【ドラえもん】三次元レコードプレイヤーで音楽を聴こう (20)

ドラえもんssです

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骨川邸

スネ夫「いやぁ、ようやく手に入ったんだよ。コルトレーンの『ブルートレイン』のオリジナルモノ盤」

スネ夫「ジャケの発色も綺麗だし、何より重みが違うね」

のび太「へー、こんなボロっちいのが欲しかったの?」

スネ夫「ばっちい手で触るなよ!これ八万五千円したんだからな」

のびジャイしず「「「は、八万五千円!?」」」

しずか「でもそれだけの価値があるってことは、やっぱりCDや他のものとは違いがあるんでしょう?」

スネ夫「流石しずちゃん、お目が高い。ブルーノートのオリジナル盤は後から復刻したのと比べると音の響きも迫力も全然違うんだよ」

ジャイアン「ホー、ヘェー、フゥーン...」

スネ夫「やっぱりレコードはその時に作ったものを聴くのが一番なんだよな、僕みたいな本当に芸術をわかる人間にだけたどり着く境地さ」

のび太「ファ~ァ...」

スネ夫「父さんが著名なジャズ評論家マイケル・ガスバーナの知り合いでね、貴重なレコードの情報が入るとすぐに教えてくれるんだ。これを機会に諸君にも僕の誇るLPコレクションの一部を我が家自慢のオーディオ装置でお聴かせしようと思ったわけ」

のび太「いちおう聞くけど、僕には聴かせてくれるのかい?レコードが3人用ってことはないだろ?」

スネ夫「残念だなぁのび太。聴かせてやりたいのは山々なんだが...」

~~

野比邸

のび太「リスニングルームが狭くて3人までしか入れないんだって」

のび太「別にいいさ、どうせオンボロのジャズなんて聴いてもよくわからないし」

[たぬき]「また例のごとくのけものにされたわけか。負け惜しみもいいところだね」

のび太「言ってくれるなぁ。ところで22世紀だと、もうレコードって廃れてるんだろ?もっと新しいハイテクな奴で聴いてたりするわけ?」ゴロン

[たぬき]「いやそれがね、向こうでも最近レコード集めがブームになっているんだよ!」

のび太「えぇ、そうなの?!」バサッ

ドラえもん「パソコンやウォークマンで音楽を聴くのが味気ないってんで、歌謡曲とかジャズとかロックとか、新しくレコードを作るところもどんどん出てきているんだ。古いレコードは100万円で売られてたりもするし」

ドラえもん「あのジャケットといい、円盤といい、ちゃんとしたマテリアルで音楽を聴いてるという満足感があるんだよ」

のび太「未来に生きているのに、昔の物の方が満足できるって不思議だなぁ」

ドラえもん「それに、最近発売になった新しいプレイヤーが、ブームにさらに拍車をかけているんだ。いろんな音楽が新しく楽しめるって、若者に大人気なんだよ」ガサゴソ

ドラえもん「『三次元レコードプレーヤー』!」

のび太「うわぁ、でっかいステレオ!」

ドラえもん「大きさだけじゃない、音も一級品だよ。レコードだけじゃなくてCDやカセット、音楽データもかけられる。でも、このプレーヤーの凄さはまた違うところにあるんだ」

ドラえもん「何か手持ちのレコードはあるかい?」

のび太「伊藤翼ちゃんのシングルならあるよ」

ドラえもん「トレイに乗っけて、早速かけてみよう」カリリ...

\ユメヲミールー、ニンギョートー/

のび太「うわっ!翼ちゃんが現れた!!」

ドラえもん「音の波形を読み取って、中のマイクロコンピュータが立体ホログラムを映し出してるんだよ」

のび太「後ろの楽器隊の人もしっかり映ってるね!」

ドラえもん「そこがこのプレーヤーが人気の理由さ。レコードの音楽がどんな風に演奏されているか、自分の目で見ることが出来るんだからね」

ドラえもん「もっと高いプロ向けの機種だと、レコーディングしたスタジオやマイクの種類まで再現してくれるんだ。今まで本でしか想像できなかったレコーディングの様子がありありとわかるようになったんだよ」

ドラえもん「音もその場で完璧に修復してくれるから、まるで本当に楽器が鳴っているように感じるよ。もちろんレコードそのままの音が好きな場合はスイッチで切り替えられる」

のび太「難しいことはよくわからないけど、すごいなぁ」

のびドラ「「早速スネ夫のところに持って行こう!」」

~~

スネしずジャイ「「「 す ご い !」」」

ジャイアン「ZEPかけてくれ!ZEP!」

しずか「ハイフェッツさんのヴァイオリンソナタが聴きたいわ」

スネ夫「悔しいけど完敗だ、『カインドオブブルー』を御願いします!なんでも貸すから!」

ジャイアン「ウオォ、ペイジもボンゾも暴れてるぞ!」

しずか「これで指使いを研究できるわね」キコー

スネ夫「ううむ...デイヴィスとエヴァンスはこんな風に掛け合いをしていたのか...」

~~

のびドラ「「みんな満足してくれたみたいだ」」ニマー

のび太「あれ、あの大きい箱を担いでるの、出来杉...?」

出来杉「やあ!野比くん、ドラえもん!」ワッセワッセ

ドラえもん「いったいどうしたのその荷物?」

出来杉「知り合いの蓄音機マニアの人から、SP盤を何十枚か借りてきたんだよ。最近音楽史の研究にハマっていて、戦前にどんな音源が録音されていたのか興味が湧いてね」

のび太「音楽まで勉強のネタにするの?!変わってるなあ...」

出来杉「そんなことはないさ。過去の歴史を感じるのも、音を楽しむ事だと僕は思うんだ」

ドラえもん「ならばこのプレーヤーを使ってよ!音は綺麗になるし、なにより実際に演奏を見ることができるよ!」

出来杉「え、演奏をみる??」

~~

出来杉邸

出来杉「すごい!ディキシーランドジャズって、こんな風に演奏していたんだ!」メモメモ

ドラえもん「へえ!銀座カンカン娘なんてのもあるんだね、歌い方が伸びやかだなあ」

のび太「なんだかわかんないけどこれもかけてみようよ!...あれ、叔父さん叔母さんが笑ってるだけ?」

出来杉「Okehから出ていた"The OKeh Laughing Record"だね、録音史的には貴重な音源なんだよ!」

~~

野比邸 夜

のび太「何だかんだで夕方まですっかり楽しんじゃったね」

[たぬき]「それだけ過去の音源にはドラマが詰まっているってことさ」

ピンポーン

のび太「誰か来たみたいだよ?」

[たぬき]「いったいこんな遅くに何の用だ?」スタスタ

のびドラ「「ジャイアン!?!?」」

~~

ジャイアン「折り入って頼みがある、俺にしばらくあのプレーヤーを貸してくれ!」

ジャイアン「今日ZEPのプラントのボーカルを聴いてわかったんだ、俺には圧倒的に経験値が足りない!」

のび太「そ、それはいいことじゃないかな」ガタガタ

ドラえもん「じ、実に謙虚な態度だと思うよ」ブルブル

ジャイアン「だろ?これを克服するためには、古今東西問わずあらゆる歌手の歌唱法を研究しなきゃいけねぇ!それにはあのプレイヤーが必要なんだ!」

ドラえもん「歌唱法だけなら普通のプレイヤーでも...」

ジャイアン「何だと?!出来杉に貸せて俺には貸せねえってのかよ!」

のび太「いやいや、だれもそうは言ってないって!」

ドラえもん「こ、こころよーくお貸し致しましょうそうしましょう」

ジャイアン「本当か?!心の友よ!絶対助けになってくれると信じてたぜ!!」

ジャイアン「諸君には御礼として、来週決行予定のジャイアンカバーソングリサイタル最前列チケットを用意しよう!!」

のびドラ(顔面蒼白)

~~

のび太「何で貸すなんていったんだよ!!」

ドラえもん「しょうがないだろ!ロボットだって目の前のトラブルを避けたいんだよ!」

ドラえもん「それにしても何と恐ろしい、まさかあの道具が歌手としてのジャイアンを目覚めさせるなんて…」

のび太「とりあえず、みんなには電話で先に知らせておこう...」

スネ夫『何てことしてくれたんだ!のび太があんなのもってくるからいけないんだぞ!』

しずか『明日からは、できる限り武さんと鉢合わないようにするわ...』

出来杉『僕からも交渉してみるよ、まずは歌うことを考えず聴くのだけに専念したほうがいいって』

のび太「迷惑かけるね、みんな...」ショボン

~~

剛田邸

ジャイアン「さーて誰の歌唱を真似てみるか、ダルトリーかはたまたミックジャガーか...」

ジャイアン「...ん?何だこのレコードは?」

ジャイアン「これは、前ドラえもんに作ってもらった『乙女の愛の夢』じゃねえか!!」

ジャイアン「すっかり忘れてたぜ!まずは自分の美声とルックスをちゃんと再確認しなきゃな!」カリリ...

\\\ボエエエエエエエエエ~~!!!!///

~~

のびママ「のびちゃーん、武さんのママから電話よー」

のびドラ「「ジャイアンが自分のレコードを聴いたら気絶してしばらくは再起不能だって!バンザイ!!」」

終わりです、依頼出して来ます

>>3 >>8のたぬきはドラえもんとしてください。saga忘れてすみません

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