蒼井樹「765プロ……」クロム「気を付けろ、イツキ!ミラージュの気配だ!」再投稿 (54)

幻影異聞録♯FE × アイドルマスターのクロスSSです。
※キャラ崩壊、二次ネタなど、嫌われる方はブラウザバックをお願いします。
 過去えたった作品の完結版です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520262648

-フォルトナ事務所-

樹(パフォーマ……人間のみがもつ内なる力…)

樹(歌手、役者、モデル…)

樹(カメラマン、バンドミュージシャン、そして……アイドル)

樹(芸能と呼ばれる、人の心を惹きつける力)

樹(人のもつ才能、潜在能力、心。それらすべての輝き、それが…パフォーマ)

?『イツキ、さっきから何を難しい顔をしている?』

樹(この、俺の後ろに立っている青い服に身を包んだコイツの名はクロム)

クロム『イツキ、聞いているのか?』

樹「聞こえてるよ」

樹(クロムは、ミラージュと呼ばれる存在だ)

樹(この俺たちの暮らしている現実世界では、実体のない幽霊のようなもので…)

樹(基本的には、人には見えていないし、触れない)スカスカ

クロム『?何をしている、イツキ』

樹(ミラージュの中には、クロムのように良い奴もいるが、中には、人のパフォーマを食らってしまう悪いミラージュもいる)

樹(俺やクロムは、そんな悪いミラージュに対抗すべく)

樹(このフォルトナ事務所で日夜、ミラージュマスターとしての活動に励んでいる)

樹(まぁ、それはこのフォルトナ事務所の裏の姿で、本業は…)

霧亜「イツキ、もう準備は良いの?」

樹「あ、はい。キリアさん」

樹(芸能活動だ)

-電車-

霧亜「イツキ、あそこが空いているわ、座りましょ」

樹「はい、あ、キリアさんは奥の席に…」

霧亜「…そうさせてもらうわ」

樹(彼女の名は黒乃霧亜)

樹(クールでカッコいい女性アーティストであるとともに)

サーリャ『……ふふふ、まるでデートね…キリア…』

霧亜「!なにを…」

サーリャ『ふふふ……』

樹(俺やクロムと同じ、ミラージュ・サーリャと共に戦う、ミラージュマスターだ)

霧亜「で、デートなんて、そんな、ねぇ、イツキ?」

樹「ええ、大丈夫です、俺はキリアさんの仕事に同伴してるだけですから!」

霧亜「…」

樹(タレント見習いとして、彼女の活動を見守り、おつかいをしたりするのが俺の主なお仕事だ)

樹「今日も一日頑張りましょう」

霧亜「ええ……そうね」

樹(?キリアさん、やけにテンション低いな…)

-とあるラジオ局-

霧亜「ふぅ、ようやくついたわね」

樹「キリアさん、今日のラジオ番組なんですが…」

霧亜「ええ、知っているわ、765プロの番組に出演だったわね」

クロム『765プロ…?』

樹「ああ、天海春香ちゃんとか、如月千早ちゃんとか、最近噂のアイドルがみんな所属しているプロダクション…ですよね、キリアさん」

霧亜「ええそうよ。…それにしても、イツキやけに詳しいわね。…誰か、気になる娘でも?」

樹「はい、俺もサインをもらいたいんですよね」

霧亜「!?」

樹「ツバサがどうやらファンらしくって、すごい拝み倒されちゃいまして…ツバサもアイドルなんだから自分でもらえばいいのに、ねぇキリアさん?」

霧亜「ああ、そういうことね……ツバサが……ふぅ」

樹(キリアさん、すごい目を見開いたと思ったら、急に肩を落として…疲れたのかな)

樹「キリアさん、どこかで休んでから行きますか?暑いし、長い電車移動で疲れちゃいましたよね」

霧亜「いいえ…電車でというより…」

樹「キリアさんに何かあったらって思うと、俺、心配なんです」

霧亜「イツキ……おほん!まぁいいわ。私は大丈夫だから、行きましょう、イツキ」

樹(あれ?また笑顔で機嫌よく……疲れてたんじゃ?)

サーリャ『前途多難ね…キリア…』

-ラジオ局(廊下)-

クロム『…イツキ、何かを感じないか?』

樹「何か?うん、少し冷えるかな」

クロム『いや、そういう類ではないこれは…』

サーリャ『…うふ、そうね、何か、懐かしい気配がするわ…』

霧亜「懐かしい気配?まさかそれって…」

サーリャ『それに、この感じ…まさか…』

P「あ!?」

P「どうも初めまして!Kiriaさん!今回共演させていただく、如月千早のプロデューサー、Pと申します!ほら、千早」

千早「……はじめまして、如月千早です。今日はよろしくお願いします」

霧亜「ええ、こちらこそよろしく、Kiriaよ」

樹(この子が、如月千早ちゃんか、何だかこのクールな感じ、キリアさんに少し雰囲気が似てるな…)

P「あれ、そちらの方は…」

霧亜「ああ、イツキ」

樹「あ、申し遅れました。えっと、蒼井樹です、今日はキリアさんの付き添いで…」

P「ああ、じゃあ俺と似たようなものですね。どうぞよろしくお願いします」

樹「いえ、こちらこそ…」

クロム『……』

P「いやぁ、まさかあの「Kiria」とウチのアイドルが一緒に共演できる日が来るなんて、夢見たいです!」

霧亜「そう?私も千早ちゃんのような可愛いアイドルと共演できてうれしいわ」

千早「!…そ、そうですか。ありがとうございます」

P「ははは、千早、固いなぁ。さっきまで、あの「Kiria」に会えるって鼻歌まで「ちょ、ちょっとプロデューサー!?」ははは」

樹(…千早ちゃん、やっぱりキリアさんに似ているなぁ)

クロム『おい、イツキ!この男だ!この男から何か感じないか!?』

樹「この男?Pさんのこと?」

クロム『ああ、ミラージュの気配だ』

樹「特に、変わった様子はないけれど…」

クロム『…しかし……いや、気のせいか?』

サーリャ『……』

P「それでは、また後程。本日はよろしくお願いします。キリアさん、イツキさん」

千早「よ、よろしくお願いします」

霧亜「ええ、こちらこそよろしく。」

樹「よろしく、お願いします」

霧亜「サーリャ、まさかミラージュが?」

サーリャ『いいえ、わからないわ……ただ、あの雰囲気………』

クロム『ああ、俺も感じ取った。どこか、懐かしい雰囲気だ……しかし、イツキの言うように、あの男に特に変わった様子はなかった。ミラージュの影響を受けているとは思えない』

樹「ミラージュじゃないけど、懐かしい?もしかして、クロムたちの昔の記憶に関係があるのかな」

クロム『わからん。だが、あの男とは関係なく、嫌な気配も感じる。もしかしたら、ここの施設を狙ったミラージュが潜んでいるのかもしれん』

霧亜「……」

サーリャ『……気にすることないわキリア。今日も普段通り番組を成功させればいいの』

霧亜「でも」

サーリャ『…あなたの邪魔をする奴が現れたら…私が呪い殺○てあげる…ふふふ』

クロム『ああ、それに、俺やイツキもついている!』

樹「うん、心配しないでください、キリアさん。どんなことがあっても、必ず守ってみせます!」

霧亜「!………ふふ」

樹(あ、キリアさんが…笑った)

霧亜(仲間がいるって、こんなに、心強いのね)

-収録スタジオ-

デレンテンテテー

千早「みなさん、こんにちは。今日もMCは私、如月千早が務めさせていただきます」

千早「…早速なのですが、今日は特別ゲストが来ています。…フォルトナエンタテイメントから…」

霧亜「どうも、こんにちはー。Kiriaです」

千早「き、今日はよろしくお願いします。キリアさんは「Reincarnation」や「迷路」と言った記録的な大ヒット曲を次々と送り出してきた、日本のトップアーティストで…」

-収録スタジオ(外)-

樹(何だか淡々とした番組だなー。でも、この落ち着いた喋りと彼女の素朴な声を聴きたくてリスナーが増えてるらしい)

P「あちゃー、千早のやつ、キリアさんを目の前に珍しく緊張してるなあ」

樹「え?そうなんですか?俺には、いつもの冷静な姿に見えますが…」

P「一応担当プロデューサーですからね。なんとなく、わかるんですよ」

樹「なるほど……それはそうと、Pさん、俺に敬語なんて要りませんよ。別に、キリアさんのプロデューサーってわけでもないですし」

P「…そう?ははは、いや、正直助かるよ。俺もあんまり敬語って好きじゃなくって……じゃ、イツキ君って呼んでも良いかな?」

樹「はい」

P「……やっぱり、固いなぁ」

樹「…Pさん?」

P「いや、ちょっと、失礼して……」

樹「……!?」

樹(Pさん!?突然、キリアさんたちのいる収録スタジオに向かって、変顔を始めた!?)

樹(う、ところどころで挟む真顔が…くく、何とも言えないスパイスになっていて…)

樹(あ、千早ちゃんも気が付いた……)

千早「…ぷ、ふふふ」

霧亜「?どうかしたの、千早?」

千早「い、いえ!……」

千早「…プロデュサー」キッ

樹(Pさん睨まれてるよ……苦笑して、頭を掻きながら戻ってきたぞ)

P「いやー、怒られちゃったよ」

樹「それはまぁ、怒るんじゃないですか。あ、でも…」


千早「あの、それで、キリアさんにとって、歌って、何ですか?」

霧亜「…そうね……歌は、言葉。私たちアーティストが心から伝えたいことを発する言葉ね。そして、私の場合それはとりわけ、かっこつけたものが多かったわ」

千早「カッコ…つけた?」

霧亜「ええ、そう、でも今は…」

霧亜(イツキや、みんなと出会って……)


樹「千早ちゃん、何だか、さっきよりずっと楽しそうに見えます」

P「はは、そうかい?なら変顔を晒した顔があったよ」

P「それにしても、キリアさんって、あんなに笑顔の多い人だったかな?昔俺が見た彼女はもう少し無理をした表情を作っていたような……」

P「いや、多分これはきっと……」チラ

樹「?俺の顔に何かついてますか?」

P「いや、なんでもないよ」

樹「?」

-スタジオロビー(収録語)-

樹「お疲れ様です。キリアさん」

霧亜「ありがとう。これは、とっても天然水?ふふ、もらっておくわ」

サーリャ『キリア、今日は随分饒舌だったわね……』

霧亜「そうかしら?」

サーリャ「あなたが自分の音楽について語るなんて、そこにいるイツキ以外にはあまりないことだったわ」

霧亜「……何故かしらね。あの、千早を見ていると、昔の自分を見ているようで、どこか、口が軽くなってしまったみたい」

樹「昔の自分ですか?霧亜さん、クールなだけじゃなくて、可愛くなっちゃいましたもんね」

霧亜「ぶふ!?」

樹「キリアさん!?だ、大丈夫ですか。これ、タオルです」

霧亜「…ごほ……イツキ、そういう心臓に悪いことはやめなさい」

樹「え、あ、はい…?」

サーリャ『くくく……キリア、あなた、本当に可愛いわ』

霧亜「……うるさいわよ」

クロム『……参ったな』

樹「…クロム?」

クロム『どうも、先ほどのあの男を見ていると、頭が痛む。記憶のどこかで、見たことが、あるような……』

樹「それは…」

霧亜「ねぇ、イツキ、それはそうと、あなた、千早のサインをもらうんじゃなかったの?ツバサに頼まれた」

樹「え?あぁ!?わ、忘れてました。どうしよう」

霧亜「…はぁ、私も一緒に頼んであげるわ。そうしたら、向こうも多分サインくらいくれるでしょう」

樹「本当ですか?ありがとうございます。キリアさん!」ギュ

霧亜(ちょ、手!?ち、ちか!?)プシュー

サーリャ(…この鈍感、本当はわざとやってるんじゃないかしら…?)

収録スタジオ(2F通路)

クロム『…これは、ミラージュの気配!』

樹「何だって!?…!空間が!?」

樹(黒い空間が壁や床に映りこみ、どこか禍々しいオーラを放っている)

霧亜「それだけじゃないわ。」

スタッフA「あぁ、めんどくせぇ……」

スタッフB「体がだるいわ……」

霧亜「…みな、どこかやる気がなくなって無気力状態になってしまってるわ。「パフォーマ」を奪われたのね」

サーリャ『っち、こんな近くにいて、相手に気が付かなかったなんて…』

樹「この感じ……!あっちは確か、千早ちゃんとPさんのいる…」

霧亜「急ぎましょう、イツキ!」

樹「あれは、イドラスフィアへの扉!?」

樹(イドラスフィア。こちらが俺たちの世界だとしたら、あの先は、ミラージュたちの世界)

樹(生身の人間が入ってしまったら、よほどの事がない限り、ミラージュたちにパフォーマを奪われ…最悪……)

霧亜「!あれは…千早が履いていた靴だわ。でも、片っ方だけ…」

クロム『イツキ、この先に、あの男たちの気配を感じる…』

樹「まさか、千早ちゃんたち…この先に…!?」

霧亜「舞子には連絡を入れたわ。だけど…」

霧亜「どうやら、皆、それぞれの仕事で手が空いていないそうよ。舞子は、皆が来るまでそこで待機するようにって、言ってるけど……どうする?」

樹(……確かに、相手がどんなミラージュかもわからない、皆を待って行動した方が良いのかもしれない…)

樹(……だけど)

樹「そんなの、もう決まってますよ……クロム!力を貸してくれ!」

クロム『ああ、任せろ!』

霧亜「ふ、あなたならそういうと思ったわ。行くわよ、サーリャ!」

サーリャ『ふふふ……ちょうど新しい呪いの実験台を探していたの…』

樹(待っていてくれ、千早ちゃん!Pさん!)

-イドラスフィア(ラジオスタジオ)-

クロム「……ふむ、変わった空間だ。それでいて…不気味だ」

樹「あぁ、今までの場所とはどこか違う…」

樹(床にはびっしりとフィルムが敷き詰められていて、大きなラジカセの黒いテープのようなものが部屋と部屋とをつなぐ道になっている。)

サーリャ「…そうかしら、私は嫌いじゃないわ…この感じ、ふふ、ふふふふ」

霧亜「冗談きついわ…こんなところ、さっさと二人を探して抜け出しましょう」ガシャガシャ

霧亜「…不安定な足場ね」

樹「そうですね。このテープ…今にも破れてしまいそうで、心臓に悪い…」

霧亜「……」ぎゅ

樹「キリアさん?」

樹(突然、服の裾を……でもこれじゃあ…)

樹「キリアさん、どうせなら、手を繋いだほうが安全なんじゃないですか。はい」

霧亜「!??」

サーリャ(…手をわなわなさせてるわ……さっさと手を取りなさいよ、この乙女が…!)

クロム「いざとなれば、俺とサーリャでなんとかする。安心しろ、イツキ」

樹「ありがとうクロム」

霧亜「」シュー

サーリャ(こんな真っ赤になった霧亜、中々見れるものじゃないわよ。どうして見てないのよ…)

一方そのころ……

P「千早ー!どこだー!千早ー!」

P(くそ、千早が謎の亜空間に引きずり込まれて……慌てて助けに来たらわけのわからないところに出るし…)

P「ここはどこなんだー!千早―!頼むから出てきてくれー!」

?「……せ」

P「千早!?」

ミラージュ?「……寄こせ……そのチカラアアァァ!!」

P「ほあええええ!?

P「ななななな、なんだこいつぅ!!…う!?」

P(見えない何かで、く、首がしまって……息が……!?)

ミラージュ?「よこせえええ…」

P(い、意識が……もう、だめ…)

?『……デューサー』

P(こんな…わけのわからなところで…すまん、みん…な…)

?『あきらめたらだめだぞ!』

P(!?)

?『プロデューサー!自分!もっともっと、頑張るぞ!』

P(これは…走馬燈?)

?『あの、あの、こんな私ですが…あの、プロデューサーと、一緒…なら……』

?『うっうー!プロデューサー!いっぱい頑張って給食費払えるようにがんばります!』

千早『プロデューサー……私の歌を信じてくれたあなたの事を』

千早『私は、信じています』

P「そ、そうだ、こんなところでぇ………!」

ミラージュ?「アァ?!」

P「俺には、アイドルたちを、輝か…せ…導く!

?『プロデューサー!』『ハニー!』『あらあら』『ぴよおおお!』

P「夢が…ある!!」

ピカアアアアアア!

ミラージュ?「!?」

P(な、なんか、何だ!?なんか胸のところから出た!?何だ、この光の玉みたいなの!?)

ミラージュ?「オォオオ…」

P(でも、あの化け物はこの光を見て…おびえている?)

P(ええい、こうなりゃヤケだ!)

P「う、おおおおおおおお!!!」

ミラージュ「あああああ!?」

バキイィイイイイ!

ローブ姿のミラージュ「……」

P「姿が、赤いローブから、黒と金色のローブに変わっただけ?た、倒せて…ない!?」

ローブ姿のミラージュ「……う、こ、ここは…?」

P「!?喋った」

ローブ姿のミラージュ「あれ、そこにいるのは…?」

P「え、ええっと、な、765プロのプロデューサーをしている、Pと申します。ど、どうぞよろしく」

フード姿のミラージュ「プロ……?」

P「ええっと、プロデューサーっていうのは…」

トルルートルルー

ミラージュA「UHHAHHH」

ミラージュB「AHAAAA」

P「い!?」

P(まだこんなに!?さ、さっきの光の玉みたいなのは…も、もう出せる気がしないぞ)

ローブ姿のミラージュ「……どうやらゆっくり話してる時間はないみたいだ、P!今はこの状況を切り抜けよう!」

P「それはそうだろうけど、どうやって!?」

ローブ姿のミラージュ「…行くぞ!!」ピカァ

P「え、な、なんだーー!!?」

P(何が起こったんだ!?体が光って、それで、うわ、スーツが、黒いローブに…!?)

P(手には、剣と、これは本くらいのサイズのタブレット?これは、力が、溢れてくる…!合体…したのか?)

ローブ姿のミラージュ「はは、なんとなくだが、上手くいったな」

P「…お前は…一体?」

ローブ姿のミラージュ「僕は…」


ルフレ「ルフレ。他の事は思い出せないけど、名前だけは、憶えてる」

-階段-

クロム「!!」

サーリャ「!!??」

樹「どうしたんだ?二人とも」

クロム「…来た」

樹「来た?」

サーリャ「ふ、ふふふ、ふふふふふふふふふふふふふ!」

霧亜「ちょ、ちょっとサーリャ!?どうしたの!?」

クロム「うおおおおおおおきたああああああ!」

樹「クロムうううう!どこいくんだ!?」

サーリャ「うふふふふふふふ!」

霧亜「サーリャ!?あなたまで!」

樹「…お、追いかけましょう、キリアさん」

霧亜「え、ええ」

霧亜(手繋いだまま………ま、まぁ、良いけど)ギュ

P「っく、こうか!?」バシュ

ミラージュA「UHHHHH」バリバリバリ

ルフレ「その調子だ、P!」

P(なんか、タブレットからやばそうな量の電気が!!こ、壊れないのか、コレ……)

バーン!

クロム「ここか!?」

P「うわ!?今度は一体!?」

ルフレ「待ってくれ、P!あれは…敵じゃない」

サーリャ「うふふふふ!」

樹「クロム…!一体どうし…Pさん!?」

P「イツキ君!?あれ、キリアさんも!?それにその格好は一体…」

霧亜「まさか、P、あなたまでミラージュマスターに……?」

P「ミラ…?」

樹(これは…1から説明しないと………でもその前に)

ミラージュA「UHHHHH」

ミラージュB「KISYAAAA」

樹「行くぞクロム!」

クロム「ああ、運命を変える!」

ルフレ「…!」

-戦闘終了後-

P「ふぅ、なるほど、わからん」

樹「まぁ、混乱するのは無理もないと思いますが。現にほら、こうなっちゃったわけですし」

P「ミラージュにミラージュマスター……な、何だか非現実的で…それにしても……」



クロム「オレは、クロム。お前、名は?」

ルフレ「ルフレ……だけど、それ以外のことは覚えていない」

クロム「そうか、ところで、俺とお前はどこかで会っていないか?何か、運命的なものを感じる…」

ルフレ「奇遇だね。僕も君たちに懐かしい何かを感じている……もしかしたら、僕たちは知り合いだったのかもな」

クロム「ああ、それも、ただの知り合いじゃない……俺には、お前が俺の半身だったような気がしてならない!」

ルフレ「え、いや、そうなのか?」

クロム「ああ、間違いない……!」

サーリャ「ふふふ」

霧亜「サーリャ、あなた、さっきからどうしてルフレの数歩後ろにずっと立っているの」

サーリャ「ここ、落ち着くわ………とても……ふふ、ふふふふふ」

霧亜(こんな機嫌の良いサーリャ初めてみたわ)


P「み、ミラージュ?って、なんていうか、人間臭いんだね」

樹「いや、俺もあんなクロムたち見たことないです……」

霧亜「それより、P。千早はどこへ行ったの?」

P「あ、そうだ!?まだ、探している途中で…さっきのに襲われて…」

樹「まずいですね。千早ちゃんも、ミラージュに襲われたりしたら…」

P「!行きましょう、イツキ君!キリアさん!一刻も早く千早を助け出さないと……」

樹「はい!」

ルフレ「…イツキ、僕とPは、まだこの世界に詳しくない。だから。君が戦闘の指揮を執ってくれ」

樹「俺が?」

ルフレ「……そうだ、それから一つだけ思い出したことがある。僕は多分、軍師をしていた、みたいだ」

樹「軍師?」

ルフレ「どこの軍かまではおぼえてな「多分、俺たちの仲間だろう!」「ふふふふ」…まぁ、その、そうなのかな?だから何かいい策が思いついたら君に進言するとしよう」

樹「うん、よろしく。ルフレ」

-道中(戦闘)-

P「行くぞルフレ!」

ルフレ「ああ!P!戦局を変える!」


クロム「……」ジーン

樹「…クロム?」


ミラージュC「くけけ」

バシュ!

ルフレ「ぐ、大丈夫か、P」

P「何とか…」


クロム「!!?……うおおおおお!大丈夫か!P!ルフレ!?」

樹「クロム!?」

クロム「行くぞ、イツキ!運命を切り開く!」

樹「クロム、何だかいつも以上に暑苦しく…」

サーリャ「あいつ、あいつ許さないわ……」ギリ…

霧亜「サーリャ!?」

サーリャ「………」ブツブツブツブツ

霧亜(呪い5割り増しってところね…それにしても、サーリャ、あなたも結構わかりやすいわね…)

-イドラスフィア(深部)-

P「はぁ、はぁ、千早は一体どこへ行ったんだ…?」

樹「……!Pさん、あそこ!」

黒千早「……」

P「ちは…や?」

樹(何だろう、黒いオーラのようなもので…?目に光沢が宿ってない。あれは、アヤハさんたちが操られていた時と同じ!?)

P「違う…あれは…千早じゃない……」

霧亜「え?」

樹「…Pさん、信じたくないのはわかります。だけど、千早ちゃんはどうやらミラージュに身体を操られて……」

P「違う!だ、だって千早は…」

黒千早「……」ドタプーン

P「あんなに胸が大きくない!!?」

樹「えぇ!?」

黒千早「…プロデュー……サー………」

P「千早!今助けに……」

黒千早「……」ドタプーン

P「いま、助けに……」

黒千早「……」タプーン!!

P「あ、明らかにおかしいじゃないか!?そのサイズは、あずささんと同じ…いや、下手をしたらそれ以上に大きいぞ!」

P「そんなの、本当の千早じゃない…!」

P「戻ってこい、千早!いつもの慎ましいサイズのお前に!」

黒千早「……」ピョンピョンタプン

P・樹「!」

P(こ、こいつ跳ねるぞ!?)

樹(着地したら、その弾力が……ででで!?)

霧亜「…」

樹(キリアさんが無言で耳を引っ張ってくる……)

黒千早「…やはり…胸、見るんですね」

P「は、ち、違う千早!これは不可抗力みたいなもので…」

?「そうよ、千早………」

樹(赤い髪、黒いペガサス……彼女は…!?)

クロム(千早を操っている、ミラージュ……!)

ミラージュ(ティアモ)「……これでわかったでしょう。千早。男は胸が大きい方が好きなのよ」

ミラージュ(ティアモ)「千早。あなたが男を惹きつけるものは歌しかないのよ」

樹(!胸が、しぼんだ)

P(なに!?もったいn……いや、あれこそ本来の千早!)

黒千早「歌……私には歌しか……」

ミラージュ(ティアモ)「そうよ千早、あなたは歌うしかない!それがあの人を惹きつけられる、唯一の方法……例えそれが、禁断の恋だとしても」

樹「恋?何を言ってるんだ……?」

霧亜「……」

クロム「まずいぞ、イツキ!このままでは彼女は!」

ティアモ「さぁ、千早……歌うのよ!力いっぱい!!あなたの叫びを、その言葉を!!」

黒千早「歌う、私には歌しか、あの人に認められるには歌しかない……AHAAAAAAAAA!!!!」

バシュウウウウ!

樹「うわぁぁ!?」ビリビリ

クロム「気を付けろ、イツキ」ビリビリ

サーリャ「っく、すごい衝撃波だわ」ビリビリ

霧亜「みんな、私の後ろに!!はぁ!」ピキーン

樹「あ、ありがとうございます。キリアさん」

クロム「しかし、参ったな。これでは、近づくことすらできないぞ……!」

樹「こうなったら、どうにか遠距離攻撃だけで……」

P「いやダメだ、俺は近づかなければいけない!!」

樹「!」

ルフレ「P!?な、なにを言って……あんな衝撃波の中心地に突っ込むなんて、無茶にほどがある」

P「それでも、俺はいかなくてはいけない。だって俺は、千早のプロデューサーだから!」

P(千早が、あんなに悲しそうに歌う姿は、絶対に見たくない……!)

ルフレ「……あぁ、わかったよP。キミのために、僕も策を練ろう!」

千早「AHAAAAAA!!」

ティアモ「そうよ、千早歌うのよ!!もっともっともっとあの人為に!」



クロム「しかし、あれほどの衝撃波だ。実際どうする……?」

ルフレ「……キリア、君はあの子に対抗することの出来る魔導士……いや、歌手、なのだろう?」

霧亜「え?……えぇ、そうよ。歌姫と呼ばれる彼女にだって、負けているつもりはないわ」

ルフレ「なら、君の歌で……」

サーリャ「!ふ、ふふふ、わかったわそういう事ね……」

ルフレ「ああ、衝撃波をぶつけて、威力を相殺させれば……!」

霧亜「……いえ、今の私では、あの歌に対抗は出来ても、きっと打ち勝つことは出来ないと思うわ」

ルフレ「近づく隙さえできれば、それで十分だ。そうだろう、P?」

P「ああ、声さえ届けば……」

クロム「……声で呪縛から解き放つ、か、ふ、わかった、俺たちもそれに賭けてみよう」

ルフレ「イツキ、これらの作戦を踏まえて、僕たちはどう動けば良い?」

樹「……霧亜さん!俺とクロムはPさんたちのサポートに回ります。だから」

霧亜「……大丈夫よ、見せてあげるわ」


霧亜「本物のパフォーマンスを!!」

黒千早「AHAAAAAA!」

ミラージュ(ティアモ)「歌いなさい、千早、もっと、もっと!!」



霧亜「……千早、あなたの歌はこんな他者を傷つけるために存在するものではないでしょう!」ビリビリ

霧亜「すー……壊したい!♪」

ダレモガミンナー!!♪

黒千早「!AHAAAA!!!!」ビリビリ

P「!これが、Kiriaの生歌!?あの状態の千早の歌を抑え込んでいる!」

樹「行きましょうPさん!その声を届けに!」

P「ああ!!」

ミラージュ(ティアモ)「っく、千早、歌うのよ、歌う事だけがあの人に見捨てられない、唯一の方法なのよ!」

黒千早「歌、私には、歌しかない……!!AHAAAAA!!」

霧亜(っく、長くは、持たないわ、これ。でも、イツキ!!信じているわ!)

サーリャ「くくく、今日の私は機嫌が良いの……絶対に負ける気がしない!」

ミラージュ(ティアモ)「ちょこまかと、近づいて来ているようだけど、お見通しよ!!」シュバババ!

クロム「あれは、スレンドスピア!!それも複数!!くるぞ、イツキ!」

樹「Pさんは、このままま走り抜けてください!」

P「え、で、でも」

樹「俺たちを、信じてください!!」

P「……わかった!」

樹「いくぞクロム!!」

クロム「あぁ!」


樹・クロム「運命を切り開く!!」

キン、キンキィン!

ミラージュ(ティアモ)「っく、あの猛攻を剣だけで凌ぐなんて……!?」

クロム「うおおおお!!!」

ミラージュ(ティアモ)「!!?あの方は……」


ルフレ「!今だP!攻撃の手が緩んでいる、今こそ、戦局を変えよう!」

P「すぅぅ………!!」


P「千早!!!目を覚ませ!!」


ミラージュ(ティアモ)「!」

黒千早「!!」

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ブロロロロ

千早『プロデューサーは……変わった人ですね』

P『ん?何だ藪から棒に』

千早『いえ、愛想もない、笑顔もできない、碌に踊りもできない私なんかをどうしてアイドルに……』

P『あぁ、なんだそんなことか……』

千早『そんなことって』

P『まぁ、確かに昔の千早はレッスンもさぼったし、持ってきた仕事は何もやってくれないし、碌にコミュニケーションが取れなかった』

千早『……』

P『だけど……俺は信じてる』

千早『え、きゃ』

千早(頭、撫でられて……)

P『如月千早は……』

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P「如月千早は、トップアイドルになる女性なんだ!!!!」

P「そんな悲しい歌は、歌わないだろう!?」


黒千早「……!!」

ミラージュ(ティアモ)「っく、耳を貸しては駄目よ!アイドルになんて!!お前には歌しかない!!!歌を歌う事でした、優秀であることを示せない!!!」

千早「……ちがう。アイドルは、歌はそんなものじゃない!!」

ミラージュ(ティアモ)「!」

千早「みんなの笑顔を作る仕事!それがアイドル!それが!!」

千早「私と、プロデューサーの歌!!」

パアアアアアア!

P(!千早とあのミラージュとの身体が分離して……!)

クロム「今だイツキ!チハヤの体からミラージュを引き剥がせ!」

樹「うおおおお!!!」ッダ!

ピ、キーン!!

ミラージュ(ティアモ)(ォォォオオオオオオ!!)

ルフレ「やった、のか!」

P「千早!!」

樹「はぁ……はぁ……」

ミラージュ(ティアモ)「うぅ……まだよ、まだ、私は……倒れるわけには……」

霧亜「……凄い執念ね」

クロム(何故だろう、俺はどこかで彼女を見たことがあるよう気がする……あの姿を……)

千早「……ティアモ」

P「ん?それが、こいつの名前、なのか」

千早「あの、プロデューサー、何とかして彼女を、助けられない、でしょうか」

P「え!?そ、それは……」

ルフレ「可能なんじゃないか。俺は、少なくともPに救われた。そして、彼女も俺と同じような状態だとしたら」

クロム「あぁ、だが、そうするには誰かがミラージュマスターに……」

パアァァァァ!

千早「!この光は……」

霧亜「千早、あなたもやはり……」

樹「Pさん!その光を、あのミラージュに!」

P「え、ああ、わかった!これで!!」

ピカアアアアア!

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-ラジオ局(外)-

P「今日は色々とありがとう」

樹「いえ、こちらこそありがとうございました。今回早期に問題を解決できたのは、二人のおかげです」

ティアモ「千早の事は安心して、これからは、私が命をかけてでも守り抜くとを約束するわ」

クロム「頼んだぞ、ティアモ」

ティアモ「!!!は、はい!クロム様!」

クロム「な、なんだ、そのクロム様というのは……しかし、不思議と違和感がない……うーむ」

サーリャ「ふふ、ここ、落ち着く……」

ルフレ(ど、どうして彼女は僕のすぐ後ろに数歩離れて引っ付いてくるんだ……)

霧亜「千早」ッス

千早「き、キリアさん!?耳元で、何を……」

霧亜「私は、応援してるわ。あなたと……Pのこと」ポツリ

千早「え、え、え!?それってどういう……」カァァァ

霧亜「ふふふ」

P「それにしても、ミラージュに、ミラージュマスターか……いまだに信じられないような気分だよ」

樹「その気持ち、わかります」

霧亜「これからも、貴方たちの周りには今日のようにミラージュが現れるかもしれないわ。その時は、遠慮なく私たちを呼んで頂戴」

ルフレ「その必要はないさ。そうなったら」

ティアモ「私たちが、二人を守って見せるわ」

P「はは、頼りにしてるよ。あぁ、でも、霧亜さんが来てくれるとなれば、千早は用もなく呼んでしまうかも……」

千早「ぷ、プロデューサー!?」

霧亜「あら、何時でも大歓迎よ、ね、千早」

千早「は、はい!!」ピーン

あはははは。
はは、千早どうしたんだよー

樹「それでは、そろそろ行きます」

P「あぁ、気を付けて」


クロム「……また会おう、相棒」ッス

ルフレ「相棒……ああそうだな。また会おう、相棒」ガシ

サーリャ・ティアモ(……羨ましい)

P「行ってしまった、か」

千早「何だか、夢見たいですね。私、さっきはペガサスにのって、空なんか飛んじゃって……」

P「今度のライブで使ってみるか……?」

千早「え!?しかし、あの格好は結構露出が多くて、でもプロデューサーがしろというのなら……」

P「ははは、なんだよそれ。まるで俺が言ったら結婚までしそうな勢いじゃないか」

千早「え、けっこ、え!?あの、それはプロポー……」


P「さてと、じゃあ、帰るか」

P「765プロに!」

-駅-

樹「ふぅ、事件解決の電話をしたら、舞子さんにこっぴどく怒られましたよ」

霧亜「ふふ、それはそうでしょうね。私たちは舞子の指示を破ってしまったのだから」

樹「続きは、キリアさんも一緒に事務所でって言ってましたよ」

霧亜「う……それは」「イツキくーん!!キリアさーん!!」

樹・霧亜「つばさ!?」

つばさ「はぁはぁ、前の現場から、走ってきて……イドラスフィアは!!」

樹「えっ?えーっと、実は……もう事件は解決しちゃって……」

つばさ「えぇ!!?」

霧亜「まぁ、私とイツキに掛かれば、こんなものよね」

樹「はは、まぁ本当は協力者のおかげなんですけどね」

サーリャ(そこは、霧亜との愛のおかげくらい言っておきなさいよ、この朴念仁が!)

つばさ「協力者?あ!そういえばイツキくん!」

樹「ん?どうしたんだ、目を輝かせて、手なんかだして……」

つばさ「如月千早ちゃんのサインは!?」


樹「…………あぁ!?」



蒼井樹「ここが765プロ……」クロム「気を付けろ、イツキ!ミラージュの気配だ!」 完

>44
×ミラージュ(ティアモ)「っく、耳を貸しては駄目よ!アイドルになんて!!お前には歌しかない!!!歌を歌う事でした、優秀であることを示せない!!!」
〇ミラージュ(ティアモ)「っく、耳を貸しては駄目よ!アイドルになんて!!お前には歌しかない!!!歌を歌う事でしか、優秀であることを示せない!!!」

>45
×ルフレ「可能なんじゃないか。俺は、少なくともPに救われた。そして、彼女も俺と同じような状態だとしたら」
〇ルフレ「可能なんじゃないか。僕は、少なくともPに救われた。そして、彼女も僕と同じような状態だとしたら」

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