みほ「臭い食べ物?」 (16)

沙織「おはよーみぽりん、って何この箱?」

みほ「あ、おはよー沙織さん、実は蝶野教官がさっきヘリから投下していったんだけど・・・」

優花里「映画のようなド迫力でしたねアレは・・」

麻子「爆音ですっかり目が覚めてしまった」

華「それにしても、この箱、何が入っているのでしょうか」

みほ「えーと、、どうやら食べ物みたいだよ、しかも色々入ってるみたい」

華「食べ物ですか!朝食は必ず摂るようにということでしょうか」

優花里「西住殿!箱にメモが挟んでありました! 読み上げます!」

麻子「なんだろう、中身のリストだろうか」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1508750415

優花里「アンコウチームのみんな、夏場に入り練習もより一層厳しいものになるけど頑張ってほしい!

   さて、暑くなって困るのは戦車内の快適さ!、戦車は恐ろしく蒸し暑く覗き窓全開でもちっとも涼しくない

   けど蒸し暑さはまだ我慢できる、問題は匂い!

   ただでさえ密閉空間な上前記の通り通気性は最悪、おまけに狭いから逃げ場がない

   蒸し暑さで汗が吹き出し、それを抑えるための制汗剤の匂いのダブルコンボ

   私が現役の時は初心者の子が走行中の揺れで酔った上そのコンボを食らって結果もうワンコンボ追加されたわ」

沙織「朝から聞く内容じゃないよ・・・」

麻子「状況を想像したら悲惨だな」

優花里「そこで今回は、みんなに予め強烈な匂いに慣れてもらおうと思って様々な食材を用意しました

    どれもとても強烈な臭いのする食材ばかりだけど、これを乗り越えれば少なくとも試合中に
    
    車内の匂いで集中を欠くなんてことはなくなると思うわ!」

みほ「食べる必要はあるのかな・・・」

優花里「追伸:中々手に入らないものもあるから食べきれなかったり捨てたりしたら


    牛乳拭いた雑巾を戦車の中に一週間干す刑に処します」

華「IV号が亜空間になってしまいます・・」

沙織「絶ッ対やだそんなの!!」

優花里「とりあえず開封しますね」

みほ「うん、よろしくゆかりさん」

麻子「内容の納得はしたが・・本当にこれはやる意味があるのか西住さん」

沙織「そうだよ!!みんなちゃんとお風呂入ってるし制汗剤もペーパータイプ使えば問題ないし!」

みほ「うーん、でも教官の言うことも一理あると思うんだ

   体臭や汗の匂いは長時間戦車に乗ってるとどうしようもないし、ペーパーの制汗剤使っても多少の匂いは残るし

   それに黒森峰にいた頃にちょっとね」

華「黒森峰でも何か匂いで何かあったのですか?」

みほ「うん、乗組員をシャッフルして紅白戦をしたんだけど。その日の演習場が砂漠フィールドでね

   私の乗ってたティーガーが始まってすぐに砂の深いところに嵌って動けなくなって牽引車待ちをしてたんだ

   安全のために乗組員は戦車の中で待つように言われたんだけど動かないから風もないし

   日光に照らされて車内がすごく蒸し暑くなってみんな汗ダクダク、しかも装填手の子がその・・」

沙織「なに!?まさか吐いちゃったとか?」

みほ「ううん、そうじゃなくてその・・脇が・・・ね・・脇からすごくスパイシーな香りが・・・・」

麻子「ワキガか」

みほ「うん、それで装填手の子以外気づいたら気を失ってて目が覚めたら医務室に・・

   お姉ちゃんとエリちゃ・・逸見さんにすごく心配されたし、装填手の子はその後戦車道やめちゃうし・・」

華「悪気はまったくなかったとはいえ悲惨ですね・・・」

みほ「みんなの中にスパイシーはいないけどもし匂いが原因で誰かが戦車道やめるなんてことになって欲しくない

   だからこの任務は私たちアンコウチームが責任をもって完遂したいの」

沙織「そっか・・・、うん、みぽりんがその気なら私も手伝う!」

麻子「私も腹を括ろう」

華「二回目の朝ごはんというのもいいですね」

沙織「華は食べ過ぎだよ・・・」

優花里「開封できました!どうやら匂いのランク別に分かれてるみたいです!」

Lv1  納豆(大袖振り)

沙織「って納豆じゃん!これは私食べられるよ、むしろ好物!」

優花里「そうなんですか?武部殿はパンケーキとかそういった類のものかと」

沙織「だって茨城県の名物だよ!?美容にもいいってテレビで言ってたし!」

麻子「買い占めたりするなよ?一時騒ぎになったんだから」

華「おいしいです~」ハムッハフ

みほ「本当だ、この納豆ご飯なくてもいけちゃう」

優花里「西住殿は納豆よく召し上がるんですか?西日本の方はあまり食べないイメージなのですが」

みほ「熊本県は結構納豆食べるよ?納豆ラーメンとか馬刺し納豆があるぐらいだし」

優花里「そうなんですか!言われてみれば納豆ってなんでも合いますね、オクラとかキムチとか」

麻子「卵かけご飯に納豆入れたのをおばあがよく食ってるな」

みほ「私たちは平気だけどやっぱり外国人さんにはなかなか受け入れられないみたいだね、サンダースとかグロリアーナの

   人たちは苦手な人多いって聞くし」


麻子「あいつら全員日本人なんだがな・・・」


沙織「完食したよ!おいしかった~。これぐらいならいけるんじゃない私たち!」

みほ「そうですね、では次の食材を開けてみましょう!パンツァーフォー!」

Lv2  鮒寿司

フナを用いた熟れ鮨(鮓)であり、滋賀県の名産である。飯と塩で作られるが、飯に漬けた後に酒粕に漬け直すこともある。その場合は、発酵臭が抑えられる。独特の香りがあり、魚肉のタンパク質がうまみ成分であるアミノ酸へ分解されたものである。主に琵琶湖の固有種であるニゴロブナが使用される。オスもメスともに使われるが、子持ちのメスのものは比較的高価である。wikiより抜粋

沙織「うわ臭ッ!なんか酸っぱい匂いがすごい!!」

優花里「目に染みますぅ」

麻子「これは蒸れた足の匂い・・・いや・・」

華「なんだか・・いやらしい匂いがしますね」

沙織「!?」

みほ「とにかく、食べてみましょう」パクッ

パクッパクッ

麻子「ん・・・酸っぱいがイケるな」

優花里「なんでしょう、すごく酸っぱい〆鯖って感じですかね」

みほ「匂いの割には全然食べられるね、でもお寿司というよりはお酒のおつまみって感じかな」

沙織「ねぇ!今調べたら鮒寿司には美肌効果もあるらしいよ!また綺麗になっちゃう~」ヤダモー

華「みなさん、今ご飯が炊けましたので鮒寿司茶漬けにしませんか?」炊飯器パカー

沙織「華!?いつご飯炊いたの?!っていうかなんで炊飯器があるの!?」

華「すいません、いつお腹が空いてもいいようにレオポンチームの方々に頼んでガレージに置いておいてもらってたんです

  それでさっき納豆を食べたのでご飯が欲しくなってつい・・」

沙織「だからたまに練習後にガレージいってたんだ・・・・」

優花里「じゃあお湯沸かしてきますー」

コポッコポットクトクトクトク

優花里「できました!いただきます!」

サラサラ

みほ「あ、おいしい!」

麻子「すっぱさもあまり気にならないな」

沙織「練習後とか疲れた時にいいかも、おいし~!」

華「卵の部分が溶け出して旨味がいっぱいに広がりますね~」ズルズルガツガツ

優花里「今回はお湯ですが玄米茶とかで作ってもおいしそうですね!」



華「完食ですね、美味しいものばかりで幸せです~」

みほ「この勢いで次も攻略しましょう!パンツァーフォー!」

Lv3  くさや

くさやは、魚類の干物の一つで、伊豆諸島の特産品として知られている。クサヤモロなどの新鮮な魚を「くさや液」と呼ばれる魚醤に似た独特の匂いや風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにした食品である。

新島における方言で魚全般を指して「ヨ」と言われており「臭い」+「魚」=「クサヨ」が転じて「クサヤ」になったと言われている。 wakiより抜粋


みほ「これがくさや・・名前は聞いたことあったけど・・・」

麻子「私も食べたことないな」

沙織「ていうか女子高生が好んで食べるものでもないと思う」

優花里「干物ですから焼くんですよね、焼く前から結構匂いますが・・」

華「では火の用意をします」

みほ「私も手伝うよ」

パチッパチッ

麻子「このバーベキューセットはどこから・・」

華「レオポンチームのガレージから・・・」

沙織「なんでもアリだね自動車部・・・、とにかく焼いてみるよー」くさやノセー

ジュゥゥゥゥウウウ

みほ「グッ!!!!!????」

麻子「ガッ!!!!!!????」

沙織「何これぇえええええええ!」

華「焼いた瞬間から・・・すごい匂いが・・・・」

優花里「こ、これは牧場・・・もっと言えば牛糞とかそういう類の・・・!」

沙織「言わなくていいよゆかりん!!ねぇほんとにこれ食べるの!?」

みほ「正直とてつもない匂いですが後退はできません!行きましょう!パンツァーフォー!」パクッ

麻子「ええいままよ!」パクッ

パクッパクッパク

沙織「あれ?・・・臭いのに・・・臭いのにぃ!」

優花里「むしろ普通の干物より旨味がすごいですよこれ!」

麻子「噛めば噛むほど旨味が染み出てくるな、美味い」

華「ご飯が進みますぅ~」カッカッカッカッカ

みほ「本当だ、おいしい、・・・でもこれ口の中と服がとんでもない匂いに・・・」

優花里「歯磨きと洗濯は絶対必須ですね・・・」


麻子「うん、ひどい匂いだが味は美味かった。もしかして匂いがきついものは酷いのは匂いだけで味はいいのが

   多いんじゃないか?」

沙織「うん!きっとそうだよ!匂いは我慢できなくても美味しいならなんとか耐えられるよ!」

優花里「そうですね!楽勝ですよ西住殿!」

みほ「(なんだろ・・順調すぎて嫌な予感がする・・でも引くわけには・・)そうですね!どんどん行きましょう!
 
  パンツァーフォー!」








Lv 4   ホンオフェ

ホンオフェは韓国料理のひとつ。ガンギエイの刺身、あるいは切り身を壷などに入れて発酵を促進させたものである。朝鮮半島南部ではカオリフェとも呼ばれる。

wikiよry

優花里「ッ!?」

みほ「ブェッ!!!!」

沙織「キャアアアアアアアアアア」

麻子「」

華「こ、、これはなんでしょう・・・・例えるならそのングッ・・・オシッ・・強烈なアンモニア臭が・・・」

麻子「小便だよ小便!!!なんなんだこれは!!!」

沙織「麻子がキレてる・・・でもわかるよ、それぐらいウエッ臭いもん」

優花里「えーと、し、調べたところによるとエイの刺身を壺で十日ほど発酵させたものらしいグッです」

みほ「ま、まぁボフゥ、、食べたら美味しいかもエブッしれないから・・・」ハァハァ

沙織「無理!無理だよみぽりん!!だってボブッ、、、だって夏の公衆便所みたいな臭いするんだよ?!」

みほ「それでも!諦めたら!負けなんです!ヨグッ」

華「・・分かりましたみほさん、私がセブッ先陣を切ります」

みほ「は、華さん」

華「いただきます」パクッ

優花里「わ、私も行きます!」パクッ

麻子「クソォ・・・」パク

沙織「うぁぁぁぁああん!!やだもぉぉおおお」パク

みほ「パ、パンツァーフォー!」パクッ

モグモグ

一同「ッ!!!!??????」

みほ「グゲェ!!」

麻子「ブッ!!!???」

沙織「あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

優花里「ウッ・・・・・ウッ・・・・・」

華「」

麻子「なんで!ウェッ想像通りの味なんだ!!!!グェェエエ」

沙織「痛い!口の中が痛い!グェッ」

優花里「胃の中からウゥッオシッコと胃液の風味がッ」

みほ「目が!鼻が痛い!!!???」

華「」

数分後、、、

みほ「み、みなさん、、、無事ですか?」

麻子「ハァ・・ハァ・・・酷い目にあった」

沙織「ヤダモー。。。。ヤダモー。。。」

華「」

優花里「MREより不味いなんて・・・・」

みほ「(もうみんな限界だ・・・)みなさん!聞いてください!

   今箱の中をみたらもう食材が入っていません!つまり私たちは勝ったんです!悪臭に打ち勝ったんです!」

沙織「ヤダモー。。ハッ!?ホント?それホント!?みぽりん!!」

麻子「ようやくか、、、黒森峰より手強かった。。。」

優花里「辛い戦いでしたね・・・」

華「」

麻子「そうとなればさっさと片付けよう、周りも酷い匂いだから」

優花里「そうですね!では私は箱を片付けるであります!」

みほ「じゃあ私は蝶野教官に報告するね」

沙織「私は麻子と一緒に華を医務室に連れてくよ・・」フラフラ

みほ「では各自行動に「西住殿ォォォォオオオ!!」な、なんですかゆかりさん!!」

優花里「は、箱の隅から、最後の食材が出てきました・・・・」

みほ「え!?そんな!?私が見た時には大きなものは入ってませんでしたよ!?」

優花里「保冷材の陰に隠れてたみたいです。。。しかもこれは、、この缶詰は・・・・!」

みほ「なんですか!ゆかりさん!その缶詰の名前は!?」

Lv5 シュールストレミング

シュールストレミングは、主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。その強烈な臭いから、「世界一臭い食べ物」と評されることもある。

シュールストレミング「ヤァ」

一同「」

沙織「これ・・・あれだよね・・・」

みほ「だと・・・思う・・・TVでした見たことないけど」

優花里「確か世界一臭い缶詰だとか・・・」

麻子「ここまで来たら腹を括ろう、今日何回括ったかわからんが」

みほ「分かりました、では私が開栓します!」

優花里「!?いや、西住殿!ここは私が!」

みほ「いいんです、みんなをこんな目に合わせてしまった責任は私がとります。さぁ、、、下がってください!」

優花里「西住殿・・・・ッ わかりました、お任せします!これ、缶切りです!」

みほ「ありがとうゆかりさん、、、」

沙織「ここまで汚れちゃったらもう一蓮托生だよ!匂いが染みついて彼氏ができなくなっても

   私たちずっと友達だよ!?みぽりん!!」

麻子「そうだ西住さん・・・奴のどてっぱらに一発ブチかましてやってくれ・・・」

優花里「私は西住殿を信じます!みんなで無事に帰りましょう!!」

華「」

みほ「みんな・・・・・ありがとう・・・・・・じゃあ、行ってきます!」

ツカツカ


シュールストレミング「オレヲアケルノカイ?」

みほ「はい、あなたを倒して、私たちは先に進みます」

シュールストレミング「コウカイハ?」

みほ「ありません」

シュールストレミング「ソウカイ、ナラ、アケルガイイサ」

みほ「・・・・・・・・・」

グッ!

みほ「パンツァーフォー!」



後日談


缶を開けた瞬間缶から耐えることのできない匂いの液体がパンツァージャケットに飛び散り

私は即座に失神、周りのみんなも悲鳴を上げたあと激臭に耐えられず嘔吐失神

特に麻子さんは吐瀉物がのどに詰まって呼吸困難になっていたらしく、悲鳴を聞きつけて駆け付けた

レオポンチームがいなかったら危なかったそうです

麻子さん曰く「綺麗な川を渡ろうとしたらおばあとそど子が出てきて起きろって言われた」と言ってました

お母さんもヘリで駆け付けてくれて、二人とも一瞬顔をしかめましたが私を抱きしめてくれました

そしてことの顛末をお母さんに説明するとお母さんは「あいつの給料を全部シュールストレミングにしてやる」と

怒ってました。

衣服は一年生のみんなが全部洗濯してくれたのですが、やはりジャケットは匂いが染みついて駄目になりました

あと何故か澤さんが失神しました

そして蝶野教官。彼女は数日間西住流本家にて尋問ののち体から腐敗臭を出しながら私に謝りにきました

どうやら破門は免れたらしいですが、本家ではシュールストレミングとノニジュースしか食べられなかったそうです

私は快く許し、また指導をお願いしますと伝え、大洗を震撼させた激臭事件は幕を閉じました。  









そうそう、蝶野教官が気になることを言っていました「アレを二つも開けたのか?」と

「いえ?一つだけです」と答えると、「そうか、では私の手違いか・・・」と呟いていました。なんのことでしょうか

今となってはわかりません



「ねぇ、大洗に偵察行ったみたいだけど首尾はどうだった?」

「残念ながら練習はしてなかったよ、みんなで食事をしてただけだった」

「今回はごめんね一人で行かせちゃって、三人で行けば一輌ぐらいは風で流れてきたかもしれないのに」

「そんなときもあるさ、でも代わりと言っちゃなんだけど持ってきたものもあるよ」

「何それ、缶詰?盗ってきたの?」

「それは大切なことなのかな?でも大洗の人達が最後まで大事にとってたから大層美味しいものなんだろうね」

「わぁ!すごい!おーい!我らが隊長がすごいもの持ってかえってきたよー!海外の缶詰だって!」

「おー、そりゃすごい。じゃあ晩飯にしよう!」

「フフッ、気が早いなぁ、わかったよ缶切りはあるかい?」

「はい!楽しみだなぁ、どんなんだろ」

「カニか?それともサバとか?」

「急かさない急かさない」ニコッ

「じゃあ、開けるよ・・・」


トゥータ

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