ガヴリールドロップアウト殺人事件!!!(59)

ガヴリールドロップアウトのSSですが、サスペンス物になっております。

…朝の9:30…

サターニャ「ガヴリール、来るって言ってたのに来ないから、迎えに来てあげたわよー?」ドンドン

サターニャ「ガヴリール? おかしいわね…ちょっと入ってみましょうか!」

ガチャ

サターニャ「ガヴリーrっ!!?」ビクッ

ガヴリール「」

サターニャ「あ、あぁ……」

ガヴリール「」

サターニャ「ぎゃああああああぁぁぁぁーーーっ!!!!!」





ピーポーピーポー
ウッーウッーウッー

刑事「では、貴方が部屋に入った時には天真さんはもう?」

サターニャ「えぇ、そうよ。もう死んでたのよ!!!」

刑事「どうして亡くなっていると分かっていたのですか?」

サターニャ「ひ、悲鳴をあげた後、すぐに部屋に入って脈ってやつを確かめたのよ。そんで脈がなかったから、すぐに死んでるって分かって…」

刑事「そうですか。では、貴方のアリバイを聞かせてもらえますか?」

サターニャ「アリバイ?」

刑事「犯罪が行われた時、その現場以外の所に居たという証明の事ですよ」

サターニャ「なっ、私を疑ってるの?!」

刑事「いえいえ。被害者の関係者皆さんに確認していることです。ちなみに天真さんが亡くなったのは今日の朝の8:00である事が分かりましたので、その時間はどこで何をしていたかをお答え願いますか?」

サターニャ「ふぅ~ん。で、朝の8:00だったわね。その時間、私はコンビニに居たわよ…朝食を買う為にね」

刑事「証明できる人は?」

サターニャ「店員が見ているはずよ。それか、防犯カメラって奴に映っているか。」

刑事「分かりました!」

刑事「では、貴方と天真さんの関係とどうやって鍵が掛かった天真さんの部屋に入る事が出来たかをお教え願いませんか?」

サターニャ「私とガヴリールは…いわばライバル関係よ。鍵は合鍵を貰ったから、それで入ったの。ちなみに私だけじゃなくて、他にも三人ぐらい部屋の合鍵を持っている奴はいるわよ」

刑事「それは誰ですか?」

サターニャ「仲間のヴィーネ…月乃瀬=ヴィネット=エイプリル、腐れ縁のラフィエル…白羽=ラフィエル=エインズワース、後はガヴリールの後輩のタプリス…千咲=タプリス=シュガーベルよ!」

刑事「成る程。ありがとうございました」

サターニャ「フン、人間風情の為にここまで協力してあげたんだから、絶対に犯人って奴を挙げなさいよね…」

~翌日~

ヴィーネ「まさか、ガヴがねぇ……」

ラフィエル「一体、誰が…」

タプリス「その犯人って人が許せません! よくも天真先輩を」

サターニャ「気持ちは分かるけど、落ち着きなさいよ?」

タプリス「まさか、胡桃沢先輩とかじゃないんですか?」

サターニャ「私じゃないわよ。第一、私は第一発見者で、尚且つアリバイってやつが後々成立したのよ!? 犯人なわけないじゃない!!」

タプリス「怪しいですね。本当はアリバイを証明した人物と口裏を合わせてとか…」

サターニャ「あんたねぇ、いい加減にしなさいよ!」

ラフィエル「まぁまぁ、タプちゃんにサターニャさん…」

ヴィーネ「今は喧嘩なんかしてる場合じゃないのよ」

サターニャ「……」

タプリス「………」

ヴィーネ「そういえば、ガヴの事件…警察の調査が気になるわね…」

ラフィエル「あっ、それは私が白羽の家の権力を使ってある程度、調べておいたので伝えますね」

サターニャ「権力で調べたの、凄っ!?」

タプリス「流石は白羽先輩です。」

ヴィーネ「で、どんな具合なのか、聞かせてラフィ?」

ラフィエル「はい♪」

ラフィエル「警察はどうやら私達の中に犯人がいると睨んでいて、全員が容疑者にされています」

タプリス「胡桃沢先輩が私や月乃瀬先輩、白羽先輩の事を警察に話したのが原因でしょうかね?」チラッ

サターニャ「何よ。合鍵の情報は絶対と思って、教えただけよ。そういうのは人間共の世界では言うのが常識って知らないの!?」

タプリス「あぁ、そうでしたね…」

ヴィーネ「いずれにしても、ガヴの部屋に鍵が掛かっていた事だけは聞いたから、当然合鍵が無いと入れないし、そうなると合鍵を持つ私たちが容疑者になる事は過言ではないしね」

ラフィエル「後は、ガヴちゃんの死因が首を絞められた事による窒息死だとか、部屋を調べたけど、何も出てこなかったとかそういう事しか分かりません」

サターニャ「窒息死って一番、苦しい死に方をしたのね、ガヴリールは」

タプリス「ますます許せません!! 私は絶対に犯人を見つけ出してみせます、天真先輩の為にも」

ヴィーネ「タプちゃん…あまり無茶はしない方が」

タプリス「いいえ。そうはいきません! だって天真先輩は三日前に私にこのキーホルダーをプレゼントしてくれました…。」

ラフィエル「あらぁ、可愛いらしい天使のキャラクター付きのキーホルダーですね♪」

タプリス「はい。たまには、と言って天真先輩から直接貰いました。そんな優しい先輩が死ぬなんて信じられません! だからこそ、私は先輩の無念を晴らす事にしたのです!!」

ヴィーネ「そうだったの…。」

タプリス「では、先輩方、私はこれで失礼します」ペコッ

タプリス「待っていて下さいね、天真先輩! 私が必ず仇を取ります!!」タッタッタ

ラフィエル「あっ、タプちゃん…まだ?!」

ヴィーネ「私もタプちゃんの決意を聞いてたら、いてもたってもいられなくなったわ! 私も独自にガヴの事件を調べてみるわね!!」タッタッタ

サターニャ「ちょっとヴィネットまで!?」

サターニャ「はぁー、あの二人、行っちゃったわね…」

ラフィエル「そうですね。まだ、あと一つ、言い忘れた事がありましたのに……」

サターニャ「えっ、まだあったの!?」

ラフィエル「はい。実はガヴちゃんは「ダイイングメッセージ」を残していたんです!」

サターニャ「ダイイングメッセージ?」

ラフィエル「死亡した人物が死の間際に残すメッセージの事です。多くは殺人事件の被害者によって犯人を示す目的で残されます」

サターニャ「成る程。で、そのダイイングメッセージってやつは、どんな風に残してあったのかしら?」

ラフィエル「広げてあった本のある数字を二つ、ピースという形で指してあったんです!」

サターニャ「二つの数字を?」

ラフィエル「はい。それぞれ、36と45を、です!!」

サターニャ「36と45って? 一体、何を示しているのよ?」

ラフィエル「さぁ、それはまだ分かりません。」

~一方、タプリス~

タプリス「はぁー、これだけ探しても先輩の事件に関する情報が掴めないとは…。んっ?」チラッ

タプリスの携帯『着信(伝言あり)』

タプリス「あっ、朝から見ていませんでしたね。一体、誰からでしょう……っ!!?」ビクッ

タプリス「と、とりあえず伝言を…」ピッ

タプリス「」



タプリス「ま、まさかっ、犯人って!!??」

…夜、サターニャの家…

サターニャ「36と45……。これさえ解けば、ガヴリールを殺したのが誰か分かるのよね…きっと」ブツブツ

ブゥー、ブゥーッ

サターニャ「んっ、ラフィエルからね…。」スッ

サターニャ「ラフィエル、何よ? こんな夜に?」ピッ♩

ラフィエル『あっ、サターニャさん。実はさきほど、タプちゃんから連絡がありまして……ガヴちゃんを殺したのが誰か分かったそうです!」

サターニャ「なっ、なんですてぇーーっ!?」

サターニャ「で、それは一体誰なの? もちろん、聞いたのよね?」

ラフィエル『いえ、それがタプちゃん、電話ごしでずっと黙り込んでまして…。一応、知らせはしたようですが、後は自分に任せて下さいと一言告げられた後に電話を切られたもので…私もあせってしまって」

サターニャ「それじゃあ、一人で方を付けに行くって事っ!? ヤバいじゃないの…早く探した方が?」

ラフィエル『千里眼を使っているのですが、タプちゃんも結界のような物を使っているようで、中々居場所が掴めずに苦労しているんです!」

サターニャ「分かったわ。とりあえず、あんたはそのまま待機よ。私もなるべく早く見つかるような方法を模索しておくから!」

サターニャ「あっ、それとヴィネットには伝えたの、この事?」

ラフィエル『はい。サターニャさんに電話する前に、もう!」

サターニャ「そう…。で、なんて言ってたの?」

ラフィエル『とりあえず、タプちゃんが行きそうな場所は少し知ってるから、と探し回るそうです!』

サターニャ「分かったわ。じゃあ、とりあえず、切るわね」

ラフィエル『はい…。』

プッ♩

サターニャ「さて、どうしようかしら?」

そしてタプリスが見つからないまま朝を迎え、その後…。

ヴィーネ「た、タプちゃんが…死んだっ?!」ガーン

ラフィエル「はい………」ポロッ

サターニャ「一体どういう事よ! まさか!?」

ラフィエル「えぇ、そのまさかです。タプちゃん、殺されたみたいで…。」

ヴィーネ「えっ、一体、どこで?!」

ラフィエル「近所の交差点の歩道橋の階段の下です。今朝早く、遺体で見つかったそうで、死因は階段から落ちて頭を打ったことによる脳挫傷だとかで」

サターニャ「………」

ヴィーネ「酷い…。」ウルウルッ

ラフィエル「まったくです。ちなみに警察は最初事故死と疑ったそうですが、落ちた地点から争ったような形跡が見つかったそうで、殺人だと切り替わったようです。それと、他に調べたようですが、一切犯人の痕跡は見つからなかったそうです!」

ヴィーネ「犯人め…。天使で、ガヴとラフィの後輩だけど、悪魔である私から見ても大事な後輩のタプちゃんをよくも!!」

ラフィエル「ヴ、ヴィーネさん、凄い剣幕ですね…」

サターニャ(タプリスは昨日、犯人を知っていると言ったけれど、それが原因で殺されたとしたら…犯人はガヴリールを殺した奴と同一人物というところかしら……)

サターニャ(だとしたら、なぜタプリスは犯人を名前を言わず、自分で方を付けようとしたのかしら………ハッ、もしや、自分が慕う人物が犯人だったとか!?)

サターニャ(それなら、怪しいのはヴィネットか、ラフィエルのどちらかって事になるわね)ジィィーーッ

ヴィーネ「」

ラフィエル「」

サターニャ(でも、その前にダイイングメッセージの謎を解かないと話にならないわね…)

ラフィエル「サターニャさん?」

サターニャ(数字の36と45…一体、どういう意味wラフィエル「サターニャさーーん!」

サターニャ「うわぁっ!?」ビクッ

ヴィーネ「どうしたのよ、ぼっーとしちゃって?」

サターニャ「な、何でもないわよ!? ちょっと考え事をね…」

ヴィーネ「ふーん、そう」

ラフィエル「………………」

~帰り道~

サターニャ「……」

ラフィエル「タプちゃんの事件、気に掛かりますか?」

サターニャ「えぇ。ガヴリールとタプリスの事件は繋がっている……ガヴリールを殺した犯人を知ったからタプリスは殺された、私はそう思ってるわ」

ラフィエル「そうですか。実はタプちゃんの事件でもう一つ気になる事が…」

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「タプちゃんの携帯が見当たらないそうです…。昨日まで電話していたはずですから普通は現場に携帯電話が残っていてもおかしくはないはずなのですが…」

サターニャ「という事は犯人が持ち去ったという事ね。」

ラフィエル「恐らくそうだと思います。」

サターニャ「だとすれば、タプリスが犯人の正体に気付いたきっかけはその携帯電話にあるわけよね。だからこそ、犯人は携帯電話を持ち去った…。」

サターニャ「何とか、その携帯があればいいのにねぇ…」

ラフィエル「……。分かりました」

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「私が何とかしましょう…タプちゃんの携帯電話、無茶だとは思いますが、私の新しい能力で何とか手に入れてみます」

サターニャ「えっ、そ、そんな事が可能なの!? で、いつの間にそんな新しい能力を覚えたのよっ?!」

~サターニャの家~

サターニャ「で、ラフィエルが来るまで、あのダイイングメッセージを解こうかしら?」

……数十分後……

サターニャ「う~ん、ダメだわ! 数字の意味がまるっきし分からない……。」

サターニャ「………ちょっと気分転換にテレビでも見ようかしら…。」ピッ♩

テレビ『悪魔特集』テレテッテレ♩

サターニャ「あらっ、グッドタイミングね♪ 悪魔の特集だなんて、私にピッタリの番組じゃないの♪」ワクワク

サターニャ「ふふふっ、中々面白いじゃないの♪」

テレビ『続いては…~の紹介になります。~はソロモン72柱の悪魔の一人で、~の……』

サターニャ「えっ!!?」

サターニャ「ま、まさか、ガヴリールが残したダイイングメッセージの意味って……!?」

ラフィエル「サターニャさーーん!」シュン

サターニャ「わぁっ、いきなり神足通で部屋に瞬間移動しないでよ!? びっくりしたじゃないの!!?」ビクッ

ラフィエル「すみません。あっ、それより、タプちゃんの携帯電話を取り戻すことが出来ました!」スッ

サターニャ「えぇーっ、本当に取り戻したのっ?!」

ラフィエル「取り戻したというよりは、タプちゃんが亡くなる前の時間に合わせて、まだ盗られてなかった携帯電話を、今の時間に瞬間移動させたんです!」

サターニャ「凄いわね、その能力…。一歩間違えたら、あんたに物を盗まれそうになるわね。」

サターニャ「あっ、待ちなさい! もしや、タプリスの携帯電話が無くなったのって犯人に盗られた訳じゃなくて、あんたが原因じゃないの?」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「だって、あんたが能力でタプリスの携帯電話を今の時間に瞬間移動させた=今の時間に移動させた為に昨日の時点で携帯電話は無くなったって事になるわよ」

ラフィエル「あぁ、そういえば、そうですね。うっかりしてました…過去が変われば未来も変わる、そんな感じでしたね!!」

サターニャ「ったく。あっ、それよりも何か分かったの、タプリスの携帯で?」

ラフィエル「はい。それも重要な事です……これを見て、同時に聞いてください」

サターニャ「これって……」

……………………………………………………

サターニャ「やっぱり、犯人はあいつだったのね…。」

ラフィエル「と、仰いますと?」

サターニャ「実は私もさっき、あるテレビをヒントにガヴリールが残したダイイングメッセージの謎が解けたのよ」

ラフィエル「えっ、ほんとですか!?」

サターニャ「もちろんよ!」

ラフィエル「それで、やはりその方に繋がる、答えに?」

サターニャ「なったわ。その答えは、犯人と対峙した時に言うわ!」

ラフィエル「分かりました。」

ラフィエル「ですが、まだタプちゃんを殺ったという証拠がありません…」

サターニャ「そうねぇ。何とかしないと…」

ラフィエル「あっ、そういえば!?」

サターニャ「どうしたのよ?」

ラフィエル「実は先ほど、警察の方から伺ったのですが、タプちゃんがガヴちゃんから貰ったと言っていたキーホルダーの一部(天使の人形付き)が見当たらないそうです!」

サターニャ「う~ん、見当たらないという事は犯人が所持してるか、もしくは……」

ラフィエル「もう一つ、犯人と睨んでいる者は、昨日と同じ格好をしてませんでした? きっと何かで時間が無くなって着替える余裕が無かったのでしょうか??」

サターニャ「んっ、待てよ!? あっ、もしかして証拠があるかもしれないわよ!!」

ラフィエル「ほんとですかっ?!」

サターニャ「後は、肝心の犯人の行く場所よ…」

ラフィエル「一つ心当たりがあります。犯人がタプちゃんから奪うつもりでいた携帯電話を、奪われる寸前で私が今の時間に瞬間移動させたのならば……」

サターニャ「そっかぁ! きっと犯人はまた現場に!?」

ラフィエル「はい!」

~現場である歩道橋の近辺~

?「おかしいわね~、確かにここら辺に落ちたはずなのに?」ゴソゴソ

サターニャ「探し物はこれかしら?」スッ

?「っ!!?」クルッ

ラフィエル「やはり犯人は貴方だったのですね…」

ラフィサタ「「ヴィーネさん(ヴィネット)!!」」

ヴィーネ「!?……えぇと、サターニャにラフィ、あんた達は一体、何を言っているのかしら?」

サターニャ「とぼけるんじゃないわよ!! アンタが、ガヴリールとタプリスの二人を殺したんでしょ?」

ヴィーネ「え、えぇと、何のこと?!」ビクッ

ラフィエル「ヴィーネさんっ!!!」

ヴィーネ「もぅ、ラフィまでそんな怖い顔しないでよっ! 大体、私がガヴを殺せる訳gラフィエル「動機まで分かりませんが、タプちゃんの携帯には着信履歴が残っていて、しかもそれはガヴちゃんからです!」

ヴィーネ「え、えぇと、それが何なのかしら?」

サターニャ「実はガヴリールがタプリスに当てた着信は、伝言になっていて…しかも着信の時間も殺される直前である事も分かったのよ!」

ヴィーネ「だから、それが何なのかって言っているのよ!?」

ラフィエル「では、実際に聞いてみましょう。ガヴちゃんが殺される直前、留守番電話に繋がったタプちゃんの携帯に残した伝言を!」ポチッ

ガヴリール『あっ、タプリスか。この伝言を聞いたらすぐに電話してくれ。ちょっと話したい事があるしな!』

ヴィーネ『ちょっとガヴ、いるんでしょ?』

ガヴリール『ヴィーネか…。じゃあ、切るけど、伝言聞いたら折り返し電話、頼むぞ!』プツッ

ツーツー

ヴィーネ「………」

ラフィエル「分かりますか? ガヴちゃんが殺される直前、ヴィーネさん貴方がガヴちゃんの元を訪ねたという証拠になります。」

サターニャ「その時にガヴリールが死んだとしたら、アンタが犯人だというのが確実ね!」

ヴィーネ「で、でもガヴを殺したって証拠gサターニャ「証拠はないけど、ガヴリールはアンタが犯人だって示したダイイングメッセージを残していたのよ」

ヴィーネ「えっ!? ちょっと待って、そんな話聞いてないんだけど!?」

ラフィエル「すみません。私がうっかり伝え忘れていまして。ちなみに後になって思い出したので、その場にいたサターニャさんには伝えました!」

ヴィーネ「嘘っ、そうなの!!?」

サターニャ「そうよ。で、肝心のダイイングメッセージは「36と45」だけど、これはあるテレビ番組を見て分かったのよ!」

ヴィーネ「あ、あるテレビ番組?」

ラフィエル「それはどういった内容のやつでしょうか?」

サターニャ「悪魔特集よ。存在する悪魔の名前とか詳しい事を紹介する番組らしいのよ」

ラフィエル「テレビでそのような事も流すのですね…」

サターニャ「で、その中に「地獄の36の軍団を率いる序列45番の偉大なる王にして伯爵」と呼ばれる悪魔の存在を紹介していたのがあったのよ」

ラフィエル「あっ、36と45がありますね!?」

サターニャ「そう。つまり、ガヴリールの残したダイイングメッセージはこれを現していたのよ」

ヴィーネ「………」

ラフィエル「それでその悪魔の名前は?」

サターニャ「ヴィネよ。」

ラフィエル「ヴィネ……あっ、ヴィーネさんと名前が似ています?!」

サターニャ「えぇ。ヴィネはヴィネット……アンタの事を示しているのよ!! 分かった?」

ヴィーネ「………へぇー、ガヴにしては洒落たメッセージを残していたのね…。」

ラフィエル「ヴィーネさん、それはガヴちゃんとタプちゃんを殺したって事を認めるのですね?」

ヴィーネ「ちょっと待って、どうして私がタプちゃんまで殺さなきゃならないのよ?」

サターニャ「アンタはさっきから携帯を探していた…つまり、目的は携帯を奪う為に殺したって事になるのよ!」

ラフィエル「ちなみに、口封じも含まれていたのでしょう!」

サターニャ「きっと、ガヴリールからの留守番電話の履歴から犯人がアンタだと知ってすぐに呼び出し、真相を聞き出そうとしたけど、結局は殺されたって所ね!!」

ヴィーネ「でも、私がタプちゃんを殺したっていう確かな証拠がないわよ!!」

ラフィエル「いえ、あります。そうでしょ、サターニャさん?」

サターニャ「えぇ。ヴィネット、あんたは今、昨日と同じ服装でしょ?」

ヴィーネ「これ? あぁ、これは昨日と同じ服を見えるけど、違うわよ! 私って二枚同じ服を持っているからさ」

サターニャ「だったら、ポケットを全部、探ってみなさいよ?」

ヴィーネ「ポケット?」

ラフィエル「もう一つお話ししましょう。タプちゃんの天使付きのキーホルダーをご存知ですよね、ヴィーネさん?」

ヴィーネ「え、えぇ。昨日、ガヴに貰ったって言ってたやつね」

ラフィエル「そうです。実は、そのキーホルダーに付いていた天使の人形の部分が行方不明なんですよ。」

ヴィーネ「えっ?」

サターニャ「ラフィエルの話だとタプリスの遺体の傍にはそのキーホルダーが落ちていたけど、肝心の天使の人形だけが無く、現場の周辺にも見つからなかった。これが何を意味するか、分かるわよね?」

ヴィーネ「えっ、なに? そのキーホルダーの一部と私の服のポケットが何の関係があるって言うの?」

ラフィエル「まだ分からないようですね…」

サターニャ「いいわ、教えてあげる。現場周辺からキーホルダーの一部が見つからなかった…という事は、タプリスと犯人が争った時に一部が外れ、拍子に犯人のポケットに紛れ込んだという可能性が高いってことよ!」

ヴィーネ「っ!!?」

サターニャ「だから、ヴィネット、あんたが今着てる服のポケットを探ってみてくれないかしら? もし、昨日と同じ服装なら、タプリスが持っていたキーホルダーの一部があるはずよ!」

ヴィーネ「うぅっ…」ゴソゴソ

ヴィーネ「っ!?」ピクッ

サターニャ「その反応、どうやらあったようね…」

ヴィーネ「ち、違う…これは!?」アタフタッ

ラフィエル「ヴィーネさん、ちょっと失礼しますよ」スッ、ゴソゴソ

ヴィーネ「ちょ、ちょっとラフィ?!」

ラフィエル「!!………ありました!!!」スッ

キーホルダーに付いていた天使の人形『』バァーン

サターニャ「やっぱりね! 思った通りね」

ヴィーネ「………」

ラフィエル「やはり、ヴィーネさんの今の服装は昨日と同じものでしたか…」

サターニャ「タプリスが亡くなったのが昨日の夜遅くだとしたら、ヴィネットは犯行後、焦ったまま家に帰り、服も着替えずにそのまま寝たというところね。で、朝もうっかり着替えを忘れたって所かしらね!」

ラフィエル「さぁ、ヴィーネさん、話してください? どうして、ガヴちゃんとタプちゃんを??」

ヴィーネ「………」

サターニャ「ヴィネット!!!」

ヴィーネ「ガヴが……」ボソッ

ヴィーネ「ガヴが悪いのよ………」

ラフィサタ「「えっ!?」」

サターニャ「ガヴリールが悪いって一体、どういう事よ!?」

ラフィエル「ヴィーネさん、全部話してもらえませんか?」

ヴィーネ「……最初は本当に殺す気じゃなかったのよ。」

~回想~

ヴィーネ「ちょっとガヴ、いるんでしょ?」ドンドン

ガチャ

ガヴリール「なんだよ、何か用か?」

ヴィーネ「恋人に向かって…なんだよ、はないでしょ!」

ガヴリール「恋人ねぇ…。」

~一旦終了~

サターニャ「えぇっ、アンタたちって付き合ってたの!?」

ヴィーネ「そうよ。」

ラフィエル「なぜ、話してくれなかったのですか?」

ヴィーネ「お互いに恥ずかしいから、内緒にしようって事になったからよ!」

サターニャ「で、どうしてそこからガヴリールを殺す事になったのよ?」

ヴィーネ「……ガヴの一言が原因よ」

~再び回想~

ガヴリール「まぁ、それも今日で終わりだよ、ヴィーネ」

ヴィーネ「えっ?」

ガヴリール「実は私、タプリスと付き合う事に決めたんだ。もちろん、あいつに気持ちを伝えるのはこれからだけどな…。」

ヴィーネ「ど、どういう事よっ?! ガヴは私が好きなんでしょ、だから!!」

ガヴリール「あぁ、実はというと、最初は好きだったんだけどさぁ…。今は、タプリスが好きなんだよね」

ヴィーネ「っ!?」

ガヴリール「タプリスは年下で、多少はやかましいけど、反面優しいし、気遣いは出来るし、私の言う事もちゃんと聞いてくれるし、それに私を本気で慕ってくれるから、そこがまたいいんだよな!!」

ヴィーネ「………」ポロッ

ガヴリール「何だ、泣いてるのか? まぁ、そんなに気にするなって私もお前と少しの間、恋人として付き合えてある意味楽しかったし、それに…」

ガヴリール「これからは友達として付き合ってもいけるし、別に泣く程のもんじゃねぇだろ!」キッパリ

ヴィーネ「っ!!?」ポロポロ

ガヴリール「つーう訳でタプリスからいつ電話が掛かって来るかも分からねぇし、さっさと帰ってくれ?」

ヴィーネ「………」ポロポロポロ

ヴィーネ「ガヴ…」

ガヴリール「なんだよ、まだ何kヴィーネ「うわあああぁぁぁーーっ!!!」ガバッ

ガヴリール「うぐっ!?」ドサッ

ヴィーネ「どうして…どうしてよ、ガヴ!? どうして……」ギュウゥゥゥゥゥーーー

ガヴリール「ヴィ、ヴィーネっ…く、首……く、くる…し…い……」グググッ

ヴィーネ「どうして………」ポロポロ、グググッ

ガヴリール「……………ぐふっ」ガクッ

ガヴリール「」

ヴィーネ「………」パッ

ヴィーネ「私を裏切ったガヴが悪いのよ……。」ボソッ

~回想終了~

ラフィエル「……そんなぁ」

サターニャ「が、ガヴリールもだけど、ヴィネット、アンタもアンタよ」

ヴィーネ「後は痕跡も証拠も隠滅し、もちろんガヴの携帯から私が恋人として付き合った証拠や頻繁に連絡を取っていた着信履歴も全消去してから、部屋の鍵を掛けて、現場を去ったのよ」

サターニャ「でも、それだけじゃ終わらなかったのよね?」

ヴィーネ「えぇ。」

ラフィエル「タプちゃんですね。やはりタプちゃんはヴィーネさんが犯人だと気付き、一人で方を付けようとヴィーネさんを直接呼び出したのですね!」

ヴィーネ「携帯の着信履歴は全部消したけど、タプちゃんの携帯電話の伝言に、私がガヴリールを訪ねる瞬間の声も入っていると分かったのは、呼び出された直後の事よ」

~回想~

タプリス「月乃瀬先輩…どうしてですか!? どうして天真先輩を!!」ホロリ

ヴィーネ「………」

タプリス「月乃瀬先輩は悪魔ですけど、天真先輩や白羽先輩の次に尊敬できる立派な先輩だったのに…」ポロポロ

ヴィーネ「タプちゃん…」

タプリス「自首してくれますよね、月乃瀬先輩?」

ヴィーネ「えっ?」

タプリス「理由はどうであれ、天真先輩を殺した、月乃瀬先輩の事は確かに許せません。ですが、一度は尊敬した私の先輩です……これ以上責め立てる事も、ましてや警察に行って月乃瀬先輩を逮捕してもらう事自体も嫌です。」

タプリス「ですので、せめて自首してください。それが後輩として私が伝えられることであって、天真先輩へのせめてもの供養になると私は信じています!」

ヴィーネ「………」

ヴィーネ「……ごめんね、タプちゃん」スッ

タプリス「えっ、月乃瀬…先輩?」

ドンッ!!

タプリス「あっ……」

ゴロンゴロンゴロン・・・バタン!!!

タプリス「」

ヴィーネ「………本当にごめんね」ポロポロ

~回想終了~

ラフィエル「ひ、酷過ぎます……」ポロポロ

サターニャ「ヴィネット、アンタ…。」

ヴィーネ「無我夢中で、仕方なかったのよ…。私の声が入った伝言を消さないと、消さないとガヴを殺した事がバレると思って……。」

ヴィーネ「で、タプちゃんを突き落とす際に一緒に携帯も落ちたから急いで探したけど、結局見つからなくて、一旦帰ったの。まさかその時、突き落とす時にタプちゃんのキーホルダーの一部が私の服のポケットに偶然紛れ込んだのに気付かないでねぇ…。」

ラフィエル(見つからなかったのは、私が能力で今の時間に瞬間移動させたせいですね…)

ヴィーネ「翌日、タプちゃんの遺体が見つかって、最初は落とした携帯電話を警察が先に見つけるものだと思っていたのよ。けど、何もなかったようだから、これをタイミングに探してたのよ…。」

サターニャ「けど、先に私達が手に入れて、そのままアンタの前に現れて今に至るって訳ね!」

ラフィエル「ヴィーネさん、今すぐ自首してください!」

ヴィーネ「………」

サターニャ「そうね、私もそれをお勧めするわよ、ヴィネット」

ヴィーネ「無理よ…」

ラフィサタ「「えっ?」」

ヴィーネ「私はもう二人も殺したのよ…。今更、自首したって状況は変わらないの…だったら」ムクッ

ラフィエル「何をする気ですか!?」

ヴィーネ「私は自分の身を滅ぼすことにしたわ。もちろん、真相を知ったラフィにサターニャ、あんた達も道連れよ!!」スッ

サターニャ「あれは三叉の槍っ!!? それに角も出てる…ヴィネット、あんた本気で…」

ヴィーネ「当たり前よ。ここまで来たらもどうにでもなれよ!」

ラフィエル「ヴィーネさん、そこまで…」

サターニャ「はぁ…。」

ヴィーネ「何よ、サターニャ…急に溜め息なんかついて!」

サターニャ「あんた、変わったわね。私が知ってるヴィネットはどんな時でも真面目で、真っすぐで、気持ちも強いし。それに悪魔なのに悪い事さえも一切せず、優し過ぎる奴かと思ってたのに…」

ヴィーネ「ガヴを…ガヴを殺してから、すぐに分かったのよ。私は結局、真面目でも真っすぐでもないし、そんなに強くない…。ましてや、心のどこかでは悪い事ができなかった、自分を、悪魔らしく振舞えない自分に恥じていたってね!!」

ヴィーネ「現にガヴにも散々な扱いと言われようだったしね…。」ポロポロ

ラフィエル「ヴィーネさん……」

サターニャ「で、どうするの、本当に私らを道連れに身を滅ぼすの?」

ヴィーネ「もちろん、やるに決まってるじゃないの!」

サターニャ「じゃあ、やってみなさいよ?」

ヴィーネ「えっ?」

ラフィエル「ちょ、サターニャさん!?」

サターニャ「やれるもんならね!!」

ヴィーネ「ぐ、ぐぅぅ……」プルプル

サターニャ「ほら、どうしたのよ? 私たちを道連れに身を滅ぼすんでしょ…やりなさいよ?」

ヴィーネ「………」プルプル

サターニャ「どうしたのよ、やらないの?」

ヴィーネ「うぅ……」プルプル

ラフィエル「ヴィーネさん、もしかして出来ないのですか?」

ヴィーネ「う、うぅぅっ……。で、出来ない…わ」ガクッ

サターニャ「はぁー、やっぱりね!」

ヴィーネ「もう、これ以上、手を汚したくない。友達も誰も殺したくは…な…い……」ポロポロ

ラフィエル「ヴィーネさん…」ホロリ

サターニャ「まったく、最初からそういう風に素直になれば良かったのに…。」

ヴィーネ「………」

ラフィエル「では、改めて言います。ヴィーネさん、自首してくれますよね?」

ヴィーネ「」コクン

サターニャ「これも伝えとくけど、タプリスが自首を勧めたように、今度は私とラフィエルから自首を勧めたのよ。しっかりと償いなさいよ?」

ヴィーネ「分かってるわよ…」

ラフィエル「しっかりと償ってきてくださいね…ガヴちゃんとタプちゃんへの供養の為にも」

ヴィーネ「……うん。最後に素直になれなくてごめんね。」

ラフィエル「別にいいですよ!」ニコリ

サターニャ「ほら、行きなさいよ?」

ヴィーネ「」スクッ…タッタッタ

その後、ヴィーネは素直に自首し、警察に全てを話した…。

~後日~

サターニャ「一気に数が減って、今はあんたと私の二人っていうのもなんかさみしいわね…」

ラフィエル「うふふっ。」

サターニャ「何よ、笑って?」

ラフィエル「いいえ。ただ、今回のサターニャさんは真面目で、いつもよりかっこよかったと思いまして♪」ニコニコ

サターニャ「別に…。私にだってたまにはまともになるわよ///」プイッ

ラフィエル「あれぇ~、大悪魔様ともあろうお方が、まさかデレますとはねぇ♪」ニヤニヤ

サターニャ「うるさいわよっ!?/// さっさと行くわよ!!」カアァーーッ

ラフィエル「あ、まってください、サターニャさーーん♡」ニコニコ

こうして事件は幕を下ろしたのであった…。


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