菜々「いいですねぇ！それじゃあお互い無事にパスして」

楓「打ち上げといきましょう♪」

社員各位

春期健康診断のお知らせ

下記の日程で健康診断を実施するはこびとなりましたので、お知らせいたします。

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翌週

楓「ｵｴｯ…禁酒するからといって飲み溜めしたのは失敗だったわ……完全に二日酔いね……」

楓「ああ菜々ちゃんの結果はどうなったのかしら」

菜々「ﾊｧ……」

楓「あっ、菜々ちゃ──」

菜々「！　　がえでざああああああんんんｎ」

楓「ど、どうしたの菜々ちゃん！？」

楓「ﾊｯ！この反応……まさか菜々ちゃん貴女、成人病って診断されてたり」

楓「なんて、そんな訳ないわよね」

菜々「ううううう……」ｸﾞｽｯ…

楓「……えっ、本当に？」

菜々「そうなんですお医者さんが言うには間違いないって……」

楓「（やっぱり心は１７歳でも体までは騙せないのね）」

菜々「ナナは今まで普通に生活してたのに、どうして……」

楓「菜々ちゃん……。そうだわ、体におかしな所はある？」

菜々「はい……昨日くらいから違和感が……」

楓「例えばどんなことかしら？」

菜々「そうですね……、急に目の前が光って眩しさを感じたり」

楓「（成人病の併発による視界の明滅）」

菜々「ぼーっとしてると体が浮いちゃったり」

楓「（浮遊感を感じるのは……更年期障害！？なんてことなの……）」

菜々「昨日の晩御飯に買ってきたトンカツとお刺身がどうしても食べられなかったり」

楓「（味覚の変化による食欲不振）」

楓「菜々ちゃん……辛かったでしょう？治療の為にお酒を飲ませる訳にはいかないけど愚痴には付き合うわ」

菜々「？　は、はい」

菜々「えっと、それから一番困ってることがあるんです」

楓「大丈夫よ菜々ちゃん、私が付いて──」

ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ…

みく「にゃーん！」

のあ「にゃん」

アーニャ「うにゃー」

楓「えっ」

菜々「きゃああああ！またですかー！？」

みく「にゃにゃにゃにゃ」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

菜々「みくちゃん！そんなところ舐めないでえぇぇ！？」

菜々「ひゃん！？」

楓「ちょ、ちょっと。のあちゃんアーニャちゃん止めてあげて」

のあ「ﾌｰｯ！」

アーニャ「ﾏｰｵ！」

楓「」

菜々「か、楓さんを威嚇したら駄目ですよぉ」

「「「にゃーん♡」」」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

菜々「ひやーーっ！」

３０分後

楓「……ごめんなさい助けられなくて」

菜々「いいんです……今のも病気のせいですから……」ﾍﾞﾄﾍﾞﾄ

楓「いったい何が起こったのか分からないわ」

菜々「ナナの病気を治せばみくちゃん達も正気に戻るはずです」

楓「（成人病とみくちゃん達とどんな関係があるのかしら）」

楓「菜々ちゃん？貴女の病気って成人病なのよね？」

菜々「？　はい、そうですよ」

菜々「聖人病です」

この騒動の翌日、受診した病院の先生から連絡があり

聖人病の専門医が立川にいることが分かったので菜々ちゃんは直ぐに向かいました

半日ほどで治療が終わり帰ってきた菜々ちゃんは、おばあちゃんのような落ち着きを今まで以上に醸し出しています

みく「昨日からの記憶が所々ないにゃ」

のあ「同じく」

アーニャ「にゃー」

みく「アーニャチャン？」

まぁ兎にも角にも、お酒を飲みに行く約束は無事に果たせそうで、めでたしめでたしといった所でしょうか

翌週

看護師「高垣楓さん、結果が出ましたので診察室へお入りください」

楓「はい」

ｶﾞﾗｯ

先生「診察の結果ですが……高垣さんお酒は飲まれますか」

楓「ええ、体の一部ですから♪」

楓「でもこの一週間は禁酒を頑張ったんですよ？」

先生「なるほど、そうですか」

楓「……あの？先生？」

先生「単刀直入に言います、成人病です」

楓「？　それは光が差したり空に浮かんだり動物に好かれたりしますか？」

先生「訳の分からないことを言わないで下さい、これから禁酒に食事制限です」

先生「治療は長くなるでしょうが諦めては駄目ですよ」

楓「」

菜々「うーん、体が光ったり空に浮かんだりするのは一発芸としておいしかったですかねぇ」

菜々「……いやいや、やっぱり普通の生活を送れる方が大事ですよね」

ﾋﾟﾛﾘﾝ♪

菜々「あっ、楓さんからメールだ」

菜々「えーっと……」

夢破れ　酒は悪魔だ　禁酒むり

菜々「……またあのお二人にお願いしてみましょうか」