鷹富士茄子「こたつの上に餅、茄子、蜜柑」 (28)



モバマスの鷹富士茄子さんのSSです。
えっちなやつです。


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前の茄子さん
鷹富士茄子「君ありて福来たる」
鷹富士茄子「君ありて福来たる」 - SSまとめ速報
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 想いはふいに爆発する。思ってもみない方向へと。
 きっと私だけがそのことを知らなかったのだ。

 呑気に振り返って、だらけすぎだろうと思った。

 真っ白なセーターを着て、頭に蜜柑を乗せて、こたつに突っ伏する彼女。
 その姿は「福を呼ぶ舞姫」なんて呼ばれる才女には到底見えるはずもなかった。

 机に押し付けられたモノがお餅のように見えて、こたつの上に餅、茄子、蜜柑だなんて笑ってみせる。
 これはきっと素晴らしく縁起がいいものに違いない。

 今日はいいこと、あるだろうか。






 今年もお正月に舞い込んでくる大量のお仕事を捌き切って、ご褒美にしばらくの休みが与えられた。

 そんな暇をぬって、今日は朝から彼女と神社へ遅いお参りに。
 お守りも買ったし、おみくじも引いたし、さぁ解散だ、あとはゆっくり休もう。
 そんな私のプランは、さも当然かのように彼女の一言で打ち砕かれてしまった。

「プロデューサーのおうち、行きたいです♪」

 お参りにも一緒に行ったことだし、いまさらですよと笑う彼女に、とびきりの渋い顔をしてみせる。
 それでも、彼女、鷹富士茄子の一言には、どうにも抗い難い力があるような気がするのだ。

 それに、しょうがないとはいえ、年末年始にかけてお仕事でしか一緒にいられなかった。
 罪滅ぼしと、少しの甘えを乗せて、私はつい彼女のおねだりに頷いてしまった。






 しばしの待ち時間の後、ふいにアパートのベルが鳴った。

「おじゃましま~す♪」

 ドアを開けると、茄子さんが真っ白なセータ―に長めのスカートと黒ストッキングという出で立ちで現れた。
 さっきまでの白に華をあしらった振袖姿の茄子さんとのギャップに、心がどきりと跳ねる。

 大きく鳴った心臓の音を聞かれないように、外を見ながら、ムリヤリ別のコトに思考を振り切る。
 こういうゆるっとした私服もいいなぁ、あそこのファッション誌に掛け合ってみようかなと。

 煩悩を振り払って次に視線を向けた時には、彼女はもう目の前から消えてしまっていた。
 茄子さんは勝手知ったる我が家のように廊下を歩くと、一切の迷いもなくこたつに潜りん込んでいたのだ。

 「今日は冷えますね~、プロデューサー」

 机の上においてあった蜜柑をほいっと頭に乗せて、ぐったりとしながら、そんな言葉をかけてくる。
 初詣の時の見惚れるような美女はどこにと思いつつも、私はきっとこういうところが好きなのかもしれない。

 大人びているようで、子どもっぽい。まだ可愛いが似合う彼女を好きになってしまったんだと。



 「明日には雪でも降るかもしれませんね」

 家主に一切の遠慮もないところに突っ込みたくもなるが、今更言うことでもなさそうだ。
 返事をしながら、自分も茄子さんに続いてこたつに足を潜り込ませる。
 ちょうど茄子さんとは机を挟んで向き合う形になった。

「あっ。なんでこっちに入ってくれないんですかっ」

 ぱっと顔をあげたことで、茄子さんの頭に乗っていた蜜柑がどこかへ転がる。
 ぷくーと頬を膨らませた茄子さんは、どうやら隣に座って欲しかったみたいだ。

 子どものように怒る彼女の動きに合わせて、セーターでかたどられた「お餅」がぽよんと揺れる。
 その動きに合わせてついつい下がる目線に気づいて、自分の情けなさに頭を抱えそうになった。
 少し冷静になろう。落ち着いてゆっくりと深呼吸してから答える。

「うちのこたつはそんなに広くありませんよ」

「それでもですっ。やっとふたりっきりで落ち着けるのに~」

「向かい合っていたって落ち着けます」

 それに恥ずかしいじゃないですか。そう言うのはなんだか初心な子どものようでぐっと堪えた。
 アイドルと触れ合うなんて、愛し合うなんて。後ろ暗さは微妙な距離感をいつも保とうとする。



「むーっ」

 まだ頬を膨らませつつも、とりあえずは諦めたらしい。
 茄子さんがこたつ机に頭を寄せると、むにゅむにゅと柔らかそうなものがいやらしくその形を変える。

 まずい、どうも思考がそっちにいってばかりだ。
 本格的に仕事で疲れているのかもしれない。

「お仕事でしか一緒にいられなくて寂しかったんですよ?」

 その言葉をあまり考えている余裕がなくて、ぽろりと返事が溢れる。

「私も……寂しかったですよ」

 多分私はあまり多くを望まないタイプなのだと思う。
 普段は、たとえお仕事でも一緒にいるんだからいいんじゃないかと考えてしまう。

 それでも今回は期間が長かった。そのせいだろうか。

 指先が少し触れる度にそのまま握ってしまいたくなったり。
 その手を引っ張って抱き締めたいと思ったり。

 私の自制心はハリボテのように揺れていた。

 そんなことを思い出していると、珍しい言葉に茄子さんの目が輝くのが見えた。



「ホントですかっ!?」

「えっ……そうですけど」

 繰り返されるともう逃げられない。言ってしまったことを私は少し後悔し始めた。

「じゃあ、一緒にハワイ旅行ですねっ♪」

 神社の福引で茄子さんが当てたペアチケットのことだ。
 お参りから帰る間ずっと、一緒に行く人がいない、これじゃあ幸福にはなれないとアピールをされ続けたばかり。

「さすがに旅行はダメです」

「ぐすん、そんなこと言われたら茄子、悲しいです~」

 ちらりと目線をやると、そう呟く茄子さんの瞳がうるうると濡れている。

 ひと目で演技だと分かった。付き合いが長くなって、こういうのも分かるようになってきた。
 たとえば、彼女がちょっぴりいたずらが好きだということも。



「泣く真似をしたって私の考えは変えませんから」

「むっ。なかなかやりますね♪」

 なぜだか茄子さんはぱぁっと顔をほころばせた。
 にぶい私は何が嬉しいのかと考え込んでしまったが、次の瞬間にその考えは吹き飛んだ。

「そういうプロデューサーにはこうですっ」

「おわっ、ちょっと!」

 こたつの下で茄子さんの脚が私の太ももに触れる。
 最初の接触で場所を確かめたらしく、そこからげしげしと容赦のない蹴りが飛んできた。

 さすがにやられっぱなしは性に合わない。
 痛くはならないように、でも抗議の意味を込めて、足で蹴り返す。

「お行儀が悪いですよっ」

「きゃっ、そういうプロデューサーだって!」

 こたつの下で大人げない喧嘩が始まる。
 でもお互いの顔はその緩みを隠しきれていなくて。

 蹴ったり、蹴られたり。触ったり、触られたり。
 嬉しさも、寂しさも、後ろ暗さもバレないように勢いで隠して、そんなやり取りが続く。



 やさしい時間はふいに終わった。

「っ!」

 その触感は、真っ先にびくりと身体を震え上がらせた。
 それから、茄子さんの伸ばした脚が股先を掠めたのだと気づいた。
 自分の下腹部にじわじわと熱が貯まっていく。

 たったそれだけのことに反応してしまうことに驚きつつ、つい目線をソレに向けてしまう。
 だから茄子さんが動きを止めた時、どんな顔をしたのか分からなかった。

 それでもその音ははっきりと聞こえたと思う。

「……あはっ」

 いたずら好きな彼女の、淫猥な笑みがこぼれ落ちる音を。



「……」

 茄子さんは何も言わない。しかし、最初はそっと、続けてしっかりと柔らかな脚先が秘部を撫でる。
 私の存在を確かめるように、何度も、何度も茄子さんの体温が感じられた
 そのたびに私の思考はばちばちと痺れていく。

「や、」

 麻痺した思考に抗うように、やめさせようと声を出しかけて、ぱっと顔をあげる。
 茄子さんと目があって、次に人差し指が口元にまっすぐ当てられていることが分かった。
 静かにしましょうの合図。

『声を出したらプロデューサーの負けですよ~♪』

 まるでそう言うように茄子さんの唇の端が歪んでいく。

 誰もいないのになぜ静かにする必要があるのだろう。
 なんで茄子さんの言うことを聞かなくてはいけないのか。
 そんな当たり前のことが分かっていても、喉元まで出かかった声は掠れて消え去った。

 私は茄子さんに逆らえなかった。



 触れる脚先が私の肉茎を確実に捉え始める。
 大雑把に股座を擦り上げていた茄子さんの脚裏は、徐々にその範囲を狭めていた。

 隆起した男性器に沿って脚がゆったりと行ったり、来たり。
 撫でるような優しい感触が、快楽に置き換わって絶えず下からこみ上げてくる。
 脚の指先がカリ首に引っかる度にうめき声が漏れてしまう。

 時々、アクセントのように足裏で強く押されると、先走りがごぷりと溢れるのが分かった。

 徐々に快楽が押しとどめられないところまで来ていた。
 うろうろとする視線の向こうでは、茄子さんの乳房がゆさゆさと揺れて私の思考に油を注ぐ。
 もう頭が上手く回らない。どこを見ていればいいのか分からない。

 逃げるような目線の先で、もう一度茄子さんと目があった時、私は見てしまった。
 淫靡に微笑む女神の瞳の奥で、刹那の快感に歪む自分自身の顔を。

 こいつは、いったい何を我慢しているんだろう。

『プロデューサーのことなんて全部お見通しですっ』

 もう一度意地悪く笑った茄子さんの顔は、私の知らないオトナの色をしていた。



 茄子さんは、両脚の裏を使って、肉棒を擦り上げる。
 ぎこちない2つのリズムが、両側から絶えず刺激を与えてくる。

 溢れ出した先走りは竿全体にいきわたって、茄子さんの脚と下着と肉棒を滑らせていく。

「あはっ……はぁっ……」

 茄子さんからも私からも白い吐息が漏れる。
 茄子さんの顔はあまりにも艷やかで、見ているだけでも耐えられそうになかった。
 思わず天井を見上げる。その様子を見て茄子さんの吐息の中に悦びが交じる。

 隙を見逃さないようにと、片方の脚の指先が亀頭の部分をずりゅっと撫で回す。
 ぐりぐりとされるたびに、びくびくと肉棒が波打つ。

『こういうのも気持ち良いんですよね~』

 私の反応を見て攻め手を鮮やかに変える茄子さんに、少しだけ詰られているような気持ちになる。
 ぼろぼろと崩れ落ちていく理性に、ただ声にならない音をあげていくばかりだ。

 ぐちゃぐちゃになった下着の下で、肉竿はびゅるびゅると先走りを止めない。
 それがイタミのない快楽だけを擦り付けるように味合わせてくる。



 何も言わない茄子さんは、私の顔を見て何を思ったのだろうか。
 トドメといわんばかりに、片方の脚で肉棒を支えると、もう片方の脚の裏で亀頭をそっとなぞりあげた。

 ぬるぬるになったペニスは、ずちゅずちゅと脚の動きにされるがままだ。
 強烈な感触にぐっと唇を噛みしめる。でもそれもいっしゅんのむだでしかなかった。
 
 どんどんと速くなっていく摩擦に、心がはち切れそうになる。
 もうだめだ。このまますべてをぶち撒けて、無様な姿を晒すのだと思った刹那。

「ふふっ……まだ、ダメです♪」

 その一言で、堰を切らんばかりの刺激はぱたりと止んだ。
 微かに残った感触は、溜まりきった熱を開放させるには弱すぎた。


 イカセテホシイ。その言葉は声にはならなかった。



 絶え絶えの呼吸だけが響く部屋。
 視界の端がばちばちと明滅する中で、私は目の前にいたはずの茄子さんを見失った。

 どういうことだろう。事態がよく飲み込めていない。
 快楽の淵からなんとか意識を戻そうとする間に、それは唐突に現れた。

「ばぁっ♪」

 足元がもぞもぞとしたかと思うと、茄子さんは炬燵布団を跳ね除けて私の両膝の間から飛び出してきた。
 その勢いのまま、後ろにばたんと押し倒される。

「ちょっ、」

 私の抗議の声は、すぐにくぐもった音に変わる。
 早く気持ち良くなりたいと言わんばかりの乱暴な口づけが上から降ってくる。
 ぐいっと唇をこじ開けられると、はやる心が口内を乱暴に動き回った。

「……はぁ……んむっ」

 お互いの熱さを呼吸で、舌先で、唇で交換し合う。ぐちゃぐちゃと頭の中が鳴り響く。
 息継ぎのたびにできる唾液の橋を切らさぬようにと幾度も繋ぎ直した。



 茄子さんはスカートをぱっと落として、下着もストッキングも雑に降ろして。
 もう一度キスを重ねる間に、自分のズボンも下着も脱がされた。

 カラダはされるがまま。もうソレしか考えられない。

 脱がしたはずみで、ぬるぬると光を放つ肉棒が勢いをつけていきり立つ。
 どちらとも分からない淫臭がつんと辺りを漂って、情欲をさらに昂ぶらせる。

 手慣れた手つきで、どこかにしまっておいてはずのコンドームをつけられた。

「イクなら私のナカです、よっ」

 茄子さんはその瞳を濁らせて扇情的に笑う。
 朱に薄く染まった太ももを伝う液体が艶かしく光って。

 待ちきれないのはきっと彼女も同じだった。



 茄子さんは脱いだ衣服をはねのけて、がちがちになったモノを強く握りしめた。
 絶対に放すものかといわんばかりの力加減で、どろどろの秘所に導かれていく。

 ずぶずぶと挿入されていくだけで、茄子さんのカラダはぞくぞくと震え上がった。

「んぅっ……はぁっ、あぁんっ」

 ゆっくりと腰が降ろされて、ずっぽりと淫膣の中に肉筒が埋まりきった時。
 茄子さんはもう一度いやらしく笑いかけた。

「溜まってたんですよねっ、すぐイカせてあげますからっ」

 中途半端に服を脱いだせいで動きにくいのか、茄子さんは乱雑に腰を揺らす。
 でもギリギリまで焦らされた肉棒にはその激しさこそが足りなかったものだった。
 触れるだけでイッてしまいそうな熱さの中で、うねり、取り込もうと膣が蠢く。

 茄子さんは跨りながらショートカットの髪を振り乱して。
 きっとただ気持ち良くなることだけを考えていた。

「ぁんっ、んんっ、あ、ひぁっ」


 貪られている。


 何を言っているんだろう。
 抵抗しない私もきっと同じケモノだ。



 遠慮など一切なく、根本まで一気に咥えこまれてしまう。
 そのたび茄子さんは背を反らして、艶めかしい声を響かせた。

 繰り返される上下運動。
 湿った肌が触れ合う音、暴れる彼女の吐息、そしてくぐもった私の声。
 茄子さんが腰を沈めるほど、秘所は濡れぼそって、より容易く男根を飲み込んでいく。

「あ、あぁぅ……い、いや……」

 ふいに漏れ出した茄子さんの言葉は、本能ではなく理性から聞こえた。
 なぜ彼女がこんなことをするに至っているのか。
 絶えない快楽の中で、私はその答えをまだ探している。



「はぁっ……んん、はぁっ……も、もっとそばにっ」

 もう一度、モノが奥まで達したことで、彼女との間に隙間が消える。
 少しも離さぬようにと腰をくねらせて、亀頭をすべての方向からぐちゃぐちゃに刺激してくる。
 内部は絶えず震え続けて、熱さを感じる肉壁がペニスにまとわりつく感覚。

 私が声を漏らす度に、動きは激しさを増した。
 気を抜けばすべてを持っていかれる。強烈な快感に必死に堪え続けて。

 とうとう自分のカラダに逆らえなくなる。
 出したい。彼女の中に、ありったけを吐き出してやりたい。

 その緩みを読み取ったのか、きゅっと締めるような動きで茄子さんが腰を浮かす。
 そしてその勢いのまま、ばちゅんと腰を叩きつけた。
 モノが一段と大きく震え、淀んだものを一気に吐き出す。

「う……あぁっ」

 私の掠れた声と共に、溜まりにたまった精液がどくどくと注ぎ込まれる。

 最後の一滴まで味わうように茄子さんは静かに震え続ける。
 目を閉じて短く呼吸し続ける姿は、淫魔のような行為とは裏腹に切なげに見えた。



「はぁ……はぁっ、ぷろでゅーさー」

 絶え絶えの呼吸の中で、ぱたんと茄子さんのカラダがこちらに倒れてくる。
 それを受け止めようと自分の身体はあっさりと動いた。

 火照ったカラダを寄せ合うと、茄子さんの目尻に涙が浮かんでいるのに気づく。
 今度はホンモノで、それが行為のせいではないとすぐに分かった。
 私はやっと答えを見つけた。

「……寂しかったんですよ」

「はい」

「もうお側にいるだけじゃ足りないんです」

「すみませんでした」

 どちらからともなく優しく口付けを交わす。
 軽く唇が触れ合って、吸い寄せられるようにもう一度。
 唇を、舌先をそっとなぞりあって、唾液と共に気持ちも交換し合う。

「分かってくれたならよろしいですぞ~」

 茄子さんは瞳を潤ませて、少しだけ微笑む。
 その姿は、なぜだかいままで見たどんな瞬間よりも美しく見えた。

『この先が泥沼だとしても、目の前の人のことを忘れたりなんてしてはいけない』

 強烈な御姿はその想いをこころに強く傷跡として残したような気がした。



 しばしの無言の後、茄子さんの顔がぱぁっと晴れやかに変わる。

「じゃあ、今度はらぶらぶえっちですね♪」

 私がいまだふわふわとした感覚の中、茄子さんはペニスをねっとりともったいぶってソコから抜いていく。
 動きの邪魔になっていた下着もストッキングも脱いでしまって。
 それからもう一度、滾ったままの肉棒に指をかけた。

「あはっ。こんなにたっぷりっ」

 見惚れるような恍惚とした表情でゴムを外すと、そう呟く。
 茄子さんはもう1枚のコンドームを焦らすように、そして愛おしそうにつけ直した。

 今度は、こころが繋がり合うひとときを。

 私は、自分の意志で、茄子さんのカラダを炬燵の方に倒しながら、ゆっくりと秘所に挿入した。



「んんっ……ふぅっ、ふっ、うぅ」

 ぐちゅぐちゅと肉棒が膣を分け入るたびに、カラダが快楽へと落ちていくたびに、甲高い声が震える。
 時間をかければかけるほど、その音は、その声は、切なげに悶え喘ぐ。
 くびれた細い腰が落ちきった時、茄子さんはそっと唇で何かを伝えようとした。

『好きにしていいですよ』

 ぱっと一瞬で私の理性が茹だった。

 揺するように、かき混ぜるように腰を動かしていく。
 あまり大きな動きにならないことが、じわじわとふたりの温度を昂ぶらせる。

「んぁっ……そ、そこっ……」

 それでももっと深くと、お互いにこころがはやってしょうがない。
 こころの繋がる場所を探して、互いが互いのリズムでカラダを揺らし合う。
 それはさっきとは違う場所を擦って、じゅぷじゅぷと掻き混ぜられるような淫靡な音を重ねる。



 乞われるままに肉竿で奥をノックする。
 もっと奥まで。もっと気持ち良く。

 揺れるカラダと一緒にいやらしく誘うモノに目を奪われて。
 上の衣服をぐいっと持ち上げると、抽送に合わせて、乳房にむしゃぶりつく。
 火照るカラダに滲む汗を舐め取っていくように、舌をそっと這わせると膣肉がさらにうねった。

「ひゃっ……んんっ…やさしいの、だめ、ですっ……」

 その言葉とは裏腹に、蜜汁はねっとりと溢れ出すことをやめない。
 ぐっちゃ、ぐっちゃと混ざり合いながら、ぞくぞくと込み上がる快感の証を残す。

 茄子さんからこぼれ落ちる嬌声が大きくなる。
 キモチ良くなったことでより敏感になった膣肉をかきわけて、ストロークもまた激しくなる。
 物欲しそうに蠢くカラダを引き寄せて、欲望のままにペニスを叩きつけた。

 快楽に何もかもをもっていかれそうになる。



 すると、茄子さんは身を捩らせながら手のひらを差し出す。
 その姿に転げ落ちそうになっていた思考が踏みとどまる。

 私は自分の手で優しく包み込むように、けれど手放さないようにぎゅっと手のひらを繋ぎ合わせた。
 隠していた、隠されていた寂しさをそっと埋め直すために。

 それを合図に茄子さんのカラダを抱き寄せる。
 焦がれるような声が耳元で響くから、目の前の彼女のことしか考えられなくなる。
 煌めきに悦びの色を見せる瞳が映り合って、そして私は茄子さんの唇から音を奪った。

「んふ……んっちゅ……はぁ……んむっ」

 真っ白な背中に手を回すと、私の中で茄子さんのカラダが跳ねた。
 こころの在り処を探すように手のひらでなぞっていくたびに、淫膣はぎゅうぎゅうと締め付けを増す。

 振り乱すカラダに少しでも距離ができると、互いに離してしまうものかと力が入った。
 むにゅむにゅと茄子さんの乳房がカタチを変えて、私の胸板を圧迫する。
 衣服に擦れる乳首がじりじりと快感を積み重ねて、いやらしい声色をころころと変化させる。

「ぁんっ、あう、うう……プ、プロデューサーっ、ああっ、はなれないでっ」

 ピストンも膣中を走って子宮口に快楽を押し付けていく。
 触れられるところはすべて触れ合って、一分の隙間もないように。



「はっ、ぅっ……ぴ、Pさんっ…んんっ、Pさんっ」

 普段呼ばれることのない名前が呼ばれる。
 白に朱を落とした茄子さんの顔が目に入って、劣情がまだ燃え上がる。

「だいすき、だいすきですっ」

 哀願するような言葉に私の頭が真っ白になった。
 目の前の彼女を離したくない。膣内射精して気持ち良くさせたい。
 他の事なんて何も考えられない。

 一番奥まで届くように亀頭をぐいっと押し付けて。
 それに答えるように子宮口が、肉襞がぞくぞくと震え上がった。

「んっ……くぅ……! 茄子さん、もうだめです!」

「……っ……ああああっ、くださいっ」

 薄い膜すらも破ってしまいそうなほど、びくん、びくんと男根が真っ白に弾ける。
 何の心残りもないようにと、カラダに残ったすべての精液が注ぎ込まれた。
 どろっとした液体が吐き出される度に跳ねるカラダを、繋いだ手で強く寄せ合う。

「……う、あっ、あひ、あついですっ……」

 同時にイッたばかりの膣内は、何度も収縮を繰り返し、モノを離そうとはしなかった。
 精を吐き出しきった肉棒も、二度目だというのに鎮まることを受け入れようとはしない。

 それでも、絶え絶えの呼吸の中で、顔を見合わせる。
 互いの瞳に映る姿は、たぶん笑っていた。






私の腕を枕にぴったりと茄子さんは隣に寝転んだ。
荒れていた呼吸もだいぶ落ち着いて、やっと目を見て伝えられる。

「寂しくさせてごめんなさい」

「ふふっ。幸運でもどうにもならないことってあるんですよ?」

柔らかく微笑む茄子さんは、いつもの大人びているようで子どもっぽい彼女だった。
その姿をもう一度、心に刻む。想いはふいに爆発するのだと。

「茄子はいっぱい愛してもらって満足です~」

目を細めて茄子さんは、私の胸に顔を擦り付けてきた。
私だけだと言うように。ずっと側にいると言うように。



 そのことに安心して、愛する人の温かさでなにもかもを塗り潰して。
 そうしたら、どっと疲れが襲い掛かってくる。どうやら茄子さんも同じみたいだ。
 炬燵の暖かさがじんわりとカラダに染み込んで、瞼がとろりと落ちる。

 うとうととぼやける視界の中で、そっと茄子さんの髪を撫でた。
 茄子さんは頭をスリスリと私の手のひらに寄せて、嬉しそうにゆるやかな表情を見せる。
 心いっぱいの幸せがまどろみに落ちてしまう前に。

 こころをカラダでつないで。
 この願いもあなたのこころに伝わっていたら嬉しい。

「今年もいい年になりますように」



おしまい。
茄子さんと炬燵で一緒にだらだらしたい人生だった。
茄子さんの彼女感はいいぞ。

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