天草シノ「なんか津田のホワイトデーが過激なんだが」 (45)


――ホワイトデー前の休日 津田宅

 津田(そろそろホワイトデーか)

 津田(前は魚見姉さんとばったり会って、一緒に探したけど)

 津田(今年はどうしようか)

 津田(そういや、何気に……えーと、生徒会3人、一応横島先生、三葉に轟さん、魚見姉さんに森さん……一応コトミもか)

 津田(9人か……出費も馬鹿にできないよなぁ)

 津田(そりゃもちろん、ありがたいことではあるんだけど)

 津田(出費が抑えられるに越したことは無いし)

 津田(…………)

 津田「あ、そうだ」

 津田「なんか簡単に作れるものないかな」


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生徒会役員共のSSです

スズちゃんかわいい

去年完結したバレンタインの続き ではないです

どうにか間に合った

スズちゃんかわいい


 津田「パソコンで、えーと」カタカタ

 津田「あ、これなんか簡単そうかな」

 津田「うん、うん……できるかも。あー、型がいるのか」

 津田「うちにあったかな」

――キッチン

ガチャ ゴソゴソ

 津田「えーと、この引き出しとかか?」ガラッ

 津田「お、それっぽいのある」

 津田「星とかハートとか。うん、悪くないな」

 津田「ん? これは……」カパ

 津田「アルファベット型か。あっ、これいいじゃん」


ヒョコ

コトミ「タカ兄ー? なにしてんの?」

 津田「ああほら、ホワイトデー近いだろ。今年は人数も多いしさ」

コトミ「えっ、なになに、もしかして何か作るの?」

 津田「うん、クッキーつくろうかと。初心者でも簡単みたいだし」

コトミ「おおっ、手作りクッキー?」

 津田「そういうこと。ついでにこんなの見つけた」ジャラジャラ

コトミ「アルファベットのクッキー型?」

 津田「これでみんなの名前作って渡せば、なんかそれっぽい感じでるだろ?」

コトミ「おおー、いいね、タカ兄にしてはいいチョイス」

 津田「にしてはって……」


コトミ「でも、文字数の違いで不公平感でない?」

 津田「お前結構、目ざといというかちゃっかりしてるな」

コトミ「えーでもだって、例えばスズ先輩は4文字になるでしょ」

 津田「うん」

コトミ「それで、部長ってムツミって名前だから、えーと、7文字使うじゃん」

 津田(部長って三葉か。こいつ柔道部のマネージャーはじめたしな)

 津田「まあそうなるよな」

コトミ「倍近い差があるよ」

 津田「確かになあ。あ、じゃあ三葉の7文字を基準にして、足りない人には他の型で枚数揃えよう」

コトミ「あ、それいいかも」

 津田「だろ」

コトミ「やっぱり全員を等しく相手してこそ、ハーレム主人公ってやつだよね」

 津田「なった覚えはねえよ?」

コトミ「えっ」

 津田「えっ」


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 津田「小麦粉、卵、バター、砂糖……だけか。やっぱり初心者向けなだけある」

 津田「バターとかして」チン「砂糖と混ぜて」サラサラサラ

 津田「卵溶いて混ぜて」チャッチャッ トロー「小麦粉振るって混ぜて」シャカシャカシャカ グニッグニッ

 津田「ラップに包んで伸ばして冷蔵庫で休ませる」

 津田「型抜きして、オーブンで焼く」

 津田「ふーっ、時間はかかるけど、これならオレでもできる」

 津田「あ、渡すのにそのままなのは、ちょっと良くないか」

 津田「あとでラッピング材買ってこよう」

 津田「さて……なんか思ってた以上に生地が余っちゃったな」

ヒョコ

コトミ「いい匂いしてるー」

 津田「ああ、いま焼いてる」

コトミ「ふんふん。あれ、生地余ってるの?」

 津田「結構余った。追加で焼いて、うちで食べるか。あっ、コトミの分型抜きしてなかったな」

コトミ「えーっ」

 津田「ごめんごめん。でもこの残り使えば十分あるって」

コトミ「ならいいけど…… ……ねえタカ兄、この生地もらっていい?」


 津田「残り自分で焼くの?」

コトミ「うん」

 津田「なら、まあいいか」

コトミ「やった!」

 津田「焼くのも手間かかるしな」

コトミ「私も友チョコでもらった分、お返ししないとねー」

 津田「本当に抜け目ないのなお前」

ピー

 津田「お、焼けたかな」

コトミ「どれどれ?」

ガチャ

 津田「おー、いい感じだ」

コトミ「上手くいったね」

 津田「じゃあこれ移して冷ましておくから、あとは好きに使ってくれ」

コトミ「はーい。うーん、バターのいい香り」スンスン

 津田「あまり顔近づけるなよ」

コトミ「ふんふん」スンスン

 津田「おい」

コトミ「いいにおいー」スンスン

 津田「オレの股間の近くで言うな!」


コトミ「わー、いろんな型がある」

 津田「じゃあオレ、ラッピング材買ってくるから」

コトミ「はーい。あ、オーブンでどれくらい焼くの?」

 津田「170度で20分」

コトミ「ありがとー」

 津田「じゃあ行ってきます」

コトミ「行ってらっしゃーい」

バタン

コトミ「よーし、いろいろ型抜いてみようっと」

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ピー

コトミ「ふんふふーん、大量大量」

ガチャ

コトミ「あれ、でもなんか色が薄い? 温度低かったのかな」

コトミ「じゃあもう少しだけ追加で」

ピッピッ

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ピー ガチャ

コトミ「お、いい感じ?」

コトミ「ありゃー、少し焼き過ぎた? でもまあ、使い込んでない乳首くらいだから大丈夫だよね」

 津田「何言ってんだお前」


コトミ「あ、タカ兄おかえりー」

 津田「ただいま。できたか?」

コトミ「みてみて、わりといい感じだよ」

 津田「おー、しっかり焼けてていいじゃん」

コトミ「そういや最初タカ兄に教えてもらった時間だと足りなかったよ?」

 津田「え、でもオレのクッキーはその設定で焼いたよ」

コトミ「あれー?」

 津田「予熱しなかったんじゃないか」

コトミ「あっ、それか」

 津田「なんかいろいろ型抜きしたんだな」

コトミ「タカ兄の(生地)抜いちゃいました」

 津田「言い回しが変わった気がするが気づかなかったことにする」


 津田「冷ましたらそれぞれの文字を袋詰めして、と」ガサガサ

 津田「付箋貼っておけば、誰のか分かりやすいよな」ペタペタ

 津田「よーしできた」

コトミ「おつかれー」

 津田「あとは封をして冷蔵庫にいれて、ホワイトデーまで待つだけだな」

コトミ「ふんふん」

 津田「の前にちょっとトイレ行ってくる」

コトミ「付き添う?」

 津田「何故だ。いや言わなくていい来なくていい」


コトミ「さて、それじゃあ私のクッキーも袋に入れておこうかなー」

コトミ「えーと、ビニールはー」ゴソゴソ

ゴン パタパタパタ

コトミ「あたっ、テーブルぶつかっちゃった」

コトミ「ん、これが丁度良さそう」

ガッ ザラザラッ

コトミ「おっと、立ち上がるときに引っ掛けちゃっ……」

コトミ「…………」

コトミ「なんで中身が出て私のクッキーと混ざっちゃってるのっ!?」

    ジャー>

コトミ「ハッ!? タカ兄が水流した? 小だったか!」

コトミ「なんてことやってる場合じゃない! えーと、会長、七条先輩、スズ先輩、部長、お姉ちゃん……あれっ、横島先生って書いてあるけど、名前なんだっけ」

    ト ト トン トン>

コトミ「足音近づいてくる! ええい、近くのクッキー集めれば大丈夫だよね!」

ザラッ ザラッ ザラッ

ガチャ

コトミ(セーフ……)

 津田「どうかした?」

コトミ「いや、なんも? それよりタカ兄、手洗った?」

 津田「そりゃ洗ったよ」

コトミ「えー、洗わない方がっていう女子もいたかもしれないのに」

 津田「そんな女子はいない。……たぶん」


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――ホワイトデー当日 津田宅

ウオミ「2人ともー。お弁当はこれですよ」

 津田「ありがとうございます、姉さん」

コトミ「ありがとー、前日泊りに来て家事をしてくれた魚見お姉ちゃん」

ウオミ「いえいえ」

 津田「何だいまの説明」

コトミ「いえいえ」

 津田「ああそうだ。学校に行く前に渡しておきますね」

ウオミ「あら、なんでしょう」

 津田「3月14日ですので……」ガサガサ

 津田「はい、バレンタインのお返しです」

ウオミ「あらまあ。これ、クッキー?」

 津田「はい」

コトミ「タカ兄手作りだよー」

ウオミ「タカくん、お菓子つくれたんだ」

 津田「レシピ通りでしたけど、どうにかできました。どうぞ」

ウオミ「ありがとう。うふふ、これは嬉しいですね。毛とかはいってる?」

 津田「入れてません」

ウオミ「じゃあせいえk」

 津田「口に入る物しかいれてません!」

ウオミ「やっぱり入ってるんですね」

 津田「あんたの基準なんなんだ!」


 津田「あと、こちらも」

ウオミ「あら、同じ包み?」

 津田「ええ、森さんにお願いできますか」

ウオミ「そういうことですね。了解です」

 津田「そうそう、言い忘れてましたけど、クッキーはアルファベットで、皆の名前を組み合わせました」

ウオミ「ふふ、嬉しい心遣いですね」

 津田「あっ、魚見姉さん、普通にUOMIで作っちゃったな。森さんも」

ウオミ「チヒロとノゾミ、とはなってないんですか」

 津田「いやその、すいません。字数が多い人に合わせて、足りない分は別の型のクッキーを入れてるんですが」

ウオミ「なるほど。じゃあ名前の方は、来年かしらね」

 津田「えっ、あ……はい、善処します」

ウオミ「さ、2人とも。あまりのんびりできないですよ」

 津田「おっと」

ピンポーン

コトミ「あ、スズ先輩来たよー」

 津田「はいよー。それじゃあいってきます」

コトミ「いってきまーす」

ウオミ「いってらしゃい」

ウオミ「さ、私も出なきゃ」


――通学路

 津田「というわけで、週末は初めてクッキー作ってみたよ」

 スズ「へー、あんたがね。ちょっと意外だわ」

コトミ「私も助言しましたー」

 津田「教室着いたら渡すね」

 スズ「別にいまでも、どこでもいいけど……」

コトミ「スズ先輩、だいたーん」

 スズ「は?」

コトミ「いつでもどこでも何度でもなんて!」

 スズ「あんたの妹耳鼻科行かせた方がいいんじゃない」

 津田「もう匙を投げられてると思う」


――教室

 津田「萩村、はいこれ」

 スズ「う、うん。ありがと……」

 津田「あ、轟さん。これ、バレンタインのお返しです」

 ネネ「わー、ありがとう。これクッキー?」

 津田「ええ。三葉にも」

ムツミ「あ、ありがとっタカトシ君!」

 津田「うちにアルファベットの型があってさ、それでみんなの名前組み合わせてあるんだ」

 ネネ「へー、いいねそれ」

ムツミ「大切にするね!」

 津田「いや、早めに食べた方がいいと思う」

 ネネ「毛とか液とか入ってたりする?」

 津田「なんでそれを平気な顔して聞いてくるの?」


――職員室

 津田「というわけで。バレンタイン頂きましたので、一応お返しです」

ナルコ「一応か」

 津田「ええ、一応」

ナルコ「ま、サンキュー。ところで精液入れてくれた?」

 津田「あんたもか! しかもなんで期待してる感じ!?」


――放課後 生徒会室

 津田「と、いうわけで。ホワイトデーですので、こちらをどうぞ」

 シノ「おお、ありがとう」

アリア「ありがとう、津田くん」

 シノ「しかし津田が手作りとはな」

 スズ「私もちょっと驚きでした」

アリア「ほらでも、津田くんお返しする女の子多いじゃない? そういう選択肢もありだと思うわ」

シノスズ「「ほう」」

 津田「えっ、なんで睨まれてるんですオレ」

 シノ「ところで」

 津田「変なものは入れてません!」

 シノ「な、なんだ急に。食べてもいいのか聞こうとしただけだぞ」

 津田「しまった、フライングツッコミした!」

 津田「いえその、ここまで大体そんな質問されたんで……どうぞ、食べてください」

アリア「お茶淹れましょうね」

 スズ「いいですね、手伝います」


ガサガサ

 シノ「どれどれ。ほう、アルファベット型か」

 津田「ええ、それで皆さんの名前を」

 シノ「なるほどな」

アリア「あ、私も見たーい」

 スズ「私もまだ開けてなかったわね」

ガサガサ

 シノ「ん」

 シノ「『O』『N』」

アリア「SHINOのNOね」

 シノ「『A』?」

 津田「え?」

 シノ「『H』」

 津田「はい」

 シノ「『O』」

 津田「…………」

 シノ「…………」

アリア「…………」

 スズ「…………」

 シノ「オナホ?」

 津田「いやいやいやいやいやいやいやいや!」


 シノ「き、君はつまり、私のことをそう呼んでいるということか……?」

 津田「違います違います! ちゃんと入れました! 入れたはず、なんですが……!」

 シノ「大胆というかなんというか。だがこれは、ちょっと過激すぎる告白だな……」

 津田「人の話、話を聞いてー!」

アリア「私はー」

アリア「『A』がふたつ」

 スズ「ARIAですもんね」

アリア「『N』、『L』」

 津田「ええっ!?」

アリア「むしろこれは……ANALってこと?」

 津田「違います、そんな覚えありません!」

アリア「やっぱりそう思われているってことかなぁ。心当たりはあるし」

 シノ「津田……」ジト

 津田「ち、ちが……は、萩村は!?」

 スズ「えーと……『S』」

 津田「うん」

 スズ「『E』『X』」

 全員「「「「…………」」」」

 スズ「津田ァ!」

 津田「なんでそーなってる!!??」


 シノ「大胆というか……ちょっとこれはセクハラ案件だぞ」

 津田「誤解です! いれた覚えないです!」

シノスズ「「…………」」ジトー アリア「あらー」

 津田(なにがどうしてこうなってるんだ……)

バタンッ

ナルコ「ちょっと津田っ!」

 津田「わあっ、よ、横島先生!?」

 シノ「先生、何か」

ナルコ「なにもこうも、これどういう意味かしら?」

 津田「えっ」

ナルコ「『M』『A』『N』『K』『O』って!!」

津田シノスズ「「「ブーッ!」」」 アリア「わおー」

 津田「知らないです! NARUKOって確かに入れたはずなんです!」

ナルコ「そう思ってくれてたならさっさと性春ノンフィクションで良かったのに!」

 津田「この人だけベクトル違うー!」


 シノ「さて、どういうことか説明してもらおうか、津田」

 津田(正座)「どうもこうも、全く身に覚えがありません……」

 シノ「だが実際にクッキーはこの通りだぞ」

 津田「それはそうなんですが……で、でも信じてください。オレはこういうことやりません……」

 シノ「ふむ……確かに、津田のやることとは思えないな」

 津田「か、会長……」

アリア「そうだね。津田くんがこんなセクハラするとも思えないし」

 スズ「確かに。津田がこんな手の込んだ悪戯をするとは」

 津田「み、みんな……」

ナルコ「私は構わないけど」

 津田「横島先生、ちょっと静かに」

 シノ「君が作って君が全部袋詰めしたんだよな」

 津田「それは、確かにそうです……」

 スズ「その時点で間違っていたか、誰かが介在したか」

 シノ「だがこのスペル間、違いは」

 津田「不自然なところに区切りつけないでください」

 シノ「正座しながらもしっかりツッコミとは。ツッコミの鑑だな」

 スズ「会長、変なとこ感心しないで……」


アリア「一度に焼いて作ったの?」

 津田「はい」(立つ許可もらった)

 スズ「ふむ……会長」

 シノ「なんだ?」

 スズ「これ見てください。私の『S』と一緒に入っていた『E』なんですが」

 シノ「ほう? これは……」

アリア「焼き加減が違うわね」

 シノ「『E』の方が高い温度で焼かれたか、すこし茶色が強いな」

 スズ「つまりこれは、別に焼かれたクッキーということね」

 津田「あっ、まさか……」

 シノ「思い当たる節が?」

 津田「余った生地をコトミに……自分で焼くからって、あげました。あっ、そのあと少しキッチンから外しました……」

 シノ「それか」

 スズ「それだわ」

 津田「でも、ここまで悪意あることはしないと思うんだけどな……」

アリア「そうだね。本人に聞いてみればいいんじゃない?」

 津田「そうしましょう」

ナルコ「ところで津田」

 津田「はい」

ナルコ「誤解なのはわかったけど、それは別としてこの火照りを鎮めてくれんか?」

 津田「職員室帰って頂けますか」


 津田「コトミを探しに行きましょう」

 スズ「それもそうなんだけど、これ、他の人のも調べ直した方がいいんじゃない」

 津田「あっ……」サーッ

アリア「他に誰に渡したの?」

 津田「うちのクラスで三葉と轟さんと、朝に魚見姉さんと、同時に森さんにも渡してもらうように……」

 シノ(ウオミーはともかく……)

アリア(森さんにも貰っているんだー)

 スズ(ふーん)

 津田「え、な、なんです?」

シノアリアスズ「「「ううん、別に」」」

アリア「でも英稜かぁ。確認は無理だよね。もう開封されてるかも」

 津田「そ、そうだ、メール、ひとまずメールしておきましょう」

 シノ「そうだな。返信を待ちつつ、轟と三葉に確認。そしてコトミに話を聞こう」

 津田「はい」

ガチャ バタン ザッザッ…

ランコ「…………」

ガチャ(掃除用具ロッカー)

ランコ「ほっほーう」


――ロボ研部室

 津田「というわけで、中のアルファベットが間違えてるみたいなんだ」

 ネネ「なるほどね。まあ、私はそこまで気にしないけど。ちょっと待って」

 シノ(轟は義理チョコというか友チョコの感覚で渡してそうだな……)

アリア「シノちゃん、なに難しい顔してるの?」

 シノ「へ!? ああいや、何でもないぞ、なんでもない」

 津田「?」

 ネネ「えーと、これだね。中身は……」

 ネネ「『T』『E』『E』『N』」

 シノ「TEENものか」

 ネネ「TEENものが好きなんだね」

 津田「間違えたって言ったよねオレ」

 スズ「NENEから考えると、『T』が入って『N』が抜けたわね」

 津田「あっ、やっぱりこの『T』もちょっと焼き色が強い」

 ネネ「どうする? 返した方がいい?」

 津田「あーいや、良ければそのまま食べてください」

 シノ「TEENを食べるのか」

 ネネ「TEENを食べちゃうんだね津田くん」

 津田「食べるのはオレじゃない!」


――柔道場

  時「え、部長とコトミ? ああ、ちょっと待ってな」

 津田「よろしく、時さん」

 シノ「……なあアリア」

アリア「なあに?」

 シノ「もうここまでくると、逆に楽しみじゃないか」

アリア「そうだね」

 津田「あんたらに今のオレの焦りを分けてやりたい」

 スズ「戻ってきましたよ」

  時「ひとまず部長。あいつは部室の方だから、ちょっと呼んでくる」

 シノ「助かる、トッキー」

ムツミ「どうしたのタカトシ君。それに生徒会皆さんで」

 津田「それがその、三葉、クッキーってもう開けた?」

ムツミ「クッキー? 家帰ってから食べるつもりだったから、まだ開けてないよ」

 津田「良かったー…… あの、中の文字間違えちゃってるみたいなんだ。ちょっと見せてもらっていいか?」

ムツミ「なんだそういうことか。ちょっと待ってね」

 スズ「? 道場の方戻っていきましたよ」

 シノ「部室の方じゃないのか?」

 チリ「あー。ムツミのあれ、副会長のホワイトデーか。なんか大事に持ってきてると思えば」

 シノ(道場に持ち込みって)

アリア(それだけ嬉しかったんだね)

 スズ(むぅ……)


ムツミ「はい、これ」

 津田「すまない、三葉。確認するな」

ムツミ「大丈夫だよ」

 津田「ええと」ガサガサ

 津田「アルファベットは7枚か。MUTSUMIの7枚と一緒だな」

ムツミ(な、名前呼ばれた……)

 スズ「えーと」

 津田「『T』『S』『U』『M』『C』『H』『O』」

 スズ「UとMIがなくなって、CHOが入ってるわね」

 津田「でもこれじゃあ、とくに意味はないよな」

 シノ「ふむ…………」

アリア「…………シノちゃん、これって」

 シノ「うむ……津田、ちょっと借りるぞ」

 津田「はい。なんです?」

 シノ「こう並び替えると……」

シャッシャッシャッ

 シノ「『C』『U』『M』『S』『H』『O』『T』だ!」

ムツミ「かむしょっと? ちょっと知らない単語ですね、英語苦手で……」

 スズ「一生知らなくていいわよ」

 津田「えっ、萩村知ってるの」

 スズ「えっ」

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ナルコ「横島TeacherEnglish!」

ナルコ「こうないしゃせい」

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アリア「スズちゃんが墓穴掘ったところで」

 スズ「ぐぅぅ……」

 津田「コトミはどこだ」

 スズ「そうよ、思えば原因あの子のはずでしょ!」

アリア「確定ではないかもしれないけど……」

ヴーーヴーー

 津田「ん、着信?」

 津田「あっ、魚見姉さんだ」

 シノ「ウオミーか」

 津田「もしもし」

ウオミ『タカくん。メールは見ました』

 津田「あ、見てくれたんですね。それでその」

ウオミ『間違えた、と言いますが本当なんですか』

 津田「そうなんです。間違えたというか、オレはちゃんと名前を入れたはずなんですが」

ウオミ『まだ桜才?』

 津田「え? あ、はい」

ウオミ『ちょっと私は怒っています。話をしますので桜才学園にそのままいるように』

 津田「えっ、あ、あの」

ウオミ『森ちんも行きますからね』

 津田「あの、どういう」

ピッ

 津田「…………え」


 シノ「津田、どうした」

 津田「いやその……姉さん、なんか怒ってるって……」

 スズ「なにが入ってたんだろ……」

 シノ「だが、あのウオミーが怒るなんて……いったいどんな卑猥な単語が……」

 津田「なんで卑猥な単語って決まってるんです!?」

 シノ「いままでの流れから察するんだ!」

 津田「ちくしょう! コトミー! 早く来てくれ!」

  時「呼ばれたぞ」

コトミ「…………」

津田シノアリアスズ「「「「トッキー!」」」」

 津田「と、肩に担がれたコトミ」

  時「兄貴が呼んでると聞いたら逃げ出したんで捕まえてきた」

 津田「グッジョブ」

 シノ「よし、続きは生徒会室で聞こう。トッキー、連行だ」

スタスタスタ

  時「えっ」

ゾロゾロゾロ

  時「私が持っていくのか……?」


――生徒会室

  時「疲れた……帰る……」(ちゃんと運ぶ)

アリア「ありがとー」

バタン

コトミ「…………」

津田シノスズ「「「…………」」」 アリア「うふふふ」

コトミ「あわわわ……」

 シノ「さてコトミ、何故呼ばれたかは分かっているな」

コトミ「あの~……たぶんクッキーかなーって……」

 津田「やっぱり思い当たるのか!」

コトミ「ご、ごめんなさいっ」

 スズ「悪戯にしてはちょっと悪質だったわよ」

コトミ「えっ、いたずら?」

 津田「2,3文字入れ替えて変な単語にしたんだろ?」

コトミ「えっ。そ、それはしてません」

津田シノアリアスズ「「「「え?」」」」

コトミ「あ、あの、私がやっちゃったのは、タカ兄の詰めた袋を倒して中身出ちゃって、それを慌てて戻しただけなんだけど……」

 津田「そこにお前のクッキーが混じってたんだけど」

コトミ「あ。うん、もしかしたら混ざったかも……」

アリア「故意じゃなくて偶然の産物?」

 津田「で、でもそれでこんな……」

 シノ「嘘を言っているようには見えないが……」

 津田「コトミ、お前が持っていったクッキーってまだあるの?」

コトミ「あ、ある、あります!」


コトミ「これなんだけど……」ザラッ

 シノ「ふむ……」

 津田「『I』とか『U』が多いですね」

 スズ「私の場合、『U』2つなくなってるしね」

 津田「コトミ、なに基準で型抜きしたんだ」

コトミ「適当だよ。まあ、食べがいありそうな大きめの文字にはしたかも」

アリア「焼き色で津田くんとコトミちゃんとの判別はつくね」

 津田「じゃあ、間違えて入ったコトミの分のクッキーは、そのままその人に食べてもらおう」

コトミ「う……はーい」

 津田「渡した人にはその分を持っていけばいいかな」

 シノ「そうだな。それで大丈夫だろう」

 津田「やれやれ……ひとまずは落ち着きそうだ」

コトミ「あの、その……ご迷惑おかけしました」ペコリ

 シノ「ふむ……津田」

 津田「え、あ、はい」

 津田「コトミ」

コトミ「なんでしょう……」

 津田「悪気はなかったみたいだから、入れ間違いについては特に追求しない」

コトミ「……えっ、タカ兄……!」パアァ

 津田「だけどその場で素直に謝っておけば済んだものを誤魔化したのは別! あとでお仕置き!」

コトミ「ひえええー!」

アリア「落としどころね」

 シノ「私達にも被害あったわけじゃないし、まあいいだろう」

 スズ(被害あった……私はあった……)


 津田「あー、ひと騒動だったな」

 シノ「はははは、過ぎてしまえば笑い話さ」

 津田「あはは、そうかもしれませんね」

 シノ「ははは」

バタンッ

津田シノアリアスズ「「「「!!」」」」

 津田「あっ……」

コトミ「お姉ちゃん?」

ウオミ「タカくん」ムスッ

  森「こ、こんにちは……」

 津田「う、魚見姉さん、森さん……」

 津田(しまった……魚見姉さん怒っていたんだった……)

 シノ「や、やあウオミー。来るとは聞いていたが、なかなかの剣幕じゃないか、どうした」

ウオミ「シノっち、申し訳ないですが、私が用があるのはタカくんですので」

 津田「む……」

コトミ「えっ、なに、何この空気」

 津田「あ、あの姉さん、あのクッキーは」

ウオミ「間違えて入っていたと聞きましたが」

 津田「そっ、そうなんですよ。コトミが中身を入れ違えちゃって」

コトミ「う、うん。私だけど、わざとじゃないよお姉ちゃん、タカ兄は無実だよ」

ウオミ「それでも」

 津田「…………」

ウオミ「それでも、あんな言葉が入っているなんて……森ちんにも!」

  森「わ、私は気にしてないですから……」

ウオミ「森ちん、あの単語でいいんですか!」

  森「いえ、単語は良くないですけど……でもわざとじゃないのなら……」

 津田「あの、いったい何が入っていたんです?」

ウオミ「見てください、タカくんも、皆さんも」

ザッ

 津田「『M』『I』『L』『F』」

ウオミ「…………」

 津田「…………」

 シノ「あー……これは」

アリア「確かにねー……」

 津田「そういう単語なんですか?」

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ナルコ「横島TeacherEnglish!」

ナルコ「Mother I'd Like to F●●k」

ナルコ「つまり熟女ね。あん? 私はまだよ!」

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ウオミ「着々と姉萌えを育ててきたのに、一足とびで熟女萌えだなんて!」

 津田「すごい! 育てられた覚え全然ない!」


 シノ「人妻モノって意味もあるぞ」

ウオミ「そっちも腹立たしいじゃないですか。一度別の人の妻になるってことですよ」

 スズ(別じゃなかったらいいの……?)

 シノ「はっはっは、ウオミーそれはだいぶブッ込んだ発言だなぁ」

 津田「え、ええと、森さんは……?」

  森「その……い、意味はウオミ会長が教えてくれたんですが……」

 シノ「いいにくいのなら、クッキーを見せてくれるか?」

  森「どうぞ……」

ガサガサ

 シノ「『O』『R』『G』『Y』」

  森「…………」

 シノ「…………」

 津田「これは……?」

 シノ「津田……」

 津田「はい」

 シノ「やっぱワザとだろこれ!」

 津田「その単語知らない時点で少なくともオレじゃないですって!」

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ナルコ「横島TeacherEnglish!」

ナルコ「らんこう」

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ウオミ「さあタカくん、弁明はしますか?」

 津田「え、なんのです?」

ウオミ「熟女好きの嫌疑を」

 津田「もともと姉さんの持ち込み企画でしょう!?」

ウオミ「企画モノではなく熟女モノの話をしているんです!」

 津田「ですからオレは、熟女趣味はありませんよ!」

 シノ「じゃあ何趣味なんだ?」

 津田「えっ」

ウオミ「やはり好みをはっきり、言葉にしてもらわないと」

 津田「えっ……」

アリア「その方が納得できそうだねー」

 津田「えぇ……」

ウオミ「さあ、タカくん。高らかに宣言するのです、姉萌えです、と!」

 シノ「いや、黒髪ロングとかじゃないか」

アリア「津田くんなら、胸とかじゃない?」

 スズ「えと……ツンデレとか……」

コトミ「妹ー」

 津田「だまらっしゃい元凶!」


ガヤガヤ「おさげとかですか」「お尻でもギリギリいいぞ」「あの津田さん困ってるんじゃ」「森も最近怪しいんだー!」「ええーっ」」ヤイノヤイノ

バタンッ

カエデ「失礼します!」

シーン

 シノ「お、おお五十嵐。どうした」

カエデ「ちょっと、副会長にお話が」

 津田「え、オレですか……」

 スズ「まさかクッキー?」

 津田「いや、五十嵐先輩には渡してないけど……」

カエデ「こほん」

カエデ「津田副会長が、ホワイトデーにセクハラなクッキーを贈っているという噂を聞きましたので、話を伺いに来ました」

 津田「噂……?」

 スズ「知ってる人は当事者しかいないはずなのに、どうやって広がるんです?」

 津田「……あの、誰情報ですか?」

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ランコ「ほほほほほ」

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カエデ「↑」

津田シノスズ「「「聞かれてたー!!」」」


カエデ「生徒会副会長、ホワイトデーにセクハラクッキー贈答という見出しで記事を書くとか」

 津田「そんな新聞出させるかー!」

 シノ「よし、私が行ってくる。アリア、萩村、津田は五十嵐に説明してくれ」

アリア「りょうかーい」

 スズ「はい」

 津田「すいません、会長……」

 シノ「なに。生徒会メンバーを守るのは、私の使命だからな」

 シノ「では」

バタン

 津田(何だかんだ、頼りになるときはなるよな……)

カエデ「それで、どういうことなんでしょうか」

 津田「実は……」

――
 スズ「かくかく」
アリア「しこしこ」
 スズ「!?」
――

カエデ「……なるほど……若干信じがたいですが、周りの方が不快に思っていおらず、それぞれ納得されているのであれば……問題ないでしょう」

 津田「ほっ……分かっていただけました?」

カエデ「ええ。ただし! 普段から言動には気を付けてくださいね」

 津田「は、はいっ」

コトミ「まあまあ。よければ五十嵐先輩もクッキーいかがですか?」

カエデ「あ、いえ、私は……」

 津田「まあ、そう言わずに。こいつから取り上げた分の消費もいるんで」

カエデ「……それじゃあ、少しだけ」


 津田「いえいえ、少しと言わず。ほら、手を出してください」

ザラザラ

カエデ「ちょ、ちょっと多いですよ」

 スズ「津田、念のためだけど、そのアルファベット大丈夫?」

 津田「えー、だって残りの文字だよ。そんな変なことになんか」

アリア「どれどれ?」

カエデ「『R』が2枚と、『S』『E』『M』」

 スズ「ふうむ」

アリア「なさそうだねー」

カエデ「ほっ。良かったわ」

 津田「そうそう。普通ないですよ、こんなこと」

カエデ「そうですよね、ふふ」

 津田「あははは」

バタンッ

 シノ「戻ったぞ!」

カエデ「ひゃっ」パキ

 シノ「おお五十嵐、驚かせてしまったか」

カエデ「い、いえ。急に背中で扉が開いたから、ちょっと」

 シノ「すまなかった。さて、事の顛末は畑に説明して、記事は取り消させた。一応説明のために連れてきたが」

ランコ「面白いといえば面白い珍事なんですがね。副会長のスキャンダルじゃなくて残念です」

 津田「残念がるな」


 シノ「お、五十嵐もクッキーもらったのか」

カエデ「ええ。残りを消費したいって言うから、まあ」

 シノ「ほうどれどれ」

ランコ「ほほう、これが例のクッキーですか」

 シノ「…………」

ランコ「…………」

 シノ「津田! なんだこれは!」

 津田「えっ? さっきみんなで確認しましたよ、変な単語になってないかって」

 シノ「じゃあこれを読んでみろ!」

 津田「は、はあ」

 津田「『S』『P』 P? Pなんてどこから……」

カエデ「あっ、さっき驚いた時に割れたのかも」

 津田「ああ。となると『S』『P』『E』『R』『M』……」

スズアリアコトミカエデ「「「「!?」」」」

ランコ「風紀委員長、両手いっぱいに津田副会長のスペルマを受け止めるの図」パシャッ

カエデ「はうっ」クラッ

 津田「なんでこうなるんだーーー!!!」





おしまい!

おまけ
史上稀に見る酷いプロット


SHINO    ONAHO   +AO -SI
ARIA     ANAL    +NL -RI
SUZU    SEX     +EX -UZU
NARUKO   MANKO   +M -RU
MUTSUMI  CUMSHOT  +CHO -UMI
NENE    TEEN    +T -N
MORI    ORGY    +GY -MI
UOMI     MILF   +LF -UO

たす AONLEXMCHOTGYLFE
ひく SIRIUZURUUMINMIUO

あまる SIRIUZURUUIMIUE

SMRRZ EIIIIUUUUU  カエデ SPERM


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