結城友奈「とりあえず勇者部ってところに入ってみました!」 (63)

#廃部!

友奈「今日から中学生かぁ……」

園子「どうしたの友奈ちゃん、悩み事?」

友奈「あ、園子ちゃん。実はまだ部活何に入るか決めてなくて……」

園子「部活かぁ~。中学はみんな部活に入るもんねぇ~」

友奈「園子ちゃんはどこに入るか決めた?」

園子「私? 私は生徒会だよぉ」

友奈「へぇ~すごいなぁ」

友奈(さすが乃木家の血筋……幼馴染の私とは志が違うなぁ)

園子「のんびりゆっくり出来る生徒会だといいなぁ~」

友奈「そ、そうだといいね」


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園子「友奈ちゃんは何かやりたい事とか、ないの?」

友奈「ん~、頑張りたいっていう気持ちはあるんだけど……具体的にはちょっと」

園子「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」

友奈「う、うん」


友奈(……何かやらなくちゃいけないような気がするんだけど……)

友奈(一体なにをすればいいんだろ~?)


その頃!

風「いつきぃ~! 入学おめでとさん!」ワシワシ

樹「もうお姉ちゃんったら、人前で恥ずかしいよぉ」

風「初々しいねぇ! さすが私の妹、あざとい!」

樹「そ、それでお姉ちゃん、一年生の教室まで来てどうしたの?」

風「ん? ああ、忘れてた! いつきはどこの部活に入るか決めた?」

樹「え~っと、特に決めてないけど……」

風「よし、それなら勇者部に入ろう! そうしよう!」

樹「勇者部……? それって何をする部活なの?」

風「いいからいいから」

樹「ちょっ、お姉ちゃん?! どこに連れてくの~?」

…………

樹「……けほっ。ここは……倉庫?物置?」

風「ふふん。まさしくここが! 勇者部の部室である!」

ガラーン

樹「誰もいないけど……」

風「そりゃあ部員は私一人だからね」

樹「えっ? お姉ちゃん介護部に入ってたんじゃなかったの?」

風「そっちは掛け持ち。本命はここよ」

樹「で、でも部員はお姉ちゃん一人って……」

風「確かに、まだ正式には部活として認められてないわね。
  けどメンバーはたった今二人になったわ」

樹「?」

風「ようこそ勇者部へ!」

樹「えぇ~っ!?」

ドア「コンコン」

樹「ひぃっ?!」ビクッ

東郷「あの~……」

風「ん?」

東郷「うどん部の見学に来たんですけど……」

風「おおっ!!」

東郷「うどん部はこちらで……」

風「勇者部の見学ですかっ?!」

東郷「いえ、だからうどん部の……」

風「勇者部に入りませんかっ!? 部員が足りなくて困ってるんです!」

東郷「え、えーっと……」

樹「お姉ちゃん、困らせちゃダメだよ」ぐい

風「ぜ、ぜひ我が勇者部に! 今入部すればいつきをペロペロする権利をやる!」

樹「何言ってるのお姉ちゃん?!」

風「ダメ?」

樹「そんな、お姉ちゃん以外にペロペロされるなんて……」

風「そうか……なら私をペロペロしろぉー!」

東郷「お断りします」

風「ですよねー」

樹「やっぱり私じゃなきゃダメなのかな……」

風「いや、そういう事じゃないと思う」

東郷「……ふふっ」

風「?」

東郷「……なんだか面白そうですね。私なんかでよければ……」

風「入ってくれるの?」

東郷「……」コクリ

風「ッしゃらぁッ! うしっ! これで3人目!」

東郷「えっ、3人?」

樹「メンバーは何人いれば部として認められるの?」

風「4人だ! あと一人入れば、勇者部結成じゃあー!」

樹「がんばろー!」

東郷(なんて所に入部してしまったんだろう……)

風「そういやまだ名前、聞いてなかったわね」

東郷「東郷、美森です」

風「私は犬吠埼風、こっちは妹のいつき」

樹「いつきです」ペコリ

東郷「どうも……」ペコリ

風「じゃあ早速、部員集めの会議を始めるわよ!」

樹「よろしくね、東郷さん」

東郷「は、はい」

東郷(勇者部ってそもそも何だろう……)


……1週間後

友奈「う~~~ん……」

園子「困ってるみたいだねぇ」

友奈「あ、園子ちゃん」

園子「どうしたの?」

友奈「私まだ部活どこに入るか決めてなくて……」

園子「もう見学期間終わっちゃうよ? このままじゃニートだよ?」

友奈「部活やってないだけでニート!?」

園子「ほら、掲示板にいろんな部活のチラシあるよ」

友奈「福祉部……うどん部……勇者部?」

園子「『人々がよろこぶ校外活動を勇んで行う』だって。これって福祉部と被ってるよねぇ」

友奈(勇者部……勇者かぁ……)

園子「友奈ちゃんにはピッタリなんじゃないかなぁ?」

友奈(……ちょっと見学だけでもしてみようかな)


部室!

樹「……もう一週間も経つのに……」

風「誰も来ない! どういうことだー!」

樹「せっかくチラシも作ったのにね」

風「うむむ……もっとこう、インパクトのある広告じゃなきゃダメなのか……?」

東郷「インパクトですか……であれば私が」

風「あー誰か来ないかなー(棒」

樹「そ、そうだねー(棒」

東郷「ですから、日本の美しい大和魂をあますことなく表現した私のイラストでしたら」

風「そういや今はネットのホームページで宣伝するっていう手もあるなー」

樹「お姉ちゃん、それはいいけど誰がホームページを作るの?」

風「それもそうだな……」

東郷「それは良い案です! ちょうど私、IT関係には詳しいので」

風(あっやべ)

東郷「そうです! 風さんと樹さんがチラシを作成し、私がHPを作成するという方針はどうでしょうか?!」キラキラ

樹「え、えーっと」

風「ま、まあ……そういう事なら……」

東郷「いいんですか?!」

樹「(ちょっとお姉ちゃん……!)」コソコソ

風「(だってあんな目で見られたら……なぁ?)」コソコソ

樹「(あの時のチラシみたいになったら本当に人来ないよ?)」コソコソ

風「(ぼた餅と日の丸の取り合わせはさすがにな……)」コソコソ

東郷「どうかしましたか?」

風「い、いや何でも!」アハハ

東郷「私、頑張ります!」フンス!

風「ただ、HP作成は東郷に任せるが、部長である私のチェックを通さないと公開してはならない。いいね?」

東郷「はっ」ビシッ

樹(心配だなぁ……)

風「しかしこのままだと本当に廃部になっちゃうよ~」

樹「勇者にもなれずに廃部かぁ」

風「それだけはや~だ~」

樹(私は別にどっちでもいいんだけど……)

東郷「あ、そういえばみなさん」

風「なに?」

東郷「ぼた餅を作ってきたのですが、一緒に食べませんか?」

風「また?! 東郷、あんた本当にぼた餅が好きねえ」

樹「ほぼ毎日食べてるよね、私たち」

風「まあ美味いからいいけど」ヒョイパクッ

東郷「たくさん作ったので、遠慮なくどうぞ」

樹「糖尿病になりそう……」モグモグ

風「こうなるとお茶が欲しくなるわよねぇ」ムグムグ


わいのわいの

ドア「ガチャ」

友奈「あの~……」

風「むぐっ?! げほっげほっ」

友奈「うぇっ?!」

樹「お姉ちゃん大丈夫?!」

風「ぼ、ぼた餅が喉に詰まって……そ、それよりそこのアナタ!! 何しにここへ……?」

友奈「え、えっと、勇者部の見学に……」

風「おおおっ!! ど、どうぞどうぞこちらへ……」ニコニコ

友奈「は、はい」オドオド

風(キタ! 見学者キタ! これで勝つる!)

樹(ほ、本当に来るなんて……)

東郷(ぼた餅……)

友奈(なんか人少ないなぁ……これで全員なのかな……?)

風「えっと、お名前は……?」

友奈「あ、友奈です。結城友奈です」

風「友奈ちゃん! なんてかっこいい響き……まさに勇者になるべくして生まれたような存在じゃない!」

樹「友奈さんはどうして勇者部に?」

友奈「えっと、チラシを見てなんだか自分に合ってそうだなーって」

東郷「これ、どうぞ」スッ

友奈「え? あ、ありがとうございます……(ぼた餅……?)」

東郷「友奈さんは、古き良き大和魂についてご興味がおありかしら?」

友奈「ご、ご興味……?」

風「そんな事より! 友奈さんってすごい名家の生まれなんでしょ?」

友奈「はい?」

風「すっごい勇者の血筋なんだよね!」

友奈(すっごい誤解されてるー?!)

樹「何をどう勘違いしたらそうなるの、お姉ちゃん」

風「え? 違うの?」

友奈「私は全然普通の家の生まれですけど……」

風「で、でも勇者部に来たってことは、何か縁があったって事だよね?」

友奈「えっと、本当の事を言うと、他に入りたい部活がなくて……そもそも何をする部活なのか分からないし……」

風「勇者部ってのはねー……ずばりそのまま勇者になるための部活ってことよ!!」

東郷「初めて聞きました」

友奈「チラシに書いてある事とだいぶ違いますけど?!」

風「まあ最初はコツコツと、世間のためになることを進んでやるってのが主な活動内容ね」

樹「ボランティア部みたいなものだね」

友奈「ボランティア……」

東郷「献身こそ和の精神。立派な心がけですね」

樹「友奈さんはそういうの、嫌いですか?」

友奈「う~ん、嫌いではないんですけど……」

風「それなら入部しましょ? ね? 今ならぼた餅1年分プレゼントするから」

東郷「私、頑張ってにぎります!」

友奈「い、いやそんなの結構です!」

東郷「そんなの……?!」ガーン

友奈「ち、違くて、そういう意味じゃないです!」

風「いつきのペロペロ券の方がよかったかしら」

友奈「……えっ…と……」

樹(めちゃくちゃ困ってる……まあこの二人相手にしたらね……)

友奈「ご、ごめんなさい! 軽い気持ちで見学なんて来てしまったから……」

樹「…………」

友奈「期待させるだけ期待させてしまって……なんて謝ればいいか……」グスッ

風「(ちょ、泣いちゃったんだけど)」コソコソ

樹「(お姉ちゃんが悪いと思う)」コソコソ

東郷「……私たちの方こそごめんなさい。ムリに引き止めてしまったりして……」

友奈「ふぇぇ……」

樹(やっぱり強引なやり方じゃダメだよね……)

風「……じゃあ最後に一つだけ! 私たちの変身を見てってほしいの!」

友奈「変身してくれるの?!」パァァ

樹(急に明るくなったー!?)

樹「っていうか変身てどういうこと!?」

風「あれ?説明してなかったっけ?」

東郷「初耳です」

風「なんかこう、スマホみたいな奴があるでしょ? それをポチーっと」

樹「分からないよ!!」

風「分かりなさいよ!!!」

東郷「まあまあまあまあ」

友奈「わくわく」

風「とりあえず二人のためにもやってみせるから、よく見ておきなさい」

樹「もう、お姉ちゃんったらいつも唐突なんだから……」

東郷「スマホアプリっていうことはjavaかしら」

友奈「わくわく」

風「行くわよ! 変ッ 身ッ!!」ピカー


バキッッッ



ズガシャーン

樹「どぅわ!?」

友奈「でっかい剣みたいなのが出てきた!」

風「あ、ごめんごめん、それは出さなくていい奴だったわ」

東郷「ロッカーがぺしゃんこに……」

樹「怖いよ! 危ないよ!」

風「どう? これが勇者の変身よ!」

樹(本当に変身しちゃったよこの人!?)

友奈「…………か…………かわいい!!!」キラキラ

樹(どっちかっていうとかっこいい系じゃないかなぁ……)

東郷「かっこいいです、風先輩!!」

樹「東郷さんまでも!」

風「ふふーん、どうよ? これが私の女子力ってもんよ」

友奈「すごくかわいいです!!」

東郷「わ、私も変身できるようになりますか?!」

樹(友奈さんもだけど東郷さんの食いつきがヤバイ)

風「そうねぇ。勇者部に入って努力すれば、変身できないこともないわよ?」

友奈「勇者部に入ります! 今すぐ入ります!」

東郷「私も! ぜひ入部させてください!」

風(ぬふふふwwwwww下級生チョロすぎぃwwwwww)

風「よぉし、お前ら勇者になりたいかー!!」

友奈・東郷「おー!!」

風「なりたいかー!!」

友奈・東郷「おー!!!!」

風「よっしゃああ私についてこーい!!」

友奈・東郷「うおおおおお!!!!」

樹「お、おう」



――こうして私は勇者部に入部することになりました。

なんだか不思議な人たちだけど、ちゃんとやっていけるかな……

今日はこれまで
全12話を予定してるけど、ゆゆゆ最終回までに終わるかどうか。。。

#変身!


友奈「えへへ~」

園子「友奈ちゃん、今日は機嫌がいいんだねぇ」

友奈「うん、私今日から勇者部に入ることになったんだぁ」

園子「えっ、本当に入ったんだ……でも入る部活が決まってよかったねぇ」

友奈「放課後が楽しみだなぁ」ワクワク

園子「そうなんだ、じゃあ私生徒会に行くね」

友奈「まだお昼休みなんだけど!?」


放課後!

ドア「ガチャ」

風「お、待ってました勇者様!」

樹「お疲れ様です、友奈さん」

東郷「今日は良いぼた餅が作れたの。よかったらどうぞ?」


これが勇者部のメンバーです。

長い金髪で女子力()を振りまいてるのは風先輩。
勇者部の部長で、しかも勇者に変身できるすごい人なのです!

おとなしそうにしてる小さいこの子は樹ちゃん。
風先輩の妹で、本当はそんなキャラじゃないのにツッコミ役にならざるを得なかった可哀想な子です。

黒髪で清楚な雰囲気を漂わせているのは東郷さん。
ぼた餅に並々ならぬこだわりを持っている変わった人です。
足が悪いので車椅子に乗っています。なんだか同じ時間を繰り返しループしているような気がします。

東郷「今日はどんな活動を?」

風「ん~……そうねぇ……まずは湯のみと茶葉を用意しないといけないわね」

樹「それじゃただの女子会だよお姉ちゃん……」

東郷「湯のみと茶葉ですね、分かりました。明日にでも用意します」

風「おおっ、悪いね!」

友奈「いいの? 東郷さん。いつもぼた餅まで持ってきてくれるのに」

東郷「私の家には色々な人が訪れるので、よくお土産をいただくんです。
   あんまり多くて腐らせるのももったいないですし、勇者部の活動の助けになれば……」

樹「なんだか当たり前みたいにぼた餅貰ってますけど、本当にありがとうございます」

東郷「いえいえ、お気になさらずに。私が好きでやっている事なので」ニコッ

友奈(東郷さんって優しくて気を使える人なんだなぁ)

東郷「それはそうとして、みなさんに報告があります」

風「ふむ、いっへみなはい」モグモグ

友奈「風先輩もうぼた餅に手を付けてる」

樹(女子力とはいったい……)

東郷「昨日お話していたHP作成の件ですが、さっそく作ってみたので見ていただけませんか?」

風「ほう、どれどれ……」

友奈「ほーむぺーじ?」

樹「あ、友奈さんには言っていませんでしたね。勇者部の部員を集めるために広告も兼ねて……」

風「ぶふぉォッッ」ブー!!

樹「ぬわッ?! お、お姉ちゃんいきなり何吹き出してるの?!」

友奈「ちょっ、風先輩?!!」

風「げほっげほっ…… と、東郷これは一体……?!」

東郷「はい。勇者部の勇ましい志を世界中の人々に伝えるため、
   まずは風先輩と結城さんに身体を張ってもらいました」

友奈「え、私も?!」

風「み、見るな!」

友奈「こ、これは……!! ふ、風先輩なんでハダカなんですか!!」

樹「しかも風呂上りという生々しさ」

風「思いっきり盗撮じゃん!! 東郷キサマこの写真をどこで?!」

友奈「ちょうど良い所が隠されてる……」

東郷「友奈ちゃんのもあります」ポチッ

友奈「うわあああああああ!!!」

風「友奈、あんたなんちゅー格好で……」

友奈「今すぐ消してええええええ」

東郷「ちなみに、ここの隠しボタンをクリックすると全てが丸見えに……」

風「あんた勇者部潰すつもり!?」

樹(まあお姉ちゃんの写真を提供したのは私なんだけど)


その後、私と風先輩の説得で東郷さんはしぶしぶ写真を消去してくれました。

優しいけど、色々と恐ろしい人です。

風「……っていうか東郷、あんたの方が立派なもん持ってるでしょーが。
  自分を被写体にすれば良いんじゃないの?」

東郷「立派なもの?」どたぷーん

樹「くっ」

友奈「う、うん。東郷さん可愛いし、私たちの写真を載せるよりずっと良いと思うよ!」

東郷「ですが私は車椅子がないと動けないですし、あまり見栄えのいいものではないかと……」

風「バリアフリーが充実してる今の世の中、そんなの気にする奴なんていないって!」

樹「この学校だって、福祉関係の活動はすごく盛んだもんねぇ」

風「むしろこれからは車椅子系女子が流行る! 私が言うんだから間違いない!」

東郷「は、はい。なんだかよく分かりませんが、ありがとうございます」

樹「こう見えてもお姉ちゃんは介護部の次期部長とまで言われたすごい人なんだよ」

東郷「そうだったのですか。人は見かけによらないものですね」

風「おい」

友奈「あはは……」



風先輩はいつもふざけてるように見えるけど、案外頼りになる人です。

友奈「樹ちゃんってしっかり者だよね~。風先輩の扱い上手だし」

風「私はいつきのペットかい!」

東郷「家事などもテキパキとこなせそうに見えます」

樹「うっ……」

風「あ~、ダメダメ。いつきったら私が世話してやらないと何もできないんだから」

樹「お、お姉ちゃん!」

風「今朝だって私が何回も起こしに行って、目が覚めた時は遅刻ギリギリだったじゃない」

樹「むぅ……」

東郷「意外です。樹さんはもっとこう、風先輩を足蹴にしている印象がありました」

風「東郷って発想がなんか極端じゃない?!」



小さくて可愛らしい樹ちゃんはいつもニコニコとしているけど、

風先輩の前では怒ったり恥ずかしがったり、色々な表情を見せてくれます。

なんだかんだ言って、お姉ちゃんが好きなんだと思います。

今日はここまで
意外と時間かかっちゃいますねこれは

読み返して重大なミス発見

>>38
× まずは風先輩と結城さんに身体を張ってもらいました。
○ まずは風先輩と友奈さんに身体を張ってもらいました。

>>39
× 東郷「友奈ちゃんのもあります」ポチッ
○ 東郷「友奈さんのもあります」ポチッ


こういうのよくないね。
気をつけます。

今日は関西で11話放送ですね。
ということで続けます。


こうやってお話をしていると、みんなそれぞれ変わった所はあるけれど

根はとても良い人たちなんだなって思います。

ただ……。


風「ぼた餅うめー」パクパク

樹「そ、そうだね」モグモグ

友奈「…………」もぐ

東郷「…………」ジーッ


友奈(うぅ……昨日の変身のことを聞いてみたいけど、なんか恥ずかしい……)

東郷(昨日は風先輩の勢いに乗って舞い上がってしまいましたが……)

友奈(よくよく考えてみればあの衣装はちょっとなぁ……)

樹(変身っていうよりコスプレだし……)

友奈(むしろただのイタい人だよ……)

風「ん? あたしの顔になんかついてる?」

友奈「えっ?! な、何でもないですぅ!」アタフタ

風「なら今のうちに最後の一ついただきぃ!」ヒョイパクッ

樹「お姉ちゃん食い意地張りすぎ……」

風「あー食った食った」

樹(この人、食べるために部活に来てるんじゃ……)

風「さて。じゃあ昨日の続き、勇者の変身について話でもしよっか」

友奈「唐突に切り替わった!?」

樹「前フリ長いよ!」

風「据え膳食わぬはなんとやら、よ」

東郷「ちょっと意味が違いますが……それはまあいいでしょう」

樹「お姉ちゃん、あれって何のアニメのキャラなの?」

風「だからコスプレじゃないってーの!」

友奈「っていうことは、本当に変身してるんですか?」

風「まあね」

東郷「一体どういう原理で……エネルギー保存則に反しています。近代物理学に対する冒涜です」

風「どういう理屈で変身できるのかは分からないけど、そんなに難しいことじゃないわよ?」

友奈「そういえば風先輩はスマホを使ってましたよね」

風「そそ。まあ説明するより実際にやってもらった方がいいわね。というわけでハイ、これ」

どさっ

東郷「風先輩の持っているものと同じものですね」

樹「こんなにたくさん、どうしたの? まさかお姉ちゃん自分の身体を売って……?!」

風「ちゃうわい! 協会からいただいたのよ」

友奈「きょうかい?」

風「その辺はあとで説明するわ。とりあえずアプリはすでにインストールされてるみたいだから、
  各々適当に変身してみ。はい、はじめ!」パンパン

友奈「運びが雑すぎません!?」

東郷「えーっと……どうやらアプリは一つしか入っていないようです」

樹「勇者アプリ?」

友奈「とりあえずこれを起動してみればいいのかな?」ポチッ

東郷「あっ、友奈さんそんな無用心に……」

ピカー

友奈「なんか身体が光り出したよ?! ま、まぶし……」

樹「ほ、本当に変身してる……!」

風「おおーすごいすごい」

東郷「これは……」

友奈「…………? ど、どうなったの……?」

風「成功ね! ちゃんと勇者っぽくなったじゃない!」

友奈「……ほ、本当だ……でもなんでピンク……」

風「はい、他の2人もねー」

友奈「な、なんかすごく恥ずかしいんですけど……」


私の後を追って、東郷さんと樹ちゃんも恐る恐る変身しました。

樹「あ……この衣装、けっこう可愛いかも……」

風「いつき、すごい似合ってるじゃない!」

東郷「お……おお……!!」

風「どした東郷?」

東郷「た、立てます! 見てください、こうすれば……!!」

にょろーん

風「おおーなるほどそういう使い方もあるんだね」


東郷さんの変身にはちょっと特別な機能があるみたいで、

自分の足のかわりに触手みたいなものが自立して動くようになっていました。


友奈(私の頭についてる長いやつ、邪魔だなぁ……)ツンツン

樹「それで、変身したはいいんだけど……」

東郷「これって何か勇者になる事と関係があるのでしょうか?」

風「関係大有りよ! まあ色々と説明することはあるけど、
  まず現段階で目標はクリアーしたわ!」

友奈「どういうことですか?」

風「これで我が勇者部は正式に勇者道連盟に加入できることになったってコト」

樹「勇者道……連盟……?」

風「そ。みんな知っての通り、勇者道は日本に古来から伝わる伝統芸能で……」

友奈「そんなの初めて聞きました」

風「あれ、知らない? 大和撫子の嗜みとして乙女はみな学ぶものよ」

東郷「そ、そんな武道があったなんて……私としたことが、不覚でした……」

樹「華道とか、戦車道みたいなもの?」

風「まあ戦車道ほど危なっかしくはないけど、戦うっていう意味なら似てるわね」

友奈「え、っていうことは試合とかあるんですか?!」

風「試合じゃなくて審査会。その審査会で己の勇者道がどこまで極まったか見てもらうのよ」

東郷「その審査委員としての勇者道連盟というわけですね」

風「あったりー」


風「まあそういう事でだいたいオッケー?」

樹「いや全然オッケーじゃないよお姉ちゃん……」

東郷「風先輩、質問があります」

風「なんだね東郷くん」

東郷「友奈さんの頭に乗っているこの淫獣も、勇者と関係があるのですか?」

友奈「おわ?! どうりで頭が重いと思った!」

風「あーそいつは精霊ね。精霊っていうのは…………」



その後、風先輩はみんなに質問攻めにされました。

先輩は妙に勇者について詳しいみたいで、色々と教えてくれました。

勇者にはレベルがあって、経験値が溜まるとレベルが上がり、強くなれること。

精霊はアプリを起動すると呼び出され、審査会でのサポート役を務めてくれるということ。

それから、勇者部協会と勇者道連盟に関する機密事項について…………。

風「それと、今日ここで変身したことは口外禁止ね?」

友奈「なんでですか?」

風「原則として練習と審査会以外では変身しちゃいけないことになってるのよ」

東郷「…………」

樹「けっこう厳しいんだね」

風「それなりに伝統ある武道だからねぇ。あまり一般に知られてないのもそのせいかもね」

東郷「風先輩はどこで勇者道を知ったのですか?」

風「ああ、親が勇者道の審査委員だったのよ」

樹「そうだったの? 知らなかった……」

風「いつきはまだ小さかったからねぇ。みんなには言ってなかったけど、私たち実は両親とも死んでるんだ」

東郷「えっ……」

友奈「……そうだったんですか……」

風「……ま、そういうことで一つよろしく!」

友奈「は、はい!」

東郷「これからは審査会に向けた練習が主な活動になるのでしょうか?」

風「いや、当面はボランティア活動がメインね」

東郷「練習はしないのですか?」

風「ん~、実は練習するのも色々と大変で、頻繁にできるってわけでもないのよ」

樹「そんなので大丈夫なの?」

風「まあ心配なさんなって! 実はこんなこともあろうかと、一つ先手を打ってあるんだから!」

東郷「というと?」

風「今週の土日に審査会を申し込んだわ! みんな、気合入れていくわよー!!」

樹「え?」

東郷「……え?」

友奈「えええええええええええ!?」

今日はここまで
既に分かっている人はいるかと思いますが、ゆゆゆベースで設定をちょこちょこ変えております
そして書きながら思ったのですが、ゆゆゆの登場人物の少なさに驚愕しています
あとにぼっしーと銀しかいないじゃん……

いやー11話が思った以上にキツくて一日凹んでました。。。
今日と明日でぼちぼち進めていきたいと思います。

#特訓!


放課後!

風「……えーっと、今日の依頼はなんだっけ? いつき」

樹「今日は川原でゴミ拾いだよ」

風「んじゃ早速行きますか! 勇者部出動ー!」

友奈「おーっ! …………じゃないですよ風先輩!!」

風「え?」

友奈「え? でもないですよ! 審査会に向けて特訓するんじゃなかったんですか?!」

風「そんなこと言ったっけ?」

樹「昨日お姉ちゃん、『明日からみっちり特訓ね!』って言ってたけど……」

東郷「審査会は土曜日開催。ということはあと3日もありませんね」

友奈「どどど、どうするの?! 私たち何をやるかも知らないのに」

風「まーまー、それは一旦置いておいて。ゴミ拾いも特訓の一環なのよ」

友奈「とてもそうは思えないですけど……」

東郷「せめて私たちが審査会で何をしなくてはいけないのか、教えてくれませんか?」

樹「そうだよお姉ちゃん。お姉ちゃんばかり知っててずるいよ」

風「お、おう……それもそうね……」

樹「…………」ジーッ

風「……あ、あはは。まあ歩きながら話していきましょ! ね? 早く行かないと日がくれちゃうわよ!」

友奈「分かりました……」

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