―天界 天真家―
ヴィーネ「な、なぜですか!」
ゼルエル「なぜも何も……ガヴリールはやらんぞ!」
ヴィーネ「そ、そんな……!」
ガヴリール「……」
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ゼルエル「いや、待て……そもそも『妹さんをください』っていうのはどういう意味だ?」
ヴィーネ「え、えーと……それは……///」
ガヴリール「私との交際を認めてくださいってことだよ」
ヴィーネ「///」カアア
ゼルエル「!! お、おい……もしかして二人は……」
ガヴリール「付き合っているよ」
ゼルエル「な、なんだって!? いつからだ!?」
ガヴリール「一年前から」
ヴィーネ「うぅ……///」
ゼルエル「き、聞いてないぞ! そんな話は!」
ガヴリール「言う必要がなかったからな」
ゼルエル「ガヴリールがひどい!?」ガーン
ハニエル「ねえ……さっきから騒がしいけど、お客さん来てるの?」ガチャッ
ヴィーネ「あっ! ハニエルちゃん、こんにちは!」
ハニエル「わー! ヴィーネお姉ちゃんだ!」トテトテ
ゼルエル「おい、ハニエル。ガヴリールと月乃瀬は付き合っているらしいぞ! 知っていたか?」
ハニエル「うん、知ってたよー!」ギュウウ
ヴィーネ「ふふ……久しぶりね!」ナデナデ
ゼルエル「すでに懐いているだと!?……待て。い、一体いつから知っていた?」
ハニエル「えーとね……一年前から!」
ゼルエル「付き合い始めてすぐじゃないか! なぜ、お姉ちゃんには言わなかったの!?」
ガヴリール「だって、姉さん面倒くさ……ヴィーネとの交際を認めてくれないだろ?」
ゼルエル「おい、今面倒くさいって言おうとしたな?」
ガヴリール「違イマスヨー姉サンノ勘違イダヨー」
ゼルエル「いや、そんなことはどうでもいい!」
ゼルエル「ハニエル! この悪魔がガヴリールの恋人になっていることについてどう思う!」
ハニエル「うーん……」
ハニエル「ヴィーネお姉ちゃんならいいかな!」
ゼルエル「ハニエルは黙っていなさい!」机バン
ハニエル「ええ……ゼルお姉ちゃん理不尽だよ……」
ゼルエル「そもそもだ……なぜ、悪魔が天界にいるんだ? 厳重な書類審査がなければ天界に入れないのだが……」
ガヴリール「すげえ今更っすね。お姉さま」
ヴィーネ「? 簡単な審査だけで通してくれましたよ?」
ゼルエル「え?」
ヴィーネ「え?」
ガヴリール「あー、ほらヴィーネって天使っぽいだろ? だから、すぐに審査は終わったよ」
ヴィーネ「私悪魔なんだけど!?」
ゼルエル「そ、そうか……」
ゼルエル「……あれ? もしかして……ハニエルの様子から察するに、何回かこの家に来ているのか?」
ガヴリール「月に一度この家に来ているよ」
ゼルエル「えっ!? お姉ちゃん初耳なんだけど!?」
ガヴリール「そりゃあ、姉さんが留守の時を見計らっていたからな」
ゼルエル「それでは、私は厄介者ではないか!」
ガヴリール(そういうことだよ)
ゼルエル「それならば……今日私に会いに来たのは……」
ヴィーネ「は、はい! ガヴリールさんとの交際を認めてもらい……将来、ガヴリールさんとの結婚を許して下さい!」ペコッ
ゼルエル「なっ……! け、結婚だと!?」
ガヴリール「認めてくれるよな?」
ゼルエル「ちょ、ちょっと待ってくれ! 両親には話したのか?」
ガヴリール「二つ返事でOKだしてくれたよ」
ゼルエル「割とあっさりだな! ハニエルはどうなんだ!」
ハニエル「今度ともよろしくね! ヴィーネお義姉ちゃん!」
ゼルエル「あれ、おかしいな……漢字が間違っているぞ、ハニエル!」
ガヴリール「後は……姉さんだけだがどうなんだ? 認めてくれるか?」
ゼルエル「ぐっ……!」
ヴィーネ「……」ドキドキ
ゼルエル「……」
ゼルエル「それでは……私が今から言う物を持って来ることが出来たら、ガヴリールとの結婚を認めよう!」
ヴィーネ「!! そ、それは一体何ですか……?」
ゼルエル「この3つの物を今すぐ持ってくるんだ」
「天使の羽(天使にとって大切な物)」
「天界山の玉の枝(根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝)」
「天界火鼠の裘(焼いても燃えない布)」
ガヴリール(かぐや姫かよ)
ヴィーネ「……」
ゼルエル「どうだ、持ってこれそうか?…………今なら難易度を下げてもいいぞ?」
ガヴリール(ヴィーネには少し難しいかな……ラフィならすぐに用意できそうなんだが……)
ヴィーネ「あの……ゼルエルさん」
ゼルエル「なんだ?」
ヴィーネ「ゼルエルさんにお土産として持ってきたんですけど……これでもいいですか……?」ドサッ
「悪魔の羽(悪魔にとって大切な物)」
「魔界山の玉の枝(天界山とほぼ一緒)」
「デビル火鼠の裘(効果:火耐性大)」
ゼルエル「……」
ゼルエル「…………」
ゼルエル「……………………………………」
ハニエル(ゼルお姉ちゃん悩んでいるね)ヒソヒソ
ガヴリール(ああ、判断に困っているだろうな。まさか、それっぽい物を持っているとは思わなかったんだろう)ヒソヒソ
ヴィーネ「ど、どうですか……?」
ゼルエル「…………」ハッ
ゼルエル「だ、駄目だ!」
ヴィーネ「ええっ!?」ガーン
ゼルエル「いくらそれっぽい物を持ってきても、天界の物でなければならん!」
ヴィーネ「そ、そんな……折角、ゼルエルさんにお土産として持ってきたのに……」シュン
ガヴリール「姉さん……」ジトー
ハニエル「ゼルお姉ちゃん……」ジトー
ゼルエル(うっ……! 妹たちからの視線が痛い!)
ゼルエル「わ、分かった! 月乃瀬、土産ありがとう!」
ヴィーネ「それではガヴとの結婚を認めてくれるんですか?」
ゼルエル「えっ?……そ、それとこれとは話が別だ!」
ガヴリール「姉さん、さっきから話がぶれまくっているよ」
ゼルエル「大体なぜだ! ガヴリールと家族になるのなら、私とも家族になるのだぞ!」
ゼルエル「こんな面倒くさい義姉ができてもいいのか!?」
ガヴリール(自覚はあったのか……)
ヴィーネ「はい!」
ゼルエル「! それはなぜだ!?」
ヴィーネ「それは……」
ゼルエル「……それは?」
ヴィーネ「私は一人っ子なので……前からゼルエルさんの様な頼れるお姉ちゃんが欲しかったんです///」
ゼルエル「!」キュン
ガヴリール「!!」キュン
ゼルエル「お、おう……そうか……///」テレテレ
ガヴリール(ヴィーネ可愛い///)
ゼルエル「ゴホン……」
ゼルエル「月乃瀬の思いは分かった」
ゼルエル「…………ガヴリールとの交際を認めよう」
ヴィーネ「ほ、本当ですか!? ゼルエルお義姉さん!」
ゼルエル「まだ、義姉と呼ぶには早いぞ!?……まあ、なんだ」
ゼルエル「これからはよろしくな……ヴィネット///」プイ
ヴィーネ「!! よろしくお願いします!」ペコッ
ハニエル「よかったね! ヴィーネお義姉ちゃん!」
ヴィーネ「うん、ハニエルちゃんありがとう!」
ガヴリール「いやー、一件落着だな。よかった、よかった」
ゼルエル「……」
ゼルエル「それはいいとしてガヴリール」
ガヴリール「? なんだ、姉さん?」
ゼルエル「お前……下界での成績が落ちているな」
ガヴリール「そうだけど……それがなにか?」
ゼルエル「このままだと天界で、一から修行のやり直しになるから気を付けておけよ」
ゼルエル「最悪の場合、ヴィネットと会えなくなるかもしれないからな」
ガウリール「……は?」
ゼルエル「それでは用事があるから、私はこれで失礼する」
ゼルエル「また、遊びに来いよヴィネット」スタスタ
ヴィーネ「はい! 本日はどうもありがとうございました!」
ガヴリール「姉さん待って! 初耳なんだけど!?」
ゼルエル「神足通」シュン
ガヴリール「ちくしょう! 逃げやがった!」
ヴィーネ「ガヴ」
ガヴリール「な、なんだよ」ビクッ
ヴィーネ「今日からネトゲは禁止ね♪ それと付きっきりで勉強教えるわ! 頑張りましょう!」
ガヴリール「い、いやだ! ネトゲだけは……ネトゲだけは勘弁してくれ!」
ヴィーネ「駄目よ! それとも……」
ヴィーネ「ガヴは私と離れ離れになってもいいの?」ウルウル
ガヴリール「それはごめんだ」キリッ
ヴィーネ「そう……それなら今から勉強するわよ♪」
ガヴリール「」
ハニエル「……わ、私はお邪魔になりそうだからお部屋にもどっているね!」ピュー
ヴィーネ「……」
ガヴリール「」
ヴィーネ「ねえガヴ……」
ガヴリール「……なんですかヴィーネさん」
ヴィーネ「これから先、私とずっと……」
ガヴリール「ああ、心配するな。私はヴィーネと一生を添い遂げるつもりだ」
ガヴリール「だから……これからもよろしくな///」
ヴィーネ「……うん! よろしくねガヴ!」
――完――
終わりです
読んでくださった方ありがとうございました
それとこちらは過去作です
読んでいただければ幸いです
ガヴリール「嘘の告白?」マルティエル「はい、そうです」
ガヴリール「嘘の告白?」マルティエル「はい、そうです」 - SSまとめ速報
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