ご当地SS「喜多方肛門ラーメン」 (13)

ここは福島県喜多方市のあるラーメン屋さん。
10年前からこの地でラーメン屋をしている店主は、頭を悩ませていた……。


店主「うーん……」

バイト「どうしたんすか店長?」

店主「どうしたとこうしたものないよ! 全然来ないんだよ、客が」

バイト「そりゃこんな田舎だし、たまに地元の中高生やジジイババアたちが来るだけですもんね」

店主「たまに来る観光客もラーメン食ってさっさと喜多方から出ちまうし、だからこの小さな町は観光では人が呼べない。いくら喜多方ラーメンで有名でも、町そのものが潤わない」

バイト「そもそも泊まる旅館やホテルがないし、ネカフェもないから若い人がわざわざ遠くから来ませんよ」

店主「クソッ! 俺はラーメンの茹でなら喜多方市内で一番だと自負してるのに!」

バイト「どんなに美味くても食べに来る人がいなけりゃ廃れますよ。だいたいこの店、今どきホームページもSNSもないんだから、そりゃ遠くの人が知るわけないですよ」

店主「へっ、そうやって若いやつはすぐにネットだとかSNSとか言いやがる!」

バイト「そんなんだからこの店客を呼べないんすよ! 若い人が来てくれた方が良いに決まってんのに」

店主「ううっ……」

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バイト「んじゃ今日はもう客来ないから、俺上がりますよ」

店主「お、おう。明日もよろしくな」

バイト「あ、俺近々バイト辞めるんで」

店主「えっ!? そりゃ困るよ! お前まで辞めちゃったらこの店俺一人じゃなーかよ!」

バイト「別にいいっしょ、どうせ客少ないんだし。俺もうこんな田舎出でって都会の会社で働くことになったんで、そんじゃ…」

店主「そんなぁ……」

その夜、市内にあるマクドナルドにて、


店主「くそ……若いバイトまで辞めて都会に流れちまう。俺の店はお終いだ、近々店を畳んで適当に親の仕事継ぐか」

???「おやおや、こんな田舎のマクドナルドでコーヒーのヤケ飲みですか?」

店主「誰だ、アンタ」

???「これは失礼、私はただの観光客ですよ。たまには田舎町でのんびりするのも良いと思って、都会から来たんですよ」

店主「都会から? へっ、見たところアンタ若いな。そうやって若いやつはすぐに都会に慣れちまう……俺みてえな時代に合わない古いやつが取り残されるように田舎で過ごすのさ」

???「……失礼ながら、確かに喜多方は若い人や環境客を呼び込むような施設があるわけではないですね」

店主「そうだろ、ここはそんなとこさ。名物といっても喜多方ラーメンくらいだな」

???「そういえば、さっき食べてきましたよ。美味しいラーメンでしたよ!」

店主「ああ、きっと美味しんだろうな、その店はよ……それに比べて俺の店には客なんてこねぇよ」

???「えっ?」

店主「おっと悪いね、兄ちゃん。アンタには全然関係ない話だな。こうやって落ち込んでるおっさんに構うことはねぇよ」

???「……あの、よければお話を聞かせてくれませんか」

???「なに……」

こうして店主は、謎の青年に悩みを打ち明けた。


???「なるほど。自分のラーメン屋がお客さんが入らず、しかもバイトの若い店員さんも辞めてしまうんですね」

店主「ああ、そのせいでこんなところでやけコーヒーさ。俺はラーメンには自信あったんだけどな、客が呼ばなきゃ意味なんてねぇよな……ははっ」

???「店主さん、僕に考えがあります」

店主「え、マジか!? 教えてくれ、俺はどうしたらいいんだ?」

???「……その前に、近くにあるモーテルへ行きませんか」

店主「へっ……」

モーテルにて、


???「ジュル ジュルグプッグプッ」

店主「ンアッーー……な、なんて舌技なんだ」ブルブル

???「プハッ……噛みごたえのある立派なシャーシューですね……チュポッ」

店主「ングンン!? そ、そんなにされたら……もう、イクイクイクイク……アッ…ンアーッ!!」


ドピッ、ドピュピュピューーー


???「ジュルルルル……はぁはぁ……なんて濃厚な肉汁なんだ。やりますねぇ~」

店主「はぁはぁ……足腰が立たん。これが若いやつの力かよ」

???「さあ、次はこの物欲しそうにヒクヒクするナルトを頂戴しますよ」ピトッ

店主「ちょっ、おい、俺今イッタばかりじゃ…」

ジュプ、ズニュヒュニュニュ

店主「アアアアァァーーーンッ! なんて大きな極太メンマなんだ……」ハァハァ

???「さぁ、イキますよ」パンパン

店主「アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アン!アッーンン!! 」ギシギシアンアン

???「ぐっ、そろそろ……」

店主「ンンンンンンンンアアアアアッ、ンアッー(≧Д≦)」


ハァ……ハァ……



店主「……ハァ……こんなの久々だ」

???「あなたの悲しい顔なんて見たくなかった。あなたのラーメンにかける情熱は、僕があなたの胸にかけたスープと同じくらい熱いはずよ」

店主「兄ちゃん……」

???「さて、僕はそろそろこの町から出ますよ。せっかく福島県に来たんだ、他にもまわりたいところがありますから」

店主「待ってくれ、最後に名前を聞かせてくれ」

???「僕は……肛門青年です」

店主「肛門青年……ありがとう、お前は俺の恩人だ。お前との熱い夜を参考に、きっと良いラーメンを作ってみせるぜ!」

???「ふふっ、期待していますよ……じゃあ」


店主「肛門青年……」



それからしばらくして


店主「よし、こだわりの新作が出来た!」

店主「肛門青年とのあの熱い夜、俺はこの新作ラーメンにすべてをかけるぜ!」

ガラガラ

客A「こんなところにラーメン屋があるゾ」

客B「せっかくだし何か食おうぜ」

店主「お、客が来た。いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」

客A「さて、何を頼もうかな」

客B「ん?この『特性ラーメン』ってなんだ?」

店主「お、お客さんお目が高いね! 最近出来たばかりのこだわりの特性ラーメンですよ」

客B「マジで! 気になるし俺はそれにする」

客A「じゃあ俺も同じのを」

店主「はいよ、特性ラーメン二つ! 少々お待ちください」

そしてしばらくして、



店主「お待たせしました。特性ラーメン二つです」


客A「お、来た来た」

客B「あれ、でもどこが特性なんだろう。見た目は普通だけど」

店主「まあまあ、ここから一手間加えるんですよ。オリャ!」


ブリ、ブブブゥ……ブッチッパ


客A「うわ、なんか茶色い物体が麺の上にぶっかかったゾ!?」

客B「これは……味噌?」

店主「ただの味噌じゃありませんよ。こいつは"糞味噌"だ!」

客A「糞味噌だと!?」

店主「ささ、伸びる前に食ってくだせえ」


客A「じゃ、いただきます」

ズルズル

客A「!?」

客B「おい、どうした!?」

客A「…………ンンンンンンンン、ンアッーーーー(≧Д≦)」

ダキッ、バタバタバタ

客B「ちょ、いきなり抱きついて、ら…らめぇぇぇぇ~~///」


店主「お、客Aがあまりの味に興奮し過ぎて客Bに抱きついてコトに及び始めたゾ!」

店主「そうだ! この様子を撮影してネットに流すか。最近ネットの作り方勉強したから良い宣伝になるぞ」



店主の狙いは見事的中し、ネットの力もありあっという間に店は全国的に有名となった。

今では北は北海道南は沖縄から糞味噌を堪能したいホモが足を運ぶ名店となり、喜多方で一番大きなラーメン店に成長した。
カップルで訪れるホモもいるが、中には一人でやって来る観光ホモも存在した。ホモ同士の出会いの場として密かにゲイ雑誌に特集が組まれ、ラーメン店としてではなく発展場として賑わいを見せるにまで至ったのだ。

ホモだけではなく、間近でホモの絡みを見れるとして腐女子も大勢やって来たため、店の売り上げは何倍にも膨れ上がったのだった。

若者の姿がなく高齢者ばかりの喜多方市は、ホモの町として賑わいを見せたのだった。

ある日、喜多方市役所にて

市長「いや~、君のおかげで喜多方市は人と喘ぎ声で賑わう素敵な町になったよ。礼を言うゾ」

店主「どうもどうも」

市長「しかし一つ、困ったことが起きてね」

店主「え?」

市長「じつはみんな君のラーメンで興奮してゴムも着けずにアナルセックスするもんだから、性病や炎症になっちゃってね。しかもマナーの悪い腐女子が街を汚すは、コンビニやドラックストアのコンドームの数が足りなくなるわ……一番深刻なのが喜多方市内の病院じゃ性病治療ができる医師が限られてるから毎日市役所にクレームの嵐なんだよ」

店主「ファ!?」

市長「てなわけで、お前なんとなしろ」

店主「えぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!」




店主「くそ、せっかく成功者になったのに、一体どうすればいいんだ…」

????「お困りのようですね」

店主「誰だアンタは? 白衣着て見るからに医者っぽいけど……」

????「失礼。私は肛門性病科医です」

店主「性病……だと……お願いします! 力を貸してください!」

肛門性病科医「ええ、いいですよ。ここじゃなんだし、近くのモーテルへ行きましょうか」

店主「はい!」

肛門性病科医(ふふっ、弟から聞いた通りだ。こいつは使えるゾ……)





終わり

【注意事項】
・このSSはフィクションです
・下品な表現が苦手な方はご注意ください
・喜多方ラーメンが好きな方はあくまで創作であることをご理解ください
・喜多方市に在住の方々のイメージを損ねる意図はございません

ありがとうございました。

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