ヴィーネ「ドッキリを」サタ―ニャ「仕掛けるわよ!」 (96)



ーサタニキア邸―


サターニャ「はあ……暇ね……」

サターニャ「何か面白いことはないかしら」

サタ―ニャ「……」

サタ―ニャ「そういえば……今日はラフィエル来ないわね。どうしたのだろう?」

サターニャ「何時もなら勝手に家に入ってくるのに」


サタ―ニャ「…………」ハッ

サタ―ニャ「いや! 別に寂しいから来て欲しいわけではないけど!!」

サタ―ニャ「……」

サタ―ニャ「暇だしテレビでも見ましょうか」ピッ




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『では、今からドッキリを仕掛けたいと思います!』ワーワー パチパチパチ


『本日のドッキリ企画はこちら!』ババン




サタ―ニャ「ドッキリ? ふーん、下界のテレビ番組はくだらないことやっているのね」

サタ―ニャ「まあ、暇だから見てあげましょうか」





~テレビ視聴後~


サターニャ「……」キラキラ

サタ―ニャ「なにこれ! 面白そう! 私もやってみたい!」

サタ―ニャ「明日、学校で誰かにしましょう!」




―翌日 学校―


ヴィーネ「ドッキリ?」

サタ―ニャ「そう、ドッキリ! ヴィネット、一緒にしましょう!」

ヴィーネ「……私は遠慮しとこうかしら」

サタ―ニャ「ええー!! なんでよ! 絶対面白いわよ!」

ヴィーネ「ごめんね……ドッキリとかはあんまり乗り気がしないのよ」


サタ―ニャ「そう……面白いイベントだと思うんだけどな」

ヴィーネ「……」ピクッ



サタ―ニャ「もしかしたら……ドッキリで驚かせることで、魔界からの仕送りも上がるかもしれないわね」


ヴィーネ「……」ピクピクッ


サタ―ニャ「一番の面白い所は……仕掛けた相手の反応が分かることね!」


ヴィーネ「……」


サタ―ニャ「残念ねー、ガヴリール達の普段見られない表情が見れるチャンスかもしれないのにねー」チラチラッ


ヴィーネ「!!」



サタ―ニャ「そっかー、それじゃあ別の人と「サタ―ニャ」」ガシッ

ヴィーネ「ドッキリをするわよ!」

サタ―ニャ「ヴィネット!!」

サタ―ニャ「その言葉を待ってたわ!」




ヴィーネ「ところで、ドッキリするのはいいんだけど、最初は誰にするの?」

サターニャ「まだ決めていないわ!」

ヴィーネ「まあ、そうだと思ったわ。ただ、相手を傷つけたり、不快な思いを抱かせたりするようなドッキリはやめましょう」


サターニャ「勿論よ! あくまで娯楽の一種だからそんなことはしないわ!」

ヴィーネ「ふふ……サタ―ニャのそういうところ好きよ」クスッ

サタ―ニャ「そ、そんなことよりさっさと考えるわよ///」プイッ



ヴィーネ「そうね……ドッキリは初めてだから、最初は簡単なことからしましょう」

サタ―ニャ「簡単なドッキリね……あっ」

ヴィーネ「? どうしたのサターニャ?」

サターニャ「ヴィネット! 最初のターゲットを見つけたわよ!」ビシッ




黒奈「……」テクテク




ヴィーネ「あれは……黒奈ちゃんね」


ヴィーネ「!」ピコーン


ヴィーネ「そうだ! サターニャ、―――――――――」ゴニョゴニョ


サターニャ「ふんふん…………いいわね! その案採用!」





ヴィーネ「それじゃあ、黒奈ちゃんに」サターニャ「ドッキリを仕掛けるわよ!」



ヴィネ・サタ「「おーー!!」」






黒奈「……」テクテク

サターニャ「……」キョロキョロ

黒奈「……?」

黒奈(あれは…………胡桃沢先輩。周囲を警戒してどうしたんだろう……?)





黒奈「あの……胡桃沢先輩……」

サタ―ニャ「ひいっ……!」ビクッ

黒奈「」ビクッ




サターニャ「な、なんだ……黒奈ね」

黒奈「……」

黒奈「先輩……どうかしました……?」

サターニャ「えっ!? い、いやなんでもないのよ!」

サターニャ「黒奈でよかったわ」ボソッ



黒奈「!! 今、(『黒奈でよかった』って言った……何か悪い予感が……)」


黒奈「先輩……なにかありました……? よかったら私に……話してくれませんか?」



サターニャ「……」

黒奈「……」

サターニャ「ヴィネットを……」

黒奈「……?」

サターニャ「ヴィネットを見なかった?」

黒奈「月乃瀬先輩ですか……?」

サターニャ「そ、そうよ……こっちに来なかった?」

黒奈「月乃瀬先輩は来ていませんが……なにかあったんですか?」



サターニャ「えっ……えーとね……実は」



「あっ! サターニャここにいたのね♪」



サターニャ「ヴぃ、ヴィネット!?」

黒奈「月乃瀬先輩?」クルッ




悪魔姿のヴィーネ「あら、黒奈ちゃんもいたのね」ゴゴゴ…




黒奈(なんで……悪魔の姿になっているの? それに……この禍々しい雰囲気は……)ゾクッ


ヴィーネ「もう……サターニャったらなんで逃げるのよ!」

サターニャ「ご、ごめんなさい! も、もう悪いことはしませんから!」ブルブル



ヴィーネ「駄・目・よ♪ あんなことしたら罰を受けなきゃ! だからね……」





ヴィーネ「死んで償え」 ドスッ




サターニャ「えっ……」グサッ


サターニャ「ヴィ、ヴィネット……なんで……」ドサッ




黒奈「!?」

黒奈(月乃瀬先輩の三叉槍で胡桃沢先輩を……刺して……)ガクガク


ヴィーネ「さて……次はあなたの番ね。黒奈ちゃん」

黒奈「わ、私……?」ブルブル

ヴィーネ「そうよ。目撃者も一緒に始末するのは常識でしょ?」

黒奈「そんな常識……聞いたことないです……」ジリジリ

ヴィーネ「そう……まあ、サターニャと一緒に居たのが運の尽きね」

黒奈(ロンギヌスの槍……駄目……! 間に合わない……!)





「さようなら、黒奈ちゃん」シュンッ






黒奈「……っ!」ギュッ


黒奈「……」


黒奈「…………」


黒奈「………………?」チラッ




ヴィーネ「黒奈ちゃん!」サターニャ「黒奈!」


「「ドッキリ大成功!!」」






黒奈「……え?」

サターニャ「どうだった? 私達のドッキリは!」

ヴィーネ「初めてのドッキリだけど上手くいったかしら?」

黒奈「……」

ヴィーネ「? 黒奈ちゃん?」

黒奈「……」ポロポロ


ヴィーネ・サタ((な、泣いてるー!?!?))


ヴィーネ「あ、あの……ごめんなさい黒奈ちゃん!」ペコッ

サターニャ「も、もしかして魔界ジョークの度を過ぎていたかしら?」アワアワ

黒奈「いえ……違うんです……」

黒奈「これがドッキリで……本当によかったです」グスッ

ヴィーネ「ごめんね…‥黒奈ちゃん」

サターニャ「……やりすぎてごめん」




―――――――――――― 
――――――― 
――――



黒奈「それで……なぜあんなドッキリを?」

サターニャ「昨日テレビ番組でドッキリ企画をやっていてね。それで、面白そうだから誰かにしようと思ったの」

ヴィーネ「私も誘われて……サターニャと一緒にやることになったわ」


黒奈「そうでしたか……あっ」

黒奈「そういえば……さっき胡桃沢先輩に槍が貫通してたような……?」

サターニャ「ああ、魔界通販で手に入れたドッキリグッズね! 貫通したように見せることが出来るのよ!」

ヴィーネ「本当に魔界通販は変な物を売っているわね」

サターニャ「他にも色々あるから試したいわね!」





黒奈「……他の人にもドッキリするんですか?」

ヴィーネ「今のところ実行しようと考えているのは、ガヴ、ラフィ、タプちゃんね」

黒奈「!!……頼みたいことがあります」

ヴィーネ「なにかしら?」

黒奈「千咲にドッキリをする時は……私も混ぜてください」

サターニャ「いいわよ! 私達の助手として働いてもらうわ!」

ヴィーネ「もう! サターニャ!」


黒奈「ありがとうございます……では……」ペコリッ スタスタスタ




サターニャ「……」

ヴィーネ「……」

サターニャ「ねえ、ヴィネット。感想はどう?」

ヴィーネ「……そうね」

ヴィーネ「さっきのはやり過ぎたけど……楽しかったわ!」

サターニャ「そうでしょ、そうでしょ!」

ヴィーネ「それで……次は誰にする?」ワクワク

サターニャ「結構、乗り気じゃない。うーん……次は」



サターニャ「ラフィエルね!」



ヴィーネ「ラフィか……勘がよさそうだから、気づかれないように注意しないとね」

サターニャ「大丈夫! 私に任せなさい!」

サターニャ「ラフィエルにするドッキリはすでに考えているわ! とっておきのをね!」


ヴィーネ「そう……それならラフィに仕掛けるわよ!」



―――――――― 
――――― 


―放課後 廊下―


ラフィエル「……」スタスタ

ラフィエル「サターニャさん達はどこに行ったのでしょうか……」スタスタ

ラフィエル「ヴィーネさんと急いで、教室を出ていくのは見かけましたが……中々お二人は帰ってきませんね」

ラフィエル「鞄は置いてありましたね……まだ、下校してないと思うのですが」

ラフィエル「……」

ラフィエル「仕方ないです、千里眼を使いましょう……ただ、これ結構疲れるんですよね」センリガンハツドウ





ラフィエル(昨日は私用でサターニャさんの家には行けなかったので、今日は訪問したいですね)

ラフィエル(最近は勝手に家にお邪魔しても、邪険に扱われることはなくなりました。大きな進歩ですね)

ラフィエル(……もっと、サターニャさんと仲良くなりたいな)


ラフィエル「あっ、見つけました」



ヴィーネ『―――――』

サターニャ『――――――』

ヴィーネ『―――――』



ラフィエル「ん? 私達の教室にいますね……さっきまで、居なかったはずですが……」

ラフィエル「こんな時間に誰も居ない場所で、何を話しているのでしょうか?」

ラフィエル「……とりあえず、教室に向かいましょう」スタスタ





―教室手前―


ラフィエル「さて、このまま入ってもいいのですが……それでは面白くないので、盗み聞きしましょう!」

ラフィエル「わたし、気になります!」ヒョコッ




ヴィーネ『サターニャ……具合はどう?』

サターニャ『ええ……前より、随分とよくなったわ』

ヴィーネ『そう……あまり無茶しないでね』

サターニャ『分かっているわ』




ラフィエル(……? サターニャさんは風邪でしょうか? 体調が悪いとは珍しいですね)




ヴィーネ『……グスッ……ヒック』



ラフィエル(……ん?)



サターニャ『ヴィネット……泣かないで……私は大丈夫だから……ね?』

ヴィーネ『うん……そうね』

ヴィーネ『ごめん……サターニャが一番つらいのに……私ったら』ゴシゴシ

サターニャ『……ありがとう。その優しさでまだまだ頑張れそうよ』ニコッ

ヴィーネ『サターニャ……』



ラフィエル(……)




サタ―ニャ『……』

ヴィーネ『……』

ヴィーネ『なんで……なんでサターニャなのかな……?』

サターニャ『……分からないわ。まっ、今更落ち込んでも仕方ないわ!』

サターニャ『だから、あんた達はもっと笑っていなさい!』


ヴィーネ『……』

ヴィーネ『……笑えないわよ』


サターニャ『……』


ヴィーネ『だって……! だってサターニャの命が……!』

ヴィーネ『残り一か月だなんて……あんまりじゃない!』




ラフィエル「……………………えっ?」




サターニャ『こればっかりは仕方ないわね……ただ、最後の時間をあんた達と一緒に過ごしていたい』

ヴィーネ『サタ―ニャ……』ポロポロ

サターニャ『だから元気を……ゴホッ、ゴホッ!』ビチャッ

ヴィーネ『さ、サターニャ……あなた、血が……』

サターニャ『今日は大丈夫だと思ったんだけどな……』ハアハア

ヴィーネ『わ、私保健室から救急箱取ってくる! それまで待っていて!』

サタ―ニャ『うん……お願い』ハアハア



ガラガラ



ラフィエル(ヴィーネさんがこっちに来る! どこかに隠れないと!)サッ



タッタッタッ……



ラフィエル「……」

ラフィエル「サターニャさんの命が残り一か月……?」

ラフィエル(それでは……サターニャさんは今まで無理をして……)





サターニャ『はあ……はあ……』ドサッ




ラフィエル「!! さ、サターニャさん!」ガラガラ ダッ



サターニャ「……ラフィエル?」ハアハア

ラフィエル「だ、大丈夫ですか!? サターニャさん!」

サターニャ「大丈夫よ……これくらい大したことないわ……それよりも」

サターニャ「あんた、もしかして……さっきの話を聞いてたの?」

ラフィエル「そんなことどうでもいいです!」

ラフィエル「なぜ……! なぜ、今まで黙っていたんですか!」

サターニャ「……迷惑を掛けたくなかったのよ。それに……皆と一緒に居る時間を大切にしたかった……」

ラフィエル「……っ!」ギュウウ

サターニャ「ラフィエル……苦しい」



ラフィエル「……」グスッ

サターニャ「泣かないでよ、ラフィエル……あんたに泣き顔なんか似合わないわよ」

ラフィエル「サターニャさん……」ギュウウ

サターニャ「なに……? ラフィエル」

ラフィエル「私……今まで、サターニャさんに迷惑を……!」

サターニャ「言わなくていいわ。あんたに……迷惑を掛けられた覚えはない……」


ラフィエル「で、でも……! 私は……! 勝手に家に入ったり、いじったり……!」グスッ

ラフィエル「サターニャさんの……っ! 優しさに甘えて……っ!」ポロポロ

ラフィエル「好き勝手にやって……っ! それで……!」ポロポロ

サターニャ「あはは……何言ってるのよ……いつも構ってくれるあんたは……」


サタ―ニャ「私にとって支えになっていたのよ」




ラフィエル「……っ!」

ラフィエル(今、ようやく理解した……私はサターニャさんのことを……)


ラフィエル「サターニャさん」

サターニャ「……なに?」


ラフィエル「好きです……」


サターニャ「そう……あんたの口からそんな言葉を聞けるなんて……嬉しいわね」

ラフィエル「好きです。あの時、お会いしたあの日から……ずっと……」




サターニャ「……ありがとう。本当にありがとう……それしか言葉に……でき……ない……」ガクッ

ラフィエル「サターニャさん?」

ラフィエル「サターニャさん!」ユサユサ


サターニャ「」


ラフィエル「……」

ラフィエル「サターニャさん……」

ラフィエル「あ……ああ……」

ラフィエル「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ラフィエル「サターニャさん……っ! サターニャさん……っ!!」




ヴィーネ「ラフィ……」

ラフィエル「ううううううぅぅぅぅぅ……」ポロポロ

ヴィーネ「え、えっーと……」オロオロ

サターニャ「ラフィエル」ムクッ

ラフィエル「………………え?」




サタ―ニャ「ドッキリ大成功!!」



ヴィーネ「ドッキリ大成功……」ボソッ



ラフィエル「……」

ラフィエル「……え? サターニャ……さん?」

サターニャ「ふふーん! 引っかかったわね!」

ラフィエル「えっ……? え?」

ヴィーネ「あの……混乱する気持ちは分かるわ。その……これは全部……」



ヴィーネ「ドッキリなの……」




ラフィエル「………………は?」

サターニャ「なーはっはっはっ!! わが策略に見事に引っかかったわね! ラフィエル!」

ラフィエル「あの……もしかして全部……」

ヴィーネ「ええ、全部作り話よ……サターニャは健康よ」

ラフィエル「」

サターニャ「どうかしら? 騙された気分は―――――」ドサッ

ラフィエル「良かった……! 本当に良かったです……っ!」ギュウウウウウ

サターニャ「ちょ、ちょっと!? 苦しいわよ! 離れなさいよ!」ジタバタ

ラフィエル「嫌です! 離しません!」ギュウウウ




―少し前―


ヴィーネ「え? ラフィには病気ドッキリ?」

サターニャ「そうよ! どんな反応するか楽しみじゃない!」

ヴィーネ「それはいいんだけど……サターニャがするのよね?」

サターニャ「当たり前じゃない! ラフィエルには今まで、からかわれてきたからね! これは仕返しよ!」

ヴィーネ「上手くいくかしら……相手はあのラフィよ?」

サターニャ「問題ないわ! 魔界通販で買った舞台用の血糊があるからね! これで騙せるわ!」

ヴィーネ(本当、変なものばっかり売っているわね)

サターニャ「後は……演技でカバーよ!」

ヴィーネ「……まあ、やってみましょうか」

ヴィーネ(すぐにボロをだして、見抜かれそうとは思うけど……)



―現在―


ヴィーネ(まさか、騙せるとは思わなかったわね。それに……サターニャの演技が予想以上に上手でびっくりしたわ)



ラフィエル「ゴホン……それで、昨日のテレビ番組に影響されてあんなことを……」

サターニャ「ええ……! あんたの普段見せない顔が見れて良かったわ!」

ラフィエル「えっ///」

ラフィエル「あ、あはは……そうですね///」

サターニャ「ん? 顔赤らめてどうしたのよ?」

ラフィエル「いえ、少し思い出しまして……///」

ヴィーネ(あんな状況とはいえサターニャに告白したからね。今はとても恥ずかしいでしょうね)



サターニャ「それにしても」

ラフィエル「はい?」

サターニャ「あんたが私のことを(友達として)好きだとは思わなかったわ!」

ラフィエル「」


ヴィーネ(サタ―ニャああああああ!!! ここでそれを言うの!?)


サターニャ「私もあんたのこと(友達として)好きよ?」

ラフィエル「……っ!」

ラフィエル「すみません、今日は用事があるので帰ります!」バサッ  シュン

サターニャ「ちょ、ちょっと!? ラフィエル!?」



サターニャ「……神足通まで使って早く帰りたいなんて、よっぽどのことがあるのね」

ヴィーネ「そうね……そっとしておいてあげましょう」

ヴィーネ「……」

ヴィーネ(ラフィ頑張れ!)


今日はここまでです



―翌日―


サターニャ「おはよう! ヴィネット! ガヴリール!」

ヴィーネ「おはようサターニャ」

ガヴリール「朝っぱらからうるさい奴だな。もう少し静かにしろ」

サターニャ「朝から元気がない奴に言われたくないわよ!?」




ラフィエル「皆さんおはようございます」スタスタ

ヴィーネ「おはようラフィ」

ガヴリール「おーす」

サターニャ「あら、ラフィエル! おはよう!」

ラフィエル「!!」

ラフィエル「お、おはようございます。サターニャさん///」モジモジ

サターニャ「ん? どうしたのよ?」

ラフィエル「い、いえなんでもありません///」アハハ

ガヴリール「?」

――――――― 
―――――
――― 



―昼休みー


サターニャ「それでヴィネット……! 次は誰にする?」

ヴィーネ「誰にするって……ドッキリのこと?」

サタ―ニャ「そうよ! ラフィエルの意外な一面も見れたから、他の天使共にも期待が高まるわね!」

ヴィーネ「そうね……(ラフィはあなたに告白したからね。気づいてないでしょうけど)」

ヴィーネ(……まあ、ここまでやったから最後までしましょう!)




ヴィーネ「次は……タプちゃんでどう?」

サターニャ「……いいわね! そして最後にガヴリールね!」

ヴィーネ「タプちゃんには何をしましょうか……」ウーン

サタ―ニャ「タプリスにしたら面白いこと……」




???「……」

???「月乃瀬先輩……胡桃沢先輩……」

???「私に……任せて下さい」



ヴィーネ・サタ「「!?!?」」クルッ


黒奈「……」


サタ―ニャ「黒奈!」 ヴィーネ「黒奈ちゃん!」



黒奈「ドッキリはすでに考えています……」

サターニャ「ちょっと! いきなり出てこないでよ!」

黒奈「あっ、すみません……」



ヴィーネ「そういえば黒奈ちゃん、タプちゃんの場合はドッキリに参加したいって言ってたわね」

黒奈「はい……なので私に……」

サターニャ「いいわよ! 今回の仕掛け人は黒奈が主役ね!」

黒奈「ありがとうございます……」ペコッ

ヴィーネ「それで……タプちゃんに仕掛けるドッキリはどんなものかしら?」



黒奈「はい……」ゴニョゴニョゴニョ



黒奈「これで……千咲を驚かせます……」






サターニャ「……」

ヴィーネ「……」


黒奈「駄目…‥ですか?」

サタ―ニャ「駄目じゃないけど……」

ヴィーネ「黒奈ちゃんはそんなことできるの?」

黒奈「できます……任せて下さい……」

ヴィーネ「……分かったわ! 次はタプちゃんね!」

サターニャ「それじゃあ、放課後の掃除時間にドッキリを開始するわよ!」

ヴィーネ「おー!」

黒奈「……」



―放課後 掃除中―


タプリス「……」サッサッ

黒奈「……」サッサッ


タプリス(また、黒奈さんと同じ掃除場所ですか……もう馴れましたけど)

タプリス(初めの頃、一緒の掃除場所に配属された時よりも、黒奈さんのことは分かってきたと思います)

タプリス(まあ……悪い人でないことは確かですね)

タプリス(ただ……黒奈さんは悪魔なので気を抜いたりはしません!)フンス!



黒奈「千咲……」

タプリス「ひゃあっ!!」ビクッ

黒奈「手が止まってる……」

タプリス「あっ……すみません! 少し考え事を……!」サッサッサッ

黒奈「……気にしないで」


タプリス(そうですね……黒奈さんの言う通り、今は目の前のことを終わらせましょう!)サッサッ


―――――――ヒュウウウ


タプリス(ん? 何の音ですか?)チラッ


―――ゴツン


黒奈「」バタン

タプリス「!?」





タプリス「な……なっ……!」


タプリス(た、大変です! 黒奈さんの頭に野球ボールが直撃しました!)

タプリス(す、すぐに起こさないと……!)


タプリス「だ、大丈夫ですか!? 黒奈さん!」ユサユサ

黒奈「……うーん」

タプリス「!!」

タプリス(良かったです……意識はありました……)ホッ


黒奈「……」パチッ


タプリス「黒奈さん! どこか痛むところはないですか!? 痛かったら保健室に「千咲!」――――」チュッ


タプリス「……」

タプリス(!?!?!?!?)

黒奈「千咲! 大好きだよ!」スリスリ

タプリス「」




―物陰―


ヴィーネ「!?!?!?!?」


サタ―ニャ「!?!?!?!?」


ヴィーネ「だ、誰よ! あれは!」ヒソヒソ

サターニャ「し、知らないわよ!! もしかして……魔界通販で買ったあのボールに不具合が……?」

ヴィーネ「そ、そうだとしたらそれって不良品じゃない!」

サターニャ「うーん、おかしいわね……例え、剛速球で投げて当たっても、まったく痛くない素材だと聞いたんだけど……」



少し展開に悩んでいたので遅れました



タプリス「」


黒奈「……千咲?」


タプリス「」


タプリス「」ハッ


タプリス「く、黒奈さん/// あ、あなたなんてことを……///」

黒奈「……千咲は嫌だった?」

タプリス「い、いえ嫌ではないですが……///」ドキドキ



黒奈「そう♪ それなら良かった!」


タプリス「……!」

タプリス(普段クールな黒奈さんとは違って活発で明るい性格ですね/// すごく可愛いです///)

タプリス(…………はっ! わ、私には愛しの天真先輩がいます! これ以上、黒奈さんの好き勝手にはさせません!)


タプリス「なんとかして黒奈さんを戻しましょう!」フンス

黒奈「千咲? どうしたの?」キョトン

タプリス「こっちの話ですよ、黒奈さん」



タプリス(さて……黒奈さんがおかしくなった原因は、あのボールが関係してますね)チラッ

タプリス(ボールによる激突の衝撃でおかしくなったのなら、もう一度衝撃を加えれば元に戻るはず!)スタスタスタ カシッ





黒奈「? 千咲?」

サタ―ニャ(タプリスがボールを手に取って)

タプリス「……ごめんなさい、黒奈さん」スッ

ヴィーネ(タプちゃん振りかぶって……)

タプリス「普段の黒奈さんに戻ってくださ―――――い!!」ブン

サターニャ(全力で投げた!?!?)

黒奈「……へ?」



―――――ゴツン



黒奈「」ドサッ

ヴィーネ(た、タプちゃん!?!? 何してんの―――!?)

サターニャ(す、凄いわあの子……一切、迷いがなかったわ……)




タプリス「よ、よし……これで戻るはず……!」

黒奈「」

タプリス「……」

黒奈「」

タプリス「……黒奈さん?」

黒奈「」

タプリス「…………く、黒奈さん! 起きてください!」ユサユサユサ



サターニャ(どの口が言うのよ)

ヴィーネ(まあ、当たっても痛くないでしょうから、あれは演技でしょうけど……)




タプリス「……黒奈さん」

黒奈「」

タプリス「私の……私のせいで……!」グスッ

サターニャ(そうね。自らの罪を悔いなさい)




「……千咲」



タプリス「……へ?」バッ


ヴィネ・サタ「「!!」」




黒奈「……」

タプリス「く、黒奈さん! 大丈夫ですか!」

黒奈「千咲……私の話を聞いて欲しい……」

タプリス「……! な、なんですか?」

黒奈「その前に……手を握って……」

タプリス「は、はい…‥!」ギュッ

黒奈「……暖かい」

タプリス「私もです……」ギュウウ

黒奈「……」

タプリス「……」ギュウウウ

黒奈「千咲……」

タプリス「はい……」

黒奈「頭撫でて……」

タプリス「……? 分かりました」ナデナデ

黒奈「……えへへ」


サターニャ(注文の多い悪魔ね!)

ヴィーネ(それよりも、タプちゃんはおかしいことに気付かないのかしら?)




黒奈「……」

黒奈「……十分堪能した」ボソッ

タプリス「えっ?」

黒奈「千咲……ありがとう。お陰で回復した……」

タプリス「!! 黒奈さん! よ、良かったです……!」

黒奈「あ、それと……」

タプリス「?」

黒奈「全部ドッキリだから……気にしないで」

タプリス「??」

タプリス「????????????」



ヴィーネ(タプちゃん、案の定混乱してるわね)

サタ―ニャ(そもそも黒奈が淡々としすぎなのよ!)



黒奈「……」

タプリス「え……あの……さっきまでが全部演技ですか?」

黒奈「そう……」

タプリス「キスしたのも……?」

黒奈「あれは私がしたかっただけ……」


タプリス「ふぇっ///」ボン

タプリス「こ、この……///」

タプリス「悪魔――――――!!!」タッタッタッ




ヴィーネ「……」

サターニャ「……」

ヴィーネ「タプちゃん走り去っていったわね……」

サターニャ「そうね……あれ? これ、黒奈がいい思いしただけじゃない?」

ヴィーネ「そうかもしれないわ」



黒奈「先輩……どうでした……?」クルッ

ヴィーネ「うーん、傍から見てると面白かったけど……」

サタ―ニャ「一番、気になったのは性格変わったところだけどあれは演技?」

黒奈「……あれはお札を自分に貼って、性格を書き換えてました」

ヴィーネ「黒奈ちゃんすごいわね」

サタ―ニャ(今度、ラフィエルの性格を書き換えてもらおうかしら……)




タプリス「……」ハアハア

タプリス「はあ……」フー

タプリス「……」

タプリス「もう……明日から、どんな顔して黒奈さんに会えばいいんですか///」

ラストはガヴリール



サターニャ「それじゃあ、最後はガヴリールね! どんなドッキリを仕掛けてやろうかしら!」

ヴィーネ「……ねえ、サターニャ。ガヴにするドッキリは私に任せてくれる?」

サターニャ「別にいいわよ。すでに案はあるの?」

ヴィーネ「あるわよ。それはね……」ゴニョゴニョゴニョ

サターニャ「……」

ヴィーネ「ど、どう……?」

サターニャ「……面白そうじゃない! 最後にうってつけのドッキリね!」

ヴィーネ「!!」

サタ―ニャ「それで決まりね! 今日はもうガヴリール帰っているだろうから、明日の放課後にしましょう!」

ヴィーネ「分かったわ!」





―翌日の放課後 教室―


ガヴリール(……)

ガヴリール(はあ……超だるい)

ガヴリール(昨日、徹夜でネトゲしてたから怠くて動けない……というか動きたくない)

ガヴリール(後、お腹すいた)

ガヴリール(……このまま机と同化して一生を過ごしたい)グデー

ガヴリール(……あっ、それだとネトゲできないじゃん。やっぱ今のなしで)

ガヴリール(……)




まち子「あっ! 天真さん、ここにいた!」ガラガラ

ガヴリール「おう……どしたの、まち子?」

まち子「どうもこうも……今日、提出のプリントまだ書いてないでしょ?」

ガヴリール「……忘れてた」

まち子「もう! 今すぐ書いてよ!」

ガヴリール「気が向いたらな」

まち子「て・ん・ま・さ・ん?」ゴゴゴゴゴ

ガヴリール「ひぃ!? わ、分かったよ。ちゃんと書くよ……」

まち子「よろしい」

ガウリール「でも、少しだけ待ってくれ。今、(徹夜のせいで)体調がよくないんだ……」

まち子「そ、それは大丈夫!? 保健室に行く?」



ガヴリール「いや、そこまでしなくていいよ。ただ、30分間寝かしてくれ。それなら気分もよくなるはずだ」

まち子「……いいわよ。30分経ったらまたここに来るから、それまでには書いておいてね」

ガヴリール「分かった! まち子、お休み!」バッ

まち子「もう……私は部活に行くからね」

ガヴリール「!! それなら、何か食い物持ってきてくれ! 腹が減って死にそうなんだ!」ガバッ

まち子「……分かったわよ」ハァ スタスタ



ガヴリール(……行ったか。思わぬところで飯が確保できた)

ガヴリール(よし、このまま机に突っ伏して寝ておこう。そして、まち子が帰ってきたら、プリント終わらせよう)

ガヴリール(……)

ガヴリール「スースー…」Zzz




――――――――― 
―――――― 
―――― 


――ガラガラガラ


「――――?―――――」

「―――――――」


ガヴリール(う……ん……)   「――――」

ガヴリール(今何時だ……? まち子はまだ来てないよな)  「――――――」

ガヴリール(……周りに誰かいる。このまま、聞いておこう)





ヴィーネ「ガヴったら寝てるのかしら?」

サラ―ニャ「寝てるんじゃない? 今日、怠そうにしてたし」

ヴィーネ「まあ、いつものことね」

ガヴリール(ヴィーネとサターニャか。起きる理由もないしこのまま寝ておこう)


サターニャ「これはチャンスね! 顔に落書きでもしようかしら!」ウキウキ

ガヴリール(おい、落書きしたら蹴り飛ばすからな)




ヴィーネ「やめなさいよ。ガヴが怒るでしょ?」

ガウリール(そうだそうだ)

ヴィーネ「……」

ヴィーネ「……それにしてもガヴって」

ガヴリール(ん?)

ヴィーネ「本当に可愛いわね」

ガヴリール(……)

ガヴリール(な、何言ってんだよヴィーネ///)カアア


サターニャ「そうね……普段は絶対言えないけど確かに可愛いわね」

ガヴリール(サタ―ニャまで……///)

ヴィーネ「この金髪もボサボサだけど……ずっと触っていたい」モフモフ

ガヴリール(やめろ/// 髪をもふもふすんな///)

サタ―ニャ「頬っぺたもぷにぷにして柔らかいわね!」プニプニ

ガヴリール(お前ら人の体を触るな///)

ヴィーネ「……」モフモフ

サターニャ「……」プニプニ

ガヴリール(……なんか喋れよ///)




ヴィーネ「……ねえ、サターニャ」

サターニャ「なによ、ヴィネット」

ヴィーネ「サターニャってさ……もしかして、ガヴのこと好き?」

ガヴリール(!!)

サタ―ニャ「……好きよ。そういうヴィネットはどうなのよ?」

ヴィーネ「そうね……私もガヴのこと好き」

サターニャ「そっか……ヴィネットもなんだ……」




ガヴリール「……」

ガヴリール(なんだこれ……狸寝入りしてたら、いつの間にかラブコメの主人公になっていた)

ガヴリール(何を言っているかわからねーと思うが、私にもまったく分からん)

ガヴリール(待て……一先ず、状況を整理しよう。二人は私のことす、好きなんだよな///)

ガヴリール(そ、それで二人は私が寝たふりをしていることに気づいていない)

ガヴリール(ここで起きるのはまずい! ヴィーネ達も恋心を本人に知られたくないはずだ!)

ガヴリール(これは……寝たふりをするしかないな! 決して会話が気になる訳ではない!)Zzz


>>74 訂正


ガヴリール「……」

ガヴリール(なんだこれ……狸寝入りしてたら、いつの間にかラブコメの主人公になっていた)

ガヴリール(何を言っているかわからねーと思うが、私にもまったく分からん)

ガヴリール(待て……一先ず、状況を整理しよう。二人は私のことす、好きなんだよな///)

ガヴリール(そ、それで二人は私が寝たふりをしていることに気づいていない)

ガヴリール(ここで起きるのはまずい! ヴィーネ達も恋心を本人に知られたくないはずだ!)

ガヴリール(これは……寝たふりを続けるしかないな! 決して会話が気になる訳ではない!)Zzz




ヴィーネ「……」

サターニャ「……」

ガヴリール(……)ドキドキ

ヴィーネ「……サターニャ、先に言っておくわ」

サタ―ニャ「なによ?」

ヴィーネ「あんたにガヴは渡さないわよ」

サターニャ「それはこっちの台詞よ!」

ガヴリール(……)オロオロ

ヴィーネ「でもさ……ガヴは私とサターニャどっちを選ぶのかしらね?」

サターニャ「……どういう意味よ」



ヴィーネ「私はガヴの家に毎日行って、お世話しているわ。でも、サターニャはただ勝負を仕掛けて私のガヴに関わろうとしているだけ」

ヴィーネ「すでに好感度は天と地の差があるのよ!」

ガヴリール(いや、そこまでの差はないよ。まあ、どっちが好きかは答えにくいが)


サターニャ「それはヴィネットの自己満足よ! ガヴリールは本当にあんたの介護を必要としているのかしら?」

ガヴリール(介護いうな、馬鹿―ニャ。あっ、ヴィーネにはいつもお世話になっています!)


ヴィーネ「なによ! 馬鹿―ニャ! 私のほうがガヴのこと好きよ!」

サタ―ニャ「あんたより私のほうがガヴリールのこと大好きよ!」

ヴィーネ「それじゃあ、私はあんたより数倍大大大好きよ!!」

サターニャ「こっちは大大大大大大好きよ!!!」


ガヴリール(やめろ/// 大声で好き好き連呼しないでくれ///)カアア



――ドサッ


ガヴリール(……ん? 鞄の落ちた音? なんだろう?)チラッ



ラフィエル「さ、サターニャさんがガヴちゃんのことを好き……? う、嘘ですよね……?」


ヴィネ・サタ「「ラフィ(エル)!?!?」」

ガヴリール(ラフィまで来ちゃったよ!?)



ラフィエル「あれ……前にサターニャさんは私のこと好きだと言ってくれましたが……」

ラフィエル「一体、どういうことなんでしょう?」ハイライトオフ

ガヴリール(ラフィエル怖っ!? ハイライトさん戻って来て!)




ヴィーネ(こ、これはまずい! 流石にネタ晴らししなくちゃ!)

ヴィーネ「ラフィ、聞いて! 実はね……これは全部ドッキリよ!」

ガヴリール(ドッキリなの!?)


ラフィエル「何を言っていますか……私は落ち着いていますよ」

ラフィエル「それで……サターニャさんが私に好きって言ったのも、ドッキリなんですよね?」

ヴィーネ(まったく話聞いてねーー!)



サターニャ「えっ、ラフィエルのことは(友達として)好きよ?」

ラフィエル「さ、サターニャさん!」パアア

ガヴリール(よし、ナイスだサターニャ! さっき馬鹿って言ってごめん!)

サターニャ「まあ、ガヴリールのほうが大大大大好きだけどね!」ドヤァ

ラフィエル「は?」ハイライトオフ


ヴィーネ(サタ―ニャあああああ!!!! もうドッキリはいいから! これ以上ラフィを追い詰めないで!!)



ラフィエル「ふふふ……そうですよね」

ラフィエル「天界に居るときは学業でガヴちゃんに負けて……下界でもまた、2番目なんですか」

ラフィエル「私はずっと……一番にはなれそうにないですね……」

ガヴリール(そんなことないよ!? スタイルとか家柄とか色々、ラフィのほうが勝っている部分が多いよ!)


ラフィエル「しかし、解決策が見つかりました」


ヴィーネ・ガヴ((ん??))


ラフィエル「ガヴちゃんが居なければ……サターニャさんの一番になれますよね」ナイフ スッ

ガヴリール(ナイフを持ち出した!? もしかして私を殺る気!?)

ヴィーネ「ちょ、ちょっと! 危ないわよ! 落ち着いて、ラフィ!」ガシッ

ラフィエル「離してください、ヴィーネさん! 私が一番になるんです!!」ジタバタ



ヴィーネ「ガヴを傷つけたら天界に強制送還されるわよ! それでもいいの!?」グググ

ラフィエル「問題ありません! 白羽家がなんとかします!」

ガヴリール(白羽家すげえええ!!)


サタ―ニャ「すごいわね、ラフィエル……まさに迫真の演技ね」ゴクッ

ガヴリール(演技じゃねえよ! 早く私を助けろ!)


ヴィーネ「おい、馬鹿―ニャ!! あんたの嫁でしょ!? なんとかしなさいよ!」

サタ―ニャ「だ、だだだだだ誰が嫁よ!!///」

ラフィエル「そうですよね……ガヴちゃんを始末しないとお嫁さんにはなれませんよね……」ギロッ

ガヴリール(さっきから言ってることが支離滅裂になってる!? 誰でもいいから止めてくれ!!)ビクビク




???「ラフィエルお嬢様!! お止め下さい!」シュン

ラフィエル「!! その声は……!」

マルティエル「ご友人を……ガヴリール様を傷つけてはなりません!」



ラフィ・ガヴ「「ま、マルティエル(さん)!!」」

ヴィネ・サタ「「誰!?」」



マルティエル「駄目ですよ。お嬢様が問題を起こせば、白羽家にとって不名誉なことになります」

ラフィエル「し、しかし……!」

マルティエル「一時の感情に流されれば、後々悪い方へと向かいます。ここはどうか平静を保ってください」

ラフィエル「……」

ガヴリール(すごい……あんなに取り乱していたラフィを大人しくさせた……)

ガヴリール(ずっと変態執事かと思っていたけど……見直したよ、マルティエルさん)




ラフィエル「………………げます」ボソッ

マルティエル「? お嬢様どうされました?」

ラフィエル「私に協力してくれたら……今、身に着けている物をすべて、マルティエルにあげます」


マルティエル「……」

マルティエル「…………」

マルティエル「……………………」


ガヴリール(なんで悩んでいるんだよ! 信じるぞ? 私はマルティエルさんを信じるぞ!)




マルティエル「それは……脱ぎたてほやほやですか?」

ラフィエル「はい、マルティエルの前で全部脱いで渡します」

マルティエル「……なるほど」

ヴィーネ(何が『なるほど』なのよ!)

サタ―ニャ(もしかして、私に対するストーカー行為とかラフィエルに影響を与えたのはこの人?)




ラフィエル「それで……あなたはどちら側につきますか?」

マルティエル「……」

マルティエル「…………」

マルティエル「それはもちろん……」

マルティエル「私は敬愛なるラフィエルお嬢様の執事です。常にお嬢様の味方です」


ガヴリール(おいいぃぃぃ!! 一時の感情に流されてんじゃねーよ!!)



ヴィーネ「真面な人かと思ったら、駄目な人だった!」

サタ―ニャ「ちょっと! あんたは何をしに来たのよ!」

マルティエル「ラフィエルお嬢様の加勢です」

サタ―ニャ「今すぐ、天界に帰りなさい!」

マルティエル「……うるさいですね。黙らないと犯しますよ?」

ヴィネ・サタ「「犯すの!?!?」」


ガヴリール(……)

ガヴリール(早く、プリントを提出して帰ればよかった……そうしたらこの修羅場は形成されなかっただろう……)






ガヴリール(この後、私のために食べ物を持って来てくれたまち子が、ラフィエルを説得し事なきを得ました)

ガヴリール(委員長はすごい……改めてそう思いました)




――――――――― 
――――― 
――― 


―ガウの家―


ラフィエル「それで反応を見たくて、ガヴちゃんにもドッキリをしてみたのですね……」

ヴィーネ「ええ……まあ、途中からガヴは置いてけぼりになってたけど……」

ガヴリール「それより、私が寝たふりをしていたのは知ってたのか」

ヴィーネ「ガヴは周りに誰かいても面倒くさがって起きないからね。利用させてもらったわ」

ガヴリール「私のことよく分かってるな」

ヴィーネ「付き合いは長いからね」

ガヴリール「しかし、あのドッキリは精神に良くないな。ずっと、ハラハラしぱなしだった」

サタ―ニャ「そんなこと言って……結構、嬉しかったんじゃないの?」ニヤニヤ

ガヴリール「はあ!? べ、別に好意持たれて、嬉しいとかそんな訳ないし///」





ラフィエル「それよりも……先に伝えて頂ければ、あんな勘違いをしなくて済みましたのに……」

ヴィーネ「それは本当にごめん!」ペコッ

サタ―ニャ「まあ、楽しかったからそれでいいじゃない!」

ガヴリール「つき合わされた身にもなれよ……」グデー

ヴィーネ「ガヴもごめんね?」

ガヴリール「……別にいいよ」




サタ―ニャ「さて……そろそろ帰るわね」スクッ

ラフィエル「……え?」

ヴィーネ「サターニャもう帰るの? ゆっくりしていけばいいじゃない」

サタ―ニャ「もうすぐで魔界通販の特売放送があるのよ! 見逃せないわ!」



ヴィーネ「そっか……それじゃ、また学校でね」

サタ―ニャ「うん! また、学校で!」

ガヴリール「ほら、さっさと帰れ」

サタ―ニャ「うるさいわね! 言われなくても帰るわよ!」プンスカ!




ラフィエル「……」

サタ―ニャ「……」

サタ―ニャ「ラフィエル……もし、良かったらさ。私の家に来ない?」

ラフィエル「……えっ?」

サタ―ニャ「いや、まあ……今日はドッキリにつき合わせたからね……お詫びに家にあげてやってもいいわよ///」

ラフィエル「さ、サターニャさん!」パアア

サタ―ニャ「ほら! さっさと行くわよ、ラフィエル!」スタスタスタ

ラフィエル「あっ、待ってくださいサターニャさん!」タッタッタッ  ガチャッ


――――バタン





ガヴリール「……」

ヴィーネ「……」

ガヴリール「まったく……騒がしい奴らだな」

ヴィーネ「そうね……でも、ガヴは騒がしいのは好きじゃないの?」

ガヴリール「……嫌いじゃないよ」プイッ

ヴィーネ「ふふ……」クスッ

ガヴリール「何笑ってんだよ!」

ヴィーネ「別に~♪」

ガヴリール「くっ……この悪魔!……間違えた! この天使!」

ヴィーネ「悪魔であっているわよ!?」




ガヴリール「はあ……まあいいや。今日は泊まっていくんだろ? 腹減ったから晩御飯作ってくれ」

ヴィーネ「それはいいけど……もしかして眠たいの?」

ガヴリール「ああ、昨日からほとんど寝てないからな。だから体力回復のためにも少し寝る」ゴロン

ヴィーネ「そう……分かったわ。ご飯できたら起こすから寝てなさい」

ガヴリール「ヴィーネ……頼んだ……」ムニャムニャ

ガヴリール「……」

ガヴリール「……スースー」




ヴィーネ「……」

ガヴリール「……スースー」

ヴィーネ「……」

ヴィーネ「ふふ、可愛い寝顔ね」ナデナデ

ガヴリール「……」ピクッ

ガヴリール「……スースー」

ヴィーネ「……ほんとはね。あなたに対する私の気持ちは嘘じゃないわ」

ガヴリール「……」

ヴィーネ「今日のドッキリで私のことを、どう思っているか確かめたかったけど……」

ヴィーネ「まあ、今はこれでいいか」

ヴィーネ「さてと……お買い物に行きましょう」スクッ

ヴィーネ「ガヴのためにも美味しい物作りましょう!」 スタスタスタ  ガチャッ




―――バタン




ガヴリール「……」

ガヴリール「……」

ガヴリール「……」

ガヴリール「……そんなこと言われたら眠れないよ///」


        
            ―終わりー



終わりです

なかなかネタが思いつかなかったですね
安価にすればよかったかもしれません

こちらは過去作です



ガヴリール「嘘の告白?」マルティエル「はい、そうです」
ガヴリール「嘘の告白?」マルティエル「はい、そうです」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1501172187/)


【ガヴドロ】ヴィーネ「また仕送りが減ってる……こうなったら……」
【ガヴドロ】ヴィーネ「また仕送りが減ってる……こうなったら……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506409331/)

ヴィーネ「ゼルエルさん!妹さんを私にください!」ゼルエル「駄目だ!」
ヴィーネ「ゼルエルさん!妹さんを私にください!」ゼルエル「駄目だ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508854367/)

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