沙織「……詰まった」 (24)

ガルパンSSです
さおりんがロクな目に遭いません

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4号(ブロロロロ……)


優花里「学園艦も戻ってゴタゴタも全部片付いて……平和ですねぇ西住殿」

みほ「12月9日に何か起こりそうだけどね」

優花里「へ?」

みほ「なんでもないよ優花里さん。それより沙織さん、お店ってどの辺にあるの?」

沙織「もうそろそろだよみぽりん。あと5分くらい走れば着くと思う」

麻子「運転するのは構わないが…そのケーキ屋は戦車を停められるのか?」

華「電話したら駐車場のスペースを広く使う許可をいただけましたので、大丈夫かと。なんでも戦車道のファンだそうで」

麻子「ならいい。まったく、全部片付いたからって気が緩みすぎじゃないか沙織。これ以上食べ歩いたらさすがに太るぞ」

みほ「食べ“歩き”じゃないけどね」

優花里「冷泉殿様様です」

華「ありがたや」

沙織「麻子大好き」

麻子「や”め”ろ”」

沙織「…あ、麻子ストップ!そのお店だよ」

麻子「おおっ」ブレーキグイッ

ガガガガガ

優花里「おおっとっと…」

パカッ

華「よいしょ。ここですか…失礼ながら、見た目はこじんまりとした普通のお店ですね」

沙織「大丈夫だって。こういうお店の方がおいしいって独りで静かで豊かなグルメを楽しむおじさんから学んだし」

麻子「そのオッサンたまに店選び失敗するような」

華「まあ、とにかく参りましょう。わたくしもお腹はペコペコですので」

優花里「西住殿、わたしたちも行きましょう」ヒョイッ

みほ「あ、うん」ヒョイッ

麻子「ケーキはあるのかな」ヒラリ

沙織「えーと、お財布と…化粧ポーチと…」

麻子「おい沙織なにしてるんだ。置いてくぞ」ノゾキコミ

沙織「待ってよー麻子。今出るから」ドッコイショ


ギュチッ

沙織「え?」グイグイ

ミチチ…

麻子「…沙織?」

沙織「ん~……!」グイグイ

華「沙織さん?」

沙織「んがががが!」グイグイグイ

優花里「武部殿?」

みほ「……まさか」


沙織「……詰まった」

華「…あの、キューポラに詰まるなんてことあるのでしょうか」

麻子「普通は無いだろう。戦車ってのは大人の男も乗り込むものだし」

優花里「そうなると武部殿が普通じゃないということに」

沙織「冷静に分析してないで引っ張り出してよ!」

みほ「あ、うん。じゃあ手を握って…引っ張るね」

沙織「おねがーい」

みほ「ふんっ!」グイッ!!

沙織「いたああああ!肩が抜けるうううう!」

みほ「ああっ!ごめんなさい沙織さん!」

優花里「あれ?結構深刻な事態ですか?」

麻子「そもそもなんで詰まるんだ。沙織、戦車に乗ってるときなにかしたか?」

沙織「特になにも…」

華「あのとき沙織さんは…」

沙織『華、ポテトチップス食べる?』パリパリ

華『あ、いただきます』


沙織『ゆかりん、干し芋食べる?』

優花里『いただきますぅ』


沙織『みぽりーん、ふかしたサツマイモ食べる?』

みほ『丸ごと一本持ってきたの!?食べるけど』

みほ「食ってばっかじゃないですか。しかも芋類ばっかり」

優花里「炭水化物ダイエットの真逆を行ってますね。化物じみたカロリー摂取ですよ、炭水化物だけに」

華「座布団一枚」

麻子「つまり太って出られないと」

沙織「そんな急に太るわけないじゃない!」

華「大きなカブならぬ大きなデブですね」

沙織「華!言い方!」

優花里「本当に大きなカブしちゃいましょうか。入ることができたんですから、出ることも同じくできるはずですし」

みほ「そうだね。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね?」

沙織「みぽりん一人でも肩がすっぽ抜けかけたんだけど…」

華「まあまあ。痛いって言ったらやめますから」

沙織「歯医者の常套句じゃない…信じられないんだけど」

麻子「泣き言をいうな沙織。ランチを楽しみたくないのか?」

沙織「……楽しみたいです」

みほ「じゃあちょっとだけ我慢しようね?」ギュッ

麻子「みんな!丸太は持ったか!」ギュッ

沙織「わたしの腕が丸太みたいに言わないでよ!」

優花里「いつでも準備オーケーです!」ギュッ

華「右に同じく」ギュッ

沙織「……」ゴクリ

みほ「いきますよ!せーの」

みほ「えーんたー」グイッ!

優花里「えーんたー」グイグイ

イタアアアアアイ!

一同「「「「みっしょーん」」」」グイグイグイグイ

ヤダモオオオオオオオ!

華「はやくー」

麻子「ここに」

一同「「「「おいでー」」」」

沙織「ストップ!マジでやめて死んじゃう!そこに行けなくなっちゃう」ギリギリギリ

みほ「つーらーくーても、へいきー」グイー

沙織「やかましい!!」ブンブン

華「あらら」

麻子「それでも デブは ぬけません」

みほ「みなさーん作戦中止です」

沙織「ハァ・・・ハァ・・・いろいろ言いたいことはあるんだけど、まずあの掛け声はなによ…?普通えんやーこらさーとかじゃないの?」

みほ「えんやーとえーんたーって似てない?」

沙織「似てないよ…肩が痛すぎるんだけど…付いてる?」

優花里「バッチリ付いてますよ。まあ、気持ち長くなったような気がしますが」

麻子「よかったな。腕が長くなって損することはあまりないぞ沙織」

沙織「麻子って慰めがヘッタクソよね…」

華「うーん…引っ張るのがダメなのでしたら、横のハッチから中に入って押し上げてみてはいかがでしょうか」

沙織「えっ…。ちょ、ちょっとタンマ!!」

みほ「どうしたの沙織さん。わたしたちは大丈夫だよ詰まらないから」

沙織「そうじゃなくてその…わ、わたしスカートだし…」

華「あー…」

優花里「女同士ですしいいじゃないですか」

麻子「誰も捲ったり下ろしたり写真撮ってネットにあげたりしないから安心しろ」

沙織「そこまで言われると逆に安心できなあああい!」

麻子「ワガママ言うな」スルリ

みほ「よいしょ」シュタッ

華「あ、沙織さんの足が生えてます」ヒョイ

優花里「おっとと…うわ、なんかシュールな光景です」

沙織(下半身)「やだもー!やだもー!」バタバタ

みほ「んじゃ、始めましょう。正直かなりお腹が空いてます」

華「わたくしもです。とっとと片づけてしまいましょう」

麻子「わたしと秋山さんは右足を持つ。そっちは左足を押してくれ」

沙織「わたしの下半身が雑に扱われてるぅ…」

麻子「誤解を招くようなことを言うのはやめろ馬鹿」

みほ「じゃ、せーので押し上げますよ。せーの!」グイイイイ!

沙織「お”っ!お”う”っ!」

麻子「変な声出すな馬鹿」

優花里「今更ですがめっちゃパンツ見えてますね。グリーンのサテン生地ですか」

沙織「ちょっとお”っ!ゆかりん”っ!///」

華「衝撃が骨盤を通って変なところに逃げてるのでは」

みほ「沙織さんの女性が開発されるかもしれませんが構いません。押し続けましょう。あへあへ作戦です」

沙織「ストップううううう!!!う”っ?///」

優花里「うわ、なんか染みてます」

華「沙織さん、残念ながらわたくしはそういう趣味では…」

みほ「はぁ…一時中断です」

[外]


沙織「ごめんね…わたしのせいで苦労かけて…」

みほ「いいよ。ここまで動かないとちょっと大ごとかもしれないし…」

華「もしそうだとしたらレスキューを呼ぶとこも考えなければなりませんね」

沙織「ごめんなさい…」

優花里「沙織殿は悪くありませんよ。不幸な事故です」

みほ「大丈夫。絶対助けてあげるから…ね?」

沙織「みぽりん…!」

華(沙織さんの肩とアソコをいたぶった人間が吐く言葉でしょうか…)


麻子「……なあ沙織。一つ聞きたいことがあるんだが」

沙織「……なに?」

麻子「わたしたちは沙織がデブって肉が詰まってると仮定していたんだが」

沙織「失礼な…」

麻子「いや、なにか物が挟まってるとか、心当たりはないか?」

沙織「物?」

優花里「ああ、やっぱりその線が濃厚ですよ。大人の男性も通るキューポラに女子高生が詰まるわけありませんし」

華「そもそも戦車の中での飲み食い程度で急激に太るわけもありませんし」

みほ「わたしは最初から気づいてたけどね」

沙織「こいつらっ…」

麻子「…沙織、出てくるの少し遅かったな?」

沙織「え、うん。ちょっと持ち物を…お財布とー、あと…」

麻子「化粧ポーチ」

沙織「うん。あっ」

優花里「…武部殿、化粧ポーチってどこに着けてますか?」

沙織「…腰に巻いてます」

華「キューポラの中に腕は入りますか?」

沙織「大丈夫です。入りました。あ、化粧ポーチに触りましためっちゃ引っかかってます。布がはまり込んだファスナーみたい。やだもー」

一同「…………」

沙織「ごめん」

…………

化粧ポーチ「ぐえー」グチャア

沙織「やだもー、高かったのに…」

みほ「化粧ポーチめっちゃパンッパンだね…」

沙織「女の子は自分を磨く努力を何処であろうと怠るわけにはいかないの!」

麻子「女の子は戦車にハマってケツを出しながら暴れたり喘いだりしない」

沙織「はい…」

華「まあ、その辺にしてお食事にいたしましょう」

優花里「ケーキもあるらしいですよ冷泉殿」

麻子「おぉー…」スタスタ

みほ「運動したらお腹すいたしね」スタスタ

沙織「あ、待ってよー」タタッ

…………

アリガトウゴザイマシター

沙織「…んー!おいしかった!大当たりだよこのお店!」

優花里「本当でしたね。ついおかわりしてしまいましたよ」

華「料理はもちろんのこと、お米にすら妥協しない姿勢…感服いたしました」

麻子「だからっておひつまるごと食うか普通…」

みほ「『これぞおひつ茶漬けです!』とか言い出したときはそのアンテナ毛に脳みその栄養全部吸われたのかと思ったよ…」

麻子「さて…帰りにどこか寄りたいところはある?」

みほ「あ、じゃあボコミュージアム」

優花里「またですか…西住殿が喜んでくれるならわたしはいいんですけど…」

華「確か島田流の方が出資して綺麗になったんですよね?」

優花里「そうなんですか?じゃあちょっと見てみたいかもです」

みほ「んー…慈善事業ではないから商売のことを考えると建物が綺麗な方が初心者にはとっつきやすくていいかもしれないけど、やっぱりボコのミュージアムなんだから建物もボコボコな感じの意匠にするべきだったとわたしは個人的には思ってるかな。決して批判したいわけではなくて、あくまでいちファンとしてのわたしの個人的な意見を述べたただそれだけなんだけど」

優花里「めんどくせえオタクモードに入っちゃいました…」

華「みほさん、ボコの話になると気持ち悪…アツくなりますよね」

みほ「だから~(ブツブツ ねえ沙織さんは新ミュージアムについてどう思う?」

シーン

みほ「沙織さん?」

優花里「……キューポラから生えているむちむちの尻と太ももがそうでしょうか」

華「まさか…」

麻子「おい…」










沙織「……詰まった」

終わり

終わり!閉廷!

>>2
修正

麻子「運転するのは構わないが…そのケーキ屋は戦車を停められるのか?」→麻子「運転するのは構わないが…その店は戦車を停められるのか?」

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