【モバマス】まゆ「幸子ちゃんにプロポーズされちゃったかもしれません。」 (25)

輝子「……また雪見だいふくでももらったか?」

まゆ「もうあれは忘れてください。」

このSSには同性愛的表現、キャラクター崩壊、年齢改変が含まれます。
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乃々「雪見だいふくって……なにがあったんですか?」

輝子「まゆさん昔、幸子ちゃんに雪見だいふくもらって、プロポーズと勘違いして吐くほど悩んで3日ぐらい寝られなかったんだ……。」

まゆ「もう6年前の事じゃないですかぁ。」

乃々「あぁ、幸子さん天然たらしの気がありますからね、雪見だいふくはさすがにひどいとは思いますけど……。」

輝子「……雪見だいふくってそんなに重いのか……?」

乃々「だって雪見だいふくですよ?一個ちょうだいなんて口に出せば、血みどろの戦争になるような代物なんですけど。そんなものをくれるって言ったら、そりゃ義兄弟の契りだとか五分の盃だとか桃園の誓いだとかと同義だと思うんですけど。」

輝子「たった100円のアイスミルクにそんな意味があるのか……?」

まゆ「まゆは3日間、胃がなにも受け付けませんでした。」

乃々「かわいそうに、幸子さんはひどい事しますね。」

輝子「一番かわいそうなのは突然同僚にわけのわからないままフラれて泣きなが謝られた幸子ちゃんだけどな。」

まゆ「まゆにはあの時まだプロデューサーさんがいましたから。」

乃々「そういえばまゆさん、プロデューサーさんが結婚するってなったとき、取り乱しませんでしたね。」

輝子「結構みんな発狂寸前までまいってたのに、まゆさんケロっとしてたな。」

まゆ「そりゃプロデューサーさんとあの人くっつけたのはまゆですから。」

輝子・乃々「は?」


輝子「ま、まじか……。」

乃々「まゆさんが?なんで?てっきりまゆさんならこう、わかったその日のうちに夜道で後ろからこう……。」

まゆ「そんなことしませんよ、もともとあの人は私の読モ時代から仲のいいカメラマンさんですから。」

輝子「つまり……プロデューサーを盗られるぐらいならいっそのこと……。」

乃々「そんな……あの後凛さん慰めるのにどれだけ苦労したかと……。」

まゆ「そういうことじゃありませんよぉ、ただまゆはプロデューサーさんに幸せになって欲しかっただけなんです。とてもまゆが引退するまで待っててなんていえる年齢じゃなかったし……。」

輝子「そういえば……プロデューサーあの時点で50間近だっけか……適齢期完全に逃してたもんな。」

まゆ「まゆとしては信用できる人とくっついて安心してるんですよ。変にアイドルと何かあったら、あの歳では次の仕事があるかどうか……。」

乃々「凛さんもあっさり卯月さんに懐柔されてたんで、誰も不幸にはなってないんですけどね。」

輝子「あの人取っつきづらいだけで、誰にでもついてくただの人懐っこい犬だからな。」

輝子「で……今度はなにもらったんだ……?パピコか?」

まゆ「まゆだってそんなに安くないですよ!」

乃々「キノコさん……いくらなんでも失礼じゃないですか?」

輝子「雪見大福となにが違うんだ……。」

乃々「キノコさんだって山と里一緒くたにされたらおこるでしょ?」

輝子「正直大型菌類が好きってだけで明治○菓のチョコ菓子のいざこざに巻き込まれることの方が気にくわない。」

乃々「その発言、いろんな人にケンカ売ってません?」

輝子「そもそもあいつら宗教戦争するほど明○製菓に金落としてんのかよ。」

まゆ「この話やめましょう。本題と関係ありませんし。」

輝子「それで……指輪でももらったのか……?プロポーズって言うくらいなら。」

まゆ「指輪じゃないですけど……これを……。」

輝子「か、鍵か……。」

乃々「また生々しいものを……。」

輝子「そういえばあいつ自分の誕生日に渋谷にマンション買ったんだっけか。」

まゆ「まゆのお部屋まで用意してくれてるんですよ。」

乃々「幸子さんかなり儲けてますね。」

輝子「でも幸子ちゃん……こっちの大学来た時から東京住みだろ?……まゆさんけっこう出入りしてたらしいけど、前のアパートの鍵は貰わなかったのか?」

まゆ「前のアパートはディンプルシリンダーでしたから……。」

輝子「ごめん聞くんじゃなかった。」

乃々「ディンプルキーって面に穴ぼこ空いてる奴ですよね?開くんですか?」

輝子「そこ話広げないで。」

まゆ「防犯の関係で詳しく話せないのですが、所詮物理キーですから。」

輝子「黙れ軽犯罪者。」

まゆ「その前はだいたい家にお義母さんがいらしたので。」

乃々「山梨の時から転がり込んでたんですか!?」

輝子「どおりで寮で遭遇しないわけだ……。」

乃々「え……まゆさんいつから幸子さんと同棲を?」

まゆ「その……以前からお泊まりはよくしてたんですが、本格的に生活が移り始めたのはプロデューサーさんの結婚式からでしょうか。」

乃々「がっつりダメージ負ってるんですけど……。」

まゆ「違うんです、プロデューサーさんに幸せになって欲しかったのは本当なんです。でも一人で自分の部屋に帰ると『どうしてアイドルやってるんだろ』って気分になって……死にたくなってきて……。」

乃々「完全にダメじゃないですか……。」

まゆ「そんな時に幸子ちゃんが訪ねてきたんです。『一緒に食べませんか?』って雪見だいふく持って。」

輝子「うわ、すっごい気障い。」

輝子「うわーあざとい、吐き気するほどあざとい。」

まゆ「まゆは正直こういうドラマみたいなシチュエーション大好きです。」

乃々「幸子さんってシチュエーション美すごく大事にしますよね。」

まゆ「二人で黙って雪見だいふく食べたあと、そのまま幸子ちゃんに連れられて電車に乗って、幸子ちゃんの家に止めて貰って、一晩中泣いてた私を慰めてくれて……。」

乃々「慰めて?」

輝子「下品。」

まゆ「ち、違いますよ!指までは入れられてません!!」

輝子「      」

乃々「…………想像してたより進んでたんですけど………。」

乃々「でも、そうなればプロポーズもあながちまゆさんの妄言とは言い切れなくなりましたね。」

輝子「プロポーズ以前に一つ下のけっこう仲良い同僚がだいぶ前に大人になってたのがものっそいショックだ。」

まゆ「……まゆが口滑らせちゃったの、内緒にしてくださいね?」

輝子「言えるか!こんなこと!」

乃々「まゆさんの情事は別として、なぜ幸子さんが渋谷にマンションを買ったのか?ってところです。」

輝子「なぜって……あいつ見栄っ張りだからなぁ。」

まゆ「仕事でいろんなところにアクセスがいいからですか?」

乃々「渋谷には『パートナーシップ条約』があるんです。」

輝子「パートナーシップ条約……って……同性カップルの証明みたいなのを役所が出してくれるあれか?」

まゆ「でもあれ、世田谷とか他の地域にもありますよね?」

乃々「実は他の地域のパートナーシップ条約は紙切れ一枚でしかありませんが、渋谷区のパートナーシップ条約は法的な力があるんです。」

輝子「なんでおまえがそんなこと知ってるんだよ。」

まゆ「それって……夫婦として認められるってことですか!?」

乃々「違います。日本で同性婚が認められてないのは変わりません。ですが、パートナーシップ条約に登録すると遺産の相続や入院したときなんかの治療の同意書に家族としてサイン出来るんです。」

まゆ「え…………普通は出来ないんですか?」

乃々「簡単にできるなら誰も婚姻届なんて出しませんよ。」

輝子「だからってそのために普通渋谷区でマンションまで買うのか?」

乃々「法的証明をなめちゃだめです。一緒に住んでるだけじゃ誰も家族として認めてくれません。まゆさんも幸子さんもご両親が地方にいらっしゃいますし緊急時になにも出来ないなんて歯がゆい思いをしなくちゃいけないこともあると思うんですけど。」

まゆ「幸子ちゃん……そんなに真剣に……。」

輝子「今んところ全部ボノノさんの妄言だからな?」

乃々「そもそも同性カップルが二人で住むのすら大変ですからね。賃貸じゃなくてマンション購入に踏み切ったのもそういったトラブルを避けるためじゃないんですか?」

輝子「でも幸子ちゃん的には扱いやすいお手伝いさんぐらいの感覚かもしれないぞ?あんまり期待しすぎると後でへこむぞ?」

まゆ「でも、合鍵貰った時に『一緒に暮らしませんか?一緒ならいろいろ助け合えますし、一人ぼっちよりいいんじゃないですか?』って。」

乃々「一緒に暮らしませんか?ってほぼプロポーズじゃないですか!なんで早く言わないんですかそれを!」

輝子「相手の実家に転がり込んで同棲してたのにいまさらじゃないか?」

乃々「それでまゆさんは、なんて返事を?」

まゆ「実はまだ返事できてないいんです。年明け前に時間くださいって言ってそれっきり連絡取れてなくて……。」

輝子「まあ、タレントにとって年末年始はかき入れ時だからな。」

乃々「まゆさんはどう返事するつもりなんですか?」

まゆ「実はまだ迷ってるんです。幸子ちゃん20歳になったばかりだしアイドルとしてとは違いますがまだまだテレビで活躍してますし……。」

美玲「じゃあちょうどいいな、ここで話しあってもらおうか。」

まゆ「み、美玲ちゃん!?なんで?それと……。」

幸子「…………。」

輝子「なんでって、そりゃ今回幸子ちゃんとボノノさんと美玲ちゃんが新成人になったから吞初めしようって集まったんだろ?」

まゆ「そ、そうじゃなくていつからそこに?」

美玲「プロデューサーの結婚式のあとまゆがオトナになった辺りからだな。」

まゆ「……あの…………幸子ちゃん………ごめんなさい………。」

幸子「別にかまいませんよ、個室ですから知られて困る相手もいませんし。」

美玲「思いっきり外まで聞こえてたけどな。」

まゆ「あの…幸子ちゃん、お返事なんですが……。」

幸子「その件については忘れてください。」

まゆ「え……。」

幸子「ボクもどうかしてたんですよ。まゆさんにはまゆさんの人生がありますからね。勝手なこと言ってすみませんでした。」

まゆ「………そう………ですか……い、いえ、まゆも勝手に盛り上がってしまって。そうですよね、幸子ちゃんもお仕忙しいですし。」

幸子「その鍵はそのまま差し上げます。またいつでも遊びに来てくださいね。」

まゆ「はい。あ、私これから用事があるんでした。ごめんなさい、先に帰りますね。美玲ちゃん、入れ違いになっちゃってごめんね、また今度一緒に吞みましょ?」

美玲「ちょ、まゆ!?………おい幸子、追いかけろよ!」

幸子「……まゆさんは用事があるって……」

美玲「バカかおまえは!!もういい!!まゆっ!ちょっと待てって!」


幸子「………ボクも帰りますね。ごめんなさい、せっかくの機会を台無しにしてしまって。」

輝子「………座れよ、1杯ぐらい付き合え、ただでさえ付き合い悪いんだから。」

乃々「え、キノコさん?でもまゆさんが………。」

輝子「まゆさんは美玲ちゃんがついてる。こんな機会でもなけりゃもう話すこともないんだ。いいだろ?」

乃々「ま、まあモリクボもまゆさんの話しだけじゃなく幸子さん側の話しも聞きたかったですけど……。」

幸子「………先日、ボクたちのプロデューサーさんに会う機会があったんです。」

輝子「元気そうだったか?」

幸子「ええ、また大きなプロジェクト任されたそうで張り切ってましたよ。それともうすぐ二人目が産まれるらしいです。」

輝子「もう50代半ばなのに元気だなぁ。」

乃々「上の子もまだ4歳ぐらいですよね、高校生になる頃にはもう60過ぎてますが大丈夫なんでしょうか?」

幸子「でもやっぱり老けたみたいでボクたちの面倒みてた時よりも落ち着いてました。」

輝子「フヒヒヒヒ……へぇ、あの40歳児がなぁ。……おでこの面積以外に成長の余地があったのか……。」

幸子「あの時はボクたちと歳の近いお兄さんみたいに思ってましたが、今は年の離れたおじいさんのようでした。」

幸子「ボクはけっこうあの人の生き方に憧れてたんですよ。いつまでも子供っぽくて、自分のやりたいことをやりただけやる。仕事に生きて仕事に死ぬみたいな人だったじゃないですか。」

乃々「まあ、いろんなアイドルが露骨にアピール仕掛けてるのに、二言目には『おまえには似合わない』か『その手のキャラもアリだな』ですからね。」

幸子「ええ、思考の全てがアイドルのプロデュースに直結してて、別に鈍感でなにを言っても理解出来ないんじゃなくて、理解した上で、アプローチのシチュエーションや表情や仕草ばかりに注目して、そのアプローチが誰に向いてるかなんてどうでもいいって態度でしたからねぇ。きっといろんな人を泣かせてきたんじゃないでしょうか。」

輝子「まあ、実際泣いてたの何人か見てたしな。」

乃々「普通に考えて人間のクズみたいな返事ですよね。」

幸子「きっと人としては完全に破綻してたと思います。でもボクにとってそれがプロフェッショナルのただしい姿に見えました。人生全部を仕事に突っ込んで、全ての思考が仕事を中心に回ってる。ボクはそんなアイドルになりたかった。」

輝子「まあ、確かに狂ってたが、毎日が楽しくてたまらないって奴だったな。」

幸子「そんな人が普通に恋愛して普通に結婚したのが、ボクにはショックでした。別に結婚して欲しくなかったわけじゃないんですよ?アイドルに手を出したわけでもないですし、お相手もすごくいい人ですし。」

輝子「あれ……?幸子もプロデューサーの嫁のこと知ってたのか?」

幸子「え?あぁそっか、そういえば話してませんでしたね、プロデューサーさんとあの人くっつけようってまゆさんに持ちかけたのボクなんですよ。」

乃々「あなたはなんで地雷原に突っ込むだけじゃ飽き足らずわざわざ対戦車地雷選んで蹴飛ばしに行くんですか?」

幸子「だってプロデューサーさんあの人と会うたびに小学生男子みたいになるんですよ?ほっとけないじゃないですか。もう前髪の前線の位置的にもあまり時間なさそうでしたし。」

輝子「だからって普通まゆさん巻き込まないだろ、知ってるだろ?まゆさんがウチのプロダクションに来た理由。」

幸子「ええ、ですが、まゆさんの知り合いですし、まゆさん自身もプロデューサーさんの態度知ってましたからねぇ。」

乃々「うわぁ……まゆさんの闇思った以上に深そうなんですけど。」

幸子「そんなことないと思いますよ?今でもまゆさんとあの人と3人で遊びますし、去年の夏も3人で焼き肉食べてきましたし。」

輝子「で、幸子ちゃんは自分でプロデューサーの縁取り持って、勝手に失恋したと?」

幸子「違いますよ、ただプロデューサーさんが他人を好きになって、その人の為に生き方を変えるつもりになったのが気になったんです。くっつけようとは言い出したものの、多分無理だと思ってましたから。」

乃々「あ、モリクボもそこ気になります。常に同じ型のスーツだったプロデューサーさんが急におしゃれし始めたのにびっくりしましたから。」

輝子「ああ、プロデューサーに自分で自分の新しいスーツ選べるなんて誰も思ってなかったからな。」

幸子「さっきの焼き肉の後、プロデューサーさんが奥さん迎えにきたんですよ。まゆさんとあの人がお店の前で盛り上がってたので、その間にプロデューサーさんに訊ねてみました。」

幸子「怖くなったそうです…………一人で死ぬのが。」

乃々「え?………まさか無理心中とか?」

幸子「違いますよ、ただ自分の今際の際に看取ってくれる人がいないことに不安になったそうです。」

輝子「………まあ歳も歳だからなぁ、自分の死ぬ時のことぐらい考えるよなぁ。」

幸子「ボクにはそれが他人事のように聞こえませんでした。ボクがこのままタレント業続けて引退した後、晩年寄り添ってくれる人がいるのかって……。」

乃々「20歳からの終活ってあまりにも哀しすぎるんですけど………。」

幸子「そこで思い浮かんだのがまゆさんなんです。ずっとそばにいて、これからも寄り添ってくれそうな人って。」

乃々「それで渋谷区でパートナーシップ条約利用して一緒に暮らそうって……。」

輝子「それはおまえの憶測だろ?」

幸子「いえ、乃々さんの言うとおりです。」

輝子「……まじか。」

乃々「やったねモリクボ大勝利!」

輝子「て、ゆうか……幸子ちゃんはどこでそんな情報仕入れたんだ?」

幸子「まゆさんが同棲婚ができる国とか法的な制約とか調べてプリントアウトしたのをリビングに置いてくんです。」

乃々「ああ……。」

輝子「まゆさん……とぼけたフリして全部知ってたのか……。」

乃々「じゃあもういいんじゃないですか?まゆさん側のアプローチなら。」

幸子「……まゆさん、普通の結婚願望ありますし、ボクがさみしいからって理由でまゆさん巻き込んじゃダメなんですよ。」

輝子「……そうか。」

幸子「…………それではボクはこの辺で失礼しますね。」

輝子「ああ、引き止めて悪かったな。」

乃々「え?何かアドバイスとか説教とかないんですか?」

輝子「………いるか?」

幸子「いえ、聞いていただけただけでだいぶ楽になりました。」

輝子「おう、またな。」

幸子「ええ、またの機会に」

美玲「まゆ!待てって、幸子だって照れ臭くなって濁しただけだって!ほら、あいつ肝心なところでへたれるだろ?」

まゆ「ええ、知ってますよ。ずっと一緒に居たんですから。」

美玲「………その………二人の話しだし、ウチが何か言うのもどうかと思うんだが、幸子の気持ちもわからないわけじゃないんだ………その………やっぱり女の子同士って大変だと思うんだ。ウチら人前に出る仕事だし、他人の目ってどう足搔いても無視出来ないし。」

まゆ「美玲ちゃんも大人になったんですね。」

美玲「そりゃもう20歳だからな、アイデンティティ守って可愛いって言われる歳じゃないんだ。」

まゆ「眼帯も付けなくなって結構経ちましたよね。」

美玲「ずっと子供で居られりゃこんなくだらないことで悩んだりしなくていいのにな。仲の良い奴と一緒に居ても、好き勝手奇抜な格好して歩いても全部子供だからで許されてたのに。」

まゆ「………大人になるのもそんなに悪いことばかりじゃないと思いますよ?」

美玲「………でも出来なくなったことがあまりにも多すぎる。」

まゆ「そのかわり、しなくてよくなったこともありますよ?例えば大人のフリをすることとか。」

美玲「…………いや、おかしいだろ?」

まゆ「美玲ちゃんもそのうちわかりますよ。さて、まゆは帰りますね。」

美玲「……本当に大丈夫か?次会うときは箱の窓越しなんて嫌だぞ?」

まゆ「心配しないでいいですよ。まゆだって大人なんですから。」





美玲「………大人ってなんなんだろうな……。」

ケータイ『トーキーハナーテ ゲンカイヲコエ』

美玲「……輝子?」

輝子『終わったか?なら戻ってこい……。外寒いだろ?』

美玲「幸子は?」

輝子『さっき帰った。飲み直そうぜ、今日は全部私が出すからさ。』

美玲「……………二人………どうなるのかな……。」

輝子『ほっとけよ、どうせ幸子ちゃんに選択肢ないんだから。』

美玲「………ったく、輝子までウチを子供扱いしやがって。」

輝子『女の子なんていくつだろうとみんな秘密主義みたいなもんだ。』

幸子「………まゆさん。」

まゆ「いつでも遊びに来ていいって言いましたよね?」

幸子「確かに言いましたけど……。」

まゆ「わかってますよ、あれは幸子ちゃんの気の迷いだったって。」

幸子「…………。」

まゆ「でもあの時まゆが即答してたら、幸子ちゃんどうしましたか?」

幸子「………きっとなし崩しにそのまままゆさんをうけいれてたと思います。」

まゆ「ならまゆは幸子ちゃんが次気の迷いを起こしたときにいつでも即答出来るようにずっと傍に居ます。」

まゆ「もうまゆは子供じゃありません。大人のフリして、他人の幸せを言い訳にして、大切な人を諦めたりしませんよ。」

幸子「……そうですね、子供じゃないんです。もう他人の評価に怯えなくたっていいんですよね。全部自分で決められる年齢なんですから!」

まゆ「そうなんですよ、もう自分のワガママ叶えたって誰にも怒られないんです!」

幸子「そうと決まれば明日引っ越し屋さんに連絡しましょう。その後二人で指輪見に行って式場探しましょうか!」

まゆ「え?……あの式まで挙げるんですか?」

幸子「当然でしょ?まゆさんの花嫁姿見せてくださいよ。」

まゆ「で、でもあまり派手にするといろんな人にバレませんか?」

幸子「いっそのことマスコミの人も呼んでしまいましょう!どうせスキャンダルになるなら堂々と世間に配信してしましょう!」

幸子「ボクたちは大人なんですから、子供のイタズラみたいにコソコソしなくたっていいじゃないですか!」

友人と雪見だいふくが与える人間関係への影響について語った内容と成人の日に思いついたネタを利用して書きました。

やっぱりさちまゆが一番書きやすい

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