注意
・ダンガンロンパss
・色々とネタバレあり
・こまけぇこたぁいいんだよ
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モノクマ「うっぷぷ~のぷ~」
大和田「おい、オレとこのイガグリ頭だけ呼び出して、一体何しようってんだ」
石丸「イガグリ!?君ィ!この髪型は学生の模範的なものなのだよ!君こそその不自然なリーゼントは何なのだね!?」
大和田「んだとぉ、コラァ!!」
モノクマ「はいはいストォーップ!全く最近の若者はキレやすいっていうけどさー、人の話をちゃんと聞きなさいってばー」
モノクマ「ちょっとこのヘルメットをかぶってほしくってさ!」
つ【ヘルメット】×2
石丸「ヘルメット?別に構わないが……」
大和田「おい、怪しさしかねーだろ馬鹿かテメェ」
石丸「むっ……」
モノクマ「もー!喧嘩はやめ!」プンスコ
モノクマ「とにかく、今すぐこのヘルメットかぶらないと2人ともおしおきだよ?」
石丸・大和田「!!」
モノクマ「大丈夫!君たちの安全は保証します!こんなことで死なれてもつまんないしね!」
石丸「かぶるしか選択肢がないようだな……」スポッ
大和田「チッ……」スポッ
モノクマ「それじゃー、スイッチオン☆」ポチッ
大和田「スイッチ!?うばばばばばばばばば」ガクガク
石丸「な!なにを、があああああああああああ」ガクガク
石丸・大和田「」バタッ
モノクマ「うぷぷ……」
大和田「んん……あれ、何故こんなところで寝て……」ムクリ
石丸「おい、」
大和田「!?あ、そうだ、僕と大和田くんがモノクマに呼び出され、それからヘルメットをかぶって……」
石丸「……テメェ、やっぱ石丸か」ハァ
大和田「ど、どういうことなのだ!なぜ僕とソックリな人間が目の前に!君は誰だね!」
石丸「チッ……テメェ自分の姿分かってっか?服装、背丈、髪型、確認してみろよ」
大和田「な、な、ななな………それじゃまさか、君は……!!」
石丸「オレは大和田だ」
大和田「な、何故だああああああああ!!」
石丸「とりあえず落ち着け」
大和田「これが落ち着いていられるか!校則違反の塊である君の姿になってしまったんだぞ!」ブワァッ
石丸「問題はそこじゃねーだろ!つーかオレの姿で泣くんじゃねー!」
大和田「す、すまない……」グズグズ
石丸「テメェが寝てる間にモノクマに話聞いたんだがよ、元に戻る方法はある」
大和田「お、教えてくれ!」
石丸「……ただ、テメェにできるとは思えねぇ」
大和田「何故だね!?僕に出来ることなら、なんだってするぞ!」クワァッ
石丸「入れ替わってることを誰にもばれずに明日一日を過ごせば、明後日の朝には戻るらしい」
大和田「」
~翌朝~
石丸(チッ、柄にもなく早起きしちまった。いや、仕方ねーんだけどよ)
石丸(朝食会とやらはかったるいが、こいつになってる今、遅れる訳にはいかねーしな)
石丸(このキチキチの制服も肩が凝るぜ……)ハァ
不二咲「おはよぉー石丸くん。今日も一番乗りだねぇ」ニコニコ
石丸「お、おはよ、う」
不二咲「??」
不二咲「じゃあ今日も一緒にみんなのご飯作っちゃおっか」ニコニコ
石丸「え!?」
不二咲「ふぇ?」
石丸「いや、あ、あー!そう、だよな!作ろう作ろう!」
石丸(聞いてねーぞ!あの阿呆!)
不二咲「今日の献立はどうする?」
石丸(こいつら、毎日全員分の朝食作ってたのかよ……。そりゃそうか、誰かが作らねーと料理なんて出てこねーよな。モノクマが作るわけねーし)
石丸(家じゃほとんどコンビニ弁当とかカップ麺だったし、トースト焼くくらいで勘弁してくれねーかな……)
石丸「きょ、今日は洋食でどうだろうか」
不二咲「うん!でも珍しいね。石丸くん和食の方が好きだよね?」
石丸「いや、あの、自分だけ好きなものを食べるっつーのもどうなのかなーと思ってな!」
不二咲「さすが石丸くんだね!よし、じゃあ今日はハムエッグとサラダとコンソメスープ、トーストでいい?時間余りそうだし……折角だからフルーツポンチもつけちゃおっか」
石丸「あぁ、そう、だな」
石丸(時間余るのかよ!?15人分だぞ!?無理無理無理無理無理)
石丸(案の定無理そうだ……このペースで終わるわけねぇ……)
不二咲「石丸くん……どうしたの?今朝からちょっとおかしいよ?」
石丸「!!いや、あの、えーっと……その」
不二咲「悩み事、かな?」
石丸「あ、あぁ、そんな感じだ」
不二咲「そっかぁ、石丸くん最近とっても頑張ってたもんね。
何かあったら、その、石丸くんがよければなんだけど、相談してね?力になりたいんだぁ」
石丸「不二咲…………くん、ありがとう」
石丸(そういや、石丸の奴、ガミガミうぜーけど、ここでは一応必要かもしんねーな)
石丸(こんな、サツもいねーようなほとんど無法地帯で、正しいやつがいねーと、マジで殺人が起こりかねない、よな)
石丸(チッ……少しは感謝してやっか)
朝日奈「おはよー!いっつも作ってくれてありがとー!」
大神「我達も手伝おう」
不二咲「ありがとう!石丸くん、二人が手伝ってくれるし、いっつも頑張ってるから今日は休んでて?」
石丸(まじか!……オレがいると逆に足手まといになっちまうし、バレそうだし、休んどくか)
石丸「う、うむ。ありがとう!今日は、……えっと、お言葉に、甘えとく!」
朝日奈「本当だ。体調悪そう。石丸、無理は禁物だよ!」
大神「あまり一人で何もかもやろうとするものではない。我達を頼ってくれ」
石丸「!!あぁ……ありがとう」
大和田(リーゼントが難しい)グシグシ
大和田(クッ……なかなかコツがいる。彼は案外器用なのだな)
大和田(このままでは……朝食会に遅れてしまう!!)
大和田(……いや、大和田くんは遅刻常習犯だ。丁度いい時間になるかもしれない)
大和田(しかし……しかしいくらバレないためとはいえ、この僕が故意に遅刻するなんて……!)ガクッ
大和田(しかし……この肉体はなかなか美しい。背も高いし、筋肉が引き締まっている。
これほどまで鍛えるには喧嘩をしているだけでは到底無理だろう)
大和田(そうか、彼は総長なのだ。誰よりも強くなければ務まらないのだろうな……)
大和田(彼はとても努力家なのかもしれない)
石丸「大和田くん!今日も遅刻かね!」
石丸(よし、だいぶこいつの真似も慣れてきたな)
大和田(え、えぇーっと、えっと、悪い言葉……悪玉コレステロール?
いや、挨拶だ!挨拶……あ、ああぁぁぁ……)ワタワタ
大和田「ブ、ブリバリだぜぇ!」
石丸「大和田くん、ちょっと来なさい」ニコニコ
~ランドリー~
石丸「おいテメェ、ふざけてんのかよ」ヒソヒソ
大和田「な、何がだ……なんなのだ、こんなところに連れ込んで!」
石丸「馬鹿、声がデケェよ。ブリバリはねーだろ。死語だっつーの」ヒソヒソ
大和田「そ、そうなのか……?すまない、造語には疎くて……」ヒソヒソ
石丸「あー……無理に造語とか略語とか使おうとすんな。つーか今日一日あんま喋んな。あとは、風紀風紀言わなきゃ多分大丈夫だ」
大和田「す、すまない……ありがとう」
石丸「……別に、テメェが悪いわけじゃねーだろ。んじゃ行くぞ。朝食会がはじまんだろ?」
大和田「うむ!!」
大和田(……彼はやはりリーダーに向いているな。頼りになる)
~朝食会~
不二咲「ねぇねぇ、大和田くん?」ヒソヒソ
大和田「!!な、なんだろうか?」
不二咲「??……あのね、昨日の話なんだけど、早速今日から大和田くんの部屋に行ってもいいかな?」ヒソヒソ
大和田(昨日の話?何の話だ……?悩み相談だろうか……僕が聞いてしまっていいのか?しかし、断るのも不自然だな)
大和田「おおう、いいぞ」
不二咲「わぁいっ!ありがとう!」ニコニコ
大和田(何か約束があったなら事前に伝えてくれたまえよ……全く)
大和田(しかし、不二咲くんにとても慕われているようだな。不二咲くんはとても優しく繊細な心の持ち主だ)
大和田(そんな彼女に慕われている大和田くんは……僕が考えているほど悪童ではないのかもしれない)
大和田(……)
~大和田の部屋~
不二咲「よしっ!ジャージに着替えてきたよぉ!早速トレーニングしてほしいな!」
大和田「お、おう」
大和田(トレーニングをする約束をしていたのか。しかしトレーニング機器などないから……)
大和田「そう、だな。よし、まずは腕立て伏せだ!
腕立て伏せは腕の筋肉を鍛えるトレーニングだと思われがちだが、大胸筋や腹筋や広背筋をバランス良く鍛えることができる効率的なトレーニングだ!」
不二咲「そうなんだぁ!うん、やってみるね」ニコニコ
不二咲「ん~~~~~~~!!」プルプル
大和田(い、一回もできていない)
大和田「ま、まずは膝をついてやってみるのがいい!少しずつ回数を増やしていき、慣れてきたら膝をつけずにやろう!」
不二咲「う、うん……」シュン
不二咲「はぁ、はぁ、ふぅ……」
大和田「凄いぞ!よく頑張ったじゃないか!」
不二咲「えへへ、今日はありがとう。……ううん、いつもありがとう、大和田くん」ニコニコ
大和田(『いつもありがとう』……か。この閉鎖空間で、彼はこのような笑顔を咲かせることができるのだな)
~食堂~
石丸(こいつ、いつも朝食会の後何してんだ?)
石丸(くっそ、関わったことあんまねーから分かんねー……どうする?)
石丸(つーかこいつ、いつも誰ともつるんでねーよな。しいていうなら苗木か)
石丸(そりゃそうだ。あんだけ口うるせー先公みたいなことグチグチ言ってりゃダチもできねーよな)
石丸(ずっとあんな感じだったんだろーなぁ……それで希望ヶ峰に来るくらいの奴だし。つーことは、ずっとダチいねーってことかよ)
石丸(……チッ)
苗木「あれ、石丸クン……こんなとこで何してるの?」
石丸「あ、あぁ……少し食休みを……」
苗木「へぇ、珍しいね?いつもは巡回してるのに」
石丸(えっ、そうなのか?)
苗木「でも、そうだよね……一日くらい休んだ方がいいよ。いつもいつも見回りしてくれてありがとう」
石丸(こいつ……まさか毎日毎日、事件起こさねーためにグルグル見回りしてるってのか!?)
苗木「今日は僕に任せて休んでてよ!」ニコニコ
石丸「い、いや、風紀委員の務めだ。僕がやる」
苗木「えっと……じゃあ手分けしてやらない?石丸クン、なんだか疲れてるみたいだし」
石丸「ありがとう。苗木、くん」
石丸(こいつ……ずっと一人ぼっちでこんなことしてたんだなぁー……)
石丸(……)
~その日の夜、体育館~
石丸「……よぅ、テメェもまたモノクマに呼び出されたのかよ」
大和田「その通りだ。君も同じなようだな」
石丸「おう……」
大和田「……」
石丸「なぁ、石丸」
大和田「なんだね?」
石丸「なんつーかよぉ……あぁー……いつも飯とか、準備してんのテメェだろ?まぁ、ありがとな」
大和田「!!」
石丸「それによぉ、色々と大変だっつーことが分かったわ。
とりあえず、オレには無理だ。お前はすげー奴だって分かった」
大和田「や、やめたまえよ!照れるじゃないか!
……それに、君だって、僕に無いものを沢山もっていると、気づいたのだ」
石丸「……」
大和田「君はこんな場所だというのに、みんなを笑顔にすることができる。元気付けることができる。引っ張っていくことができる」
大和田「……僕にはそんなことはできないから、君が必要だと感じた」
石丸「……や、やめろよ。照れるじゃねーか」
モノクマ「やぁやぁ、大和田くんに石丸くん。青春してるところ申し訳ないですけど~、呼び出したのは僕だからね?」ピョーン
モノクマ「今日は楽しい楽しい一日だったみたいですねぇ~」
石丸「なんの用だ。またオレ達だけ呼び出しやがって」
大和田「うむ。今日は誰にもバレずに過ごせた。明日には僕達は元に戻るのだろう?早く部屋に戻って寝たい」
モノクマ「うぷぷ……そんなこと、まだ信じてたの?君達って、本当に馬鹿だよねぇ」
石丸・大和田「!!!!」
大和田「嘘をついた、ということか!?ならば、僕達はどうすれば元に戻れる!?即刻本当のことを教えたまえ!!」
モノクマ「うぷぷ……本当に、本当に本当に馬鹿だよねぇ~」
石丸「あぁ!?テメェ……ふざけてんじゃねーぞぉゴルァ!!」
モノクマ「だってさぁ……だってさぁ……」
モノクマ「人格が入れ替わるなんて、そんなことあるわけなぁぁあああい、じゃあああああああん!!」
石丸・大和田「えっ……」
モノクマ「おまえら、本当はもう気づいてるんじゃないの?」
大和田「そ、そんなことが……だって僕は、ボクは石丸……」
モノクマ「じゃあさ、君、自分のお爺さんのこと、覚えてる?」
大和田「お爺さん……?僕のお爺さんが、なんだっていうんだ」
モノクマ「ほらね!ほらねぇ!分からないよねぇ!!
うっぷぷぷ……でもさぁ、自分のこと大和田くんだって言ってる君には分かっちゃうんじゃない?石丸くんのお爺さんのこと!
あれれぇ?なんでかなっ?なんでかなっ?」
石丸「!!石丸の……爺さん……あ、あぁぁ……どうして……」
石丸「オレは……オレは、大和田で……石丸のこと認めようとした、大和田で……あ、ぁぁ」ガクガク
大和田「し、しっかりしたまえ!君は確かに大和田くんだ!モノクマの虚言に惑わされてはいけない!」
モノクマ「往生際が悪いなぁ~。君はいつまで石丸くんの『真似』を続けるつもり?
君と違って、石丸くんはもう気付いちゃったんだよぉ!」
大和田「ち、違う!!僕は石丸だ!確かに石丸だ!僕は、大和田くんの引率力と強さに気付き、大和田くんを見直したんだ!
もう彼を苦しめるのはやめてくれ!」
モノクマ「だったらさぁ~、君、大和田くんのお兄さんのこと、なんで分かっちゃうのかなぁ~?
誰にも言ってない秘密、なのにさ」
大和田「えっ……」
大和田「大和田くんの、秘密……お兄さん……あ、あぁぁ、そんな」
大和田「違う、僕は、ぼくは、何故、オレは……兄貴、を、ころ……」
大和田「あ、あああぁぁぁああ……」
石丸「僕は……うそだ、……うそだぁ」
モノクマ「ねぇねぇ、今どんな気持ち?今どんな気持ち?」
モノクマ「石丸くん、君ってさ、認められたくてあんなに張り切ってたんだね?
毎日毎日みんなにご飯作ってたのも、事件が起きないように見回りしてたのも」
モノクマ「でも、誰も認めてくれないからってさぁ~、大和田くんになりきってまで自分を認めてもらおうとするなんて~、寂しい人間だよね?」
モノクマ「ま、仕方ないか。君っていつものけ者にされるもんね~。
君を認めてくれる友達なんて、できたことないもんね~?」
モノクマ「だからさ、君はいつもいつも見返りを求めてたんだよ。
『みんなのために頑張ってる自分が大好き!』って思ってるから風紀委員なんだよ」
モノクマ「でもそれってさぁ、君のお爺さんと何も変わらない……ただの自己中で、エゴイズムだよねぇ~」
石丸「う、ぁ……うそだ……ぼくは、ぼくは大和田くんなんだぁ……」
モノクマ「もう口調も真似できてないのに?まだ認めないの?
ほんと、根っからのエゴイストなんだね~」
石丸「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
モノクマ「大和田くん、君ももう分かってるよね?」
大和田「はぁっ……はぁっ……」プルプル
モノクマ「君は自分のこと、強いってみんなに認めさせたいんだよね?
だって、本当は君、すっごぉぉおおく弱虫なんだもん!!」
モノクマ「本当に強かったら、強いって思われようが弱いって思われようが、気にしないはずだよねぇ?」
モノクマ「君はお兄さんを殺したあの時から、なーんにも変わってないのに、強くなったってみんなに思わせて、満足したかったんだよね?」
モノクマ「うぷぷ……こんなに情けなくて見てくれだけの奴が総長だなんて、笑っちゃうよぉおお!!」
大和田「ち、が……オレは、強い……はぁ、はぁ、つよ、い、兄貴よりも、不二咲より、強いぃ……」
モノクマ「えぇー!?あんなちびっこい不二咲くんに嫉妬しちゃってるのぉ?
うぷぷぅ~こりゃー真性の弱虫だねぇ!」
モノクマ「よーわむしっ!よーわむしっ!よーわむしったら、よーわむしっ!」
大和田「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
モノクマ「ねぇねぇ、絶望した?絶望してるぅ?」
石丸「僕は……エゴだけで……価値観を、押し付けている、だけで……見返りが、ほしくて……」
大和田「オレは……弱い……誰よりも……」
苗木「それは違うよ!!」
モノクマ「はぁ!?ちょ、いつから聞いてたのさ!?」
霧切「最初からよ」
モノクマ(チッ……霧切響子、監視カメラの死角に二人で隠れてたのか)
不二咲「ぼ、僕も、いるよぉ!」
モノクマ(三人も隠れてて気が付かないなんて、絶望的ぃ)
霧切「今日一日、石丸くんと大和田くんの様子がおかしかった。気が付いたのは、不二咲さんよ」
不二咲「う、うん……だから、苗木くんと霧切さんに相談したんだぁ。
僕、二人にいつも頼ってばっかりで……だから、二人の力になりたくって……」
苗木「その話を聞いてたら、たまたま石丸くんが体育館に入って行くのが見えたから、死角に隠れて見てたんだよ」
霧切「相変わらず、卑怯な手を使うのね。
大方、催眠術か何か知らないけれど、何かしらの方法で洗脳して、お互いが入れ替わったと思い込ませたんでしょう?」
モノクマ「僕はただ、ちょっとプリチーな嘘をついただけだよ。
だって今日は、エイプリルフールなんだからね!」ドヤァ
モノクマ「ま、君達が何を言おうと、事実は変わらないけどね!」
苗木「それはこっちの台詞だ!お前が何を言おうと、事実は変わらない!!」
不二咲「そうだよぉ……。だって、二人はお互いに、入れ替わってるって思い込まされてたんだよぉ?」
モノクマ「うん、そうだね。それで自分自身を認めて、相手に認められてるって美化して、恍惚としてたんだよねぇ~」
石丸「うぁ、ぁ……」
大和田「……、ぁぁぁぁ」
不二咲「違うよぉ!二人はずっと、お互いを演じてた!
もし相手と入れ替わったら、相手は自分自身にどう思うかって、予想しながら演じてたはずだよ!」
不二咲「だから、『自分がどう思われたいか』じゃなくて、『相手がどう思うだろうか』っていう基準で思考してたはずなんだ!」
不二咲「二人はお互いに、『きっと相手は人を認めることができる、器の大きい人だろう』って思ってたってことなんだよ!
ただ優しい人達だったっていうだけなんだよ!!」
不二咲「僕には分かる……だって、だって二人とも、こんな僕を認めてくれた、優しい人達なんだもん!!」
不二咲「二人とも、今までごめんね……いつもいつも、僕ばっかりが二人に頼って……」
不二咲「だから、僕は二人の力になりたい……悩みとか、辛いこととか、誰にでもきっとあるんだよ。
それに強いとか弱いとか、きっと関係ない……」
不二咲「だから、僕、二人の友達、だから……僕、頼るだけじゃなくて、辛いときとかは、頼ってほしいんだよぉ……っ」ポロポロ
石丸「不二咲くん……」
大和田「不二咲……」
苗木「僕も力になるよ!だって、僕も二人の友達だもんね」
石丸(そうか……僕にはもう、こんなに素晴らしい友達が、いたのだな……。
そうだ、エゴだと言われようが構わない。そんな覚悟はとっくの昔にしたじゃないか)キッ
大和田(ケッ、こんなとこで立ち止まる訳にはいかねーよなぁ。こんなチビ達が大声張って戦ってんだ。
ったく、ごちゃごちゃ考えるなんて、らしくねーぜ)キッ
霧切「どう?モノクマ、何か反論はあるかしら」
モノクマ「……」
モノクマ「……つまんない」
モノクマ「つまんないつまんないつまんないつまんないつまんないいいいいいいいい!」
苗木「!?」
モノクマ「もーいい!もうそろそろ夜時間なんだからね!」プンスコ
石丸「な、なんだと!?今日は勉強を全然していない!!なんということだぁあああああ!!」
大和田「お前こんな状況で毎日勉強してんのかよ……」
石丸「無論だ!学生の本文だぞ!」
大和田「ハッ……おもしれー奴だなお前」ニカッ
石丸「君は……笑っていた方がいいと思うぞ?」
大和田「なっ、恥ずいこと言ってんじゃねーよ!」
石丸「ふふっ、案外可愛いのだな」
不二咲「よかった……よかったよぉ」ポロポロ
苗木「なんか、本当に仲良くなってるね」
霧切「不二咲さんのおかげよ」
不二咲「こんな僕でも、役に立てたのかなぁ……」
石丸「『こんな僕』だなんて言い方はやめたまえ!」
大和田「その通りだ!いいこと言うじゃねーか!」
石丸「そうだ。不二咲くんがいなければ……僕達はモノクマの口車にのせられ、きっと絶望していたことだろう」
大和田「おう、ありがとな、不二咲」
不二咲「えへへぇ、なんだか、照れるねぇ」ニコニコ
江ノ島「つまんない……絶望的につまんない」
江ノ島「殺人は起きないし」
江ノ島「大神は裏切るし」
江ノ島「寒い友情育んでるし」
江ノ島「お姉ちゃんは馬鹿だし」
江ノ島「もう何やっても、これからも殺人が起きないって、予測できちゃったし」
江ノ島「つまんない……」
戦刄「あのね、みんな、話があって」
戦刄「この状況の黒幕なんだけど、飽きちゃって、どっか行っちゃった」
戦刄「それで、えっと……私は実は、黒幕の内通者で、変装して、江ノ島盾子って名乗ってたんだけど、
えっと、盾子ちゃんが絶望を求めてどっか行っちゃったから、この学園の諸々の権利が私に譲られて」
戦刄「あ、あの、違うの、もうそんな気ないから……だって、盾子ちゃんがいないと、何もできないし……ご、ごめんなさぃ」
戦刄「えっと、あ、はい……それで、もう盾子ちゃんはコロシアイ学園生活に飽きちゃったみたいだから、全部教えようと思って……」
戦刄「えっと、その前に、まず学園の全施設を開放していいかな。トレーニング、したくてたまらなかったから」
戦刄「えっえっ、そんなぁ……トレーニングくらい、させて……ぐすっ」
戦刄「ご、ごめんなさいぃ、あと、これ、脱出スイッチだけど、外が落ち着くまでは、ここにいた方がいい、かな。
いつか出られるかもしれないけど、多分、無理だと思うけど」
戦刄「えっと、苗木くんに渡しとくね」
戦刄「食糧は自動で送られてくるし、何の不自由もないから、安心して……ください」
戦刄「えっと、ごめん……急かさないで……えぅぅ、ごめんなさい……」
戦刄「あの、まずは、失われた二年間の話、なんだけどーーー」
嘘に塗れている世界でも、
どんなに嘘が希望を隠しても、
絶望しなければ、
希望はきっと前に進む。
END
以上です。
今日書きはじめて、エイプリルフールが終わる前に投下しようと頑張ったぜ。
だから、レス配分がおかしかったかもしれないけど、多めに見てほしいぜ。
最後のポエムは自分で書いてて寒かったけど、嘘と絡めようと必死に頭を捻った結果だぜ。
見てくれた人いたらありがとうございました。
乙、面白かった。他に書いてるスレとかある?
>>35
載せるのは恥ずかしいけど、全部同じ酉で書いてるので、検索したら出てくると思います。
ただ、作風とか結構バラバラなので、お気に召さないかもしれません!
酷評だったのもあるので恥ずかしいですが……。
みなさん乙とかありがとうございました。
html化依頼忘れてた。してきます!
このSSまとめへのコメント
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