チャラ男「大学入ったからにゃ、ヤリサーで遊びまくってやるぜェ!」 (51)

チャラ男「イヤッホーッ! 大学入学だーっ!」

チャラ男「大学入ったからにゃ、四年間ヤリサーで遊びまくってやるぜェ!」

チャラ男「さっそくこの大学のヤリサーを探さなきゃな」

チャラ男「すんませ~ん、この大学ヤリサーってないっすか?」

学生「ああ、あっちにあるよ」

チャラ男「あざーっす!」

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チャラ男「おほっ、いたいた! イケてるギャルが!」

チャラ男「はぁ~い」

ギャル「はぁい」

チャラ男「オレさ、ヤリサーに入りたいんだけど、案内してくんない?」

ギャル「ヤダー! ウッソー! 入ってくれるの?」

チャラ男「マジマジ!」

ギャル「え~……じゃ、案内するね!」

ギャル「こっちよ!」

チャラ男「えへへ……」

チャラ男(きっとこの子みたいな可愛い子がいっぱいいるに違いない!)

チャラ男(今日からオレは、ヤリまくりの、突きまくりだぁ~)

ギャル「うちのサークルの部長よ」

部長「よろしく」ムキッ

チャラ男「!?」ギョッ

チャラ男(うおっ、ムキムキじゃん!)

チャラ男(パネェ……百人斬りぐらい軽くこなしてそうな感じなんだけど)

チャラ男(さっすがヤリサーの部長だけある! 期待させてくれるゥ!)

部長「さっそくだが、これを持ってもらおう」スッ

チャラ男「へ? なんスかこれ?」

部長「石槍だよ。新入りにはまずこれが渡される」

チャラ男「石槍? なんで?」

部長「決まってるだろう? 我がサークルは“槍サー”だからな」

チャラ男「……はい?」

部長「ちなみに、我が愛槍は“グングニル”……サークルで最強の者だけが持つことが許される」

チャラ男「グングニルぅ~?」

チャラ男「アハハ……冗談、ですよね?」

部長「冗談などではない!」ギロッ

チャラ男「ひゃうんっ!」

チャラ男「お、重い……」ズシッ…

チャラ男「あの、これどうすりゃいいんッスか……?」

部長「突きを1000回やってもらう」

チャラ男「1000回!?」

チャラ男「こんな重いのにンな回数、できるわけ――」

部長「おしゃべりはいい。やるのだ!!!」

チャラ男「ひゃいっ!」

チャラ男「えいっ! えいっ! えいっ!」

ヨロッ… ヒョロッ… ヒュンッ…

チャラ男「ハァ、ハァ、ハァ……」

部長「まだ百回も突けておらんぞ」

チャラ男「う、うへえ……」

チャラ男「たあっ!」ヒョロッ

部長「腰が入っておらん!」

チャラ男「も、もう……無理……」ドサッ…

チャラ男「あぐぅぅぅ……」

部長「今日はもう無理そうだな。また明日来て、挑戦するがよい」

チャラ男「……ふざけんなッ!」

チャラ男「誰が二度とこんなふざけたサークル来るもんかよ!」

チャラ男「オレはな、槍なんか興味ないの! ヤリたいだけなの!」

チャラ男「オレはヤリサーで女とヤリまくってやるんだ!」

チャラ男「じゃあな!」スタスタ

部長「……」

ギャル「ねえ、待って」

チャラ男「あっ……アンタ」

チャラ男「わりィけど、オレにはこんなサークル務まらないよ」

チャラ男「そんじゃ」スタスタ

ギャル「ううん……あなたならやれる」

チャラ男「……え」

ギャル「明日も来てくれるって信じてる」

チャラ男「……誰が来るかよッ!」

チャラ男「大学入って早々、ヘトヘトだぁ……」

チャラ男「……」ゴロン…

チャラ男「いてぇ……体じゅうがいてぇ……」ズキズキ…

チャラ男(おかげで眠れやしねえ!)

チャラ男(なのに……なんだろう、この興奮……この充実感……)

チャラ男(なんでオレは……またあの“槍サー”に行きたがってるんだろう……)

チャラ男「……来ちゃったよ」

ギャル「来てくれたの!? ヤダ、嬉しい~!」

部長「ほう……見上げた心構えだ」

部長「だが、突き1000回ができなくば、入部させることはできん」

チャラ男「……やってやるッスよ!」

チャラ男「うおおおおおっ!」ビュオッ

チャラ男「でやっ! でやっ! ――でやぁっ!」

ヨロッ… ヒュオッ… ヨタヨタ…

チャラ男(目がかすむ……筋肉が震えてる……もう指の感覚もない……)

チャラ男(なんでオレはこんなバカなことやってるんだろう……?)

チャラ男(こんなことやったって女にゃモテないし、一円にもなんないのに……)

チャラ男(だけど、突かずにはいられないんだ!)

チャラ男「だあっ!」

ビュオッ!

チャラ男「ハァッ……ハァッ……ハァッ……!」

チャラ男「……だあっ」ヒュッ

チャラ男「せ、1000回達成……」ドサッ…

ギャル「しっかりして!」

チャラ男「だ、大丈夫……」

部長「……見事だ」

部長「君を我がサークルに歓迎しよう!」

チャラ男「あざーっす!」

四月の終わり――

部長「これより新入生歓迎会を行う!」



ワァァァァ……!

パチパチパチパチパチ…



部長「では、新入生であるチャラ男君のために――特別にマンモスを用意した!」

マンモス「パオォ~ン!」ズシン…

部長「あれを自分の手で退治するのだ! 餌になったとしてもそれは己の未熟だ!」

チャラ男「分かりましたっ!」

マンモス「パオォォ~ン!!!」ドドドドドッ

チャラ男(来た……!)

マンモス「パオンッ!」ブオンッ

バチンッ!

チャラ男「ぐっ!」

チャラ男(なんてパワーだ! 真正面からじゃ、とても敵わねえ……!)

チャラ男(だったら――)

チャラ男(側面から、体に飛び乗るッ!)バッ



オオォ~……!

部長「ほう……素晴らしい判断だ」

ギャル「やった!」



チャラ男(あとはガラ空きの頭に――)

チャラ男(マンモス……あんたの命、オレが背負ってやるっ!)

チャラ男「うおおおおっ!!!」

ザクゥッ!!!

マンモス「パオォォォ……ン……」ズシン…

チャラ男「やった……!」

チャラ男「オレの手でマンモスを倒した……!」



部長「見事……!」

ギャル「やったーっ!」

ワァァァァッ!

部長「どうだね、今の気分は?」

チャラ男「さ、最高ッス!」

チャラ男「オレ、このまま槍を極めてみせるッス!」

部長「うむ、その意気だ!」

部長「では宴を始めよう! メインディッシュはもちろん、彼が仕留めたマンモス肉だ!」



ワアァァァァァッ!!!

数ヵ月後――

チャラ男「いくッスよ!」

部長「見せてもらおう」

チャラ男「はあっ!」ビュオッ



ギュゥゥゥゥンッ……! ――ザクッ!



チャラ男「よし!」

部長「おお……槍投げ1000mを早くも達成するとは……」

部長(やはり、このチャラ男君……天稟がある!)

チャラ男(ふぅ……今日の鍛錬も疲れた……。だけど、楽しかった……)

チャラ男(オレの手もすっかり皮がぶ厚くなったなぁ……)

ギャル「ねえ」

チャラ男「ん?」

ギャル「このところあなたから、オスとしてのフェロモンがプンプン匂ってくるのよねえ……」

ギャル「あそこにホテルあるし……ちょっと休んでかない?」

ギャル「元々あなたも、アタシとこういうことしたかったんでしょ?」

チャラ男「……」

チャラ男「すまない」

ギャル「えっ……」

チャラ男「オレ……今は槍に集中したいんだ。槍を極めてみたいんだ」

チャラ男「自分の槍一本でどこまで上り詰められるか、試してみたいんだ!」

チャラ男「だから……まだアンタを抱けない! ヤレない!」

ギャル「ふふっ……」

チャラ男「?」

ギャル「今のあなたなら、そういうと思ってた」

ギャル「頑張って……あなたなら槍でどこまでだっていけるわ!」

チャラ男「……ありがとう」

その後も槍サーでの厳しい修行は続き――

チャラ男「はっ!」



ビュボアッ!!!



部長(遥か遠くにいる相手をも貫通するという、伝説の奥義――)

部長(“真空突き”をついにマスターしたか……!)

部長「槍ヶ岳で槍合宿だ!」



オスッ!



部長「頂上までダッシュだ! 立ち止まったらメシ抜きだ! 槍サーの一員としてやり抜けよ!」



オオースッ!!!



チャラ男「わっせ! わっせ! わっせ!」タタタタタッ

ギャル「わっせ! わっせ! わっせ!」タタタタタッ

チャラ男も成長し、部長が卒業間近になったある日――

チャラ男「部長、オレに用ってなんですか?」ザッ…

部長「ここなら邪魔は入らない」

チャラ男「?」

部長「勝負をしよう」

チャラ男「!」

部長「私と君で……一騎打ちだ」

チャラ男「……!」

部長「強制はしない……嫌かい?」

チャラ男「い、いえ……」

チャラ男「やらせて下さい! オレ、ずっと部長とやりたかったんだ!」

部長「やはり君は、私が見込んだ通りの槍使いだ……!」

部長「手加減はしない。このグングニル、存分に振るわせてもらおう」ブオンッ

部長「参る!」ザッ

チャラ男「応ッ!」ザッ



ヒュゥゥゥゥゥ…



チャラ男(恐れるな……オレだって血のにじむような修行をしてきたんだ!)

チャラ男「でやぁぁぁぁぁっ!!!」

部長「破ッ!!!」

――ガキィンッ!!!

チャラ男「ぐうっ……!」ビリビリ…

チャラ男(やはり、普通の突きじゃ、腕力と槍の差でオレが力負けする!)

チャラ男(……だったら!)ババッ

部長(間合いを……広げた?)

チャラ男(この技なら、腕力や槍の性能差を補えるッ!)

チャラ男「真空突きッ!!!」



ビュボッ!!!

部長(見事な真空突きだ……)

部長「だが、真空突きの使い手は君だけではないぞ!」ビュボボボボボッ

チャラ男「連続真空突きィィィィィッ!」ビュボボボボボッ



ズガガガガガッ!!!



部長「ぬう……!」ブシュッ…

部長(真空突きの撃ち合いでは、彼に分があるか! まだ若いのに大したもの!)

部長(ならば接近するしかあるまい!)

部長「……む!?」

チャラ男「……」



部長(いつの間にか、彼の手から槍が消えている……一体どこへ!?)



グサァッ!



部長「ぐああっ!」

部長(上空から降ってきた槍が、足に……!)

部長(そうか……真空突きを撃ちつつ、上空に槍を投げていたのか……!)

部長(しかも、私の命を奪わぬよう……足を狙ってッ!)

チャラ男「もう……立てませんよね?」

部長「ああ……見事だ……。完敗だよ……」





ヒュゥゥゥゥゥゥ…

部長「この槍、グングニルは君に託そう」

チャラ男「えっ、だけどこれは部長の愛槍……!」

部長「よいのだ」

部長「グングニルは槍サークルで最強の者が持たねばならん」

部長「同時に、グングニルを持つ者がサークルを率いていくことになる」

部長「いずれ、君の目にかなう槍使いがサークルに現れたら、その時は渡してやって欲しい」

チャラ男「部長……」

チャラ男「あざーっ……ありがとうございますッ!!!」

チャラ男「みんな……今日からはこのオレが槍サーの部長だ!」

チャラ男「オレは……このサークルを日本一、世界一の槍軍団にしたい!」

チャラ男「みんな、オレに突いてきてくれ!!!」



ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!



ギャル(成長したね……チャラ男君……)

チャラ男「来月、剣サー、斧サー、弓サーとのリーグ戦がある!」

チャラ男「いつも我がサークルは、二位、三位が定位置だったが、そうはいかない!」

チャラ男「今年は全勝を狙うぞッ!!!」



ウオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!



ギャル(どのサークルも猛者揃いだけど、今年は優勝を狙えるわ……!)



チャラ男「今日は飲み会だ!」

チャラ男「この焼き鳥の串で、ちょいとした芸を見せてやろう」

チャラ男「はっ!」ボッ



オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!



ギャル(すごい……! ビールという“液体”に穴を開けた……!)

やがて――

後輩「ハァ~? ヤリサーじゃなくて、槍サー!? 騙しやがったな!」

後輩「誰が入るか、こんな糞サークル! 一生槍振り回して、人生を棒に振りやがれ!」

部員A「なんて口のきき方だ!」

部員B「あんな奴に入られたら、風紀が乱れる!」

部員C「チャラ男部長、塩でもまいてやりましょう!」

チャラ男「いや……あいつ、是非とも欲しい逸材だ」

チャラ男「オレがなんとしても口説き落としてみせるッ!!!」

後輩「真空突き!」

ビュボォッ!

後輩「や、やった……!」

後輩「部長……槍って楽しいですね!」

チャラ男「ああ……槍はやりがいがあるよ!」

チャラ男(部長から授かったグングニル……やっと授けてもいい男に出会えたのかもしれん)

――

――――

ギャル「チャラ男君」

チャラ男「ん?」

ギャル「もうすぐ卒業だけど進路はどうするか決めた?」

チャラ男「ああ……もう決めてる」

ギャル「どこ目指してるの?」

チャラ男「防衛省だ……大臣直々に誘いも来てる。この槍を存分に振るって欲しいとのことだ」

ギャル「ふうん……」

ギャル「ねえ、アタシ……あなたに突いていってもいい?」

チャラ男「いいとも」

チャラ男「オレはやっと君に相応しい男になれた、気がする……」

ギャル(そんなのとっくになってるってのに……)

チャラ男「今のオレなら、君を抱ける。君を突ける」

ギャル「ありがと……」



ギュッ…

数年後――

自衛官「某国からミサイルが複数発射されましたァ! 東京を始め、大都市が狙われています!」

チャラ男「任せて下さい」ズイッ

自衛官「……おおっ!」

チャラ男「はぁっ!!!」ビュオオオッ



ズガガァンッ!!!



自衛官(竹槍を投げて、ミサイルを完全破壊してしまった……)

チャラ男「ただいま」

ギャル「お帰りなさ~い」

ギャル「今日のお仕事は?」

チャラ男「竹槍でミサイルを何発か撃墜したよ。たやすい仕事だった」

チャラ男「あんな仕事で給料をもらえることに、罪悪感すら覚えてしまう」

ギャル「大学卒業後さらに腕を磨いたあなたなら、爪楊枝投げてもミサイル落とせるものねえ」

チャラ男「うむ。しかし、それは相手に対して失礼だからな……」

ギャル「まったく真面目なんだから!」

赤子「あーうー!」

チャラ男「おお、よしよし」ナデナデ…



チャラ男(オレは槍で、この国と愛する家族を守ってみせる……!)







~ おわり ~

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