清美「そうですね」

モバＰ「いや、ちょっと待ってくれ。状況が脳に追いついていない」

清美「それじゃあもう一度。この事務所に来て、色々な尊敬すべきアイドルの皆さんや、仕事熱心なプロデューサー、真面目なスタッフの方々。そんなたくさんのものと触れ合った私の結論を、言います」

モバＰ「どうぞ」

清美「……やっぱり破廉恥じゃないですかアイドル！」

モバＰ「ちょっと待てぇ！　大声で何いってんだお前！　ここ事務所だぞ！　常務とかに聞こえちゃったらどうするつもりだよ！」

清美「聞こえたら不味いと思うのはやましい事があるからではないですか！」

モバＰ「……まさか、アイドル辞めるとか、そういうお話ですか？」

清美「いえ、むしろこのあまりに破廉恥な惨状に私の超☆情熱ハートに火が着きました」

心「呼んだ？」ﾋｮｺ

モバＰ「佐藤、静かに」

清美「とにかく、アイドルを辞めるつもりはありません！　むしろアイドル一員としてこの状況を何とかしなければ！」

モバＰ「とはいえ、一体何が破廉恥だって言うんだ？　具体的な例を聞かせてくれ」

清美「良いでしょう！　それでは、被害者と共に沢山の破廉恥をプロデューサーにお教えしようと思います」

イヴ・サンタクロースの場合


モバＰ「……ちょっと待て」

清美「何ですか？」

モバＰ「いや、あの件については……さ。まだサービスも始まったばっかりだったし、ね？　衝撃的な出会いってだけで俺がなにかした訳じゃないしなるべく見
ないように服をあげた紳士さを褒めてほしいっていうか」

清美「そっちじゃありません！　昆布の方です！」

モバＰ「そっちかぁ……」

清美「それでは、イヴさんちょっとこちらへ」

イヴ「えっと、何でしょう？」ﾄｺﾄｺ

モバＰ「このタイミングで本人！？」

清美「さぁ、モバＰさん謝ってください！　破廉恥昆布水着についての謝罪を！」

イヴ「……あの、もしかしてあの写真のことですかぁ？」

清美「あぁ、はい。あの渚のマーメイドの件です」

イヴ「えっと、あれは私が勝手に昆布を水着代わりにしたのでプロデューサーさんは悪くないですよぉ？」

清美「いえ、よく考えてみてください。あれはお仕事なんですから水着は経費で落ちるはずです。それならわざわざ昆布を使う必要はないのでは？　それに最終的にあの写真を使うのをＯＫしたのはプロデューサーです」

イヴ「そう言われると、そうですね。Ｐさん」

モバＰ「ま、まぁ、そうだな」

清美「では、何で採用しましたか？」

モバＰ「いや、それはなんていうか、夏の開放感みたいなのが感じられた一枚で……イヴって冬のイメージが強いからそれを払拭して活躍の場を広げる意欲的な作品が……」

清美「本当に？」

モバＰ「正直、ちょっと狙った所はあったかも、しれないけど……」

清美「個人的にあの写真を見た時どう思いました？」

モバＰ「いや、それは関係ないだろ」

清美「そのプロデューサーの個人的感想はプロデューサーがこの写真を世に出した時にどう思われると予想したかの指針になります」

モバＰ「……すごい、色々見えそうだった」

イヴ「！？」

清美「それで？」

モバＰ「肌白いなぁ、って思いました。まじかよ、こんなのどう考えてもアイドルのグラビアの範疇超えてるだろ、とも、思いました」

清美「じゃあ何で採用したんですか！」

モバＰ「だから、さっきも言ったけど、イヴの冬のイメージを払拭して活躍の場を広げられる一枚だと思って……」

清美「本当に？」

モバＰ「……半分本当です！　もう半分は！　めちゃくちゃセクシーだったので！
採用しました！」

清美「やっぱりそうですか！　破廉恥じゃないですか！　どういうことですかやっぱり嘘ついてたでしょうプロデューサー！　イヴさんに謝ってください！」

モバＰ「ごめんイヴゥゥゥゥ！」

イヴ「えっと、その、私一応サンタで……神聖な存在なのでそういうのは……」ｶｧｧ

モバＰ「本当にすいませぇぇん！」

イヴ「は、恥ずかしいですぅ！」ﾀﾞｯ

モバＰ「イヴ！　逃げないでくれぇぇ！」

清美「……次に行きましょうか」

十時愛梨の場合


モバＰ「清美……もうこんなのは止めにしないか……」

清美「いえ、これは最早プロデューサーの問題だけではないのです。ああいった仕事を当然と思っているアイドル側にも問題はあります。そう、例えば、脱ぎ癖を持ったシンデレラガールとか！」

モバＰ「いや、まぁアイツに関しては問題あると思うけど！」

愛梨「えっと、清美ちゃん？　連絡があったから来たけど、どうかした？　あれ、もしかしてお仕事の話？」ｶﾞﾁｬ

清美「お仕事……ある意味そうですね」

モバＰ「また本人を登場させるのか清美ィ！　本当に呼び出しは誰も得しないから止めろ！」

清美「話を戻しますが、愛梨さんに問題があるにしても、それにつけこんでいるのはどうなんでしょうね」

モバＰ「……どういう意味かな」

愛梨「え、えっと、本当に何の話ですか？」

清美「ここに今までの愛梨さんの写真があります」

モバＰ「そうだな」

清美「谷間が描写されているものが九割ですね」

モバＰ「はい」

清美「肩出しで胸を強調しているものが殆どですね」

モバＰ「……はい」

愛梨「プロデューサーさん！？」

清美「同じパッションアイドルであり豊満なバストを売りの一つにしている及川雫さんでもここまで酷くないですよ！　これは脱ぎ癖を利用して知らず知らずのうちに過度の露出をさせているのではないでしょうか！」

愛梨「清美ちゃん。プロデューサーさんはね、私が暑がりだから気を遣ってくれてるんですよ。だから悪くないですっ！」

清美「いえ、よく考えてみてください。別にわざわざ肌を出さなくても、涼しい素材とかあるでしょう！　プロデューサー！　そこの所どうなんですか！」

モバＰ「いや、ドレスとかになると素材はどうしても限られてくる。それに全部が全部こっちが指定した衣装な訳じゃないしな。愛梨の優しい雰囲気や天然の中にある母性を表すのには、やっぱりそういう柔らかなイメージの写真がいいんじゃないかなぁって」

清美「ふむ。それで、プロデューサーはデレステのハロウィン限定SSRを見て、個人的にどう思って採用しましたか？」

モバP「いや、そんなこと言う必要ないだろ。まぁ敢えて何か言うなら、可愛い衣装に身を包んだ愛梨が魅力的だったから選んだんだ」

清美「……本当に、それだけですか？」

モバＰ「……」

清美「イヴさんの時も言いましたが、プロデューサーの個人的な感想は、世に出たときに愛梨さんのファンがどう思うだろうという推測のもとこの写真が採用されたかの基準に」

モバＰ「見た瞬間『うわぁ』って声が出ました」

清美「……正直でよろしい」

モバＰ「もうこれ、駄目だろ。とも思いました。撮影の時もなんかイタズラしますよみたいなこと言われて、気が気じゃなかった。周りの目がなかったら襲ってたかもしれない」

愛梨「え、襲うって……え？」

清美「愛梨さん聞きましたか！　これがプロデューサーの本音ですよ！　とはいえこれはプロデューサーのみの責任ではありません！　所構わず脱ぐことで、色々な意味で困ってしまう男性が居ることを貴方は理解するべきです！」

愛梨「〰〰ッ」ｶｧｧ

モバＰ「あ、あの、愛梨？」

愛梨「えっと、そんなに困らせてたなんて、その、私……すいませぇん！」ﾀﾞｯ

モバＰ「愛梨ぃぃぃぃ！」

新田美波の場合


清美「次に行きましょう！」

モバＰ「い、いや清美。もう十分反省したからさ。もうそろそろ良いんじゃ」

美波「清美ちゃん、連絡があったけどどうしたの？」ｶﾞﾁｬ

モバＰ「あ、俺死んだわ」

清美「言い訳があるなら聞かせてもらいましょうか。もうこの方については説明すら不要でしょう」

美波「えっと、話が見えないんだけど……」

モバＰ「これはもう美波本人の問題だと思います！」

美波「なんの話なんですか！？」

清美「それはあまりに失礼では？」

モバＰ「いや、むしろ褒めている。これは天性の才能だ。今までと違って美波はなぁ……露出の多さとか関係ない破廉恥さなんだよ！」

美波「……破廉恥？」

清美「どの口がそんなことを言うんですか！　背中のファスナーを開けさせたり、悪魔風のコスプレをさせたり！」

モバＰ「ぐっ……でもあれは、元来真面目で清楚な美波に敢えてある意味俗っぽい格好やあざとい仕草をさせることでギャップ萌えが狙えるというか……」

清美「真面目で清楚なんだったらそれで良いじゃないですか！」

モバＰ「だって仕方ないじゃん！　美波って何しても妖艶な雰囲気になるんだもん！」

清美「子供っぽく言っても駄目です……というか今、本音が出ましたね？」

美波「あの、プロデューサーさん……？」

モバＰ「写真を一枚一枚確認したらなんか全部ちょっとエッチな感じだった時の俺の気持ちがお前らにわかるか！」

清美「だったらお蔵入りで良かったじゃないですか！」

モバＰ「それも美波の魅力の一つだって言ってるんだ！　それは何も美波がいやらしい女だとかそういうことを言ってるんじゃないぞ！　自然に！　男を！　誘ってるんだよ！　俺の前でも妙に無防備だったりとかするし！」

美波「ぷ、プロデューサーさん……その、恥ずかしいんですけど」ｶｧｧｧ

清美「それでも結局、美波さんの写真の一部はプロデューサーが『破廉恥だ』と思いながらも世に出されたということですよね！　それはどういうことですか！」

モバＰ「うぐっ……それは……すまん美波！」

美波「も、もう良いですから」

モバＰ「でも決して俺は普段美波をいやらしい目で見ているとかそういうことではなくてな……」

美波「も、もう良いですからー！」ﾀﾞｯ

モバＰ「美波―！」

冴島清美の場合


モバＰ「清美……もうこんなこと止めてくれ。十分反省したから……」

清美「まぁ、そうですね。確かに反省しているようです。全く、プロデューサーはどうしてそうなんですか」

モバＰ「申し訳ない……」

清美「やっぱりプロデューサーは私が清く正しく導いてあげなくてはなりませんね。真に清楚で清く正しい、超☆風紀委員が側に居なければ！」

モバＰ「清美……」

イヴ「ちょっと待ってください！」ﾋﾞｼｯ

モバＰ「イヴ！？」

愛梨「今、聞き捨てならない発言が!」ﾋﾞｼｯ

モバＰ「愛梨！？」

美波「プロデューサーさん、質問良いですか！」ﾋﾞｼｯ

モバP「美波！？　……えっと、質問って？」

イヴ「前にあったお仕事での」

愛梨「スク水の清美ちゃん」

美波「どう思いました？」

清美「その一糸乱れぬ連携は一体……というか何ですかその質問は！　学校指定の水着なんですから、きちんとしているでしょう！」

モバP「……」

清美「……プロデューサー？」

モバP「清美の性格が出ている良い水着のセレクトだと思うよ？」

清美「何ですか今の間は」

モバP「別に何も」

清美「いや、じゃあ何で間が空いたんですか」

モバP「……いや、それは、特に理由は、ないけど」

美波「正直に」

イヴ「そうですよ。えっと、プロデューサーさんがどう思ってあの写真を世に出したかが大切なんですから」

愛梨「きちんと答えてください」

モバP「正直、風紀を守るとか言っておきながらその格好はなんだって思いました」

清美「プロデューサー！？」

モバP「今回は水着だしおとなしい感じかなって思ったら、ピチピチのスクール水着持ってきてて正直ビビった。それだったらビキニのほうが目立たないよ。というか最終的にビキニの方も着ちゃったし」

清美「ただの水着でしょう！　それを破廉恥っていうのもどうかと思いますよそれは！」

イヴ「というか、どうして清美ちゃんは特訓後の衣装を着たんですか？」

愛梨「そうですね。スクール水着は制服みたいなものだからってこだわってた様子だったのに……」

清美「まぁプロデューサーから頼まれたのもありますが、私ほど風紀を守る人間ならば、多少の露出で風紀が乱れることはないかと」

美波「謎理論すぎると思うんだけど……というか、じゃあプロデューサーに頼まれたら何でも着ちゃうってこと？」

清美「いや、そこまでは言ってないですよ！」

モバＰ「でも清美、お前、終わり辺りに『セクシー路線も全くナシではないのかも……？』とか言ってたよな」

清美「余計なことを言わない！」

イヴ「そうなると自分がセクシーである、破廉恥であるという自覚がありながらプロデューサーさんの指示に従ったことになりませんかー？」

愛梨「えぇ！？　じゃあ清美ちゃんはどうしてあの衣装を？」

清美「えっと、それは勿論、ファンを喜ばせたい一心で……。決してセクシーな私を見せるということではなく、海らしい格好、夏らしい開放感のある姿こそがあのステージに合っているという判断から……」

美波「で、本当は？」

清美「……」

モバＰ「き、清美？」

清美「……正直、プロデューサーがあの衣装を持ってきた時、『へぇ、プロデューサーは私にこういうのを着せたいんだ』と思いました」

モバＰ「いや、あの衣装は俺だけの判断じゃなくて……」

イヴ「じゃあプロデューサーはあの衣装を渡す時どう思いました？」

モバＰ「めちゃくちゃ破廉恥で良いなって思ってたよ畜生！」

清美「まぁ、だから……そんなに着てほしいなら着てもいいかなと」

愛梨「つまり、プロデューサーが破廉恥だと思った衣装を渡された清美ちゃんが、破廉恥だと分かっていながら求められたから着たってこと？」

清美「なんかそう言われると私が変態みたいじゃないですか！　というか何故私が責められてるんですか！」

美波「急に色々言われて、戻ってきてみたら清美ちゃんが私だけ清楚みたいなこと言ってたから悪いんじゃない！　結局プロデューサーと清美ちゃんは二人とも……頭が超☆ピンクじゃない！」

清美「超☆ピンク……私が……」ｶﾞｰﾝ

ちひろ「全員ピンクですから安心してください」ｶﾞﾁｬ

全員「あ」

ちひろ「全く、ここは事務所なんですからね！　大声で何を煩悩まみれなことを言ってるんですか！　隣の部屋に居る私にまで筒抜けでしたよ！」

モバＰ「すいません……」

ちひろ「煩悩を捨て去るために、滝行でも言ってきたらどうですか！」

モバＰ「えぇ……」

その後、結局モバＰとその場に居たアイドル達は滝行に行き、モバＰは苦行の甲斐あって煩悩を無くしかけたが、ふと横を見ると濡れてスケスケになったアイドル達の姿がったので煩悩を取り戻し、効果はなかった。

（END）