千早「ドラバラ」 (19)
『この日、都内某所にて、765プロによる記者会見が行われた。会見の内容は、765プロ主導での新番組開始を発表する、というもの。
だがこの時、アイドル達は番組の内容も、企画コンセプトも、何も知らされていなかったのである』
春香「おはようございまーす」
千早「おはようございます」
響「はいさーい」
律子「おはよう。これで全員揃ったわね。じゃ、正装に着替えてちょうだい」
伊織「正装ね‥‥ねえ。ここまできっちりした会見なのに、私達、未だに何も知らされてないんだけど」
雪歩「たしかに‥‥私達、何を話せばいいんですか?」
律子「大丈夫よ。基本的には私や社長が話すから、あなた達は、もし質問されたら、それに答えてくれればいいわ」
真「なんか不安だなあ‥‥律子、何か企んでる?」
P「いいからいいから。大丈夫大丈夫。早く着替えてきてくれ。会見が始まるぞ」
美希「あ、今ので、ひとっかけらも安心できなくなったの」
『こうして、半ば強引に会見の席へ放り出されるアイドル達。そして、いよいよ事の真相が明らかになる』
社長「えー‥‥まずは、本日こうしてお集まりくださった皆様に、感謝とお礼を差し上げたいと思います。早速ですが、我々は今回、新たな番組を作成させて頂く運びとなりました。今回のプロジェクトに、社運を賭けている‥‥そう言っても過言ではないかも知れない、大きな挑戦です」
パシャ パシャ パシャ
社長「あまり皆様を焦らしても、仕方がありませんね。それでは発表します。新番組の内容‥‥それは!」グイッ
垂れ幕「ドラマとバラエティの融合」
社長「765プロ所属アイドルによる本格ドラマ。そして、その裏側をお見せする番組。これが、新番組の柱となっています」
パシャパシャ パシャ
社長「更に、番組1本目の企画はもう既に決まっています。脚本も、秋月律子プロデューサーの手により、8割方完成しています」
記者「その内容は、本日発表されるのでしょうか!」
社長「勿論です。記念すべき1作目は、特撮ヒーロー物‥‥仮面アイドルです!」
パシャパシャパシャパシャ
社長「皆様に、極上のエンターテイメントをお届け出来るよう、765プロ一同、全力で取り組んで参ります」ペコッ
律子「よろしくお願いします」ペコッ
アイドル「」ポカーン
律子「‥‥ではこれより、質疑に入らせていただきます。‥‥では、そちらの方」
記者「アイドルスクランブルです。えー、今回、如月さんは主演での参加という事ですが」
千早「え!?」
記者「何か、意気込みをお願いできますか?」
千早「え、え、えー‥‥その‥‥わ、私自身、こういうお仕事には非常に興味を持っていましたから‥‥念願が叶って、非常に嬉しく思っています。全力で取り組みたいと思います」
記者「ありがとうございました」
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律子「では、次の方」
記者「はい。週刊バンダイです。我那覇さんは今回、琉球空手でのアクションに挑戦という事で‥‥」
響「空手!?」
記者「最終的な目標などを聞かせて頂ければ」
響「あ、はい‥‥あーと‥‥えー‥‥か、瓦を10枚‥‥ほど」
記者「くふっw‥‥あ、ああ失礼。ありがとうございました」
記者「週刊マスターズです。星井さんは今回、作詞作曲に初挑戦という事で、主題歌を担当なさるそうですね」
美希「さ、作詞?‥‥主題歌!?」
記者「さわりの部分だけでもいいので、お聞かせ頂けると」
美希「えーとえーとえーと‥‥ちょっと待ってちょっと待って‥‥か、かめーんアイドルやってくるー‥‥ぼ、僕らの‥‥僕らに夢をー運ぶためー‥‥」
春香「ひふっ‥‥!」
美希「‥‥‥‥」ジロッ
記者「あ、ありがとうございます」
記者「この番組ではスタント無しでの、生身でのアクションシーンが目玉という事で‥‥高所からの落下等もあるようですね」
アイドル「!?」
記者「今回、悪役が相当な憎まれ役で‥‥ファンを減らす可能性もあるとの事ですが、よく決断なさいましたね」
アイドル「!?!?!?」
記者「あっ、その表情いいですね! 1枚、撮らせてください!」
社長「それでは、そろそろ会見を終了したいと思います。本日は、ありがとうございました」
『こうして、アイドル達は呆気にとられたまま、この日の会見は終了した。
続いて、撮影開始時点でのアイドル達の様子をご覧頂こう』
【配役発表&台本読み合わせ】
律子「えーでは、配役を伝えていきます。まずは、主役の仮面アイドル役‥‥如月千早」
千早「はい」
律子「そして、相棒の仮面アイドル2号は‥‥菊地真」
春香「おー」
真「はい! 頑張ります!」
律子「続いて、仮面アイドルのよき理解者、国際秘密警察、我那覇響」
響「はいっ!」
律子「主人公の親友と、悪の組織の幹部役、天海春香」
春香「2役ですか!?」
律子「まあ、その辺は後で‥‥ここからは悪役の発表よ。設定はこれから煮詰めていくけど、とりあえず幹部怪人は、美希と‥‥うう‥‥」
美希「あはっ! なんだか強そうなの! あれ? 律子、さん。どうしたの?」
律子「美希と、私‥‥」
伊織「あら、律子も出るのね」
小鳥「ファンから、メールや手紙がたくさん届いたのよ。りっちゃんも出るんですよね! って」
律子「うう‥‥こんな事になるなら、ノリノリで企画するんじゃなかったわ‥‥」
亜美「あ、罰が当たったんだね」
律子「こほん‥‥それと、ゲストを予定しているわ」
雪歩「ゲスト、ですか?」
律子「ええ。その内オーディションやるから、詳しくはその頃に。で、残りの子達は1話1話出てくる、一般怪人ね」
真美「なんか、出番少なそうだねー」
律子「確かにメインとしての出番は少ないけど、その他の回でも、通行人役や観衆役、怪人に狙われる役なんかで、何度も登場するわよ」
あずさ「あら、春香ちゃんだけじゃなくて、私達も他の役を兼ねるんですか?」
律子「せっかくアイドル総出演なんだし、他の役者さんに出番を回すんじゃ、勿体無いでしょう?」
貴音「なるほど。演じ分けが重要になってきそうですね」
律子「基本的にはこんな感じね。細かい部分は修正するかも知れないけど。あ、そうだ」
春香「どうしたんですか?」
律子「実は、主役の仮面アイドル2人の衣装は、もう上がってるのよ」
千早「早いわね」
律子「モチベーションを上げるために、披露してみる?」
真「うん! へへっ、楽しみだなー」
律子「じゃあ、2人は着替えてきてちょうだい」
スタッフ「主役のお2人、入りまーす」
真「とうっ!」ピョン
千早「仮面‥‥アイドル!」キーン
響「あっはっはっはっは! ‥‥あーっはっはっはっはっはっは!wwww」
春香「な、なんで!? どうしてこうなっ‥‥あははは!www」
伊織「か、仮面アイドル‥‥仮面! アイドルよね? 顔面丸出しじゃないの!」
律子「いくら特撮だって言っても、せっかくアイドルが出るのに顔を隠したら勿体無いじゃない? それで‥‥ふふっ!」
伊織「笑ってんじゃないのよ!」
律子「そ、それで‥‥何かいい方法はないかと思ってたら、過去のバラエティ番組に、いい感じのアイデアがあって」
小鳥「仮面ライダーパロディの元祖、と言える作品を思い出して、それを参考にしたのよ」
伊織「だ、だからってこれは‥‥」チラッ
千早真「‥‥‥‥」ジーッ
伊織「‥‥くひっ! 見ないで! こっち見ないでよ!www」
律子「‥‥そ、それじゃあ、台本の読みを始めましょうか」
千早「はい」
真「お願いしまーす」
響「ちょちょちょ、ちょっと待った! そのままで!?」
真「え? そのままで、って?」
響「そのままここに居座るつもりかって聞いてるんさ! もう、完全にふざけてるとしか‥‥」
千早真「‥‥‥‥」ジーッ
響「‥‥ふはっ!www」
『すっかり開き直っている主役の2人。この後、更なる暴走が始まる』
千早「待ちなさい! この私がいる限り、そんな事は許さないわ!」
美希「またお邪魔虫が現れたの! これ以上邪魔しないでって思‥‥ぶーっ!」
春香「美希? どうし‥‥ちょっとぉー!www」
千早「どうしたの?」チョコン
伊織「ちゃんと被りなさいよー! なんで頭に乗っけてんのよ!」
千早「ああ、ごめんなさい。少し暑くて」スポッ
美希「‥‥これ以上邪魔しないでって思うな! 行くの! 怪人、ユキホアリジゴク!」
雪歩「チチューン! 仮面アイドル! 今からあなたの墓穴を掘ってえっへ!」
千早真「‥‥‥‥」ジーッ
雪歩「けほっけほっ! み、見ないでよう!」
真「見ないでよってなんだよー。一所懸命に読んでるから、頑張ってるなーって思って」スポッ チョコン
雪歩「やめ‥‥ちょ、ほんとに‥‥えふっ! ふふ、ふふふふ‥‥!」
伊織「律子ぉー! こいつら、なんとかしてちょうだいよ!」
律子「2人とも、もっと真剣にやりなさい。いつまでもふざけてないで」
千早「真剣? 真剣!? こんなの被せておいて、真剣にやりなさいって言ったの!?」
真「1番ふざけてるでしょ、これが! こ・れ・が!」ペシペシ
律子「くふっ‥‥w」
千早「控え室行ったら、いきなりこんな物渡されてよ? 文句言っても、まあ聞いてもらえなくて」
真「それで仕方なく着て戻ったら、案の定バカにされてだよ。顔面丸出しじゃないの、だって。そんなの僕らが一番わかってるんだよ!」
律子「くくっ‥‥わか、わかったから‥‥w」
千早「で、何? ちょっとふざけたら、真面目にやれ真面目にやれ‥‥挙句の果てには、こっち見るなですって? おかしいんじゃないの」
真「こんなもん被って、雰囲気壊さない人間がいたら連れてきてよ。世界にひとっりもいないから。何? みんなの視界に入らないように、机の下にでも潜ってればいいっての? 冗談じゃないよ。こっちだってね、好きでこんなもん被ってんじゃないんだよ」ポイッ
律子「ああっ!w」
千早「春香」
春香「な、何?」
千早「代わりなさいよ」
春香「え? な、何が‥‥?www」
千早「役、代わりなさいよ。主役やっていいわよ」
春香「や、それは‥‥www」
真「美希、代わってよ。目立つよー。仮面アイドル」
美希「えっ!? ‥‥いや、ミキは今の役で‥‥www」
千早「なんでよ。代わりなさいよ」
美希「そ、その衣装は、千早さんと真君のために用意してもらった物だし‥‥ミキ達には似合わないと思うの‥‥ね?」
春香「う、うん。ほら、サイズとか‥‥」
真「はあ? はあー!? 千早、今の聞いた? 聞きました?」
千早「何? これだけの仕打ちでも飽き足らず、何? 胸の件まで持ち出すつもり?」
春香「いやいやいやいや!www」
美希「言ってない! そんなの、ひとっことも言ってないの!」
真「‥‥まあね、いいけどさ。僕らも仕事だし、グチグチ文句ばっか言わないけどさ。でも、これだけは皆に言っとくよ」
春香「な、何‥‥?w」
千早「覚えときなさいよ」
一同「wwwwww」
『こうして、仮面アイドルは波乱の幕開けとなったのである』
【天才作曲家、星井美希】
『記者会見でも発表された通り、仮面アイドルの主題歌は星井に一任された。
ここでご理解頂きたいのが、スケジュールの都合上、時間的猶予はあまり残されていない事。編集や調整の事を考えると、放送開始の1週間前には完成していなければ、非常に厳しいのである。
だが、星井は締め切り3日前になっても、まだ原型すら考えていなかったのである。
そんな彼女の奮戦をご覧頂こう』
美希「あー‥‥」
春香「おはよー。‥‥美希、何してるの?」
美希「おはよー‥‥見ての通り、この世の地獄を体験してるの」
春香「え?‥‥あ、ひょっとして、昨日から帰ってないの?」
美希「うん‥‥もー‥‥こんな事してても、出ないものは出ないの」
春香「いつまでだっけ」
美希「3日後‥‥大体さ、3日で歌なんて作れるわけないの! おかしいって思うな!」
スタッフ「‥‥あの、曲を作ってもらえるように頼んだの、3ヶ月前ですよね?」
美希「‥‥あー! もう! やめた! 寝るの!」
春香「み、美希‥‥」
スタッフ「星井さん。間に合うんですか?」
美希「徹夜なんてしても、いい曲は浮かばないの! 仮眠を取って、頭をリフレッシュさせた方が、絶対効率いいって思うな」
春香「まあ確かに‥‥一理あるかも」
美希「それじゃミキ、1回帰るね。次来る時は、原型なんて言わずに、完璧な主題歌を作ってくるの!」
『結局この日は、そのまま帰ってしまった星井。そして2日後』
春香「おはようございまーす。あ、美希、おはよ‥‥美希?」
美希「あー‥‥ああああー‥‥」
スタッフ「‥‥‥‥」
美希「‥‥いやね、曲はもう、色々思い付いてるんだよ? ただまあ、それが採用になるかって言うと‥‥」
スタッフ「‥‥わかりました。先ほどスタジオに確認したところ、最低限4日前に仕上げてもらえば、何とかなるそうです。それまでに‥‥」
美希「4日後って事は‥‥ひぃふぃみ‥‥間に合うかな~。もうさ、諦めちゃうって手もあると思うの」
スタッフ「」イラッ
春香「そ、そんな事言わないでさ‥‥」
スタッフ「‥‥‥‥」ポパピプペ
美希「‥‥?」
スタッフ「‥‥あ、秋月さんですか? どうも、お世話になってます。実はですね‥‥」
美希「え!?」
『ここで説明しておこう。この世で星井の最も恐れる人物。その人物こそ、765プロのプロデューサー、秋月律子なのである。社会のルールやモラルに人一倍厳しく、星井の天敵とも言える存在の秋月。スタッフは、ついに禁断の手を使ったのだ』
スタッフ「はい。それで、まあ‥‥このままではですね‥‥はい」
美希「ちょちょちょちょ! ちょっと待って!」
スタッフ「はい。はい。‥‥いえ、それは‥‥はい」
美希「あああああ‥‥あーあーあーわー‥‥」ゴロンゴロン
春香「壊れた‥‥」
スタッフ「はい。それでは、失礼します。はい、どうもー」ピッ
美希「‥‥‥‥」
スタッフ「星井さん」
美希「はい」
スタッフ「今から、秋月さんの言葉を、そのまま伝えますね」
美希「はい」
スタッフ「締め切りに間に合わせれば、今回の事は大目に見る。ただし間に合わなくて、これ以上周りの方に迷惑をかけるなら‥‥いいですか? そっくりそのまま言いますよ?」
美希「‥‥はい」
スタッフ「‥‥覚悟しておきなさい」
美希「わーーーっ!‥‥わーーーーーっ!」
スタッフ「以上です」
美希「それもう‥‥世間一般でいう、死刑宣告なの。あー‥‥」
スタッフ「頑張ってください」
美希「あうあー‥‥ミキもう、虫になりたい。小さい虫になって、ここから逃げ出したいの‥‥」
春香「あはは‥‥」
美希「‥‥おしりかじりむしー、おしりかじりむしー‥‥」
春香「wwwww」
美希「‥‥あ」
春香「美希?」
美希「‥‥ナムコナムコプロー、ナムコナムコプロー」
春香「ふふっ!w」
美希「‥‥これじゃダメかな」
スタッフ「‥‥いいって言うと思います?www」
美希「んふっw‥‥あー、もー!」
春香「何か甘い物でも、ちょくちょく差し入れてあげるから。頑張ろう? ね?」
美希「うう‥‥地獄に仏とはこの事なの‥‥ミキ、今なら春香と入籍できるの」
春香「動機が軽いよ」
『その後、星井は凄まじい追い込みを見せ、締め切りギリギリで曲が完成した。その出来栄えは次週、ご自身でお確かめ頂きたい』
今書いてる、スーパーシリアスハートフルストーリー(笑)なSSに、どうしても頭の悪い文章を入れたくなるんで、ガス抜き
元ネタの番組では、本編→メイキングの構成だけど、ドラマの内容を考えるのが面倒すぎるし能力的にも無理ゲーなので、メイキングメインで、合間に本編の内容を断片的に挟む形で進行
元の番組のシーンを拾ったり、他の元ネタから拾って流用したり、それっぽい会話を自分で考えたりで進める上、これといった盛り上がりも特に無し
基本的にはアイドルがしょうもない目に遭うだけです
元ネタは「ドラバラ鈴井の巣」かな?
『さて、765プロアイドルによる特撮ドラマ、仮面アイドル。今夜はその第1話をお送りした。
次はその裏側から、秘蔵のメイキングをご覧頂こう』
【変身! 改造人間!】
『第1話の見所は、なんと言っても主人公、仮面アイドルの登場。そして敵組織、ナムコプロの送り込んだ怪人の登場である』
千早「‥‥やるしかない。私にしか出来ないと言うのならば、例え人の体を捨ててでも‥‥」
コウモイオリ「キキーッ! ま、まさか!」
千早「らー‥‥らー、らー‥‥らーーーーー!」
「改造人間、如月千早の強靭な喉から放たれる声が500デシベルを超えた時、全身に埋め込まれた回路が共鳴し、仮面アイドルへと変身するのだ!」
コウモイオリ「そ、その姿は!」
仮面アイドル「仮面‥‥アイドル!」チャキーン
コウモイオリ「キ、キーッ! 変身したところで、この私に敵うものですか! 大人しくあの世へ行きなさい!」
仮面アイドル「‥‥とう!」
コウモイオリ「た、高い!」
仮面アイドル「アイドル、キーーック!」ドカッ
コウモイオリ「キーーーッ!」ゴロゴロゴロ
仮面アイドル「‥‥‥‥」
コウモイオリ「キ、キ‥‥キ‥‥キキーーーーッ!」バタッ ドカーン
『この裏側には、変身後の姿に対する、様々なドラマがあった』
千早「らー、らー、らー‥‥今日は調子がよさそうね」
あずさ「千早ちゃんの役は、声で変身するんですってね」
千早「はい。設定上では、500デシベルの大音量を出しているそうです」
亜美「それって、どのくらいなの?」
千早「なんでも、ジェット機の音が大体140とかだそうよ」
響「むちゃくちゃだな」
真「さすが改造人間」
スタッフ「水瀬さん、怪人姿の準備完了でーす」
伊織「‥‥‥‥」
真「あははははははは!」
亜美「こっわ! いおりん、こっわ!」
あずさ「や、やっぱり顔は出てるのね」
伊織「‥‥千早、真」
千早「何?」
伊織「あなた達の気持ちが、今になってようやくわかったわ」
真「そう‥‥わかってくれて、嬉しいよ」
スタッフ「如月さん、準備お願いします」
千早「あ、はい。‥‥じゃあ、私も変身してくるわ」
千早「‥‥‥‥」チャキーン
伊織「‥‥‥‥」バッサバッサ
響「あははははは! あは、あははは! コントだコント!」
真「な、並ぶと、余計つらいものがあるね」
スタッフ「そろそろ撮影開始です。お願いしまーす」
千早「‥‥行ってくるわね」
伊織「響、覚えときなさいよ」
真「‥‥あの後ろ姿」
あずさ「アイドルとは思えない哀愁が漂ってるわねぇ‥‥」
【謎の女、我那覇響】
『一方こちらは、ただ1人変身後の姿が無い、お気楽な女、我那覇。本編ではまだ目立った活躍を見せていないが、演出を巡ってこんなやり取りがあった。まずは、実際に使用されたシーンをご覧頂こう』
響「慌てないで欲しいぞ。自分は敵じゃない」
千早「それなら、あなたは一体‥‥」
響「国際秘密警察、RYUKYUの捜査員‥‥我那覇響」キリッ
春香「秘密警察‥‥」
『と、至って普通のシーン。ところが‥‥』
監督「3,2,1、キュー」
響「慌てなさんな‥‥へへっ。自分はぁ、敵じゃあ、ない」
千早「‥‥それなら、あなたは一体‥‥」
響「国際秘密警察! RYUKYUの捜査員!‥‥我那覇響だぁ!」クワッ
春香「秘密警さ‥‥くふ! ちょ、ちょっとすみません! すみません! 1回止めてもらえますか!」
監督「我那覇さん。我那覇さん、ちょ、ちょっといいですか」
響「はい?」
監督「あの‥‥セリフ回し、そんなでしたっけ?www」
響「セリフ回し?‥‥あ、ちょっと動きが小さかったとか」
千早「いやいやいや。逆よ逆」
春香「ていうか、セリフ自体ちょっと変えてるよね?」
響「あー‥‥いや、ちょっとキャラが弱いかなと思って、アレンジしてみたぞ」
春香「アレンジしすぎだよ。もう、別の人じゃん」
監督「もう少しこう大人の女性‥‥イメージとしては、ルパンに出てくる、峰不二子。これで行ってみましょう」
響「はい」
監督「では本番! 3,2,1‥‥」
響「慌てないでよん。あたし、あなた達の敵じゃないわん」
監督「wwwwwww」
千早「ちょ‥‥もう! いい加減になさいよ!www」ドンッ
響「痛っwwww」
春香「誰も、モノマネしろとは言ってないから! イメージだって言われたよね!www」
響「え、違うの? 難しい事言うなあ」
監督「なんって言えばわかってもらえるかな‥‥口調はそのままで、滲み出る雰囲気だけ不二子ちゃん。これ行ってみましょう」
響「はい」
監督「3,2,1」
響「慌てないで欲しいぞ。自分は‥‥敵じゃない」クネッ
千早「そ‥‥それなら、あなたは一体‥‥w」
響「国際秘密警察、RYUKYUの捜査員‥‥我那覇響」クネッ
春香「ひみ‥‥もー! ちゃんとやってってばー!www」
監督「カットカットカットwww」
『結局この後、再度やり直して、あっさりOK』
響「ま、やれば出来るんだけどね」
千早「最初からやりなさいよ!」
春香「はー、変なとこで疲れた‥‥」
『隙あらば前に前に出ようとするアイドル達の演技に、これからも注目して頂きたい』
>>9
そう。基本的には、飽きるか何も思い付かなくなるまで、延々こんなのが続いていく予定
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