穂乃果「ファンレター貰った」 (28)

穂乃果「ねえねえ、花陽ちゃん」

花陽「どうしたの、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「穂乃果さぁ、ファンレター貰ったんだよね」

花陽「え?ファンレター?」

穂乃果「うん。ファンレター」

花陽「凄いね!凄いね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「えへへ~。そうかな?」

花陽「うん。そうだよ。私なんて一回も貰った事ないよぉ」

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穂乃果「えへへ~」

花陽「どうやって貰ったの?出待ち?」

穂乃果「学校のポストに入ってたみたい」

花陽「え?学校に?」

穂乃果「うん」

花陽「そっかぁ。そうだよね。穂乃果ちゃんの住所とか分からないもんね」

穂乃果「まあ…穂乃果の家は和菓子屋だからわりかし調べやすいんだけどね。有名になったら大変だね。あはは~」

花陽「そ、それは笑い事じゃないような気がするけど…」

穂乃果「だね!」

花陽「う、うん。それで…どんな事が書いてあったの?」

穂乃果「えっと…今、持ってるからちょっと待ってて」

ガサゴソ

花陽「あっ、持ってるんだ」

穂乃果「あった。これこれ。この封筒の中に入ってるの」

花陽「茶封筒…ファンレターって茶封筒で届くんだ…」

穂乃果「え?普通違うの?」

花陽「さ、さあ?分からないけど…」

穂乃果「じゃあ、読むよ?」

花陽「うん」

穂乃果「海よ。遠くへとどこまでも広がる海よ。お前は…」

花陽「え?そんな事書いてあるの?ファンレターだよね?」

穂乃果「あっ、間違えた。これはあれだよ。海未ちゃんの中学生の時のポエムだよ」

花陽「え?海未ちゃんのポエム?」

穂乃果「うん、そう」

花陽「どうして?どうして穂乃果ちゃんがそれを持ってるの?しかも、封筒に入れて…」

穂乃果「部屋の掃除してたら出てきてさ。海未ちゃんに返してあげようと思って」

花陽「多分やめた方がいいよ。海未ちゃんも今さら返されても困ると思うよ?凄く困ると思う」

穂乃果「そうかな?穂乃果も持ってても困るんだけど」

花陽「うん。だけどやめた方がいいと思うな」

穂乃果「そっか。じゃあ、穂乃果が持っておこう」

花陽「うん。そうした方がいいよ」

穂乃果「ファンレターはこっちだったよ」

花陽「どっちにしろ茶封筒に入ってるんだね」

穂乃果「うん。じゃあ、読むよ?」

花陽「うん」

穂乃果「ユーズの皆さんへ。初めまして」

花陽「え?待って?ユーズ?今、穂乃果ちゃんユーズって言ったよね?」

穂乃果「だって書いてあるから」

花陽「読み間違いじゃなくて?」

穂乃果「うん。ユーズって書いてあるよ?カタカナで」

花陽「そうなの?……μ’sのμが読めなかったのかな?もしかして、小ちゃい子からのファンレター?」

穂乃果「う~ん…筆跡から静岡に住む女子中学生だと思うけど」

花陽「え?分かるの?穂乃果ちゃん、筆跡でそこまでわかるの?」

穂乃果「いやぁ、感だよ。女の感!」

花陽「え?女の感ってそう言う事だっけ?」

穂乃果「うん、まあ…でも、多分小ちゃい子ではないよ」

花陽「そうなんだ。でも、普段μって使わないからね」

穂乃果「だね。とりあえず続き読むよ?えっと…ユーズの皆さんへ。初めまして。こんばんは」

花陽「夜に書いたのかな?」

穂乃果「そうじゃない?この子、たぶん天然なんだよ」

花陽「後、ユーズの皆さんへって書いてあるけど…あの…その…穂乃果ちゃん宛…なのかな?」

穂乃果「さあ?」

花陽「ええ?だって、穂乃果ちゃんがファンレター貰ったって…」

穂乃果「うん。穂乃果が貰ったよ。でも、穂乃果宛とは言ってないよ?」

花陽「そ、そっか。そうだよね?私の早とちりだったかな?」

穂乃果「いやぁ、穂乃果も回りくどい言い方だったかも」

花陽「う、うん…」

穂乃果「えっと…ユーズの皆さんこんばんは。初めまして。私はユーズの大ファンです。私はユーズの曲にいつも元気を貰っています」

花陽「そっか。それは嬉しいなぁ。名前をずっと間違えてるけど」

穂乃果「私はユーズの曲の愛…」

花陽「愛してるばんざーいかな?」

穂乃果「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけないが大好きです」

花陽「B’zだよぉぉ」

穂乃果「びっくりしたぁ。花陽ちゃんの大声久し振りに聞いたよ」

花陽「それはB’zだよ。μ’sでもユーズでもないよ。B’zだよ。名前似てるけど違うよ。本当に書いてあるの?」

穂乃果「うん。書いてあるよ。ほら?」

花陽「本当だ…」

穂乃果「まあ、誰だって間違える事はあるからさ」

花陽「間違えるかなぁ?B’zの曲中でも特にタイトルの長い曲名だけど…」

穂乃果「花陽ちゃん、アイドル以外にも詳しいんだね」

花陽「そんなに詳しくはないけど…」

穂乃果「あっ、でもその後ちゃんとμ’sの曲の事書いてあるよ?」

花陽「本当に?」

穂乃果「うん。えっと…それから、ユメノトビラも大好きです」

花陽「ユメノトビラかぁ。私も大好きな曲だよ」

穂乃果「私はユメノトビラの歌詞のサビの部分が大好きです」

花陽「うん。良い歌詞だよね。海未ちゃんの詞は素敵だよね」

穂乃果「ユメノトビラ叩いてここから今飛び出そう~」

花陽「え?違うよね?ユメノトビラはそんな歌詞じゃないよね?」

穂乃果「うん。違うね。でも、書いてあるんだよね」

花陽「えっと…えっと……時の扉だよ。それはワンズの時の扉だよぉ。μ’sのユメノトビラは叩かないよぉ」

穂乃果「花陽ちゃん、物知りだね。穂乃果なんの事か全然分からないけど…」

花陽「だと思うよ。私もたまたまだよ」

穂乃果「そして、なんと言っても矢澤がセンターを務める夏色…」

花陽「ゆずかな?今度はμ’sとゆずを間違えるのかな?ゆずの夏色と間違えちゃうのかな?」

穂乃果「夏色笑顔で1,2jumpが元気いっぱいで大好きです。私は海の近くに住んでいるので毎日海を眺めながら聞いています」

花陽「そこは間違えないんだね…」

穂乃果「間違えた方が良かった?」

花陽「ううん。そんな事ないよ。嬉しいよ。知っててくれて凄く嬉しいよ」

穂乃果「そっか。じゃあ、続きを…」

花陽「ごめんね。いちいち止めちゃって」

穂乃果「私はユーズの皆さんが大好きです」

花陽「あれ?また最初から読んでるの?」

穂乃果「ううん。続きだよ 」

花陽「え?続き?続きなの?冒頭みたいになってるよ?」

穂乃果「でも、書いてあるからさ。きっと文章の構成とか気にしないタイプなんだよ」

花陽「そうなのかな?」

穂乃果「そうだと思う」

花陽「う~ん…」

穂乃果「読むよ?」

花陽「あっ、ごめんね」

穂乃果「私はユーズの皆さんが大好きです。どれくらい好きかと言うとメンバーの名前を全員言えます」

花陽「え?名前を?」

穂乃果「うん。名前をだって。驚いた?」

花陽「大ファンなんだよね?μ’sの大ファンなんだよね?」

穂乃果「らしいよ?」

花陽「だよね?だよね?大ファンなんだよね?」

穂乃果「うん」

花陽「そうだよね?」

穂乃果「なんかおかしい?」

花陽「う、ううん。大丈夫だけど…」

穂乃果「えっと…先ずはユーズのリーダー高坂穂乃果さんは私の憧れです…だって!うわぁ、なんか照れるね」

花陽「うん。凄いね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「それから、園田海未さん、南ことりさん、絢瀬絵里さん、東條希さん、矢澤にこ、星空凛さん、西木野真姫さん、小泉花陽さん」

花陽「わぁ……凄いね。本当にメンバー全員の事知ってるんだね。これは……ありがたい事だよね?うん、そうだよ。ありがたい事だよ」

穂乃果「それから…」

花陽「それから?え?それから?μ’sのメンバー全員言ったよね?」

穂乃果「ユーズの作曲を担当する松本さん」

花陽「違うよ!だから、それはB’zだよ!B’zの松本さんだよ。μ’sの作曲担当は真姫ちゃんだよ!」

穂乃果「私もいつか松本さんの様な曲を作れたらなって思います」

花陽「どうして間違えちゃうのかな?μ’sとB’zをどうして間違えちゃうのかな?」

穂乃果「イントネーション似てるからね。B’zの発音も実はμ’sと
同じ発音が正解らしいからね」

花陽「うん。それでも間違えないと思うけど」


穂乃果「ここで一つ謝らなければいけない事があります」

花陽「え?謝らなければいけない事?」

穂乃果「先程、矢澤にこの事を間違って矢澤にこと敬称を付けず呼び捨てにしていました」

花陽「それは…直せば良かったんじゃないかな?謝罪文を書かずに直せば良かったんじゃないかな?」

穂乃果「まあ…ボールペンで書いてあるからね」

花陽「じゃあ、書き足せば良かったんじゃないかな?にこちゃんの名前の後に「さん」とか「ちゃん」とか小さく書き足せば良かったんじゃないかな?」

穂乃果「そうだね。面倒くさかったのかな?」

花陽「謝罪文を書く方が大変だと思うよ?」

穂乃果「うん…まあ、穂乃果が書いた訳じゃないからなんとも言えないけど」

花陽「あと…謝罪中もずっと呼び捨てだったね…」

穂乃果「このファンレターをにこちゃんが読んだ時の光景が目に浮かぶね」

花陽「そうだね。目に浮かぶね」

穂乃果「えっと…私もいつかユーズの様な素敵なスクールアイドルになりたいです」

花陽「うん。きっとなれるよ」

穂乃果「そこで相談なのですが」

花陽「え?相談?」

穂乃果「スクールアイドルになるには高校に入学しなければいけません」

花陽「そうだね。その通りだね」

穂乃果「私は今割合の計算の仕方が理解出来なくて苦労しています。もし、このまま出来なければ高校に入学出来ないかもしれません。割合の計算はどうすれば理解出来ますか?」

花陽「ええ?相談ってそういう事?私達に勉強の事を聞くの?あれ?割合の計算って事は小学生なのかな?」

穂乃果「いや、そうとは限らないよ?穂乃果だって怪しいからね」

花陽「そ、それはまずいんじゃないかな?」

穂乃果「大丈夫だよ。それでも入学出来たんだからさ。頭の良い海未ちゃんや真姫ちゃんと学歴は一緒だよ!」

花陽「まあ、そうだね。でも、勉強はちゃんとした方が良いと思うよ?」

穂乃果「そうだね。赤点取ったら大変だからね」

花陽「………でも、差し出さ人書いてないんだよね?」

穂乃果「どうして?」

花陽「え?書いてないんでしょ?書いてないんだよね?穂乃果ちゃんそんな感じで喋ってたよね?」

穂乃果「うん。書いてないよ」

花陽「うん………だよね?じゃあ、どうやって相談に答えれば良いのかな?」

穂乃果「う~ん。まあ、情報社会だし?何とかなるよ」

花陽「いや、困るよ?情報社会だからって個人情報が簡単に何とかなったら困っちゃうよ」

穂乃果「そっか。じゃあ、頑張れって桜の下で念じようか」

花陽「え?なんだっけ?それは…なんだったっけ?」

穂乃果「え?何が?」

花陽「いや、桜の下でってやつだよ」

穂乃果「何でもないけど…それっぽい事言ってみただけだよ」

花陽「ええ?何でもないの?何かあるのかと思ったよ。どうしてそんな事言ったの?」

穂乃果「あははは…」

花陽「え?答えてくれないの?」

穂乃果「えっと…最後になりますが…」

花陽「あっ、答えてくれないんだ…」

穂乃果「これから日本には冬が来るわけで、それは寒さの厳しい日々が続くという事で、風邪を引きやすく体調管理をしっかりと行わなければいけないわけで。」

花陽「どうして急に北の国からみたいな文章になったの?」

穂乃果「ね?静岡からの手紙なのにね」

花陽「それは、穂乃果ちゃんの感だよね?」

穂乃果「とりあえず体には気をつけて下さい。だって」

花陽「最後はあっさりだね」

穂乃果「PS.この手紙を後9人に回して下さい。だって」

花陽「そんな…不幸の手紙みたいな言い方…μ’sの皆んなで見て下さいって事だよね。後9人じゃμ’sは10人いる事になっちゃうけど」

穂乃果「B’zの松本さんもいれてじゃない?」

花陽「そっか…」

穂乃果「それにしても…あれだね?このファンレターをくれた子は多分凄く天然な子だよね?」

花陽「そうだね。天然だと思うよ」

穂乃果「ね?とりあえず…にこちゃんに見せてこよう」

花陽「にこちゃんからなんだ…」

穂乃果「うん」

~数年後~

千歌「PS.寝冷えには気をつけて下さいだって」

曜「そんなドリフみたいな…」

千歌「この子きっと天然なんだよ」

曜「そうだね。だと思うよ」

千歌「じゃないと、こんな内容のファンレターを書かないよね?」

曜「うん。名前もずっと間違えてたしね。ダイヤさんは終始呼び捨てだったしね」

千歌「手紙とかを書く時はちゃんと見直しが必要だね」

曜「だね」

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