【事務所・ソファ】
P「……」(仕事中)
カタカタカタカタ……
カタカタ……カチカチッ……
志希「……」
フラフラ……
トコトコ……
志希「ぱたーり」
ぽすっ
P「……」
志希「……」
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P「志希。急にどうした?」
志希「あたしは徹夜してエネルギー切れ。ウゴケナイ」
P「なんで徹夜したんだい?」
志希「薬作ってた」
P「自業自得じゃないか」
志希「メンボクない」
P「睡眠不足はお肌の敵だぞ」
志希「肌の潤いは薬でなんとかするからダイジョブ」
P「ふむ」
P「ところで志希。許可なく俺の膝に頭を乗せてくるというのはどうなのかね」
志希「……寝かせて」
P「仮眠室があるだろう」
志希「ここがいい」(ぐでー)
P「……」
P「仕方ない。邪魔するなよ?」
志希「うん♪」
P「よし」
志希「ちょろいね」
P「やかましい」
志希「損な性分のプロデューサーに『志希ちゃんの頭をいつでもナデナデできる権利』を与えよう」
P「有効期限はいつまで?」
志希「あたしが死ぬまで」
P「ありがとう。暇な時に使わせてもらう」
志希「はーい」
P「仕事するから静かにしててね」
志希「うん。てゆーか、騒ぐ気力もないんだ」(ぐでー)
P「そら安心した」
(少しして)
P「……」
カタカタカタカタ……
カキカキ……
P「あ、どうも。Free-school事務所のプロデューサーです……いつも世話になってます。先日の会場セッテングの件でお電話したのですが……」
志希「……」(ぐでー)
P「ええ。はい。そうです……ありがとうございます」
志希「……」(ぐでー)
P「では。またよろしくお願いします……そうだ。今度、そちらのイベントでうちのアイドルを使ってみませんか? ええ、呼び込みです。多少は華やかになると思うのですが」
志希「……」(ぐでー)
P「前向きに検討してみる、ですか。ありがとうございます! では、またのちほど連絡しますので。ええ。はい。では失礼します」
ピッ!
志希「志希ちゃんはぐでーっとしてます」
P「見ればわかります」
志希「プロデューサー」
P「うん?」
志希「撫でないの?」
P「撫でて欲しいのか?」
志希「さっきからずっと撫でやすいような体勢でスタンバイしてたんだけど」
P「そりゃ失礼」
志希「はやくー」
P「はいはい」
なでなで……
志希「んー……いいねぇ♪」
P「髪。サラサラだな」
志希「毎日シャンプーしてるからねー」
P「すげー」
志希「でっしょー」
P「当たり前のことだけどなー」
わしゃわしゃわしゃ……
志希「あーん。髪がミダレルー♪」
P「元々、ぐしゃぐしゃだったじゃないか」
志希「昨日、ドライヤーしないまま徹夜しちゃったからねー」
P「ダメじゃないか。乾かさなきゃ」
志希「めんどい。プロデューサーやって」
P「自分でやりなさい」
志希「ちゃんとドライヤー持ってプロデューサーのところ行くから。お願い」
P「自分でやりなさい」
志希「やってやってー」
ばたばた……
P「……」
P「はぁ。俺が事務所にいる時だけだぞ?」
志希「わーい」
P「また仕事するから静かにしてておくれよ」
志希「プロデューサー」
P「はい?」
志希「ありがとう」
P「はい」
(夕方)
P「……」
カタカタカタカタ……
志希「……」(ぐでー)
P「……ふぅ。終わった」
志希「……お疲れー」(ぐでー)
P「労いの言葉ありがとう」
志希「では、存分に志希ちゃんを撫でるがいいー♪」
P「『では』っておかしくない? おまけになんか偉そうだし」
志希「充電が溜まりつつあるから撫でて♪」
P「仕事終えたばかりで疲れてるんだけど」
志希「志希ちゃんの髪が撫でられないというのかー」
P「『俺の酒が』的なノリで言うんじゃない」
P「まったく。子供みたいだな」
わしゃわしゃ……
志希「んー、よい♪」
P「うりうりー」
むにむにむに……みょーん
志希「あのひゃー。ほっぺ触っていいなんてひってないひょー」
P「俺も聞いてない」
みょんみょんみょーん……
志希「ほっぺをにょばすなー」
P「普段好き勝手してるお仕置きだー」
志希「むにー」
P「まいったか?」
志希「まひりまふぃた~」
P「はははは」
パッ
志希「負けたにゃー」
P「勝ってしまったようだ」
志希「初めての敗北の味は苦い」
P「敗北を乗り越えて強くなれ」
志希「うん。もっとすごい薬を作るよ」
P「やめろ」
志希「強くなる!」
P「やめろ!」
(少しして)
P「疲れたー」
志希「疲労に『も』キク薬あるよ?」
P「疲労に『だけ』キク薬が欲しいなー」
志希「それはないなー」
P「なんてこったい。おかしくない?」
志希「おかしくナイ」
P「ほーん」
志希「……」
P「……」
志希「プロデューサー」
P「ん?」
志希「あとちょっとで復活する」
P「充電終わり?」
志希「うん」
P「そうか」
志希「だからさ」
P「うん」
志希「キスして」
P「……うん?」
志希「それで再起動するからー」
P「……」
志希「ほら♪ んー♪」
P「ごめん」
志希「えー」
(少しして)
志希「プロデューサーって最近頭痛薬飲んでたよね」
P「うん」
志希「ちょっと見せて」
P「はい」
ジャラッ……パクっ
P「あ。こら、人の薬を勝手に飲んじゃいけません」
志希「まだ飲み込んでないよ」
P「ぺっ、しなさい。ぺっ」
志希「……んー、今ね。カプセルの薬が志希ちゃんの舌の奥の方で止まってま~す」
P「ほう」
志希「しばらくすると溶けてしまいます。大変です」
P「大変だな」
志希「だからキスして吸い出して♪」
P「……」
志希「吸い出してくれないと薬を飲み込んじゃう」
志希「アイドルの体調が崩れちゃうかもだよ~♪」
P「ふむ」
志希「さあレッツトライ♪」
P「……」
P「志希。目をつぶって口を軽く開いて」
志希「ん♪」
ぐいっ……
志希「んげっ」
P「口の中に指入れてるから噛むなよ」
P「……よし。取れた」
志希「ひどいなー。普通女子高生の口の中に手を突っ込む?」
P「緊急事態だったからね」
ポイッ(薬を捨てる音)
志希「くぅ」
(少しして)
志希「キスしろー」(ぐでー)
P「聞きそびれたけど突然どうしたんだ。何か悪いものでも食べたんじゃないか?」
志希「ううん。朝は『キスシタクナール』ってゆー薬を飲んだだけで他には何も食べてないよ。不思議だね」
P「不思議じゃない。ぜんぜん不思議じゃない。原因は明確じゃないか」
志希「キス。プリーズ」
P「タンマ。顔が近い」
志希「してくれたらお礼にキスしてあげるから」
P「何の取引にもなってない」
志希「キッスミーちゅっちゅっちゅっチューリップ♪」
ズイッ……!
P「歌いながらキスを迫るな」
志希「キスゥ」
P「『奇数』みたいなイントネーションで言いながら迫るな」
志希「唇にハチミツ塗ったらキスしてくれるかなー」
P「プーさんじゃないから、しないんじゃないかな」
志希「ケチっ!」
P「薬が切れるまでじっとしてなさい」
志希「ブゥー!!」
(しばらくして)
しゅぅぅ……
志希「あ。薬の効果がきれた」
P「それは良かった」
志希「だるみだけが残ったにゃー……」
P「志希。こっち向いて」
志希「ん?」
スッ……
P「……」
志希「……」
P「……」
志希「……」
P「はい。終わり」
志希「……」
P「どうした?」
志希「……薬の効果が切れてからとか、ずるくない?」
P「嫌だった?」
志希「……それ。わざわざ聞くかなー……///」
P「今日は夜更かしせずに早く寝ろよ?」
志希「……はぁい」
終わり
以上です
短めですがお読みいただきありがとうございました
LiPPSのイベントをまたやってくれないものかと待ち望んでます
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