八幡「君を殺してしまった今日でさえも」 (24)

・俺ガイルSS
・とある曲を基にしたSSです
・少し鬱展開あり


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八幡「なあ、最近体がおかしいんだ」
 
雪乃「あら、おかしいのは体じゃなくて頭じゃないかしら」
 
八幡「由比ヶ浜と一緒にすんなよ...」
 
結衣「ヒッキー!それどう言うこと?!」
 
雪乃「それでどうしたの?」
 
八幡「ああ、寝て起きたら物が散らかっていたり、部屋が荒れてたりするんだ そして記憶は一切ない」
 
雪乃「...そう それは夢遊病かも知れないわね」
 
結衣「夢遊病?」
 
雪乃「ええ、寝てる間に体は動いているのを一切覚えていない と言った病気よ」
 
八幡「マジか...」
 
雪乃「睡眠はきちんと取った方がいいわ」
 
八幡「ああ」
 
雪乃「...そろそろね」
 
八幡「何か言ったか?」
 
雪乃「何でもないわ」

その話の後も謎の現象は起こっていった
それに寝ている時の自分が段々凶暴化していくのを実感してきている
 
八幡「クソっ、俺は一体」
 
雪乃「比企谷君」
 
八幡「うおっ!お前いたのかよ...脅かさないでくれ」
 
雪乃「どうやら私の言った通り夢遊病だったみたいね」
 
八幡「ああ...どうやったら治るのか検討も付かん」
 
雪乃「それならこれをあげるわ」
 
八幡「薬?」
 
雪乃「ええ、それを飲んだらぐっすり眠れてきっと夢遊病も治まるわ」
 
八幡「そうか、サンキューな 雪ノ下」
 
雪乃「...ええ、ふふっ」
 
八幡「?」

その日の夜家で雪ノ下に貰った薬を飲んだ
軽い睡眠薬のようですぐ眠りに就いてしまった
 
八幡「...」
 
雪乃「しっかり寝てるわね、比企谷君」
 
雪乃「あなたには悪いけど夢遊病である事を利用して私を殺してもらうわ」
 
雪乃「きっと貴方は意識も無く私の死体を遺棄するのだから大丈夫よ」
 
雪乃「それとこの事はノートにでも書いておくから見ておいてね」
 
雪乃「私はもうこの世界に疲れてしまったの、だから最後は大好きな貴方が手を掛けて欲しいの」
 
雪乃「さようなら、そしてありがとう 比企谷君」

八幡「うーん...」
 
八幡「やべぇもう朝か それにしても本当に眠れたな...ん?なんだこのノート」
 
そこにはとてつもない事が書いてあった
雪ノ下が俺が夢遊病であることを利用したこと
俺が結果的に雪ノ下を殺したこと
遺体は意識がないうちに遺棄したこと
そして...俺へ好意を抱いてたことが
 
八幡「嘘だろ...これ 俺が雪ノ下を?」
 
とても信じられない俺は真相を確かめるため学校へ急いだ
 
八幡「いない...朝一番にいつも登校している雪ノ下がどこにも」

結局ホームルームが始まるまで雪ノ下を見つけることは出来なかった
そして、平塚先生から残酷な宣告が下された

 
 

平塚「今日登校していない雪ノ下だが...残念ながら何者かに絞殺され亡くなった」
 
それが告げられた瞬間俺は絶望した
俺が雪ノ下を殺してしまったのだと
そして当然のことながらクラスメイト達は酷く混乱していた
 
平塚「私だって悲しい...だが、彼女のためにも君達には普通の学校生活を送って欲しい」
 
そう言い残し平塚先生は教室を後にした
教室がまだざわついてる中俺は決心した
平塚先生と由比ヶ浜にはすべてを話さなければならないと言う事を

平塚「それで話というのは何だね?比企谷」

結衣「ヒッキー...」
 
八幡「まずはこのノートを見て欲しいんです」
 
俺はすべてが書かれているそのノートを見せた
二人ともとても驚いているようだった
 
平塚「本当なのか...これは」
 
八幡「俺に記憶はありませんが...間違いありません」
 
結衣「これ...ゆきのんの字だよ って事は本当に...」
 
八幡「ああ、お前の親友を俺は殺してしまったんだ...」
 
平塚「...比企谷勇気ある行動ありがとう だが、私はお前を責める気は無い」
 
八幡「何故ですか!」

平塚「まずお前がやったという証拠がないだろう」
 
結衣「そっ、そうだよ!ヒッキーがやったかなんて...」
 
八幡「確かに俺は記憶が無く雪ノ下を殺した確証もない でも、雪ノ下が遺したノートが全てを物語っているんだ」
 
結衣「だけどっ!だけど...」
 
八幡「もういいんだ由比ヶ浜 俺は人を殺してしまったクズだ だから俺にもう話しかけたらダメだからな じゃあな」
 
結衣「ヒッキー...」
 
平塚「比企谷...」
 
俺はその日真っ直ぐに家に帰った
そしてもう誰も殺さないようずっと眠っていたい そう思った

家に帰って眠りに就こうとしたが雪ノ下から貰った薬を使っても一向に眠れない
それどころか語りかけて来るように脳内に雪ノ下の声が木霊してくる
 
雪乃「ありがとう比企谷君」

雪乃「あなたは何一つ悪くないのよ」
 
雪乃「私はあなたを愛しているわ」
 
雪乃「だからそんなに気にしないで」
 
そんな言葉がいつまで経っても俺に纏わり付いて来る
そして、それは朝まで続いた
 
小町「おはようお兄ちゃん...って今日も元気無いよ?大丈夫?」
 
八幡「ああ...俺は大丈夫だ」

小町に心配をかけさせまいと思い俺はいつも通りに振舞おうと努力した
そして、今日も行きたくない学校へ向かった

案の定今日も雪ノ下が殺された話題で教室内はざわついていたが俺の話は一切出てこなかった
平塚先生や由比ヶ浜が誰かに言いふらすとは思い難いから当然と言えば当然だったが腑に落ちない事もあった
 
八幡「本当にこのままでいいのか?...」
 
もう一人じゃ考えが纏まる気がしなかった
そして俺は由比ヶ浜に相談すると言う苦肉の策を選んだ
 
八幡「悪いな由比ヶ浜 また呼んで」
 
結衣「ううん、大丈夫!それでヒッキー話って?」
 
八幡「ああ 俺がした事をお前や平塚先生以外にも話そうと思って」
 
結衣「...ダメだよそんな事」
 
結衣「そんな事したらヒッキーは悪者になっちゃう!」

八幡「ああ、でも仕方ないんだ俺が雪ノ下を殺した現実は変えられないんだからな」
 
結衣「でも、どうしてわざわざそれを言う必要があるの?!」
 
八幡「それは...」
 
どうしてだろう
俺が真実を話そうとしたのは
俺のした罪も変わらないしほかの人に話したところで何が変わるわけでもない
ならどうして俺は...
 
結衣「言っちゃ悪いけどさヒッキーは合理化しようとしてるんだと思う...」
 
八幡「合理化だと?」
 
結衣「ゆきのんがヒッキーに殺してくれって頼んだ事を言うことで罪を認めたくないだけなんでしょ?」
 
八幡「...」
確かにその通りだった
非難されることも我慢していたが少なくとも戸塚や材木座など仲がいい者は同情してくれるだろう そう思っていたんだ
やっぱりつくづく俺ってクズなんだな
 
八幡「...悪い由比ヶ浜 その通りだ」

結衣「うん...だからそんなに背負わないでね?」
 
八幡「...おう」
 
やはり由比ヶ浜はいい奴だ
さっきは冷たい声で怒ってはいたが俺を想ってのことだろう
でも、俺のするべき事なんて一つしかなかった
 
八幡「...雪ノ下」
 
俺は放課後になると屋上へ向かった
もちろん、雪ノ下を追うために
 
八幡「雪ノ下ごめんな、お前は俺が死んだら怒るだろう でも、お前と会いたいんだ...だから...」
 
結衣「...ヒッキー?」
 
八幡「?!」
 

結衣「ねえ、屋上なんかに来て何しようとしてたの?」
 
八幡「関係無いだろ、放っといてくれ」
 
結衣「嫌だ!ヒッキーも死んじゃうなんてダメだよ!」
 
八幡「これは死ぬまで解けない呪いなんだ だから俺が死ねば全て終わるんだよ だから、頼む 由比ヶ浜」
 
結衣「ヒッキーは死んじゃ行けない人間なんだよ!だから死んじゃ...」
 
八幡「俺は人を殺したんだぞ!お前と仲がいい葉山や三浦、下手したらお前まで殺してしまうかもしれないんだ!」
 
結衣「ひっ!」
 
八幡「...悪い、取り乱した」

結衣「それでも、それでも大切な人が死んじゃうのは嫌だよ...」
 
八幡「...俺はクズなんだ だから、許してくれこんな人間が逃げを選択することを」

そう言うとヒッキーは屋上の淵へと歩いて行く 
結衣「ダメだよ!やめてヒッキー!」
 
八幡「お前は死んじゃダメだぞ じゃあな、結衣...」
 
結衣「えっ...」

その瞬間ヒッキーは真っ逆さまに落ちていった...
 
結衣「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

~事件から10年後~
 
あの後ゆきのんに続きヒッキーが死んだ事により学校は騒然とした
大切な2人を失った私だけど死なずに今を生きている
ヒッキーがそれを望んだのだから
 
そして、私は
 
結衣「皆さん、夢遊病は恐ろしい病気です だからこそ治していく努力をしましょう!」
 
学者達「はい!」
 
私は夢遊病を詳しく調べるため猛勉強し大学へ入った
そして、今は学者として働いている
 
結衣「ヒッキーの願い通り私は死ななかったよ だから、安心してね それと、天国でゆきのんと仲良くね 大好きだったよ」

結衣「ヒッキー」
 
END

以上です
個人的に凄く大好きな曲が八幡に合うと思って書かせていただきました
その曲の題名をここでは言えませんが調べていただけたら幸いです
それではHTML化依頼してきます

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