提督「安価で艦娘の相談に乗る」 (234)

提督「え? いまなんて?」

大淀「ですから、提督に艦娘たちの相談に乗っていただきたいのです」

提督「俺が? なんで?」

大淀「心理的な負担の程度を把握するための検査。すなわちストレスチェック制度が義務付けられたのをご存知ですか?」

提督「まあ知ってるけど、それは民間の話であって俺たちには関係ないだろ」

大淀「いわんや我々をや、です。民間ですらストレスが問題となっている昨今、日々深海棲艦と戦っている艦娘たちのストレスはなおさら深刻であることが予想されます」

提督「……確かに」

大淀「このまま放っておいたら、ガンザー症候群を発症して、提督を姉妹艦と間違える子が出てきてしまいます。そうならないためにも今、艦娘たちの悩み事を解決しておくべきなのです!」

提督「……!」

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提督「わかったよ。俺でよければ何とかやってみるよ」

大淀「本当ですか!?」

提督「ああ。でも相談って言っても異性の俺より、同姓の方がいいんじゃないか? 俺には相談しづらいこともあるだろ」

大淀「あー、それは大丈夫です。ちゃんとみんなわきまえてますから」

提督「そうか? どうすんだ? 俺のことが大好き過ぎて夜も眠れないって相談だったら」

大淀「……」

提督「……」

大淀「……ブフォ! いえ、失礼。そ、それはありえないかと」プルプル

提督「ほんとに失礼だなおい」

大淀「提督の了解もとれたことですし、早速始めましょうか」

提督「今から? 決まったばっかりだしまだ誰も集まってないだろ」

大淀「いえ、外はもう長蛇の列ですよ。提督は絶対に一肌脱いでくれると信じていましたから昨日のうちから鎮守府中に広めておきましたので」

提督「……まじで?」

大淀「まじです。あ、最初に言っておきますけど、くれぐれも真面目に相談に乗ってくださいよ」

提督「わかってるよ」

大淀「いいですね? どんなにふざけた相談だろうと本人は真面目に悩んでいるんです。真剣に。真剣に応えてあげてくださいね?」

提督「わかったって」

大淀「本当にお願いしますよ?」

提督「へいへい。じゃ、準備もできたし、最初の相談者を呼んできてくれ。最初の相談者は誰なんだ?」

大淀「私ですが」

提督「お前かよ」

提督「で? 相談って何よ?」

大淀「うーん、そうですね……。ではまず私が目もくらむような素敵な男性に出会ったと仮定します」

提督「は?」

大淀「ですから仮にですよ」

提督「ああ」

大淀「それで見事私がその素敵な彼とのデートまでこぎつけたとします」

提督「うん」

大淀「で、そのデートがすごく上手くいってデートの締めに男性からホテルに誘われたとします」

提督「まじかよ」

大淀「もしも最上階のスイートルームで彼に『大淀、結婚してくれ』と言われたなら」

提督「あらあら」

大淀「……提督。私はどうすればいいんでしょうか?」

提督「何が?」

大淀「ですからもしも素敵な彼に出会ってプロポーズされたらどうすればいいかなって相談です」

提督「死ぬほどどうでもいいわ! なんで最初っからこんなのがくるんだよ。恐怖の一番バッター真弓かてめえは」

大淀「失礼な! 仮とはいえ結婚のことですよ! 言うなればケッコンカッコカリです!」

提督「ぜんぜん上手くねえよ!」

大淀「……提督。私は最初に言いましたよね? どんな質問が来ても真剣に応えてくださいと。お忘れですか?」

提督「……あー。そういえばそうだったな。お前は真面目に相談に来てるもんな」

大淀「そうです!」

提督「わかった。じゃあこれからは俺も真剣に応える」

大淀「はい!」

提督「えーっと、プロポーズされたんだけどどうしようって相談だっけ?」

大淀「ええ」

提督「知るか。自分で決めろ」

大淀「え?」

提督「だから、俺に言われても知らん。自分で決めろ。以上」

大淀「それって相談の答えになってないような……」

提督「なってるよ。そもそもこんな人生に関わるようなことを人に委ねようとするんじゃねえよ」

大淀「で、でも自分で決められなくて悩んでいるから相談したんですよ」

提督「悩んでも答えが出ねえならもっと悩め。悩んで悩んで悩みつくせ。そうやって自分を絞り出せ」

大淀「はあ」

提督「それで出た答えが今の自分にとっての最善の選択肢だ。誰に言われたんでもなく、自分の出した答えだ。選んだ道を後から悔やむこともあるかもしれない。そん時は『あの時の自分は馬鹿だった。今の成長して最強の俺だったら楽勝だ』って笑って言えばいんだよ」

大淀「そんなものでしょうか」

提督「だから、大事なことは自分で決めろ。以上」

大淀「……はい」

提督「ただまあ、仮に俺からアドバイスをするとすれば」

大淀「はい?」

提督「出会って最初のデートなのに最上階のスイートルームでプロポーズしてくるようなやつは間違いなく地雷だからやめとけ」

大淀「確かに」

提督「最初のデートなんてカフェで二、三時間駄弁って終わりくらいでいいよ。多分」

↓1 艦娘

↓3 相談の内容

由良「提督さん! こんにちは!」

提督「こんにちは。由良」

由良「もしかして由良がトップバッターですか? 早起きした甲斐がありました!」

提督「うん。ぜんぜん違うけど面倒だからそうだって言っとくわ」

由良「そういうのは黙っておいてくださいよ!」

提督「悪かったよ。それで相談って何だ?」

由良「……提督さんもご存知のとおり私には好きな人がいます」

提督「初耳だよ」

由良「その人に関する相談なんですけど、いいですか?」

提督「全然大丈夫だ」

由良「実は好きな人が最近シャツの洗濯をまかせてくれないんです」

提督「あー、わかる」

由良「わかってくれますか!?」

提督「わかるわかる。俺も昔、妹に『臭いからお兄ちゃんのシャツと一緒に洗濯しないで!』って言われたもん」

由良「そ、それはちょっとちがうような」

提督「一緒だよ。俺が思うにその男は自分のシャツのにおいをかがれるのがいやなんだよ」

由良「え?」

提督「由良だって訓練の後のシャツのにおいを好きな人に嗅がれたくはないだろ?」

由良「それは……。そうかもしれないです」

提督「それと一緒だよ。少しでも好きな人にいいところを見せたいもんだ。だからその男は由良に洗濯を任せたくないんじゃないか?」

由良「……」

提督「俺だって好きな人に自分のにおいを嗅がれたくないしな」

由良「……」スンスン

提督「嗅ぐな」

由良「……別に臭くないです。むしろ馥郁たる香りに酔いしれちゃいそうです」

提督「俺は何だ。梅か」

提督「シャツの洗濯を任せたくないのは、汗かいたときか浮気しているとき。女性は鼻が利くからな」

↓1 艦娘
↓3 相談内容

山城「不幸だわ……」

提督「こんにちは。山城。調子はどうだ?」

山城「不幸だわ……」

提督「アイムファイントゥーセンキュー! HAHAHA!」

山城「不幸だわ……」

提督「……」

山城「不幸だわ……」

提督「……俺この前の盆忙しくて実家に帰んなかったんだわ。そういうのなんていうんだっけ? 親?」

山城「ふこうだわ……」

提督「あー、こういうパターンか。何があったの? って聞かないと話が進まないやつ」

山城「不幸だわ……」コクコク

提督「たまには俺、ボーっと話しききたいんだけどな」

山城「ふとうだわ……」

提督「そっちのボーじゃねえよ」

提督「……で? どんな不幸なことがあったの?」

山城「むっ! 失礼ですね! 私だってそう毎回毎回不幸な目にあってるわけじゃありません!」

提督「……確かに。お前の言うとおりだ。決め付けて悪かったよ」

山城「そのとおりです!」

提督「お前だってそう不幸なことばかり起こるわけじゃないよな」

山城「当たり前です!」

提督「それで、いったい何があったんだ?」

山城「実は、架空請求にあったんです」

提督「不幸だよ!」

提督「思いっきり不幸だよ! 何でこのご時勢にそんなものに引っかかってるんだよ!」

山城「つい、出来心で」

提督「ついじゃねえよ! どうせ引っかかるんならもうちょっと高度なやつに引っかかれよ!」

山城「たとえば?」

提督「今流行の保険金還付詐欺とか、利殖詐欺とかだよ」

山城「はっ! 甘いですね提督! 当然、それらも網羅しておりますとも」

提督「してんなよ! 少しは取り逃がせよ! どんだけ網の目細かいんだよ!」

山城「まあそれはおいといて。今は架空請求のほうです」

提督「……そうだな。少しずつ解決していこう」

山城「……」ピロン

提督「……?」

山城「提督……! やりました。私、一億万円の遺産が相続できるみたいです……!」

提督「あー、よくあるやつね。それもな」

山城「……。よし! 送金完了。これで一月後には私も億万長者です!」

提督「……よかったな。おめでとう」

山城「はい! これで姉さまにもおいしいものを食べさせてあげられるわ!」

提督「……」

山城「もちろん提督にもおまけで何かご馳走しますね。楽しみにしておいてくださいね!」

提督「うん、ありがとう」

山城「楽しみね。うふふふふ……。そうだ、相談の件ですけど」

提督「……もういいよ。俺が全部何とかしてやるから、引っかかったメールとか手紙とかだけおいて部屋にもどれよ」

山城「え、相談は?」

提督「金が返ってきたらそれでいいだろ…。業者はなんとか見つけてやるから」

山城「……提督。今日はとても頼もしいですね。悔しいけど素敵です。あ! 姉さまの次くらいに!」

提督「事実上のナンバーワンだろそれ」

提督「世間には馬鹿みたいな詐欺がある一方で、アホみたいに巧妙な詐欺もあるからな。ほんとにやっかいなのは騙されいると気づいた上で金を払わされるパターンな」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

暁「御機嫌よう司令官」

提督「へいへい、ご機嫌麗しゅうレディ」

暁「相談があるのだけれどいいかしら?」

提督「ああ。そのために俺がいるからな」

暁「ふふっ。よかった」

提督「でも意外だな。暁は人に頼らないで自分の力で乗り切るタイプだと思ってたけどな」

暁「あら? たまには殿方に甘えて見せるのも淑女の嗜みの一つよ?」

提督「……その通りだ。で、相談ってのは何だ?」

暁「最近、阿武隈さんと仲良くしてるの」

提督「そうだな。よく見かけるな」

暁「私たちの旗艦だし、優しい人だし。結構遊びにも行ってるのよ」

提督「へー。どれくらい?」

暁「そうね。……カラオケだったら週8とか」

提督「週8ね……。週8!?」

暁「くらいかなあ。大体」

提督「一日二回行く日もあんの!?」

暁「そりゃあるわよ」

提督「めちゃめちゃ仲いいじゃねえか。むしろ何で一回外に出たんだよ。それで、相談ってのは?」

暁「えっとね……。阿武隈さんともっと仲良くなりたいんだけど……」

提督「……」

暁「……」

提督「これ以上?」

暁「うん」

提督「なんだよ……。これ以上、暁は阿武隈とどうなりたいんだよ」

暁「どうって……。恥ずかしくていえないわよ! セクハラ司令官!」

提督「なんでいえねえんだよ! セクハラ云々じゃなく純粋に気になるわ!」

暁「……。……ちゃんに」

提督「え?」

暁「お姉ちゃんになってほしいの」

提督「は?」

暁「だから、私のお姉ちゃんになってほしいの」

提督「……あー」

暁「うう……。恥ずかしい」

提督「あー、それで暁は阿武隈に姉ちゃんになってもらってどうしたいんだ?」

暁「うーん。甘えたい……かなあ?」

提督「……わかる」

暁「わかるの!?」

提督「あいつはなんか不器用なりに優しそうだから一緒にいて癒されそう」

暁「そうそう! でも、変かなあ。お姉ちゃんになってほしいって」

提督「変?」

暁「ほら、私ってもう淑女じゃない?」

提督「……そうだね」

暁「だから変かなって。一人前のレディなのにお姉ちゃんに甘えたいって」

提督「変じゃねえよ。さっき自分で言ってただろうが」

暁「……?」

提督「ほら、たまには甘えて見せるのも」

暁「……! レディのたしなみの一つ! なんだからっ!」

今日は終わるか。慣れていったらもうちょっと書くスピードが早くなると思う。

安価をとってくれたみんなありがとう。お疲れ様でした

提督「俺も誰かに甘えてえな。でも大人になったら自分より上の人がいなくなるから、なかなか難しいんだよな」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

羽黒「こ、こんにちは司令官さん」

提督「よう」

羽黒「今日は、このような機会を設けてもらって本当にありがたいです」

提督「そうなの?」

羽黒「はい。日ごろから鬱憤が溜まってますから」

提督「そ、そうなのか」

羽黒「ですから今日は司令官さんにたっぷりと相談に乗ってもらいますから!」

提督「うん。超乗るよ。何に悩んでるんだ?」

羽黒「聞いてください! 姉の酒癖がひどいんですよ!」

提督「あー」

提督「どんな風に酷いの?」

羽黒「具体的には、私の口からはとても……」

提督「そんな酷いのか……」

羽黒「例えるなら、猛獣の檻に迷い込んだアルパカ……」

提督「なぜアルパカ」

羽黒「ピーマンの群れに迷い込んだパプリカ……」

提督「なぜパプリカ」

羽黒「それほどに酷いんです! このままでは居酒屋鳳翔を出禁になって、司令室のバーカウンターにたむろってしまうかもしれません!」

提督「それは……困るな。主に俺が」

羽黒「どうすればいいでしょう? 姉たちと飲むのは楽しいですし、お酒も好きですけど……。度を超すと皆さんにご迷惑がかかってしまいます」

提督「うーん。そうだなあ。酒癖の悪さってのはなかなかなおらないからなあ」

羽黒「そ、そうですよね。やっぱり」

提督「禁酒すれば解決するけど、たぶん暴動が起きるしな」

羽黒「そうですよね」

提督「わかった。じゃあ次の飲み会では俺も参加するよ」

羽黒「えっ!? ど、どうしてですか!? 」

提督「みんなを諌める役がいたら少しは違うんじゃないか?」

羽黒「で、でも……」

提督「大丈夫だ。少々絡まれても問題ない。慣れてるからな」

羽黒「そ、それはそうかもしれませんけど」

提督「むしろ俺が酔いつぶれて、妙高たちに介抱させて、大変さを教えてもいい。それで改善されるかもしれない」

羽黒「で、ですが……」

提督「なんだ? まだなにかあるのか?」

羽黒「私たちの女子会に司令官さんを入れるわけには……」

提督「その段階で躓いてんの俺」

提督「ピーマンの群れに迷い込んだパプリカというのは一人だけ顔が真っ赤という意味らしい。アルパカはわからん」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

大和「……提督」

提督「うぉ! びっくりした! なんだ大和か」

大和「実は私、今とても悩んでいるんです」

提督「じゃなきゃここにはこないわな。いいよ。話してくれ」

大和「……。その前に冷たい水をくださいませんか?」

提督「ん? ああ。ほら」

大和「できたら愛してくださいませんか?」

提督「アゲハ蝶か」

大和「……ぷは。さあこれでわかったでしょう? 私の悩みが」

提督「なんだよ。わかんねえよ」

大和「私、ドライマウス症候群なんです.。どうすればいいでしょう?」

提督「医者に行け」

提督「なんでそんなの俺に相談にくるんだよ。医者に相談しろよ」

大和「提督だったらなんとかしてくださるでしょう!? いつだってどんなピンチでも乗り越えてきたではありませんか!」

提督「そりゃ乗り越えるわ! レ級に囲まれたときも余裕で凌ぎきったわ! でもお前のは俺にはどうにもできねえよ!」

大和「そ、そんな……。でしたら提督は私はここで渇いてゆけとおっしゃるのですか?」

提督「医者に行けとおっしゃってるんだよ!」

大和「……。残念です。提督ならば私の渇きを満たしてくれると思っていたのに」

提督「お前の渇きを満たせるのはいつだって戦場だよ。もしくは医者だよ!」

大和「酷い……。提督は私を見捨てるとおっしゃるのですか!? やっぱり提督は青い果実にしか興味がない……?」

提督「お前がどんなになっても俺は見捨てねえよ! たとえお前が熟した果実に……。いや、ドライフルーツになってもな!」

大和「おお……」パチパチ

提督「落ちまでやらせんじゃねえ」

提督「今の世の中なんでもドライドライだよ。少しは潤せ」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

如月「うふふ、こんにちは。司令官」

提督「よう」

如月「ごめんね。来ちゃった」

提督「彼女か。それで相談は?」

如月「もぅ、早いのね~。あんまり早かったら嫌われちゃうわよ?」

提督「兵は拙速を尊ぶんだよ。とっとと言ってくれ」

如月「……そうだ! どう? 当ててみない? 如月のな・や・み」

提督「うわーもう、めんどくせえな」

如月「そう言わずに~。じゃヒントあげるから!」

提督「ヒント?」

如月「ヒントはね、ズバリ! 司令官に関することよ!」

提督「俺に関すること?」

如月「そうそう。どう? わかった? ほぅら言ってみなさいよ~」

提督「うーん。あ、俺を夜這いしたいとか?」

如月「……」

提督「……。な、なーんちゃってーうっそぴょー」

如月「う、うん。正解」カァァ

提督(あってんのかよ!)

提督「えーっと何? 俺を、その。夜這いしたいの?」

如月「まあ、どちらかといえばそうですね」

提督「どちらかといわねえと違うのかよ」

如月「……まあ、はい」

提督(やり辛え)

提督「あー。まあ、うん。気持ちは大変うれしいが、俺はその期待にこたえることが出来ないんだ」

如月「はい。存じております」

提督「存じてんのかよ」

如月「ええ。なので夜這いはあきらめます」

提督「そうしてくれると助かる」

如月「ご指導、ありがとうございました。失礼いたします」

提督「……如月」

如月「……?」

提督「俺の寝室の鍵はいつも開いてる」

如月「はい?」

提督「コニャックとチョコレートは用意できんが、CCレモンくらいなら用意してやる。それでいいか?」

如月「……馬鹿な人ね。司令官は」

提督「昔、ネルソン提督に憧れて、コニャックの樽を常備していた。ポーラが着任した。やめた」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

五月雨「提督! お疲れ様です! ……あ!」ヨロッ

提督「あ」

五月雨「……!」グッ

提督「おおー」

五月雨「見ましたか!? 提督! 何もないところでこけそうになったけど踏みとどまりましたよ!」

提督「えらいぞ五月雨。またひとつ成長したなあ」

五月雨「えへん。これだけこけてたらコツも掴めるってものです」

提督「それもどうかと思うけどな」

五月雨「あ、それから提督。ひとつ言っておきますが」

提督「ん?」

五月雨「私は、涼風じゃありません!」

提督「知ってるよ!」

提督「俺さっき名前呼んだだろ!? どうやったら涼風と間違えてると思うんだよ!」

五月雨「い、いえ、違います。最近涼風と間違えられることが多くてつい……」

提督「そうなの?」

五月雨「はい。別に間違えられること嫌というわけではないのですが、こうも多いとどうしてかなと」

提督「だよなあ。制服が同じだし後姿も似てるけど、わかりそうなもんだけどなあ」

五月雨「うーん。どうしてでしょうか?」

提督「……わからんなあ」

〔……)

提督「すまん。結局よくわからん」

五月雨「いえ! 聞いていただけただけでも良かったです! ありがとうございました!」

提督「そういってくれて助かるよ」

五月雨「では、失礼しますね」スタスタ

五月雨「……」ガチャ

五月雨「……」バタン

提督「……」

提督「……なるほど。こけなくなったからか」

提督「道でつまずくのは恥ずかしいことじゃない。そこから立ち上がれないことこそが恥ずべきことなのだ」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

山風「提督、いい?」

提督「おう、お疲れさん山風」

山風「ごめんね。少し相談があるの……」

提督「何でも言ってくれ。出来ることなら力になるよ」

山風「ほんとに……? ありがと」

提督「ほら、遠慮なく言え」

山風「……少し、言いにくいんだけど」

提督「ああ」

山風「最近、秋月さんにじろじろ見られている気がするの。じろじろというかチラチラ? どうかしたのかな?」

提督「……わかる」

山風「わかるんだ……」

山風「どういうこと?」

提督「そうだな。例えばさ、道端にさ、衰弱しきった子犬が捨てられてたとするじゃん」

山風「……アルパカがいい」

提督「なぜアルパカ」

山風「いいでしょ?」

提督「まあいいけどな。道端に衰弱しきった子アルパカが捨てられてたとするじゃん」

山風「そんな場面、ないと思うけど」

提督「アルパカなんかにしたからだよ! もういいだろ。このまま話を進めるぞ」

山風「うん」

提督「そのアルパカが寒くて死にそうだといわんばかりの目でこっちを見てくるんだよ。そんな時お前だったらどうする?」

山風「間違いなく逃げ出してきただろうから、動物園に連絡する」

提督「それでいいよ! 何も間違ってねえよ!」

山風「よし。あってた。……それで結局、何が言いたいの?」

提督「アルパカなんかにするからわからなくなったじゃねえか」


提督「要するにお前はそのアルパカなんだよ」

山風「そ、そんな……。アルパカのようだなんて」テレテレ

提督「褒め言葉なのかこれ」

山風「ん、と……。提督の言いたいことがまだよくわからない」

提督「つまり、秋月はお前と仲良くしたいだけなんじゃないか?」

山風「そう、なのかな?」

提督「絶対そうだ。間違いない。俺を信じろ。ゆえに、これをやろう」ピラッ

山風「……! いいの? ……ほんとに?」

提督「たまには格好つけさせろ。二人で甘味をつまんでくるといい」

山風「ありがと……。ありがとぉ……」

提督(……)

提督(また来月の給料日まで節約しないとなあ)

今日は終わるか。相変わらず書くペースが上がんねえな。まあそのうち何とかなるか。

安価とってくれたみんなマジ感謝。お疲れ様でした。

提督「ここぞという場面でこそ見栄を張れる男に俺はなりたい」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

三日月「お疲れ様です。司令官」

提督「おう」

三日月「……ほんとに疲れてます? なんか顔色が優れませんが」

提督「ああ。すまん。この鎮守府のやつらはどうも個性が強すぎてな」

三日月「個性……」

提督「そこへいくと三日月は癒されるなあ。砂漠で輝くオアシスのようだ」

三日月「……」

提督「……? どうしたんだ?」

三日月「司令官。悩みというのはそれです」

提督「え?」

三日月「私、もっと個性がほしいけどどうしたらいいかわからないんです」

提督「頼むからお前はそのままでいてくれよ……」

提督「なんだよ。自分を変えたいのか?」

三日月「そ、そういうわけではないんですが……。うちも大所帯になってきましたし、皆さんとても個性的ですし。このままでは埋もれてしまうんじゃないかって……」

提督「なんで軍人が個性で悩んでんだよ。アイドルかよ……」

三日月「そろそろ私もキャラの獲得に手をつけたほうがいいのかなって」

提督「……わかったよ。そうだな。まず三日月はどんな風になりたいんだ?」

三日月「そうですね……。まず、可愛くて、かっこよくて、野性味にあふれているような」

提督「つまり?」

三日月「そう! アルパカです!」

提督「だと思ったよ! お前らのアルパカに対する信頼は一体何なんだよ!」

三日月「どうでしょうか司令官」

提督「なんでアルパカなんだよ……。そのワード鎮守府で流行ってんのかよ」

三日月「……ごめんなさい。困らせてしまいましたね。困りますよね。こんなこといわれても」

提督「……そうだな。困ってるよ」

三日月「……! やっぱり」

提督「だってお前はもう充分個性的だしな」

三日月「……え?」

提督「ほら三日月は真面目で素直で健気だし。あとは誰にも負けない頑張り屋さんだろ? ほら、いっぱい個性あるじゃないか。どんだけ手をつけてんだって話だよ。千手観音か」

三日月「……そうでしょうか?」

提督「ああ。三日月はそのままでも充分魅力的に映るよ。少なくとも俺にはな」

三日月「司令官……」

提督「足るを知れってことだ。あれこれ欲しがるんじゃねえ。今もってるものを磨けばいい。捨てる神あれば拾う神もある。いつか三日月の魅力が広まるときもくるさ」

三日月「……はい!」

提督「よし。いい顔になったな。何かほかにいっとくことあるか?」

三日月「うーん……あ!」

提督「なんだ?」

三日月「先ほどの千手観音かって突っ込みはどうかと思います!」

提督「そこは別に拾わなくていい」

ご飯炊けたから食ってくるわ。ちょい休憩

提督「吾唯足るを知る」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

名取「こ、こんにちは提督」

提督「おう」

名取「……提督に相談があります」

提督「絶賛募集中だ。言ってくれ」

名取「本当は提督にご相談することではないのかもしれませんが……。かまいませんか?」

提督「大丈夫だ。今日はそんな相談ばっかりだ。で、なんだ?」

名取「私……。ね、ネズミに弱いんです」

提督「ネズミに? 名取が?」

名取「はい」

提督「なんでネズミ?」

名取「……強いんです。ネズミ」

提督「強い……? まあ、強いわなあ」

名取「夜になったら、一斉に襲い掛かってくるんです」

提督「そうなの!? この鎮守府で?」

名取「え? ええ、はい。や、夜戦だけは得意なんですけど、相手もなかなか手ごわくて」

提督「やべえじゃねえか。早く駆除しないと」

名取「え!? なんてこというんですか! 駆除しちゃいけませんよ!」

提督「いけないの!?」

名取(何を考えてるんだろう? 私が鼠輸送部隊に勝てないからって解体しようとするなんて……)

提督(なんでネズミに襲われてるのにかばうんだろう……)

提督「わかった。駆除しないよ。名取は優しいな」

名取「あ、当たり前です」

提督「……で、夜に襲われるって齧られたりすんの?」

名取「はい?」

提督「え?」

名取「いや、さすがにそこまで野生的な子はいませんが……」

提督「野生的じゃねえのかよ。野生の本能どこに捨ててきたんだよ」

名取「でも、たまに殴られたりとかは、しますけど」

提督「殴ってくんの!? ネズミが!?」

名取「え、ええ。たまにですけど」

提督「そのネズミ絶対戦法間違えてるよ……。なんで牙を隠すんだよ」

名取「で、でもそういう時は、こっちも距離をとって砲撃しちゃいます」

提督「砲撃しちゃうの!? なんであっち竹やりなのにB-29で反撃するような真似するんだよ!?」

名取「え? だってそれが戦いですし……」

提督「やめてくれよ……。本当は戦いは好きじゃないって言ってたお前はどこいっちまったんだ……」

提督「……わかった。ネズミについては対策をよく考えておく。下手すりゃ鎮守府がなくなるからな」

名取「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。本当は自分で乗り越えるべき問題なのに……」

提督「いや、これは俺の問題だよ。気がついてやれなくてすまなかった」

名取「……提督はさすがですね。いつも私たち艦娘のことを考えてくれています」

提督「まあ、備蓄している食糧とか食べられたら困るしな」

名取「あはは……。でもつまみ食いくらいは許してあげてくださいね?」

提督「いやいやいや! なんでだよ! 許さねえよ!」

名取「え? で、でもみんなやってますよ? わ、私もたまに分けてあげたりしますし」

提督「……え?」

名取「はい?」

提督「餌、あげてんの?」

名取「えさ? ……まあ、はい」

提督「それやめたら解決するんじゃないか?」

名取「……?」

提督「……?」

名取(何言ってるんだろうこの人)

提督(何言ってるんだこいつ)

提督「鼠は恐ろしい生き物だ。病原菌も撒くし、食料も奪われる。備蓄ができなければ、繁栄もできないからな」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

秋津洲「こんにちは、提督」

提督「おう」

秋津洲「……」

提督「何だ。テンション低いな」

秋津洲「提督、あたしは自分の力に限界を感じているかもです」

提督「どうした。急に少年漫画の主人公みたいなこと言い出して」

秋津洲「提督。あたしはもっと……」

提督「……」

秋津洲「もっと強くなりたい、かも」

提督「……あー」

提督「強くなりたいのか? なんで」

秋津洲「何故力を求めるかとおっしゃるかもですね?」

提督「そうだけど、めんどくせえなこのテンション」

秋津洲「知れたことかも! すべてを守る力が欲しいかも!」

提督「あー、そうだね。俺も守って欲しいわ」

秋津洲「でも今のあたしにはあまりにも力が足りないかも。はっきりいってこの鎮守府内でも最弱かも」

提督「そうだね。イ級にも負けるもんね。たまに」

秋津洲「だから老師! あたしをもっと強くして欲しいかも!」

提督「……どれくらい?」

秋津洲「せめて提督を守れるだけの力はほしいかも! 具体的に言うとレ級に勝てるくらい!」

提督「ちょっとときめいたけど無理だよ!」

提督「うーん。少し聞きたいけど、本気で悩んでんの?」

秋津洲「……割とそうかも。誰でも倒せるイ級すら倒せなくてたまにへこむかも」

提督「秋津洲、めちゃめちゃ弱いもんなあ」

秋津洲「うぅ……。そんなはっきりいわないでほしいかも。だから強くなろうとしてるのに」

提督「そうだな。はっきり言うわ。無理だ」

秋津洲「……え?」

提督「戦艦みたいに強くなりたいってのは無理だ。いや、駆逐艦ですら無理だ。ゴリラが空を飛べないようにな」

秋津洲「て、提督は意地悪かも……。もうちょっと言い方ってもんがあると思うかも」

提督「そんなお前が強くなりたいって言うんだもんな」

秋津洲「……」

提督「……強いな。秋津洲は」

秋津洲「……へ?」

提督「ルサンチマンこじらせて、ただ強者に嫉妬するだけなら誰にでもできる。でも秋津洲は自分の弱さを認めて、誰かのために強くなろうとしてる。強いよ秋津洲は」

秋津洲「つ、強いって……。あたし、攻撃もそんな得意じゃないし、火力もないし」

提督「俺が強いって言ってるのはスペックじゃない。その精神だよ」

秋津洲「精神?」

提督「おう。ニーチェも言ってたよ。神は死んでもお前みたいな超人は生き残るってな」

秋津洲「……」

提督「がんばれ。秋津洲。誰にでも出来ることが出来なくても、お前にしか出来ないことを何かひとつ見つけたらいい。そしたらお前は最強だ」

秋津洲「ありがとう、かも。提督」

提督「それにな……」

秋津洲「それに?」

提督「この鎮守府でぶっちぎりの最弱は俺だからな。まるゆにすら負けるからな」

秋津洲「……ぐぅの音も出ないかも」

夢の続きが気になってきたから終わる。四時間で三人か。もう筆の遅さは諦めるか。

みんなマジ感謝。お疲れ様でした。

提督「まるゆー腕相撲しようぜ。ハンデとして俺右腕しか使わねえから。っていって普通に負けた」

↓1 艦娘

↓3 相談内容


不知火「……」

提督「……」

不知火「……」

提督「……あの」

不知火「不知火に何か御用ですか?」

提督「いや、俺が聞きたいよ。何で相談に来たのに黙ってんだよ」

不知火「……」ギロッ

提督「あ? てめえなにガンつけてやがる。どこ中だコラ」

不知火「……」ギロギロッ

提督「本気でやる気かてめえ。待ってろ。今労災の療養給付と休業補償給付の請求書書くから。もちろん俺のな」

不知火「……や」

提督「……や?」

不知火「やはり司令にもそう見えるのですか……」

提督「え?」

不知火「いつもそうなのですが、睨んでるつもりもないのにそう言われるのです」

提督「まあうん。そうだね」

不知火「すぐに訂正すればいいのですが、不知火はあまり雄弁な方でもありませんし……。司令、不知火はどうすればいいでしょうか?」

提督「……そうだな。困るよな。このままじゃ怖いやつだと勘違いされちまう」

不知火「ええ、そうなのです」

提督「ほんとは心優しい普通の女の子なのにな」

不知火「ええ。……え?」

提督「ほんとは雨に濡れた子犬を放っておけない奴だしな。こっそりミルクを持ち出したりして。あとで間宮さんに怒られるような奴だしな。それに」

不知火「な、な、な……」

提督「……たまに見せる笑顔がすっごい可愛い」

不知火「ふふ……。不知火を怒らせたわね」

提督「俺が何がいいたいかわかった?」

不知火「……わかりません」

提督「要するに知り合って日が浅い俺でもほんとの不知火のことをこれだけ知ってるってことだよ」

不知火「……!」

提督「他人からの評価は、表情や言葉なんかより、行動によって決まると俺は思ってる。大丈夫だ。最初怖がられたとしても、みんな不知火のことを心優しい女の子だと思ってくれるよ」

不知火「そう、でしょうか?」

提督「もちろんだ」

不知火「……ありがとうございます司令」

提督「ああ」

不知火「……ところで知り合ってまだ間もない司令は、不知火のことをどうお思いですか?」

提督「間宮さんに怒られてるときに、強がって睨んでたけど涙目になってたのが可愛かった」

不知火「沈め」

提督「軍隊に労災は適用されない。もはやこれは常識」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

皐月「こんにちは司令官! 皐月だよっ!」

提督「俺はご存知、司令官だ」

皐月「きょ、今日はさ、ちょっと司令官に聞きたいことがあってきたんだ……」モジモジ

提督「もちろん構わんぜ。司令官だからな」

皐月「こ、恋のはなしなんだけどいいかな?」

提督「……恋バナかー。あんまり得意じゃないけど任せてくれ。司令官だしな」

皐月「司令官にこんなこと言っちゃうの少し恥ずかしいんだけどさ……」

提督「俺に任せておけ。司令官故にな」

皐月「実はボク女の子にモテたいんだ!!」

提督「いや、なんでだよ」

提督「なんで同姓にモテたいんだよ。ちょいちょい司令官推してたの忘れるくらい素になったわ」

皐月「えー。わっかんないかなあ。この気持ち」

提督「わかるわ。なんだったら今日一わかるわ。この鎮守府の誰よりもわかってるわ」

皐月「さっすが、司令官! わかってくれる?」

提督「だからわかんねんだよ!」

皐月「えぇ……。どっちなのさ」

提督「とりあえず、なんで女の子にモテようと思ったの? まずは経緯を教えてくれ」

皐月「実はさ、最近睦月型のみんながボクとあんまり遊んでくれないんだ」

皐月「いや、ちゃんと遊んでくれるんだよ? でも新しい子たちも増えてきたしね。昔と比べて遊べる機会が減ってきたんだよ」

皐月「もしかして、ボクより新しい子のほうが好きになっちゃったのかなー。なんて思ったりして。えへへ」

皐月「……だからボクの魅力でみんなを振り向かせれば、またみんなと遊べるようになるかもしれない」

皐月「だ、だから司令官に教えてほしいんだ! どうやったら女の子にモテる様になるの!?」

提督「……」

提督「あー……このパターンか」


提督「幼い頃は恋愛感情と友情とがごっちゃになるしなー。俺も昔は親友が他の奴らと遊んでるのみてイラついてたなー」ウンウン

皐月「何ぶつぶついってるの?」

提督「あー悪い悪い。で、モテ方だっけ?」

皐月「そうだよ! 司令官なら知ってるでしょ!?」

提督「もちろん知ってる。俺はモテモテだからな」

皐月「やっぱり司令官は頼りになるっ! で、どうすればいいの?」

提督「うむ。一言で言えば場数だ」

皐月「場数?」

提督「女性にモテようと思ったらまず女の子に慣れることが重要だ」

皐月「……慣れることかあ」

提督「皐月の例で行くとだな……。睦月型のみんなが他の新しい子と遊んでばっかりいるってことだろ?」

皐月「う、うん」

提督「だったらその子たちと仲良くしろ」

皐月「え? な、なんで? ボクは睦月型のみんなにモテたいのに……」

提督「だから場数だ。いきなり本命に行くよりも、まずは経験値を積むべきだ。お前だってまずは近海のイ級で場数を踏んだろ?」

皐月「……あ、そっかあ」

提督「そうやっていっぱい新入りたちと仲良くしてみろ。そんでみんなと友達になれ。そしたらお前もモテモテだ。俺みたいにな」

皐月「うん! わかったよ司令官! ありがとう!」

提督「春秋に富むとはあいつみたいな奴のことを言うんだろうな。皐月だけに」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

望月「よーっす。司令官」

提督「よっす」

望月「相談に乗るなんてよくまあそんなめんどくさいこと始めるねえ」

提督「俺も今絶賛後悔してるよ」

望月「ん~。まっ。どうでもいっかあ。がんばってね~」

提督「おう。ありがとさん」

望月「じゃあね~」

提督「……待て待て。相談に来たんじゃないの?」

望月「え~。もういいっしょ」

提督「いいの?」

望月「……いや、だめ」

提督「めんどくせえな。ほら聞いてやるからとっとと言え」

望月「んーまあ、司令官にならいってもいっか」

提督「おう。なんだ?」

望月「簡単に言っちゃうと、皐月にモテたいんだけど」

提督「……そうくるかよ」

望月「司令官はあんまりモテそうじゃないし~。あんまりこういうこと詳しそうじゃないけど、唯一の男だしモテ方とか知ってるかなーって思って」

提督「はったおすぞ、てめえ」

望月「あはは~。めんごめんご。で、どうすればいい?」

提督「えーっと、その前になんで同姓、というか皐月にモテたいの?」

望月「ん~。何か最近皐月寂しそうなんだよね~。だからまあそういうのもいいかなって。めんどくさいけど」

提督「……あー」

望月「皐月にあんな顔されるとさ、さすがのあたしも寝覚めが悪いってもんよ」

提督「うん。そうだな。うん」

望月「だからここに相談に来たってわけ。皐月にモテるためにいい知恵ない?」

提督「……ある。超ある。俺モテモテだから」

望月「おぉ~。何々?」

提督「簡単だ。一緒にいてやればいい」

望月「へ?」

望月「それだけ?」

提督「それだけとは何だ。これは科学的法則に基づいたアプローチだ」

望月「ほんとに?」

提督「ほんとほんと。単純接触の原理っていってな。顔を合わせる回数が多いほどその人に好意を抱くようになるんだ」

望月「ふーん」

提督「だからできるだけ一緒にいてやれ。寂しい顔してるなら望月が寂しくないようにしてやればいい」

望月「……そっか。そうだよな。なんでそんな簡単なことにも気づかなかったんだろ」

提督「力になれたんならよかったよ」

望月「ん……。正直ぜんぜん全く、一ミリも期待してなかったけどありがと司令官」

提督「望月の中の俺の評価低すぎない?」

今日は終わるか。何かまじめに相談に乗ってしまった。お疲れ様でした。

提督「よく考えれば、あいつら一緒に並んでたんだな。それなのにわざわざ俺に相談するなんて不器用でめんどくさい性格してんな。ほんと」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

雷「司令官」

提督「うん」

雷「私はこの鎮守府に来て長いわ」

提督「そうだね」

雷「そう。言わばこの鎮守府のお母さん的存在。オカンと言ってもいいわ」

提督「まあね」

雷「最近じゃ新しい子にも頼られちゃって……。だから私もっと、もーっとがんばろうと思ったの。思ったのよ……」

提督「えらいじゃないか」

雷「でもね、司令官……。私ね、私……」グスッ

提督「……」

雷「ピーマンが食べられないの」

提督「何の話!?」

雷「いやだからピーマンが食べられないの」

提督「……それだけ?」

雷「そうよ」

提督「さっきまでの前フリなんだったんだよ」

雷「新しい子も来たからがんばらなくちゃなーと思ったの」

提督「……」

雷「……」

提督「……」

雷「……あ、それだけよ」

提督「思っただけなの!?」

提督「……ま、気を取り直して。ピーマンだめなのか?」

雷「そうよ。だめなの」

提督「何がだめなの? 味?」

雷「うーんそうね。強いて言うなら味ね。あとは食感とか。形もなんか毒りんごっぽくてね」

提督「全部と」

雷「食べると悪寒がするわね。あ、オカンだけにね」


提督「重症だな。……さて、どうしよっか。雷はどうなりたい? 食べれるようになりたい?」

雷「え? う、うーん。正直食べなくても死ぬわけじゃないし……。食べずにすむんならそれでいいかなーって」

提督「じゃそれでいいだろ」

雷「え? いいの?」

提督「うん。いいよ」

雷「てっきり好き嫌いするなって言われるかと思ったのに」

提督「そりゃ好き嫌いしないに越したことはないけどな。なんだかんだいってみんな嫌いなものくらいあるよ。俺だってホウレンソウが嫌いだしな」

雷「そうなんだ……。大人って好き嫌いなんてないものだと思ってた」

提督「あるよ。超ある」

雷「……だったらなんでみんな好き嫌いするなって言うんだろ?」

提督「俺が思うに可能性をつぶさせない為だよ」

雷「可能性?」

提督「そう。可能性。例えば雷は間宮のアイスが好きだろ?」

雷「うん! 甘くって冷たくって大好きよ!」

提督「そうだろ? でもピーマンは嫌いだろ?」

雷「うん。苦くってグシュグシュしてて……。ピーマンは嫌い。見るのもいやだわ」

提督「じゃここにとっても甘くて冷たいピーマンがあるとしよう。このピーマンを雷は食べる?」

雷「え!? そ、そんなのあるわけないじゃない!」

提督「どうしてそう思ったんだ? 世界中のピーマンを食べてみたのか?」

雷「い、いや、食べてないけど」

提督「あるかもしれないだろ? 世界中を探したら」

雷「……確かに」

雷「……でもやっぱり食べないと思う。だって見た目がピーマンだもの」

提督「だよな。でももし食べたらすごく感動すると思わないか?」

雷「うん! きっとするわね! 見た目ピーマンで味がアイスなんて面白いもん!」

提督「そうだろ? やっぱり。でもピーマンが食べられなかったばっかりにそのチャンスがなくなってしまった」

雷「……それが可能性をつぶされてるってこと?」

提督「すげえ大げさに言えばな。俺も今までホウレンソウを食べなくても何とかなってきたよ実際。でももし食えてたら、筋骨隆々でパイプを吹かしてたかもしれないだろ?」

雷「う、うーんそうかな」

提督「ああ。もしかしたらな」

雷「……司令官の言うことはまだあんまりよくわからない、けど」

提督「…… 」

雷「次にピーマンがでたら、一口だけでも食べてみるね。ほら、もしかしたらアイスの味がするかもしれない。そうでしょ?」

提督「ああ。違いない」

雷「……でも筋骨隆々の司令官かー。もしそうだったらみんな捨て置かんでしょうね……」

提督「だろ?」

雷「あ、オカンだけにね!」

提督「さっきの聞こえなかったわけじゃねえから」

提督「後世畏るべしですなあ」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

五十鈴「五十鈴よ」

提督「よう。来たか。まあ座れ」

五十鈴「……」

提督「……どうしたの?」

五十鈴「本当はあなたに相談すべきことではないんだけど……」

提督「かまわねえよ。今日はそんな相談ばっかだ」

五十鈴「む……」

提督「……?」

五十鈴「む、胸の成長が止まらないんだけど」カアア

提督「本当に俺に相談すべきことじゃねえな」

提督「で?」

五十鈴「だから胸の成長が止まらないって話よ! ちゃんと聞いててよね!」

提督「聞いた上で言ってんだよ! そもそもそんなこと俺に相談しにくるんじゃねえよ!」

五十鈴「だ、だって……あなただったら何とかしてくれるかなって」

提督「できるわけねえだろ……。無茶振りにもほどがあるよ……」

五十鈴「大声出したり、呟いたり。テンションの浮き沈みが激しい男ね」

提督「いまだにちょうどいいリアクションに悩んでんだよ! どうすりゃいいんだよ!」

提督「あー、えーっと、五十鈴は、その、大きいのがコンプレックスなのか?」

五十鈴「そうだけど……、セクハラよ」

提督「えぇ……。判定厳しくない?」

五十鈴「厳しくない。それで?」

提督「そうだな。……五十鈴は英国王のスピーチって映画知ってる?」

五十鈴「イギリス王のジョージ六世と言語療養士の友情物語だっけ。最後の『まだちょっとつっかえてたな』『あえてそうしたんだ。僕とわかるようにね』って言うシーンは映画界屈指の名シーンね」

提督「……まあ思ったより知ってんだけど。俺が言いたいのはそういうことだよ」

五十鈴「……?」

提督「世の中往々にしてコンプレックスを乗り越えて武器にした人間が成功してんだよ。お前の体も然りだ」

五十鈴「セクハラよ」

提督「もう俺はどうすりゃいいんだよ……」

提督「後生畏るべしですなあ。主に胸がな」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

若葉「提督。最近私の出撃の機会が多いようだが」

提督「悪いな。負担になっているようだったら減らすが」

若葉「いや戦いは別に嫌いじゃないし、24時間寝なくても大丈夫だ。だがそれに伴って被弾も増えてきてな」

提督「お前には苦労をかけてるな。助かってるよ。今度間宮でもおごってやるよ」

若葉「いや、そういう話でもない」

提督「……?」

若葉「戦いは嫌いじゃないが、被弾すると痛い。痛いのは嫌いだ。だからどうしたものかと思っていた」

提督「ん? ああ」

若葉「だが、最近この痛みすら悪くないと思えるようになってきたんだ……」

提督「何の話だよ」

若葉「率直に言おう。Mに目覚めかけているかもしれない」

提督「ほんとに何の話だよ!」

提督「Mに目覚めかけてるって……。ほんとに?」

若葉「そうだ」

提督「まじかよ……」

若葉「ああ。恥ずかしながらな」

提督「さっきからなんなんだよもう……。何でちょいちょいパンチの効いた相談が混じってんだよ。ししとうかよ」

若葉「ししとう? 食いたいのか? あの油断しきったところにくるあの辛さは……悪くない」

提督「しかも相当ハイレベルのMだよ……。もう俺はどうすりゃいいんだ……」

若葉「提督。それで私はどうすればいい?」

提督「好きにしろよ」

若葉「……? このままMに目覚めてもいいのか?」

提督「いやだから好きにしろよ。個人の性癖まで気にしねえよ。いや多少はするけど」

若葉「いや、駄目だろ。Mだぞ? 変だろ。痛いのが悪くないなんて」

提督「何で変なとこ常識的なんだよ」

若葉「やはり、変、なのか?」

提督「いや、別に変じゃないだろ。Mなんてそこら中にいるわ」

若葉「そ、そうか……。変じゃないか」

提督「……それに、Mってのは戦場において大きなアドバンテージなんだぜ」

若葉「……? そうなのか?」

提督「だって普通は負傷したら痛くて動きが鈍くなるだろ?」

若葉「確かに、そうだな」

提督「そりゃそうだ。誰だって痛いのは嫌いだ。痛がって転げまわることだってあるだろう。その一瞬の痛がりで生死をわけることだってある」

若葉「ああ」

提督「でもそこへ行くとお前は痛いのすら平気だ。痛がる隙なんてない。何だ。最強じゃないか」

提督(まあ多分アドレナリンの多量分泌で痛みを感じてないだけだろうが)

若葉「おぉ……」

提督「痛がるみんなと痛がらない若葉。どっちが有利なのかは明白だ。そう思わないか?」

若葉「……」

提督「もうわかっただろ? Mだろうが変じゃないし、おかしくない。むしろ強みだ。もっと誇れ」

若葉「……確かに! 提督! 私が間違っていた!」

提督「よかった。わかってくれてうれしいよ」

若葉「私は、これからは堂々とMを名乗ろう!」

提督「それは頼むからやめてくれ」

今日は終わる。お疲れ様でした

提督「得るものはある。それがなんであれ」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

龍驤「おー、ちゃんとやってるみたいやなあ。邪魔するでー司令官」

提督「邪魔すんなら帰れ」

龍驤「ドリフか。……ところで司令官。今日のウチいつもと違う感じせん?」

提督「くそめんどくせえな。彼女か」

龍驤「ええやんええやん。ほらほらどう?」

提督「……いつもと髪型変えた?」

龍驤「適当か。変えてへんわ」

提督「あ、前髪軽くすいたのか。印象少し変わったね」

龍驤「すいてへんわ」

提督「わかった。シャンプー変えたのか。こいつは一本取られましたなあ」

龍驤「たしかに変えたけど! というかなんでわかるん!? 怖っ!」

提督「全然わかんねえよ。そろそろ怒髪、天を衝くぞコラ」

龍驤「えぇ……。その髪に対する執着はなんなん……」

提督「答えなんてお前の胸三寸だろうが。わかんねえよ」

龍驤「……」

提督「……?」

提督(……妙だな。いつもなら『誰の胸が三寸やねん!』ってツッコミが入るはずなんだけどな)

龍驤「……ふっふっふー」ニンマリ

提督「……!」

龍驤「いつまでも甘いなあキミは。ウチをこれまでのウチと思ったら大間違えやで」

提督「どしたの? あ、もしかしてドライヤー変えた?」

龍驤「全然ちゃうわ! 少しは髪から離れろや!」

提督「胸が?」

龍驤「そう。おっきくなったんや」

提督「……」

龍驤「……」

提督「よかったなあ。ほんとに。おめでとう龍驤」

龍驤「お、おう。ありがとな。まさかまっすぐ祝われるとは思わんかったけど」

提督「よし。今夜はパーティだな。いやってほど祝ってやる。任せておけ」

龍驤「……」

提督「どうかしたの?」

龍驤「いやな、胸が大きくなったのは喜ばしいことやけどな」

提督「あー、他のフラット5にどう説明しようか悩んでんのか」

龍驤「そうやけど、さっきからキミ察しよすぎちゃう? 名探偵か」

龍驤「そうなんよ。どう説明したらええもんかと思ってな」

提督「何で?」

龍驤「え? だってウチもしかしたらフラット5から外れるかも知れんし……。ウチだけ勝手に大きなってしもうたし、もしかしたら他の連中に嫌われるかも知れんなー思たらな」

提督「……アホかお前は」

龍驤「……あ?」

提督「アホかお前は。何勝手に人の気持ちを分かった振りしてメソメソしんだ。アホか」

龍驤「……それ、どういう意味なん?」

提督「人の胸中を勝手に推し量って嫌われるかもしれないだ? そんなのはその人に対する侮辱だろうが。それともお前はフラット5のやつらがこんなことで怒るくらい狭量だとでも思ってんのか」

龍驤「……」

提督「そもそもフラット5の連中なんてアホみたいなお人よし共だろうが。こいつらに嫌われようと思うほうが難しいわ」

龍驤「……せやな。あほやなあウチは。ウチらは永遠の友情を誓ったはずなのになあ」

提督「そうだろ。桃園の誓いをした仲だろうが。あ、桃ほどないか。がはははは!」

龍驤「しばくぞ」

龍驤は書いてて楽しいから時間使うな。見つけたから誤字直しとくか。

>>180

×提督「アホかお前は。何勝手に人の気持ちを分かった振りしてメソメソしんだ。アホか」

○提督「アホかお前は。何勝手に人の気持ちを分かった振りしてメソメソしてんだ。アホか」

提督「しばかれた」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

扶桑「提督。最近気になることがありまして」

提督「抜かしてみろ」

扶桑「妹の山城のことなんです」

提督「……山城がどうしたの?」

扶桑「私もこの目で見るまでは信じられませんでしたが。……山城が急に幸運になってきた気がするんです」

提督「……なんで? 何でそう思うの?」

扶桑「ええ。提督の信じられないという気持ちは分かります。ですが先ほど私は見てしまったんです」

提督「何を?」

扶桑「驚かないでくださいね? 一億万円の遺産が相続できるとしたり顔で話す山城をです!」

提督「……やっぱかー」

扶桑「そんな莫大な遺産を相続できるなんて……! なんて豪運なの……! 津波……! まるで津波のような強運……!」

提督「俺は不幸どうこうよりお前らのチョロさの方が心配だよ」

扶桑「どうしましょう提督!? 山城が不幸戦艦じゃなくなったら!」

提督「どうしよっかな。とりあえず俺の心労は減るな」

扶桑「うふふふ。あら、嫌だわ。山城が幸せだと思ったらつい」

提督「今のとこただ妹が幸福ってだけで、自分は不幸のままだろ? それはいいの?」

扶桑「……? 何いってるんですか提督? 山城が幸せだったら私が不幸なわけないじゃないですか。おかしなことを言うのね」

提督「……確かにそのとおりだな。あいかわらず仲いいなお前らは」

扶桑「当たり前よ。扶桑型は超ド級戦艦だもの。姉妹仲も超ド級よ」

提督「そうだな。ド肝はよく抜かれるよ」

扶桑「いやだわ。提督ったら。うふふふふ」

扶桑「あ、すみません提督。山城と約束がありますのでこの辺で失礼いたします」

提督「ああ、あんまり相談に乗れなくて悪かったな」

扶桑「いえいえ、相談というよりも話を聞いてほしかっただけですので」

提督「……」

扶桑「どうしました?」

提督「いや、お前らはほんとに幸せものだなーって」

扶桑「……ええ。そうでしょう? なんてったって私たちは」

扶桑「扶桑型戦艦、なんですもの」

提督「遺産は転がり込まないということをいつ教えるべきか。そもそも一億万円って何だ。お助け料か」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

響「やあ司令官。順調かい?」

提督「最高の滑り出しだよ。着地も満点だ」

響「よくわからないけど、それはよかった。でも珍しいね司令官が相談に乗ってくれるなんて」

提督「普段は忙しくてなかなかみんなの話は聞けないからな。たまにはこんなのもいいだろ。いや俺が設けたわけじゃないけど」

響「それじゃあ私の相談も聞いてくれるかい?」

提督「もちろんだよ。なんだい?」

響「最近、ロシアから新しい戦艦娘がきたんだが」

提督「ああ、ガンちゃんね。あいつがどうかしたの?」

響「実は同志Гангут、失礼。ガングートから同志ちっこいのとしか言われないんだ」

提督「そういやそうだな」

響「でも私には響という名前がある。出来ることなら名前を覚えてほしいんだ」

提督「……あー」

提督「なるほどな。確かにそれは辛いよなあ」

響「……別に辛いというほどでもない。ただなぜか胸の辺りがもやもやするんだ」

提督「もやもや?」

響「ああ、もやもやだ」

提督「もやもやかあ」

響「これいったい何なんだろう司令官?」

提督「……考えられるのは、恋の病とかそっち系だけどなあ」

響「そのほかにも食欲不振、頭痛吐き気のどの痛みなどなど」

提督「あ、違うわ。それただの風邪だ」

提督「そうだな。まだ付き合いは浅いが、あいつはどこか武骨というか粗野なところがあるからなあ」

響「……そうなんだ。悪気はないのは分かってはいるんだが」

提督「……うーん。よし伝えてみるか」

響「は? え?」

提督「あーもしもし。ガンちゃん? 俺俺。提督だよ。今から司令室これる? いいから来いよ。大事な話があんだよ。おう。ダッシュで来いよ。じゃねー」

響「し、司令官、いったい何を……」

提督「だからその気持ちを伝えてみろって。それで終わる話じゃないか」

響「で、でも……」

提督「大丈夫だ。あいつは粗にして野だけど、卑ではないよ。きっとニカッって笑って『そうか。悪かったなあ! 同志響よ! 許せ!』って言ってくれるに違いない。そうだろ?」

響「……そうだね。Спасибо司令官」

提督「お前も知ってのとおりあいつは意外と優しいやつだぞ。俺だってもう10回は銃殺刑になってるのにいまだに猶予してくれてるもんな」

響「それは良かった。11回目も無事だといいね」

提督「……? どういう意味だ?」

響「だって私今、風邪引いてるから、同志ガングートに会うわけにはいかないんだ。うつすわけにはいかないからね。だからこれで失礼するよ。またね司令官」ガチャ バタン

提督「え……?」

提督「……」

提督「……」

提督「どうしよ」

今日は終わる。二万字超えたしそろそろ終わるかな

お疲れ様でした

提督「3日ぶり11回目の『次はないぞ』を頂いた」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

リベッチオ「ちゃお! 提督さん!」

提督「ボンジュール。リベ。元気そうだな」

リベッチオ「にひひ~。当たり前じゃん! 元気だよ~!」

提督「うんうん。元気なのは良いことだ」

リベッチオ「で! リベね、提督さんにちょっと聞きたいことがあるんだけど」

提督「任せろ。俺に答えられることなら何だって答えるよ」

リベッチオ「リベッチオはガチって言われたんだけどガチってなーに?」

提督「……そっかあ」

リベッチオ「ね、ね。どういうこと?」

提督「……純金に金箔を張り、ユリの花に絵の具を塗り、スミレに香水をふりかけ、氷を滑らかにし、虹にもう一つ別の色を加える」

リベッチオ「え?」

提督「それは無駄で、馬鹿らしい、余分なことだと思わないか?」

リベッチオ「それは、まあ、そうだろうけど」

提督「それと同じだ。世の中にはしなくていい、余分なことがあるってことだ。さっきの質問に答えるのは簡単だ。でもリベッチオはそのまま純粋なままでいてほしいんだ」

リベッチオ「……ふーん」

提督「わかってくれたな?」

リベッチオ「うん!」

提督「ベネ! いい子だ」

リベッチオ「で、ガチってなーに?」

提督「避けらんねえ」

提督「……ところでそれってどういうときに言われたんだ?」

リベッチオ「うーん。あ! ハロウィンの衣装を着てるときに言われたの!」

提督「……そっかあ」

リベッチオ「どういう意味かなあ?」

提督「……。あ、思い出したわ。『cute』って意味だ?」

リベッチオ「キュート? kawaiiってこと? そ、そうかな。かわいいかあ」

提督「そうだ。キュートを、えーっと古代イスラエル語で読んだらガチって読むんだ」

リベッチオ「え? そうなの? でもどうして古代イスラエル語なんて使うの?」

提督「あ……。えーっと、日本には温故知新という言葉があってな。旧きを巡り新しきを知るという意味なんだ」

リベッチオ「……? だから古代の言葉なんて使ったの?」

提督「多分な。歴史から学び今に活かせ。前時代の駆逐艦の魂を持つ艦娘だったらそれが出来る。そんな意味もこめてお前に『ガチ』っていったのかもな」

リベッチオ「……そっかあ。日本語って面白いね。言葉一つに色々な意味がこめられてるんだ」

提督「そ、そうだ。あー、あと日本では謙虚でいることが重要だ。決してこのことは口外しないように」

リベッチオ「え? あ、そうだね。かわいいって言われたなんて自分から言うもんじゃないしねー。うひひ~」

提督「ベネ」

提督「『cute』って頑張ればガチって読めそうやん。それはそうとリベッチオにガチって教えた馬鹿はどいつだ」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

阿武隈「提督。こんにちは」

提督「おつかれさん」

阿武隈「……」

提督「あれ? どうしたんだ? 気分でも悪いのか?」

阿武隈「今日は! 提督に! 大事な話があります!」

提督「お、おう。びっくりした。何だ急に」

阿武隈「実は……。実はあたし……。提督の顔を見ただけで胸がどきどきするんです……」

提督「……これはまさか」

阿武隈「実を言うと提督のことが大好きすぎて夜も眠れないんですけど!」

提督「ほんとに来ちゃったよ!」

阿武隈「提督的にはあたし、どうですか?」

提督「えーっと、堂には入ってるんじゃないか」

阿武隈「え?」

提督「……」

阿武隈「……」

提督「まあ、俺がスベったのは良しとしよう」

阿武隈「悪しですよ。もう」

提督「……俺のせいで夜も眠れないって?」

阿武隈「そうなんですよ!」

提督「あー、それはなんというか悪かったよ」

阿武隈「いえ、提督は悪くないんです……」

提督「いや、気付いてやれなかった俺が悪いよ」

阿武隈「いえ、あたしがカラオケで夜通し歌ってるのが悪いんです」

提督「それはほんとにお前が悪いよ! 帰って寝ろよ!」

提督「そういや暁がお前と週8でカラオケに行ってるって言ってたな。夜中に行くの?」

阿武隈「はい。暁ちゃんと行くのは大体お昼ですけど。たまに夜にも誘ってるんですよ」

提督「思わぬところで週8の謎が解けたよ……。そんなにカラオケがすきなの?」

阿武隈「……駆逐艦がなかなかあたしの命令に従ってくれないんですよ」

提督「ん? そうなのか?」

阿武隈「はい。だから声がちっさいのかなあと思って、カラオケに通ってるんです」

提督「……」

阿武隈「それとも単に駆逐艦に慕われてないのかなあ。あーあ、あたしって指揮官に向いてないのかなあ」

提督「……話は変わるが、阿武隈。クラウゼヴィッツの戦争論における卓越した指揮官の条件を知ってるか?」

阿武隈「……? いや、知りませんけど」

提督「創造的頭脳の持ち主というより、反省的頭脳の持ち主であり、一途にあるものを追い求めるよりは総括的にものを把握する人物であり、熱血漢というよりは冷静な理性の持ち主であることだ」

阿武隈「じゃあやっぱりあたしは指揮官に向いてないですね……」

提督「何を言うか。さっきからお前は何が悪いのか把握して、冷静に分析して、反省していただろうが。何だお前は。指揮官の申し子か」

阿武隈「……」

提督「つーかそもそも週8でカラオケに付き合ってくれるやつがいる時点で慕われまくってるわ。なめんな」

阿武隈「……ふふふ。そう、ですね」

提督「どうだ? 気分は晴れたか?」

阿武隈「はい! 提督に相談してよかった! すっきりしました。これで今夜からよく眠れそうです!」

提督「うむ。睡眠不足は大敵だからな」

阿武隈「提督ありがとうございます!」ペコ

提督「おう。また何でも言ってくれ」

バタン

提督「……」

提督「……俺のこと好きって話はどうなったんだ」

提督「仕事が上手く言ってないと上司の顔を見ただけで胸がドキドキすることってあるよな。なんだこれ恋か」

↓1 艦娘

↓3 相談内容

初霜「提督。お疲れ様です」

提督「よう」

初霜「……こうやって改まってお話しするとなんだか照れくさいですね」

提督「そういわれたら意識しちゃうな。困る」

初霜「ふふふ。提督ったら」

提督「それで今日はどうしたんだ?」

初霜「……前に一度編成されて以来、良く雪風と遊ぶんですよ」

提督「そういや一度編成したっけ」

初霜「だんだん仲良くはなってきていると思うんですが、それでも雪風が心を開いてくれない気がして」

提督「あー」

初霜「私はもっと雪風と仲良くなりたいんです」

提督「……うん」

初霜「提督も知ってのとおり雪風は昔、その幸運ぶりから奇跡の駆逐艦と呼ばれてました」

提督「そだね」

初霜「でもそれはただ自分が生き残るだけ。ほかの艦が沈んでも自分だけは生き残ってしまうだけ」

提督「……」

初霜「だから雪風は心を開いてくれないんじゃないでしょうか。誰かと仲良くなってその人を自分のせいで沈めてしまったらどうしようって」

提督「うん」

初霜「提督、だったら私はどうすればいいでしょう? そんな雪風にどうやって心を開いてもらったらいいでしょうか? 教えてください」

提督「……そうだな」

提督「例えばの話、お前がソロで出撃したとする」

初霜「……? 無謀な作戦は駄目ですよ」

提督「深海棲艦の主力部隊までたどり着いたものの、道中に戦闘に巻き込まれて弾も魚雷も残ってない。おまけに敵は戦艦級も混じってる」

初霜「それは……。絶望的ですね」

提督「そんな時お前ならどうする? 逃げるのか?」

初霜「に、逃げるわけがありません! たとえ勝ち目がなくっても戦い続けるのが水雷魂です! そうでしょ? 提督!」

提督「何言ってんだ。逃げたらいいだろ」

初霜「……え?」

提督「初霜はどうも難しいことを考えすぎなんだよ。雪風と仲良くしたかったら一緒にいてやればいいし、勝ち目がないんだったら逃げればいい。簡単な話だろうが」

初霜「……そうでしょうか?」

提督「だが、まあそんなところもお前の魅力なんだろうな。だからそのために俺がいるわけだ」

初霜「提督が?」

提督「うん。では今から駆逐艦初霜に任務を与える!」

初霜「……はい?」

提督「水雷戦隊の連携には日ごろからの繋がりが必須である! なので駆逐艦初霜は駆逐艦雪風と交流を深め、えー、一層精進するように!」

初霜「……慣れない事するものだからあんまり様になってないですね」

提督「やかましい。なお、報酬は先払い制とする。報酬は……。これだ」ピラ

初霜「……! よろしいんですか?」

提督「外出許可証だ。俺の裁量をフル活用してなんとかする。楽しんで来い」

初霜「……駆逐艦初霜! 謹んでその任務受けさせていただきます!」

提督「頑張れよ」

(……)

大淀「はい、お茶です」

提督「ありがとよ。あー、しんどかった。慣れないことはするもんじゃないな」

大淀「ふふっ、本当にお疲れ様です。でも提督って意外と相談に乗るの上手ですね。皆さん喜んでいましたよ」

提督「そうか? そいつはよかった」

大淀「はい。正直見直しました。何か相談に乗るコツとかあるんですか?」

提督「……。そうだな。基本は肯定と共感だ」

大淀「肯定と共感?」

提督「まあつまり相手のことを認めて、自分も同じ気持ちだって言ってやるんだよ」

大淀「なるほど」

提督「相手の悩みを解決できるんならそれが一番いいけどな。出来ない場合もある。そんなときでも親身になって話を聞いてやるだけで少しは気が楽になるもんだよ」

大淀「……ありがとうございます。よくわかりました」

提督「まあ全部がそれで上手くいくわけじゃないけどな」

大淀「……ところで提督」

提督「何だ?」

大淀「何か悩み事はありませんか? よろしければ私が相談に乗ってあげますよ!」ウズウズ

提督「知ったことを誰かに試したくて仕方がないとか子供かお前は」

提督「うーん。そうだな。急に悩みって言われてもな」

大淀「何かないですか?」

提督「……あ、そういや一つだけあったわ」

大淀「ありました? さあ言ってみてください! 何でも聞いてあげますから!」

提督「ほんとになんでも?」

大淀「どんとこいです!」

提督「そうか。だったら……」

大淀「はい!」

提督「好きだ。結婚してくれ大淀」

大淀「さすが提督ですね! 私も同じ気持ちです! ……って、え?」

提督「そっか。よかった。大淀も同じ気持ちだったか」

大淀「え?」

提督「プロポーズも上手くいったことだし、さっそく最上階のスイートルームを予約してくるか。ちょっと待ってろよ」

大淀「え? え? え?」






大淀「えええええええええ!!!!」






完!

たまには原点に帰って告白オチもいいんじゃないかな。久しぶりに安価したから疲れた。

付き合ってくれたみんなありがとうございました。お疲れ様でした。

昔書いた似たようなやつ

提督「安価で艦娘にパネエ質問をする」

提督「適当な話」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年10月01日 (日) 09:02:20   ID: 0fwni9VR

良い……

2 :  SS好きの774さん   2017年10月11日 (水) 17:00:17   ID: dfroRgYw

淀さん可愛い

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