荒木比奈「私の名前が…」 (14)


はつとうこうです

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生放送後、楽屋―――

P「ラジオお疲れさ…あれ?比奈どうしたの?何か浮かない顔して」

比奈「いや…そのぉ…。とりあえず、これ見てもらえまスか?」

P「うん?スマホ?これがどうかしたの?」

比奈「…ツイッターのトレンドに、『荒木先生』って入ってるのはわかりまス?」

P「え…うわ!ほんとだ!ラジオ効果じゃん!おめでとう、比奈!」

比奈「いや、その…手放しで喜べないというか何というか…とりあえず見てもらった方が早いかと」

P「喜べないって…」

比奈「…『荒木先生』、で検索してみてください」

P「?う、うん、分かった…」

P(どういうことだ…?まあとりあえず言われたとおりに俺のスマホで…)ポチポチ


『荒木先生トレンド入りしてる』

『荒木先生トレ入りってことはついにジョジョ5部アニメ化するの?』

『また荒木先生若返ったのか』

『荒木先生はずっとお若いだろ』

『荒木先生は荒木先生でも比奈の方だから』

『荒木先生がラジオに出てるって』

『荒木先生ラジオ出演?仙台の文化放送かな?ラジコプレミアム入っててよかった』

『荒木飛呂彦先生がラジオに出たわけではないのか』

『アイドルの荒木先生だ』

P「…あぁ」

比奈「その…別の荒木先生に間違われてるんスよ…」


P「確かに…手放しじゃ喜べないね…」

比奈「あの荒木飛呂彦先生と一緒に話題に上るのは嬉しいってよりもおこがましいとか…」

P「そっち!?」

比奈「いやぁそれもあるんスけど…やっぱり、荒木先生って言われるよりも」


比奈「皆さんには…『比奈』って呼んで欲しいなぁ…って」

P「…そう、か」

比奈「ま、まぁこれでも次回のラジオのネタになりまスし!私的には美味しいので大丈夫なんスけど「比奈」

比奈「へ?」

P「…本当は、どう思ってるの?」


比奈「……」

比奈「…その、私の名前って、ありがちじゃないっスか。名字も、名前も、至って普通で」

比奈「多分、同姓同名の人は探せば何人もでてくるっス。………でも」

比奈「でも、私っていうアイドル『荒木比奈』は私だけで…その…」

比奈「その…その…う、上手く言葉に出来ないんスけど…」

P「…うん、わかった」


P「つまり比奈は、ちゃんとみんなに『荒木比奈』として見て欲しいってことだよね?」

比奈「…改めて言われると恥ずかしいっスよ」

P「ははっ、ごめんごめん。…比奈なら、きっと大丈夫だよ」

比奈「そう…っスか…?」

P「うん。きっといつか、荒木比奈って聞いたら、荒木先生って聞いたら、みんなが比奈のことを思い浮かべるような日が来る!」

P「比奈が、世界で一番有名な荒木になる!そういう日が絶対に来る!!」

比奈「…」

P「…」

P「…ごめん今俺めっちゃ恥ずかしいこと言った…」

比奈「…ぷっ、フフッ、フフフフ」

P「笑わないで…」

比奈「…いや~、何か元気出たっス!ありがとうございました、プロデューサー」

P「え、そう?ならよか…ったのかなぁこれは…」

比奈「ふふっ」


P「あー、もうこの話終わりしよ?恥ずかしさで死にそうだ………はい!ラジオお疲れ!」

比奈「話が急に冒頭に戻ったっスね」

P「よし、比奈!次の現場に行こう!」

比奈「え?次って…今日はもうラジオだけじゃなかったっスか?」

P「……どこか食べにでも行く?」

比奈「あっ、ハイ…ふふっ」

P「もう嫌だ…」


P「今日どうしたんだよ俺…」

比奈「空回りしまくってたっスね」

P「うん…まあ、忘れよう。何か食べたいものとかある?」

比奈「あー、私、イタリアンが食べたいっス」

P「…もしかして、ジョジョから?」

比奈「…そうっスね」

P「じゃ、イタリアンで…行こうか、比奈」

比奈「…はいっス!」


この後、荒木比奈と、荒木飛呂彦、二人の荒木が共演してSNSがざわつくことになるけれど、それはまた別のお話

ここまでです、ありがとうございました

荒木比奈はみんなにどう呼ばれているのか、という私の興味本位で開始したアンケートがお話の元になっています

みなさん、どうか彼女のことを「比奈」と呼んでくださいお願いします

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