凛「卯月との初エッチ……」 (30)
【モバマスSS R-18】です
※このSSに含まれるもの
・卯月と凛の百合えっち、地の文
・上記のうち一つでもダメな人はブラウザバックを
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ほぼ最低限に抑えられた照明に照らされた室内。響くのは二人の少女の息遣いと、重ね合わされる肌の音。
凛「今の感じはどう、卯月?」
卯月「ひゃ……く……くすぐったいような……変な気分になるような……んっ」
凛「むずむずする?」
卯月「あっ、そ、そうです、そんな感じ……ふぁ……!」
アイドルとなって初めて出会い、数多の活動を共にして、ついに島村卯月と結ばれた渋谷凛は、
今日恋人同士となって初の島村家でのお泊りで、なけなしの勇気を振り絞って卯月との性行為に臨んでいた。
最初にしたいと言い出した時の不安は、甘く優しい匂いに包まれていた卯月の部屋に少しずつ淫音が満ちていく度に
消えていき、今ではすっかり落ち着いて卯月の体を触ることが出来ていた凛は、いよいよといった様子で手を
下へと下げていく。
卯月「ん……ひゃ……ぁ……凛ちゃん……そこは……」
これまでお腹や胸、唇に髪などを優しく触ってくれていた手がどこに向かっているかを理解した卯月は、ただえさえ
赤く染めていた頬をさらに羞恥の色に染めると、少しだけ抵抗するように凛の腕に指を伸ばす。
卯月「え、えと……私、こういうことをするの、本当に初めてで……誰かに見られたこともないから……」
凛「……大丈夫、任せて。私も初めてだけど、卯月に怖い思いはさせないから」
実際の所は凛もすでにいっぱいいっぱいであり、卯月の負担を減らす努力をこれ以上出来るかは怪しかったが、
それでも目の前にいる愛しい少女がこれ以上不安にならないように、今できる一番の笑みを浮かべながら、
彼女の下着に手を伸ばした。
卯月「凛ちゃ……んくっ!」
自分でもまともに触ったことのない秘部に凛の指が触れてくる。その事実だけで思考が蕩けてしまいそうな卯月は、
恋人の言葉を信じてなすがままに任せていく。
凛(この辺りかな……うん、濡れてる……)
ぎこちない手つきながらも卯月を気持ちよくしたい一心で下着の中を探っていった凛は、彼女の秘部が十分
濡れそぼっていることを感じると、少しずつ指を進めていき、その閉じられた肉の先へと突き進む直前、
最後の確認とばかりにしっかりと卯月の目を見て問いかけた。
凛「もう、私も余裕ないから……卯月ともっと一緒になりたいから……挿れても、いいよね?」
卯月「…………はい。凛ちゃん、になら……」
薄暗い中でもはっきりと分かるほど顔を赤くしつつも、しっかり頷いてくれた卯月に喜びを覚えながら、
凛はいよいよ指を押し進めていく。
かなりゆっくりとした動きを心がけ、卯月の負担にならないように慎重に慎重を重ねながら挿入されていく
人差し指は、そのまま凛と卯月の気持ちの通じ合いを示すが如く奥まですす――
卯月「――……いたっ!? っ……いたいよぉ……」
凛「え!?」
――そうして次の日。
凛「……という感じで、卯月との初エッチ……失敗した……」
美嘉「……そういうことだったんだ」
普段通りに振る舞っているようで、卯月と一緒にいる時のぎこちなさや、1人でいる時の
落ち込みようを心配してくれた城ヶ崎美嘉に、事情を話した凛はそこで再び俯きため息をついた。
凛「……私、最低だ……」
美嘉「げ、元気だしなって! 誰にだって失敗することはあるんだし★」
凛「でも……初めての思い出……卯月にも気を使わせて……はぁ……」
アイドルとして人前に立つなら致命的なまでの雰囲気の暗さを纏いながら机に突っ伏した凛は、それ以上
何も言わずただじっと落ち込み続ける。
美嘉(うわぁ重症……)
これで卯月のほうも気を落としていたのなら、まだ凛も意地を見せて強気の態度のままで
今日を過ごせたのだろうが、その卯月がまるで失敗などなかったかのように普段通り明るく振る舞って、
凛を慰めていたことで、返って凛は精神的にダメージを受けてしまったのである。
美嘉(こんな凛見るの初めて……よっぽど悲しかったんだろうなぁ……うーん、どうしよ)
様子がおかしいことを心配して、事情を聞くために帰ろうとしていた凛をプロダクションに
併設されているカフェへと無理やり連れてきてしまった美嘉にとって、聞かされた内容は想定外も
いいところであり、この後どのような反応を見せれば良いのか少々迷ってしまう。
普段であれば性的なことに初な反応を見せて、顔を赤くし戸惑う姿で話を切り上げればよいのだが、凛も
卯月も大事な友人であり、その二人が記念すべき初エッチで問題を起こしたとなればそうもいかない。
美嘉「このままだとせっかくの気持ちいいこと知らないままかー……それはちょっとマズイっしょ★」
李衣菜「えっ!? ご、ごめん、私の淹れたカフェオレ美味しくなかった!?」
美嘉「あ、李衣菜ちゃん。ううん、違う違うこっちの話。李衣菜ちゃんのカフェオレはちゃんと超オイシーよ!」
李衣菜「そっか、良かった……あっとそうそう、ロールケーキ持ってきたから良かったら食べてよ凛ちゃん」
凛「……別に、頼んでないけど……というか李衣菜、ほんとどうして居るの……まさか、私の失敗を笑うために……」
李衣菜「いやいやなんのこと!? ほら、最初に言ったでしょ手伝いに呼ばれたって!」
カフェの店員として仕事をしていた多田李衣菜にしてみれば、元気づけようと奢りでケーキを持ってきただけで
凛に睨まれる理由が分からず狼狽えてしまう。
Masque:Radeとしての活動以降、李衣菜が制服姿でカフェにいると売上が伸びるという理由で彼女は時々店員として
働かされており、今日ここにいたのもその仕事が偶然重なったからなのだが、相変わらず誰かが困っている場所に
よく居合わせるものだと、美嘉は少しだけ笑みを浮かべた。
美嘉(アタシが莉嘉と新曲貰った時も、李衣菜ちゃんとの会話がきっかけで迷ってたことが解決したっけ……そうだ!)
美嘉「ねぇ凛! せっかく李衣菜ちゃんもいるし、今後卯月とどうしたいか、ここで決めちゃいなよ!」
凛「え、えぇ!?」
李衣菜「な、なに? どうかしたの? というか私まだ仕事が」
美嘉「もうアタシ達以外お客さんもいないし、少しくらいいいでしょ? このままだと凛と卯月が大変なんだしさ!」
李衣菜「そうなんだ……なにがあったの?」
相変わらずの人の良さからか、すんなり席に座って話を聞く体勢になってしまった李衣菜を、
凛は慌てて立たせようとする。
凛「な、なんでもないから! 李衣菜に聞かせるようなことじゃないし、仕事に戻って」
美嘉「やー、実は凛ったら卯月との初めてのエッチ失敗しちゃったんだって」
凛「美嘉ッ!?」
本当は誰にも話さず自分でなんとかするつもりだった悩みを、信頼出来る美嘉にだからこそ話したというのに、
その美嘉が他人に漏らしたという事実が弱っていた凛にとってはとてもショックであり、滅多なことでは
涙を見せない彼女が、今にも泣きそうな顔で美嘉に掴みかかる。
凛「やめ、やめて……それ以上、言わないで……美嘉にだから話したのに……どうして……」
美嘉「話してくれたからこそだよ凛。凛も卯月もアタシにとっては大事な友達だから、ちゃんと幸せになってほしいの」
凛「なら李衣菜に言う必要は!」
美嘉「まぁ、騙されたと思って話してあげなよ。こういう時、李衣菜ちゃんは妙に頼りになるよ?」
凛「そんなはず……は……」
李衣菜「あ、あの、ええと……私詳しく聞いてないからなにがなんだかだけど、でも……うん、そっか、分かった」
美嘉の衝撃の一言で混乱しかかっていた李衣菜であったが、それまでの落ち込んでいた凛の姿や、今日時折見かけた
卯月の無理をしているような表情の謎が解けたこともあって、すぐに真剣な表情に戻ると、今自分が凛に
聞くべきことを口にした。
李衣菜「ねぇ凛ちゃん。卯月ちゃんとエッチが失敗した理由をもうちょっと聞かせてもらっていい?」
凛「り、理由って、そんな……」
美嘉「アタシも聞きたいな。だって、初めては痛い可能性もあることは、凛も覚悟してたんでしょ?」
凛「それは、そうだけど……」
美嘉に語った昨日の出来事の先でなにがあったかを聞かれているのだと理解した凛は、恥ずかしさとどうしたら
いいのか分からない恐怖で顔を俯かせながら、必死で口にする言葉を探す。
事実をそのまま語ってしまえば、あまりにも自分のしたことの情けなさを再認識することとなってしまい、なにより
その行動を目の前の二人に笑われてしまうかもしれない。
勿論二人がそんなことをするはずはないと頭では分かっていながらも、心がそれを拒絶してしまう。
凛「失敗した……のは……っ……私……いや……違う……そうじゃ、なくて……」
何度か口を開きかけてはまた黙り込むことを何度も繰り返す凛。その様子からなんとなく察しのついた美嘉は
このままだと凛がなにも話せないまま時間が過ぎていくのをやめさせるために、凛の目を見つめながら
驚くほど優しい声で囁いた。
美嘉「……心配しないで、凛」
凛「み……か……?」
美嘉「なにがあったにしても、アタシ達はそれを笑わないし、絶対に凛達の助けになるから。ね、李衣菜ちゃん」
李衣菜「当然! 誰だって初めてすることは頑張っても駄目なことはあるのに、それを笑うなんて絶対ロックじゃない!」
凛「李衣菜……」
自分の悩みなど目の前の二人にはとうに見抜かれているのだと分かった凛は、その瞬間不思議と恥ずかしさも怖さも
なくなり、驚くほど素直になにがあったかを口にすることが出来た。
凛「ありがとう二人共。失敗した理由は……卯月に痛い思いをさせた後、私が慌ててスマホで調べ物を始めたから……」
美嘉「ス、スマホ……それはまた、なんで?」
凛「あの時は、とにかく卯月が痛そうにするのをなんとかしたくて、気が動転してて……」
卯月ともっと一緒になりたいと性行為を持ちかけておきながら、それで卯月に泣くほどの痛みを与えてしまったという
事実は、色々なことが初めてで、もう余裕のなかった凛に妙な行動をさせるには十分なきっかけであった。
そうして凛が選んだ行動が、卯月を慰めるでも、体の状態を案じるでもなく、側に置いてあったスマホを起動して
ネットで検索を始めるだったとしても、これを誰が責められようか。もはや自分の知識が足りないと分かって、
大切な人を助ける術が近くにあるなら、それに手を伸ばしてしまうことは仕方のないことである。
ただ、それが相手を思いやる行動だったとしても、状況によってはそれまでの行為を台無しにすることも、
またよくある話であり。
李衣菜「せっかくいい雰囲気だったのに、その雰囲気を作ってくれた相手がスマホで調べ物し始めたらそりゃ流石に……」
美嘉「そんな風にさせた原因が自分かもしれないってなったら尚更ね。卯月、凛に謝ったんじゃない?」
凛「……よく分かったね。『私が頑張れなくてごめんなさい』って言われたよ……卯月は、なにも悪くないのに……」
その後、卯月に謝られて自分がなにをしてしまったかを理解した凛は、慌ててスマートフォンを放り投げて卯月に
心配する言葉を投げかけたのだが、一度壊れてしまったムードはもはや二度と元に戻らず、結局昨日はそのまま
二人共おとなしく眠る他なくなってしまったのだという。
美嘉「途中までは良かったのに、結局最後まですることなく脱いだ服を着直して、お互い黙って寝ちゃったんだ……」
李衣菜「指を入れるのが駄目なら、それならそれで他にも方法が……いや、初めてだった凛ちゃん達だとしょうがないか」
美嘉「それで、朝起きて改めて自分がしちゃったことを謝ろうとしたら、卯月は夜のことなんて口にもしなかったってとこかな?」
凛「うん……話をしようとしたら、強引にでも話題変えられて……」
卯月の態度を改めて思い出した凛は、そこで絶望的な表情を浮かべて恐れていることを口にする。
凛「もしかして……昨日のことで私、卯月に嫌われちゃったのかな……もう、愛想つかされて……別れ……!」
李衣菜「いやいやいや! それはないって! 卯月ちゃんも今はまだ混乱してるから、逆に普段通りのことをしてるだけだよきっと!」
美嘉「そうやって気持ちを落ち着かせて、改めて昨日のことにちゃんと向き合えるようになったら、凛とも話してくれるって★」
凛「そうかな……そう、なのかな……」
美嘉「そうそう。だから今凛がすることは、卯月を信じることと、リベンジのための準備ってとこかな!」
凛「準備って……なんの?」
卯月を信じるなどということは、もはや言われるまでもなく常にしていることであるため気にしなかった凛であったが、
準備することに関しては見当もつかず首を傾げてしまう。
そうして不思議そうな表情を浮かべた凛につられて、美嘉と李衣菜も困惑した顔で見つめ合った後、凛に今後のことを尋ねていく。
李衣菜「えっと、卯月ちゃんとのエッチをやり直すつもりはあるんだよね、凛ちゃん?」
凛「え……や、やり直す!? そ、そんな……それは……だって、卯月が」
美嘉「今は卯月のことはいいの。凛がしたいかしたくないか、それが重要なんだから。それで、どっちなの?」
凛「どっちって……」
即答することは出来ず、凛は何度も頭の中で考えをまとめようとする。泣いてしまうほど卯月に痛い思いを
させたことをもう一度してしまっていいのか。そもそも自分が卯月と体を重ね合わせることは許されるのか。
知識は足りない。経験も足りない。お互い初めてで、女同士で、卯月を不安にさせるだけなら、自分から
昨日したことをなかったことにして、以前までの関係に戻ってしまえばいいのではないか。
そんな考えが頭の中をぐるぐると渦巻いて、しかし最後に、昨日、行為し始めた直後、お互いに
唇を重ね合わせた後の、卯月の幸せそうな表情を思い出してしまえば、したいことなど決まっていた。
凛「もちろん、もう一回。卯月が許してくれるなら、今度はちゃんと最後まで、卯月を気持ちよくしてあげたい……!」
美嘉「ふふっ、だと思った★ なら今からちょっとでもやれることをやって、次に備えないとね! 李衣菜ちゃんも手伝ってくれる?」
李衣菜「こんな話聞かされて、なにもしないなんてそれこそロックじゃないからね。私に出来ることは色々させてもらうよ!」
凛「美嘉……李衣菜……ありがとう……」
誰にも話すことなく1人で解決しようとしていた悩みを話すこととなってしまった凛だが、話した相手が美嘉と李衣菜で
良かったと今は素直に感じられ、同時に少しだけ気になる疑問が湧いてきたため、それを聞いてみることにした。
凛「……でも、正直その……エッチなことって、二人共、えと……慣れてるの?」
その問いかけに美嘉も李衣菜も少しだけ困ったような表情を浮かべた後、どちらも人差し指を口の前に持っていくと、
一言ずつだけ囁いた。
李衣菜「それは」
美嘉「ヒ・ミ・ツ★」
その仕草に普段の二人からは考えられないほどの色気を感じ取った凛は、思わず頬を赤く染め、そしてなんとなく、
この興奮が答えなのだろうと納得し、それ以上は卯月との今後のために聞かないようにするのであった。
――それからさらに二週間後。
凛(もし、卯月がもう一度私とエッチをしたいって思ってくれたのなら……)
部屋に置かれた卯月の荷物を見て、本当に彼女が自分の家に泊まりに来たのだと再認識した凛は、
不安と興奮が混じり合った様子で、落ち着きなく用意した道具をチェックし直していく。
凛(卯月の方から私の家に泊まりたいって言ってくるって、美嘉達は言ってたけど……本当にそうなるなんて)
美嘉と李衣菜に悩みを打ち明け、もう一度卯月と肌を重ね合わせることが出来るならと、二人にアドバイスされながら
様々な準備をしてきたとはいえ、きっかけは必ず卯月からというアドバイスだけは半信半疑だった凛にとって、
今の状況は驚く他なく、その上で改めて色々手伝ってくれた二人には感謝するしかなかった。
凛(二人共、本当にありがとう。もしこれが駄目でも……ううん、違う。これは必ず最後までやり遂げてみせるから!)
用意した道具を見直していくことで少しずつこの後のことに覚悟が決まってきた凛は、卯月が風呂から
戻ってくるまでに道具の点検を終えると、それを一旦卯月の目に入らない場所へと戻す。
流石に卯月とのために用意したといっても、年頃の女の子が買うには恥ずかしかった物を堂々と見せびらかすほどの
開き直りは凛にすることは出来ず、出来れば買った道具は卯月にあまり見られませんようにと、
顔を少しだけ赤く染めながら、次に自分の体の状態やベッドの状態を確かめていく。
凛(お風呂には入った。爪も切ってる。卯月を気持ちよくするために触る場所も覚えて……るよね……?)
何度も恥ずかしい思いをしながら覚え込まされた、気持ちよくなる体の部位のことを、それでも前回の失敗の不安から
確認し直すためにメモを取り出そうとして、凛は部屋に向かってくる気配を感じ取った。
凛(っ……だめ、見直してる暇はない……大丈夫。美嘉達にあんなに助けて貰ったんだから、大丈夫……!)
心の中で自分を勇気づけた凛は、卯月が部屋に入ってくる直前、普段部屋で過ごしている通りの行動をしていた
素振りを急いで取り繕うと、部屋に入ってきた愛しい相手を出迎えた。
卯月「……凛ちゃん、お風呂あがりました。ドライヤー、貸してくれてありがとうございました。これはどこにしまえば……」
凛「お礼なんていいよ。使ったドライヤーは、棚の所に置いておいてくれてればいいから」
卯月「ここですね。はい置きました!」
凛「うん、ありがとう」
卯月「……」
凛「……」
そこで会話が止まり、凛も卯月も少し焦る。確かに、お互い前回のやり直しをするつもりで今この部屋にいるのは
事実であるが、最初からそれを表に出すなどムードもなにもあったものではないため、なんとかまだ普通の
お泊りのような空気でいるために、無理やり会話を続けようとする。
卯月「え、えっと……凛ちゃん、もしかしてお勉強してたんですか?」
凛「え? あ、そ、そうそう。そうなんだ、普段この時間は勉強してて!」
卯月「な、なるほどぉ! ちょっと見てもいいですか? 凛ちゃんがどんな授業を受けているのか知りたいです」
凛「いいけど、卯月に分かるかな?」
卯月「ひどい!? これでも凛ちゃんよりお姉ちゃんなんですよ? ちゃんとわかりま……あ……」
凛「卯月、どうしたの? ……あ」
自分の肩越しに机を覗き込んだ卯月の表情が固まったのが気になった凛は、改めて広げた教科書とノートに目を向け、
それらの向きが全て凛に対して上下逆さまに広げられていることに気付くと、卯月と同じように表情を固まらせた。
凛「こ、これは、その……」
卯月「あ、あはは……凛ちゃん流石ですね。文字を逆さまにしてお勉強ってすごく……ええと……」
再びお互い日常的な会話を続けるための言葉を探そうとするが、そこで絡み合った視線が二人の思考を変化させる。
机を覗き込むために卯月が意図せず凛に近づいていたことで、もうすでに腕を伸ばせば抱き合えるほどの距離と
なっていた所で会話が途切れてしまったのは、ある意味僥倖でもあったか。
さらに凛の鼻孔をくすぐる香りは、普段彼女が使っているボディソープやシャンプーの物であり、
それが卯月の体から漂って来ていることも、凛にとっては行動する引き金となった。
凛「…………卯月」
卯月「は、はい!」
凛「……もう後は電気を少し暗くするだけで、準備は出来る」
卯月「あ……」
凛「前のことは本当にごめん。だから、今日は前みたいにならないように、精一杯準備してきた」
卯月(凛ちゃんも……)
凛「今日、卯月がここに泊まりに来てくれたってことは、前回のことを許してくれるってことでいいんだよね」
卯月「……」
凛「違うなら、そう言ってくれれば私は諦める。もし、いいっていうなら」
卯月「い、いいです……」
いつしか立ち上がって、怯えと勇気を混ぜ合わせた雰囲気で訴えてきた凛に応えるように、卯月も自分の
心からの気持ちを絞り出すように、顔を赤くしながらも、しっかりとした声で返事をする。
卯月「私も、凛ちゃんのために出来ることをしてきました……! だから、よろしくお願いします……!」
少しだけ体を震わせ、目を閉じていながらも、はっきりと『したい』という意思表示をされた凛は、
ライブをする前みたいだ、という感想を抱きながら、返事に緊張をほぐされたのか、余裕のある笑みを浮かべて
卯月に軽い口づけを交わした。
卯月「んっ……!」
凛「……うん、じゃあ、私からもよろしく……今日は、最後までするからね?」
卯月「お、お手柔らかに……おねがいします……」
部屋の電気を前回と同じように薄暗くした凛は、まだ少しだけ体を固くしている卯月をリードするように、唇や首元へ
優しくキスをしながら、卯月をベッドに座らせる。
凛「……ちゅ……っ……」
卯月「ひゃ……ん……」
ともすれば普段着にも見えるような格好の凛に対して、いかにも女の子が着るための可愛らしいデザインのパジャマに
身を包んだ卯月は、ほとんど触れるだけのキスをされるたびに体をビクリと震わせる。
そのパジャマも前回の時とまったく同じものを着用してきた辺り、卯月も本当に前回の続きをしたいのだと分かって
嬉しい凛は、それでもこの後の行為には邪魔になるそれを、惜しむような手つきで脱がせていく。
卯月「あっ……じ、自分で脱ぎます……んひゃ!?」
凛「だめ、脱がさせて」
卯月「ひゃ、ひゃい……」
右手だけで上のボタンを全て外し、器用に卯月からパジャマの上を奪った凛は、それを優しくベッドの脇に置くと、
露わにった豊満な胸に手を添えていく。
卯月「っ……んんっ……」
凛(やっぱり、柔らかい……)
ここで少しだけ美嘉や李衣菜から教わったテクニックを意識し始めた凛は、前回だと浅い知識のまま乳首への
刺激にいっていた所を抑えて、まずは胸全体を優しく揉み始めた。
卯月「……あっ……くすぐった……んくっ……」
凛「……ちゅ……んっ……」
反射的に刺激から逃れようとする卯月の体を、左手で背中を撫でるようにしながら留めさせつつ、凛は右手で
胸へ優しい刺激を加え続けていく。
そうして卯月が胸へと意識を向けようとしたところで、唇で軽く触れるように彼女の耳や首筋、頬や肩にも
刺激を加え、くすぐったさの中に奇妙な感覚を覚えるように仕向けていく。
卯月「ふぁ……凛ちゃん……なんだか、すごく、やさし……ひんっ!」
凛「卯月の体が、私を欲しくてほしくて堪らなくなるようにするためだからね」
卯月「そ、それ……んぅ……で、こんな……ひゃん!」
胸全体を触っていた手つきを、少しずつ乳首へ集約させる動きにさせた凛だったが、この時点になってもまだ
乳首へ直接は刺激を与えず、乳房をくすぐるように、乳首へ触れるか触れないかのギリギリの距離で乳輪をなぞっていく。
卯月「んん……はぁ……んっ……ぁ……」
前回であればすでに下半身へ刺激を加えようとしていたくらいの時間が経過しても、まだ上半身への
優しい愛撫に続ける内、少しづつ卯月の漏らす声に甘さが入り混じってくる。
卯月「ふぁ……っ……んっ……ゃ……はぁ……りん……ちゃん……」
凛「……ちゅ……ん、なぁに?」
前回の時も優しくしてもらっていたはずなのに、それですら乱暴に思えてしまうほど今回の愛撫はとても優しく、
未だに強い刺激は襲ってこない。
だからこそ、最初に感覚がおかしくなりはじめたのは卯月の胸。それも乳首の部分だった。
卯月「む、むね……んぅ……も、もっと……」
触れるか触れないかの距離で動く指が、触れてもらえると思った手のひらが、乳首以外に刺激を与える度、
卯月の体には満たされなさが募っていく。
卯月(凛ちゃん……触れて下さい……もっと……もっと……!)
触れて欲しい部分へ意識を向ければ向けるほど、優しい愛撫はそこから遠ざかる。大事にされて、
気持ちよくされているのが分かるのに、さらに強い刺激が欲しい……!
凛「もっと、なに? ……卯月は、どうしてほしい?」
卯月「もっと、胸……ちくび、いじって、ください……このままじゃ……切なくて……!」
凛「うん、いいよ」
遂に求められた刺激を与える興奮を静かに覚えながら、凛はこれまでずっと触れてこなかった
卯月の硬くなった乳首に指を添えた。
卯月「ひゃぁ!? ゃぁ……んっ……!!」
指が添えられただけで、それまで意識を向けすぎていたこと、焦らされていたことが重なって、卯月の全身を強烈な
刺激が貫いた。痺れるような、熱いようなそれは、しかもその一瞬では終わらず、凛が乳首を摘み、擦る度に
何度も何度も卯月の体を駆け巡っていく。
卯月「や……ぁ……っ、ふあぁ……ぁっ……ぁあ……!」
凛「卯月、胸を隠そうとしちゃだめ。顔も上げて、ほら」
卯月「だ、だって……こ、こんな、感じ、はじめ――んぅ!? ちゅっ……んっ……ふっ……!」
凛「っ……んくっ……ん……」
慣れない刺激に卯月の体が反射的に身を守ろうとすることがあれば、というアドバイスを思い出した凛は、
少しだけ乳首への攻めを緩めつつ、俯きかけていた卯月に顔を上げさせ、その唇に本格的なキスをしていく。
それまでの軽く触れるようなキスから、舐めるような、吸うような、少々強めのキスへと変化したことに
卯月の体は蕩け始め、彼女の腕からは力が抜けて、身を守るのではなく、凛に全てを委ねるような動きへと変わっていく。
卯月(凛ちゃん……のもの……に、されて、るんだ……いま、私……)
凛(卯月の顔が……すごく……やらしく、なって……!)
卯月「んっ……くっ……ちゅ……っ……んぅ……!」
凛「ちゅ……くっ、んっ……っ……」
上半身への優しい優しい愛撫でじっくりと焦らされた卯月の体は、直後の乳首や口への強い刺激で
凛を受け入れる状態へと溶けていく。凛が軽く確認のために入れようとした舌を、卯月が何の抵抗もなく
口の中に受け入れ、お互いの舌で絡み合う段階になると、その認識はさらに強まって。
卯月「ちゅ……れろ……ぷぁ……んんっ……ふぅっ……!」
凛「んっ……くっ……ふっ、ちゅ……――ぷぁ……!」
このままでは卯月の体に刺激を与えるつもりが、自分のほうが呑まれてしまいそうだと判断した凛は、必死の思いで
卯月の口から自分の口を離し、胸への愛撫へと集中しようとする。けれども、互いの口が離れる瞬間の
切なそうな表情が、離れていく舌に絡み合う透明な糸が、もう卯月が上半身だけの愛撫では物足りないと訴えていた。
凛「ふぅ……はぁ……うづ、き……」
卯月「りん……ちゃん……もっと、下……」
凛「……うん」
卯月「さわって、ほしいです……へんなんです……熱くて、こんな、凛ちゃんに、触れて、ほしいんです……」
前回であればすでに事が失敗して、お互い眠るしかなくなっていた時間が過ぎた。しかし今回は、
未だに熱は冷めず、むしろもっと溶け合っていきたいという欲望が互いの目から見て取れた。
あまり時間をかけすぎると次の日の仕事に響くという心配も、どちらも明日が休日という時点で必要なく、
ならばもうなにも躊躇する必要はないと、凛の右手は卯月の下のパジャマを脱がしにかかった。
卯月「んひゃあ……!」
その際、太ももに凛の指が軽く触れただけで卯月の体は大きく震え、刺激に貪欲になっている様を見せると、
凛の中にあるなにかがさらに熱を持ち、手の動きを大胆にしていく。
もはや最初のほうとは違い、脱がしたパジャマを丁寧に置くことなどしなくなった凛は、残りは邪魔な
布切れ一枚に守られているだけの、卯月の最もいやらしい部分を強く刺激しにいこうとして、ここで
前回のことが頭をよぎり、慌てて手の動きを緩めた。
凛(っ……ここで、焦ったら、前回と一緒! 卯月に、気持ちよくなって欲しいのなら、しっかりする、私!)
もう二度と痛みで泣いてしまう卯月など見たくない凛は、その思いで冷静さを取り戻すと、卯月の胸に舌を這わし、
そこから胸の谷間から下ってお腹の辺りまでに新しい刺激を与えながら、改めて卯月の状態を確認していく。
卯月「ん……ひゃ……あっ……やぁ……はぁ、んっ……!」
凛(呼吸は速め……舌で感じる限りだいぶ汗もかいてる……感じてくれてるんだ……)
自分のやり方が間違ってないことに自信付けられた凛は、遂に卯月の下半身への刺激も加え始めた。ただし
いきなり秘部に触れるのではなく、太ももを手で撫でながら、残っている下着に触れるか触れないかの
往復からではあるが。
卯月「ん……りん、ちゃん……もっと、強く、してくれ……ても――ふぁぁっ!?」
当然いよいよ前回のように指が挿入されるものだと思っていた卯月は、少しだけ物足りなさそうな呟きを漏らすが、
その油断した瞬間を狙っていたように、凛が下着の上からクリトリスを弄ってしまえば、漏れてくるのは
甘い声ばかり。
卯月「んっぁ、ひっ、あっ、くっ……んぅっ!!」
凛「よかった、この辺りで正解だった」
卯月「これ、ねら、い……なんっ、りん、ちゃ……ひゃっんぅ!」
こういった行為をすることに慣れていない卯月であれば、その部分への刺激だけでも十分絶頂させられると
アドバイスを受けていた凛は、下着の上から硬くなった陰核を探り当てると、そこを指で軽く叩き、時折
こすりながら、卯月を快感で満たしていく。
卯月「こん、な……ひぅっ! へ、ん……やぁ……! わ、たし……へん、んぅううっ!?」
前回はなにもかもが初めての卯月の中に、強引に指を入れようとしたことで痛みを与えてしまったのなら、
今回はそんな無理をせず、外側から与えられる刺激だけで卯月を気持ちよくさせよう。
そういった考えを感じる指の動きであり、実際に凛はそのつもりで真剣に卯月を愛撫している。
凛(これでいい、このまま……)
卯月(凛ちゃん……)
すでに卯月の視界はチカチカと時々点滅し始めており、感覚が凛の触れる場所すべてに集中しては、そこからの
刺激で意識が飛ばされそうな状態だ。
だからこそ、このままでは最後に気持ちよくなる瞬間に、凛を強く感じることが出来ないことを
理解してしまった卯月は、必死に自分を愛してくれている凛の手を掴み、一時的にその動きを止めさせた。
凛「……え、卯月……ど、どうしたの? まさか、私に触られるのが嫌に」
卯月「ち、ちがい、ます……このままだと、私……凛ちゃんを最後まで感じていられないんです……気持ちよすぎて、変になって」
凛「でも、私は、卯月に気持ちよくなってほしくて……」
卯月「分かってます……だから、最後まで、凛ちゃんを感じていられるように、凛ちゃんに……私の中も、弄ってほしいんです」
凛「そ、それは……!」
まさか卯月の方から求められると思っていなかった凛は焦り、前回の彼女の姿が頭をよぎる。
せっかくここまで卯月を蕩けさせることが出来たのに、自分が不甲斐ないばかりに、
また卯月に痛みを与えて中断させてしまうのではないか。
そんな不安が表情に現れ困惑する凛を見た卯月は、ここでくすっと笑みを浮かべた。それは、快楽に蕩けながらも
慈愛に満ちた笑みであり、笑みを向けられた凛は、それだけで卯月が愛おしいあまり狂ってしまいそうなほどで。
卯月「大丈夫です。凛ちゃんに心配させないように、私も準備したんです。痛みに慣れるように……えと……自分で触ったりして」
凛「じ、自分で……? 卯月が……?」
卯月「最後まで凛ちゃんと一緒に感じるためには、自分で慣れておくのも大事だって、そうアドバイスされたので……だから……」
どうやら卯月もまた、凛と同じく前回のことを誰かに相談し、その解決方法を色々と教わっていたようで、
それでも凛にしてもらうためとはいえ、自慰をしていたなどという告白をするのは、愛撫されるのとは
別の意味で妙な気分になったらしく、卯月はせっかく浮かべた笑みも引っ込めて気恥ずかしそうに押し黙ってしまった。
凛(卯月が……最後まで私と気持ちよくなるために、自分で……? そんな、そこまで、してくれてた、なんて……!)
だが、卯月のそんな姿はたがを外すには十分であり、凛は抑えていた衝動の赴くまま、卯月の秘部を守る
下着を脱がして奪い取ると、隠していた道具の中からローションを取り出し、それを出し惜しみすることなく
自分の手や卯月の体に塗り始めた。
卯月「ひゃ!? り、凛ちゃん、これは……?」
凛「念のためのローションだよ。卯月の中を弄る時、これが痛みを和らげてくれるって」
卯月「そう、なんですか……凛ちゃんの準備って、これだったんですね」
凛「他にも、色々用意させられたけど……まぁ、今回だと残りは要らないかな」
卯月「ふふっ……それなら残りは、次のお楽しみってことですね」
凛「……そうだね。今回がうまく行って、卯月がまたしたいってなったら」
卯月「もう、凛ちゃん! 大丈夫です、一緒に気持ちなれるように頑張ったんですよ、だから、ね……?」
無意識に可愛さと妖艶さを入り混じらせた笑みを浮かべ、蕩けるような声で誘ってきた卯月に、
凛はそれ以上耐えられず、ローションを塗った右手の人差し指を、ついに再び卯月の中へと侵入させた。
卯月「ふぁあぁっ!?」
凛(はいっ……ったっ……!)
前回であればここで痛みのあまり泣き出してしまっていた卯月であったが、凛を受け入れるために自分でも慣らし、
入念に愛撫され、ローションまで使った成果は二人の結びつきを十分に強め、挿入された人差し指は、
根本まで卯月の中に呑み込まれていく。
卯月「んんっ、あっ、んっ、ひっぅ……!」
凛(すごい……卯月の中……熱くて、うねってて……!)
卯月「や、やっと……凛ちゃんと……つな、がれた……ふぁっ! ……しあわせ、です……!」
凛「っ……卯月……!」
卯月「んぅ!」
これ以上はもう抑えられない凛は、優しくするように務めていた愛撫を放棄し、
ただただ気持ちにまかせて卯月を弄り始める。
卯月の口を唇で塞ぎ、少しでもお互いの境界線が分からなくなるように強く舌を絡ませ合いながら、
閉ざされた膣を凛が征服したと示すように人差し指でほぐしだし、右手の親指はクリトリスを擦る。
卯月「んっ! んぅ~~!? っ、ふっ……ちゅ、れる……んっ~~~!」
凛「んくっ……ん、ちゅ……ちゅぷ……ふぁ……んっ、ちゅ」
すでに座っていられなくなった卯月をベッドに横たわらせると、支えの必要がなくなった左手を、卯月の
胸への愛撫に集中させる。
揉んで、なぞって、乳首を摘んで、口と両手を合わせて全身余すことなく卯月に快感を教えこんでいく。
卯月「んぅ、ぁ、ふぁ……りん、ちゃ……ぁぁっぁ~~!?」
凛「うづ、き……ふっ……ぁ……!」
あまりにもいやらしい反応を見せてくれる卯月に、凛もそれだけで体が快楽に打ち震え、奇妙な感覚に
包まれ始める。だがやはりそれ以上に、そんな凛に攻められ続ける卯月は大変であり、すでに意識は
凛のことと気持ちいいことしか認識出来ず、息は荒く、その体は触れていない部分までもが震え、
汗は凛の服とベッドのシーツをびしょ濡れにするほど流れていく。
卯月「りん、ちゃ……ぁああ! わた……し!」
凛「うづ、き……!」
そして遂に、乱れる二人は限界を超え、初めての絶頂を味わった。
卯月「りん、ちゃ……イッ――んぅ!? んっ、っ、ッ――っ~~~~~~!!!?」
凛「んっ、っぅ~~!!」
求められるまま口づけをした状態でお互い絶頂した二人。勿論凛は軽めの物であったが、意識が飛んでしまうほどの
衝撃を味わった卯月は、しばらくなにも考えられず、ただ、全身で感じる凛の存在だけを、ふわふわとした
感覚のなかで幸せそうに味わう。
卯月(なんだろう……これ……わたしと……りんちゃん……だけ……すごく……しあわせ……)
凛(……すごかった……これが……イクって……ことなの、かな)
卯月の中に挿れていた指は抜き出すのが難しいほど締め付けられ、卯月のトロンとした眼差しは、
見つめ続けてしまえば理性というものが消し飛ばされるほどの、何かに目覚めたいやらしさを持っていた。
……その眼差しが意味することを、凛はここで気付くべきだったのかもしれない。
卯月(このしあわせ……りんちゃんにも……)
卯月「……………………きもち、よかった……です……りん、ちゃん……」
凛「うん、私も」
しばらくしてやっと意識の戻ってきた卯月が、幸せそうな顔を浮かべて抱きついてくれたことに、
凛もまた嬉しさを感じながら抱きつきかえす。
卯月「ほんとうに、すごかったです……」
凛「喜んでくれたなら、私も嬉しいよ。だけど、体のほうは大丈夫?」
前回の失敗のリベンジは達成し卯月も気持ちよく出来たと満足していた凛は、強く絶頂していた卯月の
体を気遣うように笑みを見せる。
凛の中ではこれでエッチは終了で、あとはゆっくり休むだけという意識が生まれており、その反応も
ある意味当然のものではあったが、しかし彼女はまだ理解していなかった。
自分が卯月の中にある、なにに火を着けてしまったかを。
そして、卯月にした全ての行為は、凛自身の体でも味わうことが可能ということを。
卯月「はい、大丈夫です。だって」
そこでぐるんと体の位置が入れ替わったと凛が気付いた時には、楽しそうな笑顔を浮かべる卯月が、のしかかってきていた。
卯月「大好きな凛ちゃんに、まだ、すごくしあわせになれる気持ちよさを、お返し出来てませんから……」
凛「……う、づき……?」
卯月「だから、凛ちゃん――私、頑張ります♪」
――二日後。
凛「…………ということなんだけど、卯月が凄すぎて、私、どうしたらいいのかな……?」
美嘉「……あー」
李衣菜「ええと……」
恐らくずっと卯月の攻めに翻弄されていたであろう凛は、嬉しそうではあるがとても疲れている様子であり、
逆に美嘉と李衣菜が見かけた卯月の姿が、とても幸せそうかつ精力的だったことを思い返すと、
流石の二人も贈れるアドバイスは一つしかなかった。
李衣菜「とにかく体力つけて」
美嘉「頑張れ凛★」
凛「……頑張れると良いなぁ……」
こうして卯月の口癖と似たような言葉を呟いた凛が、彼女の全ての攻めに付き合える体力を身につけるのは、
まだ数年先のことである。
〈終〉
うづりんのSSで最初から凛ちゃんが手慣れてるんじゃなくて、初エッチが失敗からの
2回目で島村さんが目覚めちゃう系シチュを探しててもなかなか見つからなかったので
読んでくださった方ありがとうございました
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