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【ダンガンロンパ】希望ヶ峰神話大系【四畳半】
【ダンガンロンパ】希望ヶ峰神話大系【四畳半】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400770786/)
乗っ取りですが文体はなるべく真似するように頑張ります。
続きから投稿します。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518365992
僕の明らかに異常な様子を心配した不二咲くんに、『まだ完治してないのに、呼び出したりしてごめんねぇ』などとこれまた完璧な可愛い仕草で謝罪され、僕はすでに後戻りできないくらい開拓されてしまったような気がする、心のとある地域に無理やり【未開拓地!危険!立ち入り禁止!】と看板を立てた。
大丈夫、僕は何も感じていない。僕が好きなのは女性である。そうだ。
不二咲君には、
石丸「君は立派な男だ。心の優しさを持つものは強いものだけだぞ」
と根性で言って笑って見せ、しかし
石丸「すまないが、まだ安静にしなければならないようだ」
などと適当な言い訳をして帰路についた。
一刻も早く、このふわふわとした不二咲ワールドから抜け出さなければ本当におかしな国の住民になってしまうような気がしたからだ。
幸せと笑顔と甘い空気に囲まれていたというのに、まるで生きた心地がしなかった。
危険というのは安全地帯にあるからこその危険なのだと悟った。それもそうだ。
そもそも危険だとわかっている場所に近づくのは世間知らずの阿呆か賢者という名の阿呆か正真正銘の阿呆かのいずれかだけなのだ。
自室へ戻ると僕はまず涙を堪えた。
いや、嘘だ。見栄をはった。すまない。堪えきれずに泣いた。
しかし僕はもともと涙腺が緩いのだ。むしろ今までよく涙を見せずに我慢したと思う。
僕は僕を素直に称賛する!
石丸「うぐぅ」
涙を腕で拭い拭い、何度も拭い、しかしそれは止めどなく流れてくる。
途中からはなぜ自分が泣いているのか、理由すらわからなくなってきたが(最初から分からなかった気もするが)、涙なんて言うものは、いつも誰でもそんなものだろう。
そもそも人間の感情とは非論理的なものであるのに、それに確かな理由を求めるものこそが非論理的な人間なのだ。
僕は論理的な人間であるためもう考えることをやめた。
――ピンポーン
その音に、最後の一人を思い浮かべる。
セレスくんだ。
そうだ、あまりの衝撃のツーコンボにすっかりと頭から抜け落ちていたが、彼女は僕の部屋へとアポイントメントをとっていたのだ。
まだ間に合ったらしい。
時間にルーズなのは風紀委員としていただけないが、今この瞬間、彼女のルーズさに救われている自分がいた。
彼女の余裕な笑みで、僕の気持ちを埋めてほしかった。
流石に不誠実だろうと脳内の片隅で誰かが呟いている気がしたが、もう無条件に欲するほどに、とりとめもないくらいに、僕は傷心していた。
言うなれば、この治りかけの脇腹の傷が再び開いたほうがマシだと思えるくらいには心がズタボロの牛乳雑巾へと化していた。
早くも前言を撤回する。
治りかけの脇腹の傷なんかより、精神的な傷のほうが遥かにマシだった。
音に応えて扉を開けたが運の尽き。
もともと運なんてなかったようなものだが踏んだり蹴ったりだったが、とうとう刺されてしまった。
そうだ、刺されたのだ。また刺された。
今度は最後の手紙の主、セレスくんに。
そして僕は文字通り膝から崩れ落ちた。アーメン。
セレス「あなたは阿呆です」
セレス「弱っている人間ほど狙われやすいですのに、なぜこの状況で扉を開けたのですか?今、あなたの鍵を持っているのは大和田くん。あなたへの手紙を回収しさえすれば、足はつかない」
セレス「あなた、本当に絶好の鴨ですわ」
それはいつもと何一つ変わらない、ミステリアスで妖艶な笑みであった。
僕は何故こんなにも恐ろしい笑顔に惹かれたのか。
ミステリアス、つまり分からないことに対して、僕は美しいものを求めすぎたのだ。
必ずしも美しいとは限らないというのに、それをそうだと信じてやまなかったのだ。
恋愛とは人を狂わせるものなのだ。
そんなことを今更、悟ったところでもう遅い。僕は死ぬ。
彼女はまた、いつもと同じように『ウフ』と笑って目を細めていた。
今となっては、それはただの恐怖の象徴でしかない。
しかし、僕はそれでもまだ彼女に縋りたかった。
何故だかは分からない。
僕はもう、既に生きることを諦めていた。
舞園くんに刺されたときとは違う、本当に命が尽きて行く感覚がする。
けれど、それでも尚、僕は彼女を信じていたかった。縋りたかった。
何か理由があるはずだと。
彼女は平気で人を殺すことができるような人間ではないはずだと。
僕はまだ理解できない彼女のミステリアスな部分にかこつけて、死へ向かい行く今となっても、その部分に美しいものがあると信じた。
愚か者の極みである。いよいよ笑えない。
石丸「な……ぜっ……」
セレス「わたくしなりの愛ですわ」
セレス「あなたはわたくしの対極に位置する人間。ですから、あなたはここから出られないのです。絶対に」
セレス「であれば、こんなところで死んだように生き続けるより、志半ばに殺して差し上げたほうが美しいではありませんか」
セレス「それに、わたくしがここから出るためです。弱った人間がいて、かつ、あの動機提示がされた今が、絶好のタイミングだと考えたものですから」
石丸「ど……う、き?」
聴覚が麻痺しているのか、彼女が何を言っているのか、半分ほどももう理解することはできなかった。しかし『動機』というその言葉だけははっきりと僕の耳に届いていた。
僕の秘密は、恥ずかしくはあるもののくだらない内容であったのだが、しかし彼女の秘密はそうではなかった、ということなのだろうか。
だとすると、彼女の他にも思い詰めて手を染めよう等と考えている人間がいるかもしれない。
そういえば、不二咲くんが自身の性別を僕に打ち明けたのはあれがきっかけだと言っていたような気がする。
もしかしたら、ひとによって秘密の重大さが大いに異なっていたのではないだろうか。
そうだ、兄弟は……大和田くんは、無事……だろう、か。
最期の最後となって、想うのは、女性ではなく出来たばかりの友だった。
そもそも、僕のような人間関係自体に慣れがないような不器用な男に恋愛など向いていなかったのだ。
最初から分かり切っていたことではないか。
セレス「あぁ……わたくしの秘密は、ただの本名でしたわ。ですが、くだらない理由であればあるほど、わたくしが犯人候補から外される」
セレスくんが、まだ何か長々とお喋りを続けていた。
もう僕の脳みそは、それを処理するような働きをなしておらず、ただ音が鳴っているとしか認識できない。
何故だろう、こんなことになっても未だ、彼女を恨む気さえ起らないのだ。
やはりそれも脳みそが働いていないからだろう。
ふと、紙を踏んだようなクシャ、という音を聞いた気がした。
なんだ、またメモが扉から入れられていたのだろうか。
兄弟からだろうか。真偽は定かではないし、もう確かめることも叶わない。
僕は間もなく死ぬのだ。複数の女性間をふらふらとし、最期の最後まで決めきれず、風紀の信条など何処へやら。もはや自業自得の域である。
何が優等生だ。何が風紀委員だ。
恋愛なんかに現を抜かし、一度刺された時の反省を生かすことなく簡単に殺された。
この学園で風紀を乱したのは誰だ。僕に他ならない。
死に際になって思い知る。今の僕はアイデンティティもプライドも失くした愚かな男である。
四人もの女性の間をふらふらし、決めきれず、煩悩の赴くままに動いて不純な気持ちを体現し、そして死ぬ。
こんなに惨めで滑稽な死に様が他にあるであろうか。
己を貫き切腹を選ぶ侍の、なんと男らしいことよ。
死んでも死にきれないとはまさにこのことだ。
自信の信念を曲げ、無理に背伸びをしようとした結果だ。
そもそもあんなものは恋愛と呼べない。偽物だ。
僕は恋がしたくて、恋に恋をする男というただひたすらに気持ちが悪い存在に成り下がってしまったのだ。
自分を見失ったのだ。
こんなことになるのなら、もっと僕は僕らしく、と過ごすべきだった。
例えば……そうだな、僕は男同士の友情を熱く求める方が性に合っていたのだろう。
そんなことが、もう働かないはずの脳みそをよぎって、何故だか僕の腕時計がギュイギュイギュイと異様な音を立てている気がした。
今日はここまでです。
あらゆる分野の超一流高校生を集め、育て上げる事を目的とした、政府公認の超特権的な学園……都会の一等地にそびえたつ、希望ヶ峰学園。
僕はその学園に、入学する……はずなのだが、何故か門をくぐった後、眠ってしまっていたらしい。
さぁ、よく分からないが、ここから学園への第一歩だ!
と、深呼吸をし、目をカッと見開いた。
希望ヶ峰学園は、僕が今まで通っていた高校よりも数段、教育の制度が整えられている。
きっと僕と入学を共にするクラスメイト達も博識な人ばかりに違いない。
切磋琢磨!氷炭相愛!
熱く固い男同士の友情を深めてこそ、学べることもあるというものだ!
世の中には、神聖な学び舎にいるというのに恋愛に現を抜かす浮ついた者がいると聞くが、全くもって言語道断である。
僕はこの学園の皆と心からの友情を深め合い、そして一生の財産となるべく熱い魂を手に入れるのだ!!
――そう意気揚々と玄関ホールへと向かった僕は、どうやら手の施しようのない馬鹿だった。
玄関ホールに集まったのは、僕も含めて15人の高校生。
どうやら、新入生全員で15人らしかった。
石丸「僕の名前は石丸清多夏。座右の銘は質実剛健だ。お互い、学業に切磋琢磨し、頑張ろうではないか」
我ながら、非常に簡潔で、かつ分かりやすく僕を表している自己紹介だ。さりげなく友人募集中だと宣伝することにも成功している。
僕は己のセンスに脱帽したが、それ以上に手ごたえのなさに脱帽した。
何故だろう、僕は皆の集団から少し浮いているように思う。物理的に距離があるからだ。
しかしこの状況は予想の範囲内といえよう。何故ならば見慣れた光景でもあるからだ。
いいや、この訳の分からない状況は見慣れていないのだが、僕が人前でしゃべると大体このような物理的距離ができあがるのだ。一体何故だというのだ。
まずはその原因を突き止めることこそが友情を育む第一歩と言えよう。今のままでは育む対象となる友情がないのだからな。
その後体育館に集められた僕達は、モノクマを名乗る自称学園長からとんでもない話を聞くこととなった。
僕達はこの学園に閉じ込められていて、正攻法で脱出するためには、殺人を犯さなければならないようだ。
理不尽だ!横暴だ!非道徳的だ!
それらを総合してこの条件を一言で表すなら、無茶なのであった。
しかし諦めることは僕の主義に反する。だから、不安を押しつぶすように声高々に言い放った。
石丸「諸君!希望を捨てちゃ駄目だ!きっとどこかに脱出できる糸口があるはずだ!」
疑心暗鬼を誘うようなこの学園で、本当に友情を育むことなどできるのであろうか。このような状況下においては何とも難しいノルマである。
しかし、この漢。石丸清多夏。どんな困難であっても努力で乗り越えて見せる。そうして今まで生きてきた僕にとっては、むしろ燃える展開であるはずだ。
僕は某有名な唱歌のように友達百人を作るのだ!そしてみんなで協力すればきっとその友情のパワーで一致団結、そして脱出も可能になるに違いない!
僕達はその日も、次の日も、そしてまた次の日も、結局は何の手がかりも掴むことができなかった。
モノクマ「おまえら、ゆとり世代の割りにはガッツあるんだね~」
などど煽られ、咄嗟にゆとり教育の長所と短所について熱弁を振るいたくなってしまったのだが、どうやらそういう雰囲気ではないようだった。
モノクマ「視聴覚室にいいものをご用意しました~」
うぷぷぷ~、などと笑い声なのか鳴き声なのかもよく分からない声をあげてモノクマは何処かへ去って行った。
(しかし使い所を分析するに、どうやらうぷぷぷ~とは笑い声らしい)
視聴覚室には個々にDVDが用意されており、どうやらそれは僕達に関係する外の様子を写したものらしい。
皆、一抹の不安と期待を胸に秘めてそのDVDをそれぞれ手に取った。
……内容は伏せたい。
言葉で表したくないからだ。
しかし、その内容は最悪なものだった。
一刻も早くここから脱出し、そして確認しなければならないと、そう思わずにはいられなかった。
舞園「出なきゃ……早くここから出なきゃ!!」
苗木「舞園さん!!」
石丸「二人とも、待ちたまえ!!」
勢いよく視聴覚室を出た舞園くんを追いかける苗木くん。僕は二人の後を追った。
取り乱したクラスメイトを放っておくわけにないかない。 それに、僕はこの二人にかねてから目をつけていた。
変わり者の多いこの学園で、二人は比較的常識がある者たちだ。
舞園くんは服装や言動、振る舞いも模範的な女子であるし、苗木くんはこの僕にまるで最初から友人であったかのようにフレンドリーに接してくれる。
僕はこの二人と最高速度をもってして友人になりたいと願っていたし、なによりも手ごたえがあった。そんなチャンスを、こんなDVDなんかのせいで逃してたまるものか。人生初の友人だぞ。
だから必死に二人を追いかける。
自慢じゃないが、僕はそこそこ足が速い。
苗木くんを追い越し、やすやすと舞園くんに追いつき、そして腕を掴んだ。
石丸「舞園くん!落ち着きたまえ!!」
舞園「離して!」
石丸「みんなで協力すれば、脱出できる!」
舞園「嘘ッ!!」
苗木「舞園さん!もしかしたら、その前に助けが来るかもしれない」
舞園「助けなんて来ないじゃない!!」
まさしくそれは、鬼の形相であった。
彼女は可愛らしい顔を般若のように歪め、僕達を睨みつけて親の仇のように怒鳴りつけた。
これほどまでに思い詰めている彼女をこのまま放っておけるわけもないが、正直僕も先ほどの映像で参ってしまっている。舞園くんの言葉を受けて、反論したいのは山々であるが、しかし何も言葉が見つからない。
そんな中だというのに、苗木くんは僕が掴んだ舞園くんの腕をさらに掴み、大きな声で反論した。
苗木「僕が君をここから出して見せる。どんなことをしても、絶対に!絶対にな!!」
舞園「う、ぁ……うわああああああああああああああああん!!」
舞園くんは苗木くんの胸に顔を埋めて号泣していた。
正直言って僕も苗木くんの胸に顔を埋めて号泣したい精神状態ではあったが、まさか舞園くんを押しのけて泣きつくわけにもいかない。
それにしたって苗木くん、君はなんて男らしいのだ。今の心地をまさに漢惚れというのだろう。
僕は是非苗木くんと友達になりたい。そして一緒に協力して舞園くんを、ひいてはここにいるみんなを脱出へと導こうではないか!!
○
なんていう決意もさることながら、舞園くんは死体で発見された。
そうしてこうして時を過ごすうちに江ノ島くんと桑田くんもモノクマによって処刑され、もうこの3人と友情を育むことは永遠にできないのだという現実に打ちひしがれることとなった。
今一度、舞園くんに問いただしたい心地である。
どうしてこんなことをした。
どうしてこんなことになってしまったんだ。
苗木くんは君を守ると誓ったではないか。君をどんなことをしたってここから出してみせると、そう約束したではないか。
それなのになぜ……何故こんなところで君は事切れてしまったんだ。
何故君は人を殺そうだなんて考えてしまったんだ。
どうして、どうしてなんだ。
石丸「舞園くん……!」
僕の双眼からは塩水が出続けていた。
先ほど、目の前で桑田くんがクロとして処刑され、そのショッキングな光景と全ての真実に打ちひしがれるしかない。
その夜、僕は耐えきれず苗木くんの部屋を訪ねた。
泣き崩れる僕に対して、苗木くんはやはり男らしく強くてたくましかった。
彼は桑田くんの最期を見てもなお、モノクマに立ち向かおうとしていた。
いいや、今もなお立ち向かっている。
僕はとうとう自信がなくなっていた。
脱出することだってそうだが、こんな情けない僕に友人なんてできるのか。
こんな狂った空間で友情なんて育めるのか。
この期に及んでまだ友情のことばかり考えている僕はこの空間のごとく狂ってしまったのか。
石丸「苗木くん、僕は君と……友達になりたい。こんなときに何を言っているんだと思うかもしれないが。でも、僕はこんな状況だからこそ、野望を諦めたくないんだ」
苗木「野望?」
石丸「あぁ、そうだ。野望、なんていうと大げさかもしれないが、僕には今だかつて友達ができたことがない」
石丸「この希望ヶ峰学園では、友達を沢山作ると、そう決めたんだ。もちろん僕は、舞園くんとも、桑田くんとも、江ノ島くんとも、友達になろうと思っていた……思っていたんだ」
苗木「友達だよ」
苗木くんは僕の手をとった。生暖かい、生きた人間の手だ。
苗木「ボクと石丸クン……それに、舞園さんだって、友達だよ。だって石丸クンは舞園さんを励ましてくれたじゃないか。キミは舞園さんのために泣いてくれた。友達だからだよ」
石丸「だけど、彼女は、行動を起こしてしまったじゃないか!!……足りなかったんだ。僕の力が」
苗木「それは違う。違うんだよ、石丸クン」
彼女と中学校が同じだという苗木くんのほうが辛いだろうに、彼は僕を慰めてくれた。
わざわざ部屋に押しかけておいおいと涙を流す僕を邪険にすることなく受け止めてくれた。
友人を作るというのはこれほどまでに苦汁を舐める必要があったというのだろうか。
むしろ、苦汁をごくごくと飲み干すくらいの勢いだ。
苦汁にむせてもなおガブガブと流し込み続ける勢いで、僕は苦しい。
石丸「辛いんだ。乗り越えられる気がしない」
苗木「……ボクは、仲間の死を乗り越えたりなんかしない」
石丸「え?」
苗木「さ、もう寝ようよ。そろそろ夜時間だよ」
舞園くんの最期の姿が目の裏にこびりつき、長時間目をつぶることなんてできそうにない。端的にいうと眠れそうもなかった。
しかし友人の部屋に無理を言って長居するわけにはいかなかった。それが夜中とあればなおさらである。
はてさて、たとえ意気消沈していたとしても、腹は減ってしまうもので、今はハンバーグだとかそぼろだとかそういったひき肉系の料理を食したくはないのだが、いやむしろ動物性の肉類を口に入れると吐いてしまいそうなのだが
石丸「そういえば捜査と裁判で、ろくに物を食べていない」
あいにく、僕の腹時計は電池が切れかけのデジタル時計よりも正確であるほどなのだ。
そんな僕が今日は一食も食べていないとなると、これは大変な事態なのだ。
僕は今までものすごく規則正しい生活をしてきたため、本日のように急に不規則な食生活を挟んでしまえば、僕の体が驚きに驚いてどんな反応をするかわかったものではない。
明日の朝に死体で発見され、ダミ声のアナウンスがなってしまうような事態に陥らんとも限らない。
そうなってしまえば皆を無駄に危険な目に合わせてしまう。
つまり僕は「今夜病死するかもしれません」だなんていう遺書を今すぐ書き残すか、早急に栄養摂取をするかという二択にせまられているのだった。
石丸「むっ、夜時間まであと15分か」
もちろん紙と鉛筆を無駄にするわけにもいかないので、早急に栄養摂取をすることにしたわけだが。夜時間、食堂は立ち入り禁止区域に指定されている。
軽食だけで済ますにしても、15分間というのは微妙な時間だ。
何しろ命がかかっている。
校則を破れば僕もミンチ肉になってしまうのだから。
……仕方がない。少々行儀は悪いが、食材を個室にまで持って帰ろう。
今日はここまで。
全然進んでないですが、感想とか応援とかもらえるととても嬉しいです。
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