まほ「エ、エリカ!そのケーキ食べたのか!?」エリカ「へ?」モグモグ (44)

※キャラ崩壊マシマシ


エリカ「ご、ごめんなさい隊長…共用の冷蔵庫に剥き身で置いてあったから自由に食べていいとばかり…」

まほ「いや、そんなところにしまわず素直に捨ててしまえばよかったんだ。私が悪い…!ただ私が悪いんだ!」ガンガン

エリカ「隊長!?テーブルに頭を打ち付けるのはやめてください!腐ってたくらいで怒りませんから!」

まほ「いや、そのケーキは腐ってるわけじゃない…」

エリカ「じゃあ、なぜそんなに慌てて」

まほ「…皿の裏を見てみろ」

エリカ「?」クルリ

【プラウダ製薬 製造部 心理化学チーム:作品番号46 スナオニナール】

エリカ「…………は?」

まほ「ごめん」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507390415

【少し前】

まほ「えーと、これは私へのファンレター、これはエリカへのファンレター、これはお母様宛のカミソリレターっと。また島田流からか」ポイッ

まほ「後は…なんだこれ?クール便の小包?この模様は…」


カチューシャ『じゃあね~ピロシキ~』


まほ「プラウダのマークだな。へえ、ライバル的な関係のプラウダから届け物とは珍しい。どれ」ビリビリ

まほ「…ん?これは」

ケーキ「うっーす」

まほ「ショート…ケーキか?一切れだけだ。なんだこれ」

ヒラッ

まほ「あっ、手紙も添えてあった。どれどれ」

『プリヴェット!マホーシャ。ウラル山脈より高い理想とバイカル湖より深い思慮の持ち主ことプラウダ隊長カチューシャ様よ!』

まほ「ウラル山脈より深い理想とバイカル湖より高い思慮の間違いじゃないか」ペラッ

『突然だけど、マホーシャって口下手よね!』

まほ「ほっとけ」

『そんなマホーシャに素晴らしいアイテムを用意したわ!一緒にケーキが贈られたと思うけどわかる?』

まほ「ん?このケーキに何か仕掛けでもあるのか」ペラッ

『そのケーキには我がプラウダ最強の医学薬学が髄まで詰め込まれた最強の自白剤が練りこまれているわ!』

まほ「えっ」

『その自白剤はね!食べた人間の心の蓋をブリヌイ生地のごとく簡単に剥がしてしまうわ!』

『つまり、一切嘘がつけなくなっちゃうの!捕らえた捕虜はトラの子の戦法から下着の色まで包み隠さず大暴露って寸法よ!』

『スナオニナールと名付けたその薬、貴重なものだけどマホーシャにあげるわ!自分で使ってもいいしミホーシャに食べさせてアンタのとこのおっかない家元と仲直りさせてもオーケーよ!』

『じゃあね~ピロシキ~ 追伸:食べた後一週間は効き目が切れないから気を付けるのよ。一応細かい品番とかは皿の裏に書いといたから、追加で買いたくなったら連絡頂戴ね』


まほ「…………はぁ?」

カチューシャ「ノンナーおなかへったー」

ノンナ「しばしお待ちを。今年は質の良いビーツが採れたのでボルシチがおいしいですよ。楽しみに待ってください」

カチューシャ「はーい」

ケータイ『カチューシャのテーマ』

カチューシャ「あら、マホーシャからだわ。もしもし」

まほ『夜分遅くにすまないなカチューシャ。用件はわかってるな?』

カチューシャ「もしかしてケーキのこと?お礼なんていいわよ」ケラケラ

まほ『お礼どころか、お前、お前はいつから東〇の不老不死の薬屋やコ〇ンの黒幕候補博士みたいな便利キャラになったんだ!カバー裏ネタなんて拾うんじゃない!』

カチューシャ「マホーシャ、日本語で喋りなさいよ。疲れてるんじゃない?お水も贈った方がよかった?」

ノンナ「スピリタスというお水をよく冷やして飲むと頭がすっきり切れ味爽快に」

まほ『そんなもん飲んだら脳味噌が焼き切れるよ。いやそうじゃない、魂胆はなんだカチューシャ答えろ』

カチューシャ「魂胆なんて無いわよ。強いて言うなら普通のモルモットより盛大に踊ってくれるモルモットの方が楽しいかなって思っただけよ」

まほ『要するに遊びたいだけか。このお子様隊長』

カチューシャ「ストップよマホーシャ。その言葉は災いの素よ。せっかくだから面白い映像を見せてあげるわ!アンタのPCに直接送ったから見なさい」

まほ『あ、ああ…』カタカタ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ノンナ「ケーキは美味しかったですか?」

ニーナ「はいぃ…と、とでもおいしかったです…」

ノンナ「それはよかったです。では同士ニーナに質問。あなたは同士カチューシャのことをどう思っていますか?」

ニーナ「そ、それはもちろん、ノンナ副隊長におんぶにだっこのちびっ子隊長で、いい歳こいでなっさけねえなぁって…あれ?」

ノンナ「なるほどなるほど。それでは、同士カチューシャの秘密を何か知っていますか?」

ニーナ「ヒッ!た、隊長が最近タップダンスに興味を持っで毎晩こっそり練習してるの盗撮してみんなで見ながら大笑い…あ、あれ?また…?」

カチューシャ「ほほぅ…カチューシャの恥ずかしい秘密を知っているだなんてね…じゃあノンナの秘密を何か知ってる?」

ニーナ「あぅ…あぅ…ボ、ボルシチをつくるときにこっそりおめこから出てくる汁を隠しあzングムゥ!」

ノンナ「同士カチューシャ、御覧の通り効果は抜群です」

カチューシャ「ねえ、今ニーナが何か言おうと」

ノンナ「気のせいです。それではこれからお仕置きに入ります。恥ずかしい秘密とかいろんな性感帯とか徹底的にほじくりますのでカチューシャはそろそろお休みを」

カチューシャ「あー、もうこんな時間ね。仕方ないけど子守歌はクラーラだけで我慢するわ…おやすみぃ…」

ノンナ「おやすみなさいカチューシャ」

ニーナ「んー!!!んんんんーーーー!!!!!!」メッチャナミダメ

ノンナ「おっと、ここからはR-18です」ガチャ

ブツッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カチューシャ「どうだった?すごい効果でしょ!」

まほ『それとお前の御付のおっぱい女がとんでもない人間だってのもわかったぞ…』

カチューシャ「マホーシャとはいえノンナを悪く言うのは許さないわよ!しゅくせーよ!あとあんたもおっぱい女じゃないの!」

まほ『ああもう、悪かった悪かったよ。悪かったからこんな危険物は返すぞカチューシャ』

カチューシャ「ダメよ」

まほ『なんで』

カチューシャ「面白くないじゃない!」

まほ『それが本音だろう!このちびっ子!貧乳!じゃあねピロシキって意味わからないよ!!!』

カチューシャ「うるさいわね!プラウダの医学薬学は世界一ィイイイイ!!!なのよ!有効活用しないなんて損じゃない!」

まほ『うるせえ!というかそれを言った奴はドイツ軍人だから黒森峰側の人間だ!』

ノンナ「カチューシャ、そんなことよりご飯ができましたよ」

カチューシャ「わーい」

まほ『おい!そんなことってなんだカチューシャ!カチューシャ!!!』

ノンナ「お電話変わりました。とんでもないおっぱい女です」

まほ『意外と根に持つ人間なのか君は』

ノンナ「あの映像の続きについて補足いたしますと、ニーナはすっかり私の肉べんk」

まほ『聞きたくない聞きたくない』

ノンナ「そうですか。それでは私はカチューシャにご飯を食べさせないといけないのでこれにて」ガチャ

ツーツー

まほ「どうしよう、これ…捨てるしかないのか…?」

まほ「…………」ホワンホワンホワン


みほ『お姉ちゃん大好き!え?はわわっ口から勝手に言葉が!』

みほ『お母さんと仲直りして、みんなで一緒に旅行いこ?もちろんお姉ちゃんと私は同じ部屋だよ!』

みほ『お姉ちゃん…軽井沢って寒いんだね…。温めて、ほしいな?』


まほ「…いや、ならん。断じてならん。ならんけど少し考える時間が欲しいからケーキを冷蔵庫にいったん避難させようそうだいったん避難するだけだ」ブツブツ

まほ「電話したら疲れたな。夜風に当たりに行くか」テクテク


エリカ「あー、いいお湯だった。飲み物が欲しいわね」冷蔵庫パカー

ケーキ「よう」

エリカ「あら…。普段は甘いものなんて食べないんだけど…」キョロキョロ

エリカ「…今日くらいいいわよね。えへへ」パクッ


【回想終了】

エリカ「そんなことが…」

まほ「すまない…」

エリカ「でも、まあいいですよ。元はといえば私が確認もせずケーキを食べたのが原因ですし」

エリカ「そんなことで隊長を見限ったりはしません」

まほ「エリカ…」

エリカ「確かになんか、思ったことがそのまんま口に出る感覚が気持ち悪いですけどね」

まほ「成程。確認するまでもないことだが、私への忠誠は本物だということになるな。なんだか照れくさいが」

エリカ「ええ。私は隊長のことを本気で尊敬していますから」

まほ「…………そのぉ、エリカ、先に謝っておく。ごめん。まあでも、いい機会だから仲直りしてしまえばいい」

エリカ「…え?」

まほ「えっとな、来週」

エリカ「来週」

まほ「大洗と練習試合。当然みほも来る」

エリカ「……」

まほ「みほも、来る」

エリカ「本当ですか!みほちゃんと会えるんですか!嬉しい!すっごく嬉しいです!(元副隊長と試合ですか。時間の無駄ですね)」

まほ「うわあ、すごい効果だ」

エリカ「あぁ、来週が待ちきれないわ!手を繋いでお散歩はやりすぎですかね!でもできることなら抱き着いて頬ずりしたいくらいです!(なんなんですかこれぇ!)」

まほ「うーん、素直じゃない性格ってことは知ってたけどここまでとは予想外だ」

エリカ「本当は素直になりたいんです…みほちゃんと仲直りして、以前みたいに一緒にご飯食べたりカラオケ行ったりしたいんです!(あああああああ!!)」

まほ「…」ンフッ

エリカ「隊長ぉお!笑わないでください!」

まほ「うん、やっぱりいい機会だ」

エリカ「えっ」

まほ「お前はみほと仲直りしろ。あんまり掘り返したくはないが、ルクレールでの一件はさすがに私もムッとしたぞ」

エリカ「うぅ…だってみほちゃんが楽しそうに新しい友達と話してるの見てたら、心がモヤモヤして止まらなくなっちゃって…(あああああああああああ!!!)」

まほ「私もみほと話をして、家のこととか、お母様のこととか、ちゃんと話をしてもいいと思ってな。大洗の問題は全部解決したし次にやるとすれば家族問題かなって」

エリカ「大賛成です!みほちゃん待っててね!(どうせ最終章でやるでしょおおお!今やらなくたっていいじゃないですかあああああ!!!)」

まほ「いやあ、心の声が邪魔で聞こえんなあ」

まほ「まあ、頑張れ。それはエリカの本心なんだ。押し殺すことはないんだからな」

エリカ「たいちょおおおおおお!!(たいちょおおおおおお!!)」

【6日後】

まほ「カチューシャが言うには、経口摂取してからちょうど7日目に完全に失活する特殊な成分でできてるそうだ。ご都合主義だな」

エリカ「」

まほ「ま、あと一日の辛抱だ。頑張れ」

エリカ「」

まほ「いい加減ガムテープ取れ」ビリリ

エリカ「プハァ!ようやくみほちゃんと仲直りできるわ!ありがとう神様!みほちゃん大好き一緒に遊園地行きたいアハハハハ!(アハハハハ!)」

まほ「いかん、本格的に壊れだした」

エリカ「……」プルプルカキカキ

まほ「筆談か。なんだ?」

『明日の練習試合、諸事情により休みます』

まほ「ダメ」

『制服が黒いからって本当にブラックにする人がありますか!!』

まほ「ダメったらダメ。休みたいなら理由をちゃんと言いなさい」

エリカ「……キモイって」

まほ「ん?」

エリカ「みほちゃんにキモイって言われちゃうよおおお!」

まほ「えぇ~…」

【回想】

エリカ「みほちゃんと会えるわ!楽しみよね赤星!」

赤星「は、はぁ…確かに楽しみですけれど…」

エリカ「ソーセージと麦ジュースもたっぷりあるし当日の夜はお祭りよ!あ、でも寝るのは私の部屋だから!あんたたちにみほちゃんの寝顔は渡さないわよ!」

赤星「そ、そうですね…」

エリカ「直下ァ!」

直下「ひゃいっ!」ビクッ

エリカ「みほちゃん好きかしら?」

直下「え、ええ…人間として好きですが…」

エリカ「ならいいわ。嫌いとか言ったらソーセージにするところだったから」

直下(怖い怖い怖い)

エリカ「恋愛的に好きと言ってもミンチ肉よ。運がよかったわね」

赤星(怖い怖い怖い)

直下(なにが怖いって、発言は躁全開なのに表情だけは般若のお面みたいなのが怖い!)

赤星(体の中に入り込んだ悪霊に言葉を喋らされてるのに必死で抵抗してるみたいで怖い!というか気持ち悪い!)

黒森峰生徒A「どうしちゃったの…?ここ数日の副隊長がすごいキモイんだけど」ヒソヒソ

黒森峰生徒B「ほらあの人、いっつも殆ど寝ずに事務仕事とかトレーニングとか、疲れちゃったのよきっと」ヒソヒソ

エリカ「聞こえてるわよあんたたち!」

AB「ひゅいっ!」ビクビクッ

エリカ「陰口なんて戦車道女子として恥ずかしいと思わないの!?」

A「は、はい…」

エリカ「隊長やみほちゃんの足元にも及ばないわ!反省しなさい!」

B「う、うえええええん…」ビエエエ

エリカ「な、泣くことないでしょ!」

A「気持ち悪いよぉ…」エーン

赤星(言ってることはまともなんだけど…)

直下(そもそもが気持ち悪すぎるのよね…)

エリカ「…………え、私気持ち悪い?」

【回想終了】

エリカ「気持ち悪いって言われちゃうよぉおおお!!」ユサユサ

まほ「揺らすなぁぁああ」ブンブン

エリカ「みほちゃんに嫌われちゃうよおおお!!」

まほ(あの薬、心の声はなんとでもなるんだが、表情とかまでは変わらないんだよな…)

まほ(いつもの仏頂面でみほしゅきしゅき発言…最初は面白かったけど、正直、気持ち悪い)

まほ「まあ、待て。こんなこともあろうかとプラウダと話をつけて解毒剤もらってきたから」

エリカ「え…?」

まほ「ほら、この飲み薬。ツンデレールっていう薬らしい。お前が食べたケーキと反する作用だそうだ。これを飲めば治る」

エリカ「た…」

まほ「ん?」

エリカ「たいちょおおおおお!!大好きです!!」ダキッ

まほ「おおう、重い(ここ数日薬に揉まれたからか遠慮が無くなってきたな…)」

まほ「ただしあんまり長続きはしないらしいから、今じゃなく試合の直前とかに飲むのがいいかもしれんな」

エリカ「わかりました。はぁ、ほんとよかった…みほちゃんに嫌われずに済む…」

まほ「まったく、手のかかる副隊長だ」

エリカ「えへへ」

まほ(かわいい。やっぱり戻すの惜しいな)

エリカ「そういえば、この薬どうやって手に入れたんですか?あそこがそう簡単に頼みを聞いてくれるとは思えませんが」

まほ「ああ、私物のブラボをPS4ごと貸すことで話がついた。なんでも前々から興味あったみたいでな」

エリカ「あのちびっ子シベリアだ芋掘りだ言うわりには文明の利器が好きなのね…」

まほ「陸のゲーセンでmaimaiやってるの見たぞ。わざわざ踏み台用意して」

エリカ「というか隊長がゲームやるのも意外過ぎました…」

まほ「みほに戦車ゲーム教わって以来この世界にハマってな。特にフロムゲーはストイックなゲーム性が気に入ってるんだ。お母様には内緒だぞ」

エリカ「わかってます。秘密ですね。えへへ」

まほ(やっぱりかわいいな…)

一方その頃、プラウダ学園

ノンナ「カチューシャ、ちゃんとツンデレールのアンプルは渡しましたか?」

カチューシャ「だいじょーぶよ、ちゃんと一本渡したから。強いわねこのガスコインとかいうの…」カチャカチャ

ノンナ「え」

カチューシャ「?」

ノンナ「…一本程度の量では、効果が半々になるだけですよ。あれはあまり強くない薬なので。私は二本渡してくださいと…」

カチューシャ「え」

机の上のアンプル「よぅ」

ノンナ「恐らく、作用が拮抗し合って本音と建前が交互に顔を出す気色悪い事態になるかと…」

カチューシャ「…………」

カチューシャ「まあいいか」

【試合】

蝶野教官「両校代表、前へ!」

桃「しっかりしろ西住」

みほ「はい…憂鬱だなあ」

桃「姉上のことか?」

みほ「ん…お姉ちゃんはちょっとだけギクシャクしてるけど、そんなに悪い気はしないです…」

桃「となると、逸見エリカとかいう選手か。私は直接関りは無いがルクレールで一戦交えた間柄だそうだな」

みほ「はい…」

桃「…ほら、シャキッとしろ!お前は隊長なんだぞ西住!なにか遺恨があるなら試合の後に個人的にやることだ。今は目の前の試合のことだけを考えろ!」

みほ「…そう、ですね。ありがとうございます」

桃「…うん」

みほ「…遅いですね」

桃「なにやら揉めてるようだな。お前の姉上と件の副隊長だ」

みほ(そういえば眼鏡なのに視力いいんでしたね…)

まほ「ハァ…ハァ…遅くなって申し訳ない…」

エリカ「なんで中途半端に効くのよ…一番最悪よ…」

みほ「あ、あの…エリカさん?」

エリカ「…ハッ!あんたらみたいなポッと出高校に歴史ある私たちが律儀に時間を守るわけないじゃない!バカねー!」

桃「噂通りの女だな」

みほ(大会で実力負けしたから歴史の有無の話なのかな…)

まほ「と、とりあえず、正々堂々戦おうじゃないか」

桃「当然こちらもそのつもりだ」

みほ「頑張りましょう」

エリカ「ハンッ、せいぜい足掻きなさい!あんたを蹴散らしたら一緒にホテルにいってえっちしましょうねみぽみぽりん!」

みほ「ええもちろ…ん?」

桃「」

まほ(やっべ…)

エリカ「精一杯試合を楽しみましょうね!かわいいかわいい負け犬の元副隊長!舐めたい(なんでよおおおおおお!!!)」

【少し遡って】

まほ「薬は飲んだか?」

エリカ「バッチリです。ツンデレールっておいしくないですね」ゴクッ

まほ「よし。まあ、本当は仲直りしてほしかったが…荒療治が過ぎるのも考え物だなやっぱ」

エリカ「本当ですよ…ようやく解放されました」

まほ「よーし、じゃあテストだ。みほをどう思う?」

エリカ「へちゃむくれで負け犬、大切なことからかわいく尻尾を巻いて逃げた哀れな私の一番大切なワンちゃんです!裸にリードをつけてお散歩プレイしたい!」

まほ「よし戻っ……………てない?」

エリカ「……」

まほ「えーと、もう一度だもう一度。この試合をどう思う?」

エリカ「時間の無駄以外の何物でもありませんね同じ時間みぽりんのみぽみぽをペロペロしてる方がずっと建設的です。栄養もあるし濡れるし」

まほ「」

エリカ「」

まほ「…ちょっと電話してくる」

カチューシャ『来たわねマホーシャ』

まほ「おいカチューシャよ、お前に貰った薬が不良品なんてもんじゃなかったんだが。なんか知らんが以前より気持ち悪さが増してるんだが」

カチューシャ『あー…えーと、ごめん。一本だけじゃ効果を完全に打ち消せないみたいなのよ』

まほ「はぁ?」

カチューシャ『マホーシャ落ち着きなさい。あなたは「はぁ?」とかいうキャラじゃないでしょ』

まほ「キャラなんて気にしていられる状態じゃないんだよこっちは」

カチューシャ『まあ、あれよ。半分だけ治ってるんだからいいじゃない』

まほ「よくないんだよ。首だけネコで胴体はライオンの珍妙な改造生物を見てるような気分になるんだよ」

カチューシャ『いやあ、それ慣れたら結構かわいいんじゃない?気持ち悪さが増してるのはミホーシャを前にして冷静でいられなくなってるんじゃないかしら多分。んじゃ私は時計塔のマリアがもう少しで倒せそうだから切るわねピロシキ』ブツッ

ツーツー

まほ「……」

まほ「『カチューシャ』で登録してたけど『クソチビ』に変えておこう…」

まほ「かくかくしかじかだ」

エリカ「……」カキカキ

『今日は法事があったのを忘れていました』

まほ「いや、もう選手登録しちゃったし…なんというか、その…ごめん」

エリカ「やだ!やだああああああ!!!」

まほ「この試合だけはなんとか済ませてくれエリカァ!」

エリカ「嫌!!かわいいかわいいみほちゃんの怯える顔が目に浮かぶようだわ!楽しみね!濡れる!嫌です!」

赤星「キモッ…」

エリカ「あああああ!赤星が今普通にキモイって言った!」

まほ「あとでびっくりドンキー連れてってやるから!」ズルズル

エリカ「釣り合わないいいいいい!!」ズルズルズルズル

直下「…なんか副隊長が狂ってから隊長もいい感じに醸されちゃいましたね」

赤星「いつもピシッ!てしてるから、たまにはくだけたところを見せてくれたらなーって思ってはいたけど…極端な人は極端に振り切れるのかしらね」

直下「夏だね」

【現在】

桃「あの…おたくの副隊長は酒でも飲んでいるのか?」

まほ「酒は飲んでいないがもっと邪悪な液体を飲んでいる」

エリカ「あうあう、みほちゃん…」

みほ「ヒイッ!」

桃「うちの隊長をいじめないでくれないか…」

まほ「わざとじゃないんだ…」

蝶野「えーっと、よくわかんないんだけど、とりあえず握手してくれる?」

みほ「あ、はい…」

エリカ「みほちゃん!私と繋がりましょう!」

みほ「は、はいぃ…」ガクガクガク

まほ「よろしく…」

桃「えーと、こちらこそ…」

みほ「が、頑張ろうね…!」ビクビク

エリカ「ああ…みほちゃんと繋がって触るんじゃないわよ元副隊長!!!!!!」バシィ!

みほ「ふえええええええ!!!」

桃「私と繋がりましょうとかキモイこと言っといてなんだお前はぁ!大丈夫か西住ぃ!」

エリカ「違う…違う…違わないわマイスイートハニーみぽりん…!」ガタガタ

まほ「お空きれい」

蝶野「なにこの空気」

審判員「えーと、開始?」

蝶野「あ、うん。開始」

桃「あの逸見エリカとかいう奴が相当ヤバいのであいつの乗ってるティーガーⅡを一秒でも早く沈めるべきです」

杏「どしたかーしま。この世の地獄を見たような顔をして」

桃「『ような』ではありません」

杏「そっか」

桃「私が副隊長なんだ。お荷物ではいけないんだ。世の中にはあんな存在もいる。西住を守ってやらなくちゃいけないんだ!」

柚子「桃ちゃんがプロシュート兄貴死んだ後のペッシばりに急成長してるんだけど…」

杏「ありがたいねー」


沙織「みぽりーん、作戦はどうするの?」

みほ「ティーガーⅡを全力で叩き潰してください。あとは流れで。以上です」

優花里「それだけですか?」

みほ「はい。汚物は消毒作戦です」

麻子「どうしたというんだろう西住さんは」

華「ティーガーⅡの中に凄まじい化け物でも入っているかのような口ぶりです」

みほ「…!」ガタガタガタ

麻子「五十鈴さん、多分それ合ってる」


大洗フラッグ車:IV号戦車
黒森峰フラッグ車:パンターF型

一方その頃、プラウダ

ノンナ「……」カタカタ

カチューシャ「スヤスヤ(お昼寝中)」

ノンナ「……」カタカタカタカ…

ノンナ「んー…?」

ノンナ「…あっ、これはまずい」

カチューシャ「スヤスヤ」

ノンナ「…お休みのところ失礼します同士カチューシャ。起きてください。まずいことになりました」

戦車戦はダイジェストでお送りします!

エリカ「みほちゃああああん!」キュラキュラキュラ

カエサル「なんか般若のような形相で血の涙を流しながら爆走している得体の知れないティーガーⅡがいるんだけど!」

おりょう「確かにあれは早急に叩き潰すべきだと思うぜよ」

エルヴィン「さながら菅谷直だな」

カエサル「いや、スパルタカスだろう」

左衛門佐「あれは薩摩武家者だ」

一同「「「それだぁ!」」」

エリカ「チェスト関ヶ原!」

ちゅどーん

あや「ひいいいい!聖グロの100倍は怖いいいいいいい!!!」

桂利奈「あいいいいいい!」

梓「ちょ、逃げちゃダメだって!」

紗希「…」クイクイ

梓「どしたの紗希!?」

紗希「…月光蝶」

エリカ「みほぉおおおおおおお!!」

梓「うわああああああ!」

ちゅどーん

エリカ「【ピーーーーー】みほ【ピーーーーーー】を【ピーーーーー】してやるわ元副隊長【ピーーーーーーーー】【ピーーーーー】」

そど子「ちょっと!誰よ放送禁止コード垂れ流してる風紀違反者は!」

ちゅどーん


ねこにゃー「あれは『ヤンデレ』ってやつなのかにゃー…」

ももがー「いや、分類できるような存在とは思えないもも…」

ぴよたん「ドラクエでいう????系統みたいなものぴよ」

ねこにゃー「なるほど、じゃああの戦闘力も納得にゃ…」

ちゅどーん

エリカ「#$*^『&}_?~ッ!!!!」

沙織「あわわわわ」

みほ「…今、ティーガーⅡは精彩を欠いています。ここが狙い目です。砲撃」

華「えぇー…」

みほ「砲撃。早く」

華「あっはい」

ちゅどーん

麻子「たーまやー」

優花里「フラッグ車を倒したわけでもないのになんでしょうこの達成感」

みほ「ギャブ・ファーより改造ファットバジャー倒したときの方が達成感ありましたね」

麻子「変なゲーム知ってるなあ」


なんだかんだで大洗が勝ちました。
アニメ最終話みたいな感じの展開で。

杏「はい試合終わり」

柚子「なんかいつもより疲れた気がするよ…」

桃「やったな、西住…俺たちの勝利だ…」シュボッ

柚子「桃ちゃんそれタバコじゃなくて干し芋だよ…というかまさかタバコ吸ってるの?」

桃「いや、私はココアシガレット派だよ柚子ちゃん」

柚子「じゃあそのライターは何よ」

桃「眼鏡のツルがヘタってるから炙って直す用に」

柚子「新しく買いなさい」

杏「炙り干し芋ってのも乙だねえ。それちょうだいかーしま」

一方黒森峰

まほ「かくかくしかじかまるまるうまうま。ということで、エリカは気が狂ったわけではないんだ。隠しててすまなかった」

赤星「いや、なんで黙ってたんですかそれ」

まほ「ああ…エリカがどうしてもそれだけは言うなって」

直下「なんで」

まほ「薬ってことだとそれは本性だけど、最初から薬だって言わなければ後から『あれは冗談だった』で片づけられるからって」

赤星「………いやいやいやいや」

直下「すごい無茶ですよそれ。冗談ってのはみんなで愉快に笑えるものをいうんです。どちらにしてもロクなことにならないんだから隠し事の無い方が幾分かマシでしたよ」

まほ「エリカを責めないでやってくれ。死ぬほど疲れてる」

赤星「副隊長だけじゃなく、隊長もそんなガッバガバの作戦が通るわけないのわかってたはずですよね?説得すればよかったですよね?」

まほ「はい」

黒森峰生徒「あんな縮こまってる隊長初めて見た」

みほ「お姉ちゃん…エリカさんの話、本当なの?」

まほ「聞いてたのか。みほ」

みほ「うん。全部聞いてた。安心半分怒り半分、そこに恐怖をトッピングって感じの気分」

まほ「……ごめん」

みほ「…素直になってくれるなら、それはそれで嬉しかったのに」

まほ「…私のせいで仲直りは遠のいてしまったな…」

ケータイ「プルルルル」

まほ「…ん?クソチビからだ」

みほ「誰よ」

まほ「カチューシャ」

まほ「もしもし…」

カチューシャ『あ、マホーシャ?えっとね、怒らないで聞いてほしいんだけど』

まほ「大丈夫だ。もう怒ってるから」

カチューシャ『あー、その口ぶりだとヤっちゃったあとみたいね。えっとね、あの自白剤の効果を打ち消すために解毒剤渡したわよね?えっとね、それがまずかったみたいなのよ』

まほ「……どういうこと?」

カチューシャ『…例えば心っていうのが、中に本音を隠した蓋つきの壺だとするでしょ?』

まほ「うむ」

カチューシャ『最初に渡した自白剤は、蓋を剥がして中の本音を取り出すものなんだけど…』

まほ「成程、理屈はなんとなくわかる。で、解毒剤がどうかしたのか?」

カチューシャ『ツンデレールは新しく蓋を作ってはめ込むものと考えていいんだけど、ちょっと重大な欠陥が見つかったの』

まほ「ちょっと重大ってなんだ。ちょっとなのか重大なのかはっきりしろ」

カチューシャ『うーん、重大ね。ツンデレールは蓋をして封印した本音を増大させる効果、より一層重くする効果が隠れてたの』

まほ「…つまり?」

カチューシャ『適当につけたツンデレールって名前だけど、ほんとにツンデレ薬ができちゃってたわけ。ツンツンしながらデレデレが増していくの。本来は膨れ上がった本音を蓋が抑え込んでるんだけど、ほら、マホーシャのとこは一緒に自白剤も飲んでたから蓋がカポカポ取れてたのね』

まほ「えーと、例えば、普通に手を繋いで歩きたいくらいのかわいい願いが【ピーーーーーー】したいに膨れ上がったり…」

カチューシャ『いってることがよくわからないけど、まあマホーシャの想定してる現象が起こるわね』

まほ「…………マジ?」

カチューシャ『マジよ。マホーシャそういう言葉使えたのね』

まほ「わかった。じゃあねピロシキ」ガチャ

カチューシャ「…我ながら意味わからない別れ言葉ねこれ」


まほ(そうか、よくよく考えたら本格的にエリカがキモくなったのは解毒剤を飲んでからだ)タッタッタッ

まほ(それまでのエリカは、まあ多少は気持ち悪かったけれど、かわいいと思う余裕ができる程度には抑えられてた)タッタッタッ

まほ(エリカの本音は、あんなキモくなかったんだ…!)タッタッタッタッ!!

エリカ「えへへ、テントウムシさんおいでぇ…」

みほ「草むらに体育座りしてテントウムシと遊んでる…」

まほ「確かにびっくりドンキーでは釣り合わないなこの失態は。奮発してレッフェル(熊本にあるそこそこいいお値段するハンバーグ店のチェーン)に連れてってやらないと」

みほ「お姉ちゃんがアホっていう新しい一面が見られて感激だよ…エリカさんが男の人だったらお尻の穴まで捧げないと釣り合いがとれないよ…」

まほ「こら、お姉ちゃんびっくりしたぞ。そんないやらしいことを言うなんて」

みほ「うん、そういうのいいから今は二人っきりにして?」

まほ「はい」

みほ「それと、今日の関係者全員に真実を伝えてきて。急いで」

まほ「はい」サササッ

みほ「……エリカさん。お薬の方は大丈夫?」

エリカ「……もう効果切れたわよ」

みほ「そう、よかった」

エリカ「……ほっといてよ。戦車道でも負けて、恥まで晒して…」

みほ「…」スッ

エリカ「なに隣に座ってんのよ。勝者が敗者を慰めるつもり?冗談やめなさいよ」

みほ「エリカさん、今は、そういうの抜きにしよう?」

エリカ「…………」

みほ「なにもかも投げ出して逃げたのは私。それは事実」

エリカ「……本当は、本当は気持ちがわからなくもなかったのに。才能も家柄も一流だったあんたへの嫉妬かしら……私も、悪かったわよ」

みほ「…でも、その話は…」

エリカ「別に今すること、ないわよね」

みほ「…うん」

エリカ「…ねえ。みほ」

みほ「なあに、エリカさん」

エリカ「率直に言うわ。私はあんたが嫌いなわけじゃないわよ」

みほ「…うん、嬉しい。率直ではないけど」

エリカ「…………うるさいわね」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

まほ(ディアンドル)「らっしゃーせー」

杏「おねーちゃーん、麦ジュースおかわりー」ケラケラ

まほ「かしこまりました」ドボボボ


エリカ「…なに、あの隊長そっくりのビール売りのお姉さん」

赤星「気にしないでください。お仕置きなので」

エリカ「……そ」ゴクゴク

直下「いいんですか?一緒に飲まなくて。仲直りできたんでしょ?」

エリカ「……いいのよ。私とみほはそういう関係じゃないの」

赤星「…素直じゃないですね」

直下「一緒に寝たいとかいってませんでしたっけー?」

エリカ「うっさい」

麻子「西住さんが元気になってよかったな」

優花里「ほんとですよぉ」

みほ「えへへ、ありがと」

沙織「どうだった?怖いことされなかった?」

みほ「ううん。殆ど会話しないで、並んで座ってただけなの」

華「そうなんですか」

優花里「…それは、よかったです」

麻子「一応は、ちょっと憎たらしいライバルのままなのか?」

みほ「…はい!」

沙織「うん、本当に、本当によかったねみぽりん」

華「なんだかしんみりですね…」


まほ「おかわりいかがっすかー!ノルマが達成できないと水着ディアンドルなんだ、助けてくれみほおおおお…」

麻子「台無しだよ」


終わり

一方その頃、プラウダでは

カチューシャ「んがあああああ!!なによこのゴースの遺子とかいうやつ!堅いし重いし気持ち悪いし!」

ノンナ「あの、同士カチューシャ…そろそろお眠りにならないと…」

カチューシャ「んー!後で寝るからほっといてノンナ!」

ノンナ「ああ、カチューシャが反抗期に…」

まほ「なんでもいいから早く返してくれ…」


今度こそ終わり

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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