【艦これ】アズ×これ【アズールレーン】 (76)
一般の方では初投稿なので初投稿です(二重詠唱)
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高雄「ふぅ……」
高雄「提督が大陸に出張して早1ヶ月……。そろそろお戻りになる頃……」
高雄「提督の留守中でもしっかりと艦隊運営と執務を怠らず、秘書艦としてなんとか仕事を全うできました」
高雄「ふふ。提督に褒められるのが待ち遠しいわ……♥」
ガチャ
提督「うーい、戻ったぞー」
高雄「あっ、提督! お帰りなさ――」
提督「いやー、あっちでも大変だったなー高雄」
高雄(アズレン)「しかしながら指揮官殿の見事な采配、拙者としても頼もしい限りでした」
高雄「誰ですかあなたは!!??」
提督「あれ、高雄じゃんオッスー♪」
高雄(艦これ)「オッスー♪ じゃないです!! 誰ですかその人は! 鎮守府は関係者以外立ち入り禁止のはずです!」
提督「紹介しよう高雄。高雄だ。ほら高雄、高雄に挨拶して」
高雄(アズレン)「拙者が高雄だ。貴様は誰だ?」
高雄(艦これ)「いえいえいえ! 私が高雄です! なんですかあなた、先ほどから提督にベタベタと……!」
高雄(アズレン)「貴様が高雄なわけあるまい。なにより拙者が高雄だからな。貴様こそ拙者の名を騙るなぞ不届きにもほどがあるぞ」
提督「いやどっちも高雄だから」
高雄(艦これ)「は?」
高雄(アズレン)「なに?」
高雄(艦これ)「……なるほど。事情はわかりました。要するに提督が出張していた場所の鎮守府にいた高雄がそこにいる方ということですね」
高雄(アズレン)「むぅ……。話には聞いていたが、指揮官殿が元いた鎮守府の高雄がこの方とは……」
提督「そういうこった。同じ高雄同士、仲良くしてくれよ」
高雄(艦これ)「だとしても提督、なぜ出張先の鎮守府にいた高雄さんがここにいるのですか?」
提督「それを話すには少し長くなるんだがな……」
高雄(アズレン)「ケッコンしたのだ」
高雄(艦これ)「……は?」
高雄(アズレン)「ケッコンしたのだ」
高雄(艦これ)「は?」
提督「あ、た、高雄。違うんだ。これには海より深いわけが」
高雄(艦これ)「へえ……。海より深い事情ですか。……深海棲艦の中枢とどちらが深いのか、興味がありますねぇ……」
提督「あヤバイ怒ってる。すっごい怒ってる。違うんだ高雄。システムというのは恐ろしいものでな……」
高雄(アズレン)「なにも違わないであろう。拙者と指揮官殿、愛し合う者が永遠を誓い合った。そこに嘘偽りなど存在しない」
高雄(艦これ)「あ、ああああ愛し合う……!!?」
フルフル…!
提督「ちょ、ちょっと待って! 待ってください! 俺が話すから! 高雄さん! お願いしますなんでも島風!」
高雄(アズレン)「見ろ、この薬指に光輝く愛の指輪を」
キラン
高雄(艦これ)「提督うううぅぅーーッッ!!!」
提督「はわーーーーあ!!!?(失禁)」
高雄(艦これ)「わ、わ、私というものがいながら貴方って人はっ!!」
ガシャコンッ!
提督「ごめんなさいごめんなさい! ワケを話すから主砲構えないで! 灰になっちゃう! 灰になっちゃうからハイにならないで!!」
高雄(アズレン)「フフン。これで分かっただろう? 指揮官殿は拙者と愛を誓ったのだ。もはや誰にも止められやしな」
高雄(艦これ)「見てくださいこれ。私の薬指。綺麗でしょう? 光輝いてますよねぇ。貴女のその指輪と同じくらい」
高雄(アズレン)「指揮官殿おおおおおーーーーー!!!?」
提督「ひええええ……(ジョバババァ……)」
高雄(アズレン)「きっ、き、きき斬る……ッッ! 斬る……ッ! 斬り捨て御免……ッ!」
フルフル…!
提督「ほあああ!? やめて高雄っ、刀構えないでっ! お願いだから話聞いてくれ! 頼むからぁァッ!」
高雄(アズレン)「こ、これがぁ……! 聞いていられると思うのですか……!!? 指揮官殿お……ッッ!」
高雄(艦これ)「まさかよりにもよって同じ高雄をこんな目に遭わせるなんて……!」
高雄(アズレン)「高雄ならだれでもいいということなのか!! 指揮官殿!!」
高雄(艦これ)「そういえば思い出しましたよ! 確か千早群像さんのところにいたタカオさんにも言い寄っていましたよね!? 覚えていますよ私は!!」
提督「あ、あれはほら……「愛は沈まない!」とか言ってくるからさ……」
高雄(アズレン)「ほう……なら本当に沈まないか、試してみましょうか……?」
提督「違うんだぁ……。明石が悪いんだぁ……。『指揮官(の財布が)大好きにゃ♥』って言うからぁ……!」
高雄(艦これ)「明石さんがタチ悪いのはこちらで既に知っているでしょう!? また騙されたんですか!!」
【工廠】
明石「ヘックション!! ……あー、なんでか分からないけど不知火ちゃんに資材渡したくなってきた」
バンッ!
大淀「失礼します! 誰か――!?」
提督「うわあああ大淀!! いいところに! 高雄と高雄を止めてくれないか!!?」
大淀「はぁ!? というか提督いつの間に帰ってきたんですか!」
提督「だってそろそろ大規模作戦が――」
大淀「そんなことより提督、大変なんです!」
提督「ひどい」
高雄(艦これ)「なにがあったんですか?」
大淀「とにかく来てください!」
………………。
…………。
……。
【寮舎近く】
「お、落ち着いてください!」
「これが落ち着いていられますか!?」
「どういうことなの……」
大淀「あちらです!」
提督「うわあ……」
高雄(艦これ)「な、なんですかあれ……」
『ス ナ ッ ク 鳳 翔』
提督「いや、スナック鳳翔って……。えぇ……」
高雄(艦これ)「あの『居酒屋鳳翔』の隣にネオンが目映いほど光っている建物が……」
飛龍「あっ! 提督!?」
蒼龍「ちょっとちょっと! 帰って来たなら早く言ってよ!」
提督「い、いやすまん……。なにぶんゴタゴタしてて……」
飛龍「それよりもあれ! 誰なのさ! 早く止めないと!」
提督「ん……?」
赤城「鳳翔さん! どうか落ち着いて! 落ち着いてください!」
鳳翔(艦これ)「だって! わ、私の店の隣にこんないかがわしいものを……!」
鳳翔(アズレン)「あらあら、いかがわしくはないですよ? ただちょっと、地味なお店よりはマシだと思って」
提督「……いやあヤバイなこれ(他人事)」
鳳翔(艦これ)「大体あなた誰なんですか!? よりにもよって私の名前を使うだなんて!」
鳳翔(アズレン)「自分の名前を使っただけですよ?」
鳳翔(艦これ)「私がこんなお店を――……え? いまなんて?」
鳳翔(アズレン)「ですから、私は鳳翔です。軽空母鳳翔」
鳳翔(艦これ)「失礼ですが、私はこんなに肌を露出するような艦娘ではありませんっ」
鳳翔(アズレン)「あなたこそ、鳳翔というわりには少し地味なのでは……」
鳳翔(艦これ)「じ、地味……?」ガーン
赤城「あああ、鳳翔さん!?」
加賀「見てください赤城さん、この『すなっく』というお店、カラオケがあります」
赤城「加賀さん! 今はそれどころでは……!」
提督「あー、お前も来ていたのか鳳翔……」
鳳翔(アズレン)「あら、指揮官様♥」
鳳翔(艦これ)「提督!? これは一体どういうことですか!」
提督「いやな、これには深いわけが――」
鳳翔(アズレン)「私は指揮官様の現地妻……と言ったところでしょうか♥」
鳳翔(艦これ)「あぁ……」
フラッ
赤城「鳳翔さん!? しっかりしてください! 鳳翔さん!」
加賀「見てください赤城さん、このカラオケ『加賀岬』も入っています」
デデン!
高雄(艦これ)「……これどうやって収束するんですか提督」
提督「さあ……?」
【数分後……】
【居酒屋鳳翔内】
鳳翔(艦これ)「先程は取り乱してしまって申し訳ありませんでした……」
鳳翔(アズレン)「いえいえ、私こそ失礼なことを……」
赤城「なんとか収まりましたね……」
提督「二人とも同じ艦だと説明するのにこれだけ手間取るとは」
高雄(艦これ)「見た目が違いすぎましたからね……」
高雄(アズレン)「しかし鳳翔殿、鳳翔殿がなぜここに居られるのですか? なにか理由があったのでは?」
鳳翔(アズレン)「ええっと……なんでしたっけ?」
提督「というかなんであんな立派な店まで構えたんだ……」
鳳翔(アズレン)「あぁ、それは桃色の髪をした方にダイヤをお渡ししたら「これは珍しい!」と言って即席で建ててくださって……」
提督「なるほど」
高雄(艦これ)「思い当たる人が一人しかいませんね……」
提督「はあ、ところで赤城。加賀は何処へ行った?」
赤城「加賀さんなら『すなっく』で自分の歌を歌っていました」
提督「スナックに馴染むの早すぎだろ」
鳳翔(アズレン)「赤、城……あぁっ!?」
提督「どうしたいきなり」
鳳翔(アズレン)「赤城ちゃん!」
提督「赤城がどうした」
鳳翔(アズレン)「赤城ちゃんが『指揮官様を追いかける』って鎮守府を飛び出して……。私が追いかけてきたんでした……」
提督「それ一番ヤバイ情報だよ!! やべーやつだよ!! 深海棲艦が本土上陸よりもやべーやつだよ!!!」
赤城(艦これ)「えぇ……!?」
赤城(艦これ)「提督のこの焦り様から察するに、どうやら向こうの私は相当な暴れ馬なのですか?」
提督「暴れ馬どころじゃないよ……。虎だよ……。腹を空かせた虎が動物園から脱走したんだよ……」
高雄(アズレン)「不味いことになったな……。早く捜索せねば」
ドゴン!!
ダーン!!
鳳翔(アズレン)「外から爆撃音が……」
鳳翔(艦これ)「な、なんの騒ぎですか!?」
ガラ…
赤城(アズレン)「ふふふ……。指揮官様、見ィつけたァ……♥♥♥」
提督「ヌッ!(気絶)」
赤城(アズレン)「指揮官様……♥ 赤城は貴方を探しましたわぁ……♥」
提督「ひぇえ……。もうだめだぁ……。おしまいだァ……」
高雄(艦これ)「提督! しっかりしてください!」
赤城(艦これ)「たしか、お店の外には大淀さんに飛龍と蒼龍がいたはずでは……!?」
赤城(アズレン)「はぁあ……指揮官様♥ どこに行ったのかと思えばこんな薄汚いところで軟禁されていたなんて……。でももう安心。この赤城が来たからにはここもすべて灰にして差し上げますわ……♥」
高雄(アズレン)「赤城殿! ここは指揮官殿の鎮守府だ! このような横行が許されると思っているのか!?」
赤城(アズレン)「指揮官様が私の元から離れるのが悪いのよ。私は指揮官様を愛しているのに。でも指揮官様、赤城は諦めませんわ! 今日からこの鎮守府が指揮官様と私の愛の住家! もう離れることもありませんわ♥ 誰にも邪魔させない。邪魔するものは全て私が焼き払って差し上げますわ♥♥ ウッフフフフフ……♥♥」
提督「めっちゃ早口で言ってる怖いィ……!」ガクガク
高雄(艦これ)「いつものひょうきんな提督はどこに行ったのですか! しっかりしてください!」
提督「ハッ! そうだ、翔鶴と瑞鶴! 大陸の鎮守府にも翔鶴と瑞鶴が赤城の監視役としていたはず! あいつらはどうした!?」
赤城(アズレン)「私の愛を遮るものなど、例え重桜の艦でも私の敵なのよ。今頃明石に修理されている頃でしょうね……」
提督「ぐ、あの翔鶴と瑞鶴が……」
赤城(艦これ)「提督、お逃げください」
提督「赤城!」
赤城(艦これ)「奇しくも同じ“赤城の山”、ここは私が食い止めて見せましょう」
赤城(アズレン)「あら……貴女が“そちらの赤城”なのね……。なんとまぁ地味な身形……赤城の名が哭いておりますわ」
赤城(艦これ)「その言葉……。後悔することになりますよ」
赤城(アズレン)「……オモシロイ」
提督「待て二人とも」
赤城(艦これ)「どうしたのですか?」
提督「ここは居酒屋鳳翔。皆が酒を嗜み料理を味わう場所だ。こんなところで艦載機を使うなど俺が許さん」
高雄(艦これ)「しかし提督、それならどうやって……」
提督「此処なら此処なりの勝負というものがあるだろう!!」
高雄(アズレン)「どういうことだ?」
提督「第一回! 鎮守府 大 食 い 対決ーーーー!!!!」
ドーンドーン
パフパフ
赤城(アズレン)「ええ……?」
赤城(艦これ)「なんと」
飛龍(中破)「ルールは簡単、ただひたすらに鳳翔さんのカレーライスを何杯食べられるか!」
蒼龍(中破)「お風呂いかない?」
大淀(中破)「そのポジション私じゃないですか?」
赤城(アズレン)「冗談じゃないわ。こんな茶番に付き合っている場合ではないのよ」
赤城(艦これ)「逃げるのですか?」
赤城(アズレン)「……なんですって?」
赤城(艦これ)「常に勝負は何があるかわからない。食も人の姿を借りた今の私たちにとっては重要な役割の一つ。補給も怠っては満足に戦えない。戦いにおいて最も重要であるこの分野に、提督は勝負を決めたのよ」
高雄(艦これ)「(これただ赤城さんが食べたいだけですよね)」
提督「赤城……」
赤城(アズレン)「し、指揮官様……♥」
提督「俺は、赤城のこと信じてるぞ……」
アゴクイッ
赤城(アズレン)「ッッ♥♥ ……フフ、ウフフフ……♥ この勝負。貰いましたわ!」
赤城(アズレン)「指揮官様はこの赤城を信じてこの勝負を選んだ……。ならばこの赤城! 指揮官様の愛に賭けて負けるわけにはいきませんわ!!」
大淀「案外ちょろめなんですね」
鳳翔(アズレン)「まあ、赤城ちゃんが指揮官様のことになると周りが見えなくなるのはいつものことだから……」
ゴトッ
ゴトッ
高雄(艦これ)「うわあ山盛りのカレーライス……」
高雄(アズレン)「これを食べるんですか……?」
赤城(アズレン)「ちょっと待ちなさいこれ多すぎじゃないのかしら」
飛龍「では行きます! スプーン持ってー!」
赤城(アズレン)「ちょっと」
大淀「御愁傷様でした」
飛龍「ヨーーーーイ! スターーート!!!」
カーン
【20分後】
それは勝負と呼ぶにはあまりにも一方的だった
一口、また一口と進める度に、赤城(アズレン)は胃袋が重くなっていくのを感じた
ふと、隣の相手を見る
苦しいのは相手も同じ。五分の勝負ならば、あとは己の意地をぶつけるしかない――。
そう。
五分の勝負なら、の話だが。
赤城(艦これ)「ングングング!! モグモグ! ハフハフパクパク!! ガツガツガツ!!」
このときの赤城(アズレン)は語る
こいつ頭おかしいんじゃないのか、と……。
カーンカーンカーン!
飛龍「勝者――! こっちの赤城ィィィィイイ!!!」
赤城(艦これ)「おかわり」
ペロリ
鳳翔(艦これ)「あの、もう炊飯器が空で……」
蒼龍「いやあ見事な食べっぷりだったねー」
大淀「見てるこっちが胃もたれしそうです」
高雄(アズレン)「なんだあの化け物は……。あれが赤城だとでも言うのか……!?」
高雄(艦これ)「いえ、むしろ平常運転と言いますか……」
赤城(アズレン)「ウップ……。げふっ……」
鳳翔(アズレン)「あ、赤城ちゃん……。大丈夫……?」
赤城(アズレン)「なによあれ……。あの身体の何処にあの量が入るっていうのかしら……」
提督「赤城」
赤城(アズレン)「し、指揮官様……。これは、何かの間違いで……」
提督「いいんだ。赤城の思いは十分伝わったよ。よく頑張ったな」
赤城(アズレン)「指揮官様……♥」
提督「高雄」
高雄(アズレン)「御意」
ガシッ
赤城(アズレン)「なっ!? しまった、身動きがとれない……!?」
高雄(アズレン)「そこまでにしておけ。無理に動くと口からカレーがマーライオンだ」
赤城(アズレン)「ぐ、こんなはずじゃ……!」
鳳翔(アズレン)「まあ、これならしばらくは大丈夫そうね……」
赤城(アズレン)「ふ、フフ……!」
高雄(アズレン)「何が可笑しい?」
赤城(アズレン)「こんなこともあろうかと……伏兵を用意しているのよ……」
高雄(艦これ)「なんですって!?」
赤城(アズレン)「いまよ! 加賀! こいつらに火の雨を!!」
提督「……来ないな」
高雄(アズレン)「来ぬな」
高雄(艦これ)「来ませんね」
赤城(アズレン)「な……!? そんなはずは……」
鳳翔(アズレン)「加賀ちゃんも一緒だったの?」
赤城(アズレン)「確かにこの店の外に待機させていたはず……!」
提督「店の外……」
大淀「……あっ」
【スナック鳳翔】
加賀(艦これ)「かぁ~~ぁ~がぁ!! みぃぃぃいっさぁぁぁぁあきぃぃぃぃいいいい~~~!!!!」
加賀(アズレン)「まさかあの加賀岬を生で聴けるなどとは……。来てよかった」
加賀(艦これ)「やりました」
加賀(アズレン)「見事な歌声……私は感服いたしました」
加賀(艦これ)「貴女も上々でした。また一緒に加賀岬を歌いましょう」
加賀(アズレン)「加賀さん……」
赤城(アズレン)「加賀さァん……」
加賀(アズレン)「あっ、赤城さん……」
赤城(アズレン)「外を見張っておくと言ったのは貴女でしょう? どうしてそんなところで油を売っているのかしら……?」
加賀(アズレン)「赤城さん……」
加賀(アズレン)「なぜ簀巻きにされているのですか?」
赤城(アズレン)「貴女のせいよ」
高雄(アズレン)「そなた自身のせいだろう赤城」
赤城(アズレン)「赤城は諦めませんわ……何があっても必ず……指揮官様のお側で……」
提督「諦めてくれ……と言っても、諦めないか」
高雄(艦これ)「どうするんですか提督」
提督「とりあえず、赤城はここで面倒を見た方が良さそうだ」
高雄(アズレン)「良いのですか? ここの鎮守府にも影響が……」
提督「赤城なら大丈夫だよ。なんだかんだ言って、大淀たちにも手加減していたんだし。だろ?」
赤城(アズレン)「………」
提督「まあ、本当に俺を取り戻しに来たんだったら鎮守府ごと火の海にしていたろうしな。会いに来ただけなんだろ」
鳳翔(アズレン)「根はいい子ですから」
赤城(アズレン)「そんなんじゃありませんわ……」
提督「だが赤城が向こうの鎮守府から脱走したとなると、連絡が必要だな。ちょっと連絡を取ってくるよ」
高雄(アズレン)「よろしく頼んだぞ指揮官殿」
【その日の夜】
祥鳳(アズレン)「なんや入れ違いやったんかー。姉さんが抜け出したっちゅうから、すぐに出撃できるメンバーで大慌てしてこっちまで来たっちゅうのにー……」
提督「いやすまなかったな。もう少し連絡が早ければお前たちに来てもらうこともなかったんだが」
綾波(アズレン)「大丈夫、でしたか……?」
提督「ああ、心配かけたな」
愛宕(アズレン)「うふふ、でもまた指揮官に会えて嬉しいわ♥ 高雄だけ特別なんてズルいわよ~」
祥鳳(アズレン)「ほな、うちらは帰りますかー」
提督「いや、夜の海は危ない。こっちは最前線でいつ深海棲艦が出るかわからないからな」
比叡(アズレン)「では、今晩はこちらでお世話になってもよろしいのですか?」
提督「そうだな、空いている部屋もあるし、今日はここで休んでくれ」
祥鳳(アズレン)「ほんなら、うちらはここの人たちに挨拶するとしますかな」
・ ・ ・ 。
龍驤「なんや騒がしい思っとったけど、どうやら提督が向こうの鎮守府から艦娘連れてきたらしいなー」
愛宕(艦これ)「高雄ちゃんは見たわよ~。なんか動物の耳が生えてて可愛かったわ~♥」
龍驤「どうせスタイル抜群なんやろなぁ。あの提督もやることやっとるで」
愛宕(艦これ)「まだ他にも来ているらしいけれど、何処にいるのかしら?」
スタスタ
愛宕(アズレン)「あら?」
愛宕(艦これ)「あら~?」
龍驤「な、なんやこのボンキュッボンなネーチャンは……。これが噂の向こうの艦娘かいな?」
愛宕(アズレン)「あらあら初めまして。私は愛宕よ、よろしくね♥」
愛宕(艦これ)「あらっ、この子が向こうの私? 獣耳も似合ってて可愛いわ~♥」
ボイン
ボイン
龍驤「ぐ、ぬ……高雄が高雄なら愛宕も愛宕っちゅーことかい。これが格差か。格差社会か」
愛宕(艦これ)「ではお近づきの印に~ぃ♪」
愛宕(アズレン)「あら、なにかしら?」
愛宕(艦これ)「ぱんぱかぁ~~、ぱぁ~~ん♪」
愛宕(アズレン)「うふふ♪ なかなか面白い娘なのねぇこっちの私は♥」
愛宕(艦これ)「さぁ一緒にぃ~♪ ぱんぱかぁ~~……」
愛宕(アズレン)「ぱぁーーん♥」
ボイン
ボイン
龍驤「なんやぁこの……なんや!!! 付き合っとれんわ! 先に食堂行っとるで!」
スタスタ
愛宕(アズレン)「あ、待って祥鳳ちゃん~!」
愛宕(艦これ)「今のは龍驤ちゃんよ~?」
愛宕(アズレン)「えっ」
龍驤「なんやなんや、向こうでも結局はボインが正義なんか! くだらん! 実にくだらんわ!」
スタスタ
祥鳳(アズレン)「お」
龍驤「ん?」
祥鳳(アズレン)「あぁ~~、ちょうどよかったわぁ! すんません、この辺にぃうちらと一緒に来た愛宕っちゅう艦が居りませんでしたか~?」
龍驤「………」
『見た目が空母っぽい』
『どうみても貧乳』
『取って付けたような関西弁』
龍驤「………」
ポロポロ…
祥鳳(アズレン)「んな!? なんで急に泣き出したんや!? なんかうち悪いことしてもーたか!?」
龍驤「ありがとう……。ほんまありがとうやで……!」
アクシュ アクシュ
祥鳳(アズレン)「へ? は? ど、どういたしまして……?」
金剛「ヘェーーイ! どうやらテートクが連れてきた大陸の艦娘がこっちに来てるらしいデース!」
比叡(艦これ)「そうなんですか!?」
金剛「イエース! テートクに恥ずかしい思いをさせないよう、しっかりと“ジャパニーズオモテナシ”をしてあげるデース!」
榛名「榛名もしっかりとおもてなしいたします!」
霧島「ならば早速、我ら金剛型四姉妹の実力をお見せ致しましょう!」
・ ・ ・。
トントン…
榛名「来ましたよお姉様! おそらく大陸の艦娘さんです!」
金剛「オゥケイ! こっちもティーパーティーの準備は万全デース!」
霧島「それではドアをお開けします!」
ガチャ…
比叡(アズレン)「このような時間に失礼をいたします。私、金剛型戦艦二番艦の比叡と申します。大陸の鎮守府では指揮官様に大変御世話になりまして、こうしてご挨拶伺わせていただいております。以後お見知りおきを……」フカブカ
榛名「」
霧島「」
比叡(艦これ)「ヒェッ…」
金剛「あ、はい。よろしくお願いします……」
比叡(アズレン)「あら、こちらは金剛型戦艦のお部屋だったのですね」
榛名「はっ、はい! その通りで御座いまする!」
比叡(艦これ)「榛名!? ショックで言葉遣いがおかしくなってる!」
霧島「どうぞ姐さん……。こっちはワシらの島じゃけぇのう、遠慮せずくつろいでいってくだせえ……」
比叡(艦これ)「霧島も地(?)が出てる!?」
金剛「お、オーウ……ナイストゥーミーチュー。テンキューテンキュー……。アイアムアペェン……」
比叡(艦これ)「あの人日本人ですから! 別に日本人より日本の事詳しい外国人観光客じゃないですから!」
比叡(アズレン)「誉れ高き日本の艦艇として、これからよろしくお願い致しますね。皆様」
霧島「この人本当に比叡姉様なんですか……?」
榛名「なんだか気品溢れる人ですねえ」
金剛「比叡、『御召艦』とはこういうことネ。今の比叡はただの汚飯(おめし)艦ネ」
比叡(艦これ)「あれ!? なんか扱いが違いすぎませんか!?」
比叡(アズレン)「貴女がこちらの比叡ですね?」
比叡(艦これ)「そ、そうですけど!」
比叡(アズレン)「お会いできて光栄です。お互い栄光ある日出ずる国の威光を胸に、我ら帝都の海を護っていきましょう」
比叡(艦これ)「は、はあ……」
霧島「キャラが違いすぎますね……これは計算外です」
榛名「むしろこちらが本物の比叡姉様なのでは……?」
金剛「何を言ってるネー! こっちの比叡も私の立派な妹! 帝国海軍の高速戦艦デース!」
比叡(艦これ)「さっきお姉様ボロクソ言ってませんでしたか!?」
比叡(アズレン)「そういえば、ですが……。後ろにあるのはティーセットですか?」
金剛「そうデース! すっかり忘れてたネー! ニューフェイスな艦は私達とティータイムするのがここの掟なのデース」
比叡(艦これ)「(そんな掟ありましたっけ……?)」
比叡(アズレン)「まあ素敵ですね♪ 早速いただきましょう」
金剛「私が淹れたティーは格別なんデース!」
榛名「榛名はこの素敵なティーカップをイギリスから発注しました!」
霧島「私はこのテーブルを自作いたしました」
比叡(艦これ)「私はこのスコーンを!」
比叡(アズレン)「なるほど、それぞれが得意な役割で最高のおもてなしと言うわけですね」
金剛「そうそう、特にこの榛名の作ったスコーンが……」
金剛「ん?」
榛名「はい?」
霧島「なにかが……」
比叡(艦これ)「いやあ我ながら最高の出来でした!」
【特型駆逐艦の部屋】
初雪「ふぅん……。特型駆逐艦にしては派手だね」
綾波(アズレン)「そう、ですか……?」
吹雪「凄いよねぇ、なんか島風ちゃんみたい」
綾波(艦これ)「なんだかもう一人の自分がいるって不思議な感覚ですねー……」
叢雲「向こうの鎮守府って、他に日本の艦はいないの?」
綾波(アズレン)「けっこう、います。長良さん……とか、不知火さん、とか……」
吹雪「ねえ、私は? 吹雪はいないの?」
綾波(アズレン)「います、です……」
吹雪「ええっ!? ど、どんな子?」
綾波(アズレン)「えっ、と……。明るくて、楽しそうで……お調子者」
叢雲「なんだ、あんまし変わらないじゃない」
吹雪「お、お調子者じゃないもん!」
綾波(艦これ)「あはは……」
初雪「でも外見は違うんでしょ?」
綾波(アズレン)「そうですね。こんな感じ……」
(スマホから写真を見せる)
綾波(艦これ)「………」
叢雲「………」
初雪「……ドンマイ」ニヤニヤ
吹雪「なにが!? ねえなにが!?」
叢雲「可愛いわねえ。吹雪のイメージが変わったわ」
綾波(艦これ)「やっぱりっていうか、全然違うんだね……」
綾波(アズレン)「あと量産型もいます……」
吹雪「量産型!?!?」
【執務室】
バンッ!
祥鳳(アズレン)「大変や大変やー!」
提督「相変わらず騒がしいな。どうしたんだ?」
龍驤「向こうの鎮守府の比叡が倒れおったで!」
提督「なに!? いったい何があった!?」
祥鳳(アズレン)「そ、それが……」
龍驤「うちらの比叡がやりおったっちゅう話や。あいつ、いくらもう一人の自分が憎いからって……」
提督「そ、そんなばかな……」
高雄(艦これ)「確か金剛さんたち他の姉妹の皆さんもいたはずですが」
金剛「それには実にディープでソウローングな理由があるネ……」
提督「金剛! 一体お前たちがいながら何があったんだ! 手短に説明してくれ!」
金剛「比叡が比叡の料理を食べたネ」
提督「」
高雄(艦これ)「な、なんてことを……」ガクガク…
高雄(アズレン)「料理を食べただけで倒れるわけがなかろう!」
提督「高雄……。お前にはまだわかるまい。アイツの料理は本当にヤバイんだ」
高雄(アズレン)「そんな話があるとでも……」
金剛「まぁまぁ、ここは落ち着いて紅茶でも飲みながら話まShow」
提督「悠長すぎるだろ。で、倒れた比叡はどうした?」
金剛「霧島と榛名が明石のところに連れていったネ。……あ、高雄。これをテイクユー、ネ」
高雄(アズレン)「なんだこれは?」
金剛「これは ス コ ー ン っていう洋菓子ネ」
高雄(アズレン)「ふむ。頂くか……」
パク
高雄(アズレン)「……ふむ、こ れは な かな か興 味 深 い 味 だ ・ ・ ・ 」
バタッ…
提督「………」
高雄(艦これ)「………」
金剛「……科学ノ発展ニ犠牲ハ ツキモノ デース」
提督「誰かーーー!!! 明石呼んでーーーーー!!!」
【食堂】
赤城(艦これ)「モグモグ……。パクパク……」
赤城(アズレン)「こいつまだ食べてるわよ」
赤城(艦これ)「向こうの私は少食ですねえ」
赤城(アズレン)「絶対貴女がおかしいだけよ」
加賀(アズレン)「ですが赤城さん。こちらの食堂の定食も味は負けていません」
赤城(アズレン)「はあ……。私は指揮官様と一緒にご飯を食べたかったのに……」
赤城(艦これ)「食べないなら貰いますよ?」
赤城(アズレン)「食べるわよ!」
加賀(艦これ)「おかわりをいただいてきます」
赤城(アズレン)「涼しい顔しているけど貴女もおかしいわよ。どんだけおかわり貰いに行くのよ」
加賀(艦これ)「20回は行きますが」
赤城(アズレン)「なんで普通の茶碗使ってるのよ。じゃあもう炊飯器で食べなさいよ貴女」
バッタリ
瑞鶴「げっ、一航戦……」
加賀(艦これ)「瑞鶴、この二人に挨拶でもしたらどうかしら」
翔鶴「この方々は……提督が話していた大陸の」
加賀(アズレン)「加賀だ。こちらは赤城さんだ」
瑞鶴「よりによって一航戦が2セット……」
翔鶴「こら瑞鶴、初対面で失礼でしょう。すみません、妹ったらいつもこんな感じで……」
赤城(アズレン)「あら、五航戦が生意気なのはこちらでも変わらないのね」
瑞鶴「なっ! なによ……!」
加賀(アズレン)「威勢のいい若鶏だな」
瑞鶴「なんですってえ!?」
翔鶴「ず、瑞鶴……っ!」
赤城(艦これ)「若鶏の唐揚げはご飯が進みますねえ……」モグモグ
提督「なんだなんだ、賑やかだな」
赤城(アズレン)「指揮官様っっ!!♥」
翔鶴「ああっ、提督! ちょうどいいところに!」
高雄(艦これ)「何かあったのですか?」
翔鶴「瑞鶴が大陸の赤城さんと加賀さんに絡んでしまいまして……」
提督「なんだよ今度はそっちの一航戦に喧嘩売ったのか瑞鶴」
瑞鶴「私は売ってない! あっちが売ってきたの!」
提督「って言ってるぞ赤城」
赤城(艦これ)「確かに唐揚げばかりでは味気ないですが……マヨトッピングやソース次第で味は変幻自在ですよ?」
提督「お前じゃない」
赤城(アズレン)「私は挨拶もできない生意気な五航戦に躾をしようとしただけですよ?」
提督「赤城も瑞鶴も、くだらないことで喧嘩はするなよ。少し大人になれって」
赤城(艦これ)「唐揚げはくだらなくないですよ!!!!!!!!!!!!!」
加賀(艦これ)「ごめんなさい提督。私の監督不行届です」
提督「うん、加賀はこれから赤城の躾もしてくれ」
提督「ほら、赤城もこれからは何度も顔を会わせるんだから仲良くしなさい」
赤城(アズレン)「どうかしらね。指揮官様のご命令とあらば仲良くはしますけれど……」
瑞鶴「なーんか、含みのある言い方」
加賀(アズレン)「指揮官、そもそもこの鎮守府の一航戦と五航戦ですらあまり仲睦まじいとは言い切れないと思うが」
提督「何言ってる。メチャクチャ仲いいぞ」
瑞鶴「仲良くないわよ」
加賀(艦これ)「そうかしら。私は仲がいいと思っていたけれど」
瑞鶴「え!!?」
翔鶴「ほら瑞鶴……」
瑞鶴「な、なによ……。いつもは先輩面してるくせに……」
加賀(艦これ)「私は貴女の成長を認めているし、背中を預けられるくらいには信頼もしているけれど……」
瑞鶴「わ……私だって……。いい、先輩だと……思ってるわよ……」
加賀(艦これ)「ふふ……」
瑞鶴「なっ、なんで笑うのよ……!」
赤城(アズレン)「……大量の砂糖を口に含んだ気分だわ」
提督「あら^~いいですわゾ^~」
高雄(艦これ)「何言ってるんですか」
赤城(艦これ)「甘い……甘酢ダレ……! そういうのもあるのね……!」
加賀(アズレン)「さっきから彼女は何を言ってるんだ?」
高雄(艦これ)「私に聞かないでください」
吹雪「あっ、司令官! 司令官も晩御飯ですか?」
提督「吹雪か。まあ一段落したからな」
叢雲「それより、ご飯食べたらちょっと頼みたいことがあるんだけれど」
提督「どうした?」
吹雪「初雪と大陸の綾波ちゃんがずっとゲームしてて……」
叢雲「ご飯だって言っても聞かないから、あんたが何か言ってやってちょうだい」
提督「あー、そういえば向こうの綾波は一回引きこもったことがあったな……。初雪と波長が合ったのか……」
吹雪「そういえば、大陸の高雄さんが居ないみたいですけど……」
提督「高雄は犠牲になったのだ……。古くから続くメシマズ、その犠牲にな……」
叢雲「意味がまるでわからないんだけど」
【吹雪型の部屋】
ガチャ
提督「おい初雪、晩飯くらい食えよ」
初雪「乙女の部屋にノック無しで入るとか……」ピコピコ
綾波(アズレン)「今綾波は忙しいのです……」ピコピコ
望月「あとでテキトーに食べるよー……」ピコピコ
提督「なんか増えてるね? 引きこもり増えてるよね?」
綾波(アズレン)「ロングアイランドさんも……連れてくればよかった……」
提督「申し訳ないがガチの干物娘はNGだ」
初雪「ロング……アイランドぉ……?」
望月「ロング……長い……アイランド……島」
初雪「えっ巨人は永遠に不滅の人?」
望月「まじでー? 司令官って横浜ファンじゃなかったのか」
提督「いいから早くセーブして飯食えよ引きこもりども」
【夕食後】
【執務室】
ガチャ
青葉「どもども! 失礼致します!」
高雄(艦これ)「あら青葉さん」
提督「そろそろ来る頃合いだと思ったよ青葉」
青葉「いやあ水くさいですよぉ司令官! 大陸の鎮守府から艦娘が来るなんて、こんな面白いことを隠してるんですから~!」
提督「隠してないし、お前に言うと面倒臭くなるだけだ」
高雄(艦これ)「(まあ確かに……)」
青葉「いけずぅですねえ司令官は……」
ガチャ
高雄(アズレン)「ふぅ……。やっと体調が元に戻った……」
青葉「おんやぁ!? 噂をすればなんとやらですねぇ!」
高雄(アズレン)「ん?」
青葉「ども、青葉です! 大陸の鎮守府からやって来た艦娘さん、一言お願いします!」
高雄(アズレン)「(ええ……?)」
………。
高雄(アズレン)「――なるほど、貴女はここの鎮守府の青葉殿で、鎮守府の新聞を発行していると」
青葉「ええ、なにぶん大陸にも鎮守府があるという噂は聞いていましたが、実際にお目にかかったのは初めてですので……、是非お話を伺いたくてですね!」
提督「高雄、軽くあしらっておけ」
高雄(アズレン)「こちらでも青葉は文屋なのか……。まぁ、なに……注目されるのは悪くはない。できる限り答えよう」
青葉「有難うございます! では早速質問なのですがね」
青葉「司令官の女ったらしは向こうでも健在でしたでしょうか?」
提督「ハハハこいつめいきなりブッこんできやがった」
高雄(艦これ)「青葉さん、いくらなんでも提督に失礼ですよ。提督は仕事で大陸に行かれたのですから」
高雄(アズレン)「た、確かにボディータッチは多かったが……。こちらでは当たり前の挨拶だと言われたからな」
青葉「向こうでもセクハラは健在! と……」
高雄(艦これ)「………」ジャキッ
提督「無言で主砲を構えないで!」
提督「違うんだって。文化の違いとかあるだろ? ほら、あれだ……。なんかこう……ほら、あれだから」
高雄(艦これ)「語彙力無さすぎて言い訳できてないですから」
青葉「それで、司令官のセクハラエピソードは他にどんな?」
提督「おいワレアオバァ! もっと聞くことあるだろうが! 俺の英雄譚とかさあ!!」
高雄(アズレン)「冬なのに全員水着を着させられたりしたことはあったな……」
青葉「ほー! なるほど、司令官はセクハラの上にパワハラを要求……と」カキカキ
高雄(艦これ)「なるほど、向こうでは随分とお楽しみだったようで」
提督「そ、そんなわけないだろう! ほらぁ、赤城と加賀との死闘とか、セイレーンとかもっと言うことあるだろう!」
高雄(アズレン)「ま、まぁ……なんだ。スケベではあるかもしれんが、指揮官殿は優秀であるし……。か、カッコイイ……しな」
青葉「なるほど……最終的には司令官のアレに負けて堕ちた、と……」カキカキ
高雄(アズレン)「一々卑猥な言い回しにするのはやめてくれ」
青葉「しかし司令官も隅におけないですねぇ、向こうでもしっかりと異世界系ハーレムを築いていたとは」
提督「別にチート使ってないぞ」
青葉「しかしながらこちらの高雄さんと大陸の高雄さん、少し趣味趣向が違うと思いますが、何がケッコンの決め手に?」
提督「趣味趣向とは」
青葉「だって色々違うじゃないですか。キャラとか」
高雄(艦これ)「キャラってなんですかキャラって」
提督「そうか? 色々似てるぞ。真面目だし可愛いところも沢山あるし」
高雄(アズレン)「し、指揮官殿……♥」
青葉「『夜戦では司令官の手のひらの上』……っと」カキカキ
高雄(艦これ)「どう訳せばそんな記事になるんですか!!? 止めてください!!」
青葉「ではここだけの話、今はどちらの高雄さんがお好きなんですか?」
提督「ここだけの話って本人たち目の前にいるんだけど」
高雄(艦これ)「………」
高雄(アズレン)「………」
提督「えっ急に黙るの怖くない?」
青葉「おやおや、本人たちも聞きたいそうですよ?」
提督「そんなの比べられるわけないだろ。どっちもそれぞれ良いところがあって好きなんだから」
高雄(艦これ)「提督……」
提督「二人とも俺に尽くしてくれて、真面目に任務をこなして、艦隊をまとめてくれて、俺は感謝してるんだから」
高雄(アズレン)「指揮官殿……」
青葉「ちなみにですが二人の下着の色は」
提督「そらどっちも派手派手の黒よ」
・ ・ ・ 。
比叡(艦これ)「本当にごめんなさい……」
比叡(アズレン)「い、いいんですよ。もう身体も良くなりましたから……」
祥鳳(アズレン)「それにしたってあれやなー、まさか食べ物でぶっ倒れるなんてどんなもの入れたん?」
比叡(艦これ)「普通に作っただけなんですけど」
龍驤「おっそろしいこっちゃで。暫く比叡クッキングは控えた方がエエで」
比叡(艦これ)「すみませぇん……」
比叡(アズレン)「そんなことはありませんよ。料理も艦隊戦術も、先ずは知識から。一から基礎を築けばいずれは上達いたしますから」
龍驤「まあ、頑張りや比叡。勉強すればそのうち鳳翔みたいな飯ウマ艦娘になるんやから」
比叡(艦これ)「そうですね……。気合い、入れて、料理も頑張ります! さっそくだけど、カレーを作ってみますから味見役をお願いしたいのですが!」
比叡(アズレン)「お断り致します」(ニッコリ)
比叡(艦これ)「えっ」
比叡(アズレン)「いいですか比叡。才能というのは天からの賜り物なのです。どうにもならないこともこの世界に存在するのです」
比叡(艦これ)「さっきと言ってること違くない!? どんだけ私の料理食べたくないんですか!!」
龍驤「あきらめーや比叡。たとえ空から槍が降ろうが無理なものは無理っちゅーこっちゃ」
比叡(艦これ)「あれ!? 鳳翔さんのくだりは!?」
パリーーーーン!
ドシャッ!
提督「」
祥鳳(アズレン)「槍は降らんかったが指揮官は降ってきたで……」
龍驤「どないしたぁーーー!?」
【数日後】
【大陸の鎮守府】
クイーンエリザベス「ふむぅ……暇ねぇ~……」
ベルファスト「陛下、いくらご主人様がいらっしゃらないとはいえ、日々の鍛練を怠りますと指揮に影響が出てしまうのでは……」
クイーンエリザベス「そんなの、すでにアイツが出てったせいで指揮なんて下がりきってるわよ。あーあ、つまらないわ……」
エイジャックス「子豚ちゃんがいないせいで椅子がないわね……」
ドイッチュラント「乗り物もないわ……」
ヴァンパイア「ワインが不味いわ……」
エディンバラ「……なんか一部メンバーだけ露骨に元気ないわね」
プリンツ・オイゲン(アズレン)「そりゃあオモチャがいなくなったらああなっちゃうわよ」
エディンバラ「はは……」
エディンバラ「(なんだかんだドSメンバーたちが一番指揮官のこと好きだったっぽいしねぇ……)」
クリーブランド「なんだなんだ、みんな揃って湿気た顔して」
エディンバラ「あら、クリーブランド」
クリーブランド「指揮官だったらさっき戻ってきてたぜ」
エディンバラ「ええ!?」
クリーブランド「なんでも『燃料と資金が溢れちゃうから』らしいけど……よくわからんね」
エディンバラ「なによそれ……。さっそくみんなに知らせないと」
クリーブランド「みんな?」
エディンバラ「? だって今みんなここに……あれ!?」
クリーブランド「そこにいたやつら、みんなもう行っちまったぜ?」
エディンバラ「速っ!!? ってベルも!? 結局みんな指揮官が恋しかったんじゃない。はぁ……」
【大陸執務室】
蒼龍(アズレン)「ふぅ……」
蒼龍(アズレン)「指揮官がお帰りになって早1週間……。そろそろみんな恋しくなる頃ですか……」
蒼龍(アズレン)「指揮官の留守中でもしっかりと艦隊運営と執務を怠らず、なんとか仕事を全うしておりますが」
蒼龍(アズレン)「指揮官が此方に戻られるのが待ち遠しいわ……」
ガチャ
提督「うーい、戻ったぞー」
蒼龍(アズレン)「しっ、指揮官!? 思っていたよりも早い!?」
提督「いやー、あっちでも大変だったよなー蒼龍」
蒼龍(艦これ)「いやーいきなり大陸の赤城さんに爆撃されるんだもん、そりゃビックリしちゃうでしょー」
蒼龍(アズレン)「誰ですかあなたは!!??」
以下ループ
書いてみたいと思ったネタを詰め込んで放出したかった(供述)
普段書いてるのはR-18なんでよかったら見てね
ありがとうございました、HTML化依頼してきます
このSSまとめへのコメント
面白かった
続編はよ
アズレンと艦これ絡みのSSは殺伐としたのが多いけど、本当に見たいのはこういうのなんだよ、こういうの!
面白かったよ!