遊作「復讐の先にあるのは…」 (24)

・最新話見たら思いついた完璧捏造
・全てが終わってから一年後くらい
・遊作は意思を持ったAI
・鬱展開あり

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LINK VRAINS

鬼塚「いくぜ!剛鬼ザ・グレート・オーガで、ダイレクトアタック!」

ブルーエンジェル「さあ、現れて!夢と希望のサーキット!」

「ブルーエンジェルとGO鬼塚がLINK VRAINSに!大スクープですよ山本先輩!」

「うんうん、これなら俺達の首も繋がりそうだ」

「GO鬼塚とブルーエンジェルもいいですけど、LINK VRAINSが平和になってからというもの、少し刺激が足りませんね」

「…やっぱり、Playmakerが居ないとな」

ブルーエンジェル「………」

鬼塚「Playmaker…」

数時間後

ガチャン

葵(喫茶店の…あそこね)

葵「GO鬼塚ね?」

鬼塚「…!おまえ、ブルーエンジェル…なのか?」

葵「すぐにわかったわよ、アバターから変わってないのね」

鬼塚「そういうお前は随分印象が違うな、まるで別人みたいだぜ」

葵「余計なお世話よ。で、わざわざこんな場所まで呼び出して何の用?」

鬼塚「まあ、座れよ。何か飲むか?奢るぜ」

葵「いいわよ、別に。それより何?LINK VRAINSじゃまずい話なの?」

鬼塚「いや、あいつは、どうしてるのかなってな…」

葵「あいつ…?」

遊作「…………」コツコツ

うわー、このホットドッグ屋また休みかよ

美味いのになー、がっかり

遊作「…………」コツコツ

遊作「…………」コツコツ

遊作「…………」コツコツ

遊作「…?」

遊作「…着いたか」

精神病院

ガチャ

遊作「…………」

草薙「…遊作か」

遊作「…草薙さん」

草薙「わざわざ悪いな」

遊作「気にするな、どうせ暇だ」

草薙「そうだったな、暇だ。もう」

(YOU Lose)

「うわああああぁぁぁっっ!!」

「あ………ぁぁぁ……」

「ぁ……」

草薙「っ…」

遊作「…相変わらずか」

草薙「…なぁ、遊作」

草薙「俺達は、間違っていたのか?」

遊作「…………」

草薙「あいつらを倒したところで、暗闇にいる弟は戻って来ない。わかっていたはずなのにな…」

草薙「復讐を誓い、お前を巻き込んでしまった。今でもすまないと思っている。結局俺達がやって来た事は、俺達自身を苦しめる事になってしまったな。遊作が心から楽しんでデュエルできる日が来ることを願っていたはずなのに…」

遊作「…すまない」

草薙「どうしてお前が謝るんだ?遊作は何も悪くないじゃないか」

遊作「俺は、あんたの――」

草薙「でもまさか、ロスト事件で起きた対戦相手が監禁されてる子供同士のデュエルだったとはな」

遊作「っ!?」

草薙「…案外こいつも、遊作と戦った事もあるのかもな」

遊作「…………」

草薙「…すまない、俺なんかより、お前は何倍も辛いはずなのにな。忘れてくれ」

遊作「あんたの弟を暗闇に誘ってしまったのは俺の責任でもある…」

草薙「…遊作」

草薙「もう、来ないでくれ」

遊作「……………」

草薙「俺の為にも、こいつの為にも、お前の為にも、その方がいい」

草薙「…俺は、お前を憎みたくない」


遊作「…そうだな。お互いの為か…」

草薙「…ああ」

遊作「今まで世話になった。あんたがいなければ、今頃俺は…」

草薙「いいや、俺の方こそ、今までありがとう。出来るなら、幸せにな」

遊作(出来るなら、か…)

遊作「…ああ、草薙さんも」

ガチャ

草薙「…………」

ドン!

草薙「っ…」

鬼塚「そっか、学校にも来てないか…」

葵「もう一年になるけど、あの事件から一度も…」

鬼塚「大丈夫なのか?」

葵「あれが大丈夫に見える?」

鬼塚「すまん…」

葵「いいのよ。私達は彼を止められなかった。彼の本当の気持ちを理解出来なかったから」

鬼塚「なぁ、俺達はどうすれば良かった?」

葵「それを私に聞く?」

鬼塚「すまん…」

葵「二回も謝らないで、真のエンターテイナーなら精神面もそれらしくしてなきゃ」

鬼塚「厳しいな、お前…」


エマ「イグニスはもう?」

晃「ああ、もはや一体も存在しない。今存在するのは…」

エマ「意思を持ったAI…Playmakerだけって訳ね」

晃「…そうだ」

エマ「どうするつもり?」

晃「彼は葵の恩人だ。例え誰が命令しようと、私にPlaymakerを撃つ事は出来ん」

エマ「…ま、そう言うとは思ったけど」

エマ「世間からLINK VRAINSのヒーローと讃えられる英雄が背負うバックボーンもかなり凄惨なものだったけど、まさか彼自身が意思を持ったAIだったなんて。本当びっくり…」


晃「結局私は、何も理解してやれなかった…」

晃「学校に行き、友と未来を語らい、青春というかけがえのない時間を過ごして欲しかった。それが…」

エマ「自分に勇気を与えてくれた人、ロスト事件の地獄の中で、自分を励まし続けてくれた人が、事件の首謀者。どこまで不幸になれば気が済むのかしらね、彼は…」

エマ「でもそれが、Playmakerが望んだ結果よ」

晃「わかってる…わかってるさ…」






葵(お兄様…)


晃「悪い、少し頭を冷やして来る」

エマ「ええ」

エマ「…聞いてたんでしょう?ブルーエンジェルさん、ここはあなたの番よ」

葵(…!気づかれてた!)





遊作「…………」

風を掴め、Playmaker!

AIは祈ったりしない、やるのは勝つ為の計算だけだ

俺達が今まで大切に育んできた熱い友情が、あいつに引き裂かれてもいいのか!?

遊作「ふ…」


葵「久しぶりね」

遊作「?」

葵「Playmaker…いいえ、遊作」

遊作(ブルーエンジェル…財前葵…)

葵「一年ぶりくらいかしら?」

遊作「そうだな…」

葵「今まで、どこで何をしていたの?」

遊作「特に目的がある訳じゃない。むしろ目的を探す為だ」

葵「そうなの?」

遊作「悪いが先を急いでいる、詳しい話はまた今度だ」

葵「それは、新たな憎しみを探す為だから?」

遊作「…?」

葵「一つだけ教えてくれる?」

葵「復讐を果たした今、あなたの本当の気持ちを」

遊作「……………」

葵「復讐は、相手以上に自分を傷つける。今のあなたならわかるでしょう?草薙さんの弟も、イグニスも、一体何が救われたというの?」

遊作「今更だな、それに後悔はない」

遊作「…俺は復讐によって自分の人生を繋げることができた。それで十分だ。過去は変わらないし、間違っていたとも思ってない」

葵「…嘘ね」

遊作「嘘じゃないさ。復讐果たして以来、あの地獄を夢に見ることはなくなった。やっと前に進めるんだ」

遊作「やっと、未来を求められる…」

葵「ねぇ、遊作」

葵「案外、あなたは間違ってなかったのかもね」

遊作「!?」

葵「何故自分たちがあんな目に遭わなければならなかったのか?平穏に生きようと必死に努力してきた自分が、どれだけカウンセリングを受けようと忌まわしい凄惨な出来事が彼の中から悪夢と苦痛にうなされる」

葵「監禁された自分達のみならず、草薙さんのような家族の心にすら大きな傷を刻みつけ、人生を狂わせた元凶」

葵「自分を支えてくれた”誰か”は、解放された被害者の中に確認できなかった」

葵「ロスト事件、あなたの身に起きた辛さは私にはわからない。だから、私なりに考えてみたの」

葵「…そうしたら、結局、復讐しか浮かばなかった」

葵「でも、その先に待っていたのは……ロスト事件すら生温い地獄…」

遊作「もういい、十分だ。どいてくれ」

ピタッ

遊作「離せ」

葵「でも、あなたが復讐を誓わなければ、私達はまともに口も効かないクラスメイトのままだった」

遊作「離せ、触るな」

葵「温かい。本当のAIなら、この温もりは…」

遊作「何故だ…何故…」

葵「何故って、あのね…」

葵「このままでは、あなたが壊れてしまうからに決まってるでしょっ!」

遊作「っ…」

葵「”俺は自分の信じる正義以外は何も信用しない”…そう言ってたわね…」

葵「だったらどうして…!」

葵「どうしてLINK VRAINSを守ったの!?私を助けたの!?私がハノイに人質にされた時、あなたは責任を感じてくれた!

葵「AIならAIらしく、復讐者なら復讐者らしくしてれば良かったのに…」

葵「あなたの正義感と優しさで、どれだけの人間が救われたか、全然わかってないじゃない!」

遊作「っ!」

葵「どうして頼ってくれなかったの!?」

葵「ムカつくのよ!あなたはいつも勝手に決めて!それでどうにもならなくなっちゃっても、一人で解決しちゃって!巻き込みたくない?あなたはただ、辛かったって言えばよかったのに!一人じゃ無理なら無理って言えば良かったの!意地張って、心も身体もたぼろにして…どうして…」

葵「どう、して…」

遊作「………離せ」

葵「っ!」

遊作「…離してくれ」

葵「…それを伝えたかっただけ。今は…」離す

遊作「今は、か…」

葵「うん…」

遊作「…なら、次はまたの機会だ」歩き出す

葵「……………」

エマ「ダメだったみたいね」

晃「葵…」

エマ「でも、あの子の気持ちは十分に伝わったでしょう。イグニスもいない今、Playmakerを救えるのはあの子しかいないわ」

エマ「Playmakerはまだ戻れる。意思を持ってるとはいえ、AIは泣いたりしないもの」

晃「ああ、意思を持てば感情が出来る、気持ちが出来る。…だが、泣く事は出来ないからな」

エマ「私達は、見守るしかないわね…」

晃「ああ…」

遊作(決して後悔がない訳じゃない。俺には事件の真相を知る権利があった。復讐によって、過去を繋げる事も出来た。だがあいつは…あいつのせいで…)

君、起きて

僕は、君の側に居るよ?

遊作(草薙さん…Ai…)

遊作(俺は、どうすれば良かった…?)

遊作「…………」

辛かったんなら辛かったって言えばよかったのに! 一人じゃ無理なら無理って言えば良かった!

遊作(一人では無理……それは、甘えだと思った)

遊作(だが、もし頼っていたら?GO鬼塚やブルーエンジェルと共に戦う未来があったとしたら…)

遊作(…何かが変わったのかもしれない)

遊作「…………」

遊作(くだらない後悔だ。何故なら…)

遊作(俺に人の温かさなど必要ないのだから)

終わり。見事なまでの妄想100パーセント
もし今のままで行ったらこんなゴールになるんじゃないかと予想してみた結果。遊作が意思を持ったAI、監禁された子同士で食事の取り合いなど、最悪な展開
最後に葵を持ってきたのは個人的な願望です

本編は頼むから救われてね…遊作に笑顔を…

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