兄「妹が不登校になってから三ヶ月か」 (64)
兄「お前、人の部屋で何をしてるんだよ!?」
妹「何って……見てわからないんですか?」
兄「巨大なドミノが目の前に建設されているのはわかる」
妹「きちんとわかってるじゃないですか」
兄「いや……俺がわからないのは、なぜそれを俺の部屋でやっているかだ」
妹「実は兄さんが帰ってくるまでに完成させて、驚かそうとしていたのですが」
妹「そういえば、今日は随分と帰ってくるのが早いじゃないですか」
妹「何かやらかしたのですか?」
兄「今日は水曜日でバイトは休みだぞ?」
妹「そういえばそうでしたね」
兄「お前なあ……曜日を忘れるほどぐうたらしてる自分を何とも思わないのか?」
妹「そうですね……そろそろニートの貫録がでてきたと思いますね」
兄「誇るようなことじゃねえよ」
兄「まあ、別に学校なんて行きたくなけりゃ行かなくてもいいけどよ」
妹「兄さん……」
兄「それじゃ、夕飯作るから少し待ってろ」
妹「はい、ありがとうございます」
兄(妹が不登校になってもう三か月か……)
兄(俺に弱みを見せないあの妹が、俺に頼り切るようになるなんてな)
兄(いったい学校で何があったんだ)
兄「ほらできたぞ」
妹「ありがとうございます」
兄「最近は暑いから簡単なものばかりで悪いな」
妹「いえ、作ってくれるだけでうれしいですよ」
妹「ところで兄さん、最近学校で何かありました?」
兄「どうした唐突に」
妹「最近兄さんが学校に行きづらそうにしてるので」
兄「……別になんでもねえよ」
妹「そうですか。何かあったら遠慮せずに相談してくださいね」
兄「そりゃ、兄貴のセリフだ」
妹「そうですか?でも、本当に困っているのなら相談してくださいね」
兄「わかったよ。頼りにしておく」
友「おーい、一緒に昼めし食おうぜ」
兄「悪い、今日は先客があってだな」
友「先客?」
女「どうしたの兄、はやく行くわよ」
兄「今日はこいつと食べることになってんだ、悪いな」
友「なんだ女さんか。なら仕方ないね」
友「僕は馬にけられたくないからね」
兄「うるせえよ、俺たちはそんなんじゃねえ」
女「ほら、ごちゃごちゃ言ってないで行くわよ」
兄「ああ。じゃあな友」
友「うん、またあとでね」
兄「それで、わかったのか?」
女「私を誰だと思ってるのよ」
女「こんなの一週間もあれば簡単にわかるわよ」
兄「はは、助かるよ。俺じゃあ三か月かかってもわからないからな」
女「あ、別に攻めてるわけじゃないわよ」
女「ただ、もう少し早くに頼ってくれてもいいじゃない」
女「私のこと信用できない?」
兄「いや、お前のことは信用してるし、その実力も認める」
兄「ただ、あいつのふがいない姿をお前に見せたくなかったんだ」
女「兄……」
兄「それで、原因はなんなんだ?」
女「うん、単純な話だけどいじめが原因みたいよ」
女「でもただのいじめじゃないの……」
兄「あいつがあんなことになるんだ。覚悟はできてる。話してくれ」
女「それじゃ、覚悟して聞いてね」
女「始まりは普通のいじめと変わらないわ」
女「リーダー格の子が妹ちゃんをいじめ始めた」
女「理由はわからないけど、たぶんただの気まぐれだと思う」
女「いじめっ子はいじめることが出来ればだれでもいいのよ」
女「でも、妹ちゃんは特に気にしなかった」
女「妹ちゃんは無視し続けたの」
女「でも、それをリーダーの子は許せなかったみたい」
女「いじめはだんだんと激しくなった」
女「次第にクラス中で妹ちゃんをいじめるようになったわ」
女「それでも妹ちゃんは無視し続けたの」
女「すると、リーダーの子は最後の手段に出たの」
女「妹ちゃんの弱みって何だと思う?」
兄「妹の弱みか……想像もつかないな」
女「それは……あなたよ」
兄「……は!?」
女「妹ちゃんはリーダーの子に目障りだから学校に来るなと言ったの」
女「でも、妹ちゃんは気にすることなく学校に通い続けた」
女「そこで、学校に来るとあなたに危害を加えると脅したの」
兄「そんな……」
女「妹ちゃんは初めは信じなかったの」
女「でも、三か月前からあなたの周りで不審なことは起きなかった?」
兄「三か月前……そういや、上靴がなくなったり、二階から水が降ってきたりしたな」
兄「ほかにも帰り道に誰かに殴られたり……」
女「そう、そうやってあんたに危害を……ってあんたそんな目にあってたの?」
兄「ああ、たしかあれは三か月くらい前だと思う」
女「あんたねぇ……なんで相談しないのよ?」
兄「いや、ただのいたずらだと思って」
女「どんないたずらよ!!」
女「まあいいわ、結局妹ちゃんはあんたに迷惑をかけないように学校に行かないようになったわけ」
兄「そうか、まさか俺が原因だったとは……」
女「それで、どうするつもり?」
兄「どうって、もちろん解決するにきまってるだろ?」
女「解決って……何か案でもあるの?」
兄「ああ。これからそのリーダーの子と話をしてくる」
女「そう……さすがに私も止めないわ。でも、手加減はしてあげなさいよ」
兄「わかってるよ。相手は女の子なんだし」
女「それで、どうだった?」
兄「交渉決裂だ」
女「はい?交渉決裂?」
女「あんたもしかして負けたの?女の子相手に?」
兄「ああ、何とか説得しよとしたんだが聞く耳持たずだった」
女「へ?説得?」
女「痛めつけに行ったんじゃないの?」
兄「いやいや、流石に女の子に手を出すのはダメだろ」
女「あんた何言ってるのよ。あの子のせいで妹ちゃんは学校に来れなくなったのよ」
女「そんな相手に情けなんてかける必要ないじゃない」
兄「いや、俺は女の子を殴ることはできない」
女「あんた……見損なったわ」
兄「おい、どこに行くつもりだ」
女「あんたが行かないなら私がやるわ」
女「私なら女の子相手でも遠慮なく殴れるから」
兄「待て女!もう少し待ってくれ」
女「待ったところでどうなるのよ!!」
兄「今日の放課後にすべて解決する。だから待ってくれ」
女「解決って……もしかしてまた説得でもするつもり?」
兄「ああ。でも今度の説得はちょっとばかし荒くなるけどな」
女「あんた、何をするつもり?」
兄「そんなに心配なら、放課後こっそり体育館裏に来てみろよ」
女「わかった。そうさせてもらうわ」
兄「きちんと来てくれたんだな」
リーダー「あんたこそ、よく逃げずに来たものね」
兄「それで、妹をいじめるのをやめる気にはなったのか?」
リーダー「はあ?そんなわけないじゃない」
リーダー「あんたも同じようにいじめてあげるわ」
兄「おいおい、下級生の女の子が何をするつもりだ」
リーダー「ふふ、今更泣いても許さないからね」
リーダー「あなたたち、出てきなさい」
兄「うわあ、こりゃまた大量だな」
リーダー「さあ、思う存分痛めつけなさい!!」
不良「キキーッ!!」
兄「おし、男相手なら本気が出せるぜ!!」
リーダー「あ、あんた何者よ」
兄「何って妹の兄だけど?」
リーダー「そんな……なんで、なんで私たちがやられてるのよ!?」
兄(まあ、実は女が隠れながら吹き矢吹いてるお陰で)
兄(しびれた敵を俺が殴ってるだけなんだよな)
兄「さあ、もう充分だろ?妹をいじめるのを止めてくれるか?」
リーダー「く、こんなやつに……」
リーダー「わかったわ。妹をいじめるのを止めてあげる」
兄「そうか、それはよかっ……」
女「兄!?危ない!!」
兄「へ!?」グサッ
リーダー「あはははははははははは」
リーダー「止めるわけないじゃない」
リーダー「よくも私をこけにしてくれたわね」
リーダー「許さない許さない許さない許さない許さない」
女「このくそ野郎!!」バキッ
リーダー「きゃあっ……」
女「ちょっと兄、大丈夫なの!!」
兄「くそ、まさか刃物を持ってるとは……」
女「しゃべらないで!!今救急車呼ぶから」
兄「ああ、助かる……」
女「兄?兄?目をつむらないで!!兄!!」
へ(^o^)へ 兄がしんじゃう
|へ
/
\|
>
<( ^o^)> 私はいったいどうすれば
三))三
< ̄ ̄>
Σ ( ^o^)
<))>グキッ
< ̄ ̄>
_人人人人人_
> 突然の死 <
 ̄YYYYY ̄
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、兄達のみんなへのメッセジをどぞ
リーダー「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
女「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
妹「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
友「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
兄「・・・ありがと」ファサ
では、
リーダー、女、妹、友、兄、俺「皆さんありがとうございました!」
終
リーダー、女、妹、友、兄 「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
妹「兄さん、真面目に書きましょうね」
兄「や、やだなー妹ったら。冗談だよ冗談」
女「では続きを引き続きお楽しみください」
兄「ん?ここは……」
妹「兄さん!?やっと目を覚ましてくれました!!」
兄「いてて、急に抱き着くな。傷口が開くだろうが」
妹「は!?すみません兄さん、取り乱してしまいました」
兄「いや、心配してくれてたんだろ?ありがとうな」
妹「兄さん……」
女「ウオッホン!!」
兄「うわぁ!?」
兄「なんだ女か、驚かすなよ」
女「何だとは失礼ね。それが命の恩人に対しての言葉なの?」
兄「おっと、そういえばお前が助けてくれたんだったな」
兄「ありがと、女」
女「べ、別に大したことしてないわよ」
女「テンパってて救急車来るまで何もできなかったし」
兄「そんなことない。お前が救急車呼んでくれて助かったよ」
兄「だから、ありがとう」
女「そ、そう。なら素直に感謝されておくわ」
妹「ところで兄さん、そのような傷を負われたのですか?」
兄「なんだ、女から聞いてないのか」
女「あんたの口から言ったほうがいいと思ったから」
兄「そうか。それじゃ俺から説明してやるよ」
兄「実は廊下を走ってたら窓に突っ込んじまってな」
兄「割れたガラスの破片でザクッとやっちまった」
女「ちょっと兄!?」
兄「なんだよ女、お前も見てただろう?」
女「はあ、あんたがそれでいいなら何も言わないわ」
妹「まったく、兄さんは少し抜けてるとこがありますからね」
兄「何だと!!俺の一体どこが抜けてると……」
妹「女さん」
女「妹ちゃん?こんなとこでどうしたの?兄の様子を見てなくていいの?」
妹「ええ、今は眠ってます」
妹「それより、兄の傷の話……嘘ですよね」
女「!?」
妹「お医者様が言ってまして。ナイフか何かで刺されたんだろうって」
女「それは……」
妹「きっと私は明日から学校に行けるんでしょうね」
女「妹ちゃん気づいてたんだ」
妹「兄さんは嘘をつくのが苦手ですから」
女「そっか……」
妹「まったく、兄さんは無茶をし過ぎです」
女「でも、今回は妹ちゃんのために……」
妹「それで兄さんが死んだら元も子もないじゃないですか」
女「それはそうだけど」
妹「私は別に学校なんかに行かなくても……」
兄「おいおい、人がせっかく体張ったんだぞ。そんなこと言うなよ」
妹「兄さん!?」
兄「たしかに、俺は行きたくない奴は学校なんかに行かなくてもいいと思う」
兄「でもお前は行きたくないんじゃないだろ」
兄「行きたくないのと行けれないのじゃ全然違う」
妹「それは……」
兄「それに俺はお前と学校に行きたいんだよ」
妹「へ??」
兄「一人で家を出て、一人で学校に行くのは寂しいからな」
兄「だから、明日から一緒に学校に行こう」
妹「兄さん……はい。一緒に行きましょう!!」
女「あのさあ、だから私を忘れていませんか?」
兄「うわあ、女いたのかよ」
女「いたわよ!!っていうか、私が妹ちゃんと話してたんだからね」
兄「はは、そういやそうだったな」
女「私も……行くから」
兄「ん?なんだって?」
女「私も明日から一緒に登校するから!!」
兄「あ、おい!!行っちまった」
妹「むぅ……。兄さんは渡しませんからね」
兄「ん?何か言ったか?」
妹「何も言ってません!!」
くぅ~疲れました
途中ふざけたりしてしまいましたが楽しんでいただけたのなら幸いです
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