃果「あ、あなたは!」










穂乃果「綺羅さん!」


ツバサ「こんばんは、高坂穂乃果さん」


穂乃果「な、なにしに来たんですか…!」


ツバサ「……試合前に、リーダーであるあなたに言っておこうと思って」


スッ


穂乃果「ちょ、ちょっと……!」


ツバサ「この間の練習試合のこと……」


ツバサ「ひどいプレーをしたこと……謝るわ」


ツバサ「本当にごめんなさい」


穂乃果「………」


穂乃果「確かに……私たちはあの試合で怪我もしました」


穂乃果「辞めた子はいなかったけどそれなりにダメージもありました」


穂乃果「でも……なんの意味もなくしているようには思えませんでした」


穂乃果「希ちゃんの家と部室にあった薬のこともあるし……」


穂乃果「なにか……意味があったんですよね?」


ツバサ「東條さん?」


ツバサ(あんじゅが薬局でコソコソしてたのはそういうこと……)


穂乃果「はい……」


ツバサ「ええ、それは確かに私たちよ」


ツバサ「あなた達にひどいことした訳も確かにある……でも」


ツバサ「ごめんなさい………まだ答えられないの」


穂乃果「………」


ツバサ「お願い……今更私たちが言えることじゃないかもしれないけど……信じて」


穂乃果「……」


穂乃果「わたしたち、決めたんです」


穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで、信じようって!」ニコッ


ツバサ「………!」パァァ!


穂乃果「本当のことを言ってくれるまで、待ってますから」


ツバサ「……ありがとう、本当に」ペコッ


穂乃果「だ、だから顔あげてくださいぃ!!」


穂乃果(先輩に頭下げられるのムズムズする!)











凛「今日もダメだったにゃ~…」


真姫「いいところまで行ってたのにね」


凛「きっと明日には出来るようになってるにゃ!」


真姫「だといいけど……」


凛「!!」


真姫「凛?」


凛「隠れて!」バッ


真姫「うぐっ…!」


真姫「なにするのよ!」


凛「しーっ!あれ見て!」ヒソヒソ


真姫「あれは……穂乃果?」


真姫「隣にいるのは……綺羅ツバサ……!?」


穂乃果 アワアワ


ツバサ ペコッ スタスタ


凛「今の……」


真姫「一体……?」










雪穂「………」スタスタ


ピタッ


???「…………!」クルッ


雪穂「ごめん……待たせたね」


雪穂「亜里沙」


亜里沙「もう、遅いよ雪穂!」




せっかくのssなので皆さんにイメージを膨らましてほしいと言うことで細かくは書きません


DF1(1年)身長148

明るい性格

幼児体型

身軽な動きが持ち味

アイスクリームが好き




DF2(2年)身長149

がっつり大阪

同じく幼児体型

スタイルいい子を見ると逆に好感を持つ




MF1(3年)身長156

スタイルいい

家庭は普通の家庭だが言葉遣いは丁寧

合気道をずっと習ってる




MF2(2年)身長161

荒っぽい性格

DF1とはあまり性格が合わない

何だかんだいいところもあるよ

スタイルは標準




MF3(3年)身長154

オタク気質

人懐っこくてテンション高い

二次創作大好き

スタイル少しいい




GK(1年)身長152

ショートカット

目が見えないほど前髪が長い

引っ込み思案

人と関わるのが得意ではないが負けず嫌い

A-RISEに憧れてUTXへ

スタイル……

わかりにくいかもしれませんが話の中で覚えていただければ嬉しいです









控え室


穂乃果「……ってことがあったんだ」


海未「そうだったのですね……」


ことり「わざわざ家にまできてくれたんだね」


にこ「ま、もうにこたちは信じるって決めてたんだから今更でしょ?」


凛「にこちゃんいい感じにひねくれてるにゃ~」


にこ「それ褒めてないわよね!?」


希「でもにこっちファンやったんやろ?」


にこ「……正直その面ではかなり嬉しいわね」


希「さっきから口角微妙に上がってるからね」


にこ「う、うそ……!!」ババッ


希「う・そ♪」


グワシッ!


希「痛い痛い痛いあああああ!!!!!」


にこ「……花陽、あんたは?」パッ


花陽「花陽もずっとファンだったから……嬉しい!」


穂乃果「………」


穂乃果「みんな……」


穂乃果「今日勝てばついに本戦だよ」


穂乃果「思う存分ぶつかってこよう」


海未「ええ」ニコッ


ことり「うん!」ニコッ


穂乃果「胸を借りるんじゃない……」


穂乃果「叩きのめすつもりで行くよ!!」


「「「「「「おー!」」」」」」


希「うちもうお嫁に行かれへん……」シクシク








角間「さあ!やってまいりました予選決勝!!これで勝ったほうが本戦へと駒を進めることができます!」


ツバサ「今日はよろしくお願いするわね」


穂乃果「はい!みんなも改めて納得してくれたみたいです」


ツバサ「よかった、今日とっても楽しみだったの」


ツバサ「とっておきもあるし」チラッ


絵里「?」


ツバサ「この前とは違う、正々堂々な勝負を!」スッ


穂乃果「よろしくお願いします!」ガシッ








海未「希……気づいてますか?」


希「うん、あのベンチのフードかぶってる子……」


絵里「これまでの試合で出てなかった……助っ人の可能性が高いわね」


花陽「切り札……ってことなのかな?」


凛「かっこいいにゃ~!」


にこ「単に控えなだけでしょ」


雪穂「…………」


ことり「どうしたの?雪穂ちゃん」


雪穂「あ……!いや、えっと……ちょっと緊張してて…!」


ことり「緊張してる時は、人って字を手に書いて飲み込めばいいんだよ!」


雪穂「へー……」


にこ「………」スッスッ ゴクリ


凛「あー!にこちゃんこっそりやってるにゃ!」


絵里「にこも緊張してたの?」


にこ「べ、べべべ別ににこは緊張なんてしてないし!?」


にこ「リベンジのこと考えすぎて眠れなかったとかもないし!!」


希「にこっち……」


凛「全部言ってるにゃー……」


真姫 スッスッ ゴクッ









角間「前年度優勝校vs今回初出場校の対決!!あっさりとUTXが優勝を決めてしまうのか……それとも!!」


角間「音の木坂が下克上を果たしてしまうのかぁ!?」





FW
絵里、真姫


MF
希、ことり、海未、にこ


DF
ヒデコ、雪穂、凛、花陽


GK
穂乃果





ピーーーーーーー


角間「今!試合開始のホイッスルが鳴らされましたぁ!!」


ドッ


ツバサ「よし」トッ


真姫(お手並み拝見ね)ザッ


ツバサ「はぁ!」クルッ


真姫「っく……!」


真姫(こ、こんなにうまいの!?)








にこ「……いくわよ!」ザッ


海未「はい!」ザッ


ツバサ(あんな試合をした私たちを信じてくれた……彼女たちに敬意を込めて)グッ


ツバサ{今日は戦う!)ヒュッ


トントン クルッ グンッ!


角間「ぬいたぁ!!一人で3人をあっという間に抜き去ってしまったぁ!」


海未「そんな…!?」


にこ「さすが……!」






穂乃果「っ……!」グッ


ツバサ「挨拶がわりよ!高坂さん!」ザッ






ツバサ【ペガサスショット!】


ドキュゥゥゥ!!!!







角間「一発目のシュートは綺羅だぁぁ!!どうするキーパー高坂!」


穂乃果【マジン・ザ………】







タッタッタッ


雪穂 ニッ







雪穂【ハンターズネット!!】


ドシュルルルルル!!!


ブチブチ…!!


ドゥッ!!


雪穂「っぐ……!!」ズザザザ!


雪穂「……よし!」トッ










穂乃果「さっすが雪穂!」


ことり「雪穂ちゃん!」


角間「と、とめたぁぁぁ!!あの綺羅ツバサの必殺シュートを止めたのは伏兵、中学生助っ人の高坂雪穂だぁぁ!!」


ツバサ「……へぇ」


あんじゅ「やるわねあの子」


雪穂「花陽さん!」ドッ


花陽 トッ


MF1「流れは渡しません」ザッ


花陽「MF1さんは攻守共に長けていますがそれは1対1の時だけ」


タタタッ!


花陽「凛ちゃん!」ドッ


凛 ドッ


花陽「ばっちりだよ!凛ちゃん!」トッ


MF1「ッ…!やりますね」


花陽「あなた達の試合は擦り切れるほど見直しましたから」


角間「星空、小泉のワンツーで突破したぁ!」


花陽「海未ちゃん!」ドッ


海未「………」トッ


海未「真姫!」ドッ


真姫「!」トッ ポロッ


希「真姫ちゃん!」


真姫「しまった……!」ダッ


絵里「落ち着いて」トッ


真姫「絵理…!」ホッ


真姫(私としたことが……)


DF1「隙だらけだよ!」バッ







DF1【フレイムダンス!】


クルクルクル ボフゥァァァァ!!!






絵里「きゃぁぁぁ!!」ドサッ


DF1「じゃあねー!」タッタッタッ


真姫「っち……!」


MF2「よこせ!」


DF1「むー……たった一歳年上なだけで偉そうに……」ドッ


MF2「あぁ!?」トッ


DF1「なんでもないでーす」


ことり ザッ


MF2「どいてろ!」バッ









MF2【ならくおとし!】ドッ!




ギュルルルルル!! ドゴォ!!


ことり「うぐぁ!?」ドサッ


海未「ことり!」


にこ「………わかってたけどこいつら……」


海未「A-RISEだけでなく……全員が全国レベル……」


凛「それでも……勝たなきゃ!」ダッ


希「!あかん凛ちゃん!そのスペースを空けたら……」


ドッ!


あんじゅ「私にパスが通っちゃうものね?」トッ


凛「あっ……!」


角間「空いたスペースを逃しませんでした!優木にパスが通ったぞぉ!!」


あんじゅ「ツバサ!エレナ!」ドッ


ツバサ「ええ!」ダッ


エレナ「ああ!」ダッ


グルグルグル









海未「あれは……」


花陽「【デスゾーン】です!」


にこ「止めちゃいなさい!穂乃果!」


希「いや、なんか違う……」







ギュォォォォォォォオオ!!!!!!


ツバサあんじゅエレナ【デスゾーン2!】ドキュッ!!


ゴォォォ!!!!!





にこ「改良版……!?」


花陽「初めて見ました……」


穂乃果「す…すごいパワー……」


穂乃果「………でも!」


穂乃果「パワーアップしたのはそっちだけじゃない!」バッ


ゴォォォォォオ!!!!







穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】ゴォォォ!






ギュルルルルル!!!


穂乃果「……ぬぐぐぐぐ……!!」ズザザザ!





パチィ!!


穂乃果「うわぁ……!!」ドサッ


ガァン!


角間「キーパー高坂がはじいたボールはゴールポストへ!!危機一髪だぁ!!」


雪穂「ナイスお姉ちゃん!」トッ


穂乃果「うぅぅ……かっこ悪い」


海未「いえ、かっこよかったですよ」


エレナ「ピンチなことには変わりないだろう?」ザッ


雪穂「っく……!」キョロッ


凛「……!」


ツバサ ザッ


花陽「……!」


あんじゅ ザッ


ことり「こっちだよ!」


雪穂「ことりちゃん!」ドッ


ことり「よし!」トッ


角間「ディフェンスラインまで下がって来ていた南!!いい判断だ!!」


ことり「希ちゃん!」ドッ


希「うん!」トッ


DF2「ウチは抜かせんよぉ!!」


希「うわぁ……キャラ被りはやめてほしいなぁ……」


DF2「あんたみたいなエセと……一緒にすな!」バッ








DF2【スーパーしこふみ!】


希「………!」ヒュッ


ドゴォォォ!!!!!










希「き、きくぅ……」ドサッ


DF2「どうやニセモン!……ってあれ?ボールは?」


希「後ろ後ろ」









テンテンテン……


絵里「さすが希ね!」トッ


DF2「ぬわーー!!しもた!」


DF2「あんたやるなぁ」タッタッタッ


希「にしし……!」


希(ちっちゃいのになんて威力……!)ググッ





角間「なんとかボールを前線につないだ音の木坂!!シュートチャンスだぁ!!」







絵里「吹き荒れろ………」


パキパキパキパキ









絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!




ことり「決まって!」




GK「…………」


GK【パワーシールド】ドッ


ギュルルル! バシィ!





角間「防いだぁ!!これが全国ナンバーワンキーパーの実力です!」


角間「決勝まで無失点!この鉄壁を破ることができるのでしょうか!」


海未「無失点……」


絵里「やるわね」


GK「………!」


ポーン……!









DF1「ほっ!」トッ


真姫「いただくわよ!」パシッ!


DF1「うっそぉ!?」


MF2「気ぃ抜くな!!」


DF1「ッぅ~~!!」


角間「西木野にボールが渡ったぁ!」


にこ「真姫!」






真姫「………」キッ


グルグルグル




真姫【ファイアトルネード】


ドゴォォォォォ!!!


GK「……………」


GK【パワーシールド】


ドシュルル! バチィ!







海未「そんな……!」


穂乃果「真姫ちゃんまで…」


GK「【パワーシールド】は連続で出せるから………」


角間「再度ふせいだぁ!!この守備力を破る方法はあるのでしょうか!!」


真姫「……!」スタッ







絵里「真姫、気にしないで、次とりましょ!」ポン


真姫「ええ、絶対ぶち破るわよ」


絵里「ふふ、頼もしいわね」








テンテンテン


DF1「よーし!あがろーあがろー!」トッ


MF2「よこせ!」


DF1「………べーだ!」べー


DF1「あんじゅさん!」


MF2「……!」


あんじゅ「二人とも試合に集中しなきゃダメよぉ~?」トッ


MF2「し、してますよ!」


あんじゅ「ならいいけど」


MF2 ジロッ


DF1 ピュ~


DF1(だって先輩完璧にマークされてるんだもん)


MF2(まあマークつかれてたからしゃーねーか)


にこ「ふん!」ザッ


あんじゅ「ふふ」トトッ


フワッ ダッ!


にこ「……もう!」


角間「空を舞うようなドリブル!!まるで草原を飛びまわるバタフライだぁ!!」


あんじゅ「ツバサ!」ドッ


ツバサ「準備はいい?」トッ


あんじゅ「ええ!」


エレナ「大丈夫だ」


ツバサ「いくわよ!」









ヒデコ「させない!」ザッ


雪穂「止めますよ!」ザッ


ツバサ「……水ささないでほしいわね」




クルッ スタン…!

ツバサ【イリュージョンボール】






ヒデコ「そんな……!」ガクッ


雪穂「希さんと同じ……!」ガクッ







希「…………」


絵里「あれは希の!」


花陽「いや……あれはもともと、綺羅さんの技」


海未「え……?」


希「……あの人みたいに動けたらと思って真似したんよ」


希「他の試合の動画探してね」


ことり「真似したって……すごいね」


凛「人は見かけによらないにゃ~」


希「凛ちゃん、試合の後ワシワシね」


凛「にゃ~……」










ツバサ「デスゾーンはまだ序の口……」


ツバサ「これはどうかしら?」







ピューーーーーーーイ!!!!!


ドシュドシュドシュドシュドシュ






ツバサ「こうていペンギン……!」ドキュッ!







ドシュゥゥゥゥ!!



あんじゅエレナ「2号!!」ドゴォォォ!


【こうていペンギン2号】








ゴォォォォォォォ!!!!!!




穂乃果「ペ、ペンギン……!?」


雪穂「お姉ちゃん!!」


穂乃果「!……うん!」バッ


ゴォォォォォオ!!






穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドォォォォォォ!!!!


穂乃果「う………ぐぐぐぐ……!」ズズズッ


穂乃果「止める……絶対に…止め、なきゃ……!!」ズズズッ


ググググッ!


花陽「いけます!」


海未「穂乃果!」


キィィィィィン!


穂乃果「きゅ……急に強く……!」ググググッ


穂乃果「うわぁぁ!?」ドサッ


ドシュルルルルル…………!!








角間「き……決まってしまったぁぁ!!先取点はUTX高校です!」












海未「穂乃果!」ダッ


絵里「そんな……」


にこ「まだあんなシュートを隠し持ってたなんて………」


穂乃果「うぅ……ごめんみんな」ググッ


海未「本気でぶつかったのなら謝ることはありませんよ」ガシッ


ことり「そうだよ!」ガシッ


絵里「んー、あのキーパーを破るには……」


希「ちょっと試してみたいことやっていい?」


真姫「試してみたいこと?」


希「凛二等兵!」


凛「はっ!」


希「覚悟はできてるか!」


凛「イエッサー!わたくし、命をかけて使命を………じゅ、従……!」


凛「…………」


凛「頑張る気持ちです!」


希「よし!がんばれ!」


花陽「日本語おかしくなってるよ凛ちゃん……」


絵里「な、何か考えがあるのね?」


真姫「凛、頑張りなさいよ」


凛「おまかせにゃ!」ドンッ









UTX高校1-0音の木坂


ピーーーーーーー


角間「一点リードのUTX!このまま追加点を狙っていくかぁ!?」


絵里「……」チラッ


真姫 タッタッタッ


ツバサ ザッ


絵理「……希!」ドッ


希「!」トッ


エレナ「すまないが通せない」ザッ


希「っく!」


希(さすが、ほかのメンバーとは圧が違う……!)バッ




希【イリュージョンボール!】





エレナ「………所詮ツバサの真似事だ」フッ


ガッ!


希「そんな……!」ガクッ


エレナ「!」


凛「てやぁ!」ドッ


角間「星空が上がってきていたぁぁ!!素早いヘルプだぁ!」


テンテンテン……


ことり「ほっ!」トッ


海未 コクリ


ことり「海未ちゃん!」ドッ


海未「凛!希!行けますね!」トッ


凛「うん!」ダッ


希「もちろん!」ダッ





海未 ドッ!




グッ ダン!





凛希【たつまきおとし!】


ドゴォォォォォォ!!!!!









GK「…………」


GK【パワーシールド】


ドォッ!!








ドシュルルルルル!!!!


ピキピキ……





GK「!?」


エレナ「……くそっ、気づいたか」


凛「希ちゃんの言った通りにゃ!」


希「パワーシールドは地面を殴った時に発生する衝撃波でできた壁!」


希「つまり!上の方に行けば行くほど……」








ピキピキピキ…!








希「薄くなる!」


バリィィン!!!










GK「………!」ドサッ


ドシュルルルルル!!!!





角間「きまったぁ!!同点ゴールを決めたのはなんとDFの星空だぁ!!」






凛希「いぇーい!」パチン!


花陽「すごかったよぉ!凛ちゃん!希ちゃん!」


海未「よくあんな弱点に気づきましたね」


希「いやー、上手く言ってよかった!」


真姫「あんな手があったなんてね」


絵里「凛ならではね」


希「多分次はもう使えんけどね」


花陽「すごいなぁ凛ちゃん……」


花陽「私より後に始めたのに……」


ポン


海未「凛は運動神経が武器ですが、花陽は違うでしょう?」


海未「得意なことで勝負するんですよ?」


花陽「……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽「凛ちゃんは凛ちゃんの得意なもので勝負しなきゃ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽(私が凛ちゃんに言ったんだっけ……忘れちゃってたな)


花陽「……わかった!」グッ


海未 フフ


真姫「……衝撃波の壁……」










UTX高校1-1音の木坂


ピーーーーーーー





ドッ


ツバサ「頼んだわよ」ドッ


MF3「了解っす!」トッ


絵里「行かせないわよ!」ザッ


MF3「ほわぁ~!リアル金髪碧眼じゃないっすか!!」


絵里「え……え?」


MF3「うちにも似た子が……あ、これは秘密だった……!」


MF3「あとで写真撮らせてくださいっす!」


絵里「私を抜けたらね」


MF3「燃えてきたぁ~!」










MF3【クリエイション!】バッ


ズズズズ……


絵里「な、何?」


MF3「いやー、自分的には二次創作って最高だと思うんっすよね~」


ズズズズ……ガコン!


絵里「と、通れない…!」


MF3「想像力って大事なんっすよ?」ダッ!


絵里「ま、待ちなさい!」


角間「こ、これはMF3!フィールドを描き換えてしまったぁ!!」


MF3「お任せっす!」ドッ


ツバサ「さすがね」トッ


MF3「にへへ…!」テレテレ








希「!」ザッ


ツバサ「お手本を見せてあげるわ」バッ


希「なっ……!」








クルッ スタッ!


ツバサ【イリュージョンボール】







希「っ……!さすが」ガクッ


ツバサ「あんじゅ!」ドッ


あんじゅ「ええ!」トッ










希「ディフェンスもっと圧かけて!」


凛「とりゃー!!」ザザザッ


あんじゅ「そんなの……」トンッ


花陽「空中じゃ避けれませんよね!」ガッ


あんじゅ「…やるじゃない」


角間「小泉強引にうばいとったぁ!!」


花陽「よし!」








海未「花陽の武器は分析力と状況把握能力、それから苦手の無さです」


ことり「絶妙なタイミングだったね」


花陽「よし、にこちゃ………」


MF2「ボールよこせぇ!」ダッ


花陽「ひ、ひぃぃ!!」ビクッ


テンテンテン……


MF2「よし!」トッ


凛「かよちぃん!!」ガクッ


花陽「ご……ごめんねぇ」


海未「……今度また山頂アタックですね」


ことり「ほ、ほどほどにね……」


雪穂「!」ザッ


MF2「はっ!」バッ










MF2【ならくおとし!】


ドキュッ!


雪穂【ハンターズネット!】


シュルルルルルル………テンテンテン








MF2「っち……」


雪穂「希さん!」ドッ


希 トッ


DF1「いかせないよぉ!!」


希「ふふ」ドッ


絵里「いいわよ希!」トッ


DF1「あー!ずーるーいー!」


角間「これは見事な連携だぁ!!後ろから走ってきていた絢瀬に綺麗なバックパスが通ったぁ!!」


角間「そのままあがっていく!!」


絵里「……今度こそ……!」








パキパキパキ………











絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォ!!!!




GK「……」


GK【パワーシールド】ドッ


ドシュルルルルル……! バチィ!


角間「またもや防いだぁ!!ボールは高く高く上がって………」






タタタッ


真姫「いい加減……決まりなさいよ!」グッ


ダンッ!


グルグルグル







真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!!


角間「な、ななななんとぉ!?西木野がこぼれ球に完璧に合わせていたぁ!」


角間「完全に不意をついたぁ!!」










GK「…………間に合いません」


あんじゅ「でしょうね………」ダッ


あんじゅ「はぁ……!」ドッ!


ギュルルルル……!! ドキュッ!!







角間「西木野あと少しでゴールというところでゴールまで戻ってきていた優木に止められてしまったぁ!!」


角間「一体いつのまに戻って来ていたんだぁ!?」






DF1「さっすがです!!」トッ









あんじゅ「あら……?」グラッ


フワッ


GK「………大丈夫ですか?」パサッ


あんじゅ「………ありがと」


あんじゅ「……前髪邪魔じゃない?」


GK「私は……これでいいんです」


あんじゅ「ツバサみたいに切っちゃえばいいのに」


GK「綺羅さんのようにはなれませんから……」


あんじゅ「あなたの目、隠れて見えないわ」


あんじゅ「せっかく綺麗なのに」サラッ


あんじゅ「………勿体無いわね」タッタッタッ


GK「………」












あんじゅ「ボールもらえるかしら?」


DF1「はい!」ドッ


あんじゅ「ほっ」トッ


真姫「よくも止めてくれましたね」ザッ


あんじゅ「いいシュートだったわよ?」チラッ


あんじゅ「戻って正解だったわ!」ドッ


MF1 ドッ


あんじゅ「さすがね」トッ


MF「いえ」


真姫「は、速い……!」


あんじゅ「ツバサ!」ドッ


ツバサ トッ




シュバッ! クルッ ダッ!!




角間「個人技を活かしながら敵陣へと突っ込んで行く!」


ツバサ「はぁぁ!!」ザザザッ クルッ


ダッ!!


にこ「たった一人で……!」


角間「前半も残りわずか!最後に一点、入れることはできるのかぁ!?」


海未「……!」ダッ


ツバサ「あんじゅ!エレナ!」


あんじゅ「ええ!」


エレナ「フッ」











ピューーーーイ!!


ドシュドシュドシュドシュドシュ!






ツバサ「こうていペンギン!」ドキュッ!


ゴォォォォォオ!!






あんじゅエレナ「2号!!」ドキュッ!!


【こうていペンギン2号】





ゴォォォォォオオォ!!!!!








雪穂「前半最後なんだから……」


雪穂「止めなきゃ……!」


雪穂【ハンターズネット!】ブワァ!


ギチチチチ………!ブチィ!!


雪穂「うわぁあ!!」ドサッ


ゴォォォォォオ!!!








穂乃果「はぁぁぁ!!」バッ

ゴォォォォォオ!!








穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】



ドシュルルルルルル!!!!!


穂乃果「頑張ってくれた……雪穂のためにも……!」ググググ……!


ドシュルルルルル……!


穂乃果「いける……!」ググググ


キュィィィィィ!!


穂乃果「!!ま、また急に強く……!!」


ピシピシ………!


バリィン!!








穂乃果「きゃぁ!!」ドサッ


花陽「あぁ……!」


ことり「そんな……!」


ツバサ「………参ったわね」






海未「はぁ!」ドキュッ!!



ヒュゥゥゥゥ……テンテンテン








角間「ふ、防いだぁ!!音の木坂園田も先ほどの優木と同じようにキーパーのカバーへと走っていたぁ!!」


海未「うぐぅ……!!」ドサッ! ゴロゴロ…






穂乃果「海未ちゃん!」ダッ


海未「穂乃果、よく頑張りましたね」ヨロヨロ









ピーーーーーーー



角間「ここで前半終了のホイッスル!同点のまま後半を迎えます!これは歴史に残る一戦になりそうだぁ!!」













穂乃果「やった!同点だよ!!」


凛「海未ちゃんさっすがだにゃ~!」


海未「あれが最後のシュートだったので……戻って正解でした」パンパン


花陽「かっこよかったよ!!」


真姫「それより花陽………」


花陽「ヒッ……!」ギクッ


ことり「海未ちゃんが山頂アタックだって……」


花陽「ああぁぁ……!!頑張ります!頑張りますからぁ!!」ガタガタ


にこ「……海未、あんた本当に山登ってるだけなのよね?」


海未「そのつもりですが……」


海未「多少危険なところを行くぐらいで……」


凛「それだにゃ!」


海未「危険といっても命綱無しで崖を登ったりするぐらいですよ」


にこ「トラウマになるには十分すぎるわよ!!」


ことり「え、そうなの?」


穂乃果「それぐらいなら別に……」


絵里「慣れって怖い、今日初めてそれを実感しました」


希「ほらほら、エリチが変な悟り開いちゃってるから」


海未「気合いを入れ直しましょう」


海未「ではにこ……あれを」


にこ「嘘でしょ……」


凛「にこちゃん!」


穂乃果「にこちゃん!」


にこ「………あ~!わかったわよ!」クルッ


「「「「「………」」」」」ゴクリ











にこ「にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこー!」


にこ「あぁんダメダメダメ!にこにーは!みーんなのも・の!」


真姫「気持ち悪い」


凛「ちょっと寒くないかにゃー?」


にこ「わかってたわよこんちくしょう!」ギリギリ


凛「い……!いだだだだだ!!」ギリギリ


にこ「にこにーはこういう目にあうためにあるんじゃないの!」


海未「にこ、すみません……みんなが元気になればと思ったのですが……」


にこ「お……あぅぅ……!」


希「素直に謝られるとどうすればいいかわからないにこっちの図」


にこ「希ーー!!」ダッ


希「いやーん!」ダッ


ことり「二人とも休憩しようよぉ…」













絵里「………….」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ツバサ「とっておきもあるし」チラッ


絵里「?」







MF3「ほわぁ~!リアル金髪碧眼じゃないっすか!!」


絵里「え……え?」


MF3「うちにも似た子が……あ、これは秘密だった……!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


絵里「まさか……ね」


海未「絵理、聞いていましたか?」


絵里「へ……?」


希「もーしっかりしてよ!」


海未「後半は真姫と点を取りに行ってくださいね」


真姫「行くわよ、絵理!」スッ


絵里「………ええ!」パチン!


絵里(今は考えても仕方ないわね)










ツバサ「んー……同点」フーム


エレナ「出し惜しみが過ぎるんじゃないか?」


あんじゅ「園田さんが戻ってなければね~」


エレナ「冷静でいい判断だった」


ツバサ「後半はもっと攻めるわよ」


あんじゅ「もちろん♪」


エレナ「楽しみだ」


DF1「よーし!私ももっと頑張る!」


MF2「ちんちくりんは下がってろよ」


MF2「アタシが止めんだから」


DF1「べーだ!止めたもん勝ちですよー!」


MF2「あぁん…?」スッ


DF1「ヒッ……!」ビクッ


MF1「こらこら暴力はダメですよ?」クイィッ


MF2「いててて!わ、わかりましたから!」ギリギリギリ!


MF1「すぐ熱くなるんですから……」


MF2「す、すんません……」


DF1「うえーん!怖かったです!」サササッ


DF1 ニヤニヤ


MF2「……」イラァ


MF3「相変わらず鮮やかっすね~!合気道でしたっけ?」


MF1「はい、小さい時から」


MF3「かっこいいっすよね~!」


フードの子「はい!まさに日本のヤマトナデシコです!」


MF1「そこまで言われると照れますね」テレテレ


MF2「というか二人はどうしてずっと敬語なんですか?」


DF1「あー!それ私も思ってた!」


MF1「どうしてって……」


MF3「ね?」


「「癖」ですよ」っすよ」


DF2「まあ……やろーなぁ」


GK「………」ペラッ


ツバサ「ほら!バカなことしてないで行くわよ!」


エレナ「後半も頼んだぞ」


あんじゅ「点は任せてね!」


フードの子「あ、あの!」ガタッ


ツバサ「わかってるわ……けど、ちゃんと約束守れるわね?」


ツバサ「一発が限度、二発目は……」


フードの子「………はい…」


フードの子「それさえ守れば最後まで出してもらえるんですよね」


あんじゅ「約束を破ると……怖いわよ~?」


フードの子「で、でも!ツバサさんたちも禁止してるワザもってますよね?」


エレナ「もってはいるがそれも同じだ」


ツバサ「一発が限度………わかったかしら?」


フードの子「……はい!」


ツバサ「この試合、絶対勝つわよ!!」


「「「「おー!」」」」」











MF2「ちんちくりん、あとでこっち来い」


DF1「呼ばれてますよ」


DF2「あ~!ちんちくりんってウチのこと……って」


DF2「誰がちんちくりんやぁ!!」


DF1「失礼しちゃいますよね~?」


MF2「いや、アタシはこいつに……」アセアセ


MF2(こいつ……しらじらしい……!!)


DF2「ウチは身長も胸もこのおチビより1センチ上やし!」ドヤッ


MF2「……へ?」


DF1「……1センチ……」


MF2「それはちょっと……」


MF2DF1「見苦しい」


DF2「やかましいわ!!」


DF1(というかいつ私のバスト知られたんだろう)


MF2(なんでちんちくりんの胸のサイズ知ってんだ?)


DF2(あ、この前話してるのまたまた聞いたって言わんと誤解させるか?)


DF1MF2(怖……)ゾゾッ


DF2(まあえっか)












角間「いよいよ後半が始まります!一体この試合の結末はどうなってしまうのでしょうか!!」


角間「ここでUTX高校、一人メンバーチェンジです!」


角間「……中学生助っ人のようです!」


角間「どのようなプレイを見せてくれるのでしょうか!」


フードの子「……よし!」ザッ


MF3「リラックスっすよ!」


MF1「あなたなら大丈夫です、落ち着いて」


フードの子「はい!」


MF2「ぶちかましてやれ!」


DF1「うわ~野蛮~」


MF2「………」バシッ!


DF1「いったぁ!?」


DF2「やめぇな」どーどー


MF2DF1「はい、すみませんでした」ピタッ


DF2「ちょ、なんでそんな距離感あんの!?」


MF2DF1「いえ別に………」スススッ


DF2「やめ……遠ざからんとって寂しい!!」


ツバサ「……本当に大丈夫かしら……」


エレナ「このチームいつも喧嘩してるな」


あんじゅ「いざとなったら頼りになるじゃない」


ツバサ「それもそうね」


ツバサ「いくわよ!」


エレナあんじゅ コクリ













絵理「あの子……」


海未「どうしました?絵理」


にこ「……あいつ控えじゃなかったのね……」


凛「やっぱり秘密兵器だったんだにゃ!」


花陽「DFだね……」


希「まあ前線にはあの3人がいるからなぁ」


ことり「あの子強いのかな?」


穂乃果「知らない!」


にこ「知らないって……まあそうだろうけど」


穂乃果「知らないものは考えても仕方ないよ!」


穂乃果「後半!全力を出し切って本戦に行くことだけ考えよう!」


穂乃果「みんな、ファイトだよ!」


海未「あなたもファイトするんですよ」


穂乃果「わかってるよ!もう!」


にこ「まったく能天気なんだから」


花陽「でも、気が引き締まった感じがするよね!」


海未「………」フゥ


希「何だかんだ海未ちゃん、穂乃果ちゃん頼りにしてるなぁ」


海未「本人には絶対に言いませんけどね、調子に乗りますから」


凛「このチームツンデレばっかりにゃー」











UTX高校1-1音の木坂


ピーーーーーーー


ドッ


角間「後半がはじまりましたぁ!!」


真姫 タッタッタッ


ツバサ「フフッ」ザッ


真姫「ことり!」ドッ


ことり「にこちゃん!」ドッ


にこ「いくわよ!」トッ


角間「後半開始から横にパスを回し幅を使って攻めていきます!」


MF2「行かせるかおらぁ!」ダッ


にこ「いやーんにここわーい!」ザッ


MF2「……なんだ?こいつ」


にこ「ちょっとちょっと~?なにその口の聞き方は~」


にこ「にこは先輩なんですけ………ど!」ダッ


MF2「うっそだろぉ!?」ガクッ


MF2「ちんちくりんと見た目変わんねーじゃん……」ボソッ


にこDF1「聞こえてるわぁ!!」


MF2「おおう……地獄耳」


にこ「絵理!」ドッ


絵理「ええ!」トッ


DF2「いったでぇ!!実力見せたれ!」


フードの子「はい!」ザッ


絵理「……中学生でも手加減はしない!」ダッ


フードの女「フフ、手加減なんかいらないよ」


ダッ


クルクルクル


フードの女【アイスグランド!】ドッ!


ビキビキビキ!


絵理 カキーン


シャー







角間「UTX高校サイドの助っ人も素晴らしい力を見せつけましたぁ!!」


花陽「なっ!?」


凛「絵理ちゃんがあんなに簡単に……!?」


絵理「今の動き……やっぱりあなた……!」






パサッ


亜里沙「そうだよお姉ちゃん」


絵理「……亜里沙、どうして………」


亜里沙「お姉ちゃんのせいだよ」ダッ


絵理「私の……?」


絵理「…………」












バシッ


絵理「いっ…!」


希「ほら!しっかりする!」


絵理「……わかってるわよ!」











ことり「ことりが相手です!」ザッ


亜里沙「ほっ!」スゥー


クルンッ ダッ!


角間「氷の上を滑るかのようなドリブル!!何と魅せるプレーでしょうかぁ!!」


絵理「あの頃のまま……綺麗なフォームね」


亜里沙「私はずっと……続けてきた」


亜里沙「お姉ちゃんと違って!」


絵理「亜里沙……」











花陽「止めるよ、凛ちゃん!」ザッ


凛「うん、かよちん!」ザッ


亜里沙「う~……このまま決めたかったけど……」


亜里沙「ツバサさん!」ドッ


ツバサ「あら、シュートでもよかったのに」トッ


亜里沙「流石に無理ですよ…」


ツバサ「別にいいけど……」タタタッ










ツバサ「……ね!!」ドキュゥゥゥ!!










海未(コーナーギリギリ……!)


にこ「死んでも止めなさい!」








穂乃果「ふんんん……!!っぐ!」ダッ


ガシィッ!


ゴロゴロゴロ


ザッ


穂乃果「よ、よし!」グッ


花陽「すごいよ穂乃果ちゃん!」


海未「ナイスキャッチです!」








エレナ「あそこまで完璧に反応するとはな…」


ツバサ「野生の勘でも働いていたのかしら……」


エレナ「それは失礼だ」


ツバサ「ごめんなさい……」


あんじゅ「ディフェンス!」




ザザザ!











角間「こ、これはぁ!?UTX高校、全員で全員をマークしてしまったぁ!!」


角間「これではパスが出せない!!」


海未(ディフェンスの体力を大幅に削る作戦のはずなのに……)


DF1「ふっふーん!」ザッ


絵理「っく…!」


DF2「大人しくしときな~」ザッ


真姫「……ッ!」


海未(息一つ切れていない……!!)


穂乃果「うぅ……」キョロキョロ










タタタッ!




花陽「穂乃果ちゃん!」バッ


角間「マークを外したのは小泉だぁ!!」


穂乃果「花陽ちゃん!」ドッ


海未「いけません穂乃果!」


穂乃果「……あっ…!」


ツバサ「パスコース0からの1」


あんじゅ「ついそこに出しちゃうわよね?」









亜里沙「わざとですよ」トッ


花陽「そんな……!」


角間「ゴール手前でパスカットされてしまったぁ!!恐ろしいほど計算されたディフェンスだぁ!!」


希「穂乃果ちゃん気を付けて!」


亜里沙「お姉ちゃん……!」チラッ


絵里「!」










亜里沙「これが、お姉ちゃんに勝つために編み出した……私だけの必殺技……!!」バッ











ドシュゥゥ! ドシュゥゥ!


ギラン……!


亜里沙【パンサーブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!!!








絵里「これが亜里沙の……!!」


ことり「すっごいパワー……」


穂乃果「さっきもっと考えとくんだったぁ!!」


海未「おばかぁ!!」


希「せっかく見直してくれてたのに……」







穂乃果「っく!」パッ


穂乃果【マジン・ザ……】


ドォォォォォォォォォ!!!!!


穂乃果「!?速すぎる……!?」





穂乃果「うわぁぁ!!」ドサッ


ドシュゥゥゥゥゥ…………!!!





角間「はいったぁ!!追加点を入れたのは中学生助っ人、絢瀬亜里沙だぁ!!」


亜里沙「見た?お姉ちゃん」


絵里「亜里沙……」


亜里沙「亜里沙はもうお姉ちゃんより強くなった!」


亜里沙「昔とは違うんだよ」スタスタ













ビキィ!


亜里沙「……っ!」グラッ


ツバサ「おっと、大丈夫?」


亜里沙「へ、平気です!」


ツバサ「どこか痛めた?」


亜里沙「いえ、少し体が軋むだけです」


ツバサ「そう……」


ツバサ「あとはもうディフェンスに回ってなさい、きつかったら交代してもいいわ」


亜里沙「……あの!」


ツバサ「ダメよ、わかってるでしょ?」


ツバサ「二発目を打てばあなたは……」


亜里沙「はい……」










凛「あの子……絢瀬って」


真姫「まさか、絵里の?」


絵里「ええ、妹よ」


海未「少し険悪なムードでしたが……」


絵里「……少し前まではむしろ仲が良かったの」


絵里「でも、急に連絡が取れなくなって……」


希「今日久しぶりに会ったらああなってたと……」


ことり「何があったんだろう」


穂乃果「……絵里ちゃん、戦える?」


絵里「……もちろんよ」


穂乃果「うん、じゃあ行こっか!」ニコッ


にこ「反抗期は誰にでもあるもんよ」


凛「にこちゃんは年中ブフゥ!!」ベシッ


凛「は、鼻はだめだよぉ!」


にこ「なんか来るだろうなと思ったからね」









亜里沙「……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

亜里沙「お姉ちゃんサッカーもう一度始めたんだね!」


絵里「ええ」


亜里沙「バレエは………」


絵里「今度試合があるのよ、きてくれる?」


亜里沙「………」


亜里沙「もちろん!」


絵里「亜里沙はサッカーずっと続けてるんでしょ?」


亜里沙「うん!お姉ちゃんもう追い抜いちゃってるかも!」


絵里「ふふ、楽しみにしてるわ」







亜里沙「うわぁー!寝坊しちゃった!」ダダダダッ


亜里沙「し、試合は!?」バッ


亜里沙「どうして……みなさん倒れてるの?」


亜里沙「お姉ちゃんも……」


ピーーーーーーー


亜里沙「新しい人が加わって……シュートを止めた!」


亜里沙「お姉ちゃんにボールが渡って…!」


【エターナルブリザード!】


亜里沙「す、ごい……2年も空いてたのに全然衰えてない…」


亜里沙「まだ……ダメなの……?」


亜里沙(……亜里沙はお姉ちゃんを追い越すために毎日練習してきたのに……)


亜里沙(2年も間が空いてたお姉ちゃんにまだまだ敵わないなんて……)ギュッ


亜里沙「………」


亜里沙「……ふざけないで」 ダッ









ドキュゥゥ!


ドシュルルルルル……!!



亜里沙「はぁ…はぁ」


亜里沙(違う……これじゃあまだお姉ちゃんには……)


ブルルルルルルル


亜里沙「……お姉ちゃんから?」


亜里沙「………」


スッ


亜里沙「さ!練習練習!」ザッ







ツバサ「随分苦しそうにサッカーをするのね」


亜里沙「どなたですか?………!」


亜里沙「あなたは……さっき試合をしてた…!」


ツバサ「……強くなりたいんでしょ?」


亜里沙「……!」


ツバサ「うちにいらっしゃい、設備は整ってるわよ」


亜里沙「……いいんですか?」


ツバサ「もちろん!でも条件があるわ」


亜里沙「条件……?」


ツバサ「私たちのチームに入りなさい。助っ人としてだけどね」


亜里沙「助っ人?」


ツバサ「もちろん、無理にとは言わない」


亜里沙「………わかりました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




MF3「いやー相変わらずすごいっすねー!あのシュート」


MF1「以前に増して威力が上がっていましたね、体は大丈夫ですか?」


亜里沙「少し痛むけど大丈夫です!」


MF2「無理すんなよ?きつかったらアタシらがカバーしてやるから!」ワシャワシャ


亜里沙「あわわわ!あ、ありがとうございます!」


ツバサ「一点差で満足なんてしてないわよね?」


あんじゅ「当たり前じゃない」


エレナ「あれ、行くんだろ?」


ツバサ「もちろん」












UTX高校2-1音の木坂


ピーーーーーーー


角間「追加点を取られた音の木坂!一刻も早く点を取り返したいところ!」


亜里沙 タッタッタッ


角間「おぉーっと!?DFの綾瀬が前線へあがってきたぁ!!」


絵里「……亜里沙」


亜里沙「……随分丸いサッカーをするんだね」ザッ


亜里沙「……氷の女王だったのに」ボソッ


絵里「…!」ザッ


希(……?)


DF1「亜里沙ディフェンスだってこと忘れてないかな~?」









クルクルクル


ダン! ビキビキビキビキ!


亜里沙【アイスグランド!】


絵里「ふっ!」ドッ


海未「ナイスパスです、絵理!」


亜里沙「!」ムゥ…


絵里(氷の女王……か)


絵里「……昔の話よ」


角間「絢瀬見事なパス回しでブロックを回避したぞぉ!!」


MF3「そっちは一本道っすよぉ~!」ダンッ!


MF3【クリエイション!】


ズズズズズ!


海未「……!壁が……」


MF1「お相手、お願いします」


海未「……なんだか初めて見た気がしませんね」


MF1「奇遇ですね……」


MF1「私もです!」ダッ


海未「はぁっ!」クルンッ


クルンッ


MF1「ボール、いただきました」トンッ


海未「なんですか今のは……!」


角間「流れるような動きでボールを奪い取ったぁ!!」


花陽「あれが…!」


花陽(相手の動きに合わせてボールを奪う、じゅうのわざ


にこ「本物はえげつないわね……」


MF1「エレナさん!」ドッ


エレナ「ああ」トッ


凛「行かせない!」ザッ


凛(今この人の前にパスターゲットはいない……ここで止めれば…!)


エレナ「………ツバサ」ガッ


ツバサ「ナイスパス」トッ


凛「そんな…振り返ってもないのに……」


角間「UTX統堂、ノールックバックパスです!一体どこに目がついているんだぁ!?」


真姫「顔でしょ」


絵里「そんな真面目に返さなくても……」


エレナ「残念だったな」


凛「……!」っぐ……











海未「とりますよ!にこ!ことり!」


にこ「わかってるわよ!」ダッ


ことり「がんばるよぉ!」ダッ


ツバサ「あら?3対1なんて随分エグいことするわね」


海未「勝つためです!」ダッ


ツバサ「まぁ………取れないんだけどね」


スススッ クルッ トントン ククッ ザザッ


ことり「そんな……!」ドサッ


にこ「ありえない……!」ズザザザッ


海未「っく!」ガクッ


角間「さ、3人がかりでもボールを奪えない!!一体どうすればいいんだぁ!?」


ツバサ「高坂さん」


穂乃果「!」


ツバサ「これが……私たちの究極奥義……!」


ツバサ「こうていペンギンとは比べものにならないわよ?」










タッタッタッ


ズシュゥゥゥゥ!!


ゴォォォォォオ!!!!









花陽「あれは……馬?」


希「いや、羽が生えてる……!」


凛「ユニコーン?」


海未「ペガサスです!」








ツバサ ダッ

あんじゅ ダッ

エレナ ダッ



ドッドッドッ!

ツバサあんじゅエレナ【トライペガサス!】


ドゴォォォォォォォ!!!!!!








海未「今までとは桁違いの威力です!!」


絵里「穂乃果!!」


穂乃果「…綺麗なシュート……」


雪穂「見とれてる場合じゃないってお姉ちゃん!!」


雪穂【ハンターズ……】


ドゴォォォォォォォ!!


雪穂「きゃぁぁぁ!!」ドサッ









穂乃果「雪穂!」


穂乃果「……はぁぁぁぁ!!!!」


ゴォォォォォォォ!!








穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドシュルルルルル!!!


穂乃果「な、なにこれ!?」グググ ッ


穂乃果「だ……だめぇ…!!」ズルズルズル!


バチィ!


穂乃果「うわぁぁぁ!!!!」ブワァ!


ガァン!


穂乃果「いっ…!!」ドサッ


海未「穂乃果!」






ドシュルルルルル……!!


角間「は、はいったぁ!!入ってしまいました!!これは厳しい追加点です……」


角間「音の木坂には辛い一点となってしまいました!」

>>>441

花陽(相手の動きに合わせてボールを奪う、柔の技……)

が正解ですごめんなさいm(_ _)m










穂乃果「ごめん……」ググッ


海未「いいからじっとしててください」グイッ


穂乃果「いたたたたたた!!!」ビクンッ


穂乃果「痛いよ海未ちゃん!」バッ


海未「骨は大丈夫そうですが、ぶつけた時少し痛めましたね」


穂乃果「大丈夫だよこれくらい」


フミコ「とりあえずスプレーしとくね」シュー


ミカ「テーピング持ってきたよ!」ザッ


穂乃果「あ、ありがと……」


海未「これ以上無理するなら……」


穂乃果「大丈夫だってば!それよりあのシュートの対策どうにかしようよ!」


海未「………たしかにそれも大事ですね……」


にこ「一体いくつシュート持ってんのよ……」


海未「あれを連発されたらまずいです……」


真姫「まずは一点、一つづつ返していきましょ」


穂乃果「そうだね!ディフェンスはいつもよりもっとプレッシャーをかけて!」


海未「普段より体力を使いますが後後半だけです、がんばりましょう!」


「「「「「「おー!」」」」」」











UTX高校3-1音の木坂


ピーーーーーーー


真姫「にこちゃん!」ドッ


ツバサ「はぁ!」ガッ


にこ真姫「そんな…!?」


海未「させません!」ザッ


ツバサ「ふふ」クルッ


海未「ただのスピンで……!!」ガクッ


絵理「止めて!」


凛「かよちん!」ザッ


花陽「うん!」ザッ


ツバサ「エレナ!」ドッ


エレナ「まかせ……」


エレナ「!?」


亜里沙「いただきます!」トッ


ツバサ「まちなさい亜里沙!」


亜里沙「…………ごめんなさい」


ツバサ「……!」


ツバサ(あの子まさか……!!)


ツバサ「あんじゅ!!」










亜里沙(一回ゴールを決めたぐらいじゃ勝ったなんて言えない)


亜里沙(ましてや向こうは技も使ってなかった…)


亜里沙(たとえ体が壊れたとしても、私の方が強いんだって証明してみせる!!)


亜里沙「いくよお姉ちゃん!」バッ


ミシ……!


亜里沙「っぐ……!」


亜里沙 キッ!













ブワァァァ! ブワァァァ!


ギラン……!


亜里沙【パンサーブリザー……】














シュバッ!


あんじゅ「ダメじゃない、亜里沙」トッ


あんじゅ ドッ


テンテンテン……


ピーーーーーーー


角間「ど、どうした優木!!絢瀬のシュートチャンスを無駄にしてしまったぁ!!」











亜里沙「え…….え?」


トンッ


亜里沙「あぅ……」フラッ


エレナ トサッ


エレナ「すまない審判、メンバーチェンジだ」


角間「助っ人の絢瀬亜里沙が体調不良の為交代だ!!大丈夫なのかぁ!?」











絵里「亜里沙!」ダッ


ツバサ「大丈夫よ、シュートを打つ前だったから」


絵里「あの、一体……なにが?」


ツバサ「………」


ツバサ「あの技は、連続で打てば強大パワーと引き換えに、使用者に多大な負担を強いることになる……」


ツバサ「身体を破壊するほど」


ガッ!


希「エリチあかん!」バッ


絵里「あなたは……それを知ってて亜里沙を出したの!?」ググッ


ツバサ「……ッ!あなたに……勝ちたい!彼女はそう言ってたわ」グクグッ


絵里「……はい?」グクグッ


希「えりち!!」グイィ!


ツバサ「2年もブランクがあるお姉ちゃんに……負けられないって」グクグッ


絵里「…!」パッ


ツバサ ゴホッゴホッ


絵里「………」


絵里「だから……こんな危険な技を教えたんですか」


ツバサ「この子が自分で編み出したのよ」


ツバサ「血の滲むような練習でね」


絵里「………そう、ですか」


ツバサ「一発だけなら筋肉痛ぐらいですむはず、でも二発目は……」


ツバサ「だから本人には嫌という程釘を刺していた」


ツバサ「だけど……」チラッ


絵里「……」チラッ


亜里沙 スゥ…スゥ…


ツバサ「そうまでしようとした彼女の気持は、わかってあげて欲しいの」











雪穂「亜里沙……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨晩


亜里沙「もう、遅いよ雪穂!」


雪穂「ごめんごめん」


雪穂「で、話って?」


亜里沙「そんな大したことじゃないんだけど……」


亜里沙「いよいよだね」


雪穂「……本当に亜里沙と戦わなきゃいけないんだね…」


亜里沙「亜里沙は……明日のためにずっと頑張って来たから」


雪穂「今日絵理さんに亜里沙のこと聞かれたよ、誤魔化したけど」


亜里沙「ありがとう雪穂、頑張ろうね!」グッ


亜里沙「これあげる!じゃあね!」タッタッタッ


雪穂「あっ…」


雪穂「……無理、しないよね?」


亜里沙「………」ピタッ


タッタッタッ


雪穂「………」


雪穂(冷たい……おでん缶)


カシュッ


ズズズ


雪穂「……おねーちゃんにあげよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雪穂(亜里沙のやりたかったことって……こういうことなの?)










ピピピーーーーーーー


角間「あーっとここで音の木坂絢瀬にイエローカードが出されました!」


角間「先ほど胸ぐらを掴んでしまったのが原因でしょうか」


絵里「……」ペコリ


穂乃果「絵理ちゃん……」


絵里「ごめんなさい穂乃果、切り替えるわ」


穂乃果「……逃げちゃダメだよ」


絵里「別に……そういうわけじゃないわ」


絵里「ほら、始まるわよ」タッタッタッ










ピーーーーーーー


ブンッ!


凛「よっ!」トッ


角間「少しいざこざがありましたが再びスタートしました!」


角間「ボールは未だ音の木坂ゴール目前…!!」


MF3「はぁっ!」ザッ


凛「き、きてるぅ……!!」






凛【アクロバットキープ!】


ダッ グゥン! シュバッ!




MF3「やるっすね!」


凛「!」


エレナ「前半のお返しだ」ガッ


角間「抜いたかに見えたがすぐさまヘルプにきていた統堂にカットされてしまったぁ!!」


エレナ「……!」


花陽「たぁ!」ガッ


角間「すぐさま奪い返したぁ!!」


エレナ「なんてタイミングだ………」


花陽(エレナさんはボールを取った時まず右方向から周囲を確認する)


花陽(その時、左方向はほとんど死角になる、そして………)


花陽(左後ろはほんの一瞬だけ、完全な死角になる…!)


花陽「海未ちゃん!」ドッ


海未「任せ……!?」トッ


MF2「うぉらぁあ!」ザッ


海未「~~!!はぁあ!!」クルッ


MF2「っち……!」


海未「絵里!」ドッ


絵理(亜里沙……)









にこ「絵理!!」


絵理「あっ……!」ガッ


テンテンテン


シュバッ!


DF1「いっただきー!」トッ


絵理「っく……!」


角間「絢瀬どうした!?珍しいケアレスミスだぁ!!」


DF1「エレナさん!」ドッ


エレナ「ああ」トッ


花陽「通しません!」ザッ


エレナ「また君か」ザッ


エレナ(さっきはやられたが、単純な一対一なら……負けはしない)


花陽(みたいなこと思ってるんだろうなぁ……)


花陽「………」はぁ……


エレナ「いくぞ…!」ダッ


花陽(確かにそうかも……)


花陽(凛ちゃんは、この間まで初心者だったのに今ではものすごく活躍してる…)


エレナ タッタッタッ


花陽(真姫ちゃんは、同じ一年生なのにエースって言われるぐらい強い……)


花陽(じゃあ……)










花陽(私は?)


花陽「……….」


エレナ(…?なぜ動かない)タッタッタッ











花陽(背も低くて怖がりで、サッカーでは特に苦手なことはないけど得意なこともなくて……)


花陽(一年生で私だけ……何もない)


花陽(ことりちゃんもこんな気持ちだったのかな……)


花陽(このままみんなどんどん上手になって、活躍して、私は腰巾着みたいにみんなの後をついていって……)


花陽「………」ギュッ


花陽(……そんなの)













花陽「そんなの嫌だ!!」カッ!


エレナ(!!……くるか?)タッタッタッ


花陽(今まで見てきた映像と今日の試合での誤差を修正……)


花陽(統堂さんの癖、パターン、スピード、反応速度、パワー、瞬発力………)


花陽「……見つけた」


エレナ「……!?」


花陽(私だって、みんなと肩を並べて歩きたい!)ジャリッ








ダッ!












ズザザッ!


花陽「……よし!」トッ






エレナ「な、なんだと!?」


凛「かよちん!すっごいにゃー!」


にこ「へぇ、やるじゃない」


海未「まるで方程式を解くかのようなデフェンス……」


海未「【ディフェンス方程式】……!」


海未「………」


海未(いい……!!今自分でもちょっといい感じにできた自覚があります!)ハァハァ!


凛(海未ちゃんのあの顔……めちゃくちゃどうでもいいこと考えてる時の顔だにゃ……)








花陽「ことりちゃん!」ドッ


ことり「いくよぉ!」トッ


DF2「止めるで!」ザッ


DF2「っておお……!?」


ことり「ヒッ……!?」


DF2「遠くから見てても思ったけど、なんちゅう身体してんねん……」


ことり「あ、ありがとうございます?」


ことり(か、身体って言った?……)


DF2「ウチもそれぐらい育ってればなぁ……」サワサワ


DF2(まああっちのエセはもっとすごかったけど………)


DF2(…………牛か)


ことり「い、いきます!」ザザザッ


DF2「甘いんよ!」ザザザッ


ことり「ほっ!」クルッ トンッ


DF2「んなぁ!?」ガクッ


ことり「私の勝ち~!」ダッ


DF2「ぬあー!!悔しいけど許す!」グッ


あんじゅ「許す!……じゃないわよ!」バシッ


DF2「す、すんません……」シュン…


ことり「希ちゃん!」ドッ


希「ほっ!」トッ









MF2「こい!ちんちくりん!」


DF1「わかりましたーヤンキーセンパーイ」


MF2「……この前アイス落として泣いて……」


DF1「あーあーあー聞こえませーん」アワワワワワ


希「あのー……通るよー」ダッ


DF1MF2「行かせない!!」クルッ






DF1MF2【ダブルサイクロン!】


ブフォォォォアァァ!





希「ちょ……え……ちょぉ!?」


ブワァァ!


希「いやぁーー!!」ヒューーー……






MF2「アタシの手柄だな」


DF1「私ですぅ~!」


MF2「アイス」


DF1「もういいですから!!」


テンテンテン


絵里(亜里沙は、体が壊れてでも私より強くあろうとした……)


ツバサ「……」トッ


絵里(でもそんなの………)


絵里「………認められないわぁ」ザッ


えり[バレエ衣装](………)











絵里(……久しぶりね、元気だった?)


えり(………)


絵里(……つれないわね)


絵里(………)


絵里(あなたのことは嫌いだけど……)


絵里(亜里沙の目を覚まさせるためには、今の亜里沙より強くならないといけなの……)


絵里(……お願い、力を貸して)


えり ニコッ


えり(貸すもなにも……)


えり(あなたは私、私はあなただよ)


えり(やっと受け入れてくれたね)スゥー……


えり(……私も、あなたのことは嫌い)


絵里(………)


えり(でもありさは大好き!)


絵里(………!)


ブワァァァァァァ……!!










ツバサ「……なんだか雰囲気が変わったわね」


絵里「………」


絵里「そうかもしれないですね」スゥ…


ツバサ「?」









絵理「亜里沙ぁぁ!!!!」


ツバサ「………」ビクッ


希「えりち……!?」


花陽「びっくりしたぁ……」








ベンチ

亜里沙「……んぅ……」モゾモゾ


亜里沙「お姉……ちゃん?」ムクッ










絵里「亜里沙……」


絵里「あなたは……誰かに勝つためだけにサッカーを始めたの?」


亜里沙「………!」


絵里「そのためなら体が壊れても構わない……?」


亜里沙「………」


絵里「………そんな」


絵里「……そんなバカみたいな考えを改める気がないのなら」


絵里「私がどんな手を使ってでも引きずり戻す」


ツバサ「……」


絵里「あなたは……」ジャリッ


亜里沙「!!」








絵里「私の大切な妹なんだから!!」


ズァッ!












ブワァァ! ブワァァァ! ブワァ!


ダンッ! パキパキパキパキ!


カキーン!









亜里沙「い、今のって……!」ガタッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バレエコンクール


~~~♪


えり「……あっ…!?」ガッ


ドサッ


えり(……やっちゃった)ウルッ


審査員「………」カキカキ





金賞は…………~~です!


ワーー!!!オメデトーー!!





えり「…ぅ……ぅあ……なんで……」ポロポロ


えり「あんなに……頑張ったのにぃ……」ポロポロ


おばあちゃん「エリーチカ、練習ではできてたじゃない」


おばあちゃん「大丈夫、次はできるよ」


えり「もう……もういい……!!」


おばあちゃん「エリーチカ……?」オロオロ


えり「バレエなんてもう嫌!!」


えり「こんなの……!!」


えり「……あ…」ビクッ


おばあちゃん「………」


おばあちゃん「本当に辛かったら……やめてもいいんだよ」ナデナデ


えり「おばあさま……」


タッタッタッ


ありさ「お…おねえちゃん…?」ハァハァ


ありさ「おねえちゃん……やめちゃうの?」


えり「……私は……ここまでみたい」


ありさ「そ、そんな……」ウルウル


えり(……この曲……好きだったんだけどなぁ……)ナデナデ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


絵里「確かタイトルは……」


絵里「雪の天使様……だったかしら?」トッ


えり ニコッ


絵里(ありがとう)


角間「こ、これは……新必殺技だぁ!!あの綺羅からボールを奪ったぞぉ!?」


角間「まるで雪原を舞い踊るバレリーナのようだぁ!!」


凛「……綺麗」


穂乃果「あれが………絵里ちゃんの新しいサッカー……」


海未「あれだけ激しい動きをしながら軸が全くブレていませんでした……さすがです」


海未「名付けるなら……そうですね」


希「スノーエンジェル」


海未「!?」クルッ


希「にしし!」


亜里沙(お姉ちゃんは……)











ツバサ「……面白くなってきたわね」


絵里「いくわよ!」


亜里沙(何年も目を背け続けてたバレエと……)











絵理「吹き荒れろ……」


パキパキパキパキ


亜里沙(完全に向き合ってまで、亜里沙のこと……)











絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!


亜里沙(………想ってくれてたんだね)










GK「………何度やっても同じ」


GK【パワーシールド】ドッ!


ギュルルル! ビシィ!


GK「!」
(パワーが上がってる……!でも……)


GK「この程度じゃ……」ググググッ










グルグルグル


真姫「はぁぁぁ!!!」バッ


ドキュゥゥゥ!!!


GK「なっ……!?」









真姫「希が言ってたわね……衝撃波の壁って……」


真姫「つまり!こんな風に押し込んじゃえば……!!」


ミシミシ……ビキィ!


GK「………そんな」ググッ









バリィン!


真姫「突き破れる!」


【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!







GK「きゃぁぁぁ!!」ドサッ


ドシュゥゥゥゥ……!


角間「き、決めたぁ!!!音の木坂のダブルエースが一点を返しました!」


角間「これで点差は……一点差です!」







穂乃果「やったぁ!!」


希「うちのおかげかな?」


真姫「……ええ、希のおかげよ」


希「おお……!真姫ちゃんが素直…」


真姫「な、なによ!人がせっかく……」


絵里「………」


希「想い、伝わってるといいね」


絵里「きっと大丈夫よ、亜里沙だもの」


希「そ、それでなえりち……さっきの………」


絵里「……希?」キョトン


希(亜里沙ちゃんの言ってた氷の女王って……)


希「……」


希「………さっきの……すごい大きい声やったね!」


絵里「え?……え、ええ」


凛「急に叫ぶからびっくりしたにゃー」


にこ「ほんとよ、何があったのかと思ったわ」


絵里「ご、ごめんなさい……」


花陽「つ、次からは、叫ぶ前に叫ぶっていってね!」


ことり「それはそれでよくわからないことになりそうだけど……」


海未「あと2点、手足をもがれても取りますよ」


海未「いいですね?皆さん」ギラッ


みんな「は、はいぃ……」


凛(海未ちゃんの眼力やばいにゃー)


希(あれはすでに何人か殺ってる目やね……)


花陽(そんな……!!)


海未「全部聞こえてます……よ!」バシッ


凛希花陽「あぅ~~……!」ジンジン












ツバサ「審判、メンバーチェンジよ」





亜里沙 ザッ


ツバサ「………確認するまでもないようね」


ツバサ「いい顔になってるわ」


亜里沙「……勝つことより大事なこと……忘れてました」


亜里沙「私がサッカーを始めたわけ……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ありさ「おねえちゃんさいきん笑顔がふえたね!」


えり「そ、そう?」


ありさ「なにかあったの?」


えり「ふふ、じつはね、サッカーを始めたの」


ありさ「さっかー?」


えり「チームで一つになってボールを蹴りあうの!」


ありさ「ふーん?」


えり「まだありさには難しかったかしら……」


ありさ「じゃあじゃあ!ありさもやる!さっかー!」


えり「え、ありさも?」


ありさ「うん!」


えり「それじゃあお母様におねがいしにいきましょうか」


ありさ「やったー!」


ありさ(ありさだっておねえちゃんをえがおにできるんだもん!)


ありさ(………さっかーってなにかわからないけど)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


亜里沙(あの頃はお姉ちゃんの後をついて行くだけで楽しかった……)


亜里沙「ツバサさん達のこともそう」


亜里沙「私のことを想って止めようとしてくれる人がちゃんといたのに……」


亜里沙「全然見えていませんでした……」


亜里沙「ごめんなさい…」ペコッ


ツバサ「……そう」


亜里沙「だから、お返しはプレーで示したい!」


ツバサ「ふふ、存分に暴れてきなさい」


亜里沙「はい!」


あんじゅ「本当にお願いよ?」


エレナ「人のボールを横取りするのはいけない」


亜里沙「ほ、本当ごめんなさい!!」










UTX高校3-2音の木坂


ピーーーーーーー


角間「再び絢瀬を加えてスタートしましたUTX高校!」


角間「このまま勝利を決めるのか……それとも!」


角間「音の木坂が逆転勝利を果たすのかぁ!?」


真姫 ザッ


ツバサ「ふふふ」ザッ ザザザッ


真姫「っく……また……!」ガクッ


ツバサ「頼んだわよ!」ドッ


MF2「はい!」トッ


にこ「行かせないわよ!」


にこ「とりゃあ!!」ブンッ







ズシュゥゥゥ!


ブワァァァァァァ!!!!!






MF2「きゃぁ!!」ドサッ


ツバサ「………!」


DF1「……先輩けっこう悲鳴乙女……」


にこ「…….何、今の……」トッ


真姫「仮にもアイドル目指してるのにとりゃあって……」


にこ「ぅ……うるさい!」










希「ええよー!にこっちぃーー!!」


にこ「まあいいわ」


にこ「頼んだわよ海未!」ドッ


海未「さすがにこですね」トッ


MF1「ふふ、またあなたですか」ザッ


海未「そういえば、花陽が言ってました」


海未「あなたとの一対一は分が悪いと」


MF1「それは光栄ですね」


海未「ならば……こうすればいいんです!」ドッ


MF1「なっ!?そっちには誰も……」





ギュルルルルル! ドッ


海未【ひとりワンツー!】トッ


MF1「そんな……!」


角間「なんということだぁ!!たった一人でワンツーを成立させて抜いてしまったぁ!!」


GK「く、来る……!」


GK(私に……止められるの?)


海未(今日まで無失点で抑え続けていて今日だけで二失点……)


海未「自信が揺らいでいるようですね」


GK「そんなこと………ない!」バッ


海未「その薄皮一枚で繋がっているあなたの自信………」


海未「私が断ち切ってあげましょう」


フッ……


トン………













GK「私は……!」










ズバァ!


海未【菊一文字!】


ドゴォォォォォォォ!!!!








GK「………」ギュッ


GK【パワーシールド!】ドッ


ゴォォォォォオ!!








海未「………なまくらでは」




バリィン!!


GK「うそ……」







海未「本気の刃は止められませんよ」


ドシュゥゥゥゥ……!!


GK「あぐっ……!!」ドサッ




角間「き、決まったぁぁぁ!!!同点ゴールを決めたのは園田だぁぁ!!」











穂乃果「やったぁ!!」


ことり「海未ちゃんさっすが~!!」


凛「海未ちゃん!」バッ


海未「り、りん!?お、重いです……!」ググッ


凛「すごいね海未ちゃん!」


真姫「もう……そんなに簡単に決められちゃ私たちの立場がないじゃない」


絵里「ねー?」


希「相手の子……」


海未「ええ、自分を見失いかけていますね」


凛「畳み掛けるなら今がチャンスにゃ!」


花陽「で、でも……これ以上失点したら本当に……」


花陽「守備も固めないと……」


にこ「【トライペガサス】……」


穂乃果「……….」ズキズキ


穂乃果「それは任せて」


穂乃果「穂乃果が止めるから!」


海未「穂乃果……」


穂乃果「ファイトだよ!」グッ


希「穂乃果ちゃん……」


海未「……」


海未(……左腕が上がっていませんよ、穂乃果)


ことり(いつもはワガママな穂乃果ちゃん、でも肝心なとこではいつも……)


雪穂「ちょっとちょっと!」


穂乃果「雪穂……?」


雪穂「何一人で背負い込む気でいるの?」


花陽「そ、そうだよ!」


凛「凛たちもいるにゃぁ!!」


にこ「みんなで守って、みんなで攻めて、そんでもってみんなで勝つのよ」


穂乃果「……みんな……!」


絵里「だからあなたは安心して守ってなさい!」バシッ!


穂乃果「いったぁ!?」ビクンッ


海未「絵里ぃぃ!!」


絵里「……やっちゃった?」


穂乃果「おぉぉおぉ!!!」ジンジン










GK「そんな……私……?」プルプル


ツバサあんじゅエレナ ザッ


GK「あ……ご、ごめんなさい……!」


ツバサ「………はぁ」


GK「ぁ……!」ビクッ


エレナ「……自分の限界を決めつけすぎだ」


GK「……え?」


あんじゅ「あなたにはまだまだ伸び代があるわ」


ツバサ「壁に当たった時はそれをぶち破るチャンス」クシャクシャ


ツバサ「あなたなら超えられる」パッ


GK「……チャンス……」ボサァ……


DF1「そーそー!一年生同士、もっと頼ってくれてもいいんだよ!」ガシッ


GK「……あり、がとう……」


あんじゅ「……あげるわ」スッ


GK「……これ」


GK「いいんですか?」


あんじゅ「ええ、いらなければ使わなくてもいいわ」


GK「………どうも」スッ










UTX高校3-3音の木坂


ピーーーーーーー


角間「一体誰が予想したでしょうか!初出場校がここまでの戦いを見せることを!」


ドッ


ツバサ「私たちよ」ドッ


エレナ「だな」トッ


にこ「それは光栄ね!」ダッ


エレナ「………」ザッ ガガッ


にこ「はぁ!」ガガガッ


エレナ「……」ガッ ザザッ


エレナ(……小柄な体を生かしたディフェンスで懐に潜り込んでくる……)

角間「凄まじい鍔迫り合い!矢澤奪えないまでも負けてはいない!」


エレナ「なかなかやる……な!」ドキュッ!


にこ「んなっ!?」


角間「な、なんということだぁ!!あの激しい攻防の最中にもかかわらず正確なロングパスだぁ!!」


ツバサ「それがエレナよ」トッ


エレナ「いちいち騒ぐな、ただのパスだ」


にこ花陽「精密機械……」


花陽「頭ではわかってても……実際に見るとここまで……」


にこ「そんな統堂エレナですらナンバーワンを譲らなければいけない存在……」


ツバサ「ふふふっ」クルンッ


ヒデコ「ぬわ!?」


凛「先輩…!!」


にこ花陽「綺羅ツバサ……!」


海未「試合中はそれやめてください!!」


ツバサ「……亜里沙!」ドッ


絵里「!!」


亜里沙「はい!」トッ


絵里「亜里沙!」


亜里沙「フフ」


亜里沙「お姉ちゃん……!」チラッ


絵里「!」


亜里沙「これは、お姉ちゃんの足跡を追いかけ続けて……やっと習得した技」


亜里沙(これが……私の答え…!!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ありさ「わー!おねえちゃんかっこいい!!」


ありさ「ありさも!ありさもやりたい!」


絵里「亜里沙にはまだ早いから、もう少し大きくなったらね」


ありさ「むー……」


ありさ「じゃあもう一回見せて!」


絵里「もう、しょうがないわね……いくわよ?」トトッ


ありさ「うん!」パァァ!









絵里「吹き荒れろ……」


パキパキパキパキパキ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











亜里沙「吹き荒れて……」

パキパキパキパキ











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絵里【エターナル……】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


















亜里沙【………ブリザード!!!】ドキュッ!!








ゴォォォォォォォ!!





絵里「………」ニッ


穂乃果「これが亜里沙ちゃんの……!」


穂乃果「っ………!」ズキッ


海未「穂乃果!」


穂乃果「……うぅ!」











【ハンターズネット!】




ドシュルルルルル!!


テンテンテン コロコロ……





雪穂「……いいボールだったよ、亜里沙」


亜里沙「……さすが雪穂だね」


ことり「雪穂ちゃん…!」


真姫「……!」ダッ


雪穂「そぉれ!」ドォッ!


エレナ「これは…」


ツバサ「超ロングパス……」


真姫「ふっ!」ジャンプ


DF1「そんなの!」ジャンプ


DF2「通すわけないやん!」ジャンプ


ガツン!


真姫「きゃぁ!?」ドサッ


DF1 「よし!」トッ


DF2「ごめんな~」










ブワァァ! ブワァァ! ブワァァ!


ドッ!


ビキビキビキ カキーン!


絵理「ごめんなさいね?」トッ


DF2「んなアホな……」







GK「…………」スッ


GK パチッ


エレナ「……やる気だな」


あんじゅ「いい髪留めでしょ」


ツバサ「………」フフ


あんじゅ「………」


あんじゅ「やっぱり綺麗な目してるじゃない……」







絵里【エターナルブリザード!】


ドゴォォォォォォォ!!!







GK【パワーシールド!】


ドシュルルルルル!!!


タタタッ






真姫「何度やっても同じ!」バッ


グルグルグル


真姫【ファイアトルネード!】


ドゴォォォォォォォ!!!!










ビキビキビキ


にこ「いけ!」


花陽「決まって!」


真姫「はぁぁぁぁ!!」ググググ!


GK「………!」ググググ


ビキキキキキ!!











バキィン……!!











あんじゅ「……まだ!」


GK(私だって……)ググッ


GK(……変わるんだ…!)グググッ!


ダンッ!


あんじゅ「……!左手……!」


GK【フルパワーシールド!】


ブワァァァァァァ!!!









ググググッ バチィ!


真姫「そんな……!」ドサッ


DF1 「えへへ、さすが!」トッ


GK「……うん!」









ことり(穂乃果ちゃんに負担はかけられない!)


ことり「私がいく!」ダッ


DF1「ヤンちゃん先輩!」タタタッ


MF2「……合わせろよ泣き虫小僧!!」


DF1「小僧じゃない!!」


MF2(泣き虫は否定しねーのな……)


ことり「なっ……」ザッ





DF1MF2【ブリタニアクロス!】


ズシュゥゥゥゥ!!!





ことり「うわぁ!?」ドサッ


花陽「ことりちゃん!」ダッ


DF1「お任せでーす」ドッ


MF2 トッ


花陽(穂乃果ちゃんのところには行かせない!)


花陽【ディフェンス……】


MF2「ほっ!」ドッ


亜里沙「はい!」ドッ


MF2「やるな!」トッ


花陽「そんな……!」


海未「ディフェンス!御三方を徹底マークです!」


海未(穂乃果を守らなければ…!)


ザザザザッ!


ツバサ「あら?」ザッ


エレナ「これは手厳しいな…」ザッ


あんじゅ「動けないわぁ…」クルクル


角間「これは完全に得点源の3人を押さえ込んだぞぉ!!」


海未「これで……!」


エレナ「………」チラッ


凛 キョロキョロ


エレナ(……まだまだ甘いな)コクッ


MF2「…!」コクッ












エレナ「一瞬の隙も見せては駄目だろう?」ダッ


ドッ


エレナ「さすがだ」トッ


MF2「へへへ!」テレテレ


海未「マ、マークを外さないように!」


凛「わ、わかったにゃ!」


花陽「了解です!」


エレナ(……)フフ


エレナ「ツバサ!あんじゅ!作戦Bだ!」


ツバサあんじゅ「!」


海未(さ、作戦B……!?一体なにを……)


海未(いえこれは……私たちを動揺させるための罠!)


エレナ(園田海未、君ならこのハッタリに気づけるだろうが………)


エレナ(他のメンバーには……どうかな?)


凛「う、海未ちゃん……!」タジタジ


花陽「ど、どうすれば!?」アワアワ


ツバサあんじゅ シュバッ!


海未「しまった!」


にこ「っ……!」ダッ


エレナ「ツバサ!」ドキュッ!











にこ「読んでんのよ!」タッタッタッ


にこ(シュートは絶対打たせない……!)


角間「一足先にパスを読んでいた矢澤!ファインプレーなるかぁ!?」


海未「にこ……!」


花陽(……にこちゃんなら知ってるよね……)


にこ(あと……少し!)ダッ









スカッ


にこ「そ……んな!」ガクッ


エレナ「………すまない、計算通りだ」


花陽(統堂さんのパスをカットできた人は……誰もいないって)


ツバサ「これで終わりよ!」トッ


角間「完全にフリーだぁぁ!!」






ズシュゥゥゥゥ!


ブワァァァァァァ!!!






ことり「穂乃果ちゃん!」



ドッドッドッ


ツバサあんじゅエレナ【トライペガサス!】


ドゴォォォォォォォ!!!!!


角間「こ、これは決まってしまうのかぁ!?」


角間「残り時間も後わずか……ここでの追加点は勝敗を決める一点といっても過言ではないでしょう!!」


海未「穂乃果ぁ!!」


真姫「今の穂乃果じゃ……!」










穂乃果「っつ……!」ズキ


穂乃果「………はぁぁぁぁ!!!」


ゴォォォォォオ!!!


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】







ドシュルルルルル!!


ミシィ……!


穂乃果「っぐぅぅ!!」ズザザザザザ!!!


にこ「穂乃果!」


角間「凄まじいシュートに押され、どんどんゴールへ押しこまれていくぞぉ!!」


ズキィン……!!


穂乃果「ッ…!!あああぁぁぁ!!!!」ズズズズ!


海未「ほ……穂乃果ぁ……」


海未(すみません穂乃果…私の考えが甘かったばかりに……!!)


ことり「穂乃果ちゃん……」


穂乃果「……私じゃ……やっぱり…」


穂乃果「……!」ブンブン


穂乃果(穂乃果は今……何を考えたの?)


穂乃果(……みんなが信じてくれてるんだもん!)


穂乃果(最後の1秒まで、諦めるわけにはいかない……!!)


穂乃果(……んだけど……)


穂乃果(なんだろうこの感じ……)


穂乃果「………」グググッ


穂乃果(ああそっか、こういうのを……)


穂乃果(格の違いって言うのかな……)アハハ…


穂乃果「………」グググッ










穂乃果「………勝ちたかったなぁ」ボソッ











タッタッタッ!


雪穂「っ……はぁ、はぁ……!」ズザザザ!


雪穂「何……一人であきらめムードになってるの?」


穂乃果「ゆ、雪穂…!?」ググググ


雪穂「家ではいっつもグータラしてるんだから……」


ガシッ


雪穂「試合中ぐらいかっこいいとこ見せてよ!」


ゴォォォォォォ!!!!


穂乃果「!!」


穂乃果「……そうだね雪穂」











メキメキメキ……!


角間「おおっとぉ!?高坂のマジンが姿を変えていきます!」


ツバサ「なにあれ……」


エレナ「そんな…」


あんじゅ「こんなことって……!」










雪穂「私たちを……」


穂乃果「穂むらの看板娘を……!」


雪穂穂乃果「甘く見ないで!!!」


ドォォォォォォ!!!!













シュルルルルルル………!


穂乃果雪穂「……よし!」


海未「【ホムラ・ザ・ハンド】……ですか」


海未「すごすぎですよ、二人とも……!!」グッ


角間「とめたぁ!!!和菓子屋穂むらの看板娘姉妹が【トライペガサス】を止めましたぁ!!」


ツバサ「そんな……」


穂乃果「や……た!」ガクッ


雪穂「おねーちゃん!」バッ


穂乃果「行って……雪穂!」コロコロ


雪穂「……わかった!」トッ


角間「さあ、残り時間もごく僅か!一体どちらが勝利を手にするのでしょうか!」


ツバサ「エレナ、あんじゅ、戻るわよ!」


雪穂「凛さん!」ドッ


凛「穂乃果ちゃんの止めたこのボールは……繋いで見せる!」ダッ


MF1「いかせません」ザッ











凛【アクロバットキープ!】


バッ クルッ ダッ!


MF1「いい動きですが私には……」


MF1(相手の動きに合わせて……)スススッ


凛 ニヤッ


凛「ほっ!」クンッ


MF1「あ、あの体勢からフェイントを…!?」ガクッ


MF1「何というボディバランス……」


MF1(相手の力量を見誤るなんて……恥を知りなさい、私!!)


凛「希ちゃん!」ドッ










希「ほい!」トッ


エレナ「ッはぁ……間に合った」ザッ


希「……やっぱり映像じゃ細かいところがみえないんですね」


希「でも今日……本物が見れた」


エレナ「……なにが言いたい?」


希「こういう……こと!」





クルッ スタッ!


希【イリュージョンボール】





エレナ「こ、これは……」ガクッ


ツバサ「……」タッタッタッ


あんじゅ「本物と遜色ない……」タッタッタッ


角間「またまた抜いたぁ!!止まらない止まらない!!どんどん攻め上がるぞぉ!?」










希「真姫ちゃん!」ドッ


真姫「……ええ!」トッ


真姫「凛!来なさい!!」


凛「にゃ……!?嘘……!?」ダダダダッ


花陽「り、凛ちゃん!?」


にこ「あいつなにやってんのよぉ!?」


角間「DFの星空がまたもや前線にあがってきたぁ!!【たつまきおとし】かぁ!?」


GK「あれはもう……決めさせない……」








真姫「今しかないわ、あれをやるのは!」タッタッタッ


凛「あれ……ってまさか!」タッタッタッ


凛「……できないにゃ、練習では一回も……」


真姫「凛!!!」


凛「……!!」ビクッ


真姫「今、私たちが決めないと……負けちゃうかもしれないのよ」


凛「で、でも…!」


真姫「負けたら……」


真姫「みんなとは二度と……一緒に試合することは出来ない」


凛「そ……そんなの……」


凛「……いやだ!!」グッ


真姫「それにね、凛」


凛「にゃ?」


真姫「こういう場面で決めた方がかっこいいと思わない?」スッ


凛「……わっるい顔してるにゃー」スッ


コツン











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「ええ~~!?」


真姫「しっ!声が大きい!」ヒソッ


凛「ほ、本当にそんなことできるの?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「………できるかどうかじゃない」


真姫凛「やるかやらないか!!」ザッ


GK「………」グッ











真姫「行くわよ、凛!」


凛「うん!」


真姫凛 グッ


ダンッ ダンッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真姫「うぐっ……!」ドサッ


凛「いにゃ!?」ドサッ


真姫「もう一回よ!」スクッ


凛「うん!」スクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




グルグルグル グルグルグル



花陽「………二人とも」












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「今日もダメだったにゃ~…」


真姫「いいところまで行ってたのにね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



真姫凛 バッ


GK「……!!」














ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「きっと明日には出来るようになってるにゃ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽「……ぃ……」


花陽「いけーーー!!!」












ドキュッ!!!!!


真姫凛【ファイアトルネードDD!】


ゴォォォォォォォォォオオオ!!!!!









にこ「あいつら…いつの間にあんな技……!!」


希「……ふふ!」


ことり「希ちゃん?」


希(……やっと成功したんやね)












GK(なんて迫力……!!)ジャリッ!


GK【フルパワーシールド!】


ドォォォォォォ!!!!










ギュルルル!!!


ビキビキビキ……


GK「そんな………!」ググググ


GK「だめ……なの!」ググググ!


ビシィ……!











バリィン!


GK「………」


GK「どうしてぇ……」ウルッ


ドサッ


ゴォォォォォオ!!!


角間「シ、シールドが破れたぁ!!これで勝ったのは……」


「まだ!!」












あんじゅツバサ「はぁぁぁぁ!!!」バッ


ドキュルルルルルル!!!


あんじゅ「絶対に……!」ググググ


ツバサ「止める!」ググググ


角間「綺羅と優木がフォローに走っていたぁ!!








真姫「いけ……!」


凛「いけ……!」


真姫凛「いけぇぇぇぇ!!!」









ギュルルルルル!!!


ツバサ「…….っぐ…!」ググッ


あんじゅ「……なんて……威力なの!」ググッ


エレナ「………」












あんじゅツバサ「きゃぁぁぁ!!!」ドサッ


ドシュゥゥゥゥ………!!!

















ピーーーーーーー


角間「き…………」














角間「決まったぁぁぁぁぁ!!!!」


ワァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


角間「なんと逆転の一点を入れたのは音の木坂の一年生コンビだぁぁ!!」









ピッピッピッーーーーーーー


角間「ここで試合終了のホイッスル!」


角間「勝ったのは………」










角間「音の木坂だぁぁ!!」


ワァァァァァァァァァァ!!!!!!!


イイシアイダッタゾー!ヨクヤッタァ!!












真姫「……」ハァハァ


凛「………」ハァハァ


真姫凛 チラッ


真姫凛「……………?」ハァ ハァ


穂乃果「…………」


穂乃果「……勝った?」


「「「「「……………」」」」」」


凛「ぃ~~~~!!!」


「「「「ぃやったぁぁぁぁ!!!!」」」」


海未「やった!やったんですよ穂乃果!」ガッ


穂乃果「い、痛い痛い!」


ことり「穂乃果ちゃぁん!」ガッ


穂乃果「ぎゃぁぁぁ!!!」ガクッ


海未「ここまで長い道のりでした!」


花陽「凛ちゃん!真姫ちゃん!」ガシッ!


凛「ウブブブ!……ップハ!かよちん苦しいにゃぁ!」ググッ


真姫「あはは!」ググッ


花陽「やったよぉぉ!!」………


にこ「………!」プルプル


希「にこっち」ギュッ


にこ「うぅ……!」ギュッ


絵里「フフ」














ヤッタヨォ!!カッタァ!!



「…………」


ツバサ「……負けた……のね」


あんじゅ「ええ」


エレナ「あまりいい気分ではないな」


GK「わたし……私!」ポロポロ


ツバサ「ごめんなさい、勝たせてあげられなくて」ナデナデ


GK「ごえ……ごめんな、さい…!!」ギュッ


DF1 「う、うぁぁぁぁああ!」ポロポロ


MF2 ナデナデ


MF3「負けたんっすね……」


MF1「……そうですね」


MF3「…………」


MF3「もっとみんなで……ッ」


MF3「ッ……!………ッ」ウルッ


MF3「サッカー………やり、たかったっすね……!」ポロポロ


MF1「………そう、ですね」ポロポロ










角間「皆さん!歴史に残る名勝負を果たした両チームに惜しみない拍手を!!」



パチパチパチパチパチ!!!










ひと気のない廊下のベンチ


「…………」


亜里沙「お姉ちゃん…」


絵里「亜里沙……」


亜里沙「その……ごめんなさい…」


亜里沙「亜里沙…その」


ギュッ


絵里「大丈夫、何も言わなくていいわ」


絵里「………私の気持ち、受け取ってくれたじゃない」


絵里「………いいシュートだったわ」


亜里沙「うぅ……ごめんなさい、ごめんなさい……!」ポロポロ


亜里沙「酷いこと…いった、りとか……!他にもいっぱい……!」ポロポロ


絵里「いいの、いいのよ亜里沙」


絵里「それに、もうあんな危険なことはしないでしょう?」


亜里沙「うん……!!絶対にしない!」ゴシゴシ


絵里「ふふ、なら安心ね」ナデナデ


亜里沙「そーだよ……だからもう少し……そのまま……」


絵里「亜里沙は本当に撫でられるのが好きなのね」ナデナデ


亜里沙「もう、また……子供、扱い…して……」ウトウト


亜里沙「亜里、沙……は………」ウトウト


絵里「………」ナデナデ














亜里沙「………」スゥ…スゥ…


絵理「おやすみ、私の可愛い妹」チュッ











ポタッ


絵里「あら……?」ゴシゴシ


絵里「おかしいわね……」


絵里「………安心、したからかしら」


亜里沙 スゥ……スゥ……


絵里「これで……全て元どおり……」


絵里「………」


絵里「ーーー!!」ブワッ


ポタポタッ


亜里沙「……んぅ……」スゥ……スゥ……










絵里「本当に……よかった……!!」ボロボロ


絵里(亜里沙の体は無事だった……)


絵里(亜里沙に嫌われてもいなかった……)


絵里「う……うぅ…!」ポロポロ


絵里「亜里沙ぁ……!」ギュッ









絵里(私は………)


絵里(あなたが思ってるほど強くないのよ……)











パシャッ


MF3(……約束通り一緒に写真撮ろうと思ったのに)


MF3(そんな空気でもなさそうだから勝手に撮ったけど……)


MF3「流石にダメっすよね~……」トトッ





[削除しますか?]





MF3「………」トッ










[お気に入りに保存しました]








MF3(やっぱりこんなレアショット消すのはもったいないっすよねー!!)


MF3(金髪クォーター美人姉妹の妹を膝枕しながら姉涙………色々盛りすぎじゃないっすか?)


MF3(これは早速現像して額縁に……)ルンルン♪


ツバサ「………」


MF3(にへへへ……!もう今からウキウキが止まらないっすね!!)にへへへ


ツバサ「……」


MF3(何色の額縁買いましょうかね~)クルッ


ツバサ「……」











MF3「……」


ツバサ「……」


MF3「……」


ツバサ「……」


MF3「……」


ツバサ「……」


MF3「………見てました?」


ツバサ「全部」










MF3は目の前が真っ暗になった


もちろん写真は消えていた





[7、前半終了]




控え室廊下

絵里「………」


ツバサ「………」


絵里(き……)


絵里(気まずい!!)













数分前


ゾロゾロ


ツバサ「……絢瀬さんと東條さん少しいいかしら」


絵里「わ、私ですか?」


希「……うちも?」


あんじゅ「東條さんは私の方に」









絵里「えっと……私を呼んだのは?」


ツバサ「……」


ツバサ「私たちは、あなたに嫉妬している亜里沙さんにつけ込んであんな危険な目に合わせた」


ツバサ「自分たちが勝ちたいばかりに貴方の妹さんを利用した」


ツバサ「だから、その落とし前をつけさせてもらおうと思って」


絵里(……嫉妬?亜里沙が私に?)


絵里(それはまあ後でいいとして今は……)


ツバサ「本当にごめんなさい」ペコッ


絵里「……正直、あの時はものすごく腹が立ったのは確かです……」


絵里「………」


絵里「一つ聞いてもいいですか?」


ツバサ「なんでも大丈夫よ」


絵里「どうして、亜里沙に【エターナルブリザード】を打たせたんですか?」


ツバサ「………!」


絵里「止められるってわかってるのに……」


ツバサ「それは……」


絵理「綺羅さんがなにを考えているのかはわかりませんが、私からしてみれば……」


絵里「私が知らずに生んでしまった姉妹間の確執を取り除くチャンスをくれた」


絵里「仲直りのチャンスをくれた」


ツバサ「!!」


絵里「姉妹のいざこざに巻き込んでしまって、すいませんでした」ペコッ

絵里「そして、亜里沙を止めてくれて、ありがとう」

ツバサ「……」











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果「わたしたち、決めたんです」


穂乃果「綺羅さんたちに本当のことを聞くまで、信じようって!」ニコッ


穂乃果「本当のことを言ってくれるまで、待ってますから」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ツバサ「貴方達……」


絵理「でも、最後に一つだけ……」スッ


ツバサ「!!」







パァン!







控え室


穂乃果「うぉっ!?」ビクッ


ヒデコ「ちょっと穂乃果!動かない!」


ミカ「アイス固定できないでしょ!」


ヒデコ「すごい音なったね」


花陽「び、びっくりしたぁ……」


ことり「今のって…」


凛「ビンタの音……だよね?」


真姫「一体なにしてるのよ……」


凛「修羅場かにゃ?修羅場かにゃ?」


真姫「ウキウキしない!」チョップ!


凛「おぶち…!!」ベシッ









廊下


ツバサ「ッ…!」ヒリヒリ


絵里「………ごめんなさい」


ツバサ「…別に謝ることじゃないわ」


ツバサ「むしろ少しホッとしたわ」ニコッ


絵里「………」スッ


ツバサ「!」


絵里「あなたたちは、亜里沙の暴走を止めてくれたのに、私はあなたの胸ぐらを掴み上げた……」


ツバサ「あれは……!」


絵里「…………」コクッ


ツバサ「…………」ハァ


ツバサ「全く、敵わないわね」スッ


絵里「……」グッ









パァン!









控え室


にこ「………」


花陽「二発目……」


穂乃果「修羅場……修羅場だよ!!」


海未「なにちょっと嬉しそうにしてるのですか!!」


穂乃果「だ、だって……ビンタなんて漫画でしか見たことないし……」


海未「まあ、現実でビンタなんて普通はしませんからね」











廊下


ツバサ「……ごめんなさい」


絵里「い……いえ」グワングワン


絵里「一瞬外れたかと思いましたけど」


ツバサ「…身長差のせいで顎に入っちゃったわね」


ツバサ「あなたはもういいの?」スッ


絵里「いえ、もう気は済みましたから」フフ


絵里「……行きましょうか」


ツバサ「ええ」










また別の廊下


あんじゅ「……優勝おめでとう」


希「へ……!?あ、ありがとうございます……?」


あんじゅ「それで、えっと……話……なんだけど」


希(………)










希「あーー!!」バッ


あんじゅ「へっ!?な、なななに!?」ビクッ


希「聞いてくださいよ優木さん!」


希「この前の練習試合の後家に帰ったら……なんと!」


希「ドアノブに湿布やらなにやらがかかってたんですよ!」


あんじゅ「!!」ギクッ


希「そして中にはごめんなさいって書いた紙が入ってて……」


希「もうウチ頭混乱しちゃって……誰かなーって」


あんじゅ「……」ギクギク!


希「そもそもあの日誰からも謝られるようなことされてないのになって」


あんじゅ「……へ?」


希「だから本当に不思議だなーって……」


あんじゅ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」


あんじゅ「なにもなかったってことないでしょ?」


あんじゅ「あの日は……私が……」


あんじゅ「!」ハッ


希 ニヤニヤ


希「やっぱり優木さんやったんですね~」


あんじゅ「~~~!!そ、そうよ!」バッ


あんじゅ「あの日……貴方を傷つけたこと、謝ろうと思って……」


ペコッ


あんじゅ「ほ、本当にごめんなさい!」


希「じゃあ……ウチからお願い事一つ!いいですか?」


あんじゅ「え、ええ、できる範囲なら……」


希「…実は……初めて見た時から気になってて………」ワキワキ


あんじゅ「と、東條さん?その指の動きは……?」


希「……………ワ」


あんじゅ「………ワ?」


希「ワシワシーーー!!!」ガバッ










きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


バッチィィィィン!!!!!









ガチャ


穂乃果「あ、お帰……り?」


エレナ「遅かったな」


エレナ「おや?上がりだ」パサッ


花陽「ま、また負けです……」


にこ「や、やるわね……!」


ツバサ「どうしてそんなに馴染んでるのよ」


エレナ「お前たちを探しに来たらいないから少し構ってもらっていたんだ」


ことり「ど、どうしてみんなもみじ型……」


ツバサ「ま、まあ……」モミジガタ


絵里「色々……」モミジガタ


希「ありまして……」モミジガタ


あんじゅ「………」カァァ!










凛「希ちゃん絵里ちゃんお帰…」ワシッ


凛「………へ?」


希「ワシワシー!!!!」ワシワシ


凛「な、なんでなんで!?」ジタバタ


希「試合が終わったらワシワシって言ったやん?」ワシワシ


凛「にゃーー!!ごめんにゃ!ごめんにゃぁ!!」ジタバタ


ツバサあんじゅ「…………」


エレナ「ツバサ、やることがあるだろう?」


ツバサ「!ええ、その通りよ」


コホン


ツバサ「音の木坂の皆さん」


ツバサ「今からこのあいだの練習試合の件について説明したいと思います」


「「「「「……」」」」」」 ゴクリ









ツバサ「………西木野さんはいるわよね?」


穂乃果「は、はい! もちろん」


真姫「私が……関係あるの?」


ツバサ「あなた、家が厳しくてサッカーできなかったらしいわね」


穂乃果「そうだったの!?」


にこ(家の事情ってそういうこと……)


ツバサ「あら?知らなかったの?」


穂乃果「は、はい…ってあれ?」


穂乃果「……じゃあなんで」


ツバサ「【ファイアトルネード】が使えるのか……」


凛「そうにゃそうにゃ!」


ツバサ「彼女の近所にあるお爺さんが住んでいて、その人に教わっていたらしいわ」


真姫(そんなに前の話をどうして……!?)


ツバサ「問題はそのおじいさんよ」


穂乃果「その人が……なにか?」


ツバサ「………」


ツバサ「かつて炎のストライカーと呼ばれた……サッカー界では有名な人だったの」


にこ「炎のストライカー……」


ツバサ「そんな人に教えられていた西木野さんはうちの監督にマークされていたという訳」


真姫「あのお爺さん……そんなに有名な人だったんだ……」


穂乃果「つまりあの試合は……」


ツバサ「ええ、音乃木坂に入学した西木野さんの実力を見ておくため」


ツバサ「絢瀬さんという予想外の人もいたけどね」


ツバサ「流石に海外までは調べてなかったみたい」


絵里「……」


穂乃果「でもあの試合……真姫ちゃんは途中から……」


穂乃果「!」


穂乃果「そうか!」


ツバサ「……試合開始にいなかった西木野さんを引きずり出すため……監督に言われたの」


「何人かは潰しても構わないから西木野真姫を引き摺り出せ」


「命令違反は退部とする」


真姫「!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ツバサ「メンバーは全員揃ってる?」


穂乃果「はい!」


ツバサ「……そう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果「あれはそういう………」


穂乃果「つまり私たちは」


希「真姫ちゃんを炙り出すために痛めつけられた……」


にこ「私たちがやられている様を真姫なら見過ごせないと踏んでの作戦ね」


凛「真姫ちゃん優しいからね~」


ツバサ「これが、私たちが監督から下された命令よ」


ツバサ「こんな話、試合前にするべきではないと思ったから……」


ツバサ「せっかく優勝したのにこんな空気にさせてしまって……ごめんなさい」


「「「「「「「…………」」」」」」」









真姫「じ、じゃあ……!」バッ


真姫「私のせいでみんなが……?」


ツバサ「ッ……」


真姫「そんな……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果「うわぁ!!」ドサッ


ヒフミ「きゃぁ!!」ドサッ


凛「うぐっ…!」ドサッ


花陽「キャァ!!」ドサッ


ことり「あぁぁ…!!」ドサッ


海未「ぐぁ…!!」ドサッ


絵理「うあぁ……!」ドサッ


にこ「うっ……!!」ドサッ


希「いっ……!!」ガクッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









真姫「私のせい……」


真姫(どうしよう、みんなになんて言えば……いや、そもそも……)


真姫(私はこのチームに居られるの?)


真姫「……ぅ」バッ


真姫(……気持ち悪い)











バシィ!


真姫「うぐっ!」ゴホォ!


にこ「……」フン!


真姫「に、にこちゃん?」ゴホッ


凛「にゃー!」バシィ!


真姫「ヴェェ!?」ゴホォ


ことり「てやー!」バシッ


絵里「はっ!」バシィ


希「とう!」ベシッ


花陽「え、えい!」ペチッ


海未「せい!」ドゴォ!


真姫「ゴハァ!!」ガクッ


穂乃果「真ー姫ちゃん!」


穂乃果「真姫ちゃんが責任を感じることはないんだよ」ムイーー!


真姫「ふぉ、ふぉのか!?」ムイーー


穂乃果「ね、みんな!」パッ


真姫「い、痛い……」ヒリヒリ


花陽「そうだよ!」


にこ「真姫が迷惑かけるなんて今に始まったことじゃないでしょ」


凛「そうにゃ!」


真姫「そこは同意して欲しくなかったけど……」


真姫「………ありがと」


真姫(気分悪い時に叩かれなければもっと良かったんだけど)うっぷ


ツバサ「………私たちは保身のためにあなたたちを傷つけた」


ツバサ「……本当に」


ツバサ「ごめんなさい」ペコリ


エレナ「すまなかった」ペコッ


あんじゅ「……ごめんなさい」ペコリ


ツバサ「何か要望があればきかせてもらうわ」


一同「……」








穂乃果「ねえみんな」


ごにょごにょ


穂乃果「いいかな?」


みんな コクリ


ツバサあんじゅエレナ「?」











数日後


MF2「くらえちんちくりん!」ズザザ!


にこ「誰がちんちくりんよ!」パッ


DF1「てい!」ガッ


にこ「っち……!」


MF2「いいぞ!ちんちくりん!」


にこDF1「紛らわしいわ!」


DF1 「お願いします!」ドッ


MF1「お任せを」トッ


海未「またあなたですか…」ハァ


MF1「こっちのセリフです……よ!」ダッ


ザッ ザザザッ クルッ!


海未「っく…!体重移動した瞬間に…!!」


MF1「そういうことには敏感なんです」


花陽「てやぁ!」ガッ


MF1「ッ!」ザザッ


花陽「よし!」トッ


MF1(ここしかないというタイミングに入ってくる……いいディフェンスです)


花陽「真姫ちゃん!」ドッ


真姫「はぁ!!」ドキュゥゥゥ!!


GK「………!」ガシッ!


真姫「やるわね」


GK「そっちこそ……」


ツバサ「………本当にこんなことで良かったの?」


穂乃果「はい!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

穂乃果「じゃあ、私たちと練習試合してください!」


ツバサ「……そんなことでいいの?」


穂乃果「はい!」


穂乃果「勝ち負けじゃなく、ただ純粋に楽しくサッカーをやりたいなって!」


穂乃果「もちろん、綺羅さん達の都合が合えばですが……」


ツバサ「そんなの……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ツバサ「こっちからお願いしたいぐらいよ」ボソッ


亜里沙「ほっ!」トッ


絵理「亜里沙!」ザッ


亜里沙「うぅ……!」キョロキョロ


亜里沙「お願いします!」ドッ


エレナ「任せろ」トッ


エレナ「はぁぁ!」ドキュッ!


穂乃果「そこからシュート!?」


ダダダッ!


ツバサ「ふぐっ……!」トッ


エレナ「さすがだな」ニヤニヤ


ツバサ(絶対わざといつもよりぎりぎりのとこに出したわね……!!)


花陽「あの速度と正確性を両立したパス……すごいです!」


ツバサ「……いくわよ!」


あんじゅ「ええ!」


エレナ「ああ」










ピューーーーーーイ!!!

ドシュドシュドシュドシュドシュ





ツバサ「こうていペンギン……!!」ドキュッ

ドシュゥゥゥゥ!!!





エレナあんじゅ「二号ぉぉ!!」ドキュ!!


ゴォォォォォオ!!!!






穂乃果「はぁぁぁ!!!」バッ


穂乃果【マジン・ザ・ハンド!】


ドギュルルルルルル!!!


バチィ!


穂乃果「うわぁ!」ドサッ


ドシュルルルルル……!





希「やっぱりさすがやね、あんちゃん」


あんじゅ「……その呼び方どうにかならない?希」







ピーーーーーーー

チームツバサ2-1チーム穂乃果













公園のベンチ


ツバサ「ココアでよかったかしら?」


穂乃果「わざわざすいません」


ツバサ「いいのよ」ストッ


カシュッ


ゴクゴク


穂乃果ツバサ プハー


穂乃果「さすがUTX高校ですね、皆さんレベル高かったです!」


ツバサ「あら?あなた達はそれに勝ってるんだから嫌味になっちゃうわよ?」


穂乃果「い、いえ!そういうことじゃなくて……」アワアワ


ツバサ「ふふ、冗談よ」


ツバサ「……楽しかった?」


穂乃果「はい!すっごく楽しかったです!」


ツバサ「次は本戦ね」


穂乃果「綺羅さん達の分も頑張ります!」


ツバサ「………?」


穂乃果「………?」


ツバサ「もしかして……知らないの?高坂さん」


穂乃果「……なにをですか?」


ツバサ「前年度優勝校は無条件で本戦に行けるのよ」


穂乃果「そ、そうなんですか!?」


穂乃果「知らなかった……」ズズッ


ツバサ「………」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

MF3「え!?自分たち、本戦行けるんっすか!?」


ツバサ「え、ええ、大会要項に書いてあるでしょ?」


MF1 「確かに書いてます……」


「「「…………」」」


MF1 「ま、まあ私は知っていましたけど!?」


MF3「嘘つくんじゃないっすよ!!」


MF3「一緒にシリアスな感じで涙流したじゃないっすか!!」


MF1 「わすれましたー」


MF3「そんな!?自分たちの青春の一ページがぁぁ!!」


DF1 「………」


MF2「お、どうした?アイスちゃん」ニヤニヤ


DF1「う、うるさい!自分だって静かに頭撫でてくれてたくせに!」


MF2「そりゃ泣いてるやつからかうほど性格悪くないからな」


MF2「第1、大会要項なんてまず全部目を通すだろ」


MF3.1「う………」ギクッ


DF1 「な、なにらしくないことしてるんですか!」


MF2 「目を通さなかったお前がバカなんだよ!」


MF1.3「うぐっ……!」グサグサッ


GK「……」知ってた人


DF2「………」知らなかったけど知ってた空気出す人


エレナ「知らない奴なんて居たんだな」


あんじゅ「私たちが入ってからはずっと優勝してたしね~」


ツバサ「はぁ……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ツバサ(案外知らない子の方が多いのかしら)


ツバサ「と、言うわけで」


ツバサ「同地区が戦うには決勝まで勝ち上がらなくてはいけない」


ツバサ「決勝で会いましょう!」スッ


穂乃果「は、はい!」ガシッ









ツバサ「それじゃあ行くわね」ガタッ


穂乃果「はい!今日は本当にありがとうございました!」


ツバサ「ふふ、こちらこそ」








あんじゅ「………」テクテク


エレナ「……お前、胸揉まれたんだってな」


あんじゅ「ぶふぅ…!!」


あんじゅ「な、なんで知って……!」


エレナ「当たってたのか、勘だったんだが」


あんじゅ「それどんな可能性よ……」


あんじゅ「………」


あんじゅ「ほんと……うまい人なのよ、希って」クルクル


エレナ「………」


エレナ「フィンガーテクがか?」


あんじゅ「ちっがうわよ!!」バッ


あんじゅ「多分……私に気を使わせないようにああいうことしたんだと思うの」


あんじゅ「お陰で壁みたいなのも無くなって仲良くなれたし」









希「くっしゅん!」ズズッ


希「ん~?誰か噂してるんかな?」









あんじゅ「だからうまい人って言ったのよ」クルクル


エレナ「………」


エレナ「やっぱりフィンガー……」


あんじゅ「やめなさい」











絵里「あら?亜里沙どうしてこっちに来てるの?」


亜里沙「へ?」


絵里「親戚のおばさんの家はあっちでしょう?」


亜里沙「なに言ってるのお姉ちゃん!」


亜里沙「亜里沙もお姉ちゃんと一緒に住むんだよ!」ババン!


絵里「な、なんですってーー!?」


亜里沙「おばさんも言ってたでしょ?」


亜里沙「お姉ちゃんのとこに行くことになったって」


絵里「……バレたら怒られるの私なんだけど……」


亜里沙「だ、大丈夫!おばさんにはごまかしてもらうように言ったから!」


絵里「でも……」


亜里沙「それともお姉ちゃんは……」


亜里沙「亜里沙と一緒に暮らすの……嫌?」ウルウル


絵里「さあ亜里沙!今日はパーティよ!いっぱいご馳走作りましょ!!」


亜里沙「やったぁ!お姉ちゃん大好き!」ギュッ


絵里「こーら、歩きにくいでしょー?」


亜里沙「えへへー♪」ギュッ


絵里「……もう」ギュッ










凛「打ち上げは!?」


監督「カットだ」


凛「ラーメン食べ放題は!?」


監督「カットだ」


監督「が……」


凛「!」


監督「食べたことにはなってる」


凛「うあぁぁぁぁ!!!」


にこ(鬼か)









ツバサ「……」テクテク

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最初の練習試合後


ツバサ(ほんっと胸糞悪い試合だったわ……)


ツバサ(音の木坂の皆さんには悪いことしちゃったわね……あら?)


亜里沙「っく……!」ハァハァ


ツバサ(……あのセンス……)


ツバサ「……いいわね」


ザッザッ


ツバサ「あなた……」


ツバサ「私たちの助っ人にならない?」


ツバサ(きっと優勝への戦力になってくれる)








ツバサ「へえ、あなたって絢瀬さんの妹さんなのね」


亜里沙「はい……」


ツバサ「それはいいとして……」


ツバサ「あなたの家からUTXまで遠いわね……」


亜里沙「確かに少し厳しいですね……」


ツバサ「……ウチくる?」


亜里沙「い、いいんですか!?」


ツバサ「ええ、部屋は余ってるしね」


亜里沙「ありがとうございます綺羅さん!」


ツバサ「……ツバサよ」


亜里沙「へ?」


ツバサ「ツバサでいいわ、亜里沙」


亜里沙「は、はい!ツバサさん!」













亜里沙「だから亜里沙は……お姉ちゃんに負けたくないんです」


ツバサ「ねえ亜里沙」


亜里沙「はい?」


ツバサ「お姉さんは嫌いなの?」


亜里沙「……嫌いではないですけど……」


亜里沙「今まで……お姉ちゃんの後を追いかけて来たんです」


亜里沙「でも今まで背中しか見えなかったお姉ちゃんにやっと勝てるかも!って思ってたところに……」


ツバサ「それは……嫉妬?」


亜里沙「なんですかね……よくわかりません」


亜里沙「でも、今お姉ちゃんと会っても、前みたいに笑顔で話せないと思います」


亜里沙「この……モヤモヤを取り除かないと……」


亜里沙「それには……強くなるしかないんです!」


プルルルル


亜里沙「……お姉ちゃん」


ツバサ「出ないの?」


亜里沙「はい、お姉ちゃんより強くなるまで出ないことにしました!」


亜里沙「あ、そうだ!聞いてくださいよ、この前お姉ちゃんが……」


ツバサ(暇があればお姉さんの話ばかり………これで好きじゃなかったのしたらどうなのよってレベルだけど……)


ツバサ(話を聞く限りではすごく仲の良かった姉妹……)


ツバサ(……このまま亀裂が広がるのはなんだか……見たくないわね)


ツバサ(……全く、面倒な子を拾っちゃったわね)フフ


亜里沙「ツバサさん?」


ツバサ「明日もガンガン行くわよ!」


亜里沙「はい!」










ドゴォォァォォォ!!!!


亜里沙「………で」ハァハァ


亜里沙「できた……!!」ハァハァ


ツバサ「ええ!」


亜里沙「できましたぁ!!」


亜里沙「……ぁ?」フラッ


ドサッ


ツバサ「亜里沙…?」


ツバサ「亜里沙!!」ダッ











医者「全身の筋肉が炎症を起こしています」


ツバサ「筋肉痛……みたいなものですか?」


医者「それの強化版といったところです………が」


ツバサ「が?」


医者「一度のアクションでこれほどのダメージということを考えると……」


医者「連続ではやめておいた方がいいでしょう」


亜里沙「……もし、してしまうとどうなるんですか?」


医者「……あまりいいたくありませんが、二度とサッカーできなくなる可能性がかなり高いです」


亜里沙ツバサ「!!」


医師「足の……ここ、わかりますか?」


医師「ここを損傷すると歩けなくなる上、二度と回復しません」


医者「間を置けば大丈夫ですが、する前は一度検査をした後でお願いします」


医者「手遅れにならないよう」


亜里沙「……はい」


ツバサ「……ありがとうございました」











テクテク


ツバサ「……亜里沙」


亜里沙「……こうなったら……!」


ツバサ「どうするつもり?」


亜里沙「一度しか打てないなら、その威力を上げるためのトレーニングを今まで以上に頑張ります!」


ツバサ「……ええ、それがいいわ」


ツバサ(お姉さんに勝つためにここまで……)


ツバサ(今の練習量でさえ、並大抵のものじゃないのに……)


亜里沙「やるぞー!おー!」


ツバサ(………)


ツバサ(絶対に亜里沙が壊れないよう気をつけるわ、絢瀬さん)











亜里沙「……ツバサさん、もう寝ましたか?」


ツバサ「……起きてるわよ」


亜里沙「なんだか緊張して眠れなくて……」エヘヘ


ツバサ「……いよいよ明日だものね」


亜里沙「はい!絶対お姉ちゃんに……」


ツバサ「……」


ツバサ(お姉さんは亜里沙がこんな感情を抱いてるとは知らない……)


ツバサ(変なことにならなければいいけど……)


ツバサ(まあ無理さえしなければ何も起こらないでしょ)


ツバサ「亜里沙」


亜里沙「はい?」


ツバサ「あの技……わかってるわね」


亜里沙「……はい」


ツバサ「そう……」


ツバサ(まあいくら勝ちたいと言っても、体を壊すほどじゃないでしょうし……)


ツバサ(大丈夫……よね?)


亜里沙「ツバサさん?」


ツバサ「………もう寝なさい、明日は大事な日でしょ?」


亜里沙「は、はい!そうですよね!」


亜里沙「おやすみなさい!」


ツバサ「おやすみ」












ツバサ「無事仲直りできてよかったわね」


亜里沙「元はと言えば、亜里沙が勝手に始めたんですけど……」


亜里沙「あんなにモヤモヤしてたのが全部なくなって」


亜里沙「すごくスッキリしました!」


ツバサ「………ねえ亜里沙」


亜里沙「はい?」


ツバサ「あなたはあなたの居るべき場所に帰るべきよ」


亜里沙「それって……」











亜里沙「……今日までお世話になりました!」


ツバサ「寂しくなるわね」


亜里沙「うぅ……」ウルッ


亜里沙「……ツバサさんは、お姉ちゃんの次に尊敬する人です!」


ツバサ「それは嬉しいわね」


亜里沙「えへへ」


ツバサ「そっちでも元気でいるのよ」


亜里沙「他の皆さんには……申し訳ないですが……」


亜里沙「お別れ会まで開いてもらって……助っ人なのに」


ツバサ「何言ってるのよ、みんな恨んでるように見えた?」


亜里沙「い、いえ!だから尚更心苦しいというか……」


ツバサ「あなたはあなたで……ハラショーなサッカープレイヤーになってきなさい!」


亜里沙「ツバサさん……!」ウルッ


ツバサ「短い間だったけど……」


ツバサ「ありがとう亜里沙」ギュッ


亜里沙「ツ……ツバサさぁん…!」ギュゥッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ツバサ「………!」ツゥーー


ゴシゴシ


ツバサ「…………」


ツバサ「楽しかったわ、亜里沙」ニコッ



ラブライブss イナイレパロ 技募集
ラブライブss イナイレパロ 技募集 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518886800/)



ここの>>204をお読みいただけるとありがたいです

というか必読していただきたい……

あちらにも書きましたが一応こちらにも

前半はこれで終わりです
見てくださりありがとうございましたm(_ _)m

続編は未定です

このまま放置もあれなので小話でも




部室

MF2(しまった……コンタクトつけ忘れた……)


MF2(朝バタバタしてたからな~……)


MF2「まあメガネ持ってきてるからいいか」スチャッ





ウィーン





DF1「いっちばーん!」スタッ!


MF2「お、早いな二番」


DF1「げ……」


MF2「おい」


DF1「というか今日メガネなんですか?」


MF2「ああ、コンタクト忘れたんだ」


DF1「ププ、先輩メガネかけると勉強出来そうな感じですね」


MF2「あ?」スクッ


DF1「ヒッ……!」ビクッ


MF2「………!」ピーン


DF1「………?」


MF2「おいちんちくりん、勝負しようぜ」


DF1「勝負ですか?」


MF2「次の期末テストどっちがいい点取れるかだ」


DF1「え~?先輩聞いてました?」


DF1「メガネかけて頭良くなれるのは見た目だけ……」


MF2「いいから答えろ……!!」ギリリリ


DF1「ああああ痛い痛い痛い!!!」ギリリリ


DF1「やる!やりますから!」


MF2「負けた方は勝った方のいう事なんでも一つ聞く、でどうだ?」ギリリリ


DF1「わか……わかりましたぁ!!」ギリリリ


MF2「よし」パッ


DF1「ゴホッゴホッ」ヨロロ


MF2「約束忘れんなよ」


DF1「……そっちこそ、後からやっぱりやめますなんてなしですよ」


MF2「当たり前だ」


DF(絶対吠え面かかせてやる……!!)









MF2「………」


DF1「………」


MF2「………」


DF1「………」


MF2「なに聞いてもらうかな~」ピラッ
98点


DF1「学年トップなんて聞いてないですよぉ!!」ピラッ
52点






ついでですがDF2の大阪の子、三年生にしていてください
MF2がDF2に先輩相手の対応で書いてしまったのでもう3年生でいきます


MF3「~~♪」カキカキ


MF1「おや、何を描いているのですか?」


MF3「漫画っすよ!今度送ってみようかと思って」


MF1「へぇ、サッカー漫画……」ペラッ


MF1「……!これは設定資料ですね、見てもいいですか?」


MF3「どうぞ~」カキカキ


MF3(……?何か忘れてる気が…)


MF1「どれどれ……」


MF1(……チームに3人のすごく強い人がいて……)ペラッ


MF1(一年生は引っ込み思案なキーパーとわんぱくなディフェンダー……)ペラッ


MF1(二年生は少し荒れてるミッドフィルダー……)


MF1(もしかしてこれ……)


MF1「私たちのこと題材にしてます?」


MF3「あ、気づきました?」


MF1「これだけにていれば気づきますよ」


MF1(……!つまり私と彼女のものもあるということ……)


MF3(……まてよ?)


MF1(いったい……)ペラッ


MF3(何か思い出せそうっす……)


MF1(三年生は小柄な大阪人……)


MF3「あ……!」


MF1(そして……)ペラッ


MF1(………)


MF3「みちゃだめっす!!」バシッ


MF1「………」


MF3「………み、みました?」はぁ……はぁ……


MF1「二つほど、お聞きしても?」


MF3「は、はい……」


MF1「その……」


MF1「言葉遣いは丁寧だが小狡い三年生とは……」


MF1「私ですか?」ジロッ


MF3「………」ダラダラ


MF1「まあそれはいいです」


MF1「問題は……」


MF1「チームの人気者、オタクでありながら練習は誰よりもハードに頑張る完璧超人文句なしの三年生、とは……」


MF1「誰のことでしょうかね?」


MF3「………!」ガサガサッ


MF3「……っ…!」ガタガタガタン!


MF3「しょ、証拠はもうどこにもないっす!いったいなんのことを言ってるのかもさっぱり……」


MF1「……」スッ


ボイスレコーダー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

MF1『私たちのこと題材にしてます?』


MF3『あ、気づきました?』


MF1『これだけにていれば気づきますよ』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

MF1「……」スッ


【スマホにとられた設定資料】


MF1「……なにか?」


MF3「~~!!」ワナワナ


MF3「そういうところが小狡いって言ってるんすよ!!」


MF1「………」


MF3「見せたければ見せればいいじゃないっすか!そんなことでジブンが……」


MF1「あ、エレナさー……!」ガシッ


MF3「………」


MF1「……」


MF3「………」


MF1「……」


MF3「……」


MF1「……ツバ……」ガシッ


MF3「………」












MF3「すいませんでした」ドゲザー




一応二話目ですね

後半です

「ラブライブ×イナイレ~11人の女神の奇跡~」後半
「ラブライブ×イナイレ~11人の女神の奇跡~」後半 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1554644254/)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年05月13日 (日) 11:18:20   ID: vLATBKgi

ここでしか見てない人……コメント……ほすぃ……

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