幼「好きな人っている?」男「うん」(16)

幼「それってLikeの方だよね、わかってるよ」

男「いや、Loveの方だ」

幼「そっか、ペットの猫、すっごく大切にしてるもんね」

男「人間だよ、ちゃんと人間相手」

幼「あ、もしかして、私?」

男「いや、違うから、あり得ないから」

幼「そっか、今日はエイプリルフールだったね」

男「全く違う、もうかなり前だぞ」

幼「え、じゃあ本当に私以外に好きな人がいるの?」

男「そうだよ、悪いのか?」

幼「誰?」

男「え、何で教えないといけないんだよ」

幼「だって、今までずっと一緒だったんだよ」

男「まぁ、確かにお前とは長い付き合いだったな」

幼「だから男をずっと見て来た、だけどそんな相手を私は知らない」

男「あぁ、それはだな」

幼「それは?」

男「そうだな、ずっと一緒だったんだしお前には言うよ」

幼「誰なの!」

男「恐い恐い、そんなに迫るなよ」

幼「10、9、8、」

男「テンカウントやめろ、言うから」

幼「5、4、3、」

男「姉だよ」

幼「え、それって」

男「俺、姉さんが好きなんだ」

幼「そ、そんな」

男「引いたか?でも俺は好きなんだよ」

幼「嘘じゃ、ないんだね」

男「あぁ、引いただろ」

幼「それなら私と付き合いなさいよ!」

男「いや、それはない」

幼「姉と付き合うよりよっぽど健全じゃない!」

男「あのな、それはない」

幼「姉と付き合いたいとか不毛じゃない!」

男「男性であるお前が言うなよ!!!」

幼←男の娘「ショック、ガーン」

男「むしろ女性である姉さんと付き合う方が健全で不毛じゃないだろ!」

幼「でも、そんなの」

男「言うな、わかってるんだよ」

幼「姉が男×幼を応援してくれてるのに」

姉「ハァハァ」

男「本当、言わないでくれよ、泣きたいんだからさ」

姉「ハァハァ、スゥ、ハァハァ」

男「それで、いつから姉さんはいたの?」

姉「ずっと後ろにいたわ」

幼「ちなみに私は知ってたよ」

男「ま、マジかよ」

姉「それでね男、さっきの話なんだけど」

男「俺が姉さんを好きって話?」

姉「いやそっちじゃなくて幼と付き合うのはあり得ないって話」

男「なんでそっちなんだよ!」

姉「そりゃ知ってたからね、
それよりあり得ないの前に全くが付かないって事はあり得なくないって事でいいわよね?」

男「いや、全くあり得ないから、って、え?」

幼「え、知ってたんですか!」

男「なんで幼が聞くんだよ、俺の台詞だろ?」

幼「何だか置いてかれそうだし、それより教えて下さい」

姉「だって教えて貰ったから」

男「だ、誰にだよ」

妹「私よ、兄さん」

男「い、妹ちゃん」

妹「だって私、ずっと兄さんの事見てきたからすぐにわかったよ」

男「そ、そうだったのか」

妹「だって私、兄さんの事が好きだもん」

男「ありがとう妹ちゃん、でも一ついいかな」

妹「何、兄さん?」

男「兄さんって呼ぶのはそろそろ止めた方が」

妹「どうしてそんな事を言うんですか?」

男「オッケー、ナイフを仕舞って聞いてくれ」

妹「わかりました、じゃあ」

男「言い方が悪かった、ナイフじゃなかったら良いという意味じゃないんだ
スタンガンも仕舞って、両手に何も持たずに聞いてくれ」

妹「わかりました」

男「それじゃあ言わせてもらうけどさ」

妹「はい」

男「俺の妹じゃないじゃん」

幼←妹の実兄「うぐぐ、また妹が私を認めてくれないよー」

妹「幼さんがどうかしましたか?」

男「あ、完全に他人行儀な言い方」

妹「実際、同じ屋根の下でもありませんし」

男「そうだね、早く家族で暮らすべきだよ」

妹「えぇ、だから兄さんと同じ屋根の下で暮らしているじゃないですか」

男「だからさ、俺は家の中で妹ちゃんを見た事ないんだけど」

妹「当然です、屋根裏に潜んでいますから」

男「ま、マジかよ」

幼「男って驚いた時の反応が変わらないんだね」

男「それは今は関係ないだろ、それよりだ」

妹「家族公認です」

姉「公認しちゃった」

男「俺はしてないだろ!?」

幼「私も男の家に住みたいなぁ」

男「やめろ」

姉「ごめんね、もう場所がないの」

妹「幼さんはいらないです」

幼「じゃあ私の部屋に来る?」

男「論外」

妹「論外」

姉「じゃあ論外」

幼「酷い!」

男「とりあえずショック受けてる幼は置いといて」

幼「置いとかないでよ」

男「その、妹ちゃん」

妹「はい、兄さん」

幼「あれ、本当に置いとかれた?」

男「知っていると思うけど俺は姉さんが好きなんだ」

妹「知っています」

男「それでも俺が好きなのか?」

妹「はい、この想いは誰にも変えられませんので」

男「分かった、なら俺が妹ちゃんに惚れたらちゃんとこちらから言うよ」

妹「ほ、本当ですか!」

男「ただし、姉さん」

姉「え、何、私?」

男「あぁ、その前に俺が姉さんを落とす」

妹「わかりました、なら先に兄さんを落とします」

男「あぁ、当然物理的な手段は無しだからその手の中にあるのは仕舞ってくれ」

姉「というか、男は私を惚れさせる事が出来ると思っているんだ」

男「あぁ」

姉「私、男の気持ちを知っていて変わらなかったのに出来るの?」

男「むしろそこだよ」

幼「それってどういう事?」

男姉妹「幼、うるさい」

幼「だってだって、私、蚊帳の外じゃない?」

男「まぁ、また幼は置いとくとして」

幼「ま、またぁ?」

妹「幼さん?」

幼「ひっ!?だ、黙りますぅ」

男「ともかく、姉さんは俺に好かれていると知っていながら何も行動を起こしていなかった」

姉「そうね、でもそれは何も思っていなかったからで」

男「それは違うよ!」

妹「あれ、ゲームの真似ですかね」

男「普通は家族から性的な意味で好かれていたら避けるのが当然
しかし姉さんは何もしてなかった」

姉「そ、それは気まずくなるからで」

男「そう!つまり姉さんは自分を好いている弟である俺と気まずくはなりたくないと思う程度には好意を持っている」

姉「そ、それは」

男「つまりこれ以上の発展は十分にあり得るって事だ!」

姉「う、うぐぅ!?」

妹「完全に勢いにのまれてますね、兄さんの言っている事はめちゃくちゃなのに」

幼「それ、姉に言わないの?」

妹「えぇ、男の想いを否定せずに私の想いで塗りつぶします」

幼「自信があるんだね」

妹「逆です、それぐらいしないと再燃するかもしれないじゃないですか」

幼「それは」

妹「私は浮気を認めません、愛は絶対じゃないと」

幼「私は自由だと思うけど、男達の様子はっと」

男「ともかくだ、俺は姉さんと恋愛してみせる!」

姉「絶対に負けない」

妹「その前に私が兄さんを落とします」

幼「えー、私の事、誰か気にしてくれない?」

こうして俺と姉と妹の恋愛競争が始まり、その裏で幼が暗躍したとか何とか

おわり

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