マオ「サトシの様子がおかしい?」 (36)

休日

マラサダショップ


マオ「それってどういうこと?スイレン」

スイレン「……う~ん……おかしいっていうかなんていうか………」

リーリエ「詳しく教えてください。スイレン!」

シロン「コーン!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1570618882

スイレン「……昨日の放課後、サトシと一緒に釣りをする約束してたの」

ナギサ「イッブイ!」

マオ「あ~!それね?知ってるよー!だってスイレン……その話、昨日何回も私たちにしてきたもん!」ニヤニヤ

リーリエ「スイレン……すっごく楽しみにしてましたもんね?」クスッ

スイレン「うえぇ!?そ、そんなんじゃ……////」カァー

リーリエ「ふふっ…で?どうだったんですか?」キラキラ

マオ「少しはサトシと進展できた!?」キラキラ

シロン「コーン?」キラキラ

アマージョ「ジョォウ?」キラキラ

スイレン「………来なかった」ボソッ

マオ「………へ?」

リーリエ「え?」

スイレン「………夜まで待ったのにサトシ…来なかった…」

ナギサ「イッブイ…」

マオ「こ、来なかったって……サトシ…何か用事でもあったのかな?」

スイレン「………わかんない…」

リーリエ「わかんないって……スイレン!サトシからの連絡は何もなかったんですか!?」

スイレン「………うん…」

マオ「な、なによそれ……スイレンを待たせるだけ待たせておいて連絡もしないなんて……」ワナワナ

リーリエ「最低です!最低すぎですサトシ!!」プンプン

シロン「ゴンッ!!」グルル

スイレン「……もしかしてサトシ……体調とか悪かったのかも……しんぱ……」

マオ「……リーリエ!」スクッ

リーリエ「はい!」スクッ

スイレン「! マオちゃん、リーリエ!どこ行くの!?」

マオ「決まってるよ!サトシの家だよ!」プンプン

リーリエ「サトシに直接スイレンとの約束を破った理由を聞き出さなくては気がおさまりません!!」プンプン

シロン「ゴンッ!!」フシュー

スイレン「ま、待って!マオちゃん!リーリ……」


デサー ピカー

スイレン、マオ、リーリエ「!」ピクッ

スイレン「………この声……」

リーリエ「……マオ!」チラッ

マオ「……うん!」コクッ

サトシ「でさー」

ピカチュウ「ピカピカー」

「サトシー!!」

サトシ「?」

マオ「ちょっとサトシ!!昨日のスイレンとの約束破ったってどういうこと!?」

リーリエ「スイレン……夜までずっとサトシを待っていたんですよ!!」

シロン「コーン!!」グルル

サトシ「??」

マオ「サトシ!黙ってないで何とか言ったらどうなの………………って、え?」

リーリエ「何か事情があったにせよ…連絡の一つも入れないのは最低です!まずはスイレンに謝って……………って、え?」

スイレン「マオちゃん!リーリエ!もういい!理由は私から聞く………って、え?」

サトシ「???」

スイレン、マオ、リーリエ「………………」ジーッ

サトシ「な、なに?」アセアセ

マオ「………えーっと……サトシなんか…」ジーッ

リーリエ「……雰囲気変わりました……?」ジーッ

スイレン「………いつもと違う……」ジーッ

サトシ「え?え?」

ピカチュウ「ピッカ」

マオ「………うーん……上手くは言えないんだけど、何だかいつもと違うって言うか……」

リーリエ「……服装も違いますし、全体的に可愛く?と、いいますか…幼くといいますか……」

スイレン「夢と冒険と!ポケットモンスターの世界へ!レッツゴー!とか言い出しそう」ジーッ

サトシ「は?」

ピカチュウ「ピカー」

リーリエ「……あの……念のため確認しますが、マサラタウンのサトシと相棒のピカチュウさんですよね?」

サトシ「そうだけど……」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「………良かった、いつものサトシとピカチュウ」ホッ

ナギサ「イッブイ」

マオ「いやいや良くないよスイレン!昨日サトシがスイレンとの約束をすっぽかした理由を聞かなきゃ!」

スイレン「……ハッ!そうだった!」

スイレン「………ねぇ、サトシ」

サトシ「?」

スイレン「………昨日、何で来てくれなかったの?」

サトシ「……………」

スイレン「………サトシ…ずっと待ってても来ないし、何の連絡もないし……心配した。すっごく」

サトシ「……………」

スイレン「………私…もしかしてサトシに嫌われたんじゃないかって…不安だったの……だから…」

マオ「スイレン……」

スイレン「……サトシ…私、怒ってないよ?だから……」

サトシ「……………」

スイレン「昨日、待ち合わせに来なかった理由だけでも教えてほしいの…」

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「……その………ごめん……」

スイレン「サトシ……」

サトシ「……………キミ………誰?」

スイレン「………え…」

スイレン「………え?さ、サトシ……?」

サトシ「……ごめん……俺キミのこと誰かわかんないんだ……どっかで会ったかな?それとも誰かと勘違い……」

スイレン「………え?……え?」プルプル

マオ「………ね、ねぇ……どういうこと?やっぱりあの人……サトシじゃないの…?」

リーリエ「……いえ…確かにいつもと雰囲気は少し違いますが……あの方は間違いなく私たちが知っているサトシとピカチュウです」

マオ「じゃあ……何でスイレンを知らないなんて……」

リーリエ「……見たところ嘘をついているようにも見えません……となると……」ウーン

リーリエ「………何らかの理由でスイレンのことを忘れてしまったとしか……」

マオ「え!?」

スイレン(サトシが私を忘れた………?)

サトシ「……………ごめん、もういいかな?」クルッ

サトシ「行こうぜピカチュウ」

ピカチュウ「ピッカ」

マオ「………スイレン……」チラッ

スイレン「……………」プルプル

スイレン(サトシが私を忘れた……?そんなの……)

スイレン「嫌だ…」ボソッ

リーリエ「……ちょっと待ってくださいサト……」

スイレン「ま、待って!!!サトシ!!!」

サトシ「」ビクッ

スイレン「……………サトシ!本当に忘れたの!?私との思い出!!」

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「…………だ、だから知らないって言ってるだろ!きっと誰かと勘違い…」

スイレン「……………私は絶対に嫌……」

スイレン「サトシとの思い出が"嘘"になるなんて!!」

ナギサ「イッブイー!」

サトシ「!」ズキッ

マオ「スイレ……」

リーリエ「……待ってくださいマオ!」スッ

マオ「……え?」

サトシ「……………う、うそ……?うぅ……頭が……」ズキズキッ

ピカチュウ「ピカピー!」

マオ「え!?サトシのようすが!?」

リーリエ「………きっと………今のスイレンの呼びかけによって、サトシが何らかの理由で失くしてしまった…サトシの中のスイレンの記憶を呼び覚まそうとしているんです…」

マオ「記憶を……」

リーリエ「……ここは……任せてみませんか?」

リーリエ「スイレンの…愛のパワーに…」フッ

シロン「コーン!」フッ

マオ「愛のパワー……」ゴクリ

シェイミ「シェミ…」ゴクリ

スイレン「………サトシ!サトシは……いっつも私のバルーンの特訓に付き合ってくれた!」

サトシ「うぅ……」ズキズキ

スイレン「………せせらぎの丘で主を一本釣りした時も……私がZワザを特訓してる時も……カイオーガの時も…」

スイレン「いっつも私を支えてくれた……」

ナギサ「イッブイ!」

スイレン「………サトシが忘れたとしても……私はこの先絶対に忘れない。サトシとの思い出!」ニコッ

サトシ「………せせらぎの丘……バルーン……カイオーガ……うあぁぁぁぁ!!」ズキズキ

ピカチュウ「ピカピ!」

マオ「す、すごいよ愛のパワー!サトシがスイレンのことを思い出しそうだよ!」

リーリエ「はい、素敵です」ウットリ

シロン「コーン!」ウットリ

サトシ「う……ぁ……スイレ……」ズキズキ

スイレン(あと一歩!あと一歩でいつものサトシに…!)

ナギサ「イッブイブイー!」

スイレン「………サトシ……」

サトシ「うぅ……」ズキズキ

スイレン「だ、だって……サトシは……」スゥ

スイレン(響け!私の想い……)

ピカチュウ「ピカピー!!」

マオ「いっけー!スイレン!」

リーリエ「あと一歩です!」

シロン「コーン!」

スイレン(サトシの記憶の彼方まで!!)

スイレン「サトシは私のボーイフレンドだもん!!!/////」カァーッ

サトシ「………ぼ、ボーイフレンド……?」

スイレン「う、うん////」コクッ

サトシ「………その……それって……」

スイレン「え、えっと……その////」モジモジ

サトシ「……………」

スイレン「/////」ドキドキドキドキ

サトシ「………何か思いだしそうだったけど気のせいだったみたいだ…」ハァ

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「なんで!?」ガーン

ナギサ「イッブイ!?」ガーン

リーリエ「惜しいです!あと一歩だったのに!」

マオ「スイレン………」ウルッ

「おい」

サトシ、スイレン、マオ、リーリエ「!」

カキ「たくっ!何道端で騒いでるんだお前らは」ハァ

マーマネ「アローラ!」

トゲデマル「マキュキュ!」

サトシ「おぉー!アローラ!マーマネ!トゲデマル!」

ピカチュウ「ピッカー!」

マオ、リーリエ(あっ、サトシ…マーマネのことは覚えてるんだ)

スイレン「………なんで……?」ギリッ

マオ「……え?いや……」

リーリエ「私たちに聞かれましても……」

シロン「コーン……」

カキ「………ん?サトシ……ちょっと雰囲気変わったか?」

マーマネ「本当だ!何だかいつもより賢そうに見えるね?」

サトシ「なんだとマーマネ~!このぉ~!」コチョコチョ

マーマネ「あははっ!や、やめてよサトシー!くすぐったいよ!」

カキ「やれやれ」フッ

アハハー

スイレン「……………」

スイレン「納得いかない」バンッ

マオ、リーリエ「」ビクッ

スイレン「サトシ!!」ズイッ

サトシ「」ビクッ

マーマネ「? 何だかスイレン怒ってない?」

カキ「………ケンカでもしてるのか?」

サトシ「それが……さっきからこの人が……」

スイレン「………サトシ!忘れたとは言わせない!!私といっぱいデートしたこと!!」ズイッ

サトシ「いっ!?」ビクッ

スイレン「………一緒に番宣だってした!それに……見て!!」スッ

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「おっ!前髪がかわったイーブイだな!」キラキラ

ピカチュウ「ピカー!」キラキラ

スイレン「そう!私とサトシでピカブイ!ピカブイ夫婦!!」ズイズイッ

ナギサ「イッブイー♪」

サトシ「ふ、夫婦……?」

マオ「スイレン……ずいぶん大胆だね……」

リーリエ「………論理的結論からいいますと……きっとマーマネに負けたことにより、スイレンの中の羞恥心のリミッターが……」ブツブツ

マオ「………冷静に分析しなくていいよリーリエ……」

スイレン「………責任!責任とってよサトシ!!」キッ

ナギサ「イッブイ!!」

サトシ「せ、責任……?」

スイレン「私と付き合う?結婚する??どっち!?どっちもだよ!!」ズイズイズイズイッ

サトシ「ヒェッ」ビクッ

カキ、マーマネ(真っ昼間っから何やってんだこいつら……)

サトシ「………もしかしてス………」

スイレン「!」

マオ「え!?もしかしてサトシ、今のでスイレンのこと思いだしたの!?」

リーリエ「………やはり愛は奇跡を………」

サトシ「………ストーカーなのかなこの人……うわっ、こえーよマーマネー」ヒソヒソ

ピカチュウ「ピカ~」

マーマネ「えぇ!?いや……」ビクッ

スイレン「す……スト……!?」ピシッ

スイレン「」

リーリエ「………スイレンがショックのあまり石に……」

マオ「スイレン……」ウルッ

アマージョ「ジョォ…」ウルッ

カキ「………たくっ、何やってんだお前らは」ハァ

サトシ「!」

カキ「………ケンカなら他で……」

サトシ「えっ誰キミ?」

カキ「えっ」

マーマネ「えっ」

サトシ「?」

リーリエ、マオ(うげっ)

ピカチュウ「ピカカー」

カキ「………おいおいサトシ~?いったいそれは何の冗談だ~?」ハハハ

サトシ「な、なぁ……マーマネ……あの人さっきから俺に話しかけてくるけど、マーマネの友達?」ヒソヒソ

マーマネ「な、何言ってるのさサトシ……」

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピカー」

カキ「………サトシー?いい加減面白くないぞ?その遊び……」ヒクヒク

サトシ「………いや、遊びったって………」

リーリエ「お、落ち着いてくださいカキ!」

マオ「今日のサトシはちょっと様子がおかしいんだよ!」

カキ「そんなの見ればわかる!!」クワッ

マーマネ「ね、ねぇマオ!サトシの様子がおかしいってどういうこと?」

マオ「う~ん……私たちもよくわからないんだけどさ~……」

リーリエ「………何故かカキとスイレンのことを忘れてしまっているみたいなんです…」

マーマネ「………あ~……それでさっきスイレンとサトシが揉めてたんだ……」

カキ「………何で俺とスイレンのことを忘れてるんだ?」

マオ「そんなこと私たちに聞かれても……」

カキ「………マーマネのことは覚えてるみたいだし、まさかマーマネ……お前サトシに何か……」ギロッ

マーマネ「えぇ!?し、知らないよ!!」

マオ「………怪しい……」ジトー

リーリエ「………怪しいです…」ジトー

マーマネ「なんで!?」ビクッ

トゲデマル「マキュキュ!」

カキ「………なぁサトシ…」

サトシ「!」

カキ「………お前……俺のことを本当に忘れたのか?」

カキ「お前の……アローラで……いや、生涯で最大のライバルだった俺のことを!!」ウルウル

サトシ「最大のライバル……」

ピカチュウ「ピカ……」

マオ、リーリエ(なんでカキもスイレンも話をちょっと盛るんだろ……)

シロン「コーン……」

サトシ「えーっと、ごめん……思い出せない!」

ピカチュウ「ピカ」ペコッ

カキ「サトシ……」ウルッ

サトシ「それに……俺のアローラでのライバルならグラジオ…」

カキ「なっ!?」

マーマネ「サトシ…グラジオのことは覚えてるんだ…」

リーリエ「………フッ」ドヤァ

シロン「コーン!」ドヤァ

マオ「リーリエ!気持ちはわかるけど今はやめたげて!」

カキ「思い出せサトシ!!」ガッ

サトシ「」ビクッ

カキ「俺とのあの……ポケモンバトルで切磋琢磨し、ゼンリョクでお互いを高めあった日々を!!カキ合宿を!!モーモーミルクの味を……!!」

サトシ「!」

カキ「……ヴェラ火山より熱い友情を……!!……少しイメチェンしたからって、中身まで変わったのかよサトシィ……!!」グスッ

マーマネ「カキ……」

サトシ「うぅ……バトル……カキ合宿……モーモーミルク……頭が…」ズキッ

ピカチュウ「ピカピ!」

マーマネ「! 見てよカキ!サトシが何か思いだしそうだよ!」

カキ「な、なに!?本当か!?」

サトシ「うぅぅ……」ズキッ

マーマネ「き、きっとあと一歩だよ!」

カキ「よ、よし!」グッ

マオ「うぅぅ……男の子の友情っていいねリーリエ!」グスッ

リーリエ「友情パワー……私、感動しました!」グスッ

アマージョ「ッジョ!」グスッ

シロン「コーン!」グスッ

リーリエ「マオ!いつまでも泣いてはいられません!私たちでカキとサトシの友情をアシストしてあげましょう!」グッ

マオ「……うん!そうだね!」ゴシゴシ

リーリエ「サトシー!思い出してください!」

サトシ「!」

リーリエ「アローラリーグ準決勝戦……お兄さまに負けたカキのことを!!」

マオ「サトシ!思い出してよ!ホシちゃんにデレッデレで情けないシスコンカキのことを!!」

カキ「あ、あの……あんまり余計なことは……」

リーリエ「ちなみにホシちゃんはお兄さまにデレッデレです」

カキ「おい!!」

サトシ「シスコン……グラジオにバトルも負けてホシちゃんもとられ……うっ……な、何か思いだしそうだ!!」ズキッ

ピカチュウ「ピカピ!」

マオ「やったねリーリエ!大成功!」グッ

リーリエ「はい!これでサトシもカキのことを思い出すハズです!」グッ

シロン「コーン!」

サトシ「うぅぅ……」ズキズキ

マーマネ「だ、だってさ…よ、良かったねカキ…」ハハハ

カキ「………」

サトシ「………カ……」

マオ、リーリエ、マーマネ「!」

カキ「! サトシ……」

サトシ「………カス……?」

ピカチュウ「ピッカ」

カキ「」

マーマネ(か、カスってサトシ………)

マオ(さすがにそれは……)チラッ

カキ「ドウセオレハマケイヌ……」ブツブツ

マオ、マーマネ(いじけた!?)ビクッ

サトシ「あ、あの!ごめん!えーっと……カ……カ………」

カキ「……………」ウジウジ

マオ「い、今はやめてあげてよサトシ!」アセアセ

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピカー」

マーマネ「………げ、元気出しなよカキー……サトシもあと一歩のところで言い間違えちゃっただけだよ」ポンッ

カキ「う、うるさい!サトシに覚えてもらってるお前には言われたくないんだよ!!」ビエーン

マーマネ「えぇ……」

トゲデマル「マキュ………」

ウワーン

マオ「……あーあ……カキ泣いちゃったよ……」ハァ

リーリエ「……………」ウーン

マオ「スイレンは石になっちゃったままだし…」チラッ

スイレン「」

マオ「……サトシは様子がおかしいし…」チラッ

サトシ「えーっと、次の地方は……」

ピカチュウ「ピッカ!」

マオ「……もうどうしたらいいか……」ハァ

アマージョ「ッジョ」ハァ

リーリエ「……………」ウーン

マオ「………リーリエ?」

リーリエ「……あの、サトシ」スッ

サトシ「?」

リーリエ「……………私のこと……わかりますか?」

シロン「コーン!」

サトシ「………え?」

マオ「え?」

ピカチュウ「チャア」

サトシ「……………」ジーッ

リーリエ「……………」

マオ、マーマネ、シロン「」ゴクリ

サトシ「………うーん……ごめん、思い出せないや!」

ピカチュウ「ピカー」

リーリエ「そうですか…」

マオ「リーリエもダメかぁ~」

リーリエ「はい…サトシがグラジオお兄さまのことを覚えていたので"もしや"とは思いましたが…」ウーン

サトシ「なぁ、マーマネ!さっきの人たちといい、この人たちといい、俺のこと知ってるみたいだけどどうなってんだ?」

マーマネ「どうなってるって……そんなの僕が聞きたいよ」ハァ

サトシ「ま…まさか……!俺がアローラリーグで優勝したからファンが出来たとか!?」キラキラ

ピカチュウ「ピカー!」キラキラ

マーマネ「そんな訳ないでしょ!!」

サトシ「な、なに怒ってんだよマーマネ…じょ、冗談だよ…」ハハハ

ワイワイ

リーリエ「……………」

マオ「……ねぇ、リーリエ……何でサトシはマーマネのことだけ覚えてるんだろ?」

リーリエ「………わかりません……ですが……一つだけわかったことがあります」

マオ「わかったこと?」

リーリエ「……………はい!これは恐らくですが……論理的結論からいいますと……」

リーリエ「サトシはマーマネを除くポケモンスクールのクラスメイト"だけ"の記憶を失くしてしまったということです!!」ビシッ

シロン「コーン!」

マオ「え?」

リーリエ「?」

マオ「ちょ、ちょっと待ってよリーリエ!」

リーリエ「? 私……何か変なこと言いましたか?」

マオ「何で私まで忘れられてる前提なの!?」

リーリエ「え?」

マオ「え?」

リーリエ「……………」

マオ「…………」

アマージョ「ッジョ」

マオ「……ま、まさかリーリエ………私なんて試すまでもなく忘れられてて当然とか思ってたんじゃ………」ジトー

リーリエ「い、いえ!そうではなくてですね?先ほどのサトシの反応を見る限りでは、マオのこともわからないのではないのかと……」アセアセ

シロン「こ、コーン!」アセアセ

マオ「そ、そんなのサトシに聞いてみなきゃわからないよ!」

リーリエ「そ、そうですね……ごめんなさいマオ…」

マオ「まぁ……私はサトシのお姉ちゃん的なとこもあったからね?"もしも"があるかもしれないよ?」フフン

アマージョ「ッジョ!」

マオ「よし!じゃあさっそくサトシに私のこと聞きにいこっか!いくよっ、アマージョ!」ダッ

アマージョ「ッジョォ!」ダッ

マオ「おーい!サトシー」タッタッタ

アマージョ「ッジョー」タッタッタ

サトシ「あっ、今度は緑の人が来たよ…」ハァ

ピカチュウ「ピカー」

マーマネ「み、緑の人って……」プププ

トゲデマル「マキュキュ」ケラケラ

マオ「……なぁにがおかしいのよマーマネェ?」ゴゴゴ

アマージョ「ッジョ?」ゴゴゴ

マーマネ「い、いやその!き、昨日のテレビを思い出してつい思い出し笑いを…」アハハ



マオ「……ダメだったよリーリエ……」ハァ

アマージョ「ッジョ……」ハァ

リーリエ「ど、どんまいですマオ!」アセアセ

シロン「コーン!」アセアセ

マオ「……あーあ……どうしたらいいんだろ?やっぱりここは博士に相談を……」

リーリエ「……あの………私、一つ試してみたいことが…」

マオ「? 試してみたいこと?」

サトシ「たくっ!さっきからなんなんだよあの人たち…」ハァ

ピカチュウ「ピカー!」

マーマネ「……ねぇサトシ…本当にみんなのこと忘れちゃったの?」

サトシ「……なんなんだよマーマネまで……」

サトシ「そんなことよりさ!今からどっかに遊びに……」

リーリエ「サトシ!!」ザッ

シロン「コーン!」ザッ

サトシ「! またかよ……」ハァ

ピカチュウ「チャァ」

マーマネ「リーリエ……」

サトシ「……悪いけどさ、俺本当にキミたちのことは知らないんだよ」

サトシ「……マーマネの友達なのかもしんないけど、いい加減からかうのはやめて……」

リーリエ「サトシ!覚えていますか?」

サトシ「……だから知らないって……」

リーリエ「ポケモンスクールのことを」

シロン「コーン!」

サトシ「……は?ポケモンスクール?スクールなら毎日通って……」ズキッ

サトシ「……あ、あれ?」

ピカチュウ「ピカピ?」

リーリエ「……………」

マーマネ「ど、どうしたのサトシ?」

サトシ「……ポケモンスクール……俺のクラス……マーマネと………それに……」

サトシ「あ、あれ?誰かいたような……みんな……?」ズキッズキッ

サトシ「……うぅ……あ、頭が痛いっ!」ズキンズキンズキン

マーマネ「ちょ、ちょっと!どうしたのサトシ!?大丈夫!?」

ピカチュウ「ピカー!」

マオ「ね、ねぇリーリエ!サトシの様子が変だよ?サトシ…どうしちゃったの!?」

リーリエ「……やっぱり…思った通りです……」

マオ「……え?」

マオ「思った通りって……もしかしてサトシがおかしくなった原因がわかったの!?」

リーリエ「……いえ、それは残念ながら……ただ…」

マオ「……ただ……?」

リーリエ「サトシが何故私たちだけを忘れてしまったのか……何故マーマネだけを覚えているのか…その原因はわかりません。ですが……」

リーリエ「スイレンやカキとのサトシのやり取り……そして先ほどの私の問いかけに対するサトシの反応……それを見て一つの可能性に気がつきました」

マオ「ひ、一つの可能性……?」

リーリエ「論理的結論からいいますと、少なくともサトシは……私たちのことを思い出そうとしています!!」ビシッ

シロン「コーン!」

マオ「ど、どういうこと??」

アマージョ「ジョ??」

リーリエ「……えーっとですね?これは私の予想なんですが……サトシは昨日の放課後……スイレンとの約束の時間までは少なくとも私たちのことは覚えていたと思うんです」

マオ「ふむふむ」

リーリエ「それで……恐らくサトシは昨日スクールから帰る時間からスイレンとの約束の時間までの間に何かがあり、それで私たちのことだけを忘れてしまったと」

マオ「何かって?」

リーリエ「すみません……そこまでは私にはわかりません……ですが……」

リーリエ「……先ほどからサトシが私たちのことを思い出そうとすると頭痛がする……これはつまり……」

リーリエ「……"記憶のカケラを拾い集めようとしているサトシを何かのチカラが邪魔している"こういうことだと思うんです」ビシッ

シロン「コーン!」

マオ「何かのチカラ……?」ゴクリ


マオ「で、ても……そんな……誰が何の為にそんなこと……!」

アマージョ「……ジョ!?」

リーリエ「それは私には予想もできません……ですから……」

リーリエ「何があったのか……それは全部を思い出したサトシに直接聞いてみることにしましょう」ニコッ

シロン「コン!」

マオ「全部思い出したサトシにって……で、でもどうやって………?」

リーリエ「スイレンやカキと同じく……私だって今までのサトシとの思い出が全部嘘になるなんて嫌です」

マオ「リーリエ……」

リーリエ「私たちを思い出そうととするサトシを"何か"が邪魔するのならば……」

リーリエ「その"何か"のチカラが邪魔するヒマがないくらいに……失くしてしまったサトシの中の思い出のアルバムを、もう一度私たちの思い出でいっぱいにするんです!」

リーリエ「だって……アローラは家族ですから!」ニコッ

シロン「コン!」

マオ「リーリエ……」

マオ「……ふふっ、邪魔するヒマがないくらいにって……結局は力押しかぁ~……なんだかリーリエらしくないね?」クスッ

リーリエ「……そうかも知れませんね?」クスッ

リーリエ「………いきますよ!マオ!」クルッ

シロン「コン!」

マオ「よしきた!がんばリーリエ!だね!」グッ

アマージョ「ッジョ!」グッ

サトシ「……あ、頭が……割れるように痛い……」ズキッズキッ

ピカチュウ「ピカピー!」

マーマネ「あわわ……!ど、どうしたら……と、とにかくジョーイさんに連絡を……」アタフタ

トゲデマル「マキュキュー!」アタフタ

「サトシー!!」

サトシ、マーマネ「!」

リーリエ、マオ「…………」バーン

マーマネ「! リーリエ!マオ!さっきからサトシの様子がおかしいんだよ!ポケモンセンターに連れてくから手伝って……」

サトシ「……うぅ……」ズキズキ

リーリエ「………おいで、シロン」スッ

シロン「コーン!」ピョン

リーリエ「ふふっ♪」ナデナデ

シロン「コーン♪」スリスリ

マーマネ「ちょ…ちょっとリーリエ!この大変な時に何やって……」

リーリエ「………サトシ、覚えていますか?」

サトシ「……………?」ズキズキ

リーリエ「………私がポケモンに触れなかったことを……」ナデナデ

シロン「コン♪」スリスリ

サトシ「!」ズキッ

リーリエ「………ポケモンのことは大好きでした……でも……」

リーリエ「………幼き頃からのトラウマでどうしても一歩が踏み出せずに…ポケモンと楽しく遊んでいるみんなを眺めているしかできませんでした…」

シロン「コーン……」

サトシ「………」ズキッズキッ

ピカチュウ「ピカ……」

リーリエ「ふふっ、でも……今はこの通り!」ナデ

シロン「コーン♪」スリスリ

サトシ「………」ズキッ

リーリエ「今私がこうやってシロンやポケモンたちと仲良くできるのはサトシやピカチュウ……シロン……みんなのお陰です」

リーリエ「あの時は……まさか自分がアローラのポケモンリーグで本選まで出場できるなんて夢にも思わなかった……」

サトシ「………」ズキッ

マーマネ「リーリエ……」

リーリエ「私、今でも思います…あの時勇気を持って一歩を踏み出せて良かった…」

サトシ「うぅ……!」ズキズキ

ピカチュウ「ピカピ!」

マーマネ「り、リーリエ!今は思い出話よりサトシをポケモンセンターに連れてく方が……」

リーリエ「そういえばー……マーマネとサトシと一緒に小さくなったこともありましたね?」

マーマネ「え?」

サトシ「………小さく……」ズキッ

リーリエ「ふふっ、あの時はどうなることかと思いましたが……すっごく貴重な大冒険でしたね?」クスッ

リーリエ「ね?マーマネ?」ニコッ

マーマネ「! う、うん……そうだね!」ニコッ

トゲデマル「マキュキュ!」

マオ「サトシ!覚えてる?」ザッ

サトシ「!」

マオ「幻のアローラシチュー!」ビシッ

アマージョ「ッジョ!」ビシッ

サトシ「アローラシチュー……」ズキズキ

マオ「ふふっ、食材探し大変だったよね?でもー……」

マオ「サトシやみんなが協力してくれたお陰で私はアローラシチューを作ることが出来たんだよ」ニコッ

アマージョ「ッジョ!」ニコッ

サトシ「……………」ズキズキ

ピカチュウ「ピカ……」

マオ「それとー……ライチさんの試練のラランテス!サトシなら突破出来るって思ってたけど……」ウーン

マオ「まさかアローラのチャンピオンにまでなっちゃうなんてね!私も鼻がダーテング!だよ!」ウンウン

アマージョ「ッジョ!」ウンウン

サトシ「………ラランテス……」ズキズキ

マオ「………サトシ、無理にとは言わないよ?それでも良かったら思い出してほしいんだ……それで……」

マオ「またアローラのパンケーキ大レースにみんなで一緒に出場しようよ!次こそは優勝ゲットだぜ!」グッ

アマージョ「ッジョ!」グッ

サトシ「!」ズキッ

リーリエ「サトシ……お母さまを助けに行った時も……グラジオお兄さまとの決勝戦の時も…私は感謝でいっぱいです」

サトシ「………え?」ズキズキ

リーリエ「だって……またお母さまやお兄さまのゼンリョクの笑顔が見れたから……」

リーリエ「サトシは……私にとって……恩人でもあり、とっても誇らしい友人です!」ニコッ

シロン「コーン!」

サトシ「………リリーラ……緑の人……」ズキズキ

マーマネ「サトシが……リーリエやマオのことを思い出しそうになってる……?」

リーリエ「! マオ!後一歩です!」グッ

マオ「え?う、うん……!そ、そうなのかな!?」

サトシ「………うぅ……頭が痛い……!な、何か……何か思い出しそうだ……」ズキズキ

ピカチュウ「ピカピ……」

「ちょっと待ったー!!」

サトシ「!」ズキッ

スイレン、カキ「…………」バーン

マオ「スイレン!」

マーマネ「カキ!」

リーリエ「復活したんですね!」

シロン「コーン!」

カキ「………おいおいサトシー?水くさいぞ?」グイッ

サトシ「………え?」

カキ「お前のライバルであり……そして親友の俺をお前の思い出のアルバム?に載せないなんてな?」ニッ

サトシ「………カ……カ………」

マーマネ「さ、サトシ!無理しなくていいよ!」アセアセ

スイレン「サトシ、私……欲張りだから…」ザッ

サトシ「!」ズキッ

スイレン「………思い出だけじゃ足りない……!だからその……」

スイレン「………こ、これからも作っていきたい!サトシとの思い出!////」カァーッ

スイレン「い、一緒に////」ボソッ

サトシ「?」

マオ「スイレーン…そこはもうちょっと大きな声で言わないと聞こえないよー」ハハハ

リーリエ「………サトシ、私……アローラに来て……ポケモンスクールでみんなと一緒に学んで…遊んで……バトルして……色んなことを体験して思ったんです…」

サトシ「………え?」

リーリエ「………マオにスイレン……カキにマーマネ……ポケモンたちにサトシ……みんなに出会えて良かった!」

リーリエ「………サトシはどうですか?」ニコッ

シロン「コン!」

サトシ「………お、俺は……」ズキズキ

ピカチュウ「ピカピ……」

サトシ「うわぁぁぁぁぁ!!」ズキズキ

マーマネ「! み、みんな!サトシの様子が!」

カキ「お、おい!どうしたサトシ!!」

スイレン「大丈夫!?サトシ!」

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「………うぅぅ……」ボフン

マオ「さ、サトシ……?」

サトシ「………キミタチハ誰だ?」

マオ「………へ?」

リーリエ「ま、まさか……」ゴクリ

スイレン、マオ、カキ、マーマネ「?」

リーリエ「………あまりにも情報量が多過ぎてサトシの頭がパンクしてしまったのでは………?」タラッ

スイレン、マオ、カキマーマネ「………………」チラッ

サトシ「あははー今日もいい天気ダナー、ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカピ……」

スイレン、マオ、カキ、マーマネ「………………」

スイレン、マオ、カキ、マーマネ(そんな……)ガクッ

シロン「コーン……」

サトシ「おっ!マーマネーじゃん!アローラー」

マーマネ「えぇ!?」

マオ「………それでもマーマネのことだけは覚えてるんだ……」ハハハ

スイレン「な、なんで……!?マーマネのことだけ……」ギリリ

カキ「………おいマーマネェ……」ギロッ

マーマネ「ま、待ってよカキ!スイレン!僕だって知らないよ!」

マーマネ「た、助けてサト……」

サトシ「ん?その人たち誰?マーマネの友達?」アハハー

スイレン、カキ「……………」ギロッ

マーマネ「ちょ、ちょっと!!」

リーリエ「………ま、待ってくださいみなさん!!まだ諦めるのは早いです!」

シロン「コーン!」

カキ「! リーリエ!」

スイレン「ま、まさか!何かあるの!?奥の手!」

リーリエ「はい」ニッコリ

カキ「おぉー!」キラキラ

スイレン「さすがリーリエ!天才!」キラキラ

リーリエ「そ、それほどでも/////」テレッ

シロン「コーン////」テレッ

マーマネ(た、助かった…)ホッ

マオ「………で、リーリエ?奥の手って?」

リーリエ「はい!論理的結論からいいますと……」ゴソゴソ

リーリエ「これを使います」ゴト

スイレン、カキ、マオ「そ、それはーーー!!!」

とてつもなくかたいきのみ「」ドーン

カキ(きのみ………?)

スイレン(きのみだ……)

リーリエ「」ニコニコ

シロン「コーン」ニコニコ

マオ「あ、あの……リーリエ……それって……」

リーリエ「はい!見ての通り、とてつもなくかたいきのみです」ニコッ

マオ「い、いや……そうじゃなくって……それ…どうする気……?」

リーリエ「……私、本で読んだことがあるんです」コホン

マオ「え?」

リーリエ「……人の記憶とは……頭に強い衝撃を受けた時に失くなったり甦ったりするものだと。つまり………論理的結論からいいますと……」

マオ「…………………」

リーリエ「このとてつもなくかたいきのみでサトシの頭を殴ります」ニコッ

シロン「コーン」

マオ「思い出のアルバムどこいった」

リーリエ「物は試しです!何事もやってみなくてはわからない!そう教えてくれたのは他でもないサトシでした。……と、言うわけで……」チラッ

サトシ「お、おい!何する気だ!」

ピカチュウ「ピカー!」

リーリエ「……サトシ!これもサトシの為です!カキ、スイレン!サトシを押さえてください!」

サトシ「!?」ビクッ

カキ「………お、おいリーリエ……さすがにそれはやりすぎなんじゃないか?」

スイレン「サトシがかわいそう。絶対に嫌」プイッ

リーリエ「……論理的結論からいいますと…この方法ならばカキの最大のライバルにして、スイレンのボーイフレンドであるサトシが戻ってくるかもしれませんよ?」ボソッ

スイレン、カキ「」ピクッ

スイレン「………サトシ、大丈夫大丈夫!私がついてる!」ガシッ

カキ「サトシ!安心しろ!痛いのは最初だけだ!」ガシッ

サトシ「お、おい!何すんだ!やめろ~!!」ジタバタ

ピカチュウ「ピカピー!」

リーリエ「では……いきますよサトシ!!」スッ

サトシ「や、やめろー!このナゲツケサル!!」ジタバタ

リーリエ「……スイレン、カキ。サトシが暴れないようにしっかり押さえつけておいてくださいね?狙いが狂うと危ないので」ニコッ

スイレン「オッケー!」ガシッ

カキ「おう!任せておけ!」ガシッ

サトシ「た、助けて!マーマネ!!」チラッ

マーマネ「え、えーと……その……リーリエ……やめた方が……」

リーリエ「……マーマネ……では何か他にいい案があるんですね?ナゲツケサルな私と違って、サトシの記憶に残っているマーマネならばきっと素晴らしい代案が……」ニコニコ

マーマネ「ナンデモナイデス……」コソコソ

トゲデマル「マキュキュ」コソコソ

サトシ「お、おい!マーマネー!」

マオ「ちょっと!やめなよリーリエー!スイレンもカキも…サトシが恐がってるよ!」

リーリエ「……マオ……」

スイレン「マオちゃん…」

カキ「マオ………」

マオ「もぅー!もっと他に方法が……」

サトシ「あ、ありがとう……!マ………マママママ……………マゾ?」

マオ「リーリエ。こっちのきのみの方がかたいよ?」ヒョイッ

リーリエ「ありがとうございますマオ」ニコッ

サトシ「!?」

ピカチュウ「ピカピ……」

リーリエ「……えー、では…改めまして。いきますよサトシ?」コホン

リーリエ「しっぱいしたっていいよ~♪ぼくらまだはじまったばかりぃぃ~♪」ヒョイッ

シロン「コーン♪」

サトシ「し、失敗ってなんだよ!?」ビクッ

スイレン「サトシ、大丈夫。暴れないで」ヒソッ

サトシ「!」

スイレン「痛いのは一瞬!私もついてる…だから……安心して////」ギュッ

サトシ「ヒエッ」ゾクッ

カキ「サトシ!俺の知ってるサトシは…どんなにカッコ悪くたってダサくたって泥だらけになったって最後まで諦めないで……」グググ

サトシ「知らないよそんなの!!」ジタバタ

ピカチュウ「ピカー……」

リーリエ「なんだってやれるさ♪なんにだってなれるっさ♪ていっ」ブンッ

サトシ「うあぁぁぁぁ!!やめろおぉぉぉぉぉ!!!」

ピカチュウ「ピカピ!」





ゴツン

…………

サトシ「……うぅ……イテテ…」ムクリ

マオ「あっ!サトシが気がついたよ!」

マーマネ「さすがの生命力だね!サトシ!」

カキ「心なしか顔つきもいつもの雰囲気に戻ったみたいだな!」

スイレン「うん!復活のサトシ!」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「うぅ……ここは?」キョロキョロ

スイレン「サトシ!」ダッ

カキ「サトシ!」ダッ

ピカチュウ「ピカ!」ダッ

サトシ「……スイレン…カキ…ピカチュウ…」

スイレン、カキ「!」

マーマネ「! サトシがスイレンとカキをわかってるってことは……きっと記憶が戻ったんだよ!」

マオ「さっすがリーリエ!お手柄だね!」

リーリエ「ふふっ、やっぱり何事もチャレンジしてみるものですね?」ニコッ

シロン「コーン!」

スイレン「サトシ……い、今私のことスイレンって言った…」ウルッ

スイレン「わかるの?私のこと!!」

サトシ「? なーに言ってんだよスイレン!あったりまえだろ?」スッ

スイレン「良かったぁ…」ウルウル

サトシ「こんなに可愛いガールフレンドのことを忘れるわけないだろ?」ポンポン

スイレン「…………へ?」

スイレン「さ、サトシ……い、今私のことガガガガガールフレンド……////」カァー

サトシ「え?違ったっけ?」

スイレン「うえぇ!?そ、その……ソレデモイイヨ////」ボフン

サトシ「ははは、真っ赤になったスイレンも可愛いな」ニッ

ピカチュウ「ピカピカ!」

リーリエ、マオ、マーマネ「………………」

マオ「……あ、あの……リーリエ………なんだかサトシの頭の中のレポートが壊れてるみたいなんだけど……」

マーマネ「…ぼ、僕は一応やめた方がいいよって止めたからね」ボソッ

リーリエ「……そ、その……マオが持ってきたきのみが私の予想以上にかたいきのみで…」ダラダラ

マオ「ちょ、ちょっと!私のせいにする気!?」

カキ「お、おい!サトシ!俺のこともわかるのか!?」

サトシ「へへへ!カキまで何いってんだよ?俺がいつか越えたいと思ってるライバルであり、大親友の顔を忘れるわけないだろ!」ニッ

カキ「た、たくっ!よく言うぜ////」テレッ

ピカチュウ「ピカー!」

マオ「ちょ、ちょっとサトシ!正気を取り戻し……」

サトシ「おっ!いっつも俺たちをまとめて引っ張ってくれてるポケモンスクールのリーダー的存在であり、未来のアローラ1の天才美人シェフ候補と噂されるアイナ食堂のアイドルマオじゃん!アローラ~」

マオ「ま、まぁ~……ち、違うともいい切れないかな?////」テレッ

ピカチュウ「チャア!」

マーマネ「ハァ……まったく……マオもカキもスイレンも……」

マーマネ「サトシ!」

サトシ「!」

マーマネ「いい加減正気に戻って……」

サトシ「? ご、ごめん……誰だっけ!?」ハハハ

マーマネ「!?」

トゲデマル「マキュ!?」

スイレン、カキ、マオ「良かった…いつものサトシに戻った!」ホッ

マーマネ「ちょ、ちょっと!!」

リーリエ「まぁまぁ、落ち着いてくださいマーマネ。いいじゃないですか、みんな幸せそうですし」ニコッ

シロン「コーン!」

マーマネ「良くないよ!!僕だけ忘れられてるんだよ!?」

スイレン(今日からサトシの彼女////)ドキドキ

カキ「いつか越えるべきライバルであり親友か……やっぱサトシも俺と同じことを思ってたんだな」フッ

マオ(まさか私がみんなからスクールのリーダー的存在で未来の天才美人シェフでアイナ食堂のアイドルなんて噂されてたなんてね!)ウキウキ

サトシ「さてと、いつの間にか夕方かぁ~……ロトムや博士たちも待ってるだろうし…帰ろうぜピカチュウ」

ピカチュウ「ピッカー!」

マーマネ「ま、待ってよサトシ!」

サトシ「ん?」

ピカチュウ「ピカ?」

マーマネ「み、見て!」ポイッ

ボンッ

クワガノン「クワッ!」

サトシ「!」

マーマネ「こ、このクワガノン!サトシから貰ったデンヂムシが進化したクワガノンなんだよ!」

サトシ「……お、俺が……?」

マーマネ「そうだよ!クワガノンがデンヂムシの時、一緒にゼンリョクでデンヂムシカーレースを頑張ったじゃん!」

サトシ「!」

マーマネ「……デパートに閉じ込められた時だって……クワガノンレースの時だって……サトシはいっつも僕を励まして……応援してくれたんだ!!」

サトシ「…………」

マーマネ「僕はサトシとの思い出を……これからどんなに歳をとったって絶対に忘れないよ!!だから…」

マーマネ「サトシにだって絶対に忘れたとは言わせないよ!!」

トゲデマル「マキュ!」

クワガノン「クワッ!」

サトシ「…………」

マーマネ(サトシ……!お願い!思い出してよ!!)

サトシ「…………ご、ごめん……全然思い出せないよ…」

ピカチュウ「ピカァ」

マーマネ「うわぁぁぁぁぁ!!」ビエーン

トゲデマル「マキュ」ウルッ

クワガノン「クワ…」ウルッ

マーマネ「うわぁぁぁぁぁん!!」ビエーン

サトシ「な、泣かないでくれよ……え、えーと……誰だっけ…?」

ピカチュウ「ピカピ……」

リーリエ「サトシ!」ザッ

サトシ「!」

リーリエ「……いくらサトシが私たちのことを記憶から失くそうとも……私たちがアローラで過ごした時間や経験が失くなることはありません」

サトシ「…………」

リーリエ「これから先……みんなが自分の夢や目標を見つけ……そしてそれに向かって一歩を踏み出していく…」

リーリエ「……それぞれの夢に向かって…別々の道を歩んでいくことになるかもしれません…ですが…」

サトシ「…………」

リーリエ「私たちがみんなで共に過ごしたこれまでの時間は嘘じゃない。もしも夢に向かう道のりの途中で困難や壁があったならば、私たちみんなのことを思い出してください……いや……」

リーリエ「たとえ忘れたって言っても思い出させてあげます!だって私たちはみんないつでも分かち合い、助け合い、繋がっている……」

リーリエ「アローラは家族ですから!」ニコッ

シロン「コーン!」

サトシ「…………………」ジーッ

リーリエ「?」

サトシ「うげっ!?ナゲツケサル!!」ビクッ

リーリエ「」

シロン「コ……」

ピカチュウ「ピカピ……」

マーマネ「はいリーリエ。そこに落ちてたウルトラかたいきのみ」スッ

リーリエ「ありがとうございますマーマネ」ニコニコ

サトシ「…………ちょ……お、おい!そのきのみで何する気だ!?」

ピカチュウ「ピカ……」

リーリエ「……さてと…」スッ

サトシ「」ビクッ

リーリエ「……そして~♪いつか こう いうよ~♪」ヒョイッ

シロン「コン♪」

サトシ「や、やめろおぉぉぉぉ!!」

ピカチュウ「ピカピカ……」ヤレヤレ






おわり

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