美由紀「新しい朝がきたー♪」 (17)

ラスティックピースの小話です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509085883



女子寮/美由紀の部屋


美由紀「zzz……」

美由紀「んみゅ……」

ピピピ ピピピ ピピピ

美由紀「ん……はふ……」ググーッ

美由紀「ふわぁ……」ゴシゴシ チラ

時計<5:00>ピピピ ピピピ カチッ

美由紀「はふ……よしっ、と」トタトタ

シャーッ

美由紀「うわぁ……まだ少し暗いなー。……とっても早い朝ってこんな感じなんだね」

美由紀「……よしっ、じゃあ準備っと! お着替えお着替え〜」ルンルン

美由紀「……ふわぁぁ。でもまだ眠いや……」アー

ガチャ


美由紀「おはようごさいまー……す?」

悠貴「美由紀さん、おはようございますっ!」

真尋「美由紀ちゃーん! おっはよー!」

美由紀「二人とも、おはよー! びっくりした。とっても早起きなんだね」

悠貴「はいっ、今日は真尋さんとランニングなんです!」

真尋「へへっ、誘われたからには早起きしないとってね! 美由紀ちゃんこそどうしたの、すっごい早いね?」

美由紀「ふふふ……これ!」

悠貴「わあっ、箒ですか! お掃除するんですねっ」

美由紀「そうだよ! これで事務所の前をお掃除するんだ〜♪」

真尋「そっかー! うーん、誘いたかったけど……なら仕方ないね!」

美由紀「もう、二人に走られちゃったら着いていけないよ〜」

悠貴「大丈夫ですっ、美由紀さん! 私が精一杯サポートしますから♪」

美由紀「そう? なら……って! みゆきはお掃除なの! ダメだってば悠貴ちゃん〜」

悠貴「えへへっ、ごめんなさい♪」

真尋「よしっ、悠貴ちゃん! それじゃ、いこっか!」

悠貴「はいっ! じゃあ美由紀さん、失礼しますねっ」

美由紀「うん! いってらっしゃ〜い♪」

ガチャ パタン

ーーーー

真尋「……あれっ、そういえば美由紀ちゃんが年上なんだ」

悠貴「? 真尋さんっ、どうしました?」

真尋「ううん、なんでもないよ!」

ーーーー

美由紀「真尋ちゃんも悠貴ちゃんもすごいな。こんな朝早く起きて……ふわぁ」

美由紀「うー……ちょっと眠いや。何か冷たいもの……」トタトタ



台所


比奈「」トポトポポ

美由紀「あれっ? 比奈ちゃん、おはよー!」

比奈「あ……美由紀ちゃん、おはようっス。……おっとと」トポトポ

美由紀「わー……コーヒーだ。すごいね比奈ちゃん」

比奈「すごい……っスかね? へへ、なんかどうもっス」

美由紀「みゆきはブラックコーヒーダメなの。んんっ! ってなっちゃう」

比奈「んんっ! っスか。それは辛いっスね」

美由紀「そうっすよー」

比奈「そうっスかー」

美由紀「……ふふっ♪」

比奈「……へへっ♪ ところで、何かご用っスか美由紀ちゃん」

美由紀「うん、みゆきちょっと何か飲もうかなって」

比奈「はー、なるほど。えーっと……ああ、うん。なんか色々あるっスよー」

美由紀「どれどれー?」ガチャッ

美由紀「あ、カフェオレー♪」

比奈「えーと……ここかな? あった、コップどうぞっス」

美由紀「ありがと、比奈ちゃん!」

比奈「いえいえー」

美由紀「♪〜」ゴクゴク

比奈「ところで美由紀ちゃん、こんな朝早くからどうしたんス?」

美由紀「寮の前をお掃除するの! えーと……あれで!」

比奈「ああ、立派な……竹箒? っスね」

美由紀「でしょ!」

比奈「へへ、偉いっスねー」ナデナデ

美由紀「ありがと〜♪」

比奈「ふふ……さて、アタシも帰る用意しとかないと」

美由紀「比奈ちゃん、泊まってたんだ?」

比奈「っス。いやあ、鑑賞に白熱してたらいつの間にか……って、これは美由紀ちゃんには聞かせられないっスね」

美由紀「えー? もう、きになるよー!」

比奈「美由紀ちゃんには不健康なお話っスから……美由紀ちゃん、大人になってもちゃんと寝るんスよ」ナデナデ

美由紀「? よくわかんない……」

比奈「はは……じゃあ、アタシはここらで〜」

美由紀「うん! 比奈ちゃん、気をつけてねー!」フリフリ

トタトタ……

美由紀「……比奈ちゃん、コーヒーなんて大人だなあ」

美由紀「あ、ちょびっとだけポットに……おためしに少しだけ」

美由紀「……んんっ! やっぱりまだだめ……」


ーーーー

美由紀「おっそうじ、おそうじ〜♪」トテトテ

飛鳥「……おや、そこに見えるのは美由紀かい」

美由紀「あっ、飛鳥ちゃん! おはよー!」

飛鳥「ああ、おはよう。……こんな朝早くから奇遇だね」

美由紀「だねー! 飛鳥ちゃんも早起きなんだ」

飛鳥「ちょっと違うね……運命のいたずらってヤツさ」

美由紀「えーと……なんとなく起きちゃったの?」

飛鳥「……どうだろうね」

美由紀「なるほど〜。あ、ねえねえ飛鳥ちゃん、何してたの?」

飛鳥「ただ赴くままに、歩いていただけさ。人が全くいないこの空間を味わいながら、ね」

美由紀「お散歩してたんだね!」

飛鳥「ふふっ、 まあ言うなれば」

美由紀「へえ〜……みゆきもお散歩好きだよ! 道に迷ったりもしちゃうけど……」

飛鳥「そうか。……まあキミのことだ、迷っても帰るべき所はしっかりと理解ってるんだろう?」

美由紀「うん! 太陽が見えたらわかるよ!」

飛鳥「フッ……対したものだね、キミは。称賛に値するよ」

美由紀「? えっと……うん!」

飛鳥「……ああ、誉めてるのさ」

美由紀「なるほどー! ありがと、飛鳥ちゃん!」

飛鳥「ボクにはないスキルさ……どうやっているのか、とても興味深い」

美由紀「んー、太陽と時間だけでわかるよ?」

飛鳥「……成程。やはりボクには難しそうだ」

美由紀「そんなことないよ〜……時間? あ! もうこんな時間なんだ、ごめんね飛鳥ちゃん!」

飛鳥「? ああ、なんだかわからないが……また会おう、美由紀」

トタトタ……

飛鳥「……箒、ね」

女子寮前


ガチャン


美由紀「よいしょっ……と」トントン

美由紀「よしっ、それじゃ始めるぞー!」グイーッ

サッ サッ

美由紀「♪〜」

サッ サッ

美由紀(落ち葉がいっぱいだねー。今さら気づいたけど)

サッ サッ

美由紀(よく見ないと気づかなかったなあ。いつも通ってた道だからすごく……)

美由紀(……いつも、かぁ。もうここの道もなれて来たんだなあ)

サッ

美由紀(……お父さん、元気にしてるかなあ。お母さん、ご飯いっぱい食べてるかなあ)

美由紀(お家でも、おそうじのお手伝いしてたな、なんだか懐かしいや……)

サッ

美由紀(……)



スタスタ


P「……おっ、美由紀か?」

美由紀「あっ、Pさん! おはようございまーす!」

P「おお、女子寮の掃除か」

美由紀「うん! ……あ、ちょっと待っててね。ササッと掃いて……っと」

美由紀「よしっ、キレイな道のできあがり! どう、Pさん?」

P「うーん、凄く綺麗になったな。えらいぞ美由紀」

美由紀「えへへ〜♪ うん、やっぱり早起きすると良いことあるね! 朝からPさんとも会えたし!」

P「ははは、そんなに会えて嬉しかったのか?」

美由紀「うんっ! だってPさんだもん」

P「それはどうも」ナデナデ

美由紀「えへへ♪」

P「……よしっ、じゃあ俺も手伝ってあげようか」

美由紀「え、Pさんも? いいの?」

P「ああ、今日は早起きしたんでな。時間はまだまだ余裕がある」

美由紀「わーい♪ えへへ、そしたら二倍キレイになるね〜♪」

P「よし、じゃあ……俺は手で拾っていこうか」

美由紀「うん、お願いします!」

サッ サッ

美由紀「♪〜」

ヒョイ ヒョイ

P「美由紀、すごい楽しそうだな」

美由紀「うん、楽しいよ! みんなが住んでる女子寮だもん。楽しいし、嬉しいの!」

P「そうかそうか、それならよかった」

美由紀「♪~」

サッ サッ

P「……」

美由紀「……」

美由紀「……今日朝起きてね、色んな人と会ったんだ」

P「寮の皆か」

美由紀「うん! 朝でもみんなはここにいるんだなって。なんだか不思議な気分だったの」

P「あー、なんとなくわかるかもしれん。こう……暗いし、まだ夜の続きみたいで誰もいないような気分なんだよな」

美由紀「そうそう! でも起きてる人はいて、でも気分は夜で……なんだかわからなくなってきちゃうね」

P「なんだか複雑だなあ……」

美由紀「たしかにね~。……とにかく、いつどんな時に来てもやさしいみんながいてくれるって思って……なんだかうれしい気分なの」

P「ふふっ、美由紀はみんなのことがだいすきなんだな」

美由紀「うん! みんなみんな、と〜っても優しいしきれいだし……みゆき、ここに住んでるみんながだーいすき!」

美由紀「もちろん、ここに住んでない人も……お父さんやお母さんも、地元のお友だちも、近所の人達も、みんなみんなだいすきだよ!」

P「……そっか」

美由紀「うんっ! みんなのためにできるんなら……みゆき、すっごく頑張れちゃうの」

P「うん、やっぱり……美由紀は偉いな。とっても」

美由紀「えへへ……照れちゃうよ」

P「美由紀、その心は大事に……とっても大事にしていくんだぞ。これから将来、その心は美由紀をとっても良い大人にしてくれるから」

美由紀「……うんっ!」

P「……それにな。美由紀がみんなを好きなように……」チラッ

美由紀「?」

タッタッタッ……

P「みんなも、美由紀のことが好きみたいだな」

悠貴「おーい、美由紀さーん!」タッタッタッ

真尋「美由紀ちゃーん!」タッタッタッ

美由紀「あ、二人ともー! お帰りなさい! ……あ、それって」

悠貴「はいっ! えっと、私たちも……」スッ

真尋「掃除、手伝おっかなって! 事務所から借りてきたんだ!」スッ

美由紀「わぁ……ありがとう、悠貴ちゃん、真尋ちゃん!」

比奈「……あ、ちょっと出遅れちゃった感じっスかね?」

飛鳥「いや、そうでもないさ。まだ終わってはいないみたいだからね」

美由紀「比奈ちゃんに飛鳥ちゃん!」

比奈「いやまあ、ちょっとだけならアタシもお手伝いしましょうかなーと……」

飛鳥「……ふとした気まぐれさ。でもまあ、たまにはこういうことも良いだろう……ってね」

美由紀「わぁ……みんな、ありがとう!」

P「ふふ、よかったな美由紀」

美由紀「……うんっ! みゆき、すっごく幸せ♪」



終わりました。依頼出してきます。
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