【艦これ】吹雪「ショートコント」叢雲「お姉ちゃん」 (23)

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お久しぶりです。上の続きですが話のつながりは相変わらずありません。
前回のあらすじ川柳:加賀さんと トリオ漫才 鶴姉妹

海上で戦闘を繰り広げる映画のネタバレを含みますのでご注意ください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517409714

吹雪「……でね、そこで扶桑さん鉄板の持ちネタ『ダウンヒルで電ちゃんをギリギリ避けきれなかった深雪ちゃん』のモノマネが……」

叢雲「それはいいけど、もうこれ回ってるわよ?」

吹雪「え?」

叢雲「え?」

吹雪「……はい、というわけでね、最近寒さが厳しいですけれども」

叢雲「無理やり編集点作ってもなかったことにはならないでしょ」

吹雪「言わなきゃバレなかったかもしれないじゃない!」

叢雲「バレない理由がないわね」

吹雪「だってうまく話を合わせてくれればごまかせてたよ!」

叢雲「どうして合わせないといけないのよ、馬鹿じゃないの?」

吹雪「だいたい叢雲ちゃんのそういうとこだよ!」

叢雲「いや、何がよ」

吹雪「私の方がお姉ちゃんなのに全然尊敬されてない! そうやってすぐバカにして!」

叢雲「そういうこと言うから敬意を持たれないんじゃないかしら」

吹雪「とにかく! 姉としての待遇改善を要求します!」

叢雲「あのねぇ、ちゃんと姉らしい扱いをしてもらいたかったら相応の振る舞いが必要だと思わない?」

吹雪「じゃあ叢雲ちゃんが考えるお姉ちゃんを私がやってみて、文句がなければ姉として認めること! いい?」

叢雲「面白いわね、見せてもらおうじゃない」

吹雪「絶対お姉ちゃんって呼ばせてやるんだから! ついでに『お姉ちゃん大好き』って言わせてやる!」

叢雲「自分でハードル上げにいってない? 別にいいけど」

叢雲「じゃあまず、『突然の敵の襲撃から妹を守る姉』ね」

吹雪「なるほど、定番だね」

叢雲「『大変! 海洋研究所から逃げ出したアオザメが襲ってきたわ!』」

吹雪「え? サメ? 深海棲艦じゃなくて?」

叢雲「深海棲艦は自分で何とかできるし、それより怖いのはどう考えてもサメでしょ。特にアオザメは脳細胞がアルツハイマーの治療薬として研究されるほど知能が高くて……」

吹雪「わかった、わかったサメね……『このっ! 叢雲ちゃんを放せ!』」

叢雲「ぜんっぜんダメね、相手はサメよ? 噛みつかれた時点で致命傷に決まってるじゃない」

吹雪「決まってるんだ……」

叢雲「正解は『自分の血の匂いを使ってできるだけ遠くにおびき寄せて自爆する』よ」

吹雪「私死んじゃってるよね!? そこまでしないと信頼は勝ち取れないの?」

叢雲「今のでマイナス30点ね」

吹雪「地味にリアルな数字で減点してくるなぁ……」

叢雲「まあ、やっぱり吹雪には荷が重かったってことかしらね」

吹雪「ちょっと待ってよ! 突然のことで対応しきれなかっただけで、他の場面なら全然いけるってば!」

叢雲「……そこまで言うなら、次のお題は完璧に演じられるのね?」

吹雪「もちろん! 絶対大丈夫だよ!」

叢雲「じゃあ次は、『嵐が来る前に妹を迎えに来た姉』ね」

吹雪「傘を持っていくんだね? 大丈夫、いけます!」

叢雲「『急に風が強くなってきたわね……天気予報じゃ降サメ量5ミリ以下って言ってたのに』」

吹雪「待って、降サメ量って何? 雨じゃなくてサメが降るの?」

叢雲「強い竜巻が海上で起きてサメが巻き上げられると、雨と一緒にサメが降るのよ」

吹雪「そんな無茶苦茶な……えっと、『叢雲ちゃん、早く地下に逃げよう!』」

叢雲「何言ってるの、そんな天候じゃ地下は浸水してサメの餌場よ? 自分から食べられに行ってちゃ世話ないわ」

吹雪「理不尽だよぉ……」

叢雲「正解は『竜巻を相殺するために爆弾を抱えて自爆』、それ以外ないわ」

吹雪「また私死んじゃったんだけど!? せめて生きたまま終わりを迎えさせて!」

叢雲「これは不合格だわ、マイナス60点」

吹雪「さっきより大幅に引かれたけど、これって正解以外でも加点されるパターンあるの?」

叢雲「もちろんよ。さっきのだと『チェーンソーでサメを迎え撃つ』はプラス10点だったわね」

吹雪「基準が全く分からないんだけど……」

叢雲「大事なのは姉として妹を守ることよ」

吹雪「このセリフだけなら良いこと言ってるように聞こえるんだけどなぁ」

叢雲「どうするの? もうやめる?」

吹雪「ここで諦められるわけないじゃない! もう一回お願い!」

叢雲「なら『心霊スポットで怯える妹を気遣う姉』で頼むわ」

吹雪「任せて! 頼もしい所をバッチリ見せるから!」

叢雲「『噂で聞いたんだけど、この洞窟の近くって無念のうちに殺されたサメの幽霊が出るんだって』」

吹雪「聞いていい? なんでサメ限定なの?」

叢雲「だって普通の幽霊なんて大して怖くないじゃない、噛みつかないし」

吹雪「全然納得いかない……『叢雲ちゃん、水場には絶対近寄らないようにね』」

叢雲「落ち着いて考えなさい、相手は幽霊ザメよ? 海を離れても胃の中の水から出てきて殺されるわ」

吹雪「それもうどうしようもなくない?」

叢雲「正解は『すべての元凶である洞窟を巻き込んで自爆』、これね」

吹雪「それから私は死ぬ以外の解決策がなくない?」

叢雲「全くもってダメじゃないの、マイナス160点だわ」

吹雪「とうとうマイナスが三桁に突入したんだけど……」

叢雲「姉の威厳を見せつけるんでしょ? 真面目にやる気あるの?」

吹雪「どう考えてもふざけてるのは叢雲ちゃんだよね!?」

叢雲「妹の考えてることを姉がくみ取れないだけでしょ」

吹雪「常識外の思考をくみ取れって言われても……」

叢雲「惜しい所までは行ってると思うわよ? あと一息、頑張んなさい」

吹雪「減点の具合を見るにあんまり説得力はないかなぁ」

叢雲「じゃあこれが最後ね。『サメに追われて無人島に流れ着いた姉と妹』、この状況で頼りになる姉を見せてちょうだい」

吹雪「とうとうサメを隠さなくなってきたね……もういいけど」

叢雲「『頭が二つあるから感知能力も凶暴性も二倍……一体どうやって倒せば』」

吹雪「なんで頭が二つあるか……は聞いてもムダかな、『頭と頭の間に入って殴りまくれば死ぬんじゃない?』」

叢雲「あ、それ生き残りはするけど致命打にはならないパターン」

吹雪「これが今までで一番マシな回答だったことが驚きだよ」

叢雲「正解は『無人のボートを囮にして噛みつかせて爆発』よ、よかったわね生き残れて」

吹雪「なんだろう、全然嬉しくない」

吹雪「そもそも艦娘の私たちがサメに襲われる事態を考えるのがおかしくない?」

叢雲「でも私たちの航路って羅針盤任せよね?」

吹雪「なんで羅針盤のくせに一定方向を指さないのかは置いとくとして、そうだね」

叢雲「だとしたら渦潮に巻き込まれるノリで渦サメに巻き込まれることもあるんじゃないかしら」

吹雪「ないと思うなぁ」

叢雲「その辺をきちんと想定できてないあたり、マイナス250点ね」

吹雪「減点されるの!? さっきのは一応正解寄りだったよね!?」

吹雪「こんな方法じゃ姉らしさなんて分かるわけないよ! 結局私の事を姉って認めたくないからケチばっかりつけてるんでしょ!?」

叢雲「……そんなわけないじゃない」

吹雪「……えっ?」

叢雲「きっと吹雪なら最後まで付き合ってくれるって信頼してるから全部任せられるのよ、もちろん姉としてね」

吹雪「叢雲ちゃん……」

叢雲「だから今の気持ちを正直に言うわね、『お姉ちゃん』」

吹雪「叢雲ちゃん!」

叢雲「ダウンヒルって何?」

吹雪「それ今聞くの!? もういいわ!」

吹雪・叢雲「どうもありがとうございましたー」

以上です。
初期艦5人は古参の結束感があって結構仲がいいんじゃないかと思ってます。

映画「ディープ・ブルー」はサミュエル・L・ジャクソンが混乱する人々をまとめようと
果敢に説得するシーンが死ぬほどカッコイイので個人的におすすめです。

あれ?シャークトパス は?

メガシャークが無いじゃないか

>>19
>>20

吹雪「これについては叢雲ちゃん、意見ある?」

叢雲「シャークトパスはアメリカ海軍の生物兵器よね? それとメガシャークも米軍の事故で冬眠から目覚めてるし、帝国海軍所属の私たちが出ると政治的にまずいんじゃないかしら」

吹雪「そういう配慮っているのかなぁ……」


まあ単にうまく組み込めなかっただけなんですが、
「オープン・ウォーター」か「ケージ・ダイブ」で一ネタできないかなーとぼんやり考えてたら
「この子ら海に投げ出されても普通に海面移動できるやんww」ってなったこの微妙な気持ちは
せっかくなので共有しておきたいと思いました。

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