石原夏織「うえぇぇ〜〜ん」 (26)
ある日、石原夏織は泣いていた。
石原「うえぇぇ〜〜ん.°(ಗдಗ。)°.」
小倉「きゃりさん、どうしたの!?」
石原「お腹が痛いのぉぉ〜〜!」
小倉「おー、よしよし」
石原「うぅぅ……苦しいよ」
小倉「何か心当たりはないの?」
石原「あっ、そういえばさっきファンの人から送られたケーキを食べてから痛くなったんだ」
小倉「ええーー! ファンの人から贈られたケーキなんて食べちゃダメだよ! 声豚は気持ち悪いから何を混入されてるかわからないよ!」
石原「うぅぅ……実は忙しくて朝ごはん食べれなくてさ、だから喜んで食べちゃったんだよな」
小倉「ただお腹壊しただけならいいけど……そうだ、近くに新しい病院ができたから、行って診てもらおうよ」
石原「うん!」
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そして近くの病院にて……、
石原「先生、私のお腹どうなんですか?」
先生「……石原さん、落ち着いて聞いてください。石原さんには今すぐ入院して頂きます」
石原「えぇ!?」
小倉「そんな……きゃりさんは何かの病気なんですか!?」
先生「ええ、大変申し上げにくいのですが、石原さんのお腹の中に何やら異物が混入しているようで……摘出しなければなりません」
石原「そんな……」
小倉「それって、手術なんですか?」
先生「いえ、手術ではありません。精密検査の結果お腹にある異物が何かまではわかりませんが、カテーテルで取り出せることばわかりました。入院といっても数日ですし、異物を取り出せれば大丈夫ですよ」
石原「はぁ……よかった」
小倉「重病じゃなくてよかったね、きゃりさん」
先生「……ただ」
石原、小倉「「ただ?」」
先生「カテーテルは肛門から挿れなければなりません。ま、これも治療のためと思い我慢してください」
石原「ええ!? 肛門って、お尻の穴!?」
小倉「えっと……カテーテルは女の先生がするんですよね?」
先生「いえ、この病院にカテーテルを扱える医師は私しかいません。つまり石原さんに挿入するのは私ですよ……ふふっ」
石原「ちょ、ええ!? 待ってください、先生は男の人じゃないですか!?」
小倉「そうですよ! 女の先生じゃダメなんですか?」
先生「いけません!!」グワッ
石原、小倉「ひゃあっ!?」ビク
先生「私はこの病院に勤める前から大学病院でカテーテル治療を専攻にしていたんですよ! 私を置いてカテーテルを扱える医師は他にいない! 石原さんのお腹の中にある異物を取り出すのは早い方が良い! つまり私でなければ今の石原さんを救えないんです! カテーテルは手術より患者自身の負担が軽く傷も残らない! 女性であるあなたのためを考えても肛門からカテーテルを挿入することは大きなメリットがあるんです! つまり私は石原さんのことを思って……」
石原「うう……」ブルブル
小倉「ちょ、先生! あまりの迫力できゃりさんが怯えていますから落ち着いて、ね?」
先生「おっと、失礼しました。私としたことが患者さんの前でつい……。こほんっ、では石原さん、早速入院の手続きを進めますが良いですね」
石原「…………はい」
こうして石原夏織は、入院することになった。
そしてカテーテルを挿れる日の前日、
小倉「きゃりさん大丈夫かな。あの男の先生、なんか怪しい感じがしたけど。でもカテーテルはあの先生じゃないとできないんだよね」
\ピンポーン/
小倉「あれ、こんな時間に誰だろう」
ガチャ
石原「ゆいちゃ~~~~~ん!!」
小倉「きゃりさん!?」
石原「助けて、あの先生は無理ぃ~~~!」
小倉「一体何があったの?」
石原「あの先生、ただの変態だったの!」
小倉「え?」
石原「あの先生、カテーテル当日までトイレに行っても拭いたり洗ったりするなって言うの!肛門を変に清潔にするよりカテーテルは茶色くなるくらいがいいからとか言ってきて。しかも大きな会場と中継してライブデモンストレーションやるって!」
小倉「ライブデモンストレーションって、確か患者が治療を受けているところを映像で中継して発表するやつ?」
石原「うん。先生いわく『石原さんの症状があまり見られないから、今後似た症状の人が現れても役に立てるように』って」
小倉「そんな、ひどい!!」
石原「私、好きでもない人たちにお尻の穴や身体の中見らるのなんて嫌だよっ! だから病院を抜けてきたの」
小倉「そうだったんだ……。でもそれじゃきゃりさんのお腹にある異物は?」
石原「どうしよう……」
???「お嬢さんたち、お困りのようですね」
石原、小倉「「ッ!?」」ビク
???「おっと失礼、私は怪しいものではないよ。むしろ君たちのような困っているお嬢さんたちを放っておけない紳士さ」
小倉「えっと……どちらさまですか? てゆうか、ここ私の家なのに」
石原「そうよ! あなたも私の肛門狙いなんじゃ……」
???「自己紹介が遅れました。私は肛門エンジェルだ」
石原、小倉「「肛門エンジェル?」」
肛門エンジェル「そう。心優しく雅やかな女性にしか見えないエンジェルだよ」
小倉「えっと……どうみてもハードボイルドなおじさんなんですけど」
石原「しかも筋肉ムキムキで、エンジェルって言うけど翼もないし厳ついんですけど……」
肛門エンジェル「さて、話を戻そうか。君たちは何故そんなに悩んでいるのかな?」
石原「そうだった。実は……」
二人は肛門エンジェルに事情を説明した、
肛門エンジェル「なるほど。つまりそのお腹にある異物を取り出せればよいわけだね」
石原「はい」
小倉「なんとかなるんですか?」
肛門エンジェル「お腹と言えど入り口は肛門。私に任せなさい!」
石原「本当に? やったーー!」
小倉「でも、一体どうやって?」
肛門エンジェル「ふふっ、これさ」っ
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石原「これって、薬?」
肛門エンジェル「そう!きゃりさんの肛門にこいつを挿れてお腹の中の異物をやっつけるのさ!」
小倉「それってただの座薬なんじゃ?」
肛門エンジェル「違う、これには人間の魂を込めることができる。つまりこいつの乗り移ってきゃりさんの体内を進み異物を直接叩こうってわけさ!」
石原「やだ、そんなの恥ずかしいよ~~///」
小倉「一体誰がきゃりさんの中に……まさか?」
肛門エンジェル「そうさ、君だよ、ゆいちゃん!」
小倉「私が、きゃりさんのお尻の中に……」
肛門エンジェル「今きゃりさんを助けられるのは君しかいない! きゃりさんの中に潜む異物が何かは不明だが、このままにしておくわけにもいかないからな」
小倉「………………よし、私やるよ!」
石原「唯ちゃん!」
小倉「きゃりさんが困っているのに、ただじっとするわけにはいかないもんね。私に任せて!」
石原「唯ちゃん……ありがとう」
こうして、小倉唯は薬に乗り移って異物を退治することになった
肛門エンジェル「では唯ちゃん、座薬を持って念じたまえ!」
小倉「はい!」
……………………………………!!
小倉「はッ!? ここは……」
肛門エンジェル「すでに座薬は挿入した。君の意識は今座薬の中にある。ここはきゃりさんの直腸だ」
小倉「そうなんだ。でも直腸って意外とつるつるしていて綺麗ですね」
肛門エンジェル「ああ、人がうんこを出すときうんこの表面は腸液でコーティングされてるからつるりと滑って出るわけだよ。だから直腸にはうんこは残らないんだ。人の身体って不思議だね~」
小倉「本当だね~」
肛門エンジェル「では、さっさとお腹の方まで行って異物をやっつけてやろう」
小倉「おおーーー!」
そして唯ちゃん(が宿った座薬)は、お腹に到達した!
肛門エンジェル「ここがお腹だな」
小倉「異物出てこ~い! やっつけてやるぞ!」
異物「ふふふ、まさかここまで辿り着こうとはな」
小倉「わわッ、意外と早く異物を見つけた!」
肛門エンジェル「お前がきゃりさんの中に進入して悪さをしようとする異物だな」
異物「いかにも。きゃりさんは誰にも渡さんぞ!」
小倉「そんな勝手なことを……あれ?」
肛門エンジェル「どうかしたのか?」
小倉「あなたは…………先生?」
先生「ふふふっ……」
お風呂入るのでいったんお休み。
続きはお風呂から出てからです。
では。
続き書きます。
小倉「どうして先生がこんなところに?」
肛門エンジェル「……やはり、異物の正体はあなただったのか」
小倉「えっ、お知り合いなんですか?」
先生「ふふふっ……久方ぶりだな、我が弟よ!」
小倉「ええ!? 肛門エンジェルが先生の弟って、二人は兄弟なの?」
肛門エンジェル「……お前を兄と思ったことはない、あの時からな!」
小倉「あの時?」
先生「我が弟よ、貴様は人間をやめエンジェルになりさがった哀れな下等種だ」
小倉「いったい二人に何があったの?」
肛門エンジェル「…………俺たちは、君たち二人の、ゆいかおりの大ファンだった」
小倉「えっ……」
先生「俺たち兄弟は二人ともゆいかおりが好きでね。以前はよく二人でゆいかおりのイベントに行ったものだ」
肛門エンジェル「ちなみに私はゆいちゃんで、兄はきゃりさん担当だった」
小倉「そうなんだ……(肛門エンジェルに好かれても嬉しくないな)」
先生「しかし突然、ゆいかおりが活動休止になった。それが我々兄弟の仲を引き裂く原因となったのだ!」
小倉「どうして! 確かにゆいかおりが活動休止になってもそれぞれソロもしているし、それにいつかは復活するつもりなのに」
先生「弟のような唯ちゃん派はいい! 唯ちゃんはずっと前からソロでも活動してたし、正直唯ちゃんの方がなんだかんだでソロ活動や出演多いし、イベントだってたくさんしてるだろ!!」
肛門エンジェル「それできゃりさん派の兄は拗ねてしまい、ゆいかおりへの愛は唯ちゃん派への醜い嫉妬や怒りへと変わってしまったのだ!」
小倉「そんな!きゃりさんだって頑張ってるし、そんなことしちゃきゃりさんにもきゃりさんのファンにも失礼だよ!」
先生「貴様に私の苦しみがわかるか~~~!! きゃりさんを性的な目で楽しむ声豚の楽しみを奪われた心の傷がわかってたまるかぁーーーー!!」
小倉「もうっ! 確かに私たちアイドル声優は露出の高い衣装着るけど、そういう目で見ないでよ!!!」
先生「ゆいかおりの活動休止後、途方に暮れた私は猛勉強の末医者に転職し、弟は海外で修行してエンジェルとなって日本に戻って来たのだ」
肛門エンジェル「ああ、だから私はゆいかおりを助けるために現れた。しかし、まさか異物と化してきゃりさんを苦しめようとする兄とこんな形で再会するとはな」
小倉「でもきゃりさん、今度ソロ曲でデビューするよ! イベントであえるかもしれないじゃん。当選するかどうかは別だけど」
先生「きゃりさんのソロ曲のお渡し会の日、アホな患者の手術が入ってしまい行けなくなったんだ!! 医者なら高収入で日曜休めると思ったのに、こんなことならカテーテルを短期間で極めるより開業医になっとくべきだった~~~~!!!」
小倉「それ、お医者さんのお仕事舐めすぎだよ!」
肛門エンジェル「哀れな兄よ。貴様をここで倒す! そしてきゃりさんは俺と唯ちゃんの手で救ってみせる!!」
先生「やってみろ! できるものならな」
小倉「えっとえっと……一体どうすれば?」
肛門エンジェル「気をつけるんだ唯ちゃん、兄はカテーテルが得意だからリーチの長い飛び道具系の技を使ってくるぞ!」
小倉「よくわからないけど、とにかくかわしてみるね」
先生「食らえ! カテーテルビーム!!」
ビビビビビビビ!!
小倉「うわ、なんかカテーテルの管からビームが飛んできた!?」ヒョイ
肛門エンジェル「以前より破壊力と攻撃範囲が増している……腕を上げたな、兄よ」ヒョイ
先生「貴様ことよく私の攻撃をかわしたな。だか攻撃は貴様らに当たらずとも、胃を直撃してきゃりさんに確実にダメージを与えるぞ!」
そのころきゃりさんは、
石原「いててて! なんか胃がズキズキするんだけど、唯ちゃんたち何かしてるのかな?」
小倉「このままじゃきゃりさんの胃がボロボロになっちゃう! でも攻撃を受けるわけにもいかないし、どうすれば……」
肛門エンジェル「……唯ちゃん、ここでお別れだ」
小倉「え?」
肛門エンジェル「俺はもう人間ではない、エンジェルだ。だから特別な力を使うことができる。邪悪なるものをその身ごと浄化して天まで導くことができるんだ!」
小倉「さすがはエンジェル! それであいつをやっつけられるんだね」
肛門エンジェル「ああ……私も一緒にな」
小倉「えっ……」
肛門エンジェル「今の兄は普通の力では浄化しきれない。完全に浄化するためには俺ごとやつと一緒に天まで召される必要がある」
小倉「そんな……そんなことをしたら肛門エンジェルさんが!!」
肛門エンジェル「……俺も兄も、紛れもなくゆいかおりのファンだった。推しは違えど、ゆいかおりという共通の生きがいを見つけて楽しい時間を過ごせたんだ」
小倉「…………」
肛門エンジェル「あんな兄でも、俺にとっては唯一の家族なんだ。あんなバカを作ってしまったのは俺の責任でもある……。俺はとっくに人間を辞めた、だからあのバカをどうにかするのも俺の役目だと思うんだ」
小倉「肛門エンジェルさん……」
肛門エンジェル「ファンとして、短い間だったけど一緒に過ごせて楽しかったよ……いざっ!」
肛門エンジェル「おらっ!!」バシ
先生「くっ、離せ! この至近距離からではビームが発射できん!」ジタバタ
小倉「肛門エンジェルさん!」
肛門エンジェル「俺にかまうな! 君の意識はまもなく薬から出て腸に溜まったガスと一緒にオナラとなって肛門から出て肉体に戻る。意識が戻ったら、きゃりさんにもよろしくな」
先生「くそっ、は、はなせえぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!!」
小倉「肛門エンジェルさーーーーーーーーん!!!!」
数分後……、
小倉「……ここは、私の部屋?」
石原「あ、意識が戻ったんだね!」
小倉「きゃりさん、もうお腹は大丈夫?」
石原「うん。なんか良くなったみたい。お腹にあった違和感もなくなったよ」
小倉「そっか……」
石原「ありがとう唯ちゃん、唯ちゃんのおかげで良くなったよ」
小倉「……私は何もしてないよ」
石原「え?」
小倉「きゃりさん、あのね……」
数ヵ月後、ライブ会場にて……
ゆいかおり「「みなさん、ゆいかおりでーーーすっ!!!」」
声豚ども「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!」」」」
小倉「私たちゆいかおり、このたび活動を再開しました!」
石原「待っててくれたみんな、ありがとうーーー!!」
こうしてゆいかおりは、多くの人たちの支えもあって無事に活動を再開することができました。
そして、ゆいかおりの二人は歌いながら心の底から思いました。
ーーーありがとう、肛門エンジェル……
終わり
最後になりますが、注意事項です。
・このssはフィクションです。
・ゆいかおりを純粋な気持ちで応援しています。
・下品な表現が苦手な方はご注意ください。
ありがとうございました。
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