千早「春香って、あれ絶対わざと転んでるわね」 (79)


千早「絶対わざとよね」

雪歩「うーん、そうかも…」

やよい「ですねー」

真美「何か、不自然なんだよねー」


千早「何かあるならまだしも、何にもない所で転ぶものね」

雪歩「あー、そうだよねー」

やよい「そうですよねー」

真美「うん。ちょっと考えられないよね」


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千早「もしかして、あれって人の気を引くための手段なのかも」

雪歩「あー、あるかも」

やよい「まったく、春香さんも困った人です」

真美「転ぶのがクセになってるのかも知れないよ?みんな構うから」


千早「それにこの前、こんな事もあったし」

雪歩「え?どんな事?」

やよい「何かあったんですか?」

真美「なになに?」





春香「おはよー、千早ちゃん」

千早「ああ春香、おはよう」

春香「今日は一緒に歌の収録だね」

千早「ええ、そうね」


春香「千早ちゃんがいれば安心だよー。歌が凄く上手いからね」

千早「ふふっ、そんな褒めたって何も出ないわよ」

春香「もー、そんなんじゃないって。まぁ、今日も一緒にがんばろ…あっ、と!」グラ

千早「あっ?」


ドンガラガッシャーン




春香「ンーッ!?」チュゥ

千早「…」



春香「あ、ご、ごめんね千早ちゃん!?どっかぶつけなかった?」

千早「ええ、どこも何ともないわ」

春香「よ、良かった、何ともなくって…ふう」

千早「まったく。春香は本当におっちょこちょいね」


春香「あの…。それでさ」

千早「ん?なに?」

春香「今その…。唇がその…ごめん」

千早「ああ、たまたまくっついちゃっただけでしょ。気にしてないわよ」

春香「そ、そう、良かった…」


千早「そうそう春香、返して」

春香「ん?何を?」


千早「私のファーストキス」

春香「めっちゃ気にしてるー!?」

千早「一生、忘れてやらないから」

春香「重すぎるよ千早ちゃん!?」






千早「…て事があってね」

雪歩「あー、春香ちゃんっぽい」

やよい「目に浮かびますよー」

真美「いかにもはるるん、って感じだね」


千早「大体、転ぶだけならまだしもチューッてありえないでしょ」

雪歩「うーん、そうだよねー」

やよい「狙ってるかも知れませんね」

真美「はるるんも結構計算高いからなぁ」


千早「だから、あれってわざとよ絶対。みんなも気をつけてね?」

雪歩「あ、でも私もこの前…」

やよい「雪歩さんもですか?」

真美「なんかあったの?」






雪歩「おはようございまー…きゃあ!な、何やってるの春香ちゃん?」

春香「雪歩おはよー。あ、これ?」

春香「蛍光灯が切れてたけど、誰も居なかったから私が交換してるんだー」グラ…グラ…

雪歩「あ、危ないよ?そんな脚立のてっぺんで…」


春香「へーきへーき。…おっと」グラッ

雪歩「きゃあ!」

春香「なんちゃってー」

雪歩「は、春香ちゃん、お願いだからそういうタチの悪い冗談はやめて、全然シャレになってないから…」


春香「さーて、交換終了…っと」ストン

雪歩「ふぅ、ハラハラした…」

春香「大丈夫だって。こう見えても私バランス感覚に自信が…わわっ?」グラ

雪歩「え!?」


ドンガラガッシャーン




春香「ンーッ!?」チュゥ

雪歩「ンーッ!」



春香「あ、ご、ごめん、大丈夫雪歩?どっか打たなかった?」

雪歩「う、うん。大丈夫」

春香「バランス感覚に自信がとか言ってたのに私…恥ずかしい…」

雪歩「まぁ、脚立の上から落っこちなかっただけマシだよ」


春香「あ、あのそれでさ、ごめん今唇がその…」

雪歩「あ、全然気にしてないよー。大丈夫」

春香「そう…」

雪歩「まぁ、事故みたいなもんだし。平気平気」


春香「そう、良かった…。ところで雪歩」

雪歩「なに春香ちゃん」

春香「顔上げてこっち見て話してよ。どうしたの?」

雪歩「…」


雪歩「…」

雪歩「…///」フイッ

春香「な、何で顔そむけるの!?」






雪歩「て、事があって…」

千早「脚立から降りた所で転ぶのが春香らしいわね」

やよい「あー、そうですねー」

真美「きっと、大怪我するから上ではやんなかったんだよ」


雪歩「うん。だからわざとっぽいって言うか…」

千早「うーん、そうかも知れないわね」

やよい「そんな感じがしますねー」

真美「そうだねー」


千早「脚立から落ちたら大怪我するから自制したっぽいわね」

雪歩「そうだよねー」

やよい「あ、そうそう私もこんな事がありましたー」

真美「ん?どんな事?」

やよい「この前、廊下の向こうに春香さんがいて…」






春香「あ、やよいちゃーん」











やよい「あ、春香さーん!」


春香「わっ!?」グラ











やよい「きゃっ!は、春香さん危な…」


春香「よっ!」

春香「くのっ!」

春香「耐えるっ!」

春香「あらっ?」

春香「ととっ!」

春香「とはっ?」

やよい「えっ、え?」


ドンガラガッシャーン




春香「ンーッ!?」チュウ

やよい「ンッ、ンー!?」



春香「あたた…。あ、や、やよいちゃん大丈夫?」

春香「ごめんね?どっか怪我しなかった?」

春香「もう、私って本当にドジで…」

春香「あ、あとその今…。唇と唇が…って」


やよい「…」

春香「石像みたいに固まっちゃってるぅー!?」


春香(ど、どうしよう!?今のはちょっとやよいちゃんにはショッキングすぎた?)ワタワタ

やよい「…」

春香(な、何とか雰囲気を和らげないと…。そ、そうだ、ここは冗談っぽく)

やよい「…」


春香「…ふ、ふふっ。どうだいビックリしたかい?やよいちゃん」

やよい「…」

春香「何を隠そう、実は私は前からやよいちゃんのことを愛していたんだ」

やよい「…えっ、ええーっ!?」

春香「だから、愛しさのあまりつい…」

やよい「そ、そんな春香さん…」


春香(お、真に受けてる真に受けてる!よーし、タイミングを見て冗談だよーって…)

春香「なのでやよいちゃん、ぜひとも私とお付き合いを…ん?」


やよい「…」モジモジ…

春香「…」

やよい「…」チラッ

春香「モジモジチラッて、何その反応!?」






やよい「って、事があって…」

千早「廊下を端から端まで?」

雪歩「それは凄いね…」

真美「やー、いくら何でも途中で踏みとどまれるっしょー」


やよい「あれは、絶対わざとですよー」

千早「ええ、それっぽいわね」

雪歩「そうだねー」

真美「もー、わざとらしいのもほどがあるよねー」

どうでもいいけど春香さんはやよいのこと呼び捨てだよ


千早「もう、わざと転んでるのが確定したも同然ねこれは」

雪歩「うん。そうだよね」

やよい「本当ですよー」

真美「そうだよねー」

真美「あ、そうそう真美もレッスン場でこんな事があって…」

>>30
おお勘違いしてたサンクス






真美「さーて、ダンスの練習でもしよっかなー」

ガチャ


春香「あー、真美おはよー」

真美「おっ、はるるん。何やってんの?そんな床に寝そべって」

春香「あ、これ?」


春香「全身を伸ばす運動ー」グデー

真美「それって、運動でも何でもないじゃん」


真美「ただダラけてるようにしか見えないよ?」

春香「失礼な。こうやって、床に寝そべる事で全身を伸ば…あっ!?」グラ

真美「えっ!?」


ドンガラガッシャーン




春香「ンーッ!?」チュゥ

真美「ンーッ!?」



春香「いたた…」

春香「あっ、ま、真美大丈夫?どっか痛めなかった?」

春香「ごめんね、私ってばドジ過ぎ…」

春香「そ、それと、ごめん今唇が…って」


真美「あっ…ダメだよはるるん…。そんな…強引に…」

真美「えっ…?真美がいいの…?もう…はるるんってば…」

真美「戸惑う真美を…。はるるんは優しく抱き寄せ…」

春香「小鳥さんみたくなっちゃってるぅー!?」


真美「そして…何だかんだで二人はゴールイン…」

真美「ハネムーン…二人を乗せた飛行機は一路…タンガロニア共和国へ…」

春香「タンガロニア共和国ってどこそこー!?」

真美「そこは…同姓同士の結婚が法律で認められているのだ…」

春香「理由がやけに生々しい!?」


真美「南の海、空を埋め尽くす星…真美とはるるんは、お互い見つめあい…」

春香「お、お願い真美、戻ってきて…」






真美「…って事があってさー」

千早「寝そべった状態からどうやったら転べるのよ」

雪歩「さすが春香ちゃんだね…」

やよい「その通りですねー」

真美「真美もこの目が信じられなかったよ。けど絶対わざとだねあれは」


千早「まぁそれにしても、転ぶのはいいけど人を巻き込むのは勘弁して欲しいものね」

雪歩「そうだねー」

やよい「ええ、そうですよー」

真美「そうそう」


雪歩「みんな優しいから、とっさに春香ちゃんを支えようとしちゃうのかも…」

千早「ああ、そうかもね」

やよい「そうですよねー。目の前でグラッてなられたらどうしても…」

真美「そうだよ。そしてその後のはるるんのフォローが最悪なんだから」


真美「こっちも冗談なんだから、あんなワタワタされたら余計気まずいっていうか」

千早「ええ、そうね」

雪歩「うん、そうだよね」

やよい「その通りですよー」


真美「はるるんも悪ノリで返してしてくれたら、こっちも軽く流せるのに」

千早「そうそう」

雪歩「うん、確かに」

やよい「本当ですねー」

真美「だからさ、今度はるるんが転びそうになっても助けようとしないで」


ガチャ

春香「みんなおはよー」


千早「…」ガタッ

雪歩「…」ババッ

やよい「…」ササッ

真美「…」シュタッ


春香「え?な、なに?みんなどうしたの?」


春香「…」

春香「…な、なに?千早ちゃん」



千早「…」


春香「そんな、机の脚にロープ結んで、端っこ持って…」



千早「…」


春香「も、もしかして、通ろうとしたらピンッてやって転ばすやつ?」

春香「そんなイタズラ、真美でもやらないよ?」



千早「…」


春香「そんな、『さあ、カモン!』みたいな顔されたら余計に通りづらいよ?」

春香「奥に荷物置きにいかなきゃいけないから、通るしかないんだけど」

春香「言っとくけど、丸見えだし絶対引っかからないからね?」



千早「…」


春香「じゃあ、ちょっと失礼して…よっと」



千早「…」ピンッ


千早「…」チッ


春香「ほ、ほらね?だから言ったでしょ?」

春香「今、千早ちゃんもの凄い顔してるけど」

春香「イタズラに引っかからなかったぐらいで、そんな顔するのやめようよ?」

春香「…そして」


春香「雪歩…」



雪歩「…」クッチャクッチャ


春香「な、なに?そのとっくの昔に絶滅した不良みたいな格好?」



雪歩「…」クッチャクッチャ


春香「そんなダボダボの学生服、今どきよく手に入ったね?」

春香「それにサングラスかけて、ふんぞり返ってイスに座って…」

春香「イメージが古いよ?その不良姿、昔のマンガ参考にしたっていうの丸わかりだよ?」



雪歩「…」クッチャクッチャ


春香「ま、まぁ何をしたいのか格好から想像はつくけど」

春香「引っかからないよ?それで怒らないでね?じゃあ、通るよ…よっと」



雪歩「…」足バッ



雪歩「…」クッチャクッチャイライラ…


春香「だ、だから怒らないでって言ったよね?」

春香「何のつもりかわからないけど、そんな古臭いやり方わざわざ選ぶ雪歩が悪いんだよ?」

春香「あと、ファンにその格好見られないようにね?イメージ台無しだよ?」

春香「…そして」


春香「やよい…」



やよい「~♪」ワシャワシャ


春香「床の一部を、そんな石鹸まみれにしちゃって…」

春香「それじゃあ、そこだけ他より不自然にピカピカになるよ?」



やよい「…」ワシャワシャ…フゥー


春香「やりきったって感じ出てるけど何もやりきってないからね?」

春香「むしろ、後始末をこれからやらなきゃだからね?」

春香「そして、そんな目を閉じて唇をつき出して待ち構えられても…」

春香「対処に困るよ?」



やよい「ん…」


春香「…え、えーと」

春香「ま、まぁ石鹸塗った所よけて通らせてもらうけど…」スッ



やよい「あっ」


やよい「…」ショボーン…


春香「あとで、元通りにしておかなきゃダメだよそこ?」

春香「出来ればプロデューサーさんとかに見つかる前にね?」

春香「私も手伝うからね?」

春香「…そして」


春香「真美…」



真美「…」


春香「…真美が、床に置いたんだよね?」

春香「この、バナナの皮…」



真美「…」


春香「…もしかして、これわざと踏んでズデーンとかって期待してる?」

春香「やらないよ?私、アイドルよアイドル?お笑い芸人じゃないんだからね?」

春香「ここ、一応アイドル事務所だよね?私、吉本に入ったつもりはないよ?」



真美「…」


春香「そして、床に寝そべってこっちに両手差し伸べてそれ何のポーズ?」

春香「まぁ、通らせてもらうけど…。ある意味これ、今までで一番イージーだからね?」

春香「わざわざ踏みに行かない限り、転ぶ要素はなに一つないからね?これ」スッ



真美「…」ムッ


真美「…」プン!


春香「だ、だからやらないって言ったでしょ?」

春香「そんな顔されるの、こっちが心外だよ?」

春香「真美の中で、私はどんなキャラなの?」


千早「…」チッ

雪歩「…」クッチャクッチャイライラ…

やよい「…」ショボーン…

真美「…」プン!


春香「ど、どうしたのみんな?これドッキリか何か?」

春香「まぁ、今荷物を置いたら話を聞くから…あっ、と!」グラ


ドンガラガッシャーン


千早「あ、転んだ」

雪歩「転んだね」

やよい「ですねー」

真美「何もない所でね」


春香「あ、あたた…」


春香「…もう、みんなのん気な事言いながら見てないで」

春香「少しぐらい、心配してくれたって…」

春香「…えっ?」


千早「んっ…」チュゥ

雪歩「ん…」チュゥ

やよい「んー…」チュゥ

真美「んっ」チュゥ

春香「ンンーーーッ!?」


春香「ちょ、ちょっと待って!?」

春香「何これどういう事!?」


千早「だって、春香転んだじゃない」

雪歩「そうだよね」

やよい「ええ、そうです」

真美「転んだらチューだよね」

春香「全っ然意味がわからないんだけど!?」


千早「ふぅ…。まったく春香ってば」

千早「わざとらしいんだから」

春香「ちょ、ちょっと何のこと…ンーーーーッ!?」



おわり

以上です
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