アセロラ「古代のプリンセスアセロラちゃんでーす」 (64)

大昔


アセロラ王国

アセロラ「今日も笑顔で1日はりきっていこー!」オー

リーリエ「お勉強してください姫様」


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アセロラ「んもー!リーリエはすぐお勉強お勉強ってー!」

アセロラ「アセロラちゃん、お外で遊びたいです」

リーリエ「駄目です」

リーリエ「私は神官として、亡き国王様とお妃様に貴女の事を頼まれました」

リーリエ「厳しいようですが、国王様やお妃様・・・そして貴女の為」

リーリエ「貴女には立派な姫となって頂く為にも、きっちりお勉強して頂きます」

シロン「コーン」

アセロラ「えー」ブーブー

リーリエ「だいたい、アセロラ王国とはなんですか?王になった途端に国の名前を改名しないでください!」

アセロラ「可愛いでしょ?」ニコッ

リーリエ(可愛い・・・・)キュン

リーリエ「じゃなくて・・駄目です!論理的結論から言いますと、早く国の名前を戻してください!」

アセロラ「嫌です」キッパリ

アセロラ「それにリーリエだって恋愛の自由化とかいう訳のわからない法律つくったでしょ?」

リーリエ「性別、種族、年齢、身分の垣根を越え、自由な結婚ができる・・・これのどこが訳のわからない法律なんですか!」

アセロラ「全然意味がわかりませーん」

クチナシ「おいおい、朝っぱらからケンカかい?」

リーリエ「クチナシさん!」

アセロラ「あ!おじさーん!」

クチナシ「リーリエ、お姫さんにも少し息抜きが必要だ、少しだけ勉強は待ってやったらどうだ?」

アセロラ「わーい!さっすがおじさーん!」

リーリエ「い、いつも息抜きばかりじゃないですか!」

アセロラ「んもー!リーリエは固いなぁ」ソー

リーリエ「!」

リーリエ「ど、何処へ行くおつもりですか姫様!」

アセロラ「散歩・・・城下のパトロールに行ってきまーす!」

アセロラ「いこっ!コスモッグちゃん!」

コスモッグ1「ぴゅい」

コスモッグ2「ぴゅーい!」


ダダダダダ


リーリエ「もう!」

シロン「コン!」

クチナシ「あっはっは」ケラケラ

城下

ワイワイ

アセロラ「うーん、今日もアセロラ王国は笑顔でいっぱいだね?」

コスモッグ1「ぴゅい!」

コスモッグ2「ぴゅい!」

リーリエ「そうですね」

アセロラ「・・・・なんでいるの?」

リーリエ「貴女が逃げない為です」

アセロラ「うぇー」



マオ「あっ!姫様ー!」フリフリ

アママイコ「アマー!」フリフリ

アセロラ「マオー!アママイコー!」フリフリ

リーリエ「マオ、お仕事のお疲れ様です」

マオ「えへへ」

アセロラ「木の実の収穫してるんだね?」

マオ「うん!家でとれた木の実だよ!今が一番収穫時期なんだ!」

リーリエ「あたり一面が緑・・素敵ですね?」ニコッ

マオ「ありがと!」ニコッ

スイレン「マオちゃん、こっちの木の実もとれたよ」

マオ「スイレン、ありがとう!」

アセロラ「あっ!スイレンとアシマリだー!」

スイレン「姫様!リーリエ!」

アシマリ「アウー」

リーリエ「スイレン、マオのお手伝いですか?」

スイレン「うん!丁度手が空いてたし、手伝ったらとれたての木の実食べさせてくれるって言うから!」

アシマリ「アウ」

リーリエ「ほら姫様!スイレンやマオだってちゃんと働いているんです。貴女も・・・・」

アセロラ「・・・・・」ジーッ

スイレン「?」

アセロラ「・・・・木の実、美味しそう」ジュルリ

スイレン「えと・・・・」

マオ「・・・ひとつ食べますか?」

アセロラ「いいの!」キラキラ

マオ「は、はあ・・・」

リーリエ「姫様!」

アセロラ「いいじゃんいいじゃん!ほらっ!リーリエも!」ヒョイッ

リーリエ「まったく・・」パクッ

アセロラ、リーリエ「!」

アセロラ、リーリエ「おいし~!!」キラキラ

スイレン「ははは」

マオ「あ、ありがとうございます」

アセロラ「この味!最高だよ!」バクバク

リーリエ「お城のお料理より美味しいです!」バクバク

シロン「コーン!」バクバク

アセロラ「うむ!くるしゅうない!くるしゅうないぞぉ!」バクバク

マオ「ちょ、食べすぎです!」

スイレン「せっかく収穫した分が無くなる・・・」

アセロラ「木の実のお土産、いっぱいもらっちゃったねー?」ニコニコ

リーリエ「そうですね?」ニコニコ

ボクトケッコン…

アセロラ「ふぁー?」

リーリエ「・・・なにか聞こえますね?」


マーマネ「トゲデマル!僕と結婚しよう!」キリッ

トゲデマル「マルゥ!」スリスリ


アセロラ、リーリエ「・・・・・・」

アセロラ「すごいね、恋愛の自由化法律・・・」

リーリエ「そ、そうですね・・・」



ウワーン!!!

リーリエ「!」

リーリエ「姫様!なにやら幼女の泣き声が!」

アセロラ「え!?」



ホシ「うわ~ん!お兄ちゃんのばかー!」グスッ

カキ「ご、ごめんよホシー」アセアセ

アセロラ「どうしたの!」タッタッタ

カキ「!」

カキ「姫様!リーリエ!」

リーリエ「ホシちゃん、カキに何かされたんですか!?」ナデナデ

ホシ「お兄ちゃんがホシのお風呂のぞいたー!」ワーン

アセロラ、リーリエ「!?」

アセロラ「カキ・・・・」

リーリエ「・・・最低ですね」ギロッ

カキ「ち、ちが・・あれは事故で・・」オロオロ

ホシ「えーん」グスッ

アセロラ「・・・ごめんねカキ?悪いことした人にはきっちり罰を受けてもらわなきゃいけないの・・・」

リーリエ「死刑です!首をはねてあげます!」

カキ「そんな!?」






アセロラ「木の実のお土産も貰ったし、今日も1日笑顔が絶えない国だったねー!」ニコニコ

リーリエ「そうですね」ニコッ

クチナシ「おっ!その顔だといい気晴らしになったみたいだな?」

アセロラ「うん!」

リーリエ「はい!とても!さぁ、姫様!次はお勉強を・・・・」ズキッ

リーリエ「!」ガクッ

クチナシ「おい!どうした!」ダッ

シロン「コーン!」

アセロラ「リーリエ!」ダッ

リーリエ「・・・頭が・・・」ズキズキ

アセロラ「リーリエ!頭が痛いの!?大丈夫?今日はお勉強やめる!?」

リーリエ「うぅ・・・」ズキズキ

クチナシ「・・・その頭痛・・まさか神託か・・!?」

アセロラ「ふぁ!?」

リーリエ「・・・・恐らく遠くない未来・・・」ズキッ

アセロラ、クチナシ「!?」

リーリエ「・・・・"災い"が・・この国に訪れます・・・」ズキズキ

クチナシ「・・・なんだと・・」

アセロラ「・・・・災い・・・」

シロン「コーン・・・」

一週間後

アセロラ「おきないねー、災い」

リーリエ「起きては困ります!」

シロン「コーン」

アセロラ「・・・さてと、、」ヒョイッ

リーリエ「お勉強ですか!」

アセロラ「災いがおきないように城下にパトロールにいってきまーす!」

コスモッグ1「ぴゅーい!」

コスモッグ2「ぴゅーい!」


ダダダー

リーリエ「ちょっと!」




城下

ワイワイ

アセロラ「?」

リーリエ「何やら騒がしいですね?」


マオ「サトシー!その木の実とってもらっていい?」

サトシ「おう!」ヒョイッ

ピカチュウ「ピカー!」

カキ「サトシ!木の実をとるの終わったらバトルしようぜ!」

サトシ「のぞむところだ!」

マオ「だったらカキも手伝ってよ!」ジトー

カキ「わ、わかったよ」

スイレン「さ、サトシ!」

スイレン「わ、私と釣りでも////」

マオ「本人に言いなさい」

ワイワイ

アセロラ「? 見ない男の子だね?」

リーリエ「あの男の子は・・・」

マーマネ「あっ、姫様、リーリエ」

アセロラ、リーリエ「!」

リーリエ「マーマネ、あの男の子は誰ですか?」

マーマネ「うーんとね、最近遠い国から来た子だよ」

マーマネ「ピカチュウと一緒に旅をしてるんだってさー!ね?トゲデマル♪」

トゲデマル「マルゥ♪」スリスリ

アセロラ「旅・・・・」

リーリエ「・・・・・・」

リーリエ(災いが訪れる・・・・)

アセロラ「あっ!アセロラもあの子とお話・・・」

リーリエ「・・・・・」スッ

アセロラ「・・・リーリエ?」

リーリエ「姫様、あの男の子は私にお任せください」

リーリエ「あなた!」

バンッ

サトシ「?」

ピカチュウ「ピカー」

マオ「リーリエ・・・」

サトシ「リーリエ?」

スイレン「こ、この国の神官様だよ」ヒソヒソ

サトシ「神官様!?」

ピカチュウ「ピカー」

リーリエ「・・・・・聞けば旅の方のようですが・・・・」

サトシ「あ、えっと・・・その・・俺、東の方の国からこいつと一緒に旅してて・・・・」

ピカチュウ「ピカー!」

リーリエ「そうですか・・ですが旅のお方・・・少し常識が無いのではないですか?」

サトシ「え?」

リーリエ「論理的結論からいいますと、あなたも旅人ならば、国に一度入国すれば、まずは国王宮に挨拶にくるのは常識のハズ・・・」

リーリエ「それを・・・国王宮に挨拶が無いどころか、堂々と村人達の中に入るとは・・・」

リーリエ「普通ならば首をはねられても文句は言えないと思いますが?」ギロッ

シロン「コーン」

サトシ「す、すいません・・」

ピカチュウ「ピカー」

スイレン「サトシ・・」

カキ「あ、あのな、リーリエ!サトシは・・・」

リーリエ「・・・・・」

アセロラ「んもー!」

リーリエ、サトシ「!」

アセロラ「相変わらずお堅いなー!リーリエはー!」

リーリエ「姫様・・・」

サトシ「え!?姫様?この子が!?」

ピカチュウ「ピカ!?」

アセロラ「そうだけど?」

サトシ(お、俺と歳変わんないんじゃ・・)

ピカチュウ「ピー・・・」

アセロラ「あっ!今、こんなちっちゃい子がお姫様ー?とか思ったでしょ!」

サトシ「い、いや・・」ハハッ

アセロラ「もうー!アセロラちゃんアングリーだよ!」プンプン

サトシ「ご、ごめんなさい・・・」

リーリエ「姫様、この子は何処のギャロップの骨ともわからぬ無作法な方です、罰を与えねば示しが・・・」

アセロラ「ばつ~?」

サトシ「ば、罰!?」

マオ「罰って!」

スイレン「や、やめて!」

アセロラ「うーん、そうだな~・・じなあ・・・」

サトシ「うぅ・・」

アセロラ「あなた、旅人なんでしょ?」

サトシ「・・・え?」

アセロラ「だったらさ!旅のお話、アセロラに聞かせてよ!」

サトシ「・・・え?」

アセロラ「それがあなたへの罰!いいでしょ!」

サトシ「・・姫様・・」

ピカチュウ「ピッカー・・・」

アセロラ「・・・ね?」ニコッ

サトシ「・・・・ああ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

アセロラ「えへへ!じゃあきっまりー♪早速王宮へレッツゴー♪」グイッ

サトシ「お、おい!」

ピカチュウ「ピッカー!」


タッタッタ

スイレン「・・サトシが姫様にとられた」グスッ

マオ(いや、元からあんたのものじゃないじゃん・・)

リーリエ「・・・・・・・」

シロン「コー・・」



サトシ「ここがお城かー」キョロキョロ

ピカチュウ「ピッカー」キョロキョロ

リーリエ「・・・あまりキョロキョロしないでください」

サトシ「ご、ごめん」

アセロラ「リーリエー!」プクー

リーリエ「・・・・・」

アセロラ「どう?アセロラ王国の王宮は!」ニコッ

サトシ「いやー、すげーよ姫様!」キラキラ

アセロラ「ふふっ、アセロラでいいよ!」

リーリエ「姫様!」

サトシ「そーいやアセロラ王国って名前・・」

アセロラ「みんなが笑顔になれますよーにってアセロラがつけたんだよ?」

アセロラ「可愛いでしょ?」ニコッ

サトシ「え?うん・・・」

クチナシ「おっ?お友達かい?」

アセロラ「おじさーん!」キャッキャッ

サトシ「おじさん?」

リーリエ「・・・この国の大臣のクチナシ様です」

リーリエ「御無礼が無いよう」

サトシ「えっと!俺、東の国から来たサトシっていいます!」ペコッ

クチナシ「元気のいい兄ちゃんだなー?」

アセロラ「でしょ?」ニコニコ

サトシ「え!?この国の国王様とお妃様が亡くなってあの子が一人で!?」

クチナシ「ああ、だからよ?あの子の話し相手になってやってくれないかな?」

サトシ「・・・・」

サトシ「俺でよければ喜んで!」

クチナシ「ふふっ」

アセロラ「もうー!なにしてるのー?」

サトシ「あっ!ごめん!」

ピカチュウ「ピッカー」

リーリエ「・・・・・」


アセロラ「ね!ね!サトシ!早く旅のお話聞かせてよ!」キラキラ

サトシ「んー、そうだなー・・・」

ピカチュウ「ピー」

サトシ「どこから話したらいいかな?黒と白の国の内戦の話しかな?それとも雪国のー・・・・」

アセロラ「おおー!」ワクワク

サトシ「やっぱ最初はこいつとの出会いの話しかな?」ナデナデ

ピカチュウ「ピッカー!」

アセロラ「早く早くー!」ワクワク


ワイワイ

クチナシ「ふふふ、なかなか楽しそうじゃないの?」ニッ

リーリエ「・・・・そうですかね?」

クチナシ「ん?」

リーリエ「先週の神託・・・私は災いはあの方ではないかと睨んでおります」

クチナシ「・・・おいおい・・」


サトシ「それでさー!」

アセロラ「えー?」クスクス


リーリエ「何れにしても、あの旅人は姫様に悪影響です」

リーリエ「即刻この国から追い出すべきです!」

シロン「コーン!」

クチナシ「・・・・・・」

サトシ「でさ?」

ピカチュウ「ピカー!」

アセロラ「うんうん!」

サトシ「! あちゃっ、もうこんな時間かぁ・・・」

アセロラ「えー・・・」

サトシ「ははは、続きはまた今度な?」

アセロラ「うーん・・・」

コスモッグ1「ぴゅーい」ヒョコッ

コスモッグ2「ぴゅーい」ヒョコッ

サトシ「!」

サトシ「なぁ、アセロラ?ずっと気になってたんだけどさ?」

アセロラ「ふぁ?」

サトシ「そのポケモンってなんなんだ?色んな国を旅してきたけど初めて見たよ!」

アセロラ「ふぁー、この子達はね?」

リーリエ「姫様!」

アセロラ「!」

サトシ「?」

アセロラ「あ、ご、ごめんね?ちよっと秘密なの・・・」

サトシ「え?あ、ああ・・・?」

リーリエ「・・・・・」

アセロラ「ね!それよりサトシは何処に泊まってるの?」

サトシ「ん?今は町の宿屋だよ」

アセロラ「だったらさ!王宮に・・・」

リーリエ「なりません!」

サトシ「!」

アセロラ「リーリエ・・・」

リーリエ「姫様!私はただでさえ、このような輩を姫様には近づけたくないのです!」

サトシ「このような輩って・・」

ピカチュウ「ピー・・・」

アセロラ「リーリエ!アセロラの友達にそんな言い方・・・」

リーリエ「・・・姫様、私はいくら姫様に憎まれようとも、命をかけて貴女を護ると誓いました!」

リーリエ「・・・何かあってからでは遅いのです!」

アセロラ「・・・・」

リーリエ「・・・今日のところはどうぞお引き取りください」ペコリ

サトシ「・・・ははっ、今日は帰るよ」

サトシ「帰ろうぜ?ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピッ」

アセロラ「サトシ・・・・」

サトシ「・・・また今度な?」ニッ

ピカチュウ「ピッ!」グッ

アセロラ「うん!」ニコッ

リーリエ「・・・・・・」

シロン「コーン・・・」

数日後

リーリエ「姫様ー!お勉強の時間ですよー?」

シロン「コーン!」

リーリエ「・・姫様、お勉強が嫌だからってまた逃げ出して・・何処に行ったんだろうね?シロン!」

シロン「コーン?」

クチナシ「おーう!」フリフリ

リーリエ「クチナシさん!」

クチナシ「どうしたんだい?」

リーリエ「お勉強の時間なので姫様を呼びに・・・」

クチナシ「姫様なら・・・」




アセロラの部屋

サトシ「そこでさ!俺とゲッコウガの重なり合う絆がシンクロして!」

ピカチュウ「ピカー!」

アセロラ「サトシすごーい!」キラキラ

サトシ「・・・いやぁ、なんかアセロラに話ししてたら懐かしくなって来ちゃったなー・・・」

アセロラ「・・・サトシはすごいね?」

サトシ「え?」

アセロラ「色んな国を冒険して・・色んなバトルや不思議な経験をしてきて・・」

サトシ「・・・そんな事ないぜ?」

サトシ「俺からしたら、俺と同じくらいの歳なのに一国を治めてるアセロラの方がすごいよ・・」

アセロラ「・・・・・」

ピカチュウ「ピッカー」

アセロラ「ねえサトシ・・・」

サトシ「ん?」

アセロラ「アセロラね?サトシのお話を聞いてたら、もっと色んな国を見たい、もっと色んな出会いや冒険をしてみたいって思ったの」

サトシ「え?」

アセロラ「ねえサトシ、ここを出たらまた次の国に行っちゃうんでしょ?」

サトシ「・・え?まぁ・・・」

アセロラ「・・・ねぇサトシ・・アセロラも一緒に・・・・」



ガチャッ

サトシ、アセロラ「!」

リーリエ「・・・・・」ワナワナ

シロン「コーン」

アセロラ「リーリエ・・・」

リーリエ「・・・・私が見ていぬ間に姫様を拐かし、誘惑し・・・」ワナワナ

サトシ「え?」

リーリエ「・・・やはりあなたは神託の通り"災い"だったようですね?」ギロッ

サトシ「!?」

ピカチュウ「ピ!?」

アセロラ「ちょ、ちょっとリーリエ!何言ってるの!?サトシに謝ってよ!」

リーリエ「・・・・今すぐ出ていってください」

サトシ「・・・え?」

アセロラ「リーリエ!」

リーリエ「・・・次、姫様に近づいたらあなたの首をはねますから」

リーリエ「これは最後の情けです」

サトシ「・・・・」

ピカチュウ「ピー・・・」

アセロラ「な、何言ってるのリーリエ!」グスッ

リーリエ(ごめんなさい姫様、これも姫様の為なのです・・・)

サトシ「・・・・行こうぜ?ピカチュウ」クルッ

ピカチュウ「ピッ」クルッ

アセロラ「サトシ・・」グスッ

翌日

リーリエ「姫様ー!お勉強の時間・・」ガチャッ

ガラーン

リーリエ「・・・・・」

シロン「コーン」



宿屋

サトシ「えーと、荷物はこれとそれと・・」イソイソ

ピカチュウ「ピカー!」

コンコン

サトシ「ん?」

アセロラ「・・・・」ニコッ



サトシ「お、おいアセロラー、見つかったら俺打ち首だぞー?」

ピカチュウ「ピ!」

アセロラ「だいじょーぶ!アセロラがそんな事させないもん!」

サトシ「ははは・・・」

サトシ「・・・で、どこに行くんだ?」

ピカチュウ「ピッカー?」

アセロラ「うふふ」ニコニコ

アセロラ「イイとこだよ♪」ニコッ

サトシ、ピカチュウ「?」

アセロラ「ついたー!」

サトシ「ここは・・・」

サトシ「祭壇?」

ピカチュウ「ピッカー?」

コスモッグ1「ぴゅーい!」

コスモッグ2「ぴゅーい!」

サトシ「わわっ!」

アセロラ「ふふっ」

アセロラ「えーと・・・」ゴソゴソ

サトシ「なにしてるんだ?」

アセロラ「! あった!」ヒョイッ

サトシ「? 二つの石?」

アセロラ「これはね?笛だよ」

サトシ「笛?」

アセロラ「うん、本当は内緒のお話なんだけどね?」

アセロラ「この笛は・・伝説のポケモンを目覚めさせる事ができる笛なんだってさ!」

サトシ「伝説のポケモンを!?」

ピカチュウ「ピー!?」

アセロラ「・・・アセロラのお父さんとお母さんが言ってたの・・この笛とコスモッグは、昔アセロラの御先祖様が女神様から託された物だって」ナデナデ

コスモッグ「ぴゅーい」

サトシ「女神様・・・?」

アセロラ「うん、他の国にバレたら大変だから王宮の人間以外には秘密なんだけどね?」

サトシ「そ、それ!俺に言っちゃっていいのかよ!?」

アセロラ「はっ!」

アセロラ「あ、あのね!い、今聞いた事は秘密に!」アセアセ

サトシ「あ、ああ・・・」ハハッ

ピカチュウ「ピィ」

アセロラ「それに・・なんでかなー?」

サトシ「?」

アセロラ「サトシになら、言ってもいいかもって思ったの・・・」

サトシ「?」

ピカチュウ「ピ?」

王宮

アセロラ「・・・・」ソーッ

リーリエ「姫様」

アセロラ「!?」ビクッ

リーリエ「・・・・いったいどちらへ行かれていたのですか?」

アセロラ「・・・ちょ、ちょっとパトロールに・・」エヘヘ

リーリエ「・・・・・」

アセロラ「・・・・・」タラー

リーリエ「そうですか」ニコッ

アセロラ「えへへ」ホッ

アセロラ「さ!お勉強しようよリーリエ!」

リーリエ「すみません姫様、私少し用事が」スッ

アセロラ「ふぁ?」

リーリエ「今日のお勉強はお休みにしましょう?」ニコッ

アセロラ「?」



宿屋

サトシ「よし!出発は明後日にしようぜピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ!」

サトシ「明日は・・・スイレン達に挨拶して、アセロラにも・・・」

コンコン

サトシ「!」

ピカチュウ「ピ?」

サトシ「こんな時間に・・・カキかな?」

コンコン

サトシ「はーい、今開ける・・・」

ガチャッ

サトシ「!」

ピカチュウ「ピ!?」



リーリエ「夜分遅くすみません」ニコニコ

シロン「コーン・・・・」

サトシ「・・・・リーリエ?」

ピカチュウ「ピ?」

リーリエ「・・・・・」ニコニコ

シロン「・・・・・」

数ヶ月後

リーリエ「姫様ー!お勉強のお時間ですよー?」

シロン「コーン」

アセロラ「ふぁーい」グデー

リーリエ「・・・まったく!」

クチナシ「あの兄ちゃんがいなくなってからずっとこの調子だな」

アセロラ「だってー!」ブー

アセロラ「サトシったらひどいよー!アセロラに一言も無しに旅立っちゃうなんてー!」

リーリエ「・・・・」

クチナシ「まあ、あの兄ちゃんにも色々あったんでしょーよ」

アセロラ「アセロラだけじゃなくて、カキやマオやマーマネもなんで一言いってくれなかったんだって言ってるよー?」

アセロラ「スイレンなんか脱け殻状態だしー!」

クチナシ「んな事言ったってよぉ・・」

アセロラ「リーリエはサトシが旅立つのを知ってたんでしょ?」

アセロラ「サトシ、次どこ行くとか言ってなかった?」

リーリエ「・・・・・いえ、何も?」

シロン「コーン」

アセロラ「ちぇー」ブー

リーリエ「さ、そんな事より姫様!お勉強を始めますよ!」

リーリエ「もう王族会議は近いんです!そんな事では他国の王様達に会わす顔がありませんよ?」

シロン「コーン」

アセロラ「・・・やる気でなーい」ブー

リーリエ「姫様!」

シロン「コーン!」

クチナシ「やれやれ」ハァ

時はたち・・・

ザワザワ

アセロラ「ふぁー・・ここが・・・」オクチアングリ

リーリエ「姫様、他国の王様方がいらっしゃってるんです!くれぐれも御無礼がないよう!」

アセロラ「わかってるよ!アセロラ、そんなに子供じゃないもん!」プクー

リーリエ(可愛い////)キュン



王族会議

「えー、遠路はるばる雪の国にお集まり感謝致します」

シロナ「此度の議長は私、雪の国の女王、シロナが務めさせていただきます」

シロナ【雪の国の女王】

ヤナギ「して、今日の議題は?」

ヤナギ【時渡りの国の国王】

シロナ「・・・今日の議題はずばり、各国の所持する伝説のポケモン」

センリ「・・・伝説のポケモンか・・」

センリ【星の国の国王】

オーキド「伝説のポケモンか・・確かに我が国も所持しているが・・・」

オーキド「伝説のポケモンは所謂国同士の戦争への抑止力・・・これを他国にさらけ出す意味はあるのかね?」

オーキド【始まりの国の国王】

シロナ「・・・さらけ出す訳ではありません・・・」

シロナ「ただ、各国の戦力と、いざという時の為の対応について話し合いたいだけです」

シロナ「我らは各国、戦争はしないと誓いあった同盟国・・・」

シロナ「そして、いざ戦争が起きた場合にはすぐ様他国を助けにいけるように戦力を・・・」

アイリス「なーにが同盟国よ・・・」

シロナ「!」

アイリス「あたしの国が内戦の最中、何処の国も助けに来てくれなかった癖に!」

アイリス【白と黒の国の女王】

シロナ「・・・それは・・・」

ギャー ギャー

アセロラ(早く終わんないかなー)

アセロラ【アセロラ国女王(元、太陽と月の国)】

アイリス「ちょっと!あんた聞いてんの!?」

アセロラ「ふぁ!?」ビクッ

アイリス「あーあ、これだから新参国王は・・・・」

アイリス「てゆーか、あんたガキじゃん!そんなんで王様なんかやれてんの?子供ねー」クスクス

アセロラ「じ、自分だって子供でしょ!」

アイリス「はぁ?」カチン

シロナ「やめなさい!アイリス女王!アセロラ女王!」

センリ「国王同士のイザコザは戦争に繋がるぞ!」

ヤナギ「これだから若いもんは・・・」

アイリス「・・・聞けばあんたの国伝説のポケモンを持ってないみたいじゃない!」

アセロラ「!」

アイリス「あんた、それがどういう意味かわかってんの?」

アイリス「他国から攻められたら、あんたの国なんか一発ペシャンコよ?」

アセロラ「・・・アセロラ、戦争なんかしないもん!」プクー

シロナ(守ってあげたい////)キュン

アイリス「だからそういう意味じゃなくてー!」

「皆さん、やめましょう!」

全員「!」

フラダリ「我らが今ここに集まっているのは、戦争を起こす為ではない・・いかに回避するかを話し合うためだ」

フラダリ【火の国の国王】

フラダリ「・・・・そう、アセロラ国が伝説のポケモンを所持していないならば、それを我らがいかにサポートするか・・・・」

フラダリ「これはそういう話し合いの場だ、違いますか?」

シロナ「え!?そ、そうね?」アセアセ

アセロラ「・・・フラダリのおじさん・・」

アイリス「・・・・ちっ」ストッ

ザワザワ

フラダリ「さぁ、話し合いを続けましょう」ニコッ

とりあえず今日はここまでにします

雪の国

アセロラ「たっだいまー!」タッタッタ

リーリエ「お疲れ様です、姫様。会議はどうでしたか?」

アセロラ「ばっちりだったよ!」ブイ

リーリエ「本当ですか?他国の王様達にご無礼を働いたり会議の途中で居眠りしたりしていませんよね?コスモッグの事をうっかり話したりなど・・・」クドクド

アセロラ「も、もう!してないよ!」プンプン

リーリエ「そ、それならば安心です」ホッ

リーリエ「では早速・・・」

アセロラ「そうだね!折角雪の国に来たんだし雪だるまつくろー!」オー

リーリエ「違います。会議の内容を教えてください」

アセロラ「えー?」ブーブー

リーリエ(可愛い////)キュン

リーリエ「で、ではなく、姫様!論理的結論からいいますと、これは重要な事です!」

アセロラ「んもー!わかったよー!」

アセロラ「今回の会議はね?伝説のポケモンの話しだったよ!」

リーリエ「伝説のポケモン!?」

リーリエ「コスモッ・・・」

アセロラ「だから話してないよ!」

リーリエ「す、すいません・・・」

アセロラ「なんかね?伝説のポケモンは戦争の抑止力だからって話になって・・・それで同盟国はアセロラの国だけ伝説のポケモンがいないからって・・・」

リーリエ「な!?ま、まさかそれで足元を見られ無茶な交渉の材料に・・」

アセロラ「もう!アセロラだって王様だよ?そんなにアンポンタンじゃないよ!」

リーリエ「・・・そ、それでいったいどうなったのですか?」

アセロラ「なんかねー」

アセロラ「伝説のポケモンを貸してくれる事になった」

リーリエ「!?」

リーリエ「で、伝説のポケモンを・・・貸す・・?」

リーリエ「そ、そんな・・・伝説のポケモンは他国にとっても兵器のような物ですよ!?それを貸すなんて・・・」

リーリエ「や、やはり無茶な条件で・・」

アセロラ「うぅん、タダで貸してくれるんだってさー」

リーリエ「・・・タダ?」

リーリエ「姫様!そんな話がある訳ありません!」バッ

アセロラ「ふぁ!?」ビクッ

リーリエ「先程も言ったように伝説のポケモンは戦争の抑止力であり兵器のような物です!それをタダで他国に貸し出すなどありえません!必ず何か裏があるハズです!」

リーリエ「貸し出して頂く国は!?場所は!?」

リーリエ「万が一我が国で受け渡しとなった場合は、同盟国の条約で決められている他国に伝説のポケモン持ち込み禁止も・・・」

アセロラ「お、落ち着いてよリーリエ!」

リーリエ「これが落ち着いて・・・」

アセロラ「大丈夫だからっ!」

リーリエ「・・・・大丈夫?」

スッ

リーリエ「!」

フラダリ「久しぶりだねリーリエちゃん」ニコッ

リーリエ「ふ、フラダリ国王様!?」

リーリエ「ご、ご無沙汰しております!」ペコリ

フラダリ「ははは、昔みたくフラダリのおじさんでいいさ?」

リーリエ「そ、そのような御無礼は・・」

アセロラ「フラダリのおじさーん!」フリフリ

フラダリ「ふふふ」ニコッ

リーリエ「・・・ま、まさか伝説のポケモンを貸し出して頂く国というのは・・」

フラダリ「ああ」

フラダリ「我が火の国だよ」ニコッ

リーリエ「・・・ですが・・」

フラダリ「タダで伝説のポケモンを貸し出すなんて何か裏があるんじゃ?かな?」

リーリエ「・・・・その・・」

フラダリ「いや、いいんだ、立派になったなリーリエちゃん」ニコッ

リーリエ「・・・・・」

アセロラ「フラダリのおじさんね!優しいんだよ?会議でアセロラを庇ってくれたり、伝説のポケモンを貸してくれたりー」

フラダリ「リーリエちゃんも知っての通り、私は太陽と月の国の前国王、アセロラ女王の父君とは親友だった」

フラダリ「リーリエちゃんやアセロラ女王の事も我が娘のように思っている」

アセロラ「フラダリのおじさん!今はアセロラ王国だよ!」

フラダリ「すまないすまない」ハハハ

リーリエ(確かにフラダリ国王とは前国王からのお付き合い・・・国同士助け合いの仲でした・・・)

リーリエ(私や姫様もお世話になって・・・それにフラダリ国王は他国にも名の通る仁君、信頼という点においては疑う余地はありません・・・しかし・・)

フラダリ「・・・・やはり信用しきれないかな?」

アセロラ「リーリエ!大丈夫だよ!」

リーリエ「・・・・・」

フラダリ「ならばこうしよう!」

リーリエ「え?」

フラダリ「伝説のポケモンの受け渡し場所は君たち、アセロラ王国に一任しよう!」

リーリエ「な!?」

フラダリ「それに・・・そうだな、タダというのが信用できないならば・・・」

フラダリ「毎月、レンタル料金として、アセロラ王国自慢の木の実を少し頂こうかな?」ニコッ

アセロラ「おじさん・・・」

リーリエ「そ、それならば・・」

フラダリ「ふふっ、会議で決まった事とはいえ、国と国との問題だ。返事は急がない、国に帰り、ゆっくりみんなで話し合ってくれ」

リーリエ「フラダリ様・・・・」

アセロラ「おじさん、ありがとう・・」ウルウル

フラダリ「なぁに、昔よく助けられた親友の娘の国だ」

フラダリ「私も少しでも力になりたい!」グッ

フラダリ「ただ、それだけさ」ニコッ

一週間後

アセロラ王国

リーリエ「姫様!今日は伝説のポケモンの貸し出しの日ですね!」

アセロラ「うん!」

クチナシ(確かにフラダリ国王の事はよく知っているし、この国に何度も訪れた事もある・・・・)

クチナシ(だが、この国で受け渡しってなァ・・・・)チラッ

アセロラ「あっ!おじさん来たよ!」

クチナシ(・・・姫さんを火の国に送り込むよかはマシか・・・?)


ワー ワー

フラダリ「ふふふ」ニコッ

アラン「・・・・」

キャー キャー

マオ「見て!あれ、火の国のアラン王子だよ!」

ホシ「イケメン・・・」ウットリ

スイレン「そっかな?」

カキ「ホシ!?」ガーン

マーマネ「君たちお気楽でいいね」

イベルタル「ゴオオ」

ゼルネアス「・・・・・・」

マーマネ「あ、あれが火の国の伝説のポケモン・・・」ゴクリ

ホシ「おっかない・・・」


フラダリ「・・・・・」スッ

アセロラ「遠路はるばる、ようこそお越し下さいました、フラダリ国王様」スッ

リーリエ(姫様、ご立派です!)ウルッ

フラダリ「ああ、盛大なお出迎え感謝するよ?アセロラ王女?」

アセロラ「えへへ」ニコッ

アラン「・・・・・」

イベルタル「オオオ」

ゼルネアス「・・・・・」

クチナシ「あれが火の国の伝説のポケモンか」

フラダリ「イベルタルとゼルネアスだ」

アセロラ「ふぁー!カッコいー!」キラキラ

リーリエ「ええ、とても強そうで・・」ズキッ

リーリエ「!?」ドクン

リーリエ「うぅ・・・・」ドサッ

アセロラ「リーリエ!?」

シロン「コーン!」ダッ

クチナシ「おい!どうしたんだ!」

フラダリ「・・・・・」

ザワザワ

マオ「ね、ねえ・・リーリエがなんか倒れてるみたいだけど・・・・」

スイレン「どうしたんだろ?」


リーリエ「うぅ・・・・」ズキズキ

アセロラ「だ、大丈夫リーリエ!?」

リーリエ「・・・・神託・・・」ズキッ

アセロラ「・・・え?」

リーリエ「災いが訪れる・・」ズキッ

アセロラ「リーリエ・・・?」

クチナシ「・・・まさか・・」

フラダリ「・・・・・」

リーリエ「・・・ごめんなさい姫様・・私が愚かでした・・・」グスッ

アセロラ「ど、どういう事・・・?」

リーリエ「・・・逃げて・・・姫様・・!」グスッ

アセロラ「・・・・・?」

フラダリ「・・・・フフフ」

アセロラ「おじさん?」

フラダリ「・・・さあ"交渉"を始めましょうか?アセロラ王国」

アセロラ「・・・・え?」



ザワザワ

サトシ「うまいか?ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカー!」モグモグ

サトシ「・・・この辺、アセロラの国の近くだったけ・・」

サトシ「・・・リーリエに国を追い出されてから、早数ヶ月か・・・早いもんだなー」

ピカチュウ「ピー」

デサー

サトシ、ピカチュウ「!」


カレン「そういえばさー、もうすぐアラン王子とアセロラ姫の結婚式だよねー?」

キリカ「お姫様羨ましいなー!あんなイケメン王子と結婚できるなんてー」

ワイワイ

サトシ「・・・そっか、アセロラ結婚すんのか・・・お姫様だもんな」

ピカチュウ「ピー」

サトシ「よし!」

ピカチュウ「!」

サトシ「丁度近くに来た事だしさ!アセロラに結婚祝いのプレゼントでも渡しにいこうぜ!」

ピカチュウ「ピー?」

サトシ「・・・リーリエに見つからないようにコッソリとな?」ヒソッ

ピカチュウ「ピカー!」

アセロラ王国

兵隊「怪しいやつめ!ここは通さんぞ!」

サトシ「だからさー!ほらっ!これ!王国の通行許可書!」

ピカチュウ「ピッカー!」

兵隊「駄目だ!」

サトシ「なんでだよー!前来た時には使えたぜ?」

兵隊「・・・・・・」

サトシ(だいたい、何でアセロラの国の門番が火の国の兵隊なんだ?)

兵隊「・・・・貴様、早く消えんと引っ捕らえて・・・・」スッ

サトシ「げっ・・・」

ピカチュウ「ピィ!?」

「その方達を中に入れてあげてください」

兵隊「!」

サトシ「・・・げっ!?」

ピカチュウ「ピ!?」

リーリエ「・・・・・・」

シロン「コーン!」

サトシ「リーリエ!?」



サトシ「あ、あの・・・・中に入れてくれてありがとう・・」

ピカチュウ「ピー」

リーリエ「・・・・・」

サトシ「・・・・・」チラッ

兵隊「」

ゾロゾロ

サトシ「・・・あのさ、リーリエ。さっき門のところでも気になったんだけど、何で火の国の兵隊が・・・」

リーリエ「サトシ」ヒソッ

サトシ「ん?」

リーリエ「・・・話はあの中で」

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピ?」

リーリエ「・・・・」ガチャッ

サトシ「小屋?」

「サトシ!?」

サトシ「え?」

スイレン「サトシー!」バッ

サトシ「スイレン!?」

スイレン「さ、サトシ・・会いたかっ・・・」グスッ

サトシ「えーと・・・」

ピカチュウ「ピー」

マオ「サトシ!」

カキ「サトシじゃないか!」

マーマネ「久しぶり!」

サトシ「ははっ!みんな!」

リーリエ「・・・・」

サトシ「あのさ、何でみんなこんな狭い小屋に・・・」

ピカチュウ「ピー」

リーリエ「・・・サトシ」

サトシ「え?」

リーリエ「まずは、謝らせてください」スッ

サトシ「リーリエ・・・?」

リーリエ「私が愚かでした・・」

リーリエ「本当に申し訳ありません」グスッ

サトシ「え?ちょっと!」アセアセ

ピカチュウ「ピ!?」アセアセ

・・・・・・

・・・

・・

サトシ「アセロラ王国と火の国が合併!?」

ピカチュウ「ピ!?」

マオ「合併なんて名ばかりだよ、実際は植民地みたいなもん・・」

カキ「俺達は火の国が豊かになるために働かされてる奴隷みたいなもんさ」

マーマネ「そこら中で火の国の兵隊が見張ってるしね」

スイレン「さぼったりしたらお仕置きされちゃうの」

サトシ「なんでそんな事に・・・」

リーリエ「あの日・・・伝説のポケモンを受け渡しの日・・」

リーリエ「私達は・・・フラダリの事を信頼しきっていた故、同盟の名の元にまんまと火の国の兵と伝説のポケモンを国に入れてしまいました」

サトシ「・・・・・」

リーリエ「他国に名の通る仁君・・思えばこれこそがフラダリの最大の策だっあのかもしれません」

リーリエ「そして、フラダリは伝説のポケモンを脅しの道具に使い、こう交渉を持ちかけてきました」

リーリエ「"我が息子アランとアセロラ国の王女アセロラの婚姻を望む"」

リーリエ「"逆らえばこの国を・・・"」

リーリエ「潰す」

サトシ「!」

サトシ「・・・それって・・」

リーリエ「・・所謂政略結婚です」

サトシ「・・・・」

リーリエ「火の国とアセロラ王国の王同士・・ましてや後継者も親族もいない姫様の結婚となれば実質支配ではなく」

リーリエ「事実上合併に近い形のもの、同盟国も手を出せません」

ピカチュウ「ピー・・・」

マオ「合併どころか向こうに有利な条件ばっか飲まされてさ」

カキ「・・だが、戦力も負けている上に向こうには伝説のポケモンもいる」

マーマネ「戦争すれば一瞬で負けちゃうね」

スイレン「・・・もういやだ・・」グスッ

サトシ「・・・・」

サトシ「・・・アセロラは何て言ってたの?」

リーリエ「姫様は条件を飲んで結婚すると仰いましたよ」

リーリエ「笑顔で」

サトシ「それって・・本当にアセロラは喜んでたのかよ・・?」

リーリエ「・・・・そんな訳ないじゃないですか」ボソッ

サトシ「・・・え?」

リーリエ「そんな訳ないじゃないですか!」

リーリエ「姫様は・・私達の為に・・」グスッ

サトシ「リーリエ・・・」

リーリエ「サトシ・・あなたの旅のお話・・・実はこっそり聞いていました・・」

サトシ「!」

リーリエ「サトシ、あなたはたくさんの困難を乗りこえて旅してきたトレーナーなんでしょ!」

リーリエ「あの日以来・・・一度も笑わないんですよ姫様・・」グスッ

リーリエ「・・・恥をしのんでお願いいたします・・・」スッ

リーリエ「どうかこの国を・・」

リーリエ「姫様を助けて・・・!」

サトシ「リーリエ・・・」

ピカチュウ「ピ・・」

カキ「サトシがいくら強いトレーナーと言っても・・・」

マーマネ「相手は国・・・それに伝説のポケモンもいるんだよ!?」

スイレン「負けたら・・・ころされちゃう!」

マオ「それどころか・・・ヘタしたら戦争に・・・」

リーリエ「・・・・」グスッ

サトシ「そうだな・・みんなの言うとおりだ・・」

リーリエ「・・・・・」

サトシ「相手は国だ・・俺一人でいったらあっという間に負けちゃうかもな」

リーリエ「・・・そうですよね・・すみま・・・」

サトシ「でも」

リーリエ「?」

サトシ「やってみなきゃわかんないさ!」

ピカチュウ「ピー!」

リーリエ「サトシ・・・」

サトシ「・・・リーリエ、頼みがあるんだけど」

リーリエ「?」

火の国 王宮

アセロラ「・・・・・」

クチナシ「明日はとうとう結婚式かぁ・・」

クチナシ「・・・本当に良かったのか?」

アセロラ「・・・・・」スッ

アセロラ「お月様・・綺麗だなぁ・・」


火の国

マオ「こ、今週分の木の実の配達に参りましたー」

アママイコ「アマー」

兵隊「ご苦労、そこに置いておけ」

マオ「はーい」

ゾロゾロ

兵隊「!」

兵隊「今日は大勢できたんだな?」

マオ「えと!」ギクッ

マーマネ「りょ、量が多いので手伝いです!」

サトシ「同じく」

スイレン「同じく」

カキ「同じく」

兵隊「そうか」クルッ

サトシ「よし、みんな」ヒソッ

サトシ「いくぞ!」

全員「おー!」

兵隊「!?」



ドカーン

王宮

フラダリ「何の音だ?」

アラン「・・・・・」

兵隊「大変です国王様!侵入者です!」

フラダリ「侵入者?」

兵隊「子供が五人・・」

フラダリ「子供・・・?明日は結婚式だ、早急に排除し・・」

兵隊「そ、それが・・・」

フラダリ「?」

兵隊「メチャクチャ強いです!」

フラダリ「!」

アラン「・・・・・」



サトシ「ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカー!」

バリバリバリ

兵隊達「ギャアアアー」

ドサッ

サトシ「だいぶ片付いたな!」

カキ「やればできるもんだな!」

マオ「よーし!このまま姫様のところに一直線だー!」

スイレン、マーマネ「おー!」

「そうはさせない」

ザッ

全員「!」

アラン「この先は行かせんぞ侵入者共」

マオ「あわわ・・あの人は・・・」

カキ「アラン・・」ゴクリ

サトシ「アラン?」

ピカチュウ「ピ?」

マーマネ「この国の王子様で姫様の結婚相手の・・・」

スイレン「火の国最強のトレーナーって言われてるの!」

サトシ「火の国最強のトレーナー・・」ウズッ

ピカチュウ「ピー!」

アラン「リザードン」

リザードン「ヴォー!」

サトシ「へへへ」ニッ

アラン「!」

スイレン「サトシ?」

サトシ「最強のトレーナーかぁ!すげー!燃えてきた!」

アラン「なに?」

マオ「この状況で・・・」ハァ

カキ「まったく・・」

サトシ「俺が相手だアラン!」

サトシ「いくぜピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカー!」

アラン「・・・・リザードン」

リザードン「ヴォウ!」

アセロラ「?」

クチナシ「どうした?」

アセロラ「うぅん・・・」

アセロラ(さっきから下で音が聞こえる・・)

アセロラ「・・・・・・」

アセロラ「そんな訳ないよね・・」ボソッ




リザードン「グォ・・・」

ドサッ

アラン「リザードン!」ダッ

サトシ「・・やった・・・」

ピカチュウ「ピ・・」ヨロッ

マーマネ「すごい・・・」

マオ「王国最強のトレーナーを倒した・・」

スイレン「サトシー!」ヒャッホー

カキ「興奮しすぎだスイレン」

アラン「・・・くそっ!」ダンッ

サトシ「へへっ、いいバトルだったな!アラン!」

アラン「・・・・・」

パチパチパチ

全員「!」

フラダリ「いやぁ、まさか我が息子を倒すとは・・・これは見事」パチパチ

アラン「父上・・」

マオ「父上って・・」

マーマネ「まさか・・・」

スイレン「あの人が・・・」

カキ「国王」ゴクリ

サトシ「あいつが・・・」グッ

フラダリ「・・・・・」ニコニコ

サトシ「おい!アセロラは何処だ!」

ピカチュウ「ピカー!」バリバリバリ

フラダリ「ふふふ、そう焦らないでくれたまえ」

サトシ「!」

イベルタル「オオオ」

ゼルネアス「・・・・・」

マオ「あ、あれって・・・」ガクガク

スイレン「伝説のポケモン・・・」

サトシ「あれが・・・・」

フラダリ「・・・すぐにアセロラに会わせてやる、イベルタル!ゼルネアス!」

イベルタル「オオオー!」バサッ

ゼルネアス「・・・・・」ダッ

カキ「来るぞ!」

サトシ「っ・・・・!」

ピカチュウ「ピカー!」バリバリバリ

コンコン

アセロラ、クチナシ「!」

ガチャッ

フラダリ「やあ」ニコッ

アセロラ「おじさん?どうしたの?」

フラダリ「いやぁ、どうやらアセロラの結婚祝いに友人の方々が来てくれたみたいでね?」

フラダリ「歓迎しておいてあげたよ」ニコッ

アセロラ「友人?」

コスモッグ1「ぴゅい?」

コスモッグ2「ぴゅい?」

兵隊「入れ」ドッ

ドサッ

クチナシ「! お、おい!」

アセロラ「な、なんで・・・・」

スイレン「・・・ぅ・・・」ボロッ

マオ「ぁ・・・」ボロッ

カキ「くっ・・・・」ボロッ

マーマネ「」ボロッ

アセロラ「スイレン・・・マオ、カキ、マーマネ・・・」

サトシ「」ボロッ

アセロラ「サトシ・・・」グスッ

サトシ「アセロラ・・・」

アセロラ「・・・」キッ

アセロラ「おじさん!みんなに酷い事しないで!」グスッ

フラダリ「酷い事?心外だな」

フラダリ「彼らは我が敷地に入り込んだ侵入者だ、侵入者を処罰するのは当然の事」

フラダリ「・・・明日の結婚式の後、彼は全員処刑する」ニコッ

サトシ「うぅ・・・」

クチナシ「お前!フラダリ!」

アセロラ「あ・・・ぁ・・・」

アセロラ「うわぁぁぁ!」ダッ

フラダリ「!」

クチナシ「おい!姫!」

バキッ

アセロラ「うぁ・・」ドサッ

サトシ「アセロラ!」

フラダリ「まったくどいつもこいつも」ハァ

フラダリ「馬鹿は黙って馬鹿らしく勝手に利用されてろよ」

フラダリ「はっはっは」

アセロラ「うぅ・・・」グスッ

サトシ「お前・・・」

フラダリ「ハッハッハッハー!」

アセロラ「うわぁぁぁ」グスッ

「諦めるのはまだ早いですよ姫様」

フラダリ「!」

アセロラ「ふぁ?」グスッ

リーリエ「・・・」ニコッ

アセロラ「リーリエ・・・」

フラダリ「リーリエ・・?いったい何処から・・・」

リーリエ「姫様、忘れ物です」

リーリエ「これを」スッ

アセロラ「!」

サトシ「へへっ」

フラダリ「・・・・石?」

アセロラ「・・・・・」グッ




ピカー

フラダリ「石が笛に?」

コスモッグ1「ぴゅい・・」ピクッ

コスモッグ2「ぴゅ・・・」ピクッ

メキメキメキ

カキ「なんだ!?」

クチナシ「!」

マーマネ「あのポケモン達の様子が・・」

マオ「これってまさか!?」

スイレン「進化!?」

ピカー

アセロラ「コスモッグ!!」

フラダリ「馬鹿な・・・・」

サトシ「すっげー・・・」オクチアングリ

リーリエ「姫様・・」グスッ

ソルガレオ「・・・・・・」

ルナアーラ「・・・・・・」

アセロラ「・・・・いくよ!」

アセロラ「ルナアーラ!ソルガレオ!」

ソルガレオ、ルナアーラ「グオオオオー!!」


メキメキメキ

フラダリ「くそっ!イベルタル!ゼルネアス!」

イベルタル、ゼルネアス「」ガタガタガタ

フラダリ「な!?」

アセロラ「おじさん!」キッ

フラダリ「!」

アセロラ「ケンカはやめよ?ね?」ニコッ

フラダリ「ふざけ・・・・」

ソルガレオ、ルナアーラ「・・・・」


オオオオ

イベルタル、ゼルネアス「」ガタガタガタ

フラダリ「っ・・・・!」

アラン「・・・・父上」

フラダリ「アラン・・・」

アラン「・・・・我らの負けです」

フラダリ「・・・・くっ」ガクッ

マオ「やった・・・」グスッ

マーマネ「僕達勝ったんだ・・・」グスッ

リーリエ「姫様ー!」ダッ

サトシ「アセロラー!」ダッ

ピカチュウ「ピー!」ダッ

スイレン「サトシー!」ダッ

クチナシ「へっ」ニッ

アセロラ「みんな・・・」ニコッ

・・・・・・

・・・・

・・

・・こうして火の国の支配は終わりました

アセロラとアラン王子の婚姻は破断され白紙に・・・

この件を受け、フラダリは国王をやめ国外追放に

火の国の国王は息子のアランが引き継ぐ事になりました

そして・・・



マーマネ「サトシ、行っちゃうの?」

サトシ「ああ・・・」

ピカチュウ「ピー」

カキ「またこの国に寄ってくれよ?」

リーリエ「そうです!大歓迎ですよ!」ニコッ

サトシ「みんな・・・・」

スイレン「うぅ・・ザドジ・・」グスッ

スイレン「まだ・・・ぜっだいに・・」グスグス

マオ「スイレン、泣きすぎてなに行ってるかわかんないよ」

サトシ「だ、大丈夫・・・また来るからさ?」ハハハ

ピカチュウ「ピカー」

アセロラ「・・・・・」

アセロラ「サトシ!」

サトシ「!」

アセロラ「また絶対にアセロラ王国に来てね!そして・・・・」

アセロラ「また、旅のお話聞かせてくれる?」ニコッ

サトシ「アセロラ・・・」

サトシ「ああ!約束だ!」

サトシ「アセロラも立派なお姫様になれよ!」

アセロラ「うん、約束するよ!」ニコッ



こうしてサトシはサトシはまた旅に出た

サトシ「次は何処にいこっかピカチュウ?」

ピカチュウ「ピー」

リーリエ「姫様、いいんですか?」

アセロラ「・・・なにが?」

リーリエ「・・・彼に伝えたい事があったのでは?」

アセロラ「・・・・・」

アセロラ「次に会った時でいいかなって」ニコッ

リーリエ「・・・ふふっ、そうですか」クスッ

リーリエ「それでは姫様!お勉強の時間ですよ!」

アセロラ「えー?」

リーリエ「立派なお姫様になるんでしょ?」

シロン「コーン」

アセロラ「ちぇー」




この後アセロラ王国は何百年も平和が続いた





おわり

最後の方だいぶカットしたけど終わりです
ありがとうございました

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