速水奏「…………むぅ」 (22)

ポンコツ奏をいじるだけ。
割とキャラ崩壊注意。

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・下準備

奏「ねぇ、プロデューサー」

モバP「どうした?」

奏「キスしましょう?」

モバP「その前に口のケチャップ拭いてからな。ほれ」ハンカチーフ

奏「……むぅ」

・軽口

フレデリカ「ねぇねぇプロデューサー。ランチに行こー」

モバP「いいな。どこ行く?」

フレデリカ「やったー! フレちゃんねー、Bread & Rosesがいいなぁー」

モバP「どこそこ」

フレデリカ「7 rue de Fleurus - 75006 Paris」

モバP「Oh! Paris!」

フレ&モバ「HAHAHAHAHA!!!!」

モバP「ラーメン」

フレデリカ「御意」

奏「…………」ジーッ

・軽口 その2

奏「ねぇ、プロデューサー」

モバP「お疲れ奏。あ、仕事の話が……」

奏「ランチに行きましょう?」

モバP「えらく強引だな。じゃあ飯食いながら打ち合わせでもいいか?」

奏「構わないわ。私、今日はフランス料理が食べたい気分なの」

モバP「昼からか? けっこう重いぞ?」

奏「ならカフェにでも行きましょう。貴方のことだから、きっと素敵な、そう本場フランスの……」

モバP「じゃあ行くか。一旦寮に戻るぞ」

奏「え?」

モバP「明後日からパリで撮影の予定だったし、このまま現地入りしてもいいだろ。行くぞ」

奏「え、あっ、ちょ……」モタモタ

奏「…………むぅ」

・好みはそれぞれ

奏「フランスの海も綺麗なものね……この潮騒が多くの人々を拐かした潮騒」

奏「私もこうなってみたいものだわ」

奏「…………遅いわねプロデューサー。どこに……、あら?」

仏人セクシーギルティ「ペラペーラペラ」ボンキュッボン

モバP「ハハハ……いえーす、いえーす、せんきゅー」

奏「何してるのかしら」

モバP「なんか向こうの人に話しかけられちゃってさ」

奏「……鼻の下が伸びてるわよ、変態さん」

モバP「気のせいだろ」

奏「どうかしらね」

モバP「俺、奏一筋だし」

奏「なっ」

モバP「やっぱ人多いな。移動しよう」テツナギ

奏「てっ」

モバP「どうした?」

奏「…………むぅ」

・赤ずきん? 狼?

サツエイシュウリョウデス オツカレサマデシター!!

モバP「お疲れ様です。速水の為にパリまで本当にありがとうございます。あ、○○さんも本当にありがとうございます。お疲れ様でした」

奏(パリでの撮影。モチーフは赤ずきん。私は可愛い赤ずきんで美しい雌狼でもある)

奏(無惨に腸を曝け出す愚かで可愛い赤ずきん)

奏(それとも血をべっとり口元につけて死骸を貪る貪欲な狼……)

奏(……そのどちらかだったはずなのだけど)

モバP「あー、疲れた。奏ー、ホテル戻るぞ」

奏「ひゃい!」

モバP「ひゃい?」

奏「な、なんでもないわ! ただの考え事よ」

モバP「ん? あ、そうか。じゃあ戻る時は連絡くれ」

奏「連絡?」

モバP「せっかくのパリだし、一人で楽しみたいこともあるだろ。俺は疲れたから先に戻ってる。帰りが不安だったり何かあったりしたときはすぐに連絡くれよ。じゃっ」スタコラサッサ

奏「………………むぅ」プクーッ

・赤ずきん? 狼? その2

奏(一筋とか言う割にその、独占欲とかはないのかしら)カツカツ

奏(しれっと歯の浮く台詞言ってのけちゃって)カツカツ

奏(人がそう簡単に惑わされると思ったら……)カツカツ

奏「……どこかしら、ここ」

奏「………………」ケイタイミツメ

奏「これは、その、迷ったんじゃなくて、そもそも貴方が悪いのよ。そう、私は悪くなくて、担当アイドルの監督を放棄してるわけで、プルル 決して一人が心細いとかいう訳では」

モバP『どしたー? 心細いのかー?』

奏「……迎えに、来てくれるかしら」

・赤ずきん? 狼? その3

ホテルにて

奏「…………」

モバP「そう拗ねるなよ。ちゃんと帰ってこれたんだから良かった」

奏「部屋に戻るわ」

モバP「寝るのか?」

奏「宿題」

モバP「頑張れ学生」

奏「子供扱いして」

モバP「じゃあプロデューサーでもやるか?」

奏「遠慮しておくわ」

モバP「あ、そうだ。これ預けとくぞ」

奏「私の部屋のカードキーはあるわ」

モバP「俺のだよ。前もってスペアを貰ったんだ。何もないと思うが、一応持っといてくれ」

奏「夜のお誘いかしら?」

モバP「冗談。なにがあるかわからないだろ? 困ったら逃げ込んで来れる用に」

奏「必要ないわ」

モバP「じゃあフランス語も英語も話せない俺が鍵を部屋に忘れてた時用に」

奏「……ずるいわね。そういうなら受け取るしかないじゃない。それじゃあ」バタン

奏「………………」カツカツカツ

奏「………………」カツカツカツ

奏「…………ふふん」ガッツポーズ



モバP「あ、忘れてた。奏?」


奏「ひゃい!」

・狼

奏(深夜一時。良い子は寝る時間)

奏(最近はいつも彼に振り回されてばかり。こちらから仕掛けでもしないと気が済まないわ)

奏(というわけで、今はプロデューサーの部屋のドアの前。寝起きに美女が隣で寝ているだなんて、驚くでしょうね)

奏(もし仮に、彼が狼だったのなら、私は可愛い赤ずきんを演じるわ)

奏(べ、別に、その、……怖くないもの)

奏(彼が今寝ているのは部屋電で確認済み)ピッ ドアヒラキ

奏(私を辱めた責任、しっかり取ってもらうわ)モゾモゾ

奏(何かしら、えらく広いベッドね……)ウトウト

奏(朝……起きたら……私の魅力に…………)グゥ







モバP「で、俺がコンビニに行ってる間に何が?」チュンチュン

奏「ひゃい……」

モバP「この顔のあざはなんだと思う? 天下の速水奏は寝相が悪いだなんて言わないよな?」

奏「……」

モバP「ベッドが占領されててソファーで寝たせいで身体中バキバキなんだが?」

奏「その………」

奏「…………むぅ?」

モバP「かわいい」

奏「なっ」

モバP「なんでもない今のなし」

・帰国

事務所

モバP「ふぃー疲れた。やっぱ日本だな」

フレデリカ「あ、プロデューサー。おハロ〜」

モバP「お、フレちゃん。まみむめも〜」

フレデリカ「まみむめも?」

奏(まみむめも?)

モバP「バラムガーデンの挨拶。今のトレンドだよ」シレット

フレデリカ「わーお。初耳! カナデちゃん、まみむめも〜」

奏「なっ」

モバP「ほら、奏。挨拶は社会人の基本だぞ?」

フレデリカ「だぞだぞ〜」

奏「こんにちはフレちゃん」

フレデリカ「まみむめも〜」

モバP「まみむめも〜」

奏「………………」

モバフレ「…………」ニヨニヨ

奏「ま、まみむめも〜」カオマッカ

モバフレ「Fuuuuuuuuuuu!!!」ハイタッチ

奏「…………むぅ」

・軽口 その3

みく「軽口をたたきたい?」

奏「そうね。気軽にからかい合える関係に憧れるわ」

みく「そんなこと言ってもにゃ〜。みくの場合、弄り倒されるだけだから……」

奏「それでも数多くいるアイドルの中で選ばれていることには何か理由があるはずよ」

みく「そんなんみくのほうが知りたいにゃ」

モバP「みく! お昼買ってきたぞ!」バンッ

みく「わっ、びっくした〜。Pチャン、もうちょっと普通に入ってくることできないの?」

モバP「悪い悪い。想いが迸った。奏もお疲れ。これがおまえの分」サンドイッチテワタシ

みく「……みくのは?」

モバP「好きなの選べ!」フタツトリダシ

みく「…………内訳は?」

モバP「どっちも魚介!」

みく「みく帰るね」カツカツカツ

モバP「みく待て待て。あ、奏。明日の時間だけ確認して上がっていいぞ! みくにゃん待てや!!」タッタッタッ

奏「…………」


ガチャリ

仁奈「あ、おべんとーがあるでごぜーますよ」

美優「あらら、本当ね」

仁奈「きっとプロデューサーが買ってきてくれたんでごぜーましょー。仁奈、サバがいいでごぜーます!」

美優「奏ちゃん、私たちが食べていいのかしら?」

奏「…………むぅ」


※このあとめちゃくちゃみくにゃんと一緒にランチした

・弱点

奏「ちひろさん、今いいかしら?」

ちひろ「あら、奏ちゃん。どうかしましたか?」

奏「ちょっとね。プロデューサーさんの弱点を探っているところなのだけど」

ちひろ「弱点?」

奏「そう、弱点」


サチコーニゲンナーオトナシクシロー!!!!!

ナンデコッチニクルンデスカ!! ダレカタスケテ!!


ちひろ「…………あれの?」

奏「そう、あれの」

ちひろ「うーん……そうね」

ちひろ「とりあえず、幸子ちゃんを助けてあげると何か見えてくるかも?」

奏「そうかしら? やってみるわ」テクテク


アッカナデサン!!

ウェッ!?カナデ?カナデナンデ!?!?

コノヘンタイガボクニウンタラカンタラ

イ、イヤダナーサッチャン オレタチマブダチ、OK?

フーン

カ、カナデサン?


ちひろ(あの人の弱点なんて誰がどう見ても貴方ですよ、奏ちゃん)

ちひろ「まったく、変なところでかっこつけしいなんだから」


・言葉は具体的に

奏(今日は雑誌のインタビュー)

奏(プロデューサー完全監修のもと進んでいたのだけど)

記者「……ですね、ありがとうございます。ちょっと踏み込んだ質問にはなりますが、よろしいでしょうか」

奏「だそうだけど?」

モバP「内容にも寄りますが……」

記者「あぁ、不都合であれば答えなくても結構なので!」

モバP「そこまで言うのであれば」

記者「ありがとうございます。速水さんといえば妖艶さを身にまとうクールビューティなJKとしての認知度が高いですが、印象に残っているキスはどんなキスでしたか?」

奏「なっ」プロデューサーチラミ

モバP「それは俺も気になる」

奏「そういうのをセクハラというのよ?」

モバP「なるほどな」

記者「コホン。実際はどうなのでしょうか?」

奏「そうね。まるでそう、風と風が踊ってしまうかのように魅力的なキスだったわ」

記者「風と風が踊る?」

奏「ふ、二人の熱情的な雰囲気に世界が絆されるような……」

記者「絆される……? 結局どんなキスだったんです?」

奏「…………」ウルウル

モバP「アッハッハ。すみませーん、この質問まるごとカットでお願いします」

記者「こちらこそすみません。余計な質問しちゃいましたかね?」

モバP「いえいえ。大丈夫ですよ」

記者「でも少し意外でした。もっとこうシュッとされているイメージでしたので……」

モバP「事務所だとこんな感じですよ。イメージが崩れると奏も仕事がしにくいと思うので、なんとかお願いしますね」

記者「わかりました! では、ここから…………」ペチャクチャ

モバP「ですね、そうして…………」ペチャクチャ

奏「…………むぅ」

・大人の魅力

瑞樹「大人の魅力?」

奏「そうね。川島さんなら何か教えてくれると思って」

瑞樹「どうしたのかしら急に」

心「さーあ? 教えちゃえよ☆」

瑞樹「別にいいけど……でも、気にならない?」

心「何が?」

瑞樹「だって急すぎるじゃない。奏ちゃん、もしかして好きな人できた?」

奏「なっ」

心「おっ。面白そうじゃん☆ 誰だ? プロデューサーか?」

奏「な、なんでもないわ! ありがとう」ツカツカツカ

ドンガラガッシャーン

カ、カナデチャン? チヒロサンゴメンナサイ!

瑞樹「ちょっとイジワルだったかしら?」

心「いーや、別にいいっしょ☆」

瑞樹「そうね……」

瑞樹「今はまだこっちのほうが素敵ですもの。大人にならなくてもいいじゃない」

・ウェディング

奏(今日はウェディングの撮影。純白のドレスに身を包んでチャペルで写真を撮る)

奏(結婚前にドレスを着ると婚期が遅れるとはいうけれど……その場合はしっかり責任を取ってくれるのかしら?)

モバP「撮影おつかれ。ウェディング、似合ってるぞ」

奏「ふふふ。ありがとう。普段は寒色系の衣装が多いから、純白は少し照れくさいわ」

モバP「照れるのも込みで奏の魅力だろ?」

奏「あら? 随分と大胆になったものね」

モバP「いつも小悪魔が蠱惑的に囁くものでな」

奏「失礼しちゃうわ」

モバP「………………」ジーッ

奏「何か私についてるかしら? それとも、キスしたくなった?」

モバP「まぁな。先に控え室に戻ってるぞ」

奏「つれないわね…………ん?」

奏「…………むぅー」

・情報収集

事務所

周子「おつかれー。あれ、みんないないの?」

奏「………………」

周子「お、奏ちゃんいるじゃん。おっつー」

奏「………………」スマホミツメ

周子「おろ? 奏ちゃん?」カタポン

奏「ひゃいっ」ビックゥ

周子「わっ、こっちもびっくりした!」

奏「しゅ、周子? どうかしたの?」

周子「どうかしたのはこっちのセリフ。奏ちゃんこそどしたん?」

奏「な、なんでもないわ! レッスンに行くから!」タッタッタッタ

周子「あ、奏ちゃーん。どうしたんだろ。ありゃ、奏ちゃんスマホ忘れてる」

スマホ「おしゃれなキス特集」

周子「………………」

周子「私はなにもみてなーいっと」

・実践編

奏「ねぇ、プロデューサー。今ちょっといいかしら?」

モバP「んー、どしたー?」カタカタ

奏(シミュレーションは完璧。シチュエーションも理想的。あとは実践あるのみ)

奏「ちょっとこっちまで来てくれる?」

モバP「別にいいけど……」

奏「両手を見てくれるかしら。ちょっとレッスンでこすっちゃって……」

モバP「手? いつも通り綺麗な手だけど……」テサワリ

奏(何一つ疑問に思ってないわ。これならいけるっ)

奏「そのまま目をつぶって?」

モバP「なんで?」

奏「え?」

モバP「え? じゃなくて、手を見て欲しかったんじゃないのか?」

奏(しまった…………)

奏「…………むぅ」

・実践 その2

モバP「わかったわかった。じゃあその前に一つ付き合え」

奏「……何かしら」

モバP「後ろ向けよ」

奏「後ろ?」

モバP「いいから背中合わせに」

奏「…………向いたわ」

モバP「そしたら目をつぶって」

奏(……? なんなのかしら?)

奏「…………んむぅ」

モバP「…………まぁ、そろそろ俺もちゃんとしなきゃなって」ポリポリ

奏「………………」ポーッ

モバP「あ、あの、奏さん?」

奏「…………」ツゥー

モバP「お、おい奏! 奏?」ダキシメラレ

奏「…………むぅ」ニコニコ





終わり

お疲れちゃんです。
ポンコツ奏もたまにはいいっすよね。
最後のはめぞん一刻です。
今日はあと二つくらいあげます。


前スレ
【モバマス短編集】「築き上げたもの」

何かあればどうぞ。

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