艦これSSです
書き溜めしているので一気に投下します
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提督「やべえよやべえよ……とうとうお見合いの話がきちゃったよ……」
提督「母さんから珍しく電話が来たと持ったら早く孫の顔をときたもんだ」
提督「いやまあ確かに? 自分の息子がこういう下手したら死んじゃうかもしれない激戦区で指揮を執っているなら、そういう心配をしてしまうのも分かるけど」
提督「でも本人としてはまだ独身貴族でいたいんですわ」
提督「それに……」
筋トレグッズ、カメラ、フィギュア、酒瓶etc……
提督「こんな多趣味の奴を全部まとめて許容してくれる人なんているはずないしなぁ……」
提督「職場にいい人はいないかといわれてもここには艦娘しかいないしなぁ」
提督「ケッコンカッコカリなんてシステムもあるっちゃあるけど、これはどうもなぁ。戦力増強って割り切れればいいけどちょっと上は悪趣味だと思うよね、これ」
提督「しかし何もしなかったらお見合いの話が進んでしまう。……よし、ここは一つ演技をしよう。嘘も方便だ」
提督「『ケッコンを申し込んだがあえなく振られてしまってまだ傷心中だから今はまだお見合いとかは考えられない』……よし、こういう設定で行こう」
提督「……ん、母さんからメールが、ゲッ、わざわざ今週末お見合い写真持ってくるとか正気かよ! 職場の雰囲気も見ておきたいからって……こりゃ一芝居打つのも大変だぞ……」
提督「……しゃーない、確実に断られそうな子にケッコン申し込んで青葉に広めさせるか……」
提督「しかしあんまり接点もない子に申し込んでも効果は薄いだろうな。逆に金剛とかそこらへんに『あの娘にプロポーズの話が来るなら私にも!』と変な勢いが付きかねない。俺と長い付き合いでかつ俺をあまり好ましく思っていない子がベストか」
提督「となると……大井とかか? 練度も九十超えてるし俺のことは北上に近づく敵としか認識していないだろう」
ホワンホワン……
大井「はあ? 結婚してくれ? ……冗談も大概にしてください。酸素魚雷をブチ込みますよ?」
大井「さては私という外堀を埋めてから北上さんに近づこうと言う算段でしょう! そうはいくものですか!!」ガチャコン!
ホワンホワン……
提督「だめだ、冗談でも言ったら殺される」
提督「北上も俺を嫌ってはないだろう。よくて仲のいい男友達くらいにしか思っていないだろうしケッコンは断ってくれそうだが……大井にばれたら確実に殺される。却下だ」
提督「比叡はどうだ? ……いやダメだな、初対面の俺に先に金剛が着任していただけで主砲向けてきたような奴だ」
ホワンホワン……
比叡「私と結婚? ……はっ、さては金剛お姉さまを金剛お姉さまと呼べる私に嫉妬して、合法的に弟になろうと言う魂胆ですか!」
比叡「そんなことはさせません! 金剛お姉さまは私だけのものなんだからぁー!」
ホワンホワン……
提督「……うん、大井パターンに入りそうだ。単純に俺自身を嫌っているヤツじゃないと」
提督「となると……曙?」
提督「いや、曙はないな……。最初のころはともかく最近はなんか暴言に棘を感じない。というかあれは照れ隠しなんだよな。最近気が付いた」
ホワンホワン……
曙「っはぁ!? 私と結婚してくれ!? なにいってんのよこのクソ提督!!」
曙「……あ、あたしはすっっっっごい嫌だけど! クソ提督がどぉぉぉーーーーーーしてもって言うんなら、そ、それ、う、うううう受け取ってあああああげなくもな、ないわよ……?」
ホワンホワン……
提督「だめだ。悪態付きながらも受け取ってくれる未来しか見えない。くそっ、こんなことなら練度九十近くまで育成するんじゃなかった!」
提督「あ、なら満潮はどうだ。あいつも俺のこと……」
満潮『……あ……。おはよ、司令官。えっと……その、い……いい、朝ね」
満潮『……なによ、そんなに見て。……あ、ちょ、ちょっとまって!』
満潮『えっと……こ、この前の作戦指揮……前よりかは、マシになったと思うわ。……そ、それだけ!!』
提督「……」
提督「……ほかの提督からよく『満潮からのあたりがきつい』って話を聞くが、言うほどかぁ……?」
提督「思い返せばアイツが俺をボロクソ言うことなんかめったにないし、補給したら小さな声でお礼ちゃんといってくれるし……」
提督「満潮はだめだな……」
提督「となるとのこされた道は……」
『ほら! シャキッとする! 背を伸ばして、寝癖! ちゃんと直しなさいなこのグズ!!』
『なんなのよこの作戦指揮は! アンタ私たちを沈めたいわけ? 違うならもっと頭を使って考えなさいなこのクズ!!』
『ったく、補給のタイミングおかしいったら! あーもう、服もボロボロじゃない……なに見てんのよこの変態! クズで変態とか救いようがないわ!!』
提督「……練度九十以上、俺がここに着任してから初めての建造で来てくれたから付き合いの長さも申し分なし」
『あーもう、なんでこんなバカの所に来ちゃったのかしら……なによ、何か言いたいならちゃんと目を合わせて言いなさいな!』
『なによこんな時間まで仕事しているの? 言っとくけどお疲れ様なんて言わないわよ。この程度の仕事がこんな時間までかかる自分の要領の悪さを呪いなさい』
『はぁ? それで逆切れ? だらしないったら!! いい? 半人前にも満たないような使えない司令官殿に教えてあげるけどね、教本に書かれていることだけが全てじゃないのよ! 常に臨機応変に、柔軟に、的確に俊敏に! 判断力と決断力が提督には必要なのよわかる? ほら! 目を逸らさずに聞きなさいな!!』
提督「そして確実に俺のことを嫌ってくれている相手」
ホワンホワン……
『はぁ? ケッコン? あたしに?』
『……あのねぇ……バカも休み休み言いなさいな。なに? 私を動揺させようとしてみたいってハラ? なら十分成功してるわよ』
『あんたがここまでのバカだとは思ってなかったからね! あたしをコケにするのも大概にしなさいなこのグズが!!』
ホワンホワン……
提督「……うん。あいつのことだから本気で呆れて武器も出さずに帰ってくれそうだ」
提督「霞にケッコンを申し込もう」グスッ(今まで言われた罵倒の思い出しと申し込んだ時の想像で半泣き)
翌日
提督(今日の出撃には霞と青葉、そのほか適当に選んだ子を編成した)
提督(いつも秘書艦を務めてくれている叢雲には少し長めの遠征に行ってもらって人払いは完璧)
提督(青葉を入れたのは新聞で事の顛末を広めてもらうためだ。あいつのことだからこんなおいしいネタをほおっておくわけはないだろう)
提督(みんなが帰ってきて報告に来る、俺が霞には大切な話があるから残ってくれという、ドアの外に誰もいないか確認する俺)
提督(だがほんのわずか開いてるドア、これ幸いと覗く青葉、霞に告白するもあえなく振られる俺、新聞で俺の失恋が明るみとなる……)
提督(……ふふふ……完璧な作戦だ……。自分の策士っぷりが我ながら恐ろしいぜ)
<コンコン ハイルワヨ
提督(おっと、丁度帰ってきたか)「ああ、入ってくれ」
霞「……ふん、特に何もない平凡な出撃だったわ。全員無傷、補給するだけよ」
提督「ああ、それは何よりだ。今日はもうなにもないから補給が終わったら各自自由行動に入ってくれ……ああ、そうだ、霞は少しここに残ってくれ」
霞「はぁ? なんでよ、補給の後じゃダメなわけ?」
提督「ああ、俺としては非常に大切な用事だ……時間がかかるものじゃない、他の子たちはもう行っていいぞ。ああ、青葉」
青葉「は、はいっ?」
提督「大切な話なんだ。くれぐれも外で盗み聞きなんてするなよ?」
青葉「あ、あはは~そ、そんなことするわけないじゃないですか~。それじゃあ青葉、補給に行ってまいります!!」スタコラ
キョロキョロ
提督(……あれ? マジで青葉帰っちゃった?? まずいぞ……流石に自分から振られたことを言いふらすのは……ん)
提督(あ、あの角からポニーテールが見える。ただ隠れてただけか……よし、他には誰もいないな。それじゃほんの少しだけ隙間を開けて……と)
霞「……で? 一体何の用事なのよ。そんなに人気を気にして。まさか重大なミスだとかがあったんじゃないでしょうね?」
提督「いや、そういうことじゃないんだ。……なあ霞、お前今練度いくつくらいだっけ?」
霞「はぁ? ……九十八だけど」
提督「もうそんなになったのか……思い返せばお前がうちの鎮守府に来たのは一番最初の建造の時だったよなぁ。初期艦の叢雲とお前の三人で最初は運営してたっけ」
霞「……ええ、そうね。その叢雲の練度はもう九十九で打ち止めになってるけど……なに、昔話がしたくて残したの? それなら補給と、アンタの仕事が全部終わったら付き合ったげるわ」
提督「ああ、いや、ちがうんだ。そういうことじゃなくてだな……」
提督(ああクソっ、振られるってわかってても緊張するな……)
霞「なによ、なにかあるならはっきり言いなさいな!! 男でしょうが!!」
提督(ええい、ままよっ!)
――――
青葉(ふふーん。あんなに好奇心のくすぶられること言われて引き下がるのはジャーナリストとして失格ですよ!)
青葉(しかしわざわざ外まで確認するとは大した念の入れようですね……これはきっととんでもない特ダネの予感!)
青葉(おやおや? 部屋のドアが微妙に開いてますね~。こういう細かいところが雑なのも司令官らしいですが……今回はラッキーです!)
霞『はっきり言いなさいな!! 男でしょうが!!』
青葉(うひ~! 流石我が鎮守府ナンバーツーの霞さん。司令官相手にもこの怒鳴り声とは……。でも一体何の話……)
提督「霞! 俺と、ケッコンしてくれないか!」つ指輪
霞「!」
青葉(!?!?!?!?!?!?!?!?)
青葉(あ、ああ、青葉見ちゃいました聞いちゃいました知っちゃいました!! 一生独身貴族やらインポテンツやら同性愛者やらと囁かれていたあの司令官がまさかのプロポーズ!)
青葉(で、でもなぜ霞さん!? 普段あれだけ罵倒されていますし……それに先に練度が最高になったのは叢雲さん……これは、青葉、気になります!!)
――――
提督(よ、よし……い、言ったぞ!! すっげえ心臓バクバク言ってる……いろいろ考えてたけど一気に頭真っ白になっちまった……)
霞「……」
提督(さあ、どうでる霞……。正直ビンタの一、二発くらいなら覚悟してる……ぞ……)
霞「……ふぇ……」ジワァ
提督「!?」
霞「うぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
提督・青葉(ええええええええええええええええええええええええええええええ!?!????!?!?!?!?!?!?)
提督「ちょっ、えっ、おまっ、霞! あれか! 泣くほど嫌だったか!! ごめんな! こんなものすぐ捨てるから!」
霞「うぇええぇえ!! えええぇえぇぇえぇぇん!!」ブンブンブン
提督「泣きながら腕にしがみつかれても分からんぞ!? 捨てちゃだめなのか!? わかった! 捨てないから! 捨てないからちょっと落ち着こう!! な!」
提督(やっべえ、霞が今まで見たこともないような顔で泣いてやがる……。予想外すぎてマジでどうしたらいいかわからんぞ!!)
提督「よーしよーし霞少し落ち着こう、な? 背中叩いてやるから……ほら鼻もかめ」背中ポンポン
霞「うぇっ……えぐっ……」鼻チーン
提督(しばらく抱きしめて背中を叩いてやったらようやく泣き止んだ)
霞「……でよ……」
提督「ん?」
霞「……なんで、私、なのよ」
提督「あー、いや……その、霞とは付き合いも長いし、なんだかんだ面倒見てくれるし、これからもよろしく……的な」
霞「……じゃあ、別に私が好きだからとか、愛しているから渡した……ってことじゃないのね?」
提督(あっ、あれっ!? なんかまずい雰囲気? 心なしか俺の首に回された霞の腕の力が強くなったような)
提督「い、いやっ、そ……その気持もあるさ……。ただその、やっぱ口に出すのは恥ずかしいっていうか」
霞「ふーん……」
提督(よ、よし? 大丈夫か? ……いやダメじゃん。この空気もう成功しちゃったようなもんじゃん? あれ? 何俺霞と結婚すんの? ちょっと待てえーいやどうしよ)
霞「ねえ、ちょっとこっち向きなさい」
提督「ん……っ!?」
霞「……っ。その、これが答えよ。……指輪、受け取ってあげるけど……アンタの口から先に言ってもらうまで私からアンタに好きだなんて言わないからね。覚悟なさい」
霞「……それと、さっき私が泣いたことは誰にも言わないようにね。……そこの出歯亀も、分かったかしら?」
<ガタタ リョ、リョウカイシマシタ! ソレデハ!
提督(え、今霞なにした? なんで今一瞬俺と霞ゼロ距離になったん? なんで俺の唇少し湿って俺の顔真っ赤になってんの?)
提督(あっ、青葉のこと完全に忘れてた……)
霞「ほら、シャキッとしなさいな! ……今日から私の、だ、旦那、に……なるんだから」
提督「え、あ、うん……そうだな」
提督(え、ちょ。……マジ?)
提督「…………」
霞「なによ、頭なんか抱えて」
提督「……いや、なんでもない……」
提督(翌日目が覚めると何故か隣に霞が寝ていた)
提督(どうやら間違いはおこってないらしいが、聞くと夫婦は寝床を共にするものだ……と夜中にこっそり入り込んできたらしい)
提督(しかも青葉の新聞がでかでかと掲示板に張り出されていた。霞が泣いているところは書かれていなかったが……俺も口止めすりゃよかった……)
霞「なに、まだあの新聞のこと考えてるの? カッコカリなんてどうせすぐ分かるものでしょうに」
提督「いや、それはそうなんだが……」
<チョッ、マズイデスッテ! ハナシナサイ! ワタシハハナシヲキクケンリガアルワ!
霞「……なんか騒がしいわね。ちょっと注意して――」<ドーーーーン!!
叢雲「…………」フーッフーッフーッ
提督「」
提督(……一番ヤバいやつにばれた……)
十分前
叢雲「ふぁーあ……久しぶりに朝寝をしたわ……」
叢雲(昨晩霞が翌日の秘書艦を代わるって申し出てきたから、遠征帰りでタイミングも良かったからお言葉に甘えたけど、まあいい休息になったわね。今度何かお礼でもしましょうか……ん?)
叢雲「何してるのよ。青葉の新聞なんてそんな一生懸命見るものでもないで、しょう……に……」
【速報】提督、霞さんに熱烈プロポーズ!! 霞さんは快く指輪を受け取り――
叢雲「は――」
叢雲(――ッ!)
叢雲「なによ! 羽交い絞めなんかして!! 私はこのドア蹴破ってでもアイツに話を聞かせてもらうわ!!! 離しなさい!!」
提督(っべー! っべー! どっすんべどっすんべ!!)
叢雲「……さあ、きっっっちり話を聞かせてもらうわ。アンタの口から、なんで私じゃなくて霞を選んだのかをね!」
霞「は――。朝から息巻いて何しに来たのかと思えばそんなこと? それなら後で時間作っておいてあげるから引きなさい。今日の分の仕事は山積みなのよ?」
叢雲「へぇ。何? 指輪貰って一日たたずにもう正妻気取り? こないだまで散々罵倒していたとは思えない変わり身の早さね。流石私がいない間に掠め取った卑怯者は違うわ」
霞「……喧嘩でも売りにきたの?」
叢雲「あんたが先に売ってきたのを私が買ってあげようっていってんの」
霞「選ばれなかった負け犬が」
叢雲「ハイエナまがいの泥棒猫が」
提督(胃が……胃が痛い……)
提督(ここでお見合いを回避するための隠れ蓑だったんだ! なんて言ったら冗談抜きで殺されるな俺……)
提督(いやでもここで何もしなくても修羅場になることは必至……というか絶賛修羅場中だ)
提督「ま、まて二人とも! なにもそうカッカすることは――「「アンタは黙って(なさい)!」」――はい……」
提督(こええよ!! なにあの目! 見たことないくらい殺気立ってんだけど!!)
提督(な、なんとか……なんとかこの場を収めなければ……!)
提督「ち、違うんだ叢雲!! 話を聞いてくれ!」
叢雲「なによ! 何が違うっていうのよ!」
提督「じ、じつは、その……(ええい、ままよ!)」
提督「む、叢雲にも! 叢雲にも指輪を渡そうと思っていたんだ!!」
叢雲「えっ……?」
叢雲「……本当?」
提督「当たり前だ。初期艦として共にこの鎮守府を支えてくれた叢雲のことを忘れるわけがないだろう」
提督(ほんとは叢雲はなんだかんだ付き合い長いからOK貰えそうで候補から外してたんだけど)
叢雲「で、でも私の分の指輪買ってないじゃない! それに私がいないときに渡すなんて……」
提督「それは俺の日程の調整ミスだ。本当はちゃんと二人が揃ったときに渡したかったんだが、大本営からも早く渡せと言われていてな……取り急ぎ霞が空いていたから先に渡しただけだ」
提督「それに最初の一つは大本営から支給されるものでな。だから既に手元にあっただけだ。誤解させるようなことをしてすまなかった」
提督「……だからと言ってはなんだが、二つ目はお詫びとしてお前の意見をちゃんと参考にした指輪を渡そう……それで許してくれないか?」
提督(どうだ……!? 結構スラスラ適当言えるもんじゃねえか俺……! この戦争終わったら俳優にでもなるか??)
叢雲「……ほんっっっっっとアンタは! まぁいいわ、もう。でも、しっっっかり償ってもらうわよ!」
提督「う、うむ!(ああこりゃ貯金崩すしかないなぁ……。欲しかったフィギュアあったんだが、仕方ないか……)」
霞「ちょっ、ちょっとまちなさい!! なに二人で問題解決みたいな空気出してるのよ!!」
叢雲「あら、大本営からの支給品で満足していたはやとちりさんが何か吠えているわね」
霞「どういうことよこのクズ! 私には既製品渡してあっちにはオーダーメイドですって!? バカにすんじゃないわよ!」
提督(ヒィ~~! こっち忘れてたぁ!)
提督「ち、違うぞ霞! 別にお前だから既製品だとかそういうわけじゃない! ただ単にタイミングの問題であって、例え昨日お前がいなくて叢雲がいたら俺は叢雲にその指輪を渡していただろう!!」
提督「そ、それにだ。既製品とはいっても曲がりなりにも大本営の用意した指輪だ。俺個人は上下の優劣をつけるつもりはないが……」
提督「やはり書類上というか、規則的にはそっちの指輪を持っている霞が本妻となる……のかな?」
霞「ほ……本妻……」
叢雲「ほ……本妻ぃ……?」
提督(あっ)
叢雲「霞? アンタさっきオーダーメイドがいいって言ってたわよね? なら私がそっちの指輪をもらってあげるわ」
霞「あら、それには及ばないわよ。あんたはどうぞ自分の趣向を凝らした愛人指輪でも嵌めてなさい」
提督「む、叢雲! さっきも言ったがあくまで規則的なものだ! 俺個人は優劣をつけるつもりは……」
叢雲「それでも!!」
提督「叢雲……」
叢雲「それでも式典とかイベントなんかではそっちの霞がカッコカリの艦娘として出席するんでしょう!」
提督「ま、まあそうなる……かな? 多分」
叢雲「ならその席は絶対に譲れないわ。何が何でもアンタから奪い取る」
霞「はっ――やれるもんならやってみなさいよ」
提督(ひいいいいーーーー! この子たち目が据わっていらっしゃるーーーー!)
提督「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
提督(情けないことだがこっそり執務室の窓から逃げ出してきてしまった)
提督(いくら駆逐艦とはいえ艦娘、それに練度も最高クラスの二人だ。止めようものなら逆に俺がミンチになる)
提督(……まあ殴りあって生まれる友情もあるだろう……うん。とりあえず部屋の掃除が面倒そうだ……)
???「きゃっ」
提督「うぉっ! す、すまん考え事をして気が付かなかった」
提督「大丈夫か、大井」
大井「……ええ、大丈夫です」
提督(……? なんかいつもと雰囲気が違うな。北上も近くにいないし、なにかあったのか?)
提督(まぁ大井のことだし俺なんかが気にしなくても勝手に何とかなっているだろう)
提督「それじゃあちょっと俺用事あるから。……あ、今執務室には近づかない方がいいからなんか報告あったら聞いておくぞ」
大井「報告……ですか。……ええ、それなら一つだけありますよ」
提督「お、なんだ? またなんか北上関連か?」
大井「いえ……この、新聞の記事についてのことです」
提督「えっ? ……あー、いや。まあ、その……」
大井「これ、デマですよね?」
提督「へっ?」
大井「だって提督みたいないい加減な人がカリとはいえケッコンなんてできるわけないじゃないですか」
提督「い、いやまぁ……」
大井「しかも相手は駆逐艦でしょう? 戦艦や空母ならまだしも、いくら付き合いが長くて練度が高いからと言ってそんな艦に指輪を渡すわけないじゃないですか。ねぇ?」
提督(む、なんか今日はやけにつっかかってくるな。それに二人をそんな軽んじるような発言は大井とはいえ見逃せん)
提督「い、いや。そんなことはないぞ! 今まで通り夜戦はもちろん、昼での戦闘でも霞や叢雲は改二になってからとても大きな戦力になった。それに指輪にはまだ噂レベルではあるが運値の上昇が認められているとも聞く」
提督「駆逐艦は装甲の薄さが難点だったからな。これでその問題も解消に向かうかもしれん……。どうだ、駆逐艦に指輪を渡しても不思議ではない……だ、ろう……」
大井「……………………」
提督「ッ!」ゾクッ
提督(め、目に光が、ない……。墨汁みたいな、黒くて淀んだ目で俺を見つめている……)
大井「……それじゃあこの記事は本物なんですか? 真実を語っていると、確かに指輪は駆逐艦に渡されたと、そう言うんですか?」
提督「お、大井。確かお前ここ最近結構出ずっぱりだったもんな……。こ、これ間宮券。北上や球磨型のみんなで食べにいくと――」
大井「質問に答えて!!!」
提督(ヒィィィィィィィッッッッッ!!!!)「わ、渡した! 渡しました!! すみません!!」
提督(い、一体なにに謝っているんだ俺は……! でも謝らないと殺されそうでした! モレそうになっちったよ!!)
大井「……そう。渡したの……」
提督(大井の雰囲気が変わった……。なんか、まるで幽鬼のような……な、なんかわからんがまずいのはわかる!)
提督「ま、まってくれ大井! 確かに渡しはしたがそれを知った叢雲が霞と今話し合い中でな」
大井「………………」
提督「まだ正式な処理の手続きは行っていない。その記事はどちらかというとコンヤクカッコ」
大井「………………」ギロッ
提督「ヒッ、で、でもなくて! あ、青葉の勘違い、拡大解釈、誇張表現みたいな感じ的なサムシングだ!!」
大井「………………それで?」
提督「それで? ……あーっ、と……だから……その、違ってたら恥ずかしいんだけど」
提督「……指輪欲しいなら執務室で霞と叢雲が取り合ってるから混ざってきてもいいんじゃない?」
大井「失礼します!!」ダダダッ
提督「……はっやいなー……」
北上「……ふう、やっと大井っちが離れてったね」
提督「うおっ、北上! いたのか」
北上「いやー、なーんかあの新聞見てから大井っちの様子がおかしかったからね~。それまで普通にお喋りしていたのにいきなり私に『ちょっと提督にあってきます』ってふらふらと歩いて行ったんだから」
提督「……あいつが北上と一緒にいるのを途中で切り上げるなんてな……。もしかしてアイツ……」
北上(おっ?)
提督「そんなに火力不足に悩んでいたのか……。雷巡に改装されてからかなり活躍しているのに、結構アイツもストイックなんだな」
北上(あちゃー)
提督「ん、なんだ北上。そんな呆れたような目は」
北上「いんや~? ただ大井っちも他の子も大変そうだなぁ~って」
提督「?」
トボトボ……
???「……はぁ……」
提督(ふう、いつの間にか工廠裏にまで来てしまったぞ)
提督(ここは水平線まで綺麗に見えて、かつ人もあまり来ない知る人ぞ知るスポットだ)
提督(あそこのベンチで海を眺めながら事態の鎮静を待つか……ん? 誰かいるな。あれは……)
提督「こんなところでなにしてるんだ? 比叡」
比叡「ひえっ!? し、司令!」
提督「な、なんだよそんなに驚いて……」
比叡「い、いえ! し、執務はどうしたんですか?」
提督「あー……いや、ちょっとトラブルが発生してな。それどころじゃないから抜けてきた」
比叡「そ、そうだったんですか」
提督「……」
比叡「……」
提督(なんかいつもの比叡らしくないな。いつもなら聞いてもいないのに金剛の話を延々話してくるのに)
提督「なあ比叡。なにか悩みがあるんだったら話聞くぞ?」
比叡「ヒエッ!? な、なんですか急に!」
提督「いや、俺よくここ来るけど比叡がいるところは初めて見たからさ……。ここ落ち着くし、なにか悩みでもあったのかな~って」
比叡「悩み……」
比叡(…………)
比叡「そ、その。これは私の友人の知り合いの娘の話なのですが」
提督(こいつそんなに交友関係あったのか)「ほうほう」
比叡「どうやらその娘は好きな人がいるらしいんです」
提督「ふむふむ」
比叡「ただその娘はその好きな人のことは最初は全然気になんかしていなくて、初対面が割と印象最悪で」
提督「ははぁ(なんか相手に親近感わくなぁ)」
比叡「でも次第にその人のいろんなところに惹かれて行って……気が付いたらいつの間にかその人のことを目で追うようになっていって」
提督「甘酸っぱい……青春だなぁ……」
比叡「そんなある時、その相手の人に好きな人がいるって知ったんです」
提督「おおっ!」
提督「それでそれで? その子はどうしたんだ?」
比叡「あっ……そ、それで、その娘は私に『どうしたらいいか』って相談しに来たんです」
比叡「ただ、迂闊に答えが出せなくて……」
提督(前から思っていたけど、比叡は金剛が絡まなければ真面目でいい娘なんだよなぁ……。だから恋愛相談も受けるんだろうけど)
提督(よし、ここは様々な映画やゲームで恋愛を疑似体験し、数々の女の子を落としてきたこの俺が一つアドバイスをしてやるか)
提督「いいか、比叡」
比叡「はい?」
提督「恋愛というのはな、バーニングラブだ」
比叡「……はい?」
提督「よく金剛が言っているだろ、バァァニングラァァヴって」
比叡「は、はぁ……」
提督「当たって砕けろ、恋っていうのはな盲目になるくらいがちょうどいいんだよ」
比叡「恋は……盲目……」
提督「比叡は金剛が好きだろ? それはラブがバーニングしているからさ。そんな感じでその娘にもバーニングしろって伝えときな」
提督「あとやらずに後悔するよりやって後悔した方がいいに決まってるさ」
提督(まぁそのせいでフィギュアとかグッズとか買いまくって万年金欠なんですけど)
比叡「……そう、ですよね」
提督「ん?」
比叡「そうですよね! 恋は当たって砕けろ! 考える前にまず行動!」
提督「おう! なんだ、元気になったじゃないか!」
比叡「はい! じゃあ私手始めに霞さんから指輪をぶんどってきます!!」
提督「ん?」
比叡「私、まだ練度は九十五ですけど、先に指輪を嵌めてたっていいですよね!」
提督「まって? 話が見えないんだけど」
比叡「そうでした! 指輪を貰う前にこれ言っておかないと!」
比叡「司令! 私いつの間にか司令のこと大好きになってました! 私、今ラヴがバーニングしています!! それじゃあ行ってきますね!」ダダダダダ
提督「えっ、はっ? えっ? ……えっ??」
提督「……えっ……い、今のは一体なんだったんだ……?」
金剛「……ヤーーっと行きマシタか」
霧島「比叡お姉さま。素晴らしい告白でした」
榛名「頑張ってくださいね! 比叡お姉さまならきっと大丈夫です!」
提督「いたのか」
霧島「ええ、先ほどから」
金剛「ワタシのテイトクが奪われるのはちょーーーっト複雑デスけど……カワイイ妹の為デース」
榛名「提督は私たち艦娘のことをちゃんと考えてくれている素晴らしい方です。ですから比叡お姉さまを悲しませるようなことはしないって榛名、信じてます!」
霧島「……ですがもしも比叡お姉さまを泣かせるようなことがあったら」
三人「「「どうなるかわかってますね?」」」
提督「ヒェッ……」
提督(あの後金剛三姉妹に連れられて修羅場へと送り返されてしまった。……流石に戦艦三人に勝てる腕力はしていない)
提督(そして修羅場はいつの間にか――)
霞「――へぇ、とうとう戦艦まできたの」
叢雲「面白いじゃない。ここらでだれが一番なのか白黒つけとこうじゃないの」
大井「所詮は子どもの思考ね。いい加減にしたらどう?」
比叡「あれっ増えてる? ……でもいいです! 今の私はバーニングですから!!」
霞「暑っ苦しいわね! あとただでさえ狭い部屋で戦艦が艤装を展開しないでよ!」
提督(――地獄へと姿を変えていた)
提督(……もう、打ち明けるしか……ない……)
四人「「「「偽装結婚んんんん!?」」」」
提督「はい……」
提督(これ以上泥沼化したらより被害が拡大すると判断した俺は覚悟を決めて事の発端を四人へ説明した)
提督(親からのお見合いのこと、それを回避するためにわざと振られようとしていたこと……)
提督(流石に霞には断られるかと思った、とは言えなかったので単純にタイミングの問題とはぐらかしておいた)
霞「あっっっっっっっきれたわ!!」
叢雲「完全に同意ね。まさかそんなことでこんなに振り回されていたなんて」
提督「面目次第もない……」
大井「……まあでもいいじゃないですか」
提督「……大井?」
提督(……あれ、また目が墨汁みたいな……)
大井「提督はお母様にこういえばよろしいんです。『ちょっと火遊びが過ぎて全身ぼこぼこになったから今は女はいらない』って!!」
提督「うわーーっ! さ、酸素魚雷はやめろーーっ!」
比叡「お、大井さんそれぶち当てたらぼこぼこどころじゃ済まないですよー!!」
霞「気持ちはわかるけど落ち着きなさいったら!」
叢雲「流石にそれはやりすぎよ!!」
大井「離して!! 私はこんな男に惚れた過去を消して私も消えるんだからーー!!」
提督「し、沈むなんて言うな縁起でもない!!」
大井「じゃあケッコンしてくださいよ!」
提督「ま、まだ自分の趣味を一本化できそうにないから……」
大井「うわあああああああ!」
叢雲「アンタも少しくらい誤魔化しなさいよ!」
提督「い、いやここまで来たら下手に誤魔化した方がこじれそうだし……」
霞「ずる賢い癖に変なところでバカ真面目なんだからこのクズ!!」
比叡「でも私はそんな司令も好きです!!」
三人「「「あたし(私)もよ!!」」」
提督(ど、どうすりゃいいんだよもおおおおおお!!!)
大淀「お困りの様ですね提督」
提督「お、大淀! いつの間に!」
大淀「今さっきです。提督がケッコンカッコカリをしたと聞いて書類を整備してました」
提督「ああ、いや、その件なんだがな……」
大淀「?」
大淀「ははぁ。霞さんたちはケッコンしたいけれど、本妻を決めきれない。提督はそもそもケッコン自体をしたくない、と」
提督「そ、そういうことです……」
大淀「はぁ……。まず一つ目。霞さんたちへの間違いの訂正からです」
大淀「ケッコンカッコカリ制度に本妻側室の区別はありません」
提督・艦娘s「えっ」
大淀「当たり前でしょう。カッコカリ艦はカッコカリ艦として受理されます。表彰式とか出たい艦はでる、出たくない艦は別にでないで構いません」
叢雲「で、でも指輪のデザインが違うって!」
大淀「あれは多くの鎮守府に急ぎ指輪の配備が必要だったのでああなっただけで、そのあとデザインの変更はできますよ。まあ頻繁にはできませんけど」
大淀「大方適当に書類を流し見して分かった気になって、適当なことを言った上司がいたんでしょうね」ジーッ
提督「あ、あハハハハハ」メソラシ
大淀「次に提督へのご報告です」
提督「ん?」
大淀「このたび提督の艦隊指揮の手腕、功績が認められ勲章の贈呈、また昇格の話が来ております」
提督「おおっ!? まさかのいい知らせ!」
大淀「それに伴いまして、提督は来月頭にはこの鎮守府から大本営への異動となります」
提督「えっ?」
大淀「提督のご趣味である筋トレ映画アニメ鑑賞etc……やる暇がないくらいの充実した提督ライフが送れますよ」
大淀「よかったですね。出世コース間違いなしの栄転です」ニッコリ
提督「」
霞「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! こんなクズがそんな大本営なんかで働けるわけないじゃない!」
大淀「それを判断するのは私でも提督でも霞さんでもなく大本営なので」
叢雲「し、司令官がいなくなったら誰がこの艦隊を指揮するのよ!?」
大淀「大本営からくる新米提督さんですね。出世コースに乗った方の後釜に入るのも一度現地を経験しにくる出世コースさんです。世の中うまく回るものですね」
大井「私たちが新しく来た提督に従わなかった場合は?」
大淀「反乱の意思ありとして大本営命令で別の鎮守府から制圧されますね。ちなみにこの抜け殻になっている提督さんは反乱分子を生み出し指揮したとして処刑されるでしょう」
比叡「そ、そんな、どうにかできないんですか!?」
大淀「できますよ?」
提督「できるの!?」
大井「あ、復活した」
大淀「まあ提督は元から将来性を期待されていた士官学校卒じゃなくて徴兵あがりですからね。エリート思考な派閥からは反発もあるんです」
大淀「なので、提督がもし既にここの艦隊の艦娘とケッコンカッコカリしていたら向こうから『そっちにも生活があるだろう?』って言ってくるかもしれません」
大淀「ただ一人だけだと『その艦娘も一緒にどうだ』なんて言われかねませんからね。できればジュウコンでもしていたらほぼ間違いなくこの話はご破算になると思いますよ」
提督「………………」
大淀「さあ、どうしますか? 私個人としては今のこの鎮守府が居心地いいので好きなんですけれど」
提督「……」チラッ
霞「……」プイッ ミミマッカ
叢雲「……」フンッ カオマッカ
大井「……」ニコッ
比叡「よかったですね! 司令!!」ニコニコ
提督「………………ああ、そうだな…………」
提督「霞にケッコンを申し込んだら意外にも……以外にもOKを貰ってしまった……」
後日
ブロロロロ……
提督母「あら、立派な門構えねぇ。流石海を守る鎮守府だわ」
提督母(……あの子、しっかりやれているかしら。女性が多い職場みたいだけれど、あの子のことだしきっと自分の趣味に没頭しているはずよね……)
提督母(お見合い写真、よし。まあもしかしたら職場にいい人がいるかもしれないしこれは最終手段ね……あら?)
比叡「司令のお母様ですね? お待ちしておりました!」
提督母「これはこれはどうもご丁寧に……」
提督母(あらあらまあまあ美人さん。ちょっと童顔だけど可愛らしい人ね。こんな女性があの子のお嫁さんだったら……あら)
提督母「薬指、ご結婚されてるの?」
比叡「えっ、あ、はい! つい先日プロポーズの返事をいただきました!」
提督母「ま、まさか相手は」
比叡「はい! 司令です!」
提督母(まあまあまあまあまあ!! あの子もちゃんと身を固めてるじゃない!! 私が来るって言ったのが背中を押したのかしらね!)
提督母「不束な息子ですがどうぞよろしくお願いしますね」フカブカ
比叡「ひええ! こ、こちらこそ! 家事や洗濯は分担できていますから大丈夫です!」
提督母(……分担? あの子、そんなことできたかしら……)
大井「あら、お母様。もうこちらにいらっしゃっていたんですか? 比叡さんお出迎えありがとうございます」
比叡「いえいえ大井さんは今日出撃だったので大丈夫ですよ! お嫁さん同士助け合わないと」
大井「お、お嫁さん……うふふふふ」
提督母(大井と呼ばれたこの方も薬指に指輪……分担ってまさか……)
提督母「お、大井さん? 失礼ですけどあなたも……」
大井「はい、先日提督からプロポーズの返事をいただきました」
提督母(や、やっぱり戦場に身を置く状況だと一夫多妻は常識なのかしら……!)
大井「執務室はこちらです」
比叡「司令、お母様がお見えです! 入りますよー」
霞「コラ! だからここは正規空母じゃなくて軽空母にしなさいったら! ウチの備蓄わかってんの!?」
叢雲「この前の資料のまとめが終わったわよ。こっちがアンタの承認がいるヤツね」
提督「くそったれ大淀の奴どっちにしろ仕事量増えたじゃねえか!!」
霞叢雲「「口より手を動かす!!」」
提督「はい!!」
提督母(息子が小学校高学年生くらいの女の子に怒られてる……)
比叡「あら~また司令怒られてますね」
大井「昇進蹴ってまで現場に残る実力派って噂が立って、いろんな鎮守府から演習の申し込みや新海域の一番槍に挙げられているんですって」
霞「あら、比叡さんその方は?」
大井「提督のお義母様ですよ。少々休憩にしたらどうです?」
提督「お? 母さん、いつの間に」
叢雲「まったく。お待たせしてごめんなさいねお義母様。今お茶を用意させていただくわ」
提督母「あら、小さいのに気立てがいいのねぇ……」
提督「母さん、艦娘はあんまり見た目で判断しない方がいいよ。霞も叢雲もこんなナリしてるけど一番コワ――」
霞叢雲「「一番、なにかしら?」」
提督「一番頼りになるんだ! 夜戦とか敵艦バンバン轟沈させるんだぜ!!」
提督母「へえ、そうなの……ん?」
提督母(このふたり……指輪が……)
提督母「ね、ねえ。あなたもしかしてこの娘たちとも、その、結婚、しているの……?」
提督「……あーーーー、うん。まあ、そんな感じ……」
提督母「ほ、法律とか大丈夫なの!? お母さん、自分の息子が未成年淫行で捕まるのは嫌よ!?」
提督「だから艦娘は見た目で判断するなって!! 大丈夫だって、これでも一応霞と叢雲はもう子どもが……あっ」
提督母「えっ」
大井「は?」
霞「ウソ、アンタも?」
叢雲「……嫌な偶然ね」
比叡「わー! おめでとうございます!!」
青葉「話は聞かせていただきました!! 記事にします!!」
提督「やめろ青葉ァ!! あっ母さん震えながら父さんに電話しないで! 『息子が犯罪者に』? なってない! なってないからぁ!!」
完!
少ししてからHTML依頼します
感想とか書いてくれると個人的には絶頂するくらい嬉しいです
うれしい……うれしい……(ニチニチ)
21:30までには依頼出すのでそれまで感想あったらよろしくおねがいします(欲張り)
コレ後日談とかいります?
いるんだったらリクエスト受け付けます
投稿は明日とか人あると思いますけど
「意外にも、以外にも」ってのが洒落てて感心した
よっしゃ書いたろ!
確認したらもうすでに森きのこがまとめてあって笑った仕事はええなああそこ。書いたら更新するんだろうか。
>>66
そこ個人的に上手いなって思ったからうれしい!!
【デート】
提督(四人とケッコンをしてからしばらくはいろいろな仕事が舞い込んでてんてこ舞いだった我が鎮守府だったが)
提督(ようやく仕事の波も治まり、少しは自分の趣味の時間が取れるくらいには落ち着いてきた)
提督(しかし平穏はいつだって唐突に終わりを告げる)
青葉「そういえば司令官はデートとかやらないんですか?」
提督(食堂で青葉の放ったこの一言が俺と四人の手を止めた)
大井「……そういえば仕事ばっかりして、その、ふ、夫婦らしいことはやれていませんでしたね」
比叡「で、デートですか……ヒェー……」マッカ
霞「というかまだコイツからまともに好きだって言われたこともないんだけど」
提督「ま、まて! ちゃんと夜とかに言ってはいるだろう!」
叢雲「そんなのノーカンよノーカン! というかそんなこと大声で言うな!」
提督(というワケで俺と誰かひとり、残りの三人は邪魔をしないように俺の代わりに仕事を消化すると言うことで後日デートをすることになったのだ)
比叡の場合
提督(デートと言っても鎮守府の外に出るわけじゃない。だから見知った場所を二人で回るだけなのだが……)
比叡「~~♪」
提督「……楽しそうだな、比叡」
比叡「はい! 司令が隣にいてくれていますから!」
提督「そ、そうか……」
提督(なんでコイツこんなこっぱずかしいことを満面の笑みで言えるんだ!?)
提督「手、握っているけど痛くないか?」
比叡「はい! 司令の手、あったかくて私、とっても幸せです!」
提督(……なんか、ここまで喜んでくれていると恥ずかしがっているのが失礼なようにも思える)
提督(久々の休みだ、俺も思いっきり楽しむかな)
ギュッ
比叡「!」
比叡(……えへへ///)
――――
青葉「……」コソコソ
青葉(ふふーん、そろそろ司令官と比叡さんがこのルートを通るはずです! そこでこっそり一枚パシャッと撮って、二人の会話でもこっそり取材しちゃいましょう!)
青葉「明日の一面は決まりですね……フガッ!」
榛名「不届きもの一名確保です!」
霧島「私の計算通りでしたね。さあ比叡お姉さまの邪魔はさせませんよ」
金剛「人の恋路を邪魔する輩は馬のドロップキックの餌食デース!」
青葉「な、何故ここに!?」
霧島「貴女がただであんなアドバイスをするとは思えませんからね。大方二人の会話を盗み聴きして新聞のネタにしようとしていたんでしょう」
青葉(しっかりばれてる!)
榛名「せっかくの水入らずな空間に入り込むのは大丈夫じゃありません!」
金剛「さーてそれじゃあワタシたちも邪魔にならないようにgo back home!」
――――
提督「比叡、ちょっと休憩しようか」
比叡「はい!」
提督(結局俺たちが向かった先はあの海が見えるベンチだった)
提督(手をつないだまま二人でぼーっと海を眺める。日の光と潮風がきもちがいい)
提督「あのさ、比叡」
比叡「はい! なんでしょう?」
提督「ありがとな、俺のことを好きになってくれて」
比叡「い、いえそんなこと……」テレテレ
提督「あのさ、失礼な話かもしれないけど俺今まで全然ケッコンとか誰かと付き合うってことを考えたことなかったからさ」
提督「正直な話、まだ比叡のことを堂々と好きだって言える資格はないんだ」
比叡「司令……」
提督「……ごめんな比叡、せっかくのデートなのにこんなこと言っちゃって……!?」
提督(比叡が俺の前に来たかと思うと瞬間、俺たちの距離はゼロになった)
提督(何秒間だったかもしれないし、何分間だったかもしれない。ただ突然のことに俺は目を白黒するだけだった)
提督「ひ、比叡!?」
比叡「……大丈夫です!」
提督「何が!?」
比叡「私頑張りますから!」
比叡「司令が心の底から私のことを大好きだって胸を張って言えるように、私の魅力をどんどん知ってもらいますから!」
比叡「お料理とか、お掃除とか、その、子供も!」
比叡「ですから、そんなこと心配しなくて大丈夫です!!」
提督「比叡……」
比叡「貴方に私のことをいつか絶対に、絶対に好きになってもらいますからね!!」
比叡のド直球告白好き
次は大井編になります
鳥一応つけておきますね
ケチつけるわけじゃないけど金剛等が諦め気味なのが不思議
一人に絞ったのならわかるけど普通に重婚だからなおさら
大井の場合
提督(大井とケッコンして一つ分かったことがある)
提督「……」
大井「~~♪」
提督(大井はかなり独占欲が強い)
提督(以前は北上だけに向けられているものだと思っていたが、そうではなく大井が好きだと思っている者すべてに向けられるみたいだ)
提督「なあ大井」
大井「なんですか?」
提督「その、どっかに遊びに行かなくてもいいのか? まぁ鎮守府の外に出られるわけじゃないけど……」
大井「はい! 私はこうやって提督と二人でいるだけで幸せですから」
提督(……そう言って大井は俺の部屋でかれこれ二時間は俺の腕に抱き着いている)
大井「この部屋から出ると他の人が提督を見るでしょう? ですから、この部屋で二人っきりでいることがデートでいいんです」
提督(というのが大井の談だ。まあ俺も特に行きたいところがあるわけじゃないからいいんだけど)
提督(ただ……)
提督「……ふぁ……」
大井「まあ大きな欠伸。眠いんですか?」
提督「あ? ああ、まあずっとここにいるだけだからな……。落ち着くし……けど大井がいるし寝ないよ」
大井「うふふ、我慢しないでいいんですよ? ほら、ここに頭を乗せて」ヒザポンポン
提督(大井が……膝枕をしてくれる……だと……!?)
提督「あぁ……なんというか……気持ちがいいな……」
大井「さあ提督。ゆっくり目を閉じてください……。大丈夫です、私はここにいますから」
提督(……ああぁ……大井が頭を撫でてくれてる……睡魔が……あらがえん……)
提督「すまんな、大井……ちょこっとだけ……寝かせてくれ……」
大井「はい、いい時間になったらちゃーんと起こしますね」
提督「ありが……とう……」
提督「………………」スヤァ
大井「……」ナデナデ
大井(提督が私の膝の上で何の警戒もせずに寝ている)
大井(それだけで私の胸の中の何かが満たされていくのを感じる)
大井(できればこの顔を一人で見たかった)
大井(笑った顔も、怒った顔も、泣いている顔も全部私だけが知りたかった)
大井(でもダメ。わかってる。今の状況が一番ベスト。これ以上を望んだらきっと私はこの人を失うことになる)
大井(だってこの人は私のことをまだ好きではないのだもの)
大井(私がこの鎮守府に着任した時にはもう北上さんが着任していて、既に雷巡に改装されていた)
大井(そんな北上さんに追いつきたくて、無茶な出撃を何度も繰り返して、轟沈寸前になって帰ってきたときにこの人は泣きながら私を怒った)
大井(どうせ私たち艦娘のことなんて他の提督たちと同じ様に戦力とでしか見ていないのだろうと思っていた私に、この人は私個人を見てくれていた)
大井(それまでくだらない人と思っていたけれど、よく観察してみると彼はここにいる艦娘一人一人をよく把握し、接していた)
大井(それが、たったそれだけのことが私はとっても嬉しくて、でも私一人をもっともっともっと見てほしくて)
大井「だから、私のことをもっと見ていてください。貴方の傍にいる大井は他の娘とは一味もふた味も違うんですから」
大井(そして、いつの日か提督も私だけを見てくださいね……♥)
大井(あ、はやく提督とキスをして子供も作らなくちゃ)
今夜はここまでにしとうございまする
>>82
まだ諦めてはいないけれど、提督と同じくらい大切な妹(姉)の新婚生活は邪魔しないって感じです(金剛姉妹は仲良し)
だからおそらくある程度時間が立ったら以前よりも激しいアプローチが提督を待っていることを彼はまだしらない……
ギリヤンデレに足突っ込みそうな独占欲が強い大井っち好き
ちなみに大井っちの理想の家庭は提督と自分と北上さんの三人で一つ屋根の下で暮らすことです
乙女思考大井っち大好き
叢雲と霞一気に投下します
叢雲の場合
提督(叢雲が指定してきたデート場所は執務室だった)
提督(執務室にいた他の3人は他の部屋で仕事をしてくれている)
叢雲「やっぱり何だかんだここが一番落ち着くのよね」
提督「お前とはここがまだダンボールの机だった頃からの付き合いだからな」
叢雲「懐かしいわね……あの頃は資材も経験も何にもなくて……鎮守府近海の領海ですら戦々恐々出撃していって」
提督「お前最初は1人で出撃してったっけなぁ」
叢雲「それはアンタが建造のこと知らなかったからでしょうが!!」
提督「……なんか、まだ実感わかないなぁ……」
叢雲「それは私とケッコンしたこと? それとも子どもができたこと?」
提督「どっちもだよ。……子どもの方は大丈夫なのか?」
叢雲「ええ、霞も私も出撃こそできないけどまだ身重って程じゃないわよ。他の駆逐艦の育成に私たちが抜けてちょうどよかったんじゃない?」
提督「まあ見方によってはそうかもな……。個人的にはお前らがいてくれた方が安心できるんだけど」
叢雲「ふふっ、大丈夫よ。他の娘たちも十分強くなってきてる……。司令官、アンタのおかげよ」
提督「そう面と向かって褒められると照れるな……」
提督(叢雲は嬉しそうにソファに座って思い出話に花を咲かせている)
提督(その横顔がとても綺麗で……やっぱり俺がこんな娘とケッコンできたってことが自分が一番信じられない)
提督「叢雲、お茶でも飲むか?」
叢雲「あら、司令官が淹れてくれるの? 頂くわ」
提督(コポコポと慣れない手つきでお茶を淹れて、俺は叢雲の正面に座る)
叢雲「……ねえ司令官。私がいつ司令官を好きになったと思う?」
提督「えっ? ……そうだな……あれか? 沖ノ島海域を突破した時!! あれは今でも覚えているぞ、お前と霞、利根に長門や龍驤加賀の当時の最高戦力を何度も投入してなんとかクリアしたからな!」
提督(霞や長門たちと何度も頭を突き合わせてトライアンドエラーで作戦を練りに練った海域だ……だが叢雲はふるふると首を横に振る)
提督(その後いくつか思い出深い作戦を挙げてみたが、どれも不発。それじゃあと思い当たる日常の一コマを言ってみたがどれも違った)
提督「ん~~~わからん! 降参だ!」
叢雲「ふふっ、画面の向こうしかしてない司令官様には女心はちょっと難しかったかしら?」
提督「くっ……語弊を感じる言い方だがぐうの音も出ない……!」
提督「それで、いつなんだ? お前が俺に惚れたのは」
提督(叢雲はお茶を一口飲むと、大事そうに、大事そうにその言葉を言った)
叢雲「一目惚れよ、司令官。私あなたに初めて会った時にあなたのことを好きになったの」
提督「……マジ?」
叢雲「マジよマジ。大マジ。……私だって驚いたんだから」
叢雲「新しい鎮守府に新しい司令官がくるーって聞かされてここに着任して。ドアを開けたら司令官がいて、全然タイプじゃないし、髪の毛はボサボサだし服にはシワが寄っているのに……私あなたにやられたんだから」
提督「……全然気がつかなかった」
叢雲「これでもちょっとずつアピールしてたのよ? 長い髪が好きだって言うから後ろで髪を結ばなかったり、司令官がいい香りって言ってくれたシャンプーをずっと使ってたり」
提督(叢雲は優しい目で俺に気持ちを伝えてくれた。……それはこの鎮守府が動き出してからの歴史に等しいものだ)
叢雲「だからね、司令官。私嬉しいの」
提督「え?」
叢雲「ずーーーっと好きだった人と結ばれて、お腹にはその好きな人との大切なものまでできて……私今が一番幸せで……きっと明日は今日よりも幸せだわ」
提督「叢雲……」
叢雲「だからね、司令官。いつか司令官を私の気持ちで絶対に落とすから」
叢雲「それがどんなに未来でも、幸せの先にあなたが私に好きだって言ってくれる幸せがあると思うとたまらない!」
提督「あぁ……正直今の告白でクラっときちゃってるよ、俺」
叢雲「ふふっ、まだまだこんなもんじゃないんだから覚悟しなさい」
叢雲「私、結構しつこいのよ……え? 知ってる? ……もう! 変なことばかり知ってるんだから!」
霞の場合
提督「……美味い」
霞「そ、お口にあったようで何よりだわ」
提督「いや、かなり俺好みの味付けだよこの鯛の煮付け……正直驚いてる」
霞「……褒めたって何も出ないわよ」
提督「純粋な感想だよ」
霞「……ふんっ!」
提督(そっぽ向いてるけど耳赤くなってる……)
提督(霞とのデート先は鎮守府内の食堂)
提督(お昼よりちょっと前だからまだ他の娘があまりきておらず、厨房の邪魔にならない時間帯だ)
提督(そこで俺は初めて霞の手料理である鯛の煮付けに舌鼓を打ちまくっていた)
霞「ほら、感想はいいから食べちゃいなさい」
提督「ああ、そうするよ……あ」
霞「? どうしたのよ、いきなり変な声出して」
提督「なあ霞……一回でいいからさ、俺にあーんしてくれないか?」
霞「は、はぁ!?」
霞「そ、そんな恥ずかしいことこんなところでできるわけないじゃない! 惚け過ぎよクズ提督!」
提督「いやほら、これって初めての霞の手料理じゃん? ちょっと特別なことしてみたいなーって」
霞「~~~~!」
提督(顔真っ赤にして口パクパクさせてる霞……初めてみる表情だ)
提督(ちょっとからかってやろう、ってぐらいの気持ちだったが、こんなレアな表情見れたら満足満足)
提督(まあ食堂には少ないとはいえ他の娘もいるし流石に俺も恥ずかし――)
霞「…………い、いいわよ……」
提督「へ?」
霞「やってあげるって言ってんの!! ちゃんと聞いてなさいよこのバカ!!」
提督(えええええええええ!!)
提督(霞は顔を紅く染めながらばっと俺の手から箸を奪い、鯛の身を取る)
霞「は、はい……あ、あーん……」
提督(恥ずかしさでぷるぷる震えながら霞は俺に箸を差し出した)
提督(……え? いいの? いや、ここまできたら食うしかなくない??)
提督(食堂にいた娘からぴょーーんとかでちでちでち!! とかカシャカシャ音がってお前撮ってんじゃねえぞ青葉ァ!)
霞「は、はやく食べなさいよ……!」
提督「あ、あぁ……」
提督(パクリ、と鯛の身を食べると一際大きい黄色い声が上がる……)
提督(自分で言っておいて恥ずかしすぎて堪らんな……味もわからん……)
提督「あーー……っと、その、霞」
霞「……なによ、この惚気提督」
提督「……すまんな、言い出しておいてなんだが……その、恥ずかしい思いさせちゃって……!?」
提督(瞬間、霞の目が俺の目の前に。距離はおよそ0mm)
提督(多分2回目のキスは鯛の煮付けの味だ)
提督「か、霞!?」
霞「~~~っ! なによこのクズ!! 簡単に謝らないでよ!! 私はアンタのつ、つつ妻なんだから! あーんくらいしてあげるわよ!」
提督「か、霞……」
霞「それとも何!? アンタは周りが恥ずかしくて嬉しくなかったっての!?」
提督「そ、そんなことない!! 霞にあーんしてもらって嬉しかったさ!!」
霞「なら、簡単に謝らないでよ……! 私、伝えるのが下手かもしれないけど、アンタのこと、アンタのこと……ッ!」
提督(霞は、目尻に涙を浮かべていた)
霞「私のこの気持ちに、謝らないでよ……っ!」
提督(気がつけば俺は霞を抱きしめていた。周りの声はもう聞こえない)
提督「……ごめんな霞。俺もそういうのは慣れてないからさ、気づけなかった」
霞「……知ってるわよ……どれだけ一緒にいたと思ってんのよ……」
提督「だからさ、これからもずっと一緒にいて……俺にどんどん教えてくれよ。あの初めの頃みたいに」
提督(あぁ、なんで俺忘れてたんだろ……。なんで俺霞に嫌われてるだなんて思ってたんだろ)
霞「……私、口悪いわよ。それでも嫌いにならない?」
提督「なに言ってんだよ、俺が霞のことを嫌いになるわけないじゃないか」
霞『……なに惚けてるのよ。アンタの立てた作戦の勝利よ……お疲れ様』
霞『アンタはこの鎮守府のトップなの。もっと自信を持ちなさいな! 大丈夫よ、私が保証するわ』
霞『……あっ、その手があったわね……。なかなかわかってきたんじゃない。……ふふっ』
霞『こんな夜遅くまでやってるの? ……はい、コーヒー。体壊したら本末転倒なんだから、休める時くらいちゃんと休みなさい』
霞『……なんで髪を下ろしているのかって? ……イメチェンよ、イメチェン。え? 俺のロングヘアー女子特集の雑誌? し、知らないったら!』
提督「霞」
霞「……なによ」
提督「俺、霞のこと好きだ。多分何されても何言われても、俺は霞のこと好きでい続けられるって今思った」
霞「は、は、はぁ!? きゅ、急になにを……んっ!」
提督「………………」
霞「………………!!!」
提督「………………っは」
霞「あ、あん……き、キス……!」
提督「………色々順番おかしいけどさ、俺既に他に3人もお嫁さんいるけどさ」
提督(一息)
提督「霞、好きだ。愛してる。これからもずっと俺と一緒にいてくれ」
提督(きっとこれが、今の俺の素直な気持ちだ)
霞「……もうっ!」
霞「遅いのよ! このクズ!! …………ふふっ」
これにてこのSSは完結です。
長い間ご一緒してくださってありがとうございました。
スレタイ通り霞SSなので霞ENDです。霞の普段しっかりしているのに割とテンパったらわちゃわちゃしちゃうの好き。
あと叢雲の幼馴染感も好き。
多分ぼのたんとみっちーは食堂の出来事を新聞で知って後日2人で提督の部屋に突入するはずです。して欲しい。
でもこれ以上書くと蛇足になりそうなのでご想像にお任せしたいと思います。
またいずれ他のSSを書いた時は是非よろしくお願いします。
しばらくしてから依頼だすのでそれまでF5連打しまくって感想待っています
よろしくおねがいします!!!!(今日一番の大声)
ちなみに初期艦は叢雲で一番練度高いのも叢雲です。次に霞が高いです。ぼの、みっちーと続いて利根がいます(のじゃ)
このSSまとめへのコメント
良い。