【艦これ】阿武隈「ショートコント」北上「お正月」
【艦これ】阿武隈「ショートコント」北上「お正月」 - SSまとめ速報
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【艦これ】大井「ショートコント」鹿島「買い物」
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【艦これ】翔鶴「ショート」瑞鶴「コント」加賀「歌番組」
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【艦これ】吹雪「ショートコント」叢雲「お姉ちゃん」
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シリーズも長くなってきましたが、どこから読んでも大丈夫な親切設計です。
前回のあらすじ川柳:叢雲が 好きな吹雪と サメ映画
今回は本編が25レスを超えたので「ショートコント」を外したのと、
展開の都合上舞台劇形式になっています。要するにマンネリ打破のテコ入れです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518537518
大淀「……さて、次は夕張さんね……『新型魚雷の試験に伴う工廠利用時間の延長申請』……『許可、ただし安全面には十分配慮すること』」
大淀「駆逐艦を代表して吹雪ちゃん……『芋煮会のための食堂でのガスコンロ利用申請』……『許可、火の元の始末はしっかりと』」
大淀「こっちは隼鷹さん……『第四十五回新年回の開催による食堂の利用申請』……もう二月じゃないですか、『不許可、先約あり』」
大淀「……どうせ船渠あたりで勝手に飲み始めるでしょうね……片付けも適当だし、あんまり可燃物は持ち込んでほしくないんだけど」
大淀「最後は提督から……『鎮守府正面海域への単独出撃任務、人選は一任する』」
大淀「今詰めてるのは、川内さん、足柄さん、陸奥さん……」
大淀「……足柄さんにお願いしましょう」
大淀「……以上が作戦内容です。確認事項はありますか?」
足柄「問題ないわ。哨戒任務なんてパッと終わらせて、今夜は飲みにでもいきましょう?」
大淀「油断しないでください、まだ鎮守府近辺でも深海棲艦の出現が多数報告されてるんですから。私も緊急時に備えて通信室で待機しますね」
足柄「ところで、どうして私だけで出撃するの?」
大淀「さぁ……提督はキラキラがどうの、と仰っていましたが……」
足柄「よくわからないけど、要は勝てばいいんでしょ? 余裕じゃないの」
大淀「言動の端々が不安なんですけど……何かあったらすぐに連絡してくださいね?」
足柄「もう、心配しすぎよ! 行ってくるわ!」
大淀「ほんとに大丈夫かしら……」
大淀「……一応、無線の確認をしておかないと」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「足柄へこちら大淀、感明送れ」
足柄『大淀へこちら足柄、感明良し、送れ』
大淀「大淀了解、以上……問題なさそうね」
霞「大淀! ここにいたのね!」
大淀「霞ちゃん? どうしたんですか、そんなに息せき切って」
霞「どうしたのじゃないったら! 今日はバレンタインよ!」
大淀「……え?」
霞「前に約束したでしょ? その……司令官にチョコ渡すの、手伝ってくれるって……」
大淀「……あ」
霞「『あ』って何!? 忘れてたの!?」
大淀「いえ、忘れてたわけではないんですけど、今日だとは思ってなかったというか、今日だけは困るというか……」
霞「……そうよね、一人じゃチョコを渡す勇気もない子の扱いなんて困るだけよね……」
大淀「違いますって! 手伝います! 今すぐに!」
霞「……本当?」
大淀「もちろん! ただちょっとの間ここから動けない事情があるので、状況が悪化したらすぐに連絡してください。無線でアドバイスしますから」
霞「……わかったわ。行ってくるわね」
大淀「ええ、応援してますよ」
大淀「なんてこと……霞ちゃんに『足柄はアレだし、大和も逆方向にアレだし、こんなこと頼めるの大淀だけなの』とまで言われてたのに……」
足柄『大淀へこちら足柄、まずい事態よ』
大淀「!……こちら大淀、詳細を報告せよ、送れ」
足柄『前方約十海里に空母棲姫一隻……護衛もなしに何をしてるのかしら』
大淀「主力級がこんなに近くまで!? すぐに提督に連絡を……」
霞『大淀、まずい事になったわ』
大淀「……でも、今提督に状況を伝えれば霞ちゃんはチョコを渡せなくなる……」
霞『大淀、聞こえてるの!?』
大淀「……後でどんな処分を受けてもいいわ、なんとかして霞ちゃんがチョコを渡すまで状況を引き延ばさないと……!」
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「お待たせしてすみません、何があったんですか?」
霞『執務室に続く廊下に赤城さんがいるわ』
大淀「そんな、いくら赤城さんでも人に渡すチョコを狙うわけが……」
霞『でも『チョコの味見承ります』って看板掲げてるのよ』
大淀「何やってるんですか一航戦は!?」
霞『目の前を通ったら最後、『一口ください』って一口で丸ごと食べられるやつだわ……どうしたらいいのよ……』
大淀「これは、赤城さんをやり過ごして廊下の反対側まで行かないと……」
足柄『ちょっと大淀、提督の指示はないの!?』
大淀「っ!」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「……足柄へこちら大淀、『一時静観し状況を逐次報告、次の指示を待て』とのご命令です、送れ」
足柄『はぁ!? 増援も出せないってこと!?』
大淀「……増援は、検討中です」
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「すみません、足柄さん……」
霞『何よ? 足柄がどうかしたの?』
大淀「……いえ、何も。それより、資源倉庫の鍵を持ってましたよね?」
霞『ええ、今週は秘書官だったから』
大淀「……よし!」
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「十分に距離を取って外周から回り込み、反対側に移動してください。大丈夫です、夜間は索敵機も飛ばせません」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「相手は空母です。近づいて話しかけ、倉庫のボーキサイトを提供すると申し出てください。その方が魅力的と分かれば手出しはされないはずです」
霞『え? ええ……』
足柄『わ、わかったわ』
霞「外周、って外側の壁ってことよね……窓から出られるかしら」
霞「……高っ! これ落ちたらシャレになんないやつじゃないの……」
霞「……よっ……とっ……」
霞「……きゃっ!?」
霞「あ、赤城さん……? 助けてくれたの?」
霞「何してたかって、その……」
霞「えっと、最近運動不足だから、ボルダリングの練習を……」
足柄「近づいて、って……うわ、めっちゃこっち見てるんだけど」
足柄「ど、どうも……遠路はるばるお疲れ様……」
足柄「お腹すいてるでしょ? 鎮守府にボーキサイトがあるんだけど、食べてかない?」
足柄「いえ、別に裏なんてないわよ? 多分……」
足柄「ええまあ……こっちの資源倉庫まで案内するわ」
足柄「あ、ついでにカツカレーも食べる?」
足柄「いらない? そう……」
大淀「とりあえずこれでなんとかなったかしら……」
霞『大淀、赤城さんは撒けたけどまた問題よ』
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「大淀です、今度はどうしました?」
霞『執務室の前で満潮が固まってるわ』
大淀「満潮ちゃんが? どうして?」
霞『おそらく司令官にチョコを渡しに行ったはいいけど、執務室の前に来た所で気合を入れて手作りまでしてる自分を唐突に客観視して、恥ずかしさでドアを開けられなくなってるパターンね』
大淀「やけに詳しいですね」
霞『姉妹だもの、それくらいわかるわ』
大淀「それ以外が理由な気もしますけど……」
霞『それよりどうするの? あの状態の満潮をスルーして入っていくのは正直かなり辛いんだけど』
大淀「まあ、そうなりますよね」
霞『今度はもう窓から出入りはしないわよ?』
大淀「……そこまで窓から来たんですか?」
霞『あんたがそう言ったんじゃない! 途中で赤城さんに助けられたけど』
大淀「言ってないと思うんですけど……」
足柄『あのー、大淀さん? この後どうすればいいか教えてもらえる?』
大淀「!……すみません、少し考えさせてください」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「足柄さん、現在の状況は?」
足柄『ちゃんと空母棲姫を連れて鎮守府方面に向かってるわ……ボーキの手配よろしくね……』
大淀「こっちに!? 気づかれたんですか!?」
足柄『あなたが話しかけろって言ったから近付いたの! そりゃ気づかれるわよ!』
大淀「えぇ……」
足柄『もう間が持てなくて、胃に穴が開きそうなんだけど……』
大淀「どうして敵の補給をすることになってるんですか……」
足柄『そんなのこっちが聞きたいわよ……』
大淀「……そうだ! 足柄さん、空母棲姫との距離はどのくらいですか?」
足柄『距離も何も、今目の前よ。我が鎮守府に向かって絶賛航行中』
大淀「……背中を見せている、ということですね?」
足柄『そうだけど?』
大淀「なら、道は一つ……! 足柄さん、少しだけ待ってください」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「例えライバルに見えても、同じ目的を持った仲間のはずです。きちんと話し合って、一緒に行動するのはどうでしょう?」
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「背中を向けている今がチャンスです! 背後から主砲を突き付けて即刻離れるよう脅しつけてください!」
足柄『えっ……大丈夫なの?』
霞『あんた本気!?』
足柄「その……ね? まずは一度腹を割って話してみない?」
足柄「こっちもあなたたちと無闇に反目したいわけじゃなくて」
足柄「敵同士でも分かり合える部分はどこかにあるだろうし」
足柄「私たちだって、できれば争いはなるべく早く終わらせたいから」
足柄「その点きっと同じ目的で行動してると思うのよ……え? 違う?」
霞「両手をゆっくり上げなさい」
霞「できれば私だってこんなことしたくないわ」
霞「でも仕方ないのよ、あんたがそこにいるんだもの」
霞「私の目的のためにはこうするしかなかったの、ごめんなさい」
霞「分かったら早くここから離れて、チョコは預かるわ」
大淀「お願い霞ちゃん、早くチョコを渡して……!」
足柄『大淀へこちら足柄、交渉は決裂したわ』
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「は? 交渉?」
足柄『話し合いには応じられないそうよ』
大淀「なんで話し合おうと思ったんですか!?」
足柄『話し合えって言ったからでしょうが! とにかく向こうはもう爆発寸前だわ』
大淀「……あまり聞きたくないんですが、今どこにいますか?」
足柄『ほとんど鎮守府内みたいなものね、もうすぐ船渠に着くところ』
大淀「嘘、そんな……」
足柄『こっちからも確認したいんだけど、本当に提督がこんな指示を出したの?』
大淀「……すみません足柄さん、すべて私の責任です。事情は必ず後で説明しますから」
足柄『そう……それじゃあ、全部説明されるまでは沈めないわね』
大淀「はい、ありがとうございます……!」
霞『大淀、大変よ』
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「まさか、まだ執務室に入れてないんですか?」
霞『いえ、満潮は半泣きで逃げて行ったから入れたわ。ついでにあの子のチョコも預かったけど』
大淀「ちょっと、何をやったんですか!?」
霞『言われた通り排除したのよ……手段を選んでたのが間違いだったのね』
大淀「悪に目覚める一歩手前みたいな言動になってるんですけど」
霞『それより提督に金剛さんが絡んでて近づけないわ、追い払う?』
大淀「落ち着いてください、そんなに攻撃的にならなくても少し待てばきっと……」
霞『隣で比叡さんがチョコの準備をしてるのよ』
大淀「武力行使も止む無しですね」
霞『ただ相手は戦艦二隻、遠距離から撃ち合っても勝ち目はないわ』
大淀「……だったら!」
【CP---JJDD】カチッ/
大淀「こうなったら仕方ありません、砲撃を行ってください! 至近距離での夜戦ならこちらにも分があるはずです!」
【CP---JJGA】カチッ/
大淀「鎮守府内の戦艦に協力を仰ぎましょう! 確か今の時間なら陸奥さんが待機中のはず……適切な装備の判断はお任せします、すぐに呼び出してください!」
霞『……そう、わかったわ』
足柄『ええ、それならきっと勝てるはずね』
霞「……司令官?」
霞「どうしたのよ、そんな顔して」
霞「ああ、心配ないわ、邪魔なのはそこの二人だけ」
霞「あんたを傷つけるのは本意じゃないわ」
霞「……でも、そうね」
霞「大人してくれないと、ひょっとしたら――」
足柄「陸奥、少し時間あるかしら?」
足柄「……いえ、今日はお酒の誘いじゃないの」
足柄「ええ、今船渠にいるわ、フル装備で来てもらえる?」
足柄「……一生に一度の経験でしょうね、近海で空母棲姫に遭遇して、しかも話までするなんて」
足柄「これで生きて帰れたら一生自慢できるわね、協力してもらえると嬉しいわ」
足柄「そうね、何でも積んで来て。三式弾でも徹甲弾でも、火薬は多ければ多いほど――」
大淀「きっと……きっとこれでよかったはず」
大淀「霞ちゃんは無事にチョコを渡せるし、足柄さんは空母棲姫を倒せる」
大淀「私は……無線設備と資源・戦力の私的占有、解体処分あたりが妥当かしら」
大淀「それでも、みんなが助かるなら、それだけで――」
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“人間関係は良い誤解か、悪い誤解”
-立川談志
以上です。
雑な爆発オチですが、悪は滅びたのでハッピーエンドだと思います。
そろそろイベントも始まりますので、皆さんもレイテ湾の爆破を目指して頑張りましょう。
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