藤子不二雄A「死んだ漫画家が女子高生に転生……??」
藤子不二雄A「死んだ漫画家が女子高生に転生……??」 - SSまとめ速報
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の続きです。
別に死闘してない。
台詞形式。
口調、呼称は適当。>>1の漫画家知識はまんが道レベル
昭和の漫画家に自信二キはお許しください!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503587028
【都内繁華街 某所】
安孫子「さて……、約束では此処で待ち合わせの筈だが……」
藤本「安孫子―ッ!!」フリフリ
安孫子「おお、藤本!! 良かった…、無事に合流出来たか…」
安孫子「…ところで、今日は何の用だい?? なにか話が有ると聞いたけど…」
藤本「ああ、ちょっと紹介したい人達が居てね。もう先に待って貰っているんだ。 さぁ、行こうじゃあないか」
安孫子「ふうん?? 分かった。それにしてもこんな街中で女子高生と待ち合わせだなんて、
援助交際と間違われないかヒヤヒヤするよ……」
藤本「あっはっは、歳を考えろよw キミがもう10……いや、15歳若かったらそういう心配もすべきだろうが、
今のキミとボクじゃあ、お爺ちゃんと買い物に出かける孫、って所だよ」
安孫子「確かにねぇ……、なんだかキミと再会してから多少若返った気持ちになっていたが、ボクも老人も良い所だからねぇ…」
藤本「まぁ、その辺は良し悪しさ。十代になるってのもコレで色々と制限が……おっと、ココだ」
???「やぁ、藤本氏。待っていたよ」
???「先に注文は済まさせて貰っているよ??」
安孫子「コレはまた…。随分可愛らしい女子高生達が……、お友達かい??」
藤本「何を言ってるんだい。石森氏と赤塚氏だよ…」
安孫子「エーッ!!!」
赤塚「なんだい、すぐにバラしちゃうのかい?? ちょっとは安孫子氏を揶揄えるかと楽しみにしていたのになァ」
石森「ハハハ、まぁまぁ、話が早くて良いじゃないか。……安孫子氏、久しぶりだねぇ」
安孫子「いや……、まぁ、何と言うか……、藤本がこうなってるから、おたく達も女子高生になってるとは分かってはいたんだが……、
こう見てみるとイヤハヤ………」
安孫子「石森氏もお姉さんを思わせるおさげの似合う女子高生だが……、赤塚氏は何と言うか……凄い美少女だねぇ」
安孫子「前にテレビ番組で、1000年に一度の美少女って言われてる福岡のアイドルと共演した事があるけど、
それに匹敵するんじゃないかい??」
石森「ねぇ……、この顔で破滅的なBLギャグを描いたりするんだから、人と言うのは分からんものだよ…」
藤本「まぁ、赤塚氏は前世からそうだったからねぇ」
安孫子「確かに…。トキワの若手の中ではとびっきりのイケメンだったからねぇ。女の子にもモテたし……」
石森「だなぁ…。部屋に女の子を連れ込まれる度に閉口したモノだよ…」
藤本「壁、薄かったからなぁ…。ボクと石森氏は部屋が隣だったし……」
赤塚「アッハッハ、まぁ過ぎた事じゃないかww その話はよそうぜw」
安孫子「それにしても、藤本から話は聞いたが、おたくがBL同人誌を描くようになるとは思わなかったよ……、
リメイクのおそ松さんに合わせたのかい??」
赤塚「いや、前世から興味は有ったんだよ、同性愛にね」
藤本「へぇ、初耳だなぁ」
石森(ボク、一緒に裸で水飲み場で水浴びとかしてたんだが……)
赤塚「まあね…。んで、タモリがウチに居候してる時にあんまり仲良くて一緒に居るもんだから、
『これだけ一緒に暮らしているんだから愛し合うことも出来るんじゃないか』ってんで、
裸で抱き合って布団に入ってみたりしたんだけどもね??」
藤本「腐女子大歓喜じゃないか」
安孫子「喜ぶか??その二人で…」
赤塚「まぁ結局、ピクリとも反応しなかったんで、どうにもならなかったんだけどねww」
石森「チャレンジャーだなぁ……」
赤塚「今なら両方イケると思うんだがね」
安孫子「イかんでいい、イかんでいい」
藤本「それでいいのか、おたくの今世は……」
赤塚「それでいいのだ!!」
石森「良くない良くない…」
※※ ※※ ※※
安孫子「まあ、その話は置いておいて……。ところで両名がお出ましになられたと言う事は、
「力」を悪用する漫画家の事があるのかい??」
藤本「うむ、話と言うのもそれさ……。キミの協力でどうやらオバQを呼べ出せそうになったから、
妖怪大結界を破る為に、此方から敵の本拠地に乗り込もうと算段を立ててるのさ」
安孫子「ほう、遂にか」
藤本「取り合えず敵の戦力は未知数であり、少なくとも境港には猛犬連隊の連隊が軍隊規模で展開、妖怪の大軍団も控えている」
石森「まともに飛び込んで勝てそうな数じゃあ無さそうだね……」
赤塚「それに聞いた話によると横山先生も向こうに付いているんだろ??
空からいけばロプロスが、海から行ってもポセイドンだ! うひゃあ、おっかないねぇ!!」
藤本「うむ、こちらも戦力を結集しなければ到底歯は立たないだろう……。それに妖怪大結界もある…」
藤本「それに、正面から突っ込んだら「力」を持たない安孫子の身が集中して狙われて危険だ…」
藤本「そこで、こう言うのはどうだろう??
夜の闇に乗じて中国地方の山を越えて境港に接近し、妖怪大結界に接触したらボクたち二人がオバQを呼び出して結界を打ち破る」
藤本「そしたら安孫子を安全な所に運んで、ボクと石森氏は援軍と合流して境港に進攻しよう」
安孫子「随分と簡単に言うけど、敵に見つからずに中国地方まで辿り着けるのかい…??
それにボクを態々安全な場所にまで運んでいたら、相手に体勢を立て直されるんじゃあ……」
藤本「それは大丈夫、どこでもドアが有るからね」
安孫子「そう言えばあったな…、トンでもないチートが……」
安孫子「……でも、二人だけで良いのかい?? 赤塚氏は行かないのかい??」
安孫子「それに他の仲間は?手塚先生も居るんだろう??」
藤本「他にも仲間が居ないわけでは無いんだけどね…、今回は隠密性も必要なので、少数精鋭さ」
藤本「それで……手塚先生は……。あー……んー……」
赤塚「何と言うか……ソノー……」
石森「ウーン………」
安孫子「……??? 如何したんだい??」
藤本「手塚先生はねぇ……。つい先日行われた夏のお祭り、
ビッグサイトで開催される同人誌即売会に生まれ変わってから初めて参加されたんだけど……」
石森「我々は止めたんだけど……、パクリ呼ばわりされた事が大分ショックだったみたいで、
完全オリジナルの同人誌で勝負を賭けられて……」
赤塚「しかも、相当筆が乗ったのか、かなり分厚い同人誌を作っちゃって……部数も相当……」(汗)
安孫子「そんな……。 初参加で大部数、大ページ、オリジナルなんて、同人即売会で失敗するテンプレの御三家じゃないか……」
石森「うむ、流石の手塚先生とはいえ、シャレにならない在庫を抱えてしまってねェ…、
現在、その資金繰りの為に、アルバイトを入れまくっているんだよ……」
安孫子「そんな……、漫画の神様がそんなやらかしちゃった初心者同人作家みたいな事に……」
石森「作品の出来自体は素晴らしいんだけどねェ……。初参加の女子高生じゃネームバリューが……」
赤塚「それに、先生は来るべき世界では1000ページも描いてた人だから……、ペース配分が…常人の感覚では無くて…」
藤本「正直、ボクが全部引き取りたいくらいなんだが、女子高生の財力では全部買い占めるのは無理があってねぇ…」
石森(本気の眼だ……)
安孫子(信者の眼付だ……)
赤塚「ちなみにボクのサークルは完売したけどねww」
石森「あのなぁ……、それが原因の一つでもあるんだぞ……」(頭抱えて)
安孫子「ああ……、手塚先生は紛れもない天才だけど嫉妬深い事でも有名だからねぇ……、一時は石森氏にも……」
石森「アレには参ったよ……、尊敬する手塚先生にそう言う事を言われても、どうしたら良いのか分からないからねェ…」
【手塚治虫ぐう畜エピソード、スターティングメンバー】
PG 梶原一騎→巨人の星を見てアシスタントに「いったいこれの何処が面白いのか?誰か教えてくれ」
SG 大友克洋→超大御所手塚治虫、新人の大友克洋に「あなたが描く様な絵は僕にも描ける」発言
SF 水木茂、手塚治虫と初対面の時に「貴方の絵は雑で汚いだけだ」と、暴言を吐かれる。
PF 石ノ森正太郎、仮面ライダーの原稿を手塚に見せる→「石森君、あんなものは漫画じゃないよ」
C 水嶋新司→「キミはいいよねぇ。野球だけ描いてればいいから楽だよねぇ」
シックスマン 荒木飛呂彦に「東北出身の有名漫画家は居ない、頑張れ」→石森章太郎が居る。
監督 藤子不二雄のコンビ解消の会場で「これで同等に勝負できる」と、二ヤリ
安孫子「…………………」
石森「…………………」
二人「アハハ……………」(乾いた笑い)
赤塚「キャバキャバ」(トキワ荘仲間で流行った造語「やれやれ」「どうにもならない」という意味)
※※ ※※ ※※
赤塚「いっそ安孫子氏に引き取って貰ったらどうだろう??ボクらと違って資金は豊富だろう??」
安孫子「ボクかい…?? そりゃあ、手塚先生がお困りなら吝かではないけど……」
藤本「ダメダメ!!漫画界の重鎮である藤子不二雄Aが女子高生の同人誌を青田買い、
なんて世間に知れたら大騒ぎになっちまうよ!!」
石森「ソレが原因で向うの組織にボクらの繋がりがバレたら一網打尽にされかねないからねェ…、ソレは下策だよ…」
赤塚「ふーん、そっかー。大変だなぁ」
藤本「まあ、と言う訳で今回は手塚先生は参戦出来ない訳だ」
藤本「勿論ボクらに何かあったら駆けつけてくれる算段は取ってある」
赤塚「そこでボクが連絡係に残る訳さ。
ついでに手塚先生の同人誌の在庫が掃けるように色々と業者なんかに手を回してみるよ」
赤塚「それに、ボクの作品は石森氏と違って荒事向きの作品が少ないからねえ……、
精々、銃を乱射する目玉の本官さんくらいしか……」
石森「ギャグ漫画特有の、キャラの不死身さはボクらには貴重だけどね…」
安孫子「なるほど……、それで僕ら三人で乗り込む訳だね……。 把握したよ」
藤本「理解してくれた様で何よりだ…。それじゃあ後日、準備を整えて安孫子とボクと石森氏は中国地方へ移動しよう!!
赤塚氏は後詰と手塚先生を頼んだ!!」
全員「了解ッ!!」
※※ ※※ ※※
【???】
SOUND ONLY01「…貴女らしくも無い失態ですな、横山先生…」
横山光輝「その件については謝罪する……油断だった……」
SOUND ONLY02「流石は藤子不二雄…、戦闘力なら我が組織でも1,2を争う横山先生をこうも容易く退けるとは……」
横山「頼む!もう一度チャンスをくれ!!今度こそはあの二人を仕留めてみせるッ!!なんなら魏軍20万を持って、
川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムを攻め落としてっ………」
SOUND ONLY03「まぁまぁ、落ち着きなさいよ、そんな事したら流石に表の世界も黙っては居ないでしょ??」
SOUND ONLY04「そうそう、今はじんわりと影響力を拡大し、いずれは漫画好きの副総理を陰で操り、
政界までも手中に収めるのが我らの組織の当面の目標……、今は静かに、そして確実に影響力を広げて行かねばならない………」
横山「しかしっ!!」
SOUND ONLY05「それに情報によると、藤子不二雄の二人は石森章太郎と共に、山道を使ってこちらに向かい、
妖怪大結界を破壊しようと目論んでいる様子……、放っておいても向こうから飛び込んで来るでしょうぜ…」
横山(一体何処からそんな情報を………??)
01「ほう……、山道ね……、ならば中国地方を通るのか……」
SOUND ONLY06「ほうなら、此処はワシに任せてくれんかのぅ」
01「ふむ…、確かにあのエリアならば、キミの「力」を充分に発揮する事が出来る……、良し、キミに任せるとしよう……」
06「ククク…、うれしいのぅ。 よっし、藤子不二雄なんてワシがシゴウしたるけぇの!!」
01「うむ……、全ては我等の野望を叶えるため……、『真・漫画党』の為に!!」
全員 「「「「「『真・漫画党』の為に!!!!」」」」」」
横山(仲間とは言え、解るのは声のみ……、しかもみんな十代の少女に転生してるために、声で誰かを判断する事も出来ない……)
横山(正体を現さない事もそうだが……、ヤケに敵の情報に詳しいのも気になる……、それにこの気に障る組織の名前……)
横山(余り組織には信を置かずに、行動した方が良さそうだな………)
※※ ※※ ※※
【後日、深夜 都内某所】
石森「さて安孫子氏、用意は出来たかい??」
安孫子「ああ、バッチリさ。…まぁ、そんなに大荷物でも無いんだけどね…」
藤本「それじゃあ、行くとしようか……」(抱えたバッグからスケッチブックを取り出し、ドラえもんをサラサラっと書く)
ドラえもん「ぼくドラえもん~!!」(CV:大山のぶ代)
安孫子「おお、声は大山のぶ代だ……」
藤本「新しい声優さんはボクにはあまり馴染みがないからねぇ………、さあ、ドラえもん、どこでもドアをよろしく頼む」
ドラえもん「はいはい。『どこでもドア~!!』」(テッテテテッテッテッテッテー!)
安孫子「効果音まで!!」
藤本「コレを潜れば山陰地方の山奥だ……、さあ、行こうか」
石森「うむ、そうしよう」
安孫子「あ、ああ……」
※※ ※※ ※※
安孫子(凄い、本当に一瞬で山奥だ……、トンでもない能力だな……)
藤本「…………………」
石森「どうしたんだい?藤本氏??」
藤本「おかしい……、違和感がある………」
安孫子「違和感??」
藤本「ああ、ボクは下見に何遍もこの辺の山に足を運んでいる…。その時に来た時と何か場所が違うような……??」
安孫子「道具が壊れてたんじゃないかい?? 結構、大長編とかでは壊れているじゃないか」
藤本「そうかもしれないねぇ…、中古で使い捨てやレンタルが多い設定だからなぁ…。 案外ポンコツなんだよ」
ドラえもん「失敬だなぁ!!そう決めたのはあんたじゃないか!!」
石森「まぁまぁ……、まずは落ち着いて斥候を出して、周りの状況を確認しようじゃないか…。此処はボクに任せてくれよ」
(スケッチブックを取り出して、圧倒的な速さのペン捌きで、スケッチブックに9人のゼロゼロナンバーのメンバーを描き上げる)
安孫子「相変わらずトンでもないスピードだ……」
藤本「石森氏はボクら二人がひぃひぃ言いながら一日4ページ描いてた時に、18ページとか描いてたからねぇ……。
相変わらず圧倒的なスピードだよ…」
安孫子「しかも絵は綺麗なんだ……」
藤本「うん…」
石森「よし、001と003は此処に待機して情報を纏めてくれ、002は空から偵察を、
それ以外は二人一組で警戒しながら四方を探索してくれ」
ゼロゼロナンバーズ「「「了解ッ!!」」」」
安孫子「いやぁ、それにしてもサイボーグ009の皆が呼べるとなると、戦力が大幅にアップするねぇ…」
藤本「石森氏は戦闘向けのキャラが多いからね…。 ボクは赤塚氏ほどじゃないけど、それでも荒事向きじゃないから大分助かるよ」
安孫子「ポコニャンやモジャ公じゃ戦いようが無いものね」
藤本「どちらかと言うとキミの方がそういうキャラは多いよね…、ハットリくんとか怪物くんとか……。
特に怪物くんが居ると、妖怪大結界を越えるのにも越えた後も大分助かるんだけど……」チラッチラッ
安孫子「だからって死ぬのだけはカンベンしてくれよ………」
安孫子「と、ところで石森氏は、戦闘向きのキャラは他には何が呼べるんだい??」
石森「そうだなぁ……有名どころでは、ゴレンジャー、キカイダー、ハカイダー…は呼ばない方が無難か……。
後、仮面ライダーは一号二号とアマゾン、Blackが呼べるね、漫画版を描いているから」
安孫子「……Blackが呼べるなら、一人で境港に突っ込ませたら何とかなるんじゃないかい……??」
藤本「妖怪大結界もキングストーンで不思議な事が起こって何とかしそうだよね……」
石森「それが、RXはボクが描いてないんで、そこまでの能力は無いんだよね……、『あいつ一人で良いんじゃないかな』
の元ネタの漫画を描いたのも、元アシスタントの佐藤君の漫画だしねェ」
安孫子「そうか……、そう上手くはいかないんだねぇ……」
藤本「まぁコツコツやっていこう、コツコツと、ね」
003「あっ!!」
石森「!? どうしたっ!!??」
003「002が墜落しました!!最後は悲鳴と共に落下して地面に叩きつけられて、消滅していますっ!!」
石森「敵の攻撃か!? 002はそんな簡単にやられるキャラでは無い筈だが……」
003「いえ……寸前まで何の問題も無く飛行できてましたし、通信も出来てました……。
街の灯りの様な物を見つけた、接近してみる、との内容だったんですが……」
石森「……敵の攻撃らしき物は無かったんだな??」
003「はい………」
藤本「どうしたもんだろうねぇ……、判断が難しい……」
安孫子「街の灯り………か…」
藤本「しかし、ただ此処で手を拱いていても仕方無い…。多少の危険は有るかもしれないが、その街とやらに向かってみよう…。
現在位置の確認等もしておきたいし、ね…」
石森「…分かった、メンバーを集結させておく……」
※※ ※※ ※※
安孫子「灯りが見えてきたぞ……」
藤本「それにしても随分古そうな建物ばっかりの街だな……。田舎なのかな……??」
石森「それにしても高層マンション一つ無いと言うのは………?」
004「う…ウ……」
009「どうしたんだい? 004??」
004「身体が……全く動かない……」
石森「な、何だって??」
001「オギャ!!オギャア!!オギャア!!」
006「どうしたアルか!? 001!!??」
003「分からないの!!急にテレパシーが届かなくなって本物の赤ちゃんみたいに……」
003「それに……、私の超聴覚も超視覚も全く使えなくなってる!!」
009「何だって……!!(カチッカチッ)クソッ!!加速装置もだ!!」
安孫子「一体どういう事だ……??」
藤本「ゼロゼロナンバーズの特殊能力が、使えなくなっている……??」
石森「そんな……、まさか!?(サラサラっと本郷猛を描き上げて呼び出す)一号!!変身してみてくれっ!!」
本郷「承知した!!ライダー………、変身ッ!!」
安孫子「…………………」
藤本「…………………」
石森「…………………」
本郷「変身が……出来ないッ………??」
石森「やはり……キャラの特殊能力が使えなくなっている……」
安孫子「敵の「力」の攻撃を受けているのかい……??」
藤本「おそらくそうだろう……。一方的に特定のキャラクターの能力を封じるのは至難だが、
特定のエリアの全てを封じるのは、然程難しい力の行使ではないんだ……」
安孫子「そうなのか……」
藤本「ああ……、だが難点も有る……。向こうも例外なく特別な能力が使えなくなるはずなんだ……」
安孫子「それは……、おかしくないかい…?? それだと今まで判明してる敵の戦力だと、
猛犬連隊はただの犬の集団になるし、妖怪軍団はおそらく消滅する…」
安孫子「大幅に戦力ダウンする向うに、得なんて何も無いじゃないか…??」
藤本「そうだね……、ソレを仕掛けているとしたら、それらの不都合を受けない、
おそらく新手の漫画家だろう………。 どうする…?? 一旦退くかい??」
石森「それは難しいだろうね……、このタイプの能力は結界に近い…。
抜け出そうとするなら「力」の大元を絶たないと無理だと思うよ……」
安孫子「結局、進むしかないって話か………」
藤本「……行こう、街の形をしているなら、何らかのヒントになる物は有るだろう…、情報を集めないと……」
石森「そうだね、行こうか……」
石森「009のみんなは能力が使えないとなると戦力がガタ落ちだな……、戻して二号ライダー一文字隼人を呼びなおしておくよ…、
彼なら改造前でも柔道6段・空手5段で戦力として充分だしね」
藤本「ボクはのび太でも呼んでおくかな……、射撃の腕なら影響されないだろうし……。
バイトラインスペシャルでも持たせておこう…」(サラサラ)
のび太「そんなぁ…! やだよぅ!!怖いよう…、助けてよ、ドラえも~ん!!」
ドラえもん「ボク、ドラエモンデス」
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=QOAb5SSxd4Y#t=22
安孫子「残念だけど、今のドラえもんは歩いたり決められた言葉を喋るくらいの、原寸大の人形でしか無いよ…??」
のび太「そんなぁ~!!ドラえも~ん~ッ!!」
安孫子(声が小原乃梨子だ……)
【街中】
安孫子「それにしても、何だか懐かしい街並みだなぁ……」
藤本「懐かしいと言うか、子供の頃を思い出すなぁ……、高岡の街を……」
安孫子「藤本もかい??ボクもそう思ってたんだよ……」
石森「それにしても、街並みが古すぎる……、何だか嫌な予感がする……」
藤本「……………………」
安孫子「どうしたんだい?藤本??」
藤本「嫌な予感は当たっているみたいだよ……、見てみろよ、そこに落ちてた新聞。
今日配られたのか、まだ真新しいのに、日付が……」
安孫子・石森「……昭和20年、8月5日……、広島新聞……ッ!?」
安孫子「そんな……此処は過去だって言うのかい!?」
藤本「本当に過去なのか、それとも再現された世界なのかは、まだ分からない……、だが、問題はそこじゃあない」
石森「問題………??」
藤本「その新聞によると、今は昭和20年の8月5日深夜、広島市内だ……、
なら明日、広島市内で起こる事は、ぼくら世代なら知らない人間は居ないだろう………??」
安孫子「8月6日午前8時15分……、原爆投下か……!!」
藤本「ああ……、この状況は間違いなく敵の能力に寄るものだし、態々此処にボクらを送り込んだと言う事は、
ほぼ間違いなく同じ事がこの場所でも起こる……。そして、僕らは一瞬にして消し炭になるだろう………」
石森「なんて恐ろしい……っ」
安孫子「だが、コレで敵が分かったな……。戦中の広島市と原爆の被害を詳細を描いて、最近亡くなった漫画家と言えば……」
藤本「ああ…、『はだしのゲン』作者、中沢啓治先生以外考えられない……」
石森「つまり、明日の原爆投下時間までに中沢先生を見つけ出し、
倒さなければ、ボク達はみんな原爆で仕留められると言う訳か……」
安孫子「しかし、広い広島市内、何処を探せば……」
藤本「付き合いが無かったからどういう所に居るのか、全く想像もつかないな……」
石森「一体どうすれば……」
安孫子「むう……」
ガサッ
藤本「………どうやら、考えるより先に行動しなきゃいけないみたいだな……」
安孫子「えっ??」
米兵「ヘッヘッヘ」ニヤニヤ
米兵「ヘイ、カモンプリティーガール!!」ニヤニヤ
石森「おいおい……、原爆投下直前の広島になんで米兵が居るんだよ……」
藤本「向うにも作者狙いなのが伝わったんだろうな…、案外近くに潜んでいそうだ……」
安孫子「なりふり構ってられないって事か……」
藤本「まぁ、過去に戻す能力では無さそうで安心したよ…、ボクのドラえもんでもタイムマシーンは不可能だから、ね」
安孫子「そうなのかい??」
藤本「ああ、空間移動と時空移動は難易度に格段の開きがあるらしく、ボクの計算では……」
石森「そんな事説明してる場合かッ!!銃撃が来るぞッ!!物陰に隠れて伏せろッ!!」
ババババーン!!(米兵、銃乱射)
のび太「うわーん!怖いよぅ!!ママーッ!!」
藤本「コラッ!!蹲ってないで反撃しろっ!!君の銃の腕ならアレくらい余裕だろっ!!!」
のび太「無理だよう!!!」
石森「言うて、ただの小学4年生だからなぁ……、米兵と銃撃戦しろってのは無理があるよな……」
安孫子「大長編の方で呼べなかったのかい?? 多少マシな気がするが……」
藤本「作品ごとに呼ぶのは難しいんだよなぁ…。孫悟空の恰好してればパラレル西遊記ののび太が来ると思うんだけど……」
藤本「今は能力が封じられてるからフラットなのび太が来たんだろう……」
安孫子「道具の悪だくみとあやとりくらいしか特技がないじゃないか……」
のび太「後、昼寝っ!!」
石森「寝れるもんなら寝てみてくれよ……」(銃撃戦の最中)
ザッザッザッ!!
藤本「おい!! 後ろの方からも来たぞッ!!!!」
カープファン「ソウレ!フジコフジオ ヲ ミナゴロシ ジャ!!」
カープファン「ヨウシ!ヤッタレ ヤッタレ!!」
カープファン「イシモリショウタロウ ヲ ニガスナ!!」
(バットや丸太で武装した白目のカープファンが、カタコトで叫びながらジリジリと迫ってくる)
石森「何で原爆投下直前の広島にカープのファンが(ry」
安孫子「なりふり構って(ry)」
藤本「天丼してる場合かッ!!来るぞッ!!!」
のび太「(バーン!バーン!!)うわーん!!撃っても撃っても襲い掛かってくる~!!まるでゾンビだぁ!!」
カープファン「コノガキャ!! コロシャゲタル!!」
安孫子「ゾンビの相手なら得意だろッ!!そういうゲームの動画見た事あるぞ!!泣き言言うなッ!!」
のび太「アレは二次創作だよぅ!!!」
一文字「ヤバい!!囲まれるぞ!!逃げるんだ!!」
藤本「逃げるって言ったって何処へ!!それに中沢先生の居場所も探さなきゃ、どのみち原爆にやられるんだぜッ!?」
安孫子「詰んでいる……、八方塞がりだ……。なんて恐ろしい敵なんだ……中沢啓二…。
もう、どうしようもない……」ガックリ
石森「………ボクに一つだけ策がある……。成功すれば中沢先生を補足出来る……。失敗すれば……」
安孫子「失敗すれば……??」
石森「原爆で消滅…、だねェ」
安孫子「嫌だぁ!!!!」
石森「安孫子氏、キミは何処で消えたい…??」ニッコリ
藤本「名言を言ってる場合かい!!…取り合えず逃げろォ!!」ダッ!!
【翌朝、???】
中沢「フフン、そろそろ八時十分か……、奴等もどうやら、一晩中逃げ回るだけでワシを探す余裕はなかった様じゃのう……」
中沢「当然、ワシの居場所を知る由も無い訳じゃ……。
…フン、五分後には石森も藤子不二雄の二人も纏めてピカの餌食じゃ……。ええ気味じゃ」
???「そうはいかない!!」
ズギューン!!
中沢「ぐわっ!!!」
のび太「原爆投下ジャスト五分前・・・、間に合って良かった……」
藤本「ナイスだのび太!! 流石の腕前だ……、スケッチブックだけを狙って吹き飛ばすとはな……ッ!!」
中沢「ゲッ!!お前らは!!どうして此処におるんじゃッ!!」
中沢「何故ワシが此処に居る事が分かったんじゃ!! ワシの漫画キャラに追い回されて、探す時間など無かった筈じゃろ!!」
石森「なに……、簡単な推理だよ…。
特殊能力が無い現状、原爆の被害から逃れるためには、作者の貴女と言えど身の安全を図らなくてはならない……」
石森「このはだしのゲンの世界で原子爆弾からの被害を確実に避けれる唯一の方法……、
それは生存が確定している人間の当時の行動をトレースするのが一番だ…」
石森「生存が確定していて、原爆投下当時の行動が分かる唯一の人物……。
それは当然、主人公の中岡ゲン! 彼が原爆投下時に居たのは、神山国民小学校、校門の塀の影!!」(ビシッと指さす)
【神山国民小学校 正門前】
石森「何処を逃げてもここで待っていれば、貴女の方から来てくれると思ってましたよ……、中沢先生……!!」
中沢「グ……、ギギギ……」
安孫子「中沢先生……、何で原爆を憎んだ貴女が、原爆を武器にする様な能力を……」
中沢「う、五月蠅いッ!!ワシを原爆漫画家とレッテルを張り、バカにした漫画家共に天誅を喰らわすんじゃ!!
ピカに人生を狂わされたワシが、ピカの力を使って何が悪いッ!!」
藤本「それは貴女の考えではない筈だ!!目を覚ませッ!!」
中沢「五月蠅い!五月蠅いッ!!ワシは「力」を手に入れるんじゃぁ!!ソレをよこせぇ!!」
(言うなり、吹っ飛んだスケッチブックに手を伸ばす)
一文字「トウゥッ!!」(突っ込んで来た中沢の首筋に、手刀を叩き込み地面に沈める)
中沢「ぐわっ!!」ガクッ
安孫子「……気絶したか……。どうやら正気を失っている様だったな………」
藤本「亡くなってから時間が立たずに転生した漫画家は、子供の頃から育っていないせいか、「力」が暴走する傾向にある……。
そこを「組織」に付け込まれたのだろう……」
石森「全く、やりきれない話だな……」
藤本「ああ、だが、それでもボク達は前に進まなきゃならない……」
安孫子「そうだな……、一人でも多くの仲間たちを救う為に……」グッ
???「それは無理。貴女達はこれ以上先には進めない」(背後の空間から染み出す様に眼鏡の女子高生が現れる)
藤本「なっ、誰だッ!!!」(バッとスケッチブックを取り出す)
???「遅い、既に結界の効果が切れている事に気が付かなかったのが、貴女達の敗因」
(一瞬早く書き終えた眼鏡の少女のスケッチブックから、独特のタッチの鎌を持った骨の化け物が飛び出て来る)
石森「スケッチブックから……」
藤本「骨の化け物ッ!?!?」
安孫子「危ないッ!!藤本ッ!!石森氏ッ!!!!」(慌てて飛び出して二人の前に立ちはだかる)
藤本「安孫子っ!!!」
(眼鏡の少女のスケッチブックから飛び出した鎌を持った骨が、安孫子を薙ぐ。その瞬間地に倒れ伏す安孫子)
石森「安孫子氏! 安孫子氏ッ!! クッ!返事が無い!!」ユサユサ
藤本「傷は無いみたいだが……、貴様!一体、何をしたんだッ!!」
???「藤子・F・不二雄と石森章太郎を仕留められなかったのは残念。だが、藤子不二雄Aの魂を手に入れた。まずは満足すべき」
藤本「魂……だと??」
???「そう、妖怪「死神」の鎌は身体と魂を切り離す能力を持つ。切り離せばこのように捕獲は容易」(魂を右手に掴み)
石森「妖怪……。貴女はまさか…、水木先生なのか……??」
水木「そう、私は水木しげるの記憶を持つ」
石森「何故だ……、何故戦争で最前線に行き片腕まで無くし、誰よりも平和を望んでいた貴女がそんな「組織」に……」
水木「私は転生間もない…。自らの自我は希薄。それ故に今の水木サンは、上からの指示で動く装置の様な物…」
藤本「なんだと……水木先生が妖怪を悪事に使うのはおかしいと思っていたら……」
石森「そんなカラクリが……、「組織」め……」
水木「藤子不二雄Aの魂は貰っていく、取り返したければ、境港までくればいい。結界は開けておく」
石森「なんだと……、安孫子氏の魂を人質に取られた今、結界を越える力は我等にはない…。それなのに何故……??」
水木「水木サンには知る由もない。上からの命令」
藤本「上からの……命令……??」
水木「境港で待つ。繰り返す、藤子不二雄Aの魂は預かる…」(現れた時の様に、空間に染み込む様に消えていく)
藤本「待てッ!!安孫子の魂を返せッ!!」
石森「藤本氏!安孫子氏の身体を置いていくのは不味い!!まずは東京に戻って仲間たちに相談だッ!!」(藤本の肩を力強く掴み)
藤本「しかしッ……!!」
石森「追った所で追いつけるとは思えない!冷静になるんだ!!」
藤本「クッ……分かった…」ギリッ
藤本(待っていてくれ……安孫子……、すぐに…、すぐに、お前の魂を取り戻して見せる……ッ!!)
【続】
続きます。
囚われのヒロインは83歳のお爺ちゃん。
続きはなるべく早く書きます。
後、中沢先生は超艦不死身でゴリ押しした方が強かったと思う。
https://pbs.twimg.com/media/B_Zcg7UUIAA3c7x.jpg
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